特許第6952964号(P6952964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952964
(24)【登録日】2021年10月1日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20211018BHJP
【FI】
   A63F7/02 326C
   A63F7/02 304D
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-226160(P2017-226160)
(22)【出願日】2017年11月24日
(65)【公開番号】特開2019-92936(P2019-92936A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2020年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】500077959
【氏名又は名称】株式会社MRD
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 茂典
【審査官】 武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−102143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動して遊技の演出を行う可動演出体を有する遊技盤ユニットと、
前記遊技盤ユニットを着脱可能に支持するとともに前記可動演出体を駆動する駆動源を有する枠体と、を備え、
前記駆動源の出力先端部には、駆動側係合部材が設けられており、前記可動演出体の入力先端部には、前記駆動側係合部材と係合して前記駆動源の駆動力を前記可動演出体へ伝達するための可動側係合部材が設けられており、
前記駆動側係合部材は、前記枠体に対して遊動可能な遊動部材に配置されており、
前記枠体には、
前記枠体に対向して配置された前記遊技盤ユニットを、前記枠体に対して固定するために操作可能なロック部材と、
前記遊動部材を前記遊技盤ユニット側へ押し出すための押出部材と、
前記押出部材を前記ロック部材の操作に連動させるための連動部材と、が設けられており、
前記駆動側係合部材と前記可動側係合部材とは、前記ロック部材の操作を受けて前記押出部材が前記遊技盤ユニット側に押し出されたときに、前記遊動部材が前記枠体に対して遊動して、互いに係合するよう構成されている、遊技機。
【請求項2】
前記遊動部材は、前記遊技機の前後方向と、前記前後方向に交差する平面方向とに遊動可能であり、
前記駆動側係合部材と前記可動側係合部材とは、前記駆動源の回転力を前記可動演出体に伝達するよう回動可能であり、
前記駆動側係合部材と前記可動側係合部材とには、前記駆動側係合部材の軸心と前記可動側係合部材の軸心とを一致させるとともに、前記駆動側係合部材の回転位置に対する前記可動側係合部材の回転位置を合わせるための位置案内部が設けられている、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技盤ユニットは、前記枠体に対して回動可能に取り付けられた回動部に配置された状態で前記枠体に支持されており、
前記駆動源及び前記駆動側係合部材には、前記枠体の前面において前記遊動部材に配置された第1駆動源及び第1駆動側係合部材と、前記回動部の回動軸側の側面に直接配置された第2駆動源及び第2駆動側係合部材とがあり、
前記可動側係合部材には、前記第1駆動側係合部材と係合するよう、前記遊技盤ユニットの後面に配置された第1可動側係合部材と、前記第2駆動側係合部材と係合するよう、前記遊技盤ユニットの側面に配置された第2可動側係合部材とがあり、
前記遊技盤ユニットは、前記第2駆動側係合部材に前記第2可動側係合部材が係合されるよう、前記回動部に配置された配置構造と、前記ロック部材の操作を受けて前記第1駆動側係合部材に前記第1可動側係合部材が係合されるよう、前記回動部とともに前記枠体に固定された固定構造とを有する、請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤ユニットと、遊技盤ユニットを着脱可能に支持する枠体とを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技を行うための遊技盤の前側に、遊技盤の前側において可動して遊技の演出を行う可動演出体を配置することが行われている。また、遊技盤には、遊技盤における遊技の制御を行う制御装置、可動演出体、可動演出体を駆動するモータ等の駆動源が配置されている。遊技盤は、遊技機の外枠に対して開閉可能に支持された本体枠に配置されている。
【0003】
また、可動演出体に関する技術ではないが、例えば、特許文献1の遊技機においては、遊技盤の前面に、モータ等を用いた駆動機構によって回転駆動される表面回転体を配置することが行われている。駆動機構は、遊技盤の後面に配置されており、遊技盤を貫通して配置された駆動軸を介して、遊技盤の前面における表面回転体を駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−103075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技盤には遊技のテーマ(遊技盤ごとの固有の遊技性、遊技演出等)があり、可動演出体、及び制御装置における遊技のテーマに応じた内容の制御を行う内容制御部は、遊技盤の種類ごとに異なる。そのため、遊技機における遊技盤を、他のテーマの遊技盤に取り替えるときには、可動演出体及び内容制御部も取り替える必要がある。
【0006】
従来の遊技機においては、特に、前述した可動演出体及びその駆動源は、遊技盤との一体性、統一性等を持たせるために、遊技盤に配置されてユニット化されている。そのため、遊技機の機種を他のテーマの機種に変更するときには、遊技盤をユニットごと他の遊技盤に変更することになり、遊技盤だけでなく、可動演出体及びその駆動源も取り替える必要がある。
【0007】
