(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力手段は、前記第1の多重化伝送データと前記第2の多重化伝送データを、前記第1の出力端子および前記第2の出力端子から同時に出力開始し、並行出力することを特徴とする請求項1に記載の画像伝送装置。
前記生成手段は、画像データを、第1の奇数画像、第2の奇数画像、第1の偶数画像、第2の偶数画像に分割して、分割した各画像からそれぞれ前記多重化伝送データを生成し、
前記出力手段は、前記第1の奇数画像の多重化伝送データを前記第1の出力端子から出力し、前記第2の奇数画像の多重化伝送データを第3の出力端子から出力し、前記第1の偶数画像の多重化伝送データを前記第2の出力端子から出力し、前記第2の偶数画像の多重化伝送データを第4の出力端子から出力する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像伝送装置。
前記生成手段は、前記画像データのサイズが、前記所定のフォーマットで伝送可能なサイズ以下の場合は、前記奇数画像と前記偶数画像に分割せずに、前記画像データを前記所定のフォーマットに配置して伝送データを生成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像伝送装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
なお、本実施形態において説明される各機能ブロックは必ずしも個別のハードウェアである必要はない。すなわち、例えばいくつかの機能ブロックの機能は、1つのハードウェアにより実行されても良い。また、いくつかのハードウェアの連係動作により1つの機能ブロックの機能または、複数の機能ブロックの機能が実行されても良い。また、各機能ブロックの機能は、CPUがメモリ上に展開したコンピュータプログラムによりソフトウェア的に実行されても良い。
【0012】
本実施形態では、本発明の記録装置を撮像装置に適用した場合について説明するが、携帯電話、スマートフォン、タブレット型情報端末、ノート型情報端末、コンピュータ等であってもよい。
【0013】
まず、
図1を用いて、本実施形態の撮像装置100の構成を説明する。本実施形態の撮像装置は、ベイヤー構造の画像データをSDI規格に従って送信する際に、有効領域の周辺の画素(以下、周辺画素と呼ぶ)を含む画像データを伝送する構成を備える。従って、本装置は撮像装置であるとともに画像データの伝送装置でもある。伝送するフレームレートは30フレームとし伝送する画素数は水平方向の画素数が5968画素、垂直方向の画素数は3156とし、ビット深度は10ビットとし3G−SDIを2本使用して伝送する場合を例に説明する。
【0014】
図1において、撮像部101は、撮像レンズ、シャッター、撮像素子、A/D変換器などから構成される。撮像素子はCCDセンサやCMOSなどによって
図2に示すようなベイヤー構造のカラーフィルタを配した画素配列を有し、光学像を電気信号に変換し、画像データをR、Gr、Gb、Bの4つの画素プレーンとして出力する。
【0015】
信号処理部102は画像データに対して補正処理を行い、メモリ109にR、Gr、Gb、Bの画素プレーンを記憶する。
【0016】
信号切り出し部103は3G−SDI用の伝送フォーマットで伝送できる画像サイズに画像データを複数の分割画像に分割し、分割画像毎にメモリ109からR、Gr、Gb、Bの画素プレーンを読み出す。
【0017】
マルチプレクサ104は信号切り出し部103で読み出した画像データから3G−SDIの伝送路で伝送するための3G−SDI用伝送フォーマットに画素データを配置して、伝送データ(データストリーム)を生成する。そしてマルチプレクサ104で生成された伝送データを、外部I/F105により外部装置に送る。
【0018】
外部I/F105は3G−SDIの規格に従って画像データを外部に伝送する。外部I/F105は、3G−SDI規格の出力端子を2つ有しており(3G−SDI出力端子1、3G−SDI出力端子2)、2本の3G−SDI伝送路を用いて画像データを伝送することができる。1本の3G−SDI伝送路では、LinkA,LinkBでそれぞれ2つのデータストリームを多重して伝送可能であるため、合計4つのデータストリームを多重伝送することができる。
【0019】
制御部106は1つ以上のCPUを備え、フラッシュメモリ108に記憶された制御用ソフトウェアを読み出し、読み出した制御用ソフトウェアに従って撮像装置100の各部を制御する。操作部107は例えば、電源ボタン、記録開始、停止の指示ボタン、メニュー表示ボタン、モード切り替えスイッチ、決定ボタン等の各種操作を入力するスイッチ類を有する。
