(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、バスやトラックの運転者不足が深刻化しており、新たな運転者の育成が急務となっている。
【0005】
新たな運転者の育成として、例えば、ベテランの模範運転者が未経験者や経験が少ない運転者(以下、運転指導対象者)に付き添って運転を指導する方法が採られることがある。しかしながら、模範運転者の人数は限られており、また、模範運転者の業務に支障が生じるから、模範運転者が運転指導対象者に常に付き添うことはできない。
【0006】
また、特許文献1に記載された運転評価システムは、運転技術の評価はできても、運転指導を行うことはできない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、模範運転者の運転情報を収集して運転指導に用いる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の運転者指導システムは、車両に搭載される情報収集装置と、上記車両外に設置される情報処理装置とを備える。上記情報収集装置は、上記車両の車速を示す車速情報と、上記車両のエンジンの回転数を示す回転数情報と、上記車両のステアリングの操作角度を示すステアリング角度情報と、上記車両のアクセルの操作量を示すアクセル情報と、上記車両のブレーキの操作量を示すブレーキ情報と、上記車両の排気ブレーキの操作量を示す
排気ブレーキ情報と、上記車両のトランスミッションの変速ギアの位置を示すギア位置情報と上記車両の加速度を示す加速度情報とのうち少なくとも1つの情報を含む操作情報と、上記車両の位置を示す位置情報とが入力される情報入力部と、無線通信を行う無線通信部と、第1制御部と、を備える。上記情報処理装置は、情報が入出力される第2インタフェース、装置メモリ、及び第2制御部を備える。上記第2制御部は、運転者を示す運転者情報と運転者の技量を示す技量情報とを対応付けた第1テーブルを上記装置メモリに記憶させる第1記憶処理と、運行予定を上記装置メモリに記憶させる第2記憶処理、とを実行し、上記運行予定は、上記車両の走行予定ルートを示すルート情報と、上記運転者情報と、
上記車両を識別可能な識別記号と、を少なくとも有する。上記第1制御部は、上記操作情報、上記位置情報、及び上記識別記号を少なくとも含む運行情報を上記無線通信部から送信する送信処理を実行する。上記第2制御部は、上記情報収集装置が送信した上記運行情報の入力を上記第2インタフェースで受け付ける第1受信処理と、上記第1受信処理で受け付けた上記運行情報に含まれる上記識別記号から上記運行予定を特定する特定処理と、
特定した上記運行予定から上記運転者情報を特定する運転者特定処理と、特定した上記運転者情報に対応する上記技量情報を上記第1テーブルから取得する第1取得処理と、取得した上記技量情報から模範運転者であるか否かを判断する第1判断処理と、上記第1判断処理で模範運転者であると判断したことを条件に、上記操作情報、上記位置情報、及び上記ルート情報を少なくとも含む模範運転情報を上記装置メモリに記憶させる第3記憶処理と、を実行する。
【0009】
情報収集装置の第1制御部は、操作情報、位置情報、及び識別記号を含む運行情報を無線通信部から送信する。識別記号は、例えば、運転者が入力し、或いは運転者が所持するIDカードから読み込まれ、或いは情報収集装置に設けられた記憶部に予め記憶される。
【0010】
送信された運行情報は、情報処理装置の第2インタフェースに入力される。情報処理装置の第2制御部は、運行情報に含まれる識別記号から運行予定を特定し、特定した運行予定から運転者を特定し、特定した運転者が模範運転者か否かを判断する。第2制御部は、模範運転者であると判断すると、操作情報、位置情報、及びルート情報を少なくとも含む模範運転情報として装置メモリに記憶させる。
【0011】
第1判断処理及び第3記憶処理により、模範運転者が運転を行うごとに模範運転情報が収集される。すなわち、模範運転者の運転業務を妨げることなく、模範運転情報が蓄積される。また、模範運転情報はルート情報を含むから、模範運転情報をルートごとに収集することができる。
【0012】
(2) 本発明の運転者指導システムは、上記車両に搭載された報知装置をさらに備える。上記情報収集装置は、上記報知装置と有線または無線接続された第1インタフェースを備える。上記第2制御部は、特定した上記運行予定に含まれる上記ルート情報に一致する上記ルート情報を有する上記模範運転情報が上記装置メモリに記憶されているか否かを判断する第2判断処理と、上記第1判断処理で模範運転者でないと判断し、かつ、上記第2判断処理で上記模範運転情報が上記装置メモリに記憶されていると判断したことを条件に、当該模範運転情報を取得する第2取得処理と、取得した上記模範運転情報の上記操作情報に応じた模範操作情報を含む指導情報を生成する指導情報生成処理と、生成した上記指導情報を上記情報収集装置宛てに上記第2インタフェースから出力する第1出力処理とを実行する。上記第1制御部は、上記指導情報を上記無線通信部で受信する第2受信処理と、受信した上記指導情報に基づく報知情報を上記報知装置宛てに上記第1インタフェースから出力する第2出力処理と、を実行する。上記報知装置は、入力された上記報知情報に応じた報知を行う。
【0013】
第2制御部は、模範運転者でないと判断すると、運転指導を行うための模範運転情報が装置メモリに記憶されているか否かを判断する。運転指導を行うための模範運転情報とは、少なくとも走行ルートが同一である模範運転情報である。第2制御部は、模範運転情報が装置メモリに記憶されていると判断すると、模範運転情報に応じた指導情報を生成し、出力する。
【0014】
出力された指導情報は、情報収集装置の無線通信部に入力される。情報収集装置の第1制御部は、入力された指導情報に応じた報知情報を報知装置へ出力する。報知装置は、入力された報知情報に応じた報知を行う。報知装置は、例えば、液晶画面を有する表示装置や、音声を出力するスピーカである。
【0015】
蓄積された模範運転情報を基に、運転指導対象者への運転指導が行われる。したがって、模範運転者が付き添うことなく、模範運転者が直接指導するのと同等の指導効果が得られる。
【0016】
(3) 上記第2制御部は、上記第1取得処理で取得した上記技量情報から運転指導対象者であるか否かを判断する第3判断処理と、上記第3判断処理において上記運転指導対象者であると判断したことを条件に実行される上記指導情報生成処理とを実行する。
【0017】
第3判断処理により、運手指導が必要な運転者にのみ運転指導を行うことができる。
【0018】
(4) 上記第2制御部は、閾値距離を上記装置メモリに記憶させる第4記憶処理をさらに実行し、上記指導情報生成処理において、上記運行情報に含まれる上記位置情報が示す位置を基準として、上記ルート情報が示す上記走行予定ルート上における上記閾値距離だけ先の位置を指導位置として特定し、特定した当該指導位置における上記模範運転情報の上記操作情報に応じた模範操作情報を含む上記指導情報を生成する。
【0019】
例えば、車両が指導位置であるカーブに進入する前に、当該カーブを模範運転手が曲がる際の模範速度や模範ステアリング角度などが運転指導対象者に報知される。運転指導対象者は、カーブへの進入速度が模範速度になるように、或いはステアリングの操作角度が模範ステアリング角度になるように車両を運転する。その結果、模範運転者が直接指導するのと同等の指導効果が得られる。
【0020】
(5) 上記第2制御部は、上記ルート情報が示す上記走行予定ルート上における指導位置を設定する指導位置設定処理と、設定した上記指導位置における上記模範運転情報の上記操作情報に応じた模範操作情報を含む上記指導情報を生成する上記指導情報生成処理とを実行する。
【0021】
指導位置設定処理においては、指導位置は、例えば、オペレータによる入力操作により設定され、或いは、カーブの曲率半径が閾値半径以上であるカーブや勾配が閾値勾配以上である坂道に対して設定される。指導位置設定処理により、運転指導が必要な指導位置を特定して運転指導を行うことができる。すなわち、平坦な直進道路などの運転指導が不要な位置では運転指導がされず、カーブや坂道などの運転指導が必要な位置でのみ運転指導がされる。必要な位置でのみ運転指導がされることにより、運転の難所であることを運転指導対象者に認識させることができる。
【0022】
(6) 上記情報入力部は、上記車速情報が入力される車速情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記車速情報を模範車速情報とし、当該模範車速情報を含む上記指導情報を生成する。
【0023】
車速について、運転指導を行う。なお、模範車速は、模範運転を基に決定されるから、個々のカーブや坂道に応じた適正な車速であり、単に安全な速度ではなく、運行上遅延が生じず、乗客に不快を感じさせることなく、かつ、安全な走行を行うことができる速度である。すなわち、模範車速は、カーブの曲率半径や坂道の勾配から決定される計算上の車速ではなく、個々のカーブや坂道における道路の路面状態や運行なども考慮して運転を行う模範運転者の模範車速を基に決定される車速である。
【0024】
(7) 上記情報入力部は、上記車速情報が入力される車速情報入力部と、上記回転数情報が入力される回転数情報入力部とを備える。上記第2制御部は、上記運行情報に含まれる上記車速情報及び上記回転数情報から上記車両の積載重量を判断する第4判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第4判断処理で判断した上記積載重量を示す積載重量情報を含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記第2判断処理において、上記積載重量情報をさらに用いて上記模範運転情報の有無を判断する。
【0025】
情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報が含む車速情報及び回転数情報から、車両が積載している荷物や乗客の重量である積載重量を判断する。例えば、エンジンの回転数及び車速と積載重量との対応が示されたテーブルが装置メモリに記憶され、第2制御部は、当該テーブルから積載重量を判断する。例えば、「空」、「中程度」、「満載」の3段階で積載重量が判断される。第2制御部は、判断した積載重量を示す積載重量情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。
【0026】
第2制御部は、運転指導対象者が運転する車両から運行情報が入力されると、運行情報に含まれる車速情報及び回転数情報から積載重量を判断し、判断した積載重量に応じた模範運転情報を選択する。すなわち、運転指導対象者が「満載」の車両を運転する場合には、模範運転者が「満載」の車両を運転した際に収集された模範運転情報が選択される。
【0027】
積載重量に応じた模範運転情報が選択されるから、より適切に運転指導を行うことができる。
【0028】
(8) 上記情報入力部は、上記回転数情報が入力される回転数情報入力部と、上記車両の進行方向における第1加速度情報が入力される加速度情報入力部とを備える。上記第2制御部は、上記特定処理で特定した上記運行情報に含まれる上記回転数情報及び上記第1加速度情報から、上記車両が搭載する積載物の重量である積載重量を判断する第5判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第5判断処理で判断した上記積載重量を示す積載重量情報をさらに含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記第2判断処理において、上記積載重量情報をさらに用いて上記模範運転情報の有無を判断する。
【0029】
第1加速度情報は、例えば、車両に搭載されたジャイロセンサから入力される。第1加速度情報は、車両の進行方向に沿った加速度を示す。したがって、第1加速度情報は、車両の増速や減速の有無及び程度を示す。第2制御部は、エンジンの回転数と第1加速度情報とから、車両の積載重量を判断する。例えば、エンジンの回転数と第1加速度との対応が示されたテーブルが装置メモリに記憶され、第2制御部は、当該テーブルから積載重量を判断する。第2制御部は、判断した積載重量と対応付けて模範運転情報を装置メモリに記憶させる。第2制御部は、運転指導対象者が運転する車両から運行情報が入力されると、運行情報に含まれる回転数情報及び第1加速度情報から車両の積載重量を判断し、判断した積載重量に応じた模範運転情報を選択する。
【0030】
積載重量に応じた模範運転情報が選択されるから、より適切に運転を指導することができる。また、第1加速度度情報を用いて積載重量を判断するから、速度情報及び回転数情報から積載重量を判断するよりも、正確に積載重量を判断することができる。
【0031】
(9) 上記情報入力部は、上記車速情報が入力される車速情報入力部と、上記回転数情報が入力される回転数情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記運行情報に含まれる上記車速情報及び上記回転数情報からトランスミッションの変速ギアの位置であるギア位置を判断する第6判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第6判断処理で判断した上記ギア位置を示すギア位置情報を含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記ギア位置情報を模範ギア位置情報とし、当該模範ギア位置情報をさらに含む上記指導情報を生成する。
【0032】
情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報が含む車速情報及び回転数情報から、車両のギア位置を判断する。例えば、エンジンの回転数と車速とギア位置との対応が示されたテーブルが装置メモリに記憶され、第2制御部は、当該テーブルからギア位置を判断する。判断されたギア位置を示すギア位置情報は、模範運転情報に含められる。すなわち、模範運転情報には、模範運転者がどの位置でギアチェンジを行ったかの情報が含められる。模範ギア位置を示す模範ギア位置情報は、指導情報に含められ、情報収集装置に入力される。
【0033】
模範ギア位置情報が指導情報に含められるから、ギア操作のタイミングを指導することができる。
【0034】
(10) 上記情報入力部は、上記ギア位置情報が入力されるギア位置情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記ギア位置情報を模範ギア位置情報とし、当該模範ギア位置情報を含む上記指導情報を生成する。
【0035】
ギア位置情報は、シフトレバーなどに設けられたスイッチや磁気センサから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、ギア位置情報を含む運行情報を送信する。情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報に含まれるギア位置情報を模範運転情報に含めて装置メモリに記憶させる。第2制御部は、模範運転情報のギア位置情報を模範ギア位置情報として指導情報に含めて出力する。
【0036】
模範ギア位置情報が指導情報に含められるから、ギア位置変更のタイミングを指導することができる。
【0037】
(11) 上記情報入力部は、上記車両の進行方向における第1加速度情報が入力される加速度情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記第1加速度情報を模範第1加速度情報とし、当該模範第1加速度情報を含む上記指導情報を生成する。
【0038】
第1加速度情報は、例えば、車両に搭載されたジャイロセンサから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、第1加速度情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、模範運転情報に第1加速度情報を含めて装置メモリに記憶させる。また、第2制御部は、模範運転情報に含まれる第1加速度情報を模範第1加速度情報として指導情報に含めて指導情報を生成し、情報収集装置宛てに出力する。
【0039】
指導情報に第1加速度情報が含まれるから、アクセルやブレーキのタイミングや操作量(踏込量)など、ペダル操作について、運転指導を行うことができる。
【0040】
(12) 上記情報入力部は、上記車両の幅方向における加速度を示す第2加速度情報が入力される加速度情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記運行情報に含まれる上記車速情報及び上記第2加速度情報から車両のステアリングの操作角度を判断する第7判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第7判断処理で判断した上記ステアリングの操作角度を示すステアリング角度情報をさらに含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記ステアリング角度情報を模範ステアリング角度情報とし、当該模範ステアリング角度情報を含む上記指導情報を生成する。
【0041】
