特許第6953364号(P6953364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6953364
(24)【登録日】2021年10月1日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20211018BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20211018BHJP
   F16J 15/12 20060101ALI20211018BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   F16K27/00 Z
   F16K31/06 305N
   F16J15/12 F
   F16J15/10 U
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-107801(P2018-107801)
(22)【出願日】2018年6月5日
(65)【公開番号】特開2019-211010(P2019-211010A)
(43)【公開日】2019年12月12日
【審査請求日】2020年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】荻野 育朗
(72)【発明者】
【氏名】夏目 清辰
【審査官】 大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−229217(JP,A)
【文献】 実開昭59−108872(JP,U)
【文献】 実開平3−44280(JP,U)
【文献】 特開2017−9058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00−27/12,31/06
F16J 15/10−15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流路が形成されたマニホールドベースと、
前記マニホールドベースの載置面に載置される弁ボディを有するパイロット形電磁弁と、を備え、
前記複数の流路は、前記載置面に開口し、
前記弁ボディには、各流路にそれぞれ連通する複数のポートと、前記各ポートが連通するとともに弁体が収容される弁孔と、が形成され、
前記弁体がパイロット流体により前記弁孔内を往復動することによって前記各ポート間の連通が切り換えられ、
前記弁ボディには、前記パイロット流体を排出する電磁弁側パイロット流体排出流路が形成され、
前記マニホールドベースには、前記載置面に開口するとともに前記電磁弁側パイロット流体排出流路に連通するベース側パイロット流体排出流路が形成され、
前記載置面と前記弁ボディとの間に配置されるとともに前記載置面と前記弁ボディとの間をシールするガスケットと、
前記ベース側パイロット流体排出流路から前記電磁弁側パイロット流体排出流路への流体の流れを阻止するチェック弁と、を備えている電磁弁マニホールドであって、
前記チェック弁は、前記ガスケットに一体化されており、
前記チェック弁は、中空の柱体である筒状部を有し、
前記筒状部は、前記ベース側パイロット流体排出流路における前記載置面に開口する開口部に嵌入されていることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記マニホールドベースには、前記ベース側パイロット流体排出流路が二つ形成され、
前記ガスケットには、前記チェック弁が二つ一体化されていることを特徴とする請求項に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記ガスケットは、金属板と、前記金属板に接合されたゴム製のシール部材と、を有し、
前記金属板は、前記チェック弁の前記筒状部が挿通される挿通孔が形成された取付部を有し、
前記チェック弁は、前記筒状部が前記挿通孔に挿通された状態で前記取付部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項4】
複数の流路が形成されたマニホールドベースと、
前記マニホールドベースの載置面に載置される弁ボディを有するパイロット形電磁弁と、を備え、
前記複数の流路は、前記載置面に開口し、
前記弁ボディには、各流路にそれぞれ連通する複数のポートと、前記各ポートが連通するとともに弁体が収容される弁孔と、が形成され、
前記弁体がパイロット流体により前記弁孔内を往復動することによって前記各ポート間の連通が切り換えられ、
前記弁ボディには、前記パイロット流体を排出する電磁弁側パイロット流体排出流路が形成され、
前記マニホールドベースには、前記載置面に開口するとともに前記電磁弁側パイロット流体排出流路に連通するベース側パイロット流体排出流路が形成され、
前記載置面と前記弁ボディとの間に配置されるとともに前記載置面と前記弁ボディとの間をシールするガスケットと、
前記ベース側パイロット流体排出流路から前記電磁弁側パイロット流体排出流路への流体の流れを阻止するチェック弁と、を備えている電磁弁マニホールドであって、
前記ガスケットは、金属板と、前記金属板に接合されたゴム製のシール部材と、を有し、
前記金属板は、前記チェック弁の一部分が挿通される挿通孔が形成された取付部を有し、