【0020】
操作部107は、ユーザによりこれらのキーやボタン、タッチパネルが操作されると制御部106に操作信号を送信する。また、カーソルキー、ポインティングデバイス、タッチパネル、ダイヤル等のどのようなタイプの操作子であってもよい。操作部107の各操作部材は、表示部111に表示される種々の機能アイコンとして実現されることも可能である。ユーザはこれらの機能アイコンを選択、操作することが可能である。
【0021】
フラッシュメモリ108は電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部106を動作させるために必要なプログラムや撮像装置100固有の調整データ等があらかじめ書きこまれている。
【0022】
メモリ109はDRAM等の揮発性メモリから構成され、伝送するための画像データや管理情報、或いは、制御部106の制御のために必用な各種の情報を記憶する。
【0023】
表示制御部110は撮像部101より得られたベイヤー構造の画像データにディベイヤー(Debayer)処理等の所定の処理を施して表示用の画像データを生成し、表示部111に送る。
【0024】
表示部111は、例えば、液晶表示デバイス、または有機EL表示デバイスなどを有し、表示制御部110の制御により画像やメニュー画面、及びその他必用な情報を表示する。
【0025】
以上で説明した各構成は、各要素間の制御信号やデータ信号のための伝送路である内部バス112と接続されている。
【0026】
次に
図3と
図4を用いてメモリ109に記憶される画像プレーンの説明をする。本実施形態において、例えば、撮像部101の画素配置は
図3に示すように有効画素領域と周辺画素領域から構成される。この画素配列の全体エリアから1回に取得可能な画素データ群をRAWフレームと定義する。RAWフレームは、水平方向の画素数が5968画素(5952+8+8)、垂直方向の画素数は3156(3140+8+8)であり、ベイヤー構造で画素が配列されたRAW画像データである(以下、5.9KRAWと呼ぶ)。この5.9KRAWのR成分、Gr成分、Gb成分、B成分の各色成分ごとに集めた画素データを
図4に示す。各色成分ごとの画素データは水平が2984画素、垂直が1578画素である。各色成分の画素データについて、水平方向の1画素目、垂直方向の1画素目を、座標(0,0)とし、ここからラスター走査方向の画素を、順次、(0,1)、(0,2)…とする。水平方向には2984画素まであるので、垂直方向の1ライン目の画素の座標は、(0,0)〜(0,2983)となる。そして、垂直方向2ライン目の画素の座標は(1,0)〜(1,2983)となる。また、垂直方向に1578画素あるため、最終ラインについては、(1577,0)〜(1577,2983)となる。信号処理部102は制御部106からの制御により入力されたベイヤー構造の画像データを各色の画像データに分けてメモリ109に記憶する。ここで、各色ごとの画素データにて同一座標となるR、Gr、Gb、Bの集合を、ベイヤー単位と定義する。例えば、
図4(a)Redの座標(0,0)のR画素、(b)Green(Gr)の座標(0,0)のGr画素、(c)Green(Gb)の座標(0,0)のGb画素、(d)Blueの座標(0,0)のB画素の4つの画素の集合を、ベイヤー単位と呼ぶ。
【0027】
次に
図5を用いて信号切り出し部103によるメモリ109からの画像データ読み出しの処理を説明する。
図5は各色成分ごとに分けた画像データのうちの1つの色の画素を表しており、水平が2984画素、垂直が1578画素となっている。この画像データを、水平方向に1画素毎、すなわち1ベイヤー単位毎に分割する。分割された画僧データは、ラスター走査方向順に順次複数の分割画像に割り当ていく。本実施形態では、水平方向に分割された画像データの各領域に対して、水平方向座標値に対応させて、左端からEVENエリアとODDエリアに交互に割り当てる。例えば、水平方向の座標が0、2、4…であればEVENエリア、1、3、5…であればODDエリアに割り当てる。つまり、水平方向に奇数番目のラインとなる奇数画素はEVENエリア(EVEN画像)、水平方向に偶数番目のラインとなる偶数画素はODDエリア(ODD画像)に割り当てられる。更に、EVENエリアおよびODDエリアのそれぞれについて、左端から順に通し番号を設定する。そして、ベイヤー単位毎に分割された各領域は、左端から順に、EVENエリア1、ODDエリア1、EVENエリア2、ODDエリア2、、、と定義される。その様に画像データ全体について定義され、右端では、EVENエリア1491、ODDエリア1491、EVENエリア1492、ODDエリア1492と定義される。