第2加速度情報は、例えば、車両に搭載されたジャイロセンサから情報収集装置に入力される。第2加速度情報は、車両の幅方向の加速度を示す。すなわち、第2加速度情報は、車両の横Gを示す。情報処理装置の第2制御部は、車速情報と第2加速度情報とから車両のステアリングの操作角度を判断する。例えば、車速と第2加速度とステアリング操作角度とが対応付けられたテーブルが記憶部に予め記憶され、第2制御部は、当該テーブルからステアリング操作角度を判断する。判断されたステアリングの操作角度を示すステアリング角度情報は、模範運転情報に含められる。模範運転情報に含まれるステアリング操作角度情報は、模範ステアリング角度情報として指導情報に含められ、指導情報が生成される。生成された指導情報は、情報収集装置宛てに出力される。
【0042】
指導情報に模範ステアリング角度情報が含まれるから、ステアリング操作について運転指導を行うことができる。例えば、カーブに進入する際に、ステアリングを操作するタイミングや操作量について指導される。
【0043】
(13) 上記情報入力部は、上記車両のステアリングの操作角度を示すステアリング角度情報が入力される角度情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記ステアリング角度情報を模範ステアリング角度情報とし、当該模範ステアリング角度情報を含む上記指導情報を生成する。
【0044】
ステアリング角度情報は、例えば、ステアリングに設けられたレゾルバやエンコーダから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、入力されたステアリング角度情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、ステアリング角度情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。模範運転情報に含まれるステアリング操作角度情報は、模範ステアリング角度情報として指導情報に含められ、指導情報が生成される。生成された指導情報は、情報収集装置宛てに出力される。
【0045】
指導情報に模範ステアリング角度情報が含まれるから、ステアリング操作について運転指導を行うことができる。
【0046】
(14) 上記情報入力部は、車外の気温を示す気温情報が入力される気温情報入力部と、車外の湿度を示す湿度情報が入力される湿度情報入力部とを備える。上記第1制御部は、上記送信処理において、上記気温情報及び上記湿度情報を含む上記運行情報を送信する。上記第2制御部は、上記気温情報及び上記湿度情報から気象を判断する第8判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第8判断処理で判断した上記気象を示す気象情報をさらに含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記第2判断処理において、上記気象情報をさらに用いて上記模範運転情報の有無を判断する。
【0047】
気温情報及び湿度情報は、例えば、車両に搭載された気温センサ及び湿度センサから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、気温情報及び湿度情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報に含まれる気温情報及び湿度情報から気象を判断し、判断した気象を示す気象情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。第2制御部は、運行情報が入力されると、気象を判断し、判断した気象に応じた模範運転情報を選択する。例えば、運転指導対象者が雨の日に車両を運転する場合には、模範運転者が雨の日に車両を運転した際に収集された模範運転情報が選択される。
【0048】
気象に応じた模範運転情報が選択されるから、より適切に運転を指導することができる。
【0049】
(15) 上記情報入力部は、画像情報が入力される画像情報入力部をさらに備える。上記第1制御部は、上記送信処理において、上記画像情報をさらに含む上記運行情報を送信する。上記第2制御部は、上記画像情報から気象を判断する第9判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第9判断処理で判断した上記気象を示す気象情報を上記模範運転情報にさらに含めて上記装置メモリに記憶させ、上記第2判断処理において、上記気象情報をさらに用いて上記模範運転情報の有無を判断する。
【0050】
画像情報は、例えば、車両に搭載されたドライブカメラから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、画像情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報に含まれる画像情報から気象を判断し、判断した気象を示す気象情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。第2制御部は、運行情報が入力されると、気象を判断し、判断した気象に応じた模範運転情報を選択する。
【0051】
気象に応じた模範運転情報が選択されるから、より適切に運転を指導することができる。また、カメラで撮像した画像から気象を判断するから、気温及び湿度から気象を判断するよりも、正確に気象を判断することができる。
【0052】
(16) 上記情報入力部は、車外の気温を示す気温情報が入力される気温情報入力部をさらに備える。上記第1制御部は、上記送信処理において、上記気温情報をさらに含む上記運行情報を送信する。上記第2制御部は、上記第3記憶処理において、上記気温情報をさらに含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記第2判断処理において、上記気温情報をさらに用いて上記模範運転情報の有無を判断する。
【0053】
気温情報は、例えば、車両に搭載された気温センサから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、気温情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報に含まれる気温情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。第2制御部は、運行情報が入力されると、運行情報に含まれる気温情報に応じた模範運転情報を選択する。例えば、運転指導対象者が寒い日に運転を行った場合、模範運転者が寒い日に運転を行った際に収集された模範運転情報が選択される。
【0054】
気温に応じた模範運転情報が選択されるから、より適切に運転を指導することができる。
【0055】
(17) 上記情報収集装置は、日時情報を出力するクロックモジュールをさらに備える。上記第1制御部は、上記送信処理において、上記日時情報を含む上記運行情報を送信する。上記第2制御部は、上記日時情報から昼夜を判断する第10判断処理をさらに実行し、上記第3記憶処理において、上記第10判断処理で判断した昼夜を示す昼夜情報を含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記第2判断処理において、上記昼夜情報をさらに用いて上記模範運転情報の有無を判断する。
【0056】
情報収集装置の第1制御部は、日時情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、入力された運行情報に含まれる日時情報から昼夜を判断し、判断した昼夜を示す昼夜情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。第2制御部は、運行情報が入力されると、昼夜を判断し、判断した昼夜に応じた模範運転情報を選択する。例えば、運転指導対象者が夜間に車両を運転する場合には、模範運転者が夜間に車両を運転した際に収集された模範運転情報が選択される。
【0057】
昼夜に応じた模範運転情報が選択されるから、より適切に運転を指導することができる。
【0058】
(18) 上記情報入力部は、上記ブレーキ情報が入力されるブレーキ情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記ブレーキ情報を模範ブレーキ情報とし、当該模範ブレーキ情報を含む上記指導情報を生成する。
【0059】
ブレーキ情報は、例えば、ブレーキペダルに設けられたストロークセンサや磁気センサから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、入力されたブレーキ情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、ブレーキ情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。模範運転情報に含まれるブレーキ情報は、模範ブレーキ情報として指導情報に含められ、指導情報が生成される。生成された指導情報は、情報収集装置宛てに出力される。
【0060】
指導情報に模範ブレーキ情報が含まれるから、ブレーキのタイミングや操作量(踏込量)などのブレーキペダル操作について運転指導を行うことができる。
【0061】
(19) 上記情報入力部は、上記アクセル情報が入力されるアクセル情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記アクセル情報を模範アクセル情報とし、当該模範アクセル情報をさらに含む上記指導情報を生成する。
【0062】
アクセル情報は、例えば、アクセルペダルに設けられたストロークセンサや磁気センサから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、入力されたアクセル情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、アクセル情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。模範運転情報に含まれるアクセル情報は、模範アクセル情報として指導情報に含められ、指導情報が生成される。生成された指導情報は、情報収集装置宛てに出力される。
【0063】
指導情報に模範アクセル情報が含まれるから、アクセルのタイミングや操作量(踏込量)などのアクセルペダル操作について運転指導を行うことができる。
【0064】
(20) 上記情報収集装置は、上記排気ブレーキ情報が入力される排気ブレーキ情報入力部を備える。上記第2制御部は、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記排気ブレーキ情報を模範排気ブレーキ情報とし、当該模範排気ブレーキ情報をさらに含む上記指導情報を生成する。
【0065】
排気ブレーキ情報は、例えば、排気ブレーキボタンに設けられたスイッチから情報収集装置に入力される。情報収集装置の第1制御部は、入力された排気ブレーキ情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、排気ブレーキ情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。模範運転情報に含まれる排気ブレーキ情報は、模範排気ブレーキ情報として指導情報に含められ、指導情報が生成される。生成された指導情報は、情報収集装置宛てに出力される。
【0066】
指導情報に模範排気ブレーキ情報が含まれるから、排気ブレーキを操作するタイミングについて運転指導を行うことができる。
【0067】
(21) 上記情報入力部は、上記車両の前方に位置する車両までの距離を検出する測距センサから車間距離情報が入力される車間距離情報入力部をさらに備える。上記第1制御部は、上記送信処理において、上記車間距離情報をさらに含む上記運行情報を送信する。上記第2制御部は、上記第3記憶処理において、上記車間距離情報を含む上記模範運転情報を上記装置メモリに記憶させ、上記指導情報生成処理において、上記模範運転情報が有する上記車間距離情報を模範車間距離情報とし、当該模範車間距離情報を含む上記指導情報を生成する。
【0068】
情報収集装置の第1制御部は、入力された車間距離情報を含む運行情報を送信する。送信された運行情報は、情報処理装置に入力される。情報処理装置の第2制御部は、車間距離情報を含む模範運転情報を装置メモリに記憶させる。模範運転情報に含まれる車間距離情報は、模範車間距離情報として指導情報に含められ、指導情報が生成される。生成された指導情報は、情報収集装置宛てに出力される。
【0069】
制動距離は、車種や、道路の路面状態や、道路の傾斜(坂道)などによって異なる。指導情報に模範車間距離が含まれるから、車種や、道路の路面状態や、道路の傾斜(坂道)などに応じた適切な車間距離を運転指導対象者に報知することができる。
【0070】
(22) 上記情報収集装置は、上記識別記号を記憶する記憶部を備えていてもよい。
【0071】
情報収集装置が備える記憶部に識別記号が記憶されるから、運転者が識別記号を入力したり、運転者がIDカードを携帯しなくても、運行予定の特定や車両の特定や運転者の特定を行うことができる。
【0072】
(23) 上記第2制御部は、上記模範運転情報として記憶されない上記運行情報と、上記模範運転情報とを対比して運転技術を評価する評価処理をさらに実行してもよい。
【0073】
運転者の運転技術が評価されることにより、運転指導が必要な運転者か否かを容易に判断することができる。
【0074】
(24) 上記無線通信部は、第1通信キャリアの基地局と通信を行う第1通信部と、第2通信キャリアの基地局と通信を行う第2通信部と、を備えていてもよい。上記第1通信部は、受信電波の強度を検出する第1電波強度検出部を有する。上記第2通信部は、受信電波の強度を検出する第2電波強度検出部を有する。上記第1制御部は、上記第1通信部と上記第2通信部とのうち、受信電波の強度が強い方の通信部を選択して上記送信処理を実行する。
【0075】
情報収集装置の第1制御部は、電波強度が強い方の通信部を選択して運行情報を送信する。したがって、通信の確実性が高められる。その結果、模範運転情報を確実に収集することができ、かつ、運転指導を確実に行うことができる。
【0076】
(25) 上記第1通信部は、SIMカードが装着される第1装着部を有し、装着された当該SIMカードによって決定される上記第1通信キャリアと通信を行い、上記第2通信部は、SIMカードが装着される第2装着部を有し、装着された当該SIMカードによって決定される上記第2通信キャリアと通信を行ってもよい。
【0077】
第1通信部が通信を行う第1通信キャリアは、第1装着部に装着されるSIMカード(Subscriber Identity Module Card)によって決まる。第2通信部が通信を行う第2通信キャリアは、第2装着部に装着されるSIMカードによって決まる。SIMカードの変更は、車両の所有者の選択により、或いは車両が使用される国や地域の通信キャリアに合わせて行われる。したがって、通信を行う通信キャリアをユーザに自由に変更させることができ、また、種々の国や地域で運転者指導システムを使用させることができる。
【発明の効果】
【0078】
本発明によれば、模範運転者が付き添うことなく、模範運転者が直接指導するのと同レベルで運転指導対象者の指導を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0081】
本実施形態では、
図1に示される運転者指導システム10が説明される。運転者指導システム10は、車両20の運行を管理する運行管理システムを利用して運転者の指導を行うシステムである。
【0082】
運転者指導システム10は、例えば、予め決められたルートを走行する路線バスを所有するバス会社や、同一ルートで定期的に配送を行うトラックを所有する運送業者などに使用される。すなわち、運転者指導システム10は、走行するルートが決まっている車両20に搭乗する運転者の運転指導を行うシステムである。車両20は、走行するルートが決まっている車両であれば、バスやトラックに限られない。以下では、路線バスである複数の車両20を所有するバス会社に運転者指導システム10が使用される例が説明される。
【0083】
運転者指導システム10は、車両20に搭載される情報収集装置11及び報知装置28と、情報処理装置12とで構成される。報知装置28及び情報収集装置11は、複数の車両20に各1個ずつ搭載される。
図1では、1台の車両20のみが示されている。
【0084】
情報処理装置12は、例えば、1台の管理サーバであり、または、複数台のサーバからなるクラウドサーバである。以下では、情報処理装置12が1台の管理サーバである例が説明される。
【0085】
情報処理装置12は、バス会社の事務所に設置される。情報処理装置12は、第2制御部17と、装置メモリ13と、第2インタフェース18とを備え、入力装置14及びモニタ15と有線または無線にて接続されている。
【0086】
第2制御部17は、例えばCPUであり、装置メモリ13に記憶された制御プログラムを呼び出して後述の各処理を実行する。装置メモリ13は、内蔵メモリであってもよいし、外付けメモリであってもよい。
【0087】
入力装置14は、オペレータによる入力操作を受け付ける。オペレータは、必要なデータを入力装置14を用いて情報処理装置12に入力する。
【0088】