前記チェック弁は、一部分が前記挿通孔に挿通された状態で前記取付部に取り付けられていることで、前記ガスケットに一体化されていることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項5】
前記挿通孔の内周面と前記チェック弁との間には、弾性部が設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁マニホールドは、マニホールドベースと、マニホールドベースの載置面に載置される弁ボディを有するパイロット形電磁弁と、を備えている。マニホールドベースには、載置面に開口する複数の流路が形成されている。パイロット形電磁弁の弁ボディには、各流路にそれぞれ連通する複数のポートと、各ポートが連通するとともに弁体が収容される弁孔と、が形成されている。そして、弁体がパイロット流体により弁孔内を往復動することによって各ポート間の連通が切り換えられる。
【0003】
電磁弁マニホールドは、例えば特許文献1に開示されているように、マニホールドベースの載置面と弁ボディとの間をシールするガスケットを備えている。ガスケットは、マニホールドベースの載置面と弁ボディとによって挟み込まれた状態でマニホールドベースの載置面と弁ボディとの間に配置されている。そして、ガスケットは、各流路と各ポートとの間をそれぞれ流れる流体が、マニホールドベースの載置面と弁ボディとの間を介して外部へ洩れ出すことを抑制する。
【0004】
また、弁ボディには、パイロット流体を排出する電磁弁側パイロット流体排出流路が形成されている。マニホールドベースには、載置面に開口するとともに電磁弁側パイロット流体排出流路に連通するベース側パイロット流体排出流路が形成されている。また、電磁弁マニホールドにおいては、例えば特許文献2に開示されているように、ベース側パイロット流体排出流路から電磁弁側パイロット流体排出流路への流体の流れを阻止するチェック弁を備えているものがある。チェック弁は、マニホールドベースの載置面と弁ボディとによって挟み込まれた状態でマニホールドベースの載置面と弁ボディとの間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3766749号公報
【特許文献2】特許第3153119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、チェック弁は、例えば、ガスケットに比べると小さい部品である。よって、上記構成のように、マニホールドベースの載置面と弁ボディとの間に、ガスケット及びチェック弁が配置されている電磁弁マニホールドにおいては、例えば、メンテナンス時など、マニホールドベースに対するパイロット形電磁弁の組み付けや取り外しの作業を行う際に、チェック弁が脱落して、チェック弁を紛失する虞がある。したがって、マニホールドベースに対するパイロット形電磁弁の組み付けや取り外しの作業性が悪いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、マニホールドベースに対するパイロット形電磁弁の組み付けや取り外しの作業性を向上させることができる電磁弁マニホールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する電磁弁マニホールドは、複数の流路が形成されたマニホールドベースと、前記マニホールドベースの載置面に載置される弁ボディを有するパイロット形電磁弁と、を備え、前記複数の流路は、前記載置面に開口し、前記弁ボディには、各流路にそれぞれ連通する複数のポートと、前記各ポートが連通するとともに弁体が収容される弁孔と、が形成され、前記弁体がパイロット流体により前記弁孔内を往復動することによって前記各ポート間の連通が切り換えられ、前記弁ボディには、前記パイロット流体を排出する電磁弁側パイロット流体排出流路が形成され、前記マニホールドベースには、前記載置面に開口するとともに前記電磁弁側パイロット流体排出流路に連通するベース側パイロット流体排出流路が形成され、前記載置面と前記弁ボディとの間に配置されるとともに前記載置面と前記弁ボディとの間をシールするガスケットと、前記ベース側パイロット流体排出流路から前記電磁弁側パイロット流体排出流路への流体の流れを阻止するチェック弁と、を備えている電磁弁マニホールドであって、前記チェック弁は、前記ガスケットに一体化されている。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記チェック弁は、前記ベース側パイロット流体排出流路における前記載置面に開口する開口部に嵌入される嵌入部を有しているとよい。
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記マニホールドベースには、前記ベース側パイロット流体排出流路が二つ形成され、前記ガスケットには、前記チェック弁が二つ一体化されているとよい。
【0010】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記ガスケットは、金属板と、前記金属板に接合されたゴム製のシール部材と、を有し、前記金属板は、前記チェック弁の一部分が挿通される挿通孔が形成された取付部を有し、前記チェック弁は、一部分が前記挿通孔に挿通された状態で前記取付部に取り付けられているとよい。