【0028】
このうちEVENエリアの全て(EVENエリア1からEVENエリア1492まで)をEVEN画像として切り出す。この切り出したEVEN画像を
図6に示す。また、この切り出したEVEN画像データの色成分毎の画素データを
図7に示す。
図7において、各色成分の画素毎に記載されている座標は、
図4の各画素に対応している。つまり、
図7と
図4とで、同じ画素データを示す画素には、同じ座標を記載している。そのため、EVEN画像として切り出される画素データは、水平方向の座標が0、2、4…2980、2982の画素となり、
図4の画像データに対して水平方向の画素数は半分の1492となる。
【0029】
同様に、このうちODDエリアの全て(ODDエリア1からODDエリア1492まで)をODD画像として切り出す。この切り出したODD画像を
図8に示す。この切り出したODD画像データの画素データを
図9に示す。
【0030】
以上の様に、RAWフレームをEVEN画像とODD画像ODD画像の2つの分割画像に分割する。
【0031】
このように、本実施形態では、画像データを2つの分割画像(EVEN画像、ODD画像)に分割する。上記説明では、色成分の画像プレーン毎に分割を説明したが、ベイヤ配列のRAW画像から直接EVEN画像とODD画像に分割してもよい。また、上記で説明したように複数の分割画像に分割する際には、ベイヤ単位で同じ座標を有する各色成分の画素データが同じ分割画像に割り当てられるように分割している。
【0032】
次に
図10〜
図15を用いてマルチプレクサ104でのマッピング処理および、3G−SDI出力端子1、3G−SDI出力端子2から2本の3G−SDI伝送路を用いた画像データの伝送について説明する。本実施形態では、複数のRAWフレーム(複数のRAW画像データ)から構成される動画データをSDI規格に従って伝送する。詳しくは、SMPTE ST 425(3G−SDI)のレベルBに準拠し、SMPTE ST 372(Dual Link)のR’G’B’+A 10ビットの多重化構造を適用して各画素データを配分する。また、画素のサンプルフォーマットは、SMPTE ST 2048−2で規定された、2048X1080/30Pに準拠する。
【0033】
図10はEVEN画像のGbの色成分の画素データを3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングして生成されるデータストリームのデータ構成を示す。EVEN画像は、SMPTE ST 2048−2で規定された、2048X1080/30Pの有効映像期間、および水平および垂直のブランキング領域に多重される。例えば、EVEN画像の最も左上の座標(0、0)の画素は、7ラインの2120サンプルに配置される。そして、いわゆるラスター走査順に、画素データが順次配置される。例えば、7ラインの2195サンプルに画素が配置されると、その次の画素はSAV領域を超えて7ラインの0サンプルに配置される。そして、7ラインの2047サンプルまで連続して画素が配置される。その様に、一つのラインに対して、画素が配置される。7ラインの2047サンプルに画素が配置されると、その次の画素は、8ラインの2120サンプルに配置される。13ラインの2047サンプルまで画素が配置されると、その次の画素は、20ラインの2120サンプルまで配置される。そして、EVEN画像の最も右下の座標(1577、2982)の画素は、1121ラインの907サンプルに配置される。
【0034】
図11は、EVEN画像の画素データの各チャネルへの配分構成をしている。
図10のように生成されたEVEN画像のGbの画素データのデータストリームが、Link Aのデータストリーム1に割り当てられる。EVEN画像のGbの画素データと同様に、3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングされたEVEN画像のGrの画素データのデータストリームが、Link Bのデータストリーム1に割り当てられる。EVEN画像のB、Rの画素データにづいては、GbやGrと異なる方法で3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングされる。Gb、Grについては、1つの色成分の画素データを1つの伝送フォーマットにマッピングして1つのデータストリームを生成した。しかし、B、Rについては、B、Rの2つの色成分の画素データが1つの伝送フォーマットに混在するようにマッピングし、B、RのEVEN画像データから2つのデータストリームを生成する。B、Rが3G−SDI用伝送フォーマットマッピングされて生成される2つのデータストリームをそれぞれ、EVEN画像BRデータストリーム1、EVEN画像BRデータストリーム2とする。