第2インタフェース18は、通信回線と接続される。情報処理装置12は、第2インタフェース18を用いて情報収集装置11と通信を行う。情報処理装置12は、運行管理及び運転指導に必要な情報を情報収集装置11から取得し、運転指導に必要な情報を情報収集装置11に入力する。詳しくは後述される。
【0089】
車両20は、
図2に示されるように、車速センサ21と、回転数センサ22と、GPS( Global Positioning System)アンテナ23と、バッテリ27とを備える。
【0090】
車速センサ21は、車両20の速度を示す車速情報を出力する。回転数センサ22は、車両20のエンジンの回転数を示す回転数情報を出力する。
【0091】
GPSアンテナ23は、GPS衛星16(
図1)が送信した位置情報を受信し、受信した位置情報を出力する。
【0092】
位置情報、車速情報、及び回転数情報は、車両20に搭載された情報収集装置11に入力される。
【0093】
情報収集装置11は、例えば、デジタルタコグラフや、車両用データロガーや、OBD2(On Board Diagnosis Second Generation)や、その他の情報収集を行う装置である。以下では、情報収集装置11が主にデジタルタコグラフである例が説明される。
【0094】
情報収集装置11は、車速情報等が入力される情報入力部30と、情報入力部30に入力された情報を記憶する記憶部41と、無線通信を行う無線通信部43と、第1インタフェース42と、これらの動作を制御する第1制御部40と、クロックモジュール37と、電源入力部38及び電源回路39とを備える。
【0095】
第1制御部40は、例えばCPUであり、記憶部41に記憶された制御プログラムを読み出して後述の各処理を実行する。記憶部41及び第1制御部40として、例えば、エイコーン社(商標)のラズベリーパイ2を用いることができる。
【0096】
電源回路39は、電源入力部38と電気的に接続されている。電源入力部38は、車両20のバッテリ27の出力端子と電気的に接続される。すなわち、電源回路39は、バッテリ27から直流電圧を入力される。電源回路39は、例えば、DC−DCコンバータやレギュレータやツェナーダイオード等を備え、入力された直流電圧を所定の安定した直流電圧(例えば、5Vや3.3V)に変換して出力する。なお、
図2では、電源回路39から各回路への給電線の図示が省略されている。
【0097】
情報入力部30は、車速センサ21と電気的に接続される車速情報入力部31と、回転数センサ22と電気的に接続される回転数情報入力部32と、GPSアンテナ23と電気的に接続される位置情報入力部33とを備える。
【0098】
クロックモジュール37は、日時情報を出力する。日時情報は、日付け及び時刻を示す情報である。日時情報は、情報入力部30に入力された情報の入力日時として、当該情報と対応付けて記憶部41に記憶される。
【0099】
第1インタフェース42は、画像信号、音声信号、及びLED駆動信号を出力する出力部である。第1インタフェース42は、例えば、LCDドライバや音声ドライバやLEDドライバである。第1インタフェース42は、後述の報知装置28と有線または無線にて接続されている。すなわち、情報収集装置11は、第1インタフェース42を用いて、画像信号等を報知装置28に入力する。情報収集装置11は、情報処理装置12から入力された指導情報に応じた画像信号等を出力する。詳しくは後述される。
【0100】
記憶部41は、複数の情報収集装置11にそれぞれ個別に付与された識別記号を予め記憶する。個々の情報収集装置11は、識別記号によって個別に識別される。すなわち、個々の車両20は、識別記号によって個別に識別される。
【0101】
記憶部41に記憶された識別記号及び情報は、無線通信部43を用いて車外へ送信される。以下では、車速情報、回転数情報、位置情報、日時情報、及び識別記号は、総称して運行情報と記載されて説明がされる。すなわち、運行情報は、車速情報、回転数情報、位置情報、日時情報、及び識別記号を含む。
【0102】
無線通信部43は、第1通信モデム50及び第2通信モデム60を備える。第1通信モデム50は、本発明の第1通信部に相当し、第2通信モデム60は、本発明の第2通信部に相当する。
【0103】
第1通信モデム50は、
図3に示されるように、SIMカード57が装着される第1装着部56と、第1装着部56に装着されたSIMカード57によって決まる第1通信会社の基地局と第1バンドにて通信を行う第1アンテナ58と、第1アンテナ58が受信した電波の強度を検出する第1電波強度検出部55と、第1出力部52と、各部の動作を制御する第1通信ドライバ51とを備える。第1バンドは、第1通信会社に割り当てられた周波数帯である。第1通信会社は、本発明の第1通信キャリアに相当する。
【0104】
第1アンテナ58は、例えば、ポールアンテナやループアンテナとして、基板のパターン箔によって形成される。第1アンテナ58は、送信及び受信を行う送受信アンテナである。但し、第1アンテナ58は、送信用アンテナと、受信用アンテナとの2つのアンテナによって構成されていてもよい。後述の第2アンテナ68についても同様である。
【0105】
第1出力部52は、例えば、送信する信号(情報)に変調を行う変調回路、変調した信号を第1アンテナ58から送出する出力回路、及び第1アンテナ58が受信した信号を復調する復調回路により構成される。変調回路及び復調回路には、変調/復調ICが使用される。
【0106】
第1出力部52は、UDP(User Datagram Protocol)通信により、運行情報などを第1通信会社の基地局へ送信する。また、第1出力部52は、通信が可能か否かを確認するため、通信確認情報を送信し、応答情報を基地局から受信する。例えば、第1出力部52は、予め定められた所定の間隔(例えば1秒間隔)で通信確認情報を送信する。
【0107】
応答情報が受信されたことにより、送信した電波を基地局が良好に受信していることが確認される。すなわち、通信可能であることが確認される。通信障害などが発生し、通信確認情報が基地局に届かない場合、第1通信モデム50は応答情報を受信しない。応答情報を受信しないことにより、通信障害が生じていることが確認される。
【0108】
第1出力部52は、UDP通信を行う第1ポート53及び第2ポート54を有する。第1ポート53は、最新の運行情報及び後述の通信状態情報(以下、運行情報等と記載することがある)を送信するポートである。最新の運行情報とは、例えば、前回送信を行った運行情報等の後に入手した運行情報等を意味し、必ずしも、最も新しい運行情報等のみを意味するものではない。第1出力部52は、予め定められた所定の間隔(例えば1秒間隔)で第1ポート53から最新の運行情報等を送信する。運行情報等の送信は、例えば、パケット方式により行われる。
【0109】
第2ポート54は、通信障害が生じていた期間における運行情報等を送信するポートである。通信障害が生じていた期間とは、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の双方において、応答情報を受信しなかった期間を意味する。すなわち、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の双方において通信できない期間を意味する。
【0110】
第1電波強度検出部55は、受信した電波(例えば、応答情報)の強度を検出する。例えば、第1電波強度検出部55は、第1アンテナ58が受信した電波を電圧に変換する変換回路(抵抗)と、変換した電圧を増幅する増幅回路(オペアンプ)と、増幅した電圧をいくつかの基準電圧と比較する比較回路(コンパレータ)とで実現される。第1電波強度検出部55は、検出した電波強度を、第1電波強度情報として出力する。
【0111】
第1装着部56は、ユーザがSIMカード57を装着するソケットやスロットなどである。SIMカード57により、第1通信会社が特定される。SIMカード57を変更することにより、第1通信モデム50が通信を行う第1通信会社、及び第1バンドの周波数帯が変更される。なお、第1バンドの周波数帯を変更するため、複数のアンテナや、アンテナの利得調整回路などが第1通信モデム50に組み込まれる。これらは、通常、通信モデムに搭載されるから、詳しい説明は省略される。
【0112】
第1通信ドライバ51は、第1アンテナ58が応答情報を受信したか否かを示す通信確立情報と、第1電波強度検出部55から入力された第1電波強度情報と、第1会社情報とを含む第1通信状態情報を出力する。第1会社情報は、第1装着部56に装着されたSIMカード57によって特定される第1通信会社を示す情報である。
【0113】
第2通信モデム60は、第1通信モデム50と同構成である。以下では、第2通信モデム60について簡単に説明がされる。
【0114】
第2通信モデム60は、SIMカード67が装着される第2装着部66と、第2装着部66に装着されたSIMカード67によって決まる第2通信会社の基地局と第2バンドにて送受信を行う第2アンテナ68と、第2アンテナ68が受信した電波の強度を検出する第2電波強度検出部65と、第2出力部62と、各部の動作を制御する第2通信ドライバ61とを備える。第2バンドは、第2通信会社に割り当てられた周波数帯である。第2通信会社は、本発明の第2通信キャリアに相当する。
【0115】
第2通信モデム60の第2出力部62は、第1通信モデム50の第1出力部52と同構成である。第2出力部62は、第1出力部52の第1ポート53に相当する第3ポート63と、第1出力部52の第2ポート54に相当する第4ポート64とを備える。すなわち、第3ポート63は、最新の運行情報等を送信するポートであり、第4ポート64は、通信障害が生じていた期間の運行情報等などを送信するポートである。
【0116】
第2通信モデム60の第2アンテナ68、第2電波強度検出部65、及び第2通信ドライバ61は、第1通信モデム50の第1アンテナ58、第1電波強度検出部55、及び第1通信ドライバ51と同構成である。
【0117】
第2通信モデム60の第2装着部66は、第1装着部56と同構成である。第2装着部66に装着されるSIMカード67により、第2通信会社が特定される。SIMカード67を変更することにより、第2通信モデム60が通信を行う第2通信会社、及び第2バンドの周波数帯が変更される。
【0118】
第2通信モデム60の第2通信ドライバ61は、第2アンテナ68が応答情報を受信したか否かを示す通信確立情報と、第2電波強度検出部65から入力された第2電波強度情報と、第2会社情報とを含む第2通信状態情報を出力する。第2会社情報は、第2装着部66に装着されたSIMカード67によって特定される第2通信会社を示す情報である。
【0119】
報知装置28(
図1)は、液晶画面などの表示画面を有するモニタ、赤色LED、青色LED、及びスピーカである。すなわち、報知装置28は、表示画面に文字や図形を表示することにより、また、LEDを点灯/消灯させることにより、さらに、音声を出力することによって報知を行う。報知装置28の構成は周知であるから、詳しい説明は省略される。
【0120】
報知装置28は、不図示の入力部を備える。この入力部は、情報収集装置11の第1インタフェース42と有線または無線にて接続されている。すなわち、報知装置28は、情報収集装置11から画像信号、音声信号、及びLED駆動信号を入力される。報知装置28は、入力された画像信号に応じた画像をモニタに表示し、入力された音声信号に応じた音声をスピーカから出力し、入力されたLED駆動信号に応じてLEDを点灯または消灯させる。報知装置28は、運転者の運転指導に用いられる。詳しくは後述される。
【0121】
以下、運転者指導システム10が実行する各処理について説明がされる。まず、情報処理装置12の装置メモリ13に、運行管理及び運転指導に必要なデータが入力される。具体的には、オペレータが入力装置14を用いてデータ入力を行う。
【0122】
オペレータは、運行管理に必要な運行予定を作成する。
図4に示されるように、運行予定は、登録番号(図示例では「001」、「131」)が付され、個別に識別可能である。
【0123】
運行予定は、使用される車両を示す車両情報、搭乗する運転者を示す運転者情報、路線を示す路線情報、停留所を示す停留所情報、各停留所の到着時刻を示す到着日時情報、走行予定ルートを示すルート情報などを項目として有する。
【0124】
車両情報は、ナンバーと、車種と、識別記号とを示す情報である。この識別記号には、情報収集装置11の記憶部41に記憶された識別記号が用いられる。例えば、車両Aに搭載された情報収集装置11の記憶部41に識別記号AAAが記憶され、当該車両Aが運行予定001に使用される場合、当該運行予定001の車両情報に識別記号AAAが入力される。識別記号は、運行予定の特定に用いられる。詳しくは後述される。
【0125】
運転者情報は、運転者の氏名を示す。運転者情報は、
図5に示される第1テーブルにおいて、技量情報と対応付けられている。第1テーブルは、オペレータ等によって装置メモリ13に記憶される。第1テーブルを装置メモリ13に記憶させる処理は、本発明の第1記憶処理に相当する。
【0126】
技量情報は、運転技術情報と、模範運転フラグと、運転指導フラグとを含む。運転技術情報は、運転者の運転技術を示す。図示例では、「S」、「A」、「B」、「C」の4段階(Sが最良)で運転技術を示している。例えば、運転技術の優秀な運転者(以下、模範運転者と記載)に「S」が付され、運転経験の浅い運転者や高齢の運転者(以下、運転指導対象者と記載する)に対して「C」が付される。
【0127】
模範運転フラグは、模範運転としてデータが収集される運転者に対して「ON」に設定されるフラグである。模範運転フラグは、例えば、運転技術情報が最良のSランクの模範運転者に対してONにされる。運転指導フラグは、運転指導がされる運転者に対して「ON」に設定されるフラグである。運転指導フラグは、例えば、運転技術情報がCランクの運転指導対象者に対してONにされる。模範運転フラグ及び運転指導フラグは、運転指導対象者に対する運転指導に用いられる。詳しくは後述される。
【0128】
図4に示されるように、路線情報は、バスである車両20が従事する運行の路線名を示す。停留所情報は、路線の停留所名を示す。到着予定日時情報は、各停留所に到着する予定の日時を示す。ルート情報は、走行予定ルートを示す。走行予定ルートは、車両20が走行する道路の名称及び当該道路の位置情報などを含む。また、各ルート情報には、識別番号が付される。各ルート(各路線)は、識別番号によって識別される。
【0129】
作成された運行予定は、情報処理装置12の装置メモリ13に記憶される。運行予定を作成して装置メモリ13に記憶する処理は、本発明の第2記憶処理に相当する。なお、図示例は、運行予定の一例であり、
図4に示された項目以外の項目が運行予定に設けられてもよい。
【0130】
次に、情報収集装置11が実行する送信処理について説明する。送信処理は、収集した情報を無線通信部43を用いて情報処理装置12宛てに送信する処理である。
図6を参照して詳しく説明がされる。
【0131】
情報収集装置11の第1制御部40は、情報入力部30、クロックモジュール37、無線通信部43から情報がそれぞれ入力されるまで待機する(S11:No)。第1制御部40は、情報が入力されると(S11:Yes)、それらの情報を対応付けて記憶部41に記憶させる(S12)。
【0132】
ステップS12の処理について詳しく説明すると、まず、第1通信状態情報、第2通信状態情報、車速情報、回転数情報、位置情報、及び日時情報が入力される。第1通信状態情報は、第1通信モデム50から入力され、通信確立情報、第1電波強度情報、第1会社情報を含む。第2通信状態情報は、第2通信モデム60から入力され、通信確立情報、第2電波強度情報、第2会社情報を含む。車速情報、回転数情報、及び位置情報は、情報入力部30から入力される。日時情報は、クロックモジュール37から入力される。
【0133】
第1制御部40は、入力された第1通信状態情報、第2通信状態情報、及び運行情報と、これらの情報が入力された日時を示す日時情報とを対応付けて記憶部41に記憶させる。
【0134】
次に、第1制御部40は、通信に使用する通信モデムを選択する選択処理を実行する(S13)。詳しく説明すると、
図7に示されるように第1制御部40は、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の双方から、通信状態情報が入力されるまで待機する(S21:No)。通信状態情報は、例えば、1秒間隔で第1制御部40に入力される。
【0135】
第1制御部40は、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の双方から通信状態情報が入力されると(S21:Yes)、第1通信モデム50が通信可能か否かを判断する(S22)。第1通信モデム50が通信可能か否かは、第1通信モデム50から入力された通信状態情報に含まれる通信確立情報により判断される。通信確立情報は、第1通信モデム50が基地局から応答情報を受信したか否かを示す情報である。
【0136】
第1制御部40は、第1通信モデム50が通信不能と判断すると(S22:No)、第2通信モデム60が通信可能か否かを判断する(S23)。第2通信モデム60が通信可能か否かは、第1通信モデム50と同様にして判断される。第1制御部40は、第2通信モデム60が通信不能と判断すると(S23:No)、通信障害が生じていると判断する(S24)。第1制御部40は、通信障害が発生していると判断すると、通信障害時処理を実行する(S25)。