【0011】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記挿通孔の内周面と前記チェック弁との間には、弾性部が設けられているとよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、マニホールドベースに対するパイロット形電磁弁の組み付けや取り外しの作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における電磁弁マニホールドの縦断面図。
図2】電磁弁マニホールドの分解斜視図。
図3】第1チェック弁及び第2チェック弁の周辺を拡大した部分断面図。
図4】パイロット形電磁弁をマニホールドベース側から見た平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電磁弁マニホールドを具体化した一実施形態を図1図4にしたがって説明する。
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、四角ブロック状のマニホールドベース11と、パイロット形電磁弁12と、を備えている。パイロット形電磁弁12は、マニホールドベース11の載置面11aに載置される細長四角ブロック状の弁ボディ13を有している。
【0015】
弁ボディ13は、細長四角ブロック状のボディ本体14と、ボディ本体14の長手方向の一端に連結される第1連結ブロック15と、ボディ本体14の長手方向の他端に連結される第2連結ブロック16と、を有している。ボディ本体14、第1連結ブロック15、及び第2連結ブロック16は、例えば、合成樹脂材料製である。ボディ本体14は、載置面11aと対向する本体対向面14aを有している。第1連結ブロック15は、載置面11aと対向する第1対向面15aを有している。第2連結ブロック16は、載置面11aと対向する第2対向面16aを有している。
【0016】
ボディ本体14には、弁体17が収容される円孔状の弁孔18が形成されている。弁孔18は、ボディ本体14の長手方向に延びている。弁孔18の一端は、ボディ本体14の長手方向の一端面に開口するとともに、弁孔18の他端は、ボディ本体14の長手方向の他端面に開口している。よって、弁孔18は、ボディ本体14の長手方向に貫通している。弁体17は、弁孔18内を往復動可能に弁孔18に収容されるスプール弁体である。
【0017】
ボディ本体14には、供給ポート20、第1出力ポート21、第2出力ポート22、第1排出ポート23、及び第2排出ポート24が形成されている。よって、供給ポート20、第1出力ポート21、第2出力ポート22、第1排出ポート23、及び第2排出ポート24は、弁ボディ13に形成されたポートである。したがって、弁ボディ13には、複数のポートが形成されている。本実施形態のパイロット形電磁弁12は、5ポート電磁弁である。
【0018】
供給ポート20、第1出力ポート21、第2出力ポート22、第1排出ポート23、及び第2排出ポート24は、ボディ本体14の長手方向の一端から他端に向かうにつれて、第1排出ポート23、第1出力ポート21、供給ポート20、第2出力ポート22、第2排出ポート24の順に並んでボディ本体14に形成されている。供給ポート20、第1出力ポート21、第2出力ポート22、第1排出ポート23、及び第2排出ポート24それぞれの一端は弁孔18に連通している。供給ポート20、第1出力ポート21、第2出力ポート22、第1排出ポート23、及び第2排出ポート24それぞれの他端は、ボディ本体14の本体対向面14aに開口している。
【0019】
弁孔18の内周面において、供給ポート20と第1出力ポート21との間には、第1弁座25が設けられている。また、弁孔18の内周面において、第1出力ポート21と第1排出ポート23との間には、第2弁座26が設けられている。さらに、供給ポート20と第2出力ポート22との間には、第3弁座27が設けられている。また、第2出力ポート22と第2排出ポート24との間には、第4弁座28が設けられている。第1弁座25、第2弁座26、第3弁座27、及び第4弁座28は、弁孔18の内周面の一部を形成する環状である。
【0020】
また、弁孔18は、第1排出ポート23に連通するとともに第2弁座26とは反対側に位置する弁孔18の一端部を形成する第1孔部18aを有している。さらに、弁孔18は、第2排出ポート24に連通するとともに第4弁座28とは反対側に位置する弁孔18の他端部を形成する第2孔部18bを有している。第1弁座25、第2弁座26、第3弁座27、第4弁座28、第1孔部18a、及び第2孔部18bの内径は同じである。
【0021】
弁体17には、弁体17の軸線方向において互いに離間する第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176を有している。第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176は、弁体17の軸線方向の一端から他端に向かうにつれて、第5弁部175、第2弁部172、第1弁部171、第3弁部173、第4弁部174、及び第6弁部176の順に配列されている。第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176の外径は同じである。
【0022】