図10のデータストリームにおいて、Gb(0、0)、Gb(0、2)、Gb(0、4)、Gb(0、6)、・・・、Gb(0、2980)、Gb(0、2982)、Gb(1、0)、Gb(1、2)、・・・、Gb(1577、2980)、Gb(1577、2982)がそれぞれ配置されていた位置に、EVEN画像BRデータストリーム1では、B(0、0)、R(0、0)、B(0、4)、R(0、4)、・・・、B(0、2980)、R(0、2980)、B(1、0)、R(1、0)、B(1577、2980)、R(1577、2980)がそれぞれ配置される。また、EVEN画像BRデータストリーム2では、B(0、2)、R(0、2)、B(0、6)、R(0、6)、・・・、B(0、2982)、R(0、2982)、B(1、2)、R(1、2)、・・・、B(1577、2982)、R(1577、2982)が順に配置される。つまり、B、Rの同じ座標の画素データは、同じデータストリームに配置される。そして一方のデータストリーム(EVEN画像BRデータストリーム1)は、B(0、0)、R(0、0)が最初に配置され、他方のデータストリーム(EVEN画像BRデータストリーム2)には、B(0、2)、R(0、2)が最初に配置される。同じ座標のBの画素データとRの画素データが同一のデータストリームの画素データ配置領域でB,Rの順で隣接するように配置される。そして、EVEN画像の内でのラスター走査方向順で、EVEN画像BRデータストリーム1、EVEN画像BRデータストリーム2に交互に配置される。このように生成されたEVEN画像BRデータストリーム1は、Link Aのデータストリーム2に割り当てられ、EVEN画像BRデータストリーム2は、Link Bのデータストリーム2に割り当てられる。
【0035】
この配分構成に従ってマルチプレクサ104はEVEN画像の各データストリームを生成していく。さらにSDIの規格に準じた映像信号の区切り位置を認識するための識別子SAV/EAVを生成する。また、ライン番号の管理用のデータLN(Line Number)および伝送エラーチェック用のデータCRCC(Cyclic Redundancy Check Code)を生成する。
【0036】
図12は、
図10、
図11で示したEVEN画像の4本のデータストリームを多重した結果を示す。例えば、Gb(0、0)は、Gbの画素プレーンの上左端の画素データに対応する。ここでは、RAWフレームを構成する2ラインに配置されたR、Gr、Gb、Bの画素データが、それぞれ1ライン分のデータストリームに多重されることを示している。このEVEN画像から生成された4本のデータストリームが、多重伝送により、外部I/F105の3G−SDI出力端子1から1本の3G−SDI伝送路により外部装置に出力される。
【0037】
図13はODD画像のGbの色成分の画素データを3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングして生成されるデータストリームのデータ構成を示す。ODD画像は、SMPTE ST 2048−2で規定された、2048X1080/30Pの有効映像期間、および水平および垂直のブランキング領域に多重される。例えば、ODD画像の最も左上の座標(0、1)の画素は、7ラインの2120サンプルに配置される。そして、いわゆるラスター走査順に、画素データが順次配置される。例えば、7ラインの2195サンプルに画素が配置されると、その次の画素はSAV領域を超えて7ラインの0サンプルに配置される。そして、7ラインの2047サンプルまで連続して画素が配置される。その様に、一つのラインに対して、画素が配置される。7ラインの2047サンプルに画素が配置されると、その次の画素は、8ラインの2120サンプルに配置される。13ラインの2047サンプルまで画素が配置されると、その次の画素は、20ラインの2120サンプルまで配置される。そして、ODD画像の最も右下の座標(1577、2983)の画素は、1121ラインの907サンプルに配置される。
【0038】
図14は、ODD画像の画素データの各チャネルへの配分構成をしている。
【0039】