図8を参照して、通信障害時処理について説明がされる。
【0137】
第1制御部40は、通信障害が発生するまで待機する(S31:No)。第1制御部40は、通信障害が発生したと判断すると(S31:Yes)、通信障害発生時の日時情報を記憶部41に記憶させる(S32)。次に、第1制御部40は、通信障害が解消されるまで待機する(S33:No)。通信障害が解消されたか否かは、第1通信モデム50及び第2通信モデム60から入力された通信状態情報により判断される。具体的には、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の少なくとも一方において応答情報が受信された場合に、通信障害が解消されたと判断する。
【0138】
第1制御部40は、通信障害が解消されたと判断すると(S33:Yes)、使用する通信モデムを第1通信モデム50または第2通信モデム60に決定する(S34)。通信モデムの決定は、後述されるステップS26からステップS29と同様にして行われる。
【0139】
第1制御部40は、使用する通信モデムを第1通信モデム50に決定すると(S34)、第1通信モデム50の第2ポート54から、通信障害が生じていた期間に入力された運行情報等をUDP通信により送信する。第1制御部40は、通信モデムを第2通信モデム60に決定すると(S34)、第2通信モデム60の第4ポート64から、通信障害が生じていた期間に入力された運行情報等をUDP通信により送信する。
【0140】
図7に戻って、第1制御部40は、第1通信モデム50が通信可能であると判断すると(S22:Yes)、第2通信モデム60が通信可能であるか否かを判断する(S26)。第1制御部40は、第2通信モデム60が通信不能であると判断すると(S26:No)、第1通信モデム50を使用する通信モデムに決定し、最新の運行情報等をUDP通信により第1通信モデム50の第1ポート53から送信する(S28)。
【0141】
一方、第1制御部40は、第1通信モデム50が通信不能であり(S22:No)、第2通信モデム60が通信可能であると判断すると(S23:Yes)、第2通信モデム60を使用する通信モデムに決定し、最新の運行情報等をUDP通信により第2通信モデム60の第3ポート63から送信する(S29)。
【0142】
第1制御部40は、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の双方が通信可能と判断すると(S22:Yes&S26:Yes)、第1通信モデム50が受信した電波の電波強度(第1電波強度)が、第2通信モデム60が受信した電波の電波強度(第2電波強度)より強いか否かを判断する(S27)。第1電波強度及び第2電波強度は、第1通信モデム50及び第2通信モデム60から入力された通信状態情報に含まれる第1電波強度情報及び第2電波強度情報により示される。
【0143】
第1制御部40は、第1電波強度が第2電波強度より強いと判断すると(S27:Yes)、第1通信モデム50を使用する通信モデムに決定し、最新の運行情報を第1通信モデム50の第1ポート53からUDP通信により送信する(S28)。第1制御部40は、第1電波強度が第2電波強度より弱いと判断すると(S27:No)、第2通信モデム60を使用する通信モデムに決定し、最新の運行情報を第2通信モデム60の第3ポート63からUDP通信により送信する(S29)。すなわち、第1制御部40は、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の双方が通信可能である場合、受信した電波の電波強度が強い方の通信モデムを選択してUDP通信を行う。
【0144】
情報収集装置11が送信した運行情報等は、通信設備を介して情報処理装置12の第2インタフェース18に入力される。情報処理装置12が運行情報等を受信する処理は、本発明の第1受信処理に相当する。
【0145】
情報を入力された情報処理装置12の第2制御部17は、
図9に示される運行管理処理、及び
図10に示されるメイン処理を実行する。
【0146】
図9を参照して運行管理処理について説明がされる。第2制御部17は、車両20から運行情報が入力されるまで待機する(S41:No)。第2制御部17は、運行情報が入力されると(S41:Yes)、識別記号から運行予定を特定する(S42)。具体的には、第2制御部17は、入力された運行情報に含まれる識別記号と同一の識別記号を有する運行予定を検索し、検索の結果発見された運行予定を、運行情報を送信した車両20の運行予定として特定する。ステップS42の処理は、本発明の特定処理に相当する。
【0147】
第2制御部17は、入力された運行情報と運行予定の各項目とが一致するか否かを判断する(S43)。例えば、第2制御部17は、運行情報に含まれる位置情報が、運行予定に示された走行予定ルート上にあるか否かや、運行情報に含まれる位置情報及び日時情報から判断した停留所への到着日時が、運行予定に示された到着予定日時と一致するか否かを判断する。
【0148】
第2制御部17は、入力された運行情報と運行予定の各項目とが一致すると判断すると(S43:Yes)、処理を終了し、一致しないと判断すると(S43:No)、注意報知処理を実行する(S44)。注意報知処理は、例えば、警告文をモニタ15に表示したり、警告音声を出力したりすることによって実行される。注意報知処理がされると、例えばオペレータは、運転者の携帯電話に連絡を行う。
【0149】
次に
図10を参照してメイン処理が説明される。第2制御部17は、情報収集装置11から運行情報が入力されるまで待機する(S51:No)。第2制御部17は、運行情報が入力されると(S51:Yes)、入力された運行情報に含まれる識別記号から運行予定を特定する(S52)。運行予定の特定(S52)は、上述のステップS42の処理と同じである。ステップS51の処理は、本発明の特定処理に相当する。
【0150】
次に第2制御部17は、特定した運行予定に示された運転者情報から運転者を特定する(S53)。第2制御部17は、特定した運転者の運転者情報に対応する技量情報を第1テーブル(
図5)から取得する(S54)。例えば、運転者が「山田太郎」である場合、第2制御部17は、模範運転フラグ「ON」、運転指導フラグ「OFF」を取得し、運転者が「田中次郎」である場合、模範運転フラグ「OFF」、運転指導フラグ「ON」を取得する。ステップS54の処理は、本発明の第1取得処理に相当する。
【0151】
次に、第2制御部17は、取得した模範運転フラグから、運転者が模範運転者であるか否かを判断する(S55)。具体的には、第2制御部17は、模範運転フラグが「ON」であることを条件に模範運転者であると判断し、模範運転フラグが「OFF」であることを条件に模範運転者でないと判断する。ステップS55の処理は、本発明の第1判断処理に相当する。
【0152】
第2制御部17は、模範運転者であると判断すると(S55:Yes)、運行情報を模範運転情報として装置メモリ13に記憶させる第3記憶処理を実行する(S56)。具体的には、車速情報、回転数情報、位置情報、日時情報、ルート情報(識別番号)、運転者情報、車両情報、及び識別記号を対応付けて、模範運転情報として装置メモリ13に記憶させる。
【0153】
第2制御部17は、模範運転者でないと判断すると(S55:No)、運転指導対象者であるか否かを判断する(S57)。具体的には、第2制御部17は、運転指導フラグが「ON」であることを条件に運転指導対象者であると判断し、運転指導フラグが「OFF」であることを条件に運転指導対象者でないと判断する。ステップS57の処理は、本発明の第3判断処理に相当する。
【0154】
第2制御部17は、運転指導対象者でないと判断すると(S57:No)、ステップS58の処理をスキップし、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者であると判断すると(S57:Yes)、運転指導処理を実行し(S58)、処理を終了する。
【0155】
運転指導処理が実行される前に、運転指導処理に必要な閾値距離が装置メモリ13に予め記憶される。閾値距離は、例えば、制御プログラムとともに装置メモリ13に記憶され、或いは、オペレータによって所望の値に更新される。閾値距離の詳細は後述される。閾値距離を装置メモリ13に記憶させる処理は、本発明の第4記憶処理に相当する。
【0156】
図11(A)を参照して、運転指導処理について説明がされる。第2制御部17は、運転指導を行うための模範運転情報があるか否かを判断する(S61)。具体的には、第2制御部17は、特定した運行予定に示されたルート情報の識別番号及び車種で模範運転情報を検索する。第2制御部17は、識別番号または車種が一致する模範運転情報が発見された場合に、模範運転情報があると判断し、発見されなかった場合に、模範運転情報がないと判断する。ステップS61の処理は、本発明の第2判断処理に相当する。
【0157】
第2制御部17は、運転指導を行うための模範運転情報がないと判断すると(S61:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導を行うための模範運転情報があると判断すると(S61:Yes)、模範運転情報を読み出し(S62)、指導情報を生成する指導情報生成処理を実行する(S63)。ステップS62の処理は、本発明の第2取得処理に相当する。
【0158】
図11(B)を参照して指導情報生成処理が説明される。第2制御部17は、入力された運行情報に含まれる位置情報から車両20の現在位置を特定する(S65)。第2制御部17は、特定した車両20の現在位置から閾値距離だけ離れた走行予定ルート上の指導位置を特定する(S66)。なお、指導位置は、車両20の進行方向側の位置である。進行方向は、例えば、車両20の位置情報の時間変化によって判断される。閾値距離は、例えば、50mの固定値とされ、或いは、車両20の車速に応じた値とされる。例えば、車速が60km/時間である場合は50mとされ、車速が100km/時間である場合は100mとされる。
【0159】
次に、第2制御部17は、指導位置における模範運転情報の車速情報を模範車速情報とし、模範車速情報を含む指導情報を生成し(S68)、指導情報生成処理を終了する。
【0160】
第2制御部17は、指導情報を生成すると(S63)、生成した指導情報を第2インタフェース18から情報収集装置11宛てに出力する第1出力処理を実行し(S64)、運転指導処理を終了する。
【0161】
次に、
図12(A)を参照して、指導情報を受信した情報収集装置11が実行する第2出力処理が説明される。情報収集装置11の第1制御部40は、情報処理装置12が出力した指導情報を無線通信部43で受信するまで待機する(S71:No)。第1制御部40は、指導情報を受信すると(S71:Yes)、適否情報生成処理を実行する(S72)。情報収集装置11が指導情報を受信するステップS71処理は、本発明の第2受信処理に相当する。
【0162】
図12(B)を参照して、適否情報生成処理が説明される。第1制御部40は、入力された指導情報に含まれる模範車速情報を取得する。次に、第1制御部40は、現在の車速である現在車速が、取得した模範車速情報が示す模範車速と一致するか否かを判断する(S75)。現在車速とは、車速情報入力部31に入力された最新の車速情報が示す車速を意味する。一致するか否かは、例えば、現在車速が、模範車速を基準とした所定の範囲内であるか否かによって判断される。例えば、第1制御部40は、模範車速が60kmである場合、現在車速が57kmから63kmの範囲内であれば、一致すると判断する。所定の範囲は、例えば、記憶部41に予め記憶される閾値によって決定される。
【0163】
第1制御部40は、現在車速が模範車速と一致すると判断すると(S75:Yes)、「適」を示す適否情報を生成する(S76)。第1制御部40は、現在車速が模範車速と一致しないと判断すると(S75:No)、「否」を示す適否情報を生成する(S77)。
【0164】
第1制御部40は、適否情報を生成すると(S72)、生成した適否情報、及び模範車速情報を含む報知情報を第1インタフェース42から出力し(S73)、第2出力処理を終了する。
【0165】
報知情報は、報知装置28に入力される。報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、例えば、「適」を示す適否情報と、「60km」を示す模範車速情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、モニタに「60km」を表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す適否情報と、「60km」を示す模範車速情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、モニタに「60km」を表示し、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。
【0166】
なお、第1制御部40は、適否情報として、現在の車速が模範車速より速い旨を示す音声情報や、現在の車速が模範車速より遅い旨を示す音声情報などを出力してもよい。報知装置28は、例えば、「速度が速すぎます。速度を落としてください。」や「速度が遅すぎます。速度を上げて下さい。」との音声をスピーカから出力する。
【0167】
[作用効果](請求項1、2、19、20)
【0168】
本実施形態では、第1テーブルが有する模範運転フラグにより、模範運転者が運転を行うごとに模範運転情報が収集される。すなわち、模範運転者の運転業務を妨げることなく、模範運転情報が蓄積される。
【0169】
また、模範運転情報にルート情報が含まれるから、模範運転情報を走行予定ルートごとに収集することができる。
【0170】
また、蓄積された模範運転情報を基に運転指導が行われるから、模範運転者が付き添うことなく、模範運転者が直接指導するのと同等の指導効果が得られる。
【0171】
また、第1テーブルが有する運転指導フラグにより、運転指導が必要な運転者にのみ運転指導がされる。
【0172】
また、現在位置より閾値距離だけ先の位置における模範車速を運転指導対象者に指示して運転を指導することができる。
【0173】
また、第1通信モデム50と第2通信モデム60とのうち、電波状態の良い方の通信モデムが選択されて通信が行われるから、通信の確実性が確保される。すなわち、運転指導を確実に行うことができる。
【0174】
また、第1通信モデム50が通信を行う第1通信キャリアは、第1装着部56に装着されるSIMカード57によって決まり、第2通信モデム60が通信を行う第2通信キャリアは、第2装着部66に装着されるSIMカード67によって決まる。SIMカードの変更は、車両20の所有者の選択により、或いは車両20が使用される国や地域の通信キャリアに合わせて行われる。したがって、通信を行う通信キャリアをユーザに自由に変更させることができ、また、種々の国や地域で運転者指導システム10を使用させることができる。
【0176】
本変形例1では、車両20が積載する荷物や乗客の重量である積載重量に応じて模範運転情報を装置メモリ13に記憶させる例が説明される。すなわち、最良の運転は積載重量の多寡によって変わるから、積載重量の多寡によって模範運転情報を分別する。運転指導対象者が運転を行う際、積載重量の多寡に応じた模範運転情報が選択される。以下、詳しく説明がされる。なお、上述の実施形態と同様の構成には、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0177】
本変形例1では、
図10に示されるメイン処理の代えて、
図13に示されるメイン処理が実行される。
図13では不図示であるが、情報処理装置12の第2制御部17は、まず、
図10に示されるステップS51〜S54の処理を実行する。すなわち、運行情報が入力されるまで待機し(S51)、識別記号から運行情報を特定し(S52)、運行情報から運転者を特定し(S53)、特定した運転者の技量情報を取得する(S54)。
【0178】
次に第2制御部17は、運行情報に含まれる車速情報、回転数情報、日時情報、及び位置情報から積載重量を判断する第4判断処理を実行する(S81、S82)。例えば、第2制御部17は、停車状態からギアチェンジを行って一定の車速(例えば60km)まで加速するのに要した距離により、積載重量を「軽」、「中」、「重」の3段階で積載重量を判断する。停車状態か否かは、位置情報及び日時情報から判断される。例えば、第2制御部17は、位置情報が一定時間変化しないことを条件に、停車状態と判断する。シフトチェンジを行ったか否かは、回転数情報により判断される。例えば、第2制御部17は、回転数情報が急激に変化したことを条件に、ギアチェンジが行われたと判断する。一定の車速に達したか否かは、車速情報により判断される。一定の車速まで加速するのに要した距離は、位置情報により判断される。
【0179】
第2制御部17は、積載重量が「軽」であると判断すると(S81:Yes)、軽フラグに「ON」を設定する(S83)。第2制御部17は、積載重量が「中」であると判断すると(S81:No、S82:Yes)、中フラグに「ON」を設定する(S84)。第2制御部17は、積載重量が「重」であると判断すると(S81:No、S82:No)、重フラグに「ON」を設定する(S85)。軽フラグ、中フラグ、及び重フラグの初期値は「OFF」である。軽フラグ、中フラグ、及び重フラグは、本発明の積載重量情報に相当し、積載重量を示す。
