【実施例1】
【0019】
図1は、本発明による段ボールベッド100の外観写真である。段ボールベッド100は、ヘッド側板状脚1と、フット側板状脚2と、第1中間板状脚3と、第2中間板状脚4と、を備える。外側には天板13が取り付けられ、ベッド面が平坦に形成される。天板13は、サイドカバー片14を有しており、ベッドの側面も覆っている。構成要素はすべて段ボールからなる。使用した段ボールは、表面と裏面と中芯からなる3層構造で、中芯には波形のボール紙が挟み込まれる。段ボール表面を木目調に印刷することで、木製のもと差のない見た目にできる。
図1の段ボールベッド100は、長さが2m、幅が0.9m、高さが0.45mである。この寸法に限るものではなく、子供用のベッド寸法にもできる
【0020】
図2は、
図1の段ボールベッド100の内部構造を示す写真である。ヘッド側板状脚1と第1中間板状脚3の上部が、5本の長尺桁5で連結される。一方、フット側板状脚2と第2中間板状脚4の上部が、5本の長尺桁5’で連結される。長尺桁5、5’は同じ構造のものである。なお、写真では見えにくいが、奥側の床に長尺桁5と長尺桁5’が各1本ずつ設けられるので、長尺桁5、5’は、全部で12本が使用される。第1中間板状脚3と第2中間板状脚4は、繋ぎ桁12で連結される。連結は、すべて嵌め込みである。ヘッド側板状脚1には、5個の係止孔6が設けられ、長尺桁5の一端が係止される。ヘッド側板状脚1と第1中間板状脚3と第2中間板状脚4とフット側板状脚2のいずれも、スリット11が形成されており、天板13の端部が差込まれる。
【0021】
図3は、
図2の段ボールベッド100の分解写真である。前方ベッド体16と、後方ベッド体17の2つに分離できる。前方ベッド体16と後方ベッド体17の間は、4本の繋ぎ桁12で連結される。繋ぎ桁12’は、写真奥の第1中間板状脚3と第2中間板状脚4の底部を連結する。繋ぎ桁12には、複数の下係止溝9が設けられ、溝が下向きで使用されるので下係止溝9と表記しており、下係止溝9が、第1中間板状脚3と第2中間板状脚4の上係止溝7に係合する。
図3では、繋ぎ桁12の下係止溝9は3個なので、これをa、b、cとすると、aとcの溝を使用するか、bとcの溝を使用するかで、前方ベッド体16と後方ベッド体17の間の長さを変更できる。つまり、ベッドの長さを伸縮可能にできる。ベッドの組み立て時に長さを決めて組み立てることができる。なお、繋ぎ桁12’では、溝が上向きとなるように使用されるので、上係止溝7と表記している。
【0022】
図4は、
図1の天板13の写真である。天板13は3枚で構成した。前方のサイドカバー片14は、独立させているが、他のサイドカバー片14は天板13と一体に形成した。ベッドの長さが長くなる場合に備えて、図示しないが、短いサイドカバー片14が用意される。
【0023】
図5は、
図1の中敷き15の写真である。天板13の下側に、中敷き15を設けてもよい。ベッド面のクッション性が向上できる。
【0024】
図6は、
図2の段ボールベッド100の構造を示す各部の写真である。丸囲み数字1では、第2中間板状脚4に、長尺桁5’が係止されることを示す。丸囲み数字2では、長尺桁5が、ヘッド側板状脚1の係止孔6に係止されることを示す。丸囲み数字3では、繋ぎ桁12’が、第1中間板状脚3と第2中間板状脚4の底部を連結している。丸囲み数字4では、4本の繋ぎ桁12の取り付け状態を示す。丸囲み数字5では、第1中間板状脚3と第2中間板状脚4の底部に、長尺桁5と長尺桁5’が使用されることを示す。丸囲み数字6では、第2中間板状脚4に、長尺桁5’が係止されることを示す。
【0025】
図7は、フット側板状脚2の段ボール切り出し図である。円に縦スジの入った図形は、実際にはなく、段ボールの中芯の波形の方向を示す。この図では、上から下に向かって縦スジがあるので、上下方向に強度を有する板状脚にできる。上綴じ代18、下綴じ代19、左綴じ代20、右綴じ代21が設けられ、点線に沿って折り返す。下半分を上半分側に重ねるように折り返す。下係止溝9の位置が、床に当接することになる。スリット11は天板13を固定するためのものである。上係止溝7は折り返した状態では5個あって、5本の長尺桁5’の下係止溝9と係合させる。縦横の寸法は、実施例であり、これに限られるものではない。
【0026】
図8は、フット側板状脚2用の中詰め板2aの段ボール切り出し図である。下半分を上半分側に重ねるように折り返す。そして、折り返したフット側板状脚2の中に挿入する。フット側板状脚2は折り返した状態では、6層となる。
【0027】
図9は、フット側板状脚2の折り畳み状態を示す斜視図である。上綴じ代18と、下綴じ代19を内側に折り畳むので、折り畳んだ状態では、矩形板状に保持できる。ほどけて広がることがない。
【0028】
図10は、第1、第2中間板状脚3(4)の段ボール切り出し図である。上綴じ代18、下綴じ代19、左綴じ代20、右綴じ代21が設けられ、点線に沿って折り返す。下半分を上半分側に重ねるように折り返す。下係止溝9の位置が、床に当接することになる。スリット11は、天板13を固定するためのものである。上係止溝7は折り畳んだ状態では9個あって、5本の長尺桁(5又は5’)と、4本の繋ぎ桁12の合計9個の下係止溝9と係合させる。