図14のように生成されたODD画像のGbの画素データのデータストリームが、Link Aのデータストリーム1に割り当てられる。ODD画像のGrの画素データも、ODD画像のGbの画素データと同様に、3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングされる。そして、ODD画像のGrの画素データのデータストリームが、Link Bのデータストリーム1に割り当てられる。ODD画像のB、Rの画素データにづいても、EVEN画像と同様に、GbやGrと異なる方法で3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングされる。Gb、Grについては、1つの色成分の画素データを1つの伝送フォーマットにマッピングして1つのデータストリームを生成した。しかし、B、Rについては、B、Rの2つの色成分の画素データが1つの伝送フォーマットに混在するようにマッピングし、B、RのODD画像データから2つのデータストリームを生成する。B、Rが3G−SDI用伝送フォーマットマッピングされて生成される2つのデータストリームをそれぞれ、ODD画像BRデータストリーム1、ODD画像BRデータストリーム2とする。
図13のデータストリームにおいて、Gb(0、1)、Gb(0、3)、Gb(0、5)、Gb(0、7)、・・・、Gb(0、2981)、Gb(0、2983)、Gb(1、1)、Gb(1、3)、・・・、Gb(1577、2981)、Gb(1577、2983)がそれぞれ配置されていた位置に、ODD画像BRデータストリーム1では、B(0、1)、R(0、1)、B(0、5)、R(0、5)、・・・、B(0、2981)、R(0、2981)、B(1、1)、R(1、1)、・・・、B(1577、2981)、R(1577、2981)がそれぞれ配置される。また、ODD画像BRデータストリーム2では、B(0、3)、R(0、3)、B(0、7)、R(0、7)、・・・、B(0、2983)、R(0、2983)、B(1、3)、R(1、3)、・・・、B(1577、2983)、R(1577、2983)が順に配置される。つまり、B、Rの同じ座標の画素データは、同じデータストリームに配置される。そして一方のデータストリーム(ODD画像BRデータストリーム1)は、B(0、1)、R(0、1)が最初に配置され、他方のデータストリーム(ODD画像BRデータストリーム2)には、B(0、3)、R(0、3)が最初に配置される。同じ座標のBの画素データとRの画素データが同一のデータストリームの画素データ配置領域でB,Rの順で隣接するように配置される。そして、ODD画像の内でのラスター走査方向順で、ODD画像BRデータストリーム1、ODD画像BRデータストリーム2に交互に配置される。このように生成されたODD画像BRデータストリーム1は、Link Aのデータストリーム2に割り当てられ、ODD画像BRデータストリーム2は、Link Bのデータストリーム2に割り当てられる。
【0040】
この配分構成に従ってマルチプレクサ104はODD画像の各データストリームを生成していく。さらにSDIの規格に準じた映像信号の区切り位置を認識するための識別子SAV/EAVを生成する。また、ライン番号の管理用のデータLN(Line Number)および伝送エラーチェック用のデータCRCC(Cyclic Redundancy Check Code)を生成する。
【0041】
図15は、
図13、
図14で示したODD画像の4本のデータストリームを多重した結果を示す。例えば、Gb(0、1)は、Gbの画素プレーンの上左端の画素データに対応する。ここでは、RAWフレームを構成する2ラインに配置されたR、Gr、Gb、Bの画素データが、それぞれ1ライン分のデータストリームに多重されることを示している。このODD画像から生成された4本のデータストリームが多重伝送により、外部I/F105の3G−SDI出力端子2から1本の3G−SDI伝送路により外部装置に出力される。なお、
図11、
図12のEVEN画像の4本のデータストリームと、
図14、
図15のODD画像の4本のデータストリームは、同じ画像データのデータストリームである。そのため、それぞれ3G−SDI出力端子1、3G−SDI出力端子2から、同時に出力開始され、EVEN画像のデータストリームと、ODD画像のデータストリームとが並行出力される。
【0042】
以上、説明したように本実施形態では、1つの画像データをEVEN画像とODD画像に分けてデータストリームを生成し、それぞれ異なる3G−SDI伝送路により外部装置に出力する。そのため、3G−SDI用伝送フォーマットで伝送可能な画像データサイズよりも大きい30フレーム/秒の5.9K RAW画像データの画素データを3G−SDIに準拠した形で伝送することができる。
