(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6953338
(24)【登録日】2021年10月1日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20211018BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20211018BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H04M9/00 Z
H05K7/00 L
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-54959(P2018-54959)
(22)【出願日】2018年3月22日
(65)【公開番号】特開2019-169799(P2019-169799A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】山田 陽二朗
【審査官】
永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−239323(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/190360(WO,A1)
【文献】
特開2012−252784(JP,A)
【文献】
特開2006−114317(JP,A)
【文献】
米国特許第06738514(US,B1)
【文献】
中国実用新案第202276380(CN,U)
【文献】
特開平10−301095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/02−1/23
9/00−9/10
H05K7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースに、液晶表示装置、前記液晶表示装置が接続される基板、前記液晶表示装置と前記基板とを接続するためのフレキシブルケーブル、及び前記基板上に搭載され、前記フレキシブルケーブルが接続される接続部を有するハウジングが内蔵されており、前記本体ケースの前面に前記液晶表示装置の表示画面が露出しているインターホン機器であって、
前記液晶表示装置が、後面を覆われた状態で保持部材に保持され、前記保持部材の後面に前記基板が固定されているとともに、前記ハウジングが、前記接続部を前記基板の外側へ向けた状態で前記基板の後面周縁部に搭載されている一方、
前記保持部材の後面における前記基板よりも外側で、且つ、前記ハウジングに隣接する位置に、後方へ突出する段部が設けられているとともに、当該段部の後面と前記ハウジングにおける前記接続部とが前後方向で同じ高さ位置とされていることを特徴とするインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばインターホン親機等のインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なインターホン機器には、他の機器との通信動作(通話動作や映像の送受信に係る動作)を制御する制御基板が内蔵されている(たとえば特許文献1)。また、そのような制御基板と液晶表示装置等の各種装置との接続には、フレキシブルケーブルが採用されることも多い。その際、フレキシブルケーブルの制御基板側の端部を接続すべく、制御基板に、フレキシブルケーブルを接続可能なコネクタを内蔵したハウジングを搭載することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−7061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレキシブルケーブルとハウジング内のコネクタとの接続作業は、ハウジングにおけるフレキシブルケーブルの接続位置が、制御基板の表面から前後方向(制御基板の表面に直交する方向)に突出した位置であることが多い、フレキシブルケーブルが非常に撓みやすい等の理由により、煩わしいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記要望に鑑みなされたものであって、フレキシブルケーブルを容易に接続することができるインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、本体ケースに、液晶表示装置、液晶表示装置が接続される基板、液晶表示装置と基板とを接続するためのフレキシブルケーブル、及び基板上に搭載され、フレキシブルケーブルが接続される接続部を有するハウジングが内蔵されており、本体ケースの前面に液晶表示装置の表示画面が露出しているインターホン機器であって、液晶表示装置が、後面を覆われた状態で保持部材に保持され、保持部材の後面に基板が固定されているとともに、ハウジングが、接続部を基板の外側へ向けた状態で基板の後面周縁部に搭載されている一方、保持部材の後面における基板よりも外側で、且つ、ハウジングに隣接する位置に、後方へ突出する段部が設けられているとともに、当該段部の後面とハウジングにおける接続部とが前後方向で同じ高さ位置とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液晶表示装置を保持する保持部材の後面に基板が固定され、当該基板の後面周縁部に、接続部を基板の外側へ向けた状態でハウジングが搭載されているとともに、保持部材の後面における基板よりも外側で、且つ、ハウジングに隣接する位置に、後方へ突出する段部が設けられている。そして、当該段部の後面とハウジングにおける接続部とが前後方向で同じ高さ位置とされている。そのため、ハウジングにフレキシブルケーブルを接続するに際しては、まずフレキシブルケーブルの接続する側の端部を段部上に載置した後、そのまま端部をハウジング側へスライドさせれば、フレキシブルケーブルをハウジングに接続することができる。したがって、従来よりもフレキシブルケーブルを容易にハウジングに接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】インターホン親機を前面側から示した説明図である。