また、可動演出体の駆動源を本体枠に配置し、本体枠に対して遊技盤及び可動演出体をセットにして取り替えることも考えられる。しかし、この場合、駆動源と可動演出体とをどのように接続し、駆動源の動力を可動演出体へどのように伝達するかが課題となる。駆動源と可動演出体との接続に手間が掛かると、遊技機の機種を変更する際の作業性を悪化させることになる。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、機種替えの作業性を良好に維持して、機種替えに要するコストを低減させることができる遊技機を提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、可動して遊技の演出を行う可動演出体を有する遊技盤ユニットと、
前記遊技盤ユニットを着脱可能に支持するとともに前記可動演出体を駆動する駆動源を有する枠体と、を備え、
前記駆動源の出力先端部には、駆動側係合部材が設けられており、前記可動演出体の入力先端部には、前記駆動側係合部材と係合して前記駆動源の駆動力を前記可動演出体へ伝達するための可動側係合部材が設けられており、
前記駆動側係合部材は、前記枠体に対して遊動可能な遊動部材に配置されており、
前記枠体には、
前記枠体に対向して配置された前記遊技盤ユニットを、前記枠体に対して固定するために操作可能なロック部材と、
前記遊動部材を前記遊技盤ユニット側へ押し出すための押出部材と、
前記押出部材を前記ロック部材の操作に連動させるための連動部材と、が設けられており、
前記駆動側係合部材と前記可動側係合部材とは、前記ロック部材の操作を受けて前記押出部材が前記遊技盤ユニット側に押し出されたときに、前記遊動部材が前記枠体に対して遊動して、互いに係合するよう構成されている、遊技機にある。
【発明の効果】
【0010】
前記一態様の遊技機においては、遊技のテーマに沿った仕様の遊技盤及び可動演出体を有する遊技盤ユニットを、可動演出体を駆動する駆動源を有する枠体に着脱可能にしている。そして、遊技機の機種を他のテーマの機種に変更する場合には、枠体に対して、遊技盤及び可動演出体が配置された遊技盤ユニットを他の遊技盤ユニットに取り替えることができる。
【0011】
これにより、遊技盤及び可動演出体を取り替える際に、駆動源は取り替えずに再利用することができ、取り替えを要する部品点数を減らすことができる。そして、遊技機の機種替えに要するコストを低減させることができる。
【0012】
また、駆動源と可動演出体との接続は、駆動源の出力先端部に設けられた駆動側係合部材と、可動演出体の入力先端部に設けられた可動側係合部材とが係合されることによって行われる。この場合、駆動側係合部材と可動側係合部材とに特別な工夫がされていないと、駆動側係合部材の位置と可動側係合部材の位置とがずれ、遊技盤ユニットの取り替えの作業を悪化させる。
【0013】
そこで、前記一態様の遊技機においては、駆動側係合部材を枠体に対して遊動可能な遊動部材に配置している。そして、遊技盤ユニットを枠体に取り付ける際に、駆動側係合部材の位置と可動側係合部材の位置とがずれた場合であっても、遊動部材が枠体に対して遊動することによって、駆動側係合部材の位置と可動側係合部材の位置とを合わせることができる。
【0014】
ただし、駆動側係合部材と可動側係合部材との位置合わせができたとしても、これらの係合と係合状態の維持とに手間が掛かっては、遊技盤ユニットの取り替えの作業性を良好に維持することはできない。そこで、前記一態様の遊技機においては、駆動側係合部材と可動側係合部材との係合及び係合状態の維持の仕方に工夫をしている。
【0015】
具体的には、枠体に対して遊技盤ユニットを固定するためのロック部材を利用して、駆動側係合部材と可動側係合部材との係合及びこの係合状態の維持を図る。ロック部材の操作は、連動部材及び押出部材を介して、遊動部材を遊技盤ユニット側へ押し出す動作として利用する。
【0016】
作業者等は、遊技盤ユニットを枠体に配置したときには、ロック部材を操作する。このとき、ロック部材によって遊技盤ユニットを枠体に固定できるだけでなく、枠体に対して遊動部材が遊動して駆動側係合部材と可動側係合部材とを係合させることができ、かつこの係合状態を維持することができる。
【0017】
それ故、前記一態様の遊技機によれば、遊技機の機種替えの作業性を良好に維持して、遊技機の機種替えに要するコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態にかかる、遊技機を前方から見た状態で示す説明図。
図2】実施形態にかかる、遊技機の枠体を前方から見た状態で示す説明図。
図3】実施形態にかかる、遊技機の遊技盤ユニットを後方から見た状態で示す説明図。
図4】実施形態にかかる、駆動側係合部材と可動側係合部材とが係合する前の状態を、遊技機の側方から見た状態で示す断面説明図。
図5】実施形態にかかる、駆動側係合部材と可動側係合部材とが係合した状態を、遊技機の側方から見た状態で示す断面説明図。
図6】実施形態にかかる、図5の一部を拡大して示す断面説明図。
図7】実施形態にかかる、(a)駆動側係合部材を示す正面図、(b)可動側係合部材を示す正面図、(c)駆動側係合部材と可動側係合部材とが係合する状態を示す断面説明図。
図8】実施形態にかかる、遊技盤ユニットが枠体に対向した状態を、遊技機の上方から見た状態で示す説明図。
図9】実施形態にかかる、枠体に対して、遊技盤ユニットが取り付けられていない回動部が回動した状態を、遊技機の上方から見た状態で示す説明図。
図10】実施形態にかかる、枠体に対して回動した回動部に、遊技盤ユニットが取り付けられている状態を、遊技機の上方から見た状態で示す説明図。
図11】実施形態にかかる、枠体に対して回動した回動部に、遊技盤ユニットが取り付けられた状態を、遊技機の上方から見た状態で示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前述した遊技機にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態>
本形態の遊技機1は、図1図3に示すように、遊技盤51及び可動演出体6A,6B,6Cを有する遊技盤ユニット5と、可動演出体6A,6B,6Cの駆動源4A,4Bを有する枠体2とを備える。