【0043】
この様に、EVEN画像とODD画像に分割することで、画像データの伝送先の外部装置での画像処理が容易になる利点がある。もし、RAWフレームを単に上下分割した場合、下側画像の上端ラインに対して2タップ処理による現像処理を行う為に、上側画像の下端ラインがSDI伝送されるまで、約1フレーム期間の待ち時間が発生してしまう。そして、その待ち時間の間に取得した画像データを記憶するメモリが必要になってしまう。本実施形態によれば、その様な待ち時間の発生および使用メモリの増加を回避することが可能となる。
【0044】
特に、水平方向(ラスター走査方向)で、EVEN画像とODD画像に分割することにより、画像処理が容易になる利点がある。ベイヤー画像から2タップ処理にて現像処理を行う場合、補間計算元となる隣接する2つのベイヤー単位を、最長1サンプル期間の待ち時間処理を行うことで取得することが出来る。もし、垂直方向でEVEN画像とODD画像に分割した場合、補間計算元となる隣接する2つのベイヤー単位を取得する為に、最長1ライン期間の待ち時間処理が必要となり、使用メモリが増大してしまう。本実施形態によれば、その様な使用メモリの増大を回避することが可能となる。
【0045】
更には、ベイヤー単位でのSDI伝送を行うことにより、2タップ処理を行わない簡易現像処理であれば、該当ベイヤー単位のR、Gr、Gb、B画素を同時に取得し、待ち時間無く、簡易現像処理が可能となる。その簡易現像処理では、1/2解像度縮小も同時に行うことが出来る。本実施形態によれば、簡易現像処理と1/2解像度縮小処理を、待ち時間および使用メモリ増大を発生させることなく、簡便に実施することができる効果を奏する。
【0046】
また、SMPTE ST 2048−2で規定された、2048X1080/30Pの有効映像期間のみならず、水平および垂直のブランキング領域も利用して多重することで、より少ないSDIケーブル本数にて、より多くの画素を伝送することが可能となる。
【0047】
更に、本実施形態ではフレームレートが30Pの場合について記載したが、フレームレート増えた場合であってもSDIケーブル本数を増やすことによって対応可能である。
【0048】
また、本実施形態では、30フレーム/秒の5.9K RAW画像データを、EVEN画像とODD画像の2つの分割画像に分割し、EVEN画像とODD画像のデータストリームをそれぞれ2本3G−SDI伝送路で出力するものとした。しかし、4本3G−SDI伝送路を有している場合、RAW画像データを4つの分割画像に分割し、分割画像のデータストリームをそれぞれ4本の3G−SDI伝送路で並行出力してもよい。さらに大きなサイズのRAW画像データの画素データを3G−SDIに準拠した形で伝送することができる。この場合、例えば、RAW画像データの色成分毎に、ラスター走査方向に1画素単位で分割して複数の分割領域を生成し、この複数の分割領域をラスター走査方向順に分割画像1〜4に順次割り当てていくことにより、RAW画像データを4つの分割画像に分割する。つまり、水平方向の座標が、0、4、8、…となる画素データを分割画像1、水平方向の座標が、1、5、9、…となる画素データを分割画像2、水平方向の座標が、2、6、10、…となる画素データを分割画像3、水平方向の座標が、3、7、11、…となる画素データを分割画像4とする。そして、各分割画像毎にデータストリームを生成し、4つの分割画像に対応するデータストリームを、それぞれ異なる3G−SDI伝送路で出力する。
【0049】
また、本実施形態では、ラスター走査方向に1画素単位で、分割画像1(EVEN画像)と分割画像2(ODD画像)とに振り分けていることにより、2つの分割画像に分割した。しかし、複数の画素数単位(例えば2画素単位)でラスター走査方向に分割し、分割した画素単位で、ラスター走査方向順に、複数の伝送路に順次(交互)に割り当てることにより、画像データを分割してもよい。分割する画素単位については、伝送先の外部装置で行われる現像処理を考慮すると、大きい画素単位にすると、待ち時間および使用メモリ増大してしまうため、小さくしたほうがよい。
【0050】
また、上記の実施形態では、伝送するRAW画像データ(動画データ)のサイズが、3G−SDIで伝送可能なサイズよりも大きい場合について説明したが、3G−SDIで伝送可能なサイズ以下の場合は、通常の3G−SDI伝送を行ってもより。通常の3G−SDIでは、画像データをEVEN画像とODD画像とに分割せずに、画像データを3G−SDI用伝送フォーマットにマッピングして、Gbデータストリーム、Grデータストリーム、BRデータストリーム1、BRデータストリーム2を生成する。そして、この4つのデータストリームを1本の3G−SDI伝送路で多重出力する。