【0180】
次に、第2制御部17は、入力された運行等情報の運転者が模範運転者であるか否かを判断する(S86)。模範運転者であるか否かの判断は、上述の実施形態で説明されたステップS55の処理と同様にして行われる。
【0181】
第2制御部17は、模範運転者であると判断すると(S86:Yes)、運行情報と、軽フラグと、中フラグと、重フラグとを含む模範運転情報として装置メモリ13に記憶させ(S87)、処理を終了する。軽フラグ、中フラグ、及び重フラグにより、模範運転情報が積載重量の多寡によって分別される。
【0182】
第2制御部17は、模範運転者でないと判断すると(S86:No)、運転指導が必要な運転指導対象者であるか否かを判断する(S88)。運転指導対象者であるか否かは、上述のステップS57の処理と同様にして行われる。
【0183】
第2制御部17は、運転指導対象者でないと判断すると(S88:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者であると判断すると(S88:Yes)、運転指導処理を実行して(S89)、処理を終了する。
【0184】
運転指導処理は、基本的に、
図11(A)に示される上述の運転指導処理と同じであるが、模範運転情報があるか否かの判断(S61)において相違する。詳しく説明すると、第2制御部17は、特定した運行予定に示されたルート情報の識別番号及び車種と、軽フラグと、中フラグと、重フラグとを用いて模範運転情報を検索する。
【0185】
具体的には、第2制御部17は、入力された運行情報から上述のステップS83〜S85と同様に積載重量を判断し、軽フラグ、中フラグ、重フラグの「ON」、「OFF」を設定する。第2制御部17は、設定した軽フラグが「ON」である場合、軽フラグが「ON」である模範運転情報を検索し、設定した中フラグが「ON」である場合、中フラグが「ON」である模範運転情報を検索し、設定された重フラグが「ON」である場合、重フラグが「ON」である模範運転情報を検索する。
【0186】
第2制御部17は、上述の実施形態と同様に、検索の結果得られた模範運転情報を用いて指導情報を生成し(指導情報生成処理)、生成した指導情報を情報収集装置11宛てに出力する。
【0188】
本変形例では、積載重量の多寡に応じて模範運転情報が記憶され、積載重量に応じた模範運転情報が選択されて運転指導対象者に運転指導がされるから、より適切に運転を指導することができる。
【0189】
なお、軽フラグや中フラグや重フラグは、例えば、1つのルートにおいて、各区間(停留所と停留所との間)ごとに設定されてもよい。
【0190】
また、本変形例1では、積載重量を「軽」、「中」、「重」の3段階に分別する例が説明されたが、積載重量の分別は、2段階や、4段階以上であってもよい。また、積載重量の判断は、上述の例に限られず、後述の変形例3で説明される方法や、その他の方法が用いられてもよい。
【0192】
本変形例2では、情報処理装置12が、入力された運行情報から車両20のトランスミッションの変速ギアのギア位置(1速、2速、3速など)を判断し、判断結果を模範運転情報に含めて装置メモリ13に記憶させる例が説明される。なお、車両に搭載されたトランスミッションの変速ギアのギア位置は、シフトレバーやセレクトレバーと称される操作レバーなどにより、運転者によって変更される。以下では、上述の実施形態と同様の構成には、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0193】
本変形例2では、
図10に示されるメイン処理に代えて、
図14(A)に示されるメイン処理が実行される。
図14(A)では不図示であるが、情報処理装置12の第2制御部17は、まず、
図10に示されるステップS51〜S54の処理を実行する。すなわち、運行情報が入力されるまで待機し(S51)、識別記号から運行情報を特定し(S52)、運行情報から運転者を特定し(S53)、特定した運転者の技量情報を取得する(S54)。
【0194】
次に、第2制御部17は、入力された運行等情報の運転者が模範運転者であるか否かを判断する(S91)。模範運転者であるか否かの判断は、上述のステップS55の処理と同様にして行われる。
【0195】
第2制御部17は、模範運転者であると判断すると(S91:Yes)、ギア位置を判断する(S92)。ギア位置は、例えば、装置メモリ13に記憶されたテーブルによって決定される。このテーブルでは、速度とエンジンの回転数とギア位置とが対応付けられている。例えば、「速度20km/時」、「エンジンの回転数2000rpm」、「ギア位置2速」が対応付けられ、「速度100km/時」、「エンジンの回転数2000rpm」、「ギア位置4速」が対応付けられている。このテーブルは、例えば、車種ごとに設けられる。ステップS92の処理は、本発明の第6判断処理に相当する。
【0196】
第2制御部17は、ギア位置を判断すると(S92)、判断したギア位置を示すギア位置情報をさらに含む模範運転情報を装置メモリ13に記憶させ(S93)、処理を終了する。
【0197】
第2制御部17は、模範運転者でないと判断すると(S91:No)、運転指導が必要な運転指導対象者であるか否かを判断する(S94)。運転指導対象者であるか否かは、上述のステップS57の処理と同様にして行われる。
【0198】
第2制御部17は、運転指導対象者でないと判断すると(S94:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者であると判断すると(S94:Yes)、運転指導処理を実行して(S95)、処理を終了する。
【0199】
運転指導処理は、基本的に、
図11(A)に示される上述の運転指導処理と同じであるが、ステップS63の指導情報生成処理と、ステップS64の第1出力処理において相違する。本変形例2では、指導情報生成処理において、模範運転情報に含まれるギア位置情報が、模範ギア位置情報として、模範車速情報とともに指導情報に含められる。また、本変形例2では、ステップS64の第1出力処理において、模範ギア位置情報及び模範車速情報を含む指導情報が情報収集装置11宛てに出力される。
【0200】
指導情報が入力された情報収集装置11の第1制御部40は、
図12(B)に示される適否情報生成処理に代えて、
図14(B)に示される適否情報生成処理を実行する。
【0201】
第1制御部40は、指導情報から模範車速情報及び模範ギア位置情報を取得する(S101)。第1制御部40は、情報入力部30に入力した車速情報が、模範車速情報と一致するか否かを判断する(S102)。第1制御部40は、一致すると判断すると(S102:Yes)、「適」を示す第1適否情報を生成する(S103)。第1制御部40は、一致しないと判断すると(S102:No)、「否」を示す第1適否情報を生成する。すなわち、第1制御部40は、現在車速が模範車速に一致するか否かを示す第1適否情報を生成する。
【0202】
次に、第1制御部40は、入力された車速情報及び回転数情報から、現在のギア位置を判断する(S105)。この判断は、情報入力部30に入力された最新の速度情報及び回転数情報を用いて上述されたステップS92(
図14(A))における処理と同様にして実行される。
【0203】
第1制御部40は、判断した現在のギア位置と模範ギア位置情報が示すギア位置とが一致するか否かを判断する(S106)。第1制御部40は、一致すると判断すると(S106:Yes)、「適」を示す第2適否情報を生成する(S107)。第1制御部40は、一致しないと判断すると(S106:No)、「否」を示す第2適否情報を生成し(S108)、処理を終了する。すなわち、第1制御部40は、現在のギア位置が模範ギア位置と一致するか否かを示す第2適否情報を生成する。
【0204】
第1制御部40は、生成した第1適否情報、第2適否情報、模範車速情報、及び模範ギア位置情報を報知情報として第1インタフェース42から出力する。出力された報知情報は、報知装置28に入力される。
【0205】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第2適否情報と、「3速」を示す模範ギア位置情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、モニタに「3速」を表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第2適否情報と、「4速」を示す模範ギア位置情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、モニタに「4速」を表示し、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。
【0206】
なお、第1制御部40は、適否情報として、現在速度が模範速度より速い旨を示す音声情報や、現在速度が模範速度より遅い旨を示す音声情報や、現在のギア位置が模範ギア位置と相違する旨を示す音声情報を出力してもよい。報知装置28は、例えば、「速度が速すぎます。速度を落としてください。」との音声や、「速度が遅すぎます。速度を上げて下さい。」との音声や、「ギアチェンジを行って下さい」との音声や、「ギアを3速に落として下さい。」との音声をスピーカから出力する。
【0207】
運転者指導システム10は、例えば、カーブに進入する際や、上り坂を上る際や、下り坂を下る際に、シフトレバー操作(ギア位置)を指導する。
【0209】
本変形例2では、模範ギア位置が報知されるから、ギアチェンジのタイミング及びギア位置について、運転を指導することができる。
【0210】
なお、本変形例2では、第1制御部40及び第2制御部17の双方がギア位置を判断する例が説明されたが、第1制御部40のみでギア位置が判断されてもよい。第1制御部40は、判断したギア位置を示すギア位置情報を運行情報に含めて出力する。第2制御部17は、ステップS92で決定するギア位置に代えて、運行情報に含まれるギア位置情報を使用する。
【0212】
本変形例3では、車両20に搭載したジャイロセンサ24を用いて車両20の積載重量が判断され、変形例1と同様に、積載重量の多寡によって模範運転情報が分別される例が説明される。なお、上述の実施形態及び変形例と同様の構成には、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0213】
図15に示されるジャイロセンサ24は、互いに直交する3つの方向について加速度を検出して出力するジャイロセンサである。ジャイロセンサ24は、車両20の進行方向、幅方向、及び上下方向における加速度を検出する向きにおいて、車両20に設置される。
【0214】
ジャイロセンサ24は、車両20の進行方向における加速度を示す第1加速度情報と、車両20の幅方向における加速度を示す第2加速度情報と、上下方向における加速度を示す第3加速度情報とを出力する。以下では、第1加速度情報、第2加速度情報、及び第3加速度情報をまとめて加速度情報として記載して説明することがある。
【0215】
情報収集装置11の情報入力部30は、第1加速度情報、第2加速度情報、及び第3加速度情報が入力される加速度情報入力部34を備える。
【0216】
情報収集装置11は、加速度情報入力部34に入力された加速度情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。
【0217】
情報処理装置12は、上述の変形例2と同様に、
図13に示されるメイン処理を実行する。ただし、ステップS81及びステップS82において、積載物の重量である積載重量の判断において、運行情報に含まれる第1加速度情報が用いられる。
【0218】
詳しく説明すると、回転数情報と、車両20の進行方向の加速度を示す第1加速度情報と、「軽」、「中」「重」などの積載重量とが対応付けられたテーブルが装置メモリ13に予め記憶される。例えば、「エンジンの回転数3000rpm」と「加速度Am/s2」と、「重」とが対応付けられ、「エンジンの回転数3000rpm」と「加速度B(B>A)m/s2」と、「中」とが対応付けられ、「エンジンの回転数3000rpm」と「加速度C(C>B)m/s2」と、「軽」とが対応付けられる。
【0219】
第2制御部17は、入力された運行情報に含まれる回転数情報と、第1加速度情報と、上述のテーブルとを用いて、積載重量を判断する(S81、S82)。ステップS81、82において、回転数情報と、第1加速度情報と、上述のテーブルとを用いて積載重量を判断する処理は、本発明の第5判断処理に相当する。軽フラグ、中フラグ、及び重フラグは、本発明の積載重量情報に相当する。
【0220】
第2制御部17は、「軽」と判断すると(S81:Yes)、軽フラグに「ON」を設定し(S83)、「中」と判断すると(S82:Yes)、中フラグに「ON」を設定し(S84)、「重」と判断すると(S82:No)、「重」フラグに「ON」を設定する(S85)。第2制御部17は、軽フラグ、中フラグ、及び重フラグを用いて、上述の変形例1と同様に運転指導処理を実行する。軽フラグ、中フラグ、及び重フラグの初期値は「OFF」である。
【0221】
以降の第1制御部40の処理は、上述の変形例1と同様にして実行される。
【0223】
本変形例3では、第1加速度情報を用いて積載重量を判断するから、上述の変形例1よりも、積載重量の判断が正確になる。すなわち、より適切に運手指導対象者の運転指導を行うことができる。
【0225】
本変形例4では、ジャイロセンサ24で検出した第1加速度情報が指導情報に含められる例が説明される。第1加速度情報は、例えば、ブレーキペダルの操作やアクセルペダルの操作の指示に用いられる。以下、詳しく説明がされる。なお、ジャイロセンサ24の構成、及び情報入力部30の構成は、上述の変形例3(
図15)と同構成である。上述の実施形態や変形例と同一の構成には、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0226】
情報収集装置11は、第1加速度情報を含む運行情報を出力する。出力された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、入力された運行情報が模範運転者による情報であると判断すると、入力された運行情報から模範運転情報を生成し、装置メモリ13に記憶させる。
【0227】
本変形例4では、
図11(B)に示される指導情報生成処理に代えて、
図16(A)に示される指導情報生成処理が実行される。まず、情報処理装置12の第2制御部17は、実施形態で説明された指導情報生成処理(
図11(B))と同様に、ステップS65〜S67を実行する。次に、第2制御部17は、指導位置における模範運転情報の第1加速度情報を模範第1加速度情報として取得する(S111)。第2制御部17は、取得した模範車速情報及び模範第1加速度情報を含む指導情報を生成し(S112)、生成処理を終了する。
【0228】
第2制御部17は、生成した指導情報を第2インタフェース18から出力する。出力された指導情報は、情報収集装置11に入力される。情報収集装置11の第1制御部40は、
図12(B)に示される適否情報生成処理に代えて、
図16(B)に示される適否情報生成処理を実行する。
【0229】
まず、第1制御部40は、指導情報から模範車速情報及び模範第1加速度情報を取得する(S113)。第1制御部40は、情報入力部30に入力した車速情報が、模範車速情報と一致するか否かを判断する(S102)。第1制御部40は、一致すると判断すると(S102:Yes)、「適」を示す第1適否情報を生成する(S103)。第1制御部40は、一致しないと判断すると(S102:No)、「否」を示す第1適否情報を生成する(S104)。すなわち、第1制御部40は、現在車速が模範車速と一致するか否かを示す第1適否情報を生成する。
【0230】
次に、第1制御部40は、情報入力部30に入力した第1加速度情報が、模範第1加速度情報と一致するか否かを判断する(S114)。第1加速度情報と模範第1加速度情報との一致は、例えば、上述の実施形態で説明された車速情報と模範車速情報との一致の手法と同様にして行われる。
【0231】
第1制御部40は、現在の第1加速度情報と模範第1加速度情報とが一致すると判断すると(S114:Yes)、「適」を示す第3適否情報を生成する(S115)。第1制御部40は、現在の第1加速度情報と模範第1加速度情報とが一致しないと判断すると、「否」を示す第3適否情報を生成し(S116)、処理を終了する。すなわち、第1制御部40は、第1加速度情報が模範第1加速度情報と一致するか否かを示す第3適否情報を生成する。
【0232】
第1制御部40は、生成した第1適否情報、第3適否情報、模範車速情報、及び模範第1加速度情報を報知情報として第1インタフェース42から出力する。出力された報知情報は、報知装置28に入力される。
【0233】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第3適否情報と、模範第1加速度情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範第1加速度情報で示される模範第1加速度をモニタに表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第3適否情報と、模範第1加速度情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範第1加速度情報で示される模範第1加速度をモニタに表示し、また、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。または、「もっとブレーキを強く踏んでください」との音声や、「ブレーキを緩めて下さい」との音声や、「アクセルを踏み過ぎです」との音声をスピーカから出力する。