【0020】
遊技盤51は、遊技球による遊技を行うための遊技領域を有する。可動演出体6A,6B,6Cは、可動(回動)して遊技の演出を行うものである。枠体2は、遊技ホールに設置される部分であり、遊技盤ユニット5を着脱可能に支持するものである。駆動源4A,4Bは、可動演出体6A,6B,6Cを駆動するものである。
【0021】
駆動源4A,4Bの出力先端部41には、ギヤ等の動力伝達部材を介して駆動側係合部材42A,42Bが設けられている。可動演出体6A,6B,6Cの入力先端部61には、駆動側係合部材42A,42Bと係合して駆動源4A,4Bの駆動力を可動演出体6A,6B,6Cへ伝達するための可動側係合部材62A,62Bが設けられている。駆動源4A及び駆動側係合部材42Aは、枠体2に対して遊動可能な遊動部材26に配置されている。
【0022】
図4及び図5に示すように、枠体2には、ロック部材21、押出部材23及び連動部材22が設けられている。ロック部材21は、枠体2に対向して配置された遊技盤ユニット5を枠体2に対して固定するよう操作可能である。押出部材23は、遊動部材26を遊技盤ユニット5側へ押し出すためのものである。連動部材22は、押出部材23をロック部材21の操作に連動させるためのものである。
【0023】
駆動側係合部材42Aと可動側係合部材62Aとは、ロック部材21の操作を受けて押出部材23が遊技盤ユニット5側に押し出されたときに、遊動部材26が枠体2に対して遊動して、互いに係合するよう構成されている。
【0024】
以下に、本形態の遊技機1について詳説する。
(枠体2,遊技盤ユニット5)
本形態の遊技機1はパチンコ遊技機である。図2に示すように、枠体2は、遊技ホールに対して、外枠(図示略)を介して固定されている。枠体2は、遊技機1における共通電気部品を有する。共通電気部品は、遊技盤51による遊技のテーマに左右されず、種々の遊技盤51(遊技機1)において共通して使用される基本的な構成要素である。共通電気部品には、可動演出体6A,6B,6Cの駆動源4A,4B、交流電力から直流電力を作り出す電源装置、共通制御装置、球発射装置、球払出装置等がある。
【0025】
共通制御装置においては、例えば、遊技盤51の前面に形成された遊技領域へ遊技球を発射させる球発射装置の発射制御装置、遊技機1の球皿へ目標とする数の遊技球を払い出す球払出装置の払出制御装置、及びそれらの装置の制御等を行うプログラムが含まれている。
【0026】
遊技機1は、遊技盤51による遊技のテーマが異なる機種に変更する際に、枠体2から遊技盤ユニット5を取り外し、この遊技盤ユニット5を他の遊技盤ユニット5に取り替えることができるよう構成されている。図3及び図8に示すように、遊技盤ユニット5は、遊技盤51及び可動演出体6A,6B,6Cの他に、遊技者から視認できるよう遊技盤51上において光による演出を行う光演出装置等を有する。また、遊技盤ユニット5は、遊技盤51による遊技のテーマに沿った固有の制御プログラム等が含まれる個別制御装置54等を有する。個別制御装置54には、遊技機1における大当り等の主たる遊技を制御する主制御装置、後述する画像表示装置331に表示する画像を制御する画像制御装置等がある。
【0027】
(可動演出体6A,6B,6C,駆動源4A,4B)
図3に示すように、遊技盤51の前方には、可動演出体6A,6B,6C等が配置されている。可動演出体6A,6B,6Cは、駆動源4A,4Bから伝達される回転力を利用して、遊技機1の前側、言い換えれば遊技盤51の前方において、種々の移動、回動等の動作をするものである。可動演出体6A,6B,6Cは、1つの駆動源4A,4Bから回転力を受けて動作するものであってもよく、複数の駆動源4A,4Bから回転力を受けて動作するものであってもよい。
【0028】
遊技盤51の後側には、可動側係合部材62A,62B、個別制御装置54等が配置された機構部材52が配置されている。可動演出体6A,6B,6Cは、遊技盤51及び機構部材52に対して回動、移動等が可能であり、可動側係合部材62A,62Bは、機構部材52に対して回動可能に配置されている。また、遊技盤51には、遊技機1の前方から画像表示装置331が視認できるようにするための開口穴511が形成されている。
【0029】
本形態の駆動源4A,4Bは、回転力を発生させるモータによって構成されている。本形態の遊技機1においては、複数の駆動源4A,4Bと、複数の可動演出体6A,6B,6Cとが用いられる。駆動側係合部材42A,42Bは、モータの出力先端部41に設けられている。モータの出力軸には、駆動ギヤが取り付けられている。本形態の出力先端部41は、駆動ギヤによって回転する駆動力伝達ギヤの出力軸として形成されている。
【0030】
本形態の駆動源4A及び駆動側係合部材42Aは、遊動部材26に配置されている。これにより、遊動部材26が遊動するときに、駆動源4Aと駆動側係合部材42Aとの位置関係に変動がない。そのため、駆動源4Aと駆動側係合部材42Aとを連結する、ギヤ等の動力伝達部材による連結構造を簡単にすることができ、駆動力の伝達を適切に行うことができる。
【0031】
(回動部3)
図2及び図9に示すように、枠体2には、枠体2に対して回動可能な回動部3が設けられている。遊技盤ユニット5は、回動部3に配置された状態で枠体2に支持されている。回動部3は、遊技盤ユニット5を支持する支持枠部として構成されている。本形態の支持枠部は、折曲げ加工された板金によって構成されている。回動部3には、枠体2の左右方向Wの端部において上下方向Hに沿った中心軸線を有する回動軸部31が設けられている。そして、回動部3は、回動軸部31を中心に枠体2から前方へ回動し、回動軸部31とは反対側に位置する回動先端部32から配置される遊技盤ユニット5を支持するよう構成されている。
【0032】
回動部3には、遊技盤51における遊技に関連した画像を表示する画像表示装置331が配置されている。画像表示装置331は、液晶パネルによって構成されており、枠体2側の部品となり、遊技盤ユニット5の取り替えを行って遊技機1の機種変更を行う際に、取り替えを必要としない、複数の機種に対して使用可能な共通部品とされる。