【0051】
<第2の実施形態>
第2の実施形態も
図1で示した第1の実施形態のブロック図と基本的には同様の構成であるためその説明は省略する。ただし、本実施形態では、外部I/F105は、3G−SDI規格の出力端子を3つ有しており(3G−SDI出力端子1、3G−SDI出力端子2、3G−SDI出力端子3)、2本の3G−SDI伝送路を用いて画像データを伝送できる。
【0052】
本実施形態の撮像装置は、ベイヤー構造の画像データをSDI規格に従って送信する際に、EVEN画像とODD画像に分割して伝送する構成を備える。従って、本装置は撮像装置であるとともに画像データの伝送装置でもある。伝送するフレームレートは30フレームとし伝送する画素数は水平方向の画素数が5968画素、垂直方向の画素数は3156とし、ビット深度は12ビットとし3G−SDIを3本使用して伝送する場合を例に説明するがその限りではない。本実施形態は実施形態1に対し、マルチプレクサ104の処理が異なる。
【0053】
マルチプレクサ104は1フレーム分の5.9KRAWフレームを読み出し、3G−SDI伝送路3本にマッピングする。5.9KRAWフレームは実施形態1と同様に
図6および
図8で示す形でEVEN画像とODD画像に分割されて切り出される。切り出されたEVEN画像およびODD画像の上位10ビットは実施形態1と同様に
図10および
図13で示す形で3G−SDI1本ずつにマッピングし、
図11,12,14,15のようにデータストリームが生成される。そして、実施形態1と同様に、EVEN画像およびODD画像のデータストリームが3G−SDI出力端子1、3G−SDI出力端子2からそれぞれ出力される。
【0054】
次に、下位2ビットのデータの伝送方法について説明する。本実施形態では、下位2ビットのデータを3G−SDI出力端子3から、上位10ビットのデータと並行して出力する。
【0055】
図16は各画素データについて、同じ座標の4つの色成分の画素データの下位2ビットをまとめて10ビットのデータにした構成を示している。
【0056】
0ビット目、1ビット目にGb画素の下位2ビット、2ビット目、3ビット目にB画素の下位2ビット、4ビット目、5ビット目にGr画素の下位2ビット、6ビット目、7ビット目にR画素の下位2ビットを割り当てている。8ビット目は誤り検出符号を示すイーブンパリティビットであり、9ビット目は8ビット目の補数である。各色成分の画素データの下位2ビットをまとめた10ビットのデータを、下位2ビット画素データとし、それぞれの座標に対応する下位2ビット画素データを、L(垂直方向座標、水平方向座標)と記す。
【0057】
図17EVEN画像の下位2ビット画素データに対応するデータストリームのデータ構成を示す。EVEN画像の下位2ビット画素データは、SMPTE ST 2048−2で規定された、2048X1080/30Pの有効映像期間、および水平および垂直のブランキング領域に多重される。例えば、EVEN画像の最も左上の座標(0、0)の下位2ビット画素データは、7ラインの2120サンプルに配置される。そして、いわゆるラスター走査にて、下位2ビット画素データが順次配置される。例えば、7ラインの2195サンプルに下位2ビット画素データが配置されると、その次の画素はSAV領域を超えて7ラインの0サンプルに配置される。そして、7ラインの2047サンプルまで連続して下位2ビット画素データが配置される。そして、7ラインの2047サンプルに下位2ビット画素データが配置されると、その次は、8ラインの2120サンプルに下位2ビット画素データが配置される。13ラインの2047サンプルまで下位2ビット画素データが配置されると、その次は、20ラインの2120サンプルまで下位2ビット画素データが配置される。そして、EVEN画像の最も右下のL(1577、2982)の下位2ビット画素データは、1121ラインの907サンプルに配置される。
【0058】