【0234】
運転者指導システム10は、例えば、カーブに進入する際や、上り坂を上る際や、下り坂を下る際に、アクセルやブレーキのペダル操作を指導する。
【0236】
本変形例では、加速度について、運転指導対象者に運転指導を行うことができる。すなわち、ブレーキ(アクセル)のタイミングや、ブレーキ(アクセル)の操作量について、運転指導を行うことができる。
【0238】
本変形例5では、車両20ステアリング操作を指導する例が説明される。なお、上述の実施形態及び変形例と同一の構成には、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0239】
車両20は、上述のジャイロセンサ24を備える。情報収集装置11の情報入力部30は、上述の加速度情報入力部34を備える。加速度情報入力部34は、ジャイロセンサ24が出力した加速度情報を入力される。情報収集装置11は、加速度情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12は、実施形態で説明された各処理に加え、
図17(A)に示されるステアリング角度決定処理を実行する。
【0240】
詳しく説明すると、情報処理装置12の第2制御部17は、入力された運行情報が模範運転者によるものか否かを判断する(S91)。第2制御部17は、入力された運行情報が模範運転者によるものでないと判断すると(S91:No)、処理を終了する。
【0241】
第2制御部17は、入力された運行情報等が模範運転者によるものであると判断すると(S91:Yes)、ステアリング角度を判断する(S121)。ステアリング角度は、例えば、装置メモリ13に記憶されたテーブルによって決定される。このテーブルでは、速度と、第2加速度と、ステアリング角度とが対応付けられている。例えば、「速度60km/時」と、「第2加速度A」と、「ステアリング角度a度」とが対応付けられ、「速度60km/時」と、「第2加速度B(B>A)」と、「ステアリング角度b度(b>a)」とが対応付けられている。このテーブルは、例えば、車種ごとに設けられる。ステップS121の処理は、本発明の第7判断処理に相当する。
【0242】
第2制御部17は、ステアリング角度を判断すると(S121)、判断したステアリング角度を示すステアリング角度情報と、車両20の位置情報等とを対応付けて、模範運転情報として装置メモリ13に記憶させる(S122)。
【0243】
本変形例5では、実施形態において説明された指導情報生成処理(
図11(B))に代えて、
図17(B)に示される指導情報生成処理が実行される。まず、第2制御部17は、実施形態で説明された指導情報生成処理(
図11(B))と同様に、ステップS65〜67を実行する。すなわち、車両20の位置を特定し(S65)、特定した位置から指導位置を特定し(S66)、特定した指導位置における模範車速情報を装置メモリ13から読み出す(S67)。また、第2制御部17は、特定した指導位置における模範運転情報のステアリング角度情報を、模範ステアリング角度情報として取得する(S123)。
【0244】
第2制御部17は、取得した模範車速情報及び模範ステアリング角度情報を含む指導情報を生成し(S124)、処理を終了する。
【0245】
第2制御部17は、生成した指導情報を第2インタフェース18から出力する。出力された指導情報は、情報収集装置11に入力される。情報収集装置11の第1制御部40は、上述の実施形態で説明された適否情報生成処理(
図12(B))に代えて、
図17(C)に示される適否情報生成処理を実行する。
【0246】
まず、第1制御部40は、指導情報から模範車速情報及び模範ステアリング角度情報を取得する(S125)。第1制御部40は、情報入力部30に入力した車速情報が、模範車速情報と一致するか否かを判断する(S102)。第1制御部40は、一致すると判断すると(S102:Yes)、「適」を示す第1適否情報を生成する(S103)。第1制御部40は、一致しないと判断すると(S102:No)、「否」を示す第1適否情報を生成する(S104)。すなわち、第1制御部40は、現在車速が模範車速であるか否かを示す第1適否情報を生成する。
【0247】
次に、第1制御部40は、現在のステアリングの操作角度を判断し、判断したステアリング角度が模範ステアリング角度情報が示す模範ステアリング角度と一致するか否かを判断する(S126)。現在のステアリング操作角度の決定は、ステアリング角度決定処理(
図17(A))と同様にして実行される。
【0248】
第1制御部40は、現在のステアリング角度と模範ステアリング角度とが一致すると判断すると(S126)、「適」を示す第4適否情報を生成する(S127)。第1制御部40は、一致しないと判断すると、「否」を示す第4適否情報を生成し(S128)、処理を終了する。すなわち、第1制御部40は、ステアリング角度が模範ステアリング角度であるか否かを示す第4適否情報を生成する。なお、ステアリング角度が模範ステアリング角度と一致するか否かの判断は、例えば、現在車速が模範車速と一致するか否かの判断と同様に、現在のステアリング角度が、模範ステアリング角度を中心とした所定の角度範囲内にあるか否かによって判断される。
【0249】
第1制御部40は、生成した第1適否情報、第4適否情報、模範車速情報、及び模範ステアリング角度情報を報知情報として第1インタフェース42から出力する。出力された報知情報は、報知装置28に入力される。
【0250】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第4適否情報と、模範ステアリング角度情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範ステアリング角度をモニタに表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第4適否情報と、模範ステアリング角度情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範ステアリング角度をモニタに表示し、また、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。または、「ステアリングを左にもっと切って下さい」との音声や、「ステアリングを左に切りすぎです。少し戻して下さい。」との音声をスピーカから出力する。
【0252】
本変形例では、ステアリングの操作について、運転指導を行うことができる。すなわち、ステアリングを操作するタイミングや、ステアリングの操作量について、運転指導を行うことができる。運転者指導システム10は、例えば、カーブに進入する際にステアリング操作を指導する。
【0254】
本変形例6では、晴れや雨を示す気象情報ごとに模範運転情報が装置メモリ13に記憶される例が説明される。すなわち、晴れの場合と雨の場合とで制動距離などが変わるから、気象によって模範運転情報を分類する。運転指導対象者が運転を行う際、気象に応じた模範運転情報が選択される。以下、詳しく説明がされる。なお、上述の実施形態と同様の構成には、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0255】
本変形例6では、車両20は、
図18に示されるように、気温センサ25及び湿度センサ26を備える。気温センサ25は、車両20の外の気温を示す気温情報を出力する。湿度センサ26は、車両20の外の湿度を示す湿度情報を出力する。
【0256】
情報収集装置11の情報入力部30は、気温情報が入力される気温情報入力部35と、湿度情報が入力される湿度情報入力部36とを備える。
【0257】
情報収集装置11の第1制御部40は、入力された気温情報及び湿度情報を含む運行情報を無線通信部43から無線送信する。
【0258】
送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、入力された運行情報に含まれる気温情報及び湿度情報を用いて、
図10に示されるメイン処理に代えて、
図19に示されるメイン処理を実行する。
【0259】
図19では不図示であるが、第2制御部17は、まず、
図10に示されるステップS51〜S54の処理を実行する。すなわち、運行情報が入力されるまで待機し(S51)、識別記号から運行情報を特定し(S52)、運行情報から運転者を特定し(S53)、特定した運転者の技量情報を取得する(S54)。
【0260】
次に第2制御部17は、運行情報等に含まれる気温情報、湿度情報から気象を判断する第8判断処理を実行する(S131)。例えば、第2制御部17は、湿度が第1閾値より高く、気温が第2閾値より低い場合に雨と判断し、湿度が第1閾値より低く、気温が第2閾値より高い場合に晴れと判断する。第1閾値及び第2閾値は、装置メモリ13に予め記憶される。また、季節や昼夜により、異なる第1閾値及び第2閾値が用いられてもよい。季節や昼夜は、日時情報が示す日時により判断される。
【0261】
第2制御部17は、晴れであると判断すると(S131:Yes)、晴れフラグに「ON」を設定する(S132)。一方、第2制御部17は、晴れでないと判断すると(S131:No)、雨フラグに「ON」を設定する(S133)。なお、晴れフラグ及び雨フラグの初期値は「OFF」である。
【0262】
次に、第2制御部17は、入力された運行情報等が模範運転者によるものが否かを判断する(S134)。ステップS124の処理は、上述の実施形態のステップS55(
図10)と同様である。第2制御部17は、模範運転者によるものであると判断すると(S134:Yes)、晴れフラグ及び雨フラグを模範運転情報に含めて装置メモリ13に記憶させる第3記憶処理を実行し(S135)、処理を終了する。
【0263】
第2制御部17は、模範運転者によるものでないと判断すると(S134:No)、運行情報が運転指導対象者によるものか否かを判断する(S136)。ステップS136の処理は、上述の実施形態のステップS57(
図10)と同様である。
【0264】
第2制御部17は、運転指導対象者によるものでないと判断すると(S136:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者によるものであると判断すると(S136:Yes)、運転指導処理を実行し(S137)、処理を終了する。
【0265】
ステップS137の運転指導処理において、第2制御部17は、入力された運行情報と同一の車種、同一の路線、及び同一の気象の模範運転情報が存在するか否かを判断する。車種及び路線の同一については、上述の実施形態と同様に判断される。気象の同一は、上述の変形例で説明された軽フラグ等と同様にして、晴れフラグ及び雨フラグによって判断される。第2制御部17は、模範運転情報が存在しないと判断すると、処理を終了し、模範運転情報が存在すると判断すると、上述の実施形態と同様に、指導情報を生成して情報収集装置11宛てに出力する。
[効果]
【0266】
例えば、晴れの日と雨の日とでは、タイヤのグリップ力が相違するので、カーブに進入する速度や、下り坂を下る際の速度、ギア位置などが相違する。本変形例では、晴れの場合、晴れの模範運転情報を用いて運転指導が行われ、雨の場合、雨の模範運転情報を用いて運転指導が行われる。すなわち、気象に応じた適切な運転指導が行われる。
【0268】
本変形例では、気温情報によって低温か高温か適温かを判断し、低温の場合の模範運転情報と、高温の場合の模範運転情報と、適温の場合の模範運転情報と区別して装置メモリ13に記憶させる例が説明される。
【0269】
本変形例7では、車両20は、変形例6で説明された気温センサ25(
図18)を備える。気温センサ25は、車両20の外の気温を示す気温情報を出力する。
【0270】
情報収集装置11の情報入力部30は、変形例6で説明された気温情報入力部35(
図18)を備える。その他の構成は、上述の実施形態と同様である。
【0271】
情報収集装置11の第1制御部40は、入力された気温情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。
【0272】
送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、入力された運行情報に含まれる気温情報を用いて、
図10に示されるメイン処理に代えて、
図20に示されるメイン処理を実行する。
【0273】
図20では不図示であるが、第2制御部17は、まず、
図10に示されるステップS51〜S54の処理を実行する。すなわち、運行情報が入力されるまで待機し(S51)、識別記号から運行情報を特定し(S52)、運行情報から運転者を特定し(S53)、特定した運転者の技量情報を取得する(S54)。次に第2制御部17は、運行情報等に含まれる気温情報から、低温であるか、高温であるか、適温であるかを判断する(S131〜S133)。
【0274】
まず、第2制御部17は、気温情報で示される気温が第1閾値温度より低いか否かを判断する(S141)。第1閾値温度は、装置メモリ13に予め記憶される温度であり、例えば、0℃である。第2制御部17は、気温が第1閾値温度より低いと判断すると(S141:Yes)、低温フラグに「ON」を設定する(S143)。第2制御部17は、気温が第1閾値温度以上であると判断すると(S141:No)、気温が第2閾値温度より高いか否かを判断する(S142)。第2閾値温度は、例えば、35℃である。第2制御部17は、気温が第2閾値温度より高いと判断すると(S142:Yes)、高温フラグに「ON」を設定する(S144)。第2制御部17は、気温が第2閾値温度以下であると判断すると(S142:No)、適温フラグに「ON」を設定する。なお、低温フラグ、高温フラグ、及び適温フラグの初期値はいずれもOFFである。
【0275】
次に、第2制御部17は、入力された運行情報が模範運転者によるものが否かを判断する(S146)。ステップS146の処理は、上述の実施形態のステップS55(
図10)と同様である。第2制御部17は、模範運転者によるものであると判断すると(S146:Yes)、低温フラグ、高温フラグ、及び適温フラグを模範運転情報に含めて装置メモリ13に記憶させる第3記憶処理を実行し(S147)、処理を終了する。
【0276】
第2制御部17は、模範運転者によるものでないと判断すると(S146:No)、運行情報が運転指導対象者によるものか否かを判断する(S148)。ステップS148の処理は、上述の実施形態のステップS57(
図10)と同様である。
【0277】
第2制御部17は、運転指導対象者によるものでないと判断すると(S148:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者によるものであると判断すると(S148:Yes)、運転指導処理を実行し(S149)、処理を終了する。
【0278】
ステップS149の運転指導処理において、第2制御部17は、入力された運行情報と同一の車種、同一の路線、及び同一の温度帯(低温、高温、適温)の模範運転情報が存在するか否かを判断する。車種及び路線の同一については、上述の実施形態と同様に判断される。温度帯の同一は、変形例で説明された軽フラグと同様にして、低温フラグ、高温フラグ、及び適温フラグによって判断される。第2制御部17は、模範運転情報が存在しないと判断すると、処理を終了し、模範運転情報が存在すると判断すると、上述の実施形態と同様に、指導情報を生成して情報収集装置11宛てに出力する。
[効果]
【0279】
例えば、低温の日と適温の日と高温の日とでは、タイヤのグリップ力が相違するので、カーブに進入する速度や、下り坂を下る際の速度、ギア位置などが相違する。本変形例では、低温、高温、適温の場合の模範運転情報を用いて運転指導が行われる。すなわち、気温に応じた適切な運転指導が行われる。
【0281】
本変形例7では、気温情報及び湿度情報に代えて、車外を撮像した画像情報から気象を判断する例が説明される。
【0282】
本変形例8では、
図21に示されるように、車両20は、車外を撮像するカメラ44を備える。カメラ44は、撮像した画像を画像情報として出力する。
【0283】
情報収集装置11の情報入力部30は、画像情報が入力される画像情報入力部45を備える。情報収集装置11の第1制御部40は、入力された画像情報を位置情報等と対応付けて運行情報等として無線通信部43から無線送信する。
【0284】
送信された運行情報等は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、画像情報を含む運行情報により、
図22に示されるメイン処理を実行する。すなわち。本変形例では、実施形態で説明されたメイン処理(
図10)に代えて、
図22に示されるメイン処理が実行される。
【0285】
図22では不図示であるが、第2制御部17は、まず、
図10に示されるステップS51〜S54の処理を実行する。すなわち、運行情報が入力されるまで待機し(S51)、識別記号から運行情報を特定し(S52)、運行情報から運転者を特定し(S53)、特定した運転者の技量情報を取得する(S54)。次に第2制御部17は、運行情報に含まれる画像情報から気象を判断する第9判断処理を実行する(S151〜S153)。画像を用いた晴れか雨か雪かの判断には、既存の手法が用いられる。