弁体17は、第1弁部171と第3弁部173とを連結する第1軸部17aと、第1弁部171と第2弁部172とを連結する第2軸部17bと、第3弁部173と第4弁部174とを連結する第3軸部17cと、を有している。また、弁体17は、第2弁部172と第5弁部175とを連結する第4軸部17dと、第4弁部174と第6弁部176とを連結する第5軸部17eと、を有している。
【0023】
弁体17は、第5弁部175における第4軸部17dとは反対側の端面から突出する柱状の第1突出部17fを有している。第1突出部17fは、弁体17の軸線方向の一端部である。また、弁体17は、第6弁部176における第5軸部17eとは反対側の端面から突出する柱状の第2突出部17gを有している。第2突出部17gは、弁体17の軸線方向の他端部である。
【0024】
第1軸部17a、第2軸部17b、第3軸部17c、第4軸部17d、第5軸部17e、第1突出部17f、及び第2突出部17gの外径は同じである。第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176の外径は、第1軸部17a、第2軸部17b、第3軸部17c、第4軸部17d、第5軸部17e、第1突出部17f、及び第2突出部17gの外径よりも大きい。
【0025】
第1弁部171の外周面には、第1弁部171が第1弁座25に着座して供給ポート20と第1出力ポート21との間をシールする第1スプールパッキン291が装着されている。第2弁部172の外周面には、第2弁部172が第2弁座26に着座して第1出力ポート21と第1排出ポート23との間をシールする第2スプールパッキン292が装着されている。第3弁部173の外周面には、第3弁部173が第3弁座27に着座して供給ポート20と第2出力ポート22との間をシールする第3スプールパッキン293が装着されている。第4弁部174の外周面には、第4弁部174が第4弁座28に着座して第2出力ポート22と第2排出ポート24との間をシールする第4スプールパッキン294が装着されている。第1スプールパッキン291、第2スプールパッキン292、第3スプールパッキン293、及び第4スプールパッキン294は、ゴム製の環状である。
【0026】
第1連結ブロック15には、第1孔部18aに連通する円孔状の第1ピストン収容凹部31が形成されている。弁体17の第1突出部17fは、第1孔部18aから第1ピストン収容凹部31内に出没可能である。第1ピストン収容凹部31内には、円板状の第1ピストン32が往復動可能に収容されている。第1ピストン32は、弁体17の第1突出部17fの先端部に取り付けられている。第1ピストン32の外周面には第1リップパッキン33が装着されている。第1リップパッキン33は、第1ピストン32と第1ピストン収容凹部31の内周面との間をシールする。そして、第1ピストン32により第1ピストン収容凹部31内に第1パイロット圧作用室34が区画されている。第1パイロット圧作用室34にはパイロット流体が給排される。
【0027】
第2連結ブロック16には、第2孔部18bに連通する円孔状の第2ピストン収容凹部35が形成されている。第2ピストン収容凹部35の内径は、第1ピストン収容凹部31の内径よりも小さい。弁体17の第2突出部17gは、第2孔部18bから第2ピストン収容凹部35内に出没可能である。第2ピストン収容凹部35内には、円板状の第2ピストン36が往復動可能に収容されている。第2ピストン36は、弁体17の第2突出部17gの先端部に取り付けられている。第2ピストン36の外径は、第1ピストン32の外径よりも小さい。第2ピストン36の外周面には第2リップパッキン37が装着されている。第2リップパッキン37は、第2ピストン36と第2ピストン収容凹部35の内周面との間をシールする。そして、第2ピストン36により第2ピストン収容凹部35内に第2パイロット圧作用室38が区画されている。第2パイロット圧作用室38にはパイロット流体が給排される。
【0028】
第2ピストン36の外径が、第1ピストン32の外径よりも小さいため、第2ピストン36における第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積は、第1ピストン32における第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積よりも小さい。
【0029】
第5弁部175の外周面には、第5弁部175と第1孔部18aとの間をシールする第1シール部材39aが装着されている。第1シール部材39aは、環状のゴム製である。そして、第1シール部材39aによって、第1排出ポート23から第1孔部18aを介した第1ピストン収容凹部31への流体の洩れが抑制されている。
【0030】
第6弁部176の外周面には、第6弁部176と第2孔部18bとの間をシールする第2シール部材39bが装着されている。第2シール部材39bは、環状のゴム製である。そして、第2シール部材39bによって、第2排出ポート24から第2孔部18bを介した第2ピストン収容凹部35への流体の洩れが抑制されている。
【0031】
パイロット形電磁弁12は、パイロット弁部40を有している。本実施形態のパイロット形電磁弁12は、パイロット弁部40が一つ設けられた所謂シングルパイロット型である。パイロット弁部40は、ソレノイド部41を備えている。パイロット弁部40は、第1連結ブロック15におけるボディ本体14とは反対側の端部に連結されている。
【0032】