【0033】
なお、画像表示装置331は、遊技盤ユニット5に配置されていてもよい。この場合には、遊技機1の機種変更を行う際に、画像表示装置331を遊技盤51等とともに取り替えることができる。
【0034】
図2及び図9に示すように、画像表示装置331は、回動部3の取付部33に取り付けられている。回動部3には、画像表示装置331が取り付けられた取付部33の他に、遊技盤ユニット5を下方から支え、遊技盤ユニット5から加わる荷重を受ける荷重受け部34が形成されている。荷重受け部34は、回動部3に対して回動先端部32側から挿入される遊技盤ユニット5の下辺部を受けるよう構成されている。
【0035】
回動部3及び枠体2には、枠体2に対して回動部3を開けることができる角度を制限するための角度制限機構53が設けられている。角度制限機構53は、枠体2と回動部3との間に架け渡されたリンク部材、リンク部材の一方の端部をスライド可能にするスライド溝等を有する。回動部3は、枠体2に対して例えば35〜55°回動させることができる。回動部3を開けることができる角度が制限(規定)されることにより、回動部3に対する遊技盤ユニット5の着脱を容易にすることができる。
【0036】
図10及び図11に示すように、遊技盤ユニット5には、遊技盤ユニット5を回動部3に対して配置する際に、画像表示装置331が挿入される挿入空間521が形成されている。挿入空間521は、遊技盤ユニット5の左右方向Wに向けて形成されている。挿入空間521は、遊技盤51の後側に形成されており、挿入空間521に挿入された画像表示装置331は、遊技盤51の後側に配置される。
【0037】
(駆動側係合部材42A,42B、可動側係合部材62A,62B)
図2に示すように、駆動源4A,4B及び駆動側係合部材42A,42Bには、枠体2の前面201において遊動部材26に配置された第1駆動源4A及び第1駆動側係合部材42Aと、回動部3の回動軸部31側の側面303に直接配置された第2駆動源4B及び第2駆動側係合部材42Bとがある。図3に示すように、可動側係合部材62A,62Bには、第1駆動側係合部材42Aと係合するよう、遊技盤ユニット5の後面502に配置された第1可動側係合部材62Aと、第2駆動側係合部材42Bと係合するよう、遊技盤ユニット5の側面503に配置された第2可動側係合部材62Bとがある。
【0038】
図9に示すように、第2駆動源4B及び第2駆動側係合部材42Bは、回動部3における回動軸部31側の側面303に固定されている。回動部3が枠体2に支持された状態において、第2駆動側係合部材42Bの係合先端側は、遊技機1における左右方向Wの中心側に向けられる。言い換えれば、第2駆動側係合部材42Bの係合先端側は、回動部3の回動先端部32側に向けられている。
【0039】
図10及び図11に示すように、回動部3に、回動先端部32側から遊技盤ユニット5が挿入されるときには、回動部3における第2駆動側係合部材42Bの係合先端側と、遊技盤ユニット5における第2可動側係合部材62Bの係合先端側とが対向する。そして、遊技盤ユニット5が回動部3の規定位置に取り付けられるときには、遊技盤ユニット5における第2可動側係合部材62Bが回動部3における第2駆動側係合部材42Bと係合される。
【0040】
駆動源4A,4Bは、第1駆動源4Aとして枠体2の前面201に配置するだけでなく、第2駆動源4Bとして回動部3にも配置することにより、駆動源4A,4Bを配置するスペースをより広範囲に確保することができる。また、遊技盤ユニット5における可動演出体6A,6B,6Cの配置部位に応じて、回動部3を利用して駆動源4A,4Bを配置することができる。
【0041】
遊技盤ユニット5は、回動先端部32側から回動軸部31側へスライドさせて回動部3に配置される。そのため、回動部3と遊技盤ユニット5との間には回動構造が介在しておらず、回動部3における第2駆動側係合部材42Bと、遊技盤ユニット5における第2可動側係合部材62Bとの間には、位置ずれが生じにくい。そのため、第2駆動源4B及び第2駆動側係合部材42Bが回動部3を利用して配置されることにより、第2駆動側係合部材42Bと第2可動側係合部材62Bとの係合においては、遊動部材26を不要にすることができる。
【0042】
図7(c)に示すように、各駆動側係合部材42A,42Bと各可動側係合部材62A,62Bとには、駆動側係合部材42A,42Bの軸心O1と可動側係合部材62A,62Bの軸心O2とを一致させるとともに、駆動側係合部材42A,42Bの回転位置に対する可動側係合部材62A,62Bの回転位置を合わせるための位置案内部40が設けられている。回転位置とは、駆動側係合部材42A,42Bと可動側係合部材62A,62Bとが、駆動側係合部材42A,42B及び可動側係合部材62A,62Bの中心軸線O1,O2の周りの周方向Cにおいて係合される位置のことをいう。なお、軸心と中心軸線とは同じ符号O1,O2によって示す。
【0043】
各駆動側係合部材42A,42Bと各可動側係合部材62A,62Bとに位置案内部40が設けられ、かつ遊動部材26が利用されることにより、各駆動側係合部材42A,42Bと各可動側係合部材62A,62Bとの軸心位置及び回転位置の位置合わせを、遊技盤ユニット5を枠体2に配置する動作を利用して行うことができる。
【0044】
各駆動側係合部材42A,42Bと各可動側係合部材62A,62Bとにおける位置案内部40は、両者の係合を案内するための形状と、駆動源4A,4Bの回転力を可動演出体6A,6B,6Cに伝達するための形状とを有する。各駆動側係合部材42A,42Bと各可動側係合部材62A,62Bとは、同軸状に係合して回転力を伝達するための歯車構造を有している。
【0045】
図7(a)に示すように、本形態の駆動側係合部材42A,42Bには、その中心軸線O1を中心とする周方向Cの複数箇所に等間隔に並ぶ駆動側係合凸部43と、その中心軸線O1と同心状に配置された案内筒部45とが形成されている。周方向Cにおける複数の駆動側係合凸部43同士の間には、駆動側係合凹部44がそれぞれ形成されている。
【0046】