【0286】
第2制御部17は、晴れであると判断すると(S151:Yes)、晴れフラグに「ON」を設定する(S154)。第2制御部17は、晴れでないと判断すると(S151:No)、雨か否かを判断する(S152)。第2制御部17は、雨であると判断すると(S152:Yes)、雨フラグに「ON」を設定する(S155)。第2制御部17は、雨でないと判断すると(S155:No)、雪か否かを判断する(S153)。第2制御部17は、雪であると判断すると(S153:Yes)、雪フラグに「ON」を設定する(S156)。第2制御部17は、雪でないと判断すると、判断不可と判断し(S157)、処理を終了する。なお、晴れフラグ、雨フラグ、及び雪フラグの初期値はいずれも「OFF」である。
【0287】
次に、第2制御部17は、入力された運行情報が模範運転者によるものが否かを判断する(S158)。ステップS138の処理は、上述の実施形態のステップS55(
図10)と同様である。第2制御部17は、模範運転者によるものであると判断すると(S158:Yes)、晴れフラグ、雨フラグ、及び雪フラグを模範運転情報に含めて装置メモリ13に記憶させる第3記憶処理を実行し(S159)、処理を終了する。
【0288】
第2制御部17は、模範運転者によるものでないと判断すると(S158:No)、運行情報等が運転指導対象者によるものか否かを判断する(S160)。ステップS160の処理は、上述の実施形態のステップS57(
図10)と同様である。
【0289】
第2制御部17は、運転指導対象者によるものでないと判断すると(S160:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者によるものであると判断すると(S160:Yes)、運転指導処理を実行し(S161)、処理を終了する。
【0290】
ステップS161の運転指導処理において、第2制御部17は、入力された運行情報と同一の車種、同一の路線、及び同一の気象の模範運転情報が存在するか否かを判断する。車種及び路線の同一については、上述の実施形態と同様に判断される。気象の同一は、上述の変形例で説明された軽フラグ等と同様にして、晴れフラグ、雨フラグ、及び雪フラグによって判断される。第2制御部17は、模範運転情報が存在しないと判断すると、処理を終了し、模範運転情報が存在すると判断すると、上述の実施形態と同様に、指導情報を生成して情報収集装置11宛てに出力する。
[効果]
【0291】
例えば、晴れの日と雨の日と雪の日とでは、タイヤのグリップ力がそれぞれ相違するので、カーブに進入する速度や、下り坂を下る際の速度、ギア位置などが相違する。本変形例では、晴れの場合、晴れの模範運転情報を用いて運転指導が行われ、雨の場合、雨の模範運転情報を用いて運転指導が行われ、雪の場合、雪の模範運転情報を用いて運転指導が行われる。したがって、より適切に運転指導を行うことができる。
【0292】
また、車外を撮像した画像によって気象を判断するから、気温や湿度によって気象を判断する場合と比べ、雪なども判断することができる。また、気温や湿度によって気象を判断する場合と比べ、気象の判断が正確になる。
【0294】
本変形例9では、日時情報によって昼夜を判断し、日中の模範運転情報、夜間の模範運転情報に別けて模範運転情報を装置メモリ13に記憶させる例が説明される。
【0295】
本変形例9では、実施形態で説明されたメイン処理(
図10)に代えて、
図23に示されるメイン処理が実行される。
図23では不図示であるが、情報処理装置12の第2制御部17は、まず、
図10に示されるステップS51〜S54の処理を実行する。すなわち、運行情報が入力されるまで待機し(S51)、識別記号から運行情報を特定し(S52)、運行情報から運転者を特定し(S53)、特定した運転者の技量情報を取得する(S54)。
【0296】
次に第2制御部17は、運行情報に含まれる日時情報が示す時刻から昼夜を判断する第10判断処理を実行する(S162)。具体的には、第2制御部17は、運行情報に含まれる日時情報が示す時刻が、第1閾値時刻から第2閾値時刻の範囲内であるか否かを判断する(S162)。第1閾値時刻及び第2閾値時刻は、装置メモリ13に予め記憶される時刻である。第1閾値時刻は、例えば日の出時刻であり、第2閾値時刻は、例えば日没時刻である。第1閾値時刻及び第2閾値時刻は、日時情報が示す日に応じた値とされる。
【0297】
第2制御部17は、日時情報が示す時刻が第1閾値時刻から第2閾値時刻の範囲内であると判断すると(S162:Yes)、昼フラグに「ON」を設定する(S163)。第2制御部17は、日時情報が示す時刻が第1閾値時刻から第2閾値時刻の範囲内でないと判断すると(S162:No)、夜フラグに「ON」を設定する(S164)。なお、昼フラグ及び夜フラグの初期値はいずれも「OFF」である。
【0298】
次に、第2制御部17は、入力された運行情報が模範運転者によるものが否かを判断する(S165)。ステップS165の処理は、上述の実施形態のステップS55(
図10)と同様である。第2制御部17は、模範運転者によるものであると判断すると(S165:Yes)、昼フラグ及び夜フラグを模範運転情報に含めて装置メモリ13に記憶させる第3記憶処理を実行し(S166)、処理を終了する。
【0299】
第2制御部17は、模範運転者によるものでないと判断すると(S165:No)、運行情報が運転指導対象者によるものか否かを判断する(S167)。ステップS167の処理は、上述の実施形態のステップS57(
図10)と同様である。
【0300】
第2制御部17は、運転指導対象者によるものでないと判断すると(S167:No)、処理を終了する。第2制御部17は、運転指導対象者によるものであると判断すると(S167:Yes)、運転指導処理を実行し(S168)、処理を終了する。
【0301】
ステップS168の運転指導処理において、第2制御部17は、入力された運行情報と同一の車種、同一の路線、及び同一の時刻帯(昼、夜)の模範運転情報が存在するか否かを判断する。車種及び路線の同一については、上述の実施形態と同様に判断される。時刻帯の同一は、変形例で説明された軽フラグ等と同様にして、昼フラグ及び夜フラグによって判断される。第2制御部17は、模範運転情報が存在しないと判断すると、処理を終了し、模範運転情報が存在すると判断すると、上述の実施形態と同様に、指導情報を生成して情報収集装置11宛てに出力する。
[効果]
【0302】
例えば、夜間は日中と比べて視界が悪いので、走行速度を落とす必要がある。本変形例では、昼の場合、昼の模範運転情報を用いて運転指導対象者の運転指導が行われ、夜の場合、夜の模範運転情報を用いて運転指導対象者の運転指導が行わる。したがって、昼夜に応じた適切な運転指導を行うことができる。
【0304】
上述の変形例5では、ジャイロセンサ24が検出する第2加速度情報を用いてステアリング角度を判断する例が説明された。本変形例10では、ステアリングセンサ71(
図24)により、ステアリングの操作角度であるステアリング角度が検出される例が説明される。
【0305】
本変形例10では、
図24に示されるように、車両20は、ステアリングセンサ71を備える。ステアリングセンサ71は、例えば、車両20のステアリングのシャフトに設けられたレゾルバやエンコーダなどの回転角センサである。ステアリングセンサ71は、ステアリングの操作角度に応じたステアリング角度情報を出力する。すなわち、ステアリング角度情報は、ステアリングの操作角度を示す。
【0306】
情報収集装置11の情報入力部30は、ステアリング角度情報が入力される角度情報入力部81を備える。情報収集装置11は、ステアリング角度情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。なお、
図24におけるセンサ72〜76、及び情報入力部82〜86については、後述の変形例11〜15において説明がされる。
【0307】
送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、変形例5で説明されたステアリング角度決定処理(
図17(A))に代えて、運行情報に含まれるステアリング角度情報を用いる。第2制御部17は、運行情報に含まれるステアリング角度情報を用いて、
図17(B)に示される生成処理を実行する。以降の処理は、変形例5と同じである。
【0309】
本変形例10では、ステアリング角度センサを用いてステアリングの操作角度を判断するから、変形例5の場合よりも、ステアリングの操作角度の判断が正確になる。
【0311】
本変形例11では、運転指導対象者に対して、ブレーキ操作を指導する例が説明される。
【0312】
図24に示されるように、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ72が車両20に搭載される。ブレーキセンサ72は、ブレーキペダルの踏込量など、ブレーキ操作の操作量を示すブレーキ情報を出力する。ブレーキセンサ72は、例えば、ブレーキペダルの踏込角やストロークを検出する回転角センサや磁気センサなどである。
【0313】
情報収集装置11の情報入力部30は、ブレーキ情報が入力されるブレーキ情報入力部82を備える。情報収集装置11は、ブレーキ情報入力部82に入力したブレーキ情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。
【0314】
送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、上述の実施形態で説明されたメイン処理(
図10)のステップS56において、模範運転情報にブレーキ情報を含めて装置メモリ13に記憶させる。また、第2制御部17は、上述の実施形態で説明された指導情報生成処理(
図11(B))において、模範運転情報に含まれるブレーキ情報を模範ブレーキ情報として指導情報に含ませて指導情報を生成する。第2制御部17は、実施形態で説明された運転指導処理において、模範ブレーキ情報を含む指導情報を情報収集装置11宛てに出力する。
【0315】
情報収集装置11の第1制御部40は、
図12に示される第2出力処理及び適否情報生成処理に代えて、
図25に示される第2出力処理及び適否情報生成処理を実行する。
【0316】
図25(A)に示されるように、第1制御部40は、上述の実施形態の第2出力処理(
図12(A))と同様に、指導情報が入力されると(S71:Yes)、適否情報を生成する適否情報生成処理を実行する(S72)。
【0317】
図25(B)に示されるように、第1制御部40は、指導情報から模範車速情報及び模範ブレーキ情報を取得する(S172)。第1制御部40は、情報入力部30に入力した車速情報が、模範車速情報と一致するか否かを判断する(S102)。第1制御部40は、一致すると判断すると(S102:Yes)、「適」を示す第1適否情報を生成する(S103)。第1制御部40は、一致しないと判断すると(S102:No)、「否」を示す第1適否情報を生成する(S104)。すなわち、第1制御部40は、現在車速が模範車速であるか否かを示す第1適否情報を生成する。
【0318】
次に、第1制御部40は、情報入力部30に入力したブレーキ情報が、模範ブレーキ情報と一致するか否かを判断する(S173)。ブレーキ情報と模範ブレーキ情報との一致は、例えば、上述の実施形態で説明された車速情報と模範車速情報との一致の手法と同様にして行われる。
【0319】
第1制御部40は、現在のブレーキ情報と模範ブレーキ情報とが一致すると判断すると(S173:Yes)、「適」を示す第5適否情報を生成する(S174)。第1制御部40は、現在のブレーキ情報と模範ブレーキ情報とが一致しないと判断すると、「否」を示す第5適否情報を生成し(S175)、処理を終了する。すなわち、第1制御部40は、ブレーキ情報が模範ブレーキ情報と一致するか否かを示す第5適否情報を生成する。
【0320】
図25(A)に示される第2出力処理に戻って、第1制御部40は、生成した第1適否情報、第5適否情報、模範車速情報、及び模範ブレーキ情報を報知情報として第1インタフェース42から出力する(S171)。出力された報知情報は、報知装置28に入力される。
【0321】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第5適否情報と、模範ブレーキ情報とが報知情報に含まれる場合、模範ブレーキ情報で示される模範ブレーキ操作量をモニタに表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第5適否情報と、模範ブレーキ情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範ブレーキ情報で示される模範ブレーキ操作量をモニタに表示し、また、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。または、「もっとブレーキを強く踏んでください」との音声や、「ブレーキを緩めて下さい」との音声などをスピーカから出力する。
【0322】
運転者指導システム10は、例えば、カーブに進入する際や、下り坂に進入する際に、ブレーキ操作を指導する。
【0324】
本変形例では、ブレーキの操作のタイミングや操作量について運転指導を行うことができる。すなわち、より適切に運転指導を行うことができる。
【0326】
本変形例11では、運転指導対象者に対して、アクセル操作を指導する例が説明される。
【0327】
図24に示されるように、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ73が車両20に搭載される。アクセルセンサ73は、アクセルペダルの踏込量など、アクセル操作の操作量を示すアクセル情報を出力する。アクセルセンサ73は、例えば、アクセルペダルの踏込角やストロークを検出する回転角センサや磁気センサなどである。
【0328】
情報収集装置11の情報入力部30は、アクセル情報が入力されるアクセル情報入力部83を備える。情報収集装置11の第1制御部40は、アクセル情報入力部83に入力したアクセル情報を車両20の位置情報等と対応付け、運行情報等として無線通信部43から送信する。
【0329】
アクセル情報を含む運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、実施形態で説明されたメイン処理(
図10)のステップS56において、模範運転情報にアクセル情報を含めて装置メモリ13に記憶させる。また、第2制御部17は、実施形態で説明された指導情報生成処理(
図11(B))において、模範運転情報に含まれるアクセル情報を模範アクセル情報として指導情報に含ませて指導情報を生成する。第2制御部17は、実施形態で説明された運転指導処理において、模範アクセル情報を含む指導情報を情報収集装置11宛てに出力する。
【0330】
情報収集装置11の第1制御部40は、変形例10で説明された第2出力処理及び適否情報生成処理において、「ブレーキ情報」を「アクセル情報」に代えた処理を実行する。すなわち、第1制御部40は、適否情報、模範車速情報、及び模範アクセル情報を含む報知情報を報知装置28宛てに出力する。
【0331】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第5適否情報と、模範アクセル情報とが報知情報に含まれる場合、模範アクセル情報で示される模範アクセル操作量をモニタに表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第5適否情報と、模範アクセル情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範アクセル情報で示される模範アクセル操作量をモニタに表示し、また、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。または、「もっとアクセルを強く踏んでください」との音声や、「アクセルを緩めて下さい」との音声などをスピーカから出力する。
【0332】
運転者指導システム10は、例えば、上り坂に進入する際に、アクセル操作を指導する。
【0334】
本変形例では、アクセルの操作のタイミングや操作量について運転指導を行うことができる。すなわち、より適切に運転指導を行うことができる。
【0336】
本変形例13では、変形例2と同様に、運転指導対象者に対してシフトレバー操作(ギアチェンジ)を指導する例が説明される。本変形例13では、変形例2と相違し、ギア位置センサ74によってギア位置を判断する。
【0337】
図24に示されるように、トランスミッションのギア位置を検出するギア位置センサ74が車両20に搭載される。ギア位置センサ74は、ギア位置を示すギア位置情報を出力する。ギア位置センサ74は、例えば、タクトスイッチやマイクロスイッチなどの機械的なスイッチや、電磁リレーなどである。
【0338】
情報収集装置11の情報入力部30は、ギア位置情報が入力されるギア位置情報入力部84を備える。情報収集装置11は、ギア位置情報入力部84に入力したギア位置情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。
【0339】
情報処理装置12の第2制御部17は、変形例2で説明されたギア位置判断処理(