【
図2】制御基板が固定された保持ケースを後面側から示した斜視説明図である。
【
図3】
図2の状態からフレキシブルケーブルを省いた状態を示した斜視説明図である。
【
図4】インターホン親機におけるハウジング部分の垂直断面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン親機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、インターホン親機1を前面側から示した説明図である。
図2は、制御基板11が固定された保持ケース13を後面側から示した斜視説明図である。
図3は、
図2の状態からフレキシブルケーブル12を省いた状態を示した斜視説明図である。
図4は、インターホン親機1におけるハウジング20部分の垂直断面を示した説明図である。なお、
図4では後ケースを省略している。
【0011】
インターホン親機1は、前側に配置される前ケース2及び後側に配置される後ケース(図示せず)を組み付け、さらに前ケース2の前面を覆うように化粧パネル8を取り付けてなる本体ケースを備えてなり、本体ケース前面の略中央には、インターホン子機(図示せず)で撮像された映像等を表示するための表示画面10が露出している。また、本体ケース前面の中央下部には、インターホン子機からの呼び出しに応答するためのボタン9が設けられている。さらに、本体ケース前面の下部でボタン9の左右両側には、マイク部6やスピーカ部7等の通話部が設けられている。加えて、本体ケース内には、インターホン子機との通信動作等といったインターホン親機1の主たる動作を制御する制御基板11、及び表示画面10を有する液晶表示装置5が内蔵されており、両者はフレキシブルケーブル12を介して電気的に接続されている。
【0012】
ここで、本発明の要部となる制御基板11へのフレキシブルケーブル12の接続に係る構造について説明する。
本体ケース内において、液晶表示装置5は、その後面を覆うように組み付けられる保持ケース13に保持されている。そして、制御基板11は、保持ケース13の後面に固定されている。また、制御基板11の下縁(後面の周縁部)には、フレキシブルケーブル12を接続可能なコネクタを内蔵したハウジング20が搭載されている。ハウジング20は、直方体のボックス状に成形されており、下面にフレキシブルケーブル12を差込可能な差込部21が設けられている(すなわち、ハウジング20は、差込部21を制御基板11の外側へ向けた状態で搭載されていると言える)。
【0013】
さらに、ハウジング20の下方に隣接した位置に、フレキシブルケーブル12の接続作業時等に利用する載置台14が設けられている。載置台14は、保持ケース13の後面を一段後方へ突出させて成形されており、その表面(後面)は略平坦面とされている。また、載置台14の後方への突出高さは、載置台14の表面とハウジング20における差込部21との前後方向での高さが略同じとなる(すなわち、載置台14の表面とハウジング20における差込部21とが略同じ鉛直面上に位置する)ようになっている。そして、上記載置台14を利用してフレキシブルケーブル12をハウジング20に接続する作業について説明すると、まずフレキシブルケーブル12の端部を載置台14に載置した後、そのまま端部を上方へスライドさせて差込部21へ差し込めばよい。
【0014】
以上のような構成を有するインターホン親機1によれば、液晶表示装置5を保持する保持ケース13の後面に、制御基板11を固定している。また、制御基板11の下縁に、コネクタを内蔵したハウジング20を、差込部21が下方を向く状態で搭載している。さらに、ハウジング20の下方に隣接した位置(保持ケース13の後面における制御基板11よりも外側で、且つ、ハウジング20に隣接する位置)に、保持ケース13の後面を一段後方へ突出させてなる載置台14を設けている。加えて、載置台14の表面とハウジング20における差込部21との前後方向での高さ位置を同じとしている。そのため、ハウジング20にフレキシブルケーブル12を接続するに際しては、まずフレキシブルケーブル12の接続する側の端部を載置台14上に載置した後、そのままハウジング20側へスライドさせれば、フレキシブルケーブル12をハウジング20に接続することができる。したがって、従来よりもフレキシブルケーブル12を容易にハウジング20に接続することができる。
【0015】
なお、本発明に係るインターホン機器は、インターホン機器の全体的な構成は勿論、ハウジングそのものやフレキシブルケーブルのハウジングへの接続に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0016】
たとえば、上記実施形態では、基板の下縁にハウジングを搭載しているが、上縁や左右側縁であってもよく、ハウジングの位置に応じて段部の位置も適宜設計変更可能である。
また、上記実施形態では、フレキシブルケーブルを差込部に差し込むタイプのハウジングを採用しているが、ハウジング側に起立/傾倒可能な挟持部材を設け、当該挟持部材を起立させた状態でフレキシブルケーブルの接続側の端部を所定の位置に位置させた後、挟持部材を傾倒させることにより、フレキシブルケーブルを挟み込み接続させるようなハウジングを採用することも可能である。
さらに、上記実施形態ではインターホン親機について説明しているが、本発明は、集合住宅で利用するインターホン機器等の他のインターホン機器に対しても好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0017】
1・・インターホン親機(インターホン機器)、2・・前ケース(本体ケース)、5・・液晶表示装置、8・・化粧パネル(本体ケース)、11・・制御基板(基板)、12・・フレキシブルケーブル、13・・保持ケース(保持部材)、14・・載置台(段部)、20・・ハウジング、21・・差込部(接続部)。