また、弁ボディ13には、弁孔18を介して供給ポート20に連通するパイロット流体供給流路42が形成されている。パイロット流体供給流路42は、弁孔18において、弁体17の位置とは無関係に供給ポート20に連通する位置に開口している。また、パイロット流体供給流路42は、途中で分岐してパイロット弁部40と第2パイロット圧作用室38とにそれぞれ接続されている。
【0033】
また、第1連結ブロック15には、パイロット弁部40と第1パイロット圧作用室34とを接続するパイロット流体出力流路43が形成されている。さらに、第1連結ブロック15には、パイロット流体を排出する電磁弁側パイロット流体排出流路44が形成されている。電磁弁側パイロット流体排出流路44の一端はパイロット弁部40に接続されるとともに、電磁弁側パイロット流体排出流路44の他端は、第1連結ブロック15の第1対向面15aに開口している。
【0034】
マニホールドベース11には、供給流路50、第1出力流路51、第2出力流路52、第1排出流路53、及び第2排出流路54が形成されている。よって、供給流路50、第1出力流路51、第2出力流路52、第1排出流路53、及び第2排出流路54は、マニホールドベース11に形成された流路である。したがって、マニホールドベース11には、複数の流路が形成されている。
【0035】
供給流路50、第1出力流路51、第2出力流路52、第1排出流路53、及び第2排出流路54は、載置面11aに開口している。供給流路50における載置面11aに開口する端部は、供給ポート20に連通している。第1出力流路51における載置面11aに開口する端部は、第1出力ポート21に連通している。第2出力流路52における載置面11aに開口する端部は、第2出力ポート22に連通している。第1排出流路53における載置面11aに開口する端部は、第1排出ポート23に連通している。第2排出流路54における載置面11aに開口する端部は、第2排出ポート24に連通している。
【0036】
供給流路50における載置面11aとは反対側の端部は、例えば配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1出力流路51における載置面11aとは反対側の端部、及び第2出力流路52における載置面11aとは反対側の端部は、例えば配管等を介して、図示しない流体圧機器に接続されている。第1排出流路53における載置面11aとは反対側の端部、及び第2排出流路54における載置面11aとは反対側の端部は、例えば配管等を介して、大気に連通している。
【0037】
さらに、マニホールドベース11には、ベース側パイロット流体排出流路としての第1ベース側パイロット流体排出流路55及び第2ベース側パイロット流体排出流路56が形成されている。よって、本実施形態において、マニホールドベース11には、ベース側パイロット流体排出流路が二つ形成されている。
【0038】
第1ベース側パイロット流体排出流路55の一端は、載置面11aにおいて、第1連結ブロック15の第1対向面15aと対向する部分に開口するとともに電磁弁側パイロット流体排出流路44に連通している。第1ベース側パイロット流体排出流路55の他端は、第1排出流路53に連通している。第2ベース側パイロット流体排出流路56の一端は、載置面11aにおいて、第2連結ブロック16の第2対向面16aと対向する部分に開口している。第2ベース側パイロット流体排出流路56の他端は、第2排出流路54に連通している。
【0039】
流体供給源からの流体は、供給流路50、供給ポート20、及びパイロット流体供給流路42を介して、パイロット流体として第2パイロット圧作用室38に常に供給されている。
【0040】
また、パイロット弁部40は、ソレノイド部41への電力の供給が行われると、パイロット流体供給流路42とパイロット流体出力流路43とを連通させるとともに、パイロット流体出力流路43と電磁弁側パイロット流体排出流路44との連通を遮断する。すると、流体供給源からの流体が、供給流路50、供給ポート20、パイロット流体供給流路42、及びパイロット流体出力流路43を介して、パイロット流体として第1パイロット圧作用室34に供給される。
【0041】
このとき、第2ピストン36における第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積が、第1ピストン32における第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積よりも小さいことから、弁体17が、第2ピストン収容凹部35に向けて移動する。その結果、供給ポート20と第1出力ポート21とが連通するとともに第2出力ポート22と第2排出ポート24とが連通する。また、供給ポート20と第2出力ポート22との間が第3弁部173の第3スプールパッキン293によってシールされるとともに、第1出力ポート21と第1排出ポート23との間が第2弁部172の第2スプールパッキン292によってシールされる。
【0042】
そして、流体供給源からの流体が、供給流路50、供給ポート20、第1出力ポート21、及び第1出力流路51を介して流体圧機器に供給される。また、流体圧機器からの流体が、第2出力流路52、第2出力ポート22、第2排出ポート24、及び第2排出流路54を介して大気に排出される。
【0043】