図7(b)に示すように、本形態の可動側係合部材62A,62Bには、その中心軸線O2を中心とする周方向Cの複数箇所に等間隔に並ぶ可動側係合凸部63が形成されている。複数の可動側係合凸部63の全体は、案内筒部45の内周側に案内されるよう構成されている。周方向Cにおける複数の可動側係合凸部63同士の間には、可動側係合凹部64がそれぞれ形成されている。
【0047】
可動側係合凸部63が可動側係合部材62A,62Bの周方向Cに形成された間隔と、駆動側係合凸部43が駆動側係合部材42A,42Bの周方向Cに形成された間隔とは同じである。そして、図7(c)に示すように、可動側係合部材62A,62Bと駆動側係合部材42A,42Bとが係合するときには、各可動側係合凸部63が各駆動側係合凹部44に配置されるとともに、各駆動側係合凸部43が各可動側係合凹部64に配置される。
【0048】
図7(a)〜(c)に示すように、駆動側係合部材42A,42Bの案内筒部45の先端部には、可動側係合部材62A,62Bの先端部の軸心O2を、駆動側係合部材42A,42Bの軸心O1へ案内するための案内テーパ面451が形成されている。また、複数の可動側係合凸部63の先端部には、案内テーパ面451及び案内筒部45の内周側への案内を容易にするための先端テーパ面631が形成されている。可動側係合凸部63の先端部が、案内テーパ面451に当接するときには、可動側係合凸部63の先端部が案内テーパ面451を滑って、駆動側係合部材42A,42Bの軸心O1と可動側係合部材62A,62Bの軸心O2とが合うようになっている。
【0049】
また、図7(a),(b)に示すように、各駆動側係合凸部43及び各可動側係合凸部63の周方向Cの両側の端部には、各係合凸部43,63の周方向Cの位置を各係合凹部44,64の周方向Cの位置へ案内するための周方向テーパ面431,632が形成されている。駆動側係合部材42A,42Bと可動側係合部材62A,62Bとが係合する際に、駆動側係合部材42A,42Bの回転位置と可動側係合部材62A,62Bの回転位置とがずれている場合には、各駆動側係合凸部43と各可動側係合凸部63とが接触する。このとき、各駆動側係合凸部43の先端部が各可動側係合凸部63の周方向テーパ面632に当接するとともに、各可動側係合凸部63の先端部が各駆動側係合凸部43の周方向テーパ面431に当接する。
【0050】
ここで、駆動側係合部材42A,42Bには、駆動源4A,4Bによる停止トルクが作用している一方、可動側係合部材62A,62Bには、可動演出体6A,6B,6Cによる停止トルクよりも小さな静止トルクが作用している。そのため、各係合凸部43,63の先端部が各周方向テーパ面431,632に当接して各周方向テーパ面431,632上を滑るときには、駆動側係合部材42A,42Bに対して可動側係合部材62A,62Bが若干回転し、各可動側係合凸部63が各駆動側係合凹部44に配置されるとともに、各駆動側係合凸部43が各可動側係合凹部64に配置される。これにより、駆動側係合部材42A,42Bの回転位置と可動側係合部材62A,62Bの回転位置とが合って、駆動側係合部材42A,42Bと可動側係合部材62A,62Bとが係合する。
【0051】
各可動側係合凸部63が駆動側係合部材42A,42Bの案内筒部45の内周側に配置される構成により、位置案内部40による、駆動側係合部材42A,42Bの軸心O1と可動側係合部材62A,62Bの軸心O2とを一致させる構造が形成される。また、各可動側係合凸部63が各駆動側係合凹部44に配置されるとともに、各駆動側係合凸部43が各可動側係合凹部64に配置される構成により、位置案内部40による、駆動側係合部材42A,42Bの回転位置に対する可動側係合部材62A,62Bの回転位置を合わせる構造が形成される。
【0052】
駆動側係合部材42A,42Bの回転位置と可動側係合部材62A,62Bの回転位置とが合った状態とは、周方向Cにおける各係合凸部43,63の位置と周方向Cにおける各係合凹部44,64の位置とが合った状態のことをいう。
【0053】
なお、駆動側係合部材42A,42Bの形状と可動側係合部材62A,62Bの形状とは互いに入れ替わっていてもよく、可動側係合部材62A,62Bに案内筒部45が形成されていてもよい。
【0054】
(可動演出体6A,6B,6C及び駆動源4A,4Bの具体的構成)
図2に示すように、本形態の第1駆動源4Aは、枠体2の前面201の3箇所に配置されており、第2駆動源4Bは、回動部3の回動軸部31側の側面303の1箇所に配置されている。図3に示すように、本形態の可動演出体6A,6B,6Cには、2つの第1駆動源4Aによる駆動力を受けて可動する第1可動演出体6Aと、1つの第1駆動源4Aによる駆動力を受けて可動する第2可動演出体6Bと、1つの第2駆動源4Bによる駆動力を受けて可動する第3可動演出体6Cとがある。
【0055】
図1に示すように、第1可動演出体6Aは、遊技機1の前面101において上下に移動できるよう構成されている。第2可動演出体6B及び第3可動演出体6Cは、遊技機1の前面101において回動できるよう構成されている。なお、駆動源4A,4Bと可動演出体6A,6B,6Cとの組み合わせ方は、任意に変更することができる。
【0056】
(遊動部材26、ロック部材21,押出部材23,連動部材22)
図4及び図5に示すように、ロック部材21の操作力は、押出部材23としての回動部材24及び押出プレート25、並びに遊動部材26を介して第1駆動側係合部材42Aに伝達され、第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとの係合に利用される。
【0057】
遊動部材26は、枠体2の前後方向D及び前後方向Dに交差する平面方向に対して遊動可能である。本形態の平面方向は前後方向Dに直交する上下方向H及び左右方向Wが含まれる平面内の方向のことをいう。平面方向は、前後方向Dに対して傾斜する平面内の方向としてもよい。図4図6及び図8図11においては、前後方向Dの前方を符号D1によって示す。
【0058】
本形態の押出部材23は、連動部材22によって回動する回動部材24と、遊動部材26が配置されるとともに、回動部材24によって押し出される押出プレート25とによって構成されている。