図14(A))で判断したギア位置に代えて、運行情報に含まれるギア位置情報を用いて、生成処理等を実行する。その他の構成は、変形例2と同様である。
【0341】
本変形例では、ギア位置センサ74によってギア位置が判断される。したがって、ギア位置の判断が上述の変形例2よりも正確になる。
【0343】
本変形例14では、運転指導対象者に対して、排気ブレーキ操作を指導する例が説明される。
【0344】
図24に示されるように、排気ブレーキが操作されたか否かを検出する排気ブレーキセンサ75が車両20に搭載される。排気ブレーキセンサ75は、排気ブレーキが操作されたか否かを示す排気ブレーキ情報を出力する。排気ブレーキセンサ75は、排気ブレーキ操作ボタンの操作に連動して信号を切り替えて出力する。
【0345】
情報収集装置11の情報入力部30は、排気ブレーキ情報が入力される排気ブレーキ情報入力部85を備える。情報収集装置11は、排気ブレーキ情報入力部85に入力した排気ブレーキ情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。
【0346】
送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、実施形態で説明されたメイン処理(
図10)のステップS56において、排気ブレーキ情報を含む模範運転情報を装置メモリ13に記憶させる。また、第2制御部17は、実施形態で説明された指導情報生成処理(
図11(B))において、模範運転情報に含まれる排気ブレーキ情報を模範排気ブレーキ情報として指導情報に含ませて指導情報を生成する。第2制御部17は、実施形態で説明された運転指導処理において、模範排気ブレーキ情報を含む指導情報を情報収集装置11宛てに出力する。
【0347】
情報収集装置11の第1制御部40は、変形例10で説明された第2出力処理及び適否情報生成処理において、「ブレーキ情報」を「排気ブレーキ情報」に代えた処理を実行する。すなわち、第1制御部40は、適否情報、模範車速情報、及び模範排気ブレーキ情報を含む報知情報を報知装置28宛てに出力する。
【0348】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第5適否情報と、模範排気ブレーキ情報とが報知情報に含まれる場合、模範排気ブレーキ情報で示される排気ブレーキONをモニタに表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第5適否情報と、模範排気ブレーキ情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範排気ブレーキ情報で示される排気ブレーキONをモニタに表示し、また、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。または、「排気ブレーキをONにして下さい」との音声や、「排気ブレーキをOFFにして下さい」との音声などをスピーカから出力する。
【0350】
本変形例14では、排気ブレーキの操作のタイミングについて運転指導を行うことができる。排気ブレーキは一般の車両には搭載されていないから、運転経験の浅い運転者が排気ブレーキを適切に使用することは困難である。本変形例14では、排気ブレーキについて、適正に運転指導を行うことができる。
【0351】
例えば、下りの山道においてブレーキを多用すると、ブレーキの効果が減少し、重大事故が生じてしまうおそれがある。排気ブレーキの適切な使用が指導されることにより、事故が未然に防止される。
【0353】
本変形例15では、運転指導対象者に対して、車間距離を指導する例が説明される。適切な車間距離は、速度と制動距離によって決まる。制動距離は、車種、重量、道路(路線)によって決まる。道路とは、道路の表面の状態や傾斜角度などを意味する。すなわち、適切な車間距離は一定ではなく、状況に応じて変わる。本変形例15では、模範運転情報を用いて適切な車間距離を指導する例が説明される。
【0354】
図24に示されるように、測距センサ76が車両20に搭載される。測距センサ76は、車両20の前方に向けられ、車両20の前方を走行する車両との間の距離を示す車間距離情報を出力する。なお、測距センサには、レーダなども含まれる。
【0355】
情報収集装置11の情報入力部30は、車間距離情報が入力される車間距離情報入力部86を備える。情報収集装置11の第1制御部40は、車間距離情報入力部86に入力した車間距離情報を含む運行情報を無線通信部43から送信する。
【0356】
送信された運行情報は、情報処理装置12に入力される。情報処理装置12の第2制御部17は、実施形態で説明されたメイン処理(
図10)のステップS56において、模範運転情報に車間距離情報を含めて装置メモリ13に記憶させる。また、第2制御部17は、実施形態で説明された指導情報生成処理(
図11(B))において、模範運転情報に含まれる車間距離情報を模範車間距離情報として指導情報に含ませて指導情報を生成する。第2制御部17は、実施形態で説明された運転指導処理において、模範車間距離情報を含む指導情報を情報収集装置11宛てに出力する。
【0357】
情報収集装置11の第1制御部40は、変形例10で説明された第2出力処理及び適否情報生成処理において、「ブレーキ情報」を「車間距離情報」に代えた処理を実行する。すなわち、第1制御部40は、適否情報、模範車速情報、及び模範車間距離情報を含む報知情報を報知装置28宛てに出力する。なお、車間距離情報入力部86に入力された車間距離情報が示す現在の車間距離が模範車間距離情報が示す模範車間距離以上である場合に「適」とされ、現在の車間距離適性車間距離未満である場合に「否」とされる。
【0358】
報知装置28は、入力された報知情報に応じた報知を行う。具体的に説明すると、報知装置28は、模範車速、及び第1適否情報に関しては、上述の実施形態と同様の報知を行う。一方、報知装置28は、例えば、「適」を示す第5適否情報と、模範車間距離情報とが報知情報に含まれる場合、模範車間距離情報で示される模範車間距離をモニタに表示し、かつ、青色LEDを点灯する。「否」を示す第5適否情報と、模範車間距離情報とが報知情報に含まれる場合、報知装置28は、模範車間距離情報で示される模範車間距離をモニタに表示し、また、赤色LEDを点灯し、かつ、スピーカからエラー音を出力する。または、「車間距離をもっととって下さい」との音声などをスピーカから出力する。
【0360】
本変形例15では、車両20の位置や車種や気象や気温などに応じた適切な車間距離を運転指導対象者に報知して運転を指導することができる。
【0362】
本変形例16では、情報処理装置12が、運転指導対象者が運転する車両20が送信した運行情報と、模範運転情報とを対比し、運転指導対象者の運転技術の評価を行う例が説明される。なお、上述の実施形態と同一の構成については、同一の符号が付され、説明が省略される。
【0363】
以下では、車速について評価される例が
図26を参照して説明されるが、車速のみならず、ステアリング操作角度や、車両20の進行方向の加速度である第1加速度や、ブレーキ操作のタイミングや操作量や、アクセル操作のタイミングや操作量や、ギアチェンジのタイミングや、排気ブレーキの操作タイミングなどについても同様に評価される。なお、
図26で説明される評価方法は一例であって、運行情報に含まれる各情報を用いたその他の方法(減点方式等)によって運転技術が評価されてもよい。
【0364】
図26に示されるように、情報処理装置12の第2制御部17は、運行情報として記憶されない運行情報と、当該運行情報と同一車種及び同一路線の模範運転情報とを読み出す。運行情報として記憶されない運行情報とは、例えば、運転技術が「A」〜「C」(
図5)である運転者が運転する車両20から送信された運行情報を意味する。なお、運転技術の評価は、運転技術が「B」及び「C」の運転者や、運転技術が「C」の運転者のみを対象として実行されてもよい。
【0365】
まず、情報処理装置12の第2制御部17は、評価対象となる運行情報と、模範運転情報とを装置メモリ13から読み出す(S181)。次に、第2制御部17は、複数の評価位置を設定する(S182)。評価位置は、ステップS183〜S189の評価を行う場所である。例えば、第2制御部17は、100mなどの所定の距離ごとに評価位置を設定する。或いは、走行ルート(路線)ごとに、カーブや坂道など所定の場所が評価位置として予め設定され、装置メモリ13に記憶される。
【0366】
第2制御部17は、設定した評価位置ごとにステップS183〜S189の評価を行う。具体的には、第2制御部17は、評価対象の運行情報の速度情報が示す速度が、模範運転情報の模範速度情報が示す模範速度を中心とした所定の第1範囲に入っているか否かを判断する(S183)。所定の第1範囲は、例えば、模範速度±5km/時である。
【0367】
第2制御部17は、速度が所定の第1範囲内であると判断すると(S183:Yes)、加点10とし(S184)、加点10を評価点に加える(S190)。第2制御部17は、速度が所定の第1範囲内でないと判断すると(S183:No)、速度が所定の第2範囲内であるか否かを判断する(S185)。第2範囲は、例えば、模範速度±15km/時である。
【0368】
第2制御部17は、速度が所定の第2範囲内であると判断すると(S185:Yes)、加点7とし(S186)、加点7を評価点に加える(S190)。第2制御部17は、速度が所定の第2範囲内でないと判断すると(S185:No)、速度が所定の第3範囲内であるか否かを判断する(S187)。第3範囲は、例えば、模範速度±25km/時である。
【0369】
第2制御部17は、速度が所定の第3範囲内であると判断すると(S187:Yes)、加点4とし(S188)、加点4を評価点に加える(S190)。第2制御部17は、速度が所定の第3範囲内でないと判断すると(S187:No)、加点0とする。
【0370】
第2制御部17は、全ての評価位置においてステップS183〜S190の処理を実行し、速度についての評価点を算出し、処理を終了する。算出された評価点は、例えば、運転者の運転技術の評価(A、B、Cなど)に用いられる。
【0372】
本変形例では、運転指導に加え、運転指導が必要か否かも判断することができる。
【0373】
なお、上述の評価処理は、運行終了後などに実行される。
【0375】
上述の実施形態では、最新の運行情報と、通信障害が生じていた間の運行情報とを、共にUDP通信により送信する例が説明された。本変形例では、最新の運行情報をUDP通信により送信し、通信障害が生じていた間の運行情報をTCP(Transmission Control Protocol)通信により送信する例が説明される。なお、実施形態と同じ構成には、実施形態と同一の符号を付して説明が省略される。
【0376】
本変形例17の移動体通信装置は、実施形態で説明された第1通信モデム50及び第2通信モデム60(
図3)に加え、第3通信モデム100及び第4通信モデム110(
図27)を備える。第3通信モデム100及び第4通信モデム110は、TCP通信により、通信障害が生じていた間の運行情報を送信する。
【0377】
第3通信モデム100は、第3通信ドライバ101と、第3出力部102と、第3電波強度検出部105と、SIMカード107が装着される第3装着部106と、第3アンテナ108とを備える。第4通信モデム110は、第4通信ドライバ111と、第4出力部112と、第4電波強度検出部115と、SIMカード117が装着される第4装着部116と、第4アンテナ118とを備える。
【0378】
第3通信ドライバ101及び第4通信ドライバ111は、第1通信ドライバ51や第2通信ドライバ61と同構成である。第3出力部102及び第4出力部112は、第1出力部52や第2出力部62と同構成である。但し、第3出力部102は、TCP通信を行う第5ポート103及び第6ポート104を備え、第4出力部112は、TCP通信を行う第7ポート113及び第8ポート114を備える。第3電波強度検出部105及び第4電波強度検出部115は、第1電波強度検出部55や第2電波強度検出部65と同構成である。第3アンテナ108は、第1アンテナ58と同構成であり、第4アンテナ118は、第2アンテナ68と同構成である。第3装着部106及び第4装着部116は、第1装着部56や第2装着部66と同構成である。
【0379】
第3通信モデム100は、第3装着部106に装着されたSIMカード107に応じたバンド及び通信会社と通信を行う。以下では、第3通信モデム100が第1通信モデム50と同じ第1バンドにより通信を行う例が説明される。第4通信モデム110は、第4装着部116に装着されたSIMカード117に応じたバンド及び通信会社と通信を行う。以下では、第4通信モデム110が第2通信モデム60と同じ第2バンドにより通信を行う例が説明される。但し、第3通信モデム100及び第4通信モデム110は、第1通信会社及び第2通信会社とは異なる通信会社と通信を行ってもよい。
【0380】
第3通信モデム100と第4通信モデム110とのうち、電波状態の良い方の通信モデムが、使用する通信モデムとして決定される。通信モデムの決定は、上述の実施形態(
図7)と同様にして行われる。
【0381】
本変形例17では、最新の運行情報は、第1通信モデム50(第1バンド)と第2通信モデム60(第2バンド)とのうち、電波状態の良い方のバンドを用いて、UDP通信により送信される。一方、通信障害が生じていた間の運行情報は、第3通信モデム100(第1バンド)と第4通信モデム110(第2バンド)とのうち、電波状態の良い方のバンドを用いて、TCP通信により送信される。
【0383】
最新の情報はUDP通信により送信されるから、通信のリアルタイム性が確保される。一方、通信障害が生じていた間の運行情報等は、TCP通信により送信されるから、情報の受け渡しの確実性が確保される。すなわち、模範運転者による運行情報を模範運転情報として装置メモリ13に確実に記憶させることができる。
【0384】
本変形例17では、第1通信会社の第1バンドにおいて、第1通信モデム50がUDP通信を行い、第3通信モデム100がTCP通信を行い、第2通信会社の第2バンドにおいて、第2通信モデム60がUDP通信を行い、第4通信モデム110がTCP通信を行う例が説明された。しかしながら、第3通信モデム100の機能を第1通信モデム50に付加し、第4通信モデム110の機能を第2通信モデム60に付加してもよい。すなわち、第1通信会社の第1バンドにおいて、第1通信モデム50がUDP通信及びTCP通信を行い、第2通信会社の第2バンドにおいて、第2通信モデム60がUDP通信及びTCP通信を行ってもよい。
【0386】
上述の実施形態では、車両20の現在位置を基準として走行予定ルート上において閾値距離だけ先の位置を指導位置とする例が説明された。しかしながら、指導位置は、他の手法によって設定されてもよい。例えば、オペレータが走行予定ルート上におけるカーブや坂道などの特定の位置を指導位置として設定して装置メモリ13に記憶させる。また、第2制御部17が、閾値半径以上の曲率を有するカーブや、閾値勾配以上の勾配を有する坂道を指導位置として設定してもよい。模範運転情報において、ステアリングの操作角度が閾値角度以上に操作される位置や、車速が閾値速度以上に変更される位置や、ギアチェンジが行われる位置や、アクセルやブレーキ操作が頻繁に行われる位置や、排気ブレーキが操作される位置が指導位置とされてもよい。指導位置を設定する上述の処理は、本発明の指導位置設定処理に相当する。
【0387】
上述の各変形例は、実施形態の変形例として説明された。しかしながら、各変形例は、複合して実施されてもよい。すなわち、模範運転情報を、積載重量、気象、気温、昼夜の全てで区分けしてもよいし、これらの中から選択したものによって区分けしてもよい。また、ギア位置情報、第1加速度情報、ステアリング角度情報、ブレーキ情報、及びアクセル情報、排気ブレーキ情報、車間距離情報の全ての情報が模範運転情報に含まれてもよいし、これらの中から選択した情報が模範運転情報に含まれてもよい。
【0388】
上述の実施形態では、情報収集装置11が、第1通信モデム50及び第2通信モデム60の2個の通信モデムを備える例が説明された。しかしながら、情報収集装置11は、3個以上の通信モデムを備えていてもよい。この場合、情報収集装置11の第1制御部40は、全ての通信モデムが通信不能の場合に通信障害が生じていたと判断し、
図5に示される通信障害時処理を実行する。また、第1制御部40は、通信可能な通信モデムのうち、電波強度が最も強い通信モデムを用いて、運行情報等を送信する。
【0389】
また、上述の実施形態では、応答情報及び電波強度情報の双方を用いて通信モデムを決定する例が説明された。しかしながら、通信モデムの決定は、電波強度情報のみにより実行されてもよい。この場合、通信ドライバ51、61、101、111や第1制御部40の処理が簡素化され得る。
【0390】
上述の実施形態では、情報収集装置11に識別記号が付された例が説明された。しかしながら、識別記号は、運転手に付されていてもよい。すなわち、運転手は、識別記号を有するIDカードを携帯する。車両20には、当該IDカードの識別記号を読み取る読取装置が設置される。当該読取装置が読み取った識別記号は、情報収集装置11に入力される。情報収集装置11の第1制御部は、運行情報とともに、入力された識別記号を送信する。情報処理装置12は、識別記号から運行予定(運行指示書)を特定する。