パイロット弁部40は、ソレノイド部41への電力の供給が停止されると、パイロット流体出力流路43と電磁弁側パイロット流体排出流路44とを連通させるとともに、パイロット流体供給流路42とパイロット流体出力流路43との連通を遮断する。すると、流体供給源から、供給流路50、供給ポート20、パイロット流体供給流路42、及びパイロット流体出力流路43を介したパイロット流体としての流体の第1パイロット圧作用室34への供給が遮断される。そして、第1パイロット圧作用室34内の流体が、パイロット流体出力流路43、電磁弁側パイロット流体排出流路44、第1ベース側パイロット流体排出流路55、及び第1排出流路53を介して大気に排出される。これにより、弁体17が、第1ピストン収容凹部31に向けて移動する。その結果、供給ポート20と第2出力ポート22とが連通するとともに、第1出力ポート21と第1排出ポート23とが連通する。また、供給ポート20と第1出力ポート21との間が第1弁部171の第1スプールパッキン291によってシールされるとともに、第2出力ポート22と第2排出ポート24との間が第4弁部174の第4スプールパッキン294によってシールされる。
【0044】
そして、流体供給源からの流体が、供給流路50、供給ポート20、第2出力ポート22、及び第2出力流路52を介して流体圧機器に供給される。また、流体圧機器からの流体が、第1出力流路51、第1出力ポート21、第1排出ポート23、及び第1排出流路53を介して大気に排出される。
【0045】
よって、本実施形態のパイロット形電磁弁12は、供給ポート20に供給された流体の一部を第1パイロット圧作用室34及び第2パイロット圧作用室38に供給する内部パイロット式である。そして、パイロット形電磁弁12においては、弁体17がパイロット流体により弁孔18内を往復動することによって各ポート間の連通が切り換えられる。
【0046】
電磁弁マニホールド10は、載置面11aと弁ボディ13との間をシールするガスケット60を備えている。ガスケット60は、載置面11aと弁ボディ13との間に配置されている。また、電磁弁マニホールド10は、第1ベース側パイロット流体排出流路55から電磁弁側パイロット流体排出流路44への流体の流れを阻止するチェック弁である第1チェック弁71を備えている。さらに、電磁弁マニホールド10は、パイロット形電磁弁12が、パイロット弁部40が二つ設けられた所謂ダブルパイロット型である場合に用いられるチェック弁である第2チェック弁72を備えている。
【0047】
図2に示すように、ガスケット60は、金属板61と、金属板61に接合されたゴム製のシール部材62と、を有している。シール部材62は、金属板61の表裏両面にそれぞれ接合されている。
【0048】
金属板61は、細長平薄板状である。金属板61には、第1連通孔61a、第2連通孔61b、第3連通孔61c、第4連通孔61d、及び第5連通孔61eが形成されている。第1連通孔61a、第2連通孔61b、第3連通孔61c、第4連通孔61d、及び第5連通孔61eは、金属板61の長手方向に並んで配置されるとともに金属板61を厚み方向に貫通している。第1連通孔61aは、供給ポート20と供給流路50とを繋ぐ。第2連通孔61bは、第1出力ポート21と第1出力流路51とを繋ぐ。第3連通孔61cは、第2出力ポート22と第2出力流路52とを繋ぐ。第4連通孔61dは、第1排出ポート23と第1排出流路53とを繋ぐ。第5連通孔61eは、第2排出ポート24と第2排出流路54とを繋ぐ。
【0049】
各シール部材62は、第1連通孔61a、第2連通孔61b、第3連通孔61c、第4連通孔61d、及び第5連通孔61eをそれぞれ一つずつ囲むように金属板61の表裏両面にそれぞれ接合されている。
【0050】
金属板61の表裏両面のうち、ボディ本体14の本体対向面14aと対向する面には、位置決め突起63が二つ設けられている。各位置決め突起63は、金属板61の四隅のうち対角線上に位置する2箇所にそれぞれ配置されている。
【0051】
金属板61には、螺子挿通孔61hが二つ形成されている。各螺子挿通孔61hは、金属板61を厚み方向に貫通している。各螺子挿通孔61hは、各位置決め突起63に対して金属板61の長手方向で隣り合う位置にそれぞれ配置されている。
【0052】
金属板61は、取付部としての第1取付部64及び第2取付部65を有している。第1取付部64は、金属板61の長手方向の一方に位置する第1側縁611から突出する平板状である。第2取付部65は、金属板61の長手方向の他方に位置する第2側縁612から突出する平板状である。第1取付部64及び第2取付部65は、第1側縁611又は第2側縁612から金属板61の長手方向に互いに離間する方向に延びている。
【0053】
図3に示すように、第1取付部64には、挿通孔64hが形成されている。挿通孔64hは、円孔状であるとともに第1取付部64を厚み方向に貫通している。挿通孔64hの内周面には、ゴム製の弾性部64aが接合されている。弾性部64aは円環状であるとともに挿通孔64hの内周面全体を被覆している。また、第1取付部64における載置面11aと対向する面の挿通孔64hの周囲には、ゴム製のシール部64bが接合されている。シール部64bは、円環状である。シール部64bの内周縁は、弾性部64aに連続している。よって、弾性部64aは、シール部64bの内周縁から立設する円環状である。弾性部64a及びシール部64bは一体形成されている。
【0054】