【0059】
図6に示すように、枠体2には、押出プレート25が、前後方向Dにスライド可能に配置されており、複数の遊動部材26は、遊動バネ部材262を介して押出プレート25に配置されている。押出プレート25には、枠体2に対して摺動可能な突出部250が設けられている。押出プレート25は、突出部250に配置された押出バネ部材252によって後方へ付勢されている。
【0060】
各遊動部材26は、押出プレート25に対して平面方向及び前後方向Dへ遊動可能である。各遊動部材26には、押出プレート25に設けられた複数の軸部251のそれぞれが配置された複数の貫通穴261が形成されている。各遊動部材26は、各貫通穴261における各軸部251の位置が変化することによって平面方向へ遊動可能であり、各貫通穴261に対して各軸部251がその軸方向にスライドすることによって前後方向Dへ遊動可能である。
【0061】
各第1駆動源4A及び各第1駆動側係合部材42Aは、各遊動部材26の前面に個別に配置されている。各遊動部材26は、複数の遊動バネ部材262の弾性力を受けた状態で押出プレート25に対して平面方向及び前後方向Dに遊動可能である。本形態の押出バネ部材252及び遊動バネ部材262は、圧縮バネによって構成されている。
【0062】
図4及び図5に示すように、ロック部材21は、枠体2に対して遊技盤ユニット5を固定するための固定位置205と、枠体2に対する遊技盤ユニット5の固定を解除するための解除位置206とに回動操作可能である。ロック部材21は、枠体2における、遊技盤ユニット5の配置位置の前方において回動可能に配置されている。ロック部材21は、遊技盤ユニット5の遊技盤51の前面501の端部に配置されたときに、遊技盤ユニット5を枠体2との間に挟持する挟持部211と、連動部材22に回転接触するローラ部212とを有する。
【0063】
ロック部材21は、付勢部材によって解除位置206に付勢されている。そして、作業者が、遊技盤ユニット5が配置された回動部3を回動させて枠体2に配置する際に、遊技盤ユニット5における遊技盤51によって押されて解除位置206から固定位置205に回動する。言い換えれば、ロック部材21の回動操作は、遊技盤ユニット5を枠体2に配置する動作に伴って行うことができる。
【0064】
図示は省略するが、枠体2の前側には、遊技盤51を前方に向けて付勢する付勢部材が配置されている。ロック部材21によって枠体2に対して遊技盤ユニット5を固定するときには、付勢部材によって、ロック部材21の挟持部211の後面と、遊技盤51の前面501とが当接される。これにより、枠体2に対する遊技盤51の配置位置が規定される。
【0065】
回動部材24及び押出プレート25は、ロック部材21を解除位置206から固定位置205へ回動させる操作を利用して、遊動部材26を遊動させながら第1駆動側係合部材42Aを第1可動側係合部材62Aに係合させることが可能である。回動部材24は、押出プレート25の後方に対向して配置されており、回動軸240の周りに回動可能である。回動部材24は、ロック部材21の解除位置206から固定位置205への操作を受けた連動部材22によって押されて回動するよう構成されている。
【0066】
回動部材24の回動軸240の周りには、回動部材24を、ロック部材21の解除位置206に対応した元の位置に付勢する付勢バネ242が配置されている。また、回動部材24は、ロック部材21が解除位置206から固定位置205に回動するときに、回動軸240を中心に回動して、押出プレート25を前方へ押し出す押出部241を有する。押出部241は、回動部材24において回動軸240よりも下方の位置に形成されている。押出部241は、回動部材24が上下方向に沿って配置された状態において、回動部材24の前面側において、後方へ屈曲する前面によって形成されている。
【0067】
図4及び図5に示すように、連動部材22は、ロック部材21の解除位置206から固定位置205への操作力を回動部材24に伝達するよう構成されている。連動部材22は、枠体2における前後方向Dに向けて配置されており、枠体2における前後方向Dに自由にスライド可能である。連動部材22の前側の端部221には、ロック部材21のローラ部212が接触可能である。連動部材22の後側の端部222は、回動部材24における回動軸240よりも上方に位置する部位に接触可能である。
【0068】
ロック部材21が解除位置206から固定位置205に回動操作されるときには、連動部材22を介して回動部材24が回動する。このとき、回動部材24の押出部241の前面が、押出プレート25の後面に当接し、回動部材24によって押出プレート25が前方に押し出される。そして、押出プレート25に対して複数の遊動部材26が遊動することができる。また、ロック部材21が固定位置205から解除位置206に回動操作されるときには、複数の押出バネ部材252による弾性力を受けて押出プレート25が元の位置に戻されるとともに、付勢バネ242による弾性力を受けて回動部材24が元の位置に戻される。
【0069】
(遊技盤ユニット5の構造)
遊技盤ユニット5は、図9図11に示すように、第2駆動側係合部材42Bに第2可動側係合部材62Bが係合されるよう、回動部3の回動先端部32側から回動軸部31側へスライドして回動部3に配置された配置構造505と、図4図5及び図8に示すように、ロック部材21の操作を受けて第1駆動側係合部材42Aに第1可動側係合部材62Aが係合されるよう、回動部3とともに枠体2に固定された固定構造506とを有する。遊技盤ユニット5の配置構造505及び固定構造506により、作業者による、枠体2に対する遊技盤ユニット5の取付け・取外しの作業を容易にすることができる。
【0070】
また、遊技機1においては、図9図11に示すように、遊技盤ユニット5が、回動部3の回動先端部32側から回動軸部31側へスライドして回動部3に配置され、次いで、図4図5及び図8に示すように、遊技盤ユニット5が配置された回動部3が枠体2に対して後方に向けて回動された後、ロック部材21の操作を受けて遊技盤ユニット5が枠体2に固定される。遊技盤ユニット5を、一旦回動部3に配置することにより、作業者は、重量のある遊技盤ユニット5を一旦手から放すことができる。