【0029】
図11は、第1、第2中間板状脚3(4)用の中詰め板3a(4a)の段ボール切り出し図である。下半分を上半分側に重ねるように折り返す。そして、折り返したフット側板状脚2の中に挿入する。フット側板状脚2は、折り返した状態では6層となる。これににより、ベッドの上下方向の荷重を座屈せずに受け止めることができる。
【0030】
図12は、ヘッド側板状脚1の段ボール切り出し図である。上半分を下半分側に重ねるように折り返す。中央の部分が、ヘッド側板状脚1の頂部となる。左綴じ代20と右綴じ代21は、内側に折り曲げられる。係止孔6は、折り畳んだ状態で5個あって、5本の長尺桁5の下係止溝9と係合する。スリット11は、天板13を固定するためのものである。下係止溝9は、床置きの長尺桁5の溝と係合される。
【0031】
図13は、ヘッド側板状脚1用の中詰め板1aの段ボール切り出し図である。上半分を下半分側に重ねるように折り返す。そして、折り返したヘッド側板状脚1の中に挿入する。
【0032】
図14は、天板13の他の構成を示す説明図である。この例では、天板13が4枚で構成される。側面は、断面が四角となるように折り畳む。断面が四角の部分はホドけるおそれもあるので、図示しないが、スリットに差し込まれ、天板13の側面が広がらないようにする長尺な押え板が設けられる。
【0033】
図15は、長尺桁(5、5’)の段ボール切り出し図である。寸法(mm)は、実施例であり、これに限られるものではない。縦スジの入った円の図形は、実際にはなく段ボールの中芯の波形の方向を示す。点線に沿って折り畳み、長尺桁(5、5’)とされる。長尺桁(5、5’)は、長手方向に並行な両側が、内側に折り畳まれて形成される。
【0034】
図16は、長尺桁(5、5’)の斜視図である。長尺桁(5、5’)には、2個の下係止溝9が設けられる。長尺桁5では、一方の下係止溝9が、ヘッド側板状脚1の係止孔6に係止され、他方の下係止溝9は、第1中間板状脚3の上係止溝7に係止される。長尺桁5’では、一方の下係止溝9が、フット側板状脚2の上係止溝7に係止され、他方の下係止溝9は、第2中間板状脚4の上係止溝7に係止される。
【0035】
図17は、繋ぎ桁12の斜視図である。段ボール切り出し図は示さないが、
図15に示す長尺桁(5、5’)の段ボール切り出し図と同様に作成できる。繋ぎ桁12には、3個の下係止溝9が設けられる。繋ぎ桁12の写真は、
図3に示す。
【実施例2】
【0036】
図18は、本発明による他の段ボールベッド100斜視図である。段ボールベッド100は、ヘッド側板状脚1と、フット側板状脚2と、第1中間板状脚3と、第2中間板状脚4と、を備える。実施例1では、ヘッド側板状脚1が長尺桁5で第1中間板状脚3と連結されたが、実施例2では、ヘッド側板状脚1が長尺桁5で第2中間板状脚4と連結される。また、実施例1では、フット側板状脚2が長尺桁5’で第2中間板状脚4と連結されたが、実施例2では、フット側板状脚2が長尺桁5’で第2中間板状脚3と連結される。第1中間板状脚3と第2中間板状脚4の位置関係は変わらない。長尺桁5は第1中間板状脚3には係止されない。一方、長尺桁5’は第2中間板状脚4には係止されない。そのため、前方ベッド体16と、後方ベッド体17をスライド可能にできる。
【0037】
図19は、
図18のスライド構造の説明図である。(A)に示す後方ベッド体17を左方向にスライドさせて押し込むと、(B)に示すように、ベッド長を短くできる。(B)の状態から、後方ベッド体17を右方向にスライドさせれば、(A)に示すようにベッド長を(B)より長くできる。
【0038】
図20は、
図18のスライド構造の説明図である。(A)は、フット側板状脚2と第1中間板状脚3が係止される場合で、長尺桁5’と第1中間板状脚3の係止状態を示す。(A)に示すように、第1中間板状脚3の上係止溝7は、長尺桁5’の下係止溝9と第1中間板状脚3の上係止溝7に係止される。一方、(B)に示すように、長尺桁5’は、第2中間板状脚4に掛かるが、第2中間板状脚4の該当部分には、上通し溝8があるので、また長尺桁5’の該当部分には溝がないので、互いに係止することがない。そのため、後方ベッド体17が、第2中間板状脚4に邪魔されることなくスライドできる。
【0039】
図21は、
図18の第1中間板状脚3の段ボール切り出し図である。第1中間板状脚3は、ヘッド側板状脚1から出た4本の長尺桁5が通るが、係止させないように上通し溝8が形成されている。
【0040】
図22は、
図18の第2中間板状脚4の段ボール切り出し図である。第2中間板状脚4は、フット側板状脚2から出た3本の長尺桁5’が通るが、係止させないように3個の上通し溝8が形成されている。上通し溝8の個数は、ベッドサイズの寸法により、適宜、決めることができる。
【0041】
図23は、長尺桁の他の段ボール切り出し図である。
図15では、長手方向に並行な両側を内側に折り畳んで長尺桁(5、5’)を形成したが、
図23のように形成することもできる。具体的には、
図23に示すように、一端(下端)を他端方向(上端方向)に折り返してゆくことで形成する。