第2取付部65には、挿通孔65hが形成されている。挿通孔65hは、円孔状であるとともに第2取付部65を厚み方向に貫通している。挿通孔65hの内周面には、ゴム製の弾性部65aが接合されている。弾性部65aは円環状であるとともに挿通孔65hの内周面全体を被覆している。また、第2取付部65における載置面11aと対向する面の挿通孔65hの周囲には、ゴム製のシール部65bが接合されている。シール部65bは、円環状である。シール部65bの内周縁は、弾性部65aに連続している。よって、弾性部65aは、シール部65bの内周縁から立設する円環状である。弾性部65a及びシール部65bは一体形成されている。
【0055】
第1チェック弁71は、筒状部71a、嘴部71b、及びフランジ部71cを有するゴム製のダックビル型である。筒状部71aは、円筒状である。嘴部71bは、筒状部71aの軸線方向の一端部に連続するとともに筒状部71aから離間するにつれて先細りしている。フランジ部71cは、筒状部71aの軸線方向の他端部の外周縁に連続するとともに、筒状部71aの他端部の外周縁から筒状部71aの軸線方向に対して直交する方向に延びる円環状である。嘴部71bの先端には、嘴部71bの内外を連通するスリット71dが形成されている。
【0056】
第1チェック弁71は、筒状部71aが第1取付部64の挿通孔64hに挿通された状態で第1取付部64に取り付けられている。フランジ部71cは、第1取付部64における第1対向面15aと対向する面の挿通孔64hの周囲に密着している。筒状部71aにおける嘴部71b側の部位は、挿通孔64hを通過してシール部64bの内側から突出している。
【0057】
よって、挿通孔64hには、第1チェック弁71の一部分が挿通されており、第1チェック弁71は、一部分が挿通孔64hに挿通された状態で第1取付部64に取り付けられている。そして、筒状部71aが挿通孔64hに挿通されることにより、弾性部64aが挿通孔64hの内周面と筒状部71aとの間で潰れるように弾性変形する。よって、弾性部64aは、挿通孔64hの内周面と第1チェック弁71との間に設けられている。そして、弾性部64aが弾性変形する前の元の形状に復帰しようとする復帰力によって、第1チェック弁71が挿通孔64hの内周面に対して弾性部64aを介して締結されている。これにより、第1チェック弁71は、ガスケット60に一体化されている。
【0058】
第2チェック弁72は、筒状部72a、嘴部72b、及びフランジ部72cを有するゴム製のダックビル型である。筒状部72aは、円筒状である。嘴部72bは、筒状部72aの軸線方向の一端部に連続するとともに筒状部72aから離間するにつれて先細りしている。フランジ部72cは、筒状部72aの軸線方向の他端部の外周縁に連続するとともに、筒状部72aの他端部の外周縁から筒状部72aの軸線方向に対して直交する方向に延びる円環状である。嘴部72bの先端には、嘴部72bの内外を連通するスリット72dが形成されている。
【0059】
第2チェック弁72は、筒状部72aが第2取付部65の挿通孔65hに挿通された状態で第2取付部65に取り付けられている。フランジ部72cは、第2取付部65における第2対向面16aと対向する面の挿通孔65hの周囲に密着している。筒状部72aにおける嘴部72b側の部位は、挿通孔65hを通過してシール部65bの内側から突出している。
【0060】
よって、挿通孔65hには、第2チェック弁72の一部分が挿通されており、第2チェック弁72は、一部分が挿通孔65hに挿通された状態で第2取付部65に取り付けられている。そして、筒状部72aが挿通孔65hに挿通されることにより、弾性部65aが挿通孔65hの内周面と筒状部72aとの間で潰れるように弾性変形する。よって、弾性部65aは、挿通孔65hの内周面と第2チェック弁72との間に設けられている。そして、弾性部65aが弾性変形する前の元の形状に復帰しようとする復帰力によって、第2チェック弁72が挿通孔65hの内周面に対して弾性部65aを介して締結されている。これにより、第2チェック弁72は、ガスケット60に一体化されている。したがって、本実施形態において、ガスケット60には、チェック弁が二つ一体化されている。
【0061】
図4に示すように、第1連結ブロック15の第1対向面15aは、第1チェック弁71のフランジ部71cが嵌め込まれる円孔状の嵌合凹部15cを有している。嵌合凹部15c内は、電磁弁側パイロット流体排出流路44に連通している。電磁弁側パイロット流体排出流路44は、第1対向面15aの一部を形成する嵌合凹部15cの底面に開口している。そして、第1チェック弁71のフランジ部71cが嵌合凹部15cに嵌め込まれた状態において、電磁弁側パイロット流体排出流路44と第1チェック弁71の内側とは連通している。
【0062】
第1チェック弁71のフランジ部71cは、嵌合凹部15cの底面と第1取付部64における第1対向面15aと対向する面の挿通孔64hの周囲とによって挟み込まれている。そして、フランジ部71cは、嵌合凹部15cの底面と第1取付部64における第1対向面15aと対向する面の挿通孔64hの周囲との間をシールしている。また、シール部64bは、第1取付部64における載置面11aと対向する面の挿通孔64hの周囲と載置面11aとによって挟み込まれている。そして、シール部64bは、第1取付部64における載置面11aと対向する面の挿通孔64hの周囲と載置面11aとの間をシールしている。
【0063】