【0071】
また、遊技盤ユニット5を、枠体2の前方に位置する回動部3へ回動先端部32側から配置することにより、その配置を容易にすることができる。そして、作業者は、遊技盤ユニット5が配置された回動部3を回動させることにより、重量のある遊技盤ユニット5の取扱いを容易にし、遊技盤ユニット5を枠体2に対する正規の配置に容易に配置することができる。
【0072】
(枠体2と遊技盤ユニット5との電気接続)
枠体2と遊技盤ユニット5とには、遊技盤ユニット5における、各種入賞装置、光演出装置、個別制御装置54等の個別制御機器と、枠体2における、画像表示装置331、電源装置、共通制御装置等の共通電気部品との電気接続を行うための接続部材27,57がそれぞれ配置されている。遊技盤ユニット5の盤側接続部材57は、図3に示すように、遊技盤ユニット5の後面502に配置されており、枠体2の枠側接続部材27は、図2に示すように、枠体2の前面201に配置されている。
【0073】
盤側接続部材57と枠側接続部材27との少なくとも一方は、遊動可能な状態で遊技盤ユニット5又は枠体2に配置されている。そして、回動部3を回動させて枠体2に対して遊技盤ユニット5を対向させたときには、盤側接続部材57と枠側接続部材27とが相対的に遊動して、盤側接続部材57と枠側接続部材27とが接続される。盤側接続部材57と枠側接続部材27とは、いわゆるドロワーコネクタによって構成することができる。各接続部材27,57を用いることにより、枠体2側と遊技盤ユニット5側との電気接続を、回動部3によって遊技盤ユニット5を枠体2に配置する回動操作を利用して、簡単に行うことができる。
【0074】
(取付け・取外し動作)
次に、枠体2に対して遊技盤ユニット5を取り付ける動作、及び枠体2から遊技盤ユニット5を取り外す動作について説明する。
遊技機1の機種を変更する際には、それまで使用されていた遊技盤ユニット5を枠体2から取り外し、新たに使用する遊技盤ユニット5を枠体2へ取り付ける。
【0075】
遊技盤ユニット5を枠体2から取り外すときには、図4及び図5に示すように、作業者はロック部材21を固定位置205から解除位置206へ回動操作する。このとき、複数の押出バネ部材252によって押出プレート25が後方へスライドするとともに、付勢バネ242によって回動部材24の押出部241が後方へ回動する。また、連動部材22は、回動部材24によって前方へ押し戻される。そして、各第1駆動側係合部材42Aから各第1可動側係合部材62Aが離れ、各第1駆動側係合部材42Aと各第1可動側係合部材62Aとの係合が解除される。
【0076】
次いで、作業者は、図11に示すように、遊技盤ユニット5が配置された回動部3を、その回動軸を中心に枠体2から前方へ回動させる。このとき、各第1駆動側係合部材42Aから各第1可動側係合部材62Aが離れるとともに、遊技盤ユニット5が枠体2から離れる。次いで、作業者は、図9及び図10に示すように、回動部3に対して、回動部3の回動軸部31側から回動先端部32側へ遊技盤ユニット5をスライドさせる。このとき、第2駆動側係合部材42Bから第2可動側係合部材62Bが離れ、回動部3から遊技盤ユニット5を取り外すことができる。
【0077】
また、新たに使用する遊技盤ユニット5を枠体2に取り付けるときには、作業者は、図9及び図10に示すように、回動部3に対して遊技盤ユニット5を載置し、回動部3の回動先端部32側から回動軸部31側へ遊技盤ユニット5をスライドさせる。このとき、図11に示すように、回動部3における第2駆動側係合部材42Bに対して、遊技盤ユニット5における第2可動側係合部材62Bが係合される。この係合の際に、第2駆動側係合部材42Bの回転位置と第2可動側係合部材62Bの回転位置とにずれがある場合には、各係合凸部43,63の先端部と各周方向テーパ面431,632との当接により、第2駆動側係合部材42Bに対して第2可動側係合部材62Bが若干回動して、両者の回転位置のずれが矯正され、第2駆動側係合部材42Bと第2可動側係合部材62Bとが係合する。
【0078】
次いで、作業者は、図8に示すように、遊技盤ユニット5が配置された回動部3を回動させ、遊技盤ユニット5を枠体2の前側に配置する。このとき、図4に示すように、複数の第1駆動側係合部材42Aと複数の第1可動側係合部材62Aとが対向する。また、図5に示すように、作業者が回動部3を回動させて遊技盤ユニット5を枠体2の前側に配置するときには、遊技盤ユニット5における遊技盤51によってロック部材21が解除位置206から固定位置205に回動操作される。このとき、ロック部材21の挟持部211によって、遊技盤ユニット5が枠体2に支持され、枠体2に対して遊技盤ユニット5が固定される。また、ロック部材21が固定位置205に回動操作されるときには、連動部材22を介して回動部材24が押出プレート25を前方へ押し出す。
【0079】
このとき、押出プレート25に複数の遊動バネ部材262を介して支持された各遊動部材26、及び各遊動部材26に配置された第1駆動源4A及び第1駆動側係合部材42Aが前方へ押し出される。そして、図7(c)に示すように、各遊動部材26において、第1駆動側係合部材42Aの軸心O1と第1可動側係合部材62Aの軸心O2とがずれている場合には、各可動側係合凸部63の先端部が案内筒部45の案内テーパ面451に案内され、図6に示すように、遊動部材26が複数の遊動バネ部材262を介して押出プレート25に対して平面方向に遊動する。これにより、第1駆動側係合部材42Aの軸心O1と第1可動側係合部材62Aの軸心O2とが一致する。
【0080】
また、各遊動部材26において、第1駆動側係合部材42Aの回転位置と第1可動側係合部材62Aの回転位置とがずれている場合には、複数の遊動バネ部材262が圧縮され、複数の遊動バネ部材262による弾性力を受けた遊動部材26によって、第1駆動側係合部材42Aが第1可動側係合部材62Aに押し当てられる。そして、複数の遊動バネ部材262による弾性力を受けた状態で、各係合凸部43,63の先端部が相手側の各係合凸部43,63の周方向テーパ面431,632に案内され、各係合凸部43,63が各係合凹部44,64に配置される。これにより、第1駆動側係合部材42Aの回転位置と第1可動側係合部材62Aの回転位置とが一致する。