図18はODD画像の下位2ビット画素データに対応するデータストリームのデータ構成を示す。ODD画像の下位2ビット画素データは、SMPTE ST 2048−2で規定された、2048X1080/30Pの有効映像期間、および水平および垂直のブランキング領域に多重される。例えば、ODD画像の最も左上の画素に対応するL(0、1)の下位2ビット画素データは、7ラインの2120サンプルに配置される。そして、いわゆるラスター走査にて、下位2ビット画素データが順次配置される。例えば、7ラインの2195サンプルに下位2ビット画素データが配置されると、その次はSAV領域を超えて7ラインの0サンプルに下位2ビット画素データが配置される。そして、7ラインの2047サンプルまで連続して下位2ビット画素データが配置される。7ラインの2047サンプルに下位2ビット画素データが配置されると、その次は、8ラインの2120サンプルに下位2ビット画素データが配置される。13ラインの2047サンプルまで下位2ビット画素データが配置されると、その次は、20ラインの2120サンプルまで下位2ビット画素データが配置される。そして、ODD画像の最も右下のL(1577、2983)の下位2ビット画素データは、1121ラインの907サンプルに配置される。
【0059】
図19は
図17で示したEVEN画像の下位2ビット画素データのデータストリームおよび
図18で示したODDベイヤー画素の下位2ビット画素データのデータストリームを、4本のデータストリームに多重した結果を示す。EVEN画像の下位2ビット画素データのデータストリームは、LinkAのデータストリーム1に割り当てられ、ODD画像の下位2ビット画素データのデータストリームは、LinkAのデータストリーム1に割り当てられる。EVEN画像の左上端のL(0、0)は、LinkAのデータストリーム1の2120サンプルに配置される。同様に、ODD画像の左上端のL(0、1)は、LinkAのデータストリーム2の2120サンプルに配置される。LinkBのデータストリーム1およびデータストリーム2は使用されない為、固定値である040が配置される。
【0060】
このように生成されたEVEN画像およびODD画像の下位2ビット画素データの2つのデータストリームが、3G−SDI出力端子3から出力される。下位2ビット画素データのデータストリームは、EVEN画像およびODD画像の出力同時に出力が開始され、3本の3G−SDI伝送路により並行して出力される。
【0061】
このように、上位10ビットの画素データについては、EVEN画像、ODD画像とでそれぞれ異なる3G−SDI伝送路により出力される。そして、下位2ビットの画素データについては、EVEN画像、ODD画像でそれぞれデータストリームを生成するが、EVEN画像のデータストリームと、ODD画像データストリームとが、1本の3G−SDI伝送路により出力される。
【0062】
以上、説明したように本実施形態によれば30フレーム/秒の5.9K RAWの画素データが12ビットであっても、3G−SDIに準拠した形で伝送することができる。
【0063】
本実施形態では、RAWの画素データが12ビットの場合について説明したが、14ビットの場合に、上位10ビットと下位4ビットに分けてもよい。その場合、EVEN画像とODD画像それぞれについて、GbGrの下位4ビットの下位4ビットG画素データと、BRの下位4ビットの下位4ビットBR画素データに分け、それぞれ3G−SDI伝送用フォーマットにマッピングしたデータストリームを生成する。そして、EVEN画像の下位4ビットG画素データをLinkAのデータストリーム1、EVEN画像の下位4ビットBR画素データをLinkAのデータストリーム2、ODD画像の下位4ビットG画素データをLinkBのデータストリーム1、ODD画像の下位4ビットBR画素データをLinkBのデータストリーム2にそれぞれ割り当てて、3G−SDI出力端子3から出力する。
【0064】
つまり、10ビット以上のNビットのRAW画像データであっても、EVEN画像とODD画像とに分割した後に、更に、上位10ビットと下位(N−10)ビットのデータに分割する。そして、分割した画像のデータストリームを複数の3G−SDI伝送路で伝送することで、ビット深度が10よりも大きいRAW画像データであっても、3G−SDIに準拠した形で伝送することができる。
【0065】
<その他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0067】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0068】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0069】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0070】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。