【0081】
なお、第1駆動側係合部材42Aの回転位置と第1可動側係合部材62Aの回転位置とがずれている場合とは、各駆動側係合凸部43の周方向Cの位置と各可動側係合凹部64の周方向Cの位置、及び各駆動側係合凹部44の周方向Cの位置と各可動側係合凸部63の周方向Cの位置とがずれている場合のことをいう。
【0082】
このようにして、第1駆動側係合部材42Aの案内筒部45の内周側に第1可動側係合部材62Aが挿入され、各駆動側係合凸部43が各可動側係合凹部64に配置されるとともに各可動側係合凸部63が各駆動側係合凹部44に配置されて、第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとが係合する。また、この係合状態は、複数の遊動バネ部材262及び押出バネ部材252による弾性力を受けた状態で維持される。こうして、新たに使用する遊技盤ユニット5が枠体2に取り付けられる。
【0083】
(作用効果)
本形態の遊技機1においては、遊技のテーマに沿った仕様の遊技盤51及び可動演出体6A,6B,6Cを有する遊技盤ユニット5を、可動演出体6A,6B,6Cの駆動源4A,4Bを有する枠体2に着脱可能にしている。そして、遊技機1の機種を他のテーマの機種に変更する場合には、枠体2に対して、遊技盤51及び可動演出体6A,6B,6Cが配置された遊技盤ユニット5を他の遊技盤ユニット5に取り替えることができる。
【0084】
これにより、遊技盤51及び可動演出体6A,6B,6Cを取り替える際に、駆動源4A,4Bは取り替えずに再利用することができ、取り替えを要する部品点数を減らすことができる。また、本形態においては、画像表示装置331も、駆動源4A,4Bと同様に取り替えずに再利用することができる。そして、遊技機1の機種替えに要するコストを低減させることができる。
【0085】
また、第1駆動源4Aと第1、第2可動演出体6A,6Bとの接続は、第1駆動源4Aの出力先端部41に設けられた第1駆動側係合部材42Aと、第1、第2可動演出体6A,6Bの入力先端部61に設けられた第1可動側係合部材62Aとが係合されることによって行われる。この場合、第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとに特別な工夫がされていないと、第1駆動側係合部材42Aの軸心位置及び回転位置と第1可動側係合部材62Aの軸心位置及び回転位置とがずれ、遊技盤ユニット5の取り替えの作業を悪化させる。
【0086】
そこで、本形態の遊技機1においては、第1駆動源4A及び第1駆動側係合部材42Aを枠体2に対して遊動可能な遊動部材26に配置している。そして、遊技盤ユニット5を枠体2に取り付ける際に、第1駆動側係合部材42Aの軸心位置及び回転位置と第1可動側係合部材62Aの軸心位置及び回転位置とがずれた場合であっても、遊動部材26が枠体2に対して遊動することによって、第1駆動側係合部材42Aの軸心位置及び回転位置と第1可動側係合部材62Aの軸心位置及び回転位置とを合わせることができる。
【0087】
ただし、第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとの位置合わせができたとしても、これらの係合と係合状態の維持とに手間が掛かっては、遊技盤ユニット5の取り替えの作業性を良好に維持することはできない。そこで、本形態の遊技機1においては、第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとの係合及び係合状態の維持の仕方に工夫をしている。
【0088】
具体的には、枠体2に対して遊技盤ユニット5を固定するためのロック部材21を利用して、第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとの係合及びこの係合状態の維持を図る。ロック部材21の回動操作は、連動部材22、回動部材24及び押出プレート25を介して、遊動部材26を遊技盤ユニット5側へ押し出す動作として利用する。
【0089】
作業者等は、遊技盤ユニット5を枠体2に配置したときには、ロック部材21を解除位置206から固定位置205に回動操作する。このとき、ロック部材21によって遊技盤ユニット5を枠体2に固定できるだけでなく、枠体2に対して遊動部材26が遊動して第1駆動側係合部材42Aと第1可動側係合部材62Aとを係合させることができ、かつこの係合状態を維持することができる。
【0090】
それ故、本形態の遊技機1によれば、遊技機1の機種替えの作業性を良好に維持して、遊技機1の機種替えに要するコストを低減させることができる。
【0091】
なお、遊技機1においては、第2駆動源4B及び第2可動演出体6Bを用いないこともできる。また、本形態に示した遊技盤ユニット5と枠体2との固定構造506は、回動部3を有しない遊技機に対しても適用することができる。
【0092】
また、第1駆動源4Aは枠体2に配置し、遊動部材26には、第1駆動源4Aの出力軸に繋がる第1駆動側係合部材42Aのみを配置してもよい。この場合には、第1駆動源4Aの出力軸と第1駆動側係合部材42Aとの間には、第1駆動側係合部材42Aが遊動したときの位置ずれを吸収する構造を設ける。
また、ロック部材21は、回動操作する構成とする以外にも、スライド操作する構成としてもよい。
【0093】
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
【符号の説明】
【0094】
1 遊技機
2 枠体
21 ロック部材
22 連動部材
23 押出部材
24 回動部材
25 押出プレート
26 遊動部材
3 回動部
4A,4B 駆動源
42A,42B 駆動側係合部材
43 駆動側係合凸部
44 駆動側係合凹部
5 遊技盤ユニット
51 遊技盤
6A,6B,6C 可動演出体
62A,62B 可動側係合部材
63 可動側係合凸部
64 可動側係合凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11