また、第2連結ブロック16の第2対向面16aは、第2チェック弁72のフランジ部72cが嵌め込まれる円孔状の嵌合凹部16cを有している。第2チェック弁72のフランジ部72cは、嵌合凹部16cの底面と第2取付部65における第2対向面16aと対向する面の挿通孔65hの周囲とによって挟み込まれている。そして、フランジ部72cは、嵌合凹部16cの底面と第2取付部65における第2対向面16aと対向する面の挿通孔65hの周囲との間をシールしている。また、シール部65bは、第2取付部65における載置面11aと対向する面の挿通孔65hの周囲と載置面11aとによって挟み込まれている。そして、シール部65bは、第2取付部65における載置面11aと対向する面の挿通孔65hの周囲と載置面11aとの間をシールしている。
【0064】
ボディ本体14の本体対向面14aには、各位置決め突起63が挿入される挿入凹部14bがそれぞれ形成されている。各挿入凹部14bは、本体対向面14aの四隅のうち対角線上に位置する2箇所にそれぞれ配置されている。また、ボディ本体14には、螺子挿通孔14hが二つ形成されている。各螺子挿通孔14hは、各挿入凹部14bに対してボディ本体14の長手方向で隣り合う位置にそれぞれ配置されている。
【0065】
図2に示すように、載置面11aには、雌ねじ孔11hが二つ形成されている。そして、各螺子19が、ボディ本体14の各螺子挿通孔14h、及びガスケット60の各螺子挿通孔61hを通過して、各雌ねじ孔11hにねじ込まれることにより、ガスケット60が載置面11aと弁ボディ13との間に挟まれた状態で、マニホールドベース11に対してパイロット形電磁弁12が組み付けられている。
【0066】
このとき、第1チェック弁71の筒状部71aが第1ベース側パイロット流体排出流路55における載置面11aに開口する開口部55aに嵌入されるとともに、第2チェック弁72の筒状部72aが第2ベース側パイロット流体排出流路56における載置面11aに開口する開口部56aに嵌入される。両開口部55a,56aは円孔状である。各筒状部71a,72aの外径は、各開口部55a,56aの内径よりも僅かに小さい。そして、各筒状部71a,72aは、各開口部55a,56aに対して確実に嵌入される。
【0067】
よって、第1チェック弁71の筒状部71aは、第1ベース側パイロット流体排出流路55の開口部55aに嵌入される嵌入部として機能している。したがって、第1チェック弁71は、第1ベース側パイロット流体排出流路55における載置面11aに開口する開口部55aに挿入される嵌入部を有している。また、第2チェック弁72の筒状部72aは、第2ベース側パイロット流体排出流路56の開口部56aに嵌入される嵌入部として機能している。したがって、第2チェック弁72は、第2ベース側パイロット流体排出流路56における載置面11aに開口する開口部56aに嵌入される嵌入部を有している。
【0068】
次に、本実施形態の作用について説明する。
第1チェック弁71では、第1チェック弁71内の圧力が所定の圧力に達すると、スリット71dが開口する。すると、第1チェック弁71は、電磁弁側パイロット流体排出流路44から第1ベース側パイロット流体排出流路55に向けて流れる流体の流れを許容する。よって、電磁弁側パイロット流体排出流路44から第1チェック弁71内に流入した流体が、第1チェック弁71を介して第1ベース側パイロット流体排出流路55に流出する。また、第1チェック弁71では、第1チェック弁71内の圧力が所定の圧力よりも小さい場合、スリット71dが閉塞している。これにより、第1チェック弁71は、第1ベース側パイロット流体排出流路55から電磁弁側パイロット流体排出流路44への流体の流れを阻止する。
【0069】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1チェック弁71及び第2チェック弁72がガスケット60に一体化されている。このため、電磁弁マニホールド10においては、例えば、メンテナンス時など、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けや取り外しの作業を行う際に、第1チェック弁71又は第2チェック弁72が単体で脱落してしまうことが無い。よって、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けや取り外しの作業を行う際に、第1チェック弁71又は第2チェック弁72を紛失してしまうことを抑制することができる。したがって、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けや取り外しの作業性を向上させることができる。
【0070】
(2)第1チェック弁71の筒状部71aが第1ベース側パイロット流体排出流路55における載置面11aに開口する開口部55aに嵌入されている。これによれば、第1チェック弁71における第1ベース側パイロット流体排出流路55に対する位置精度を向上させることができる。また、第2チェック弁72の筒状部72aが第2ベース側パイロット流体排出流路56における載置面11aに開口する開口部56aに嵌入されている。これによれば、第2チェック弁72における第2ベース側パイロット流体排出流路56に対する位置精度を向上させることができる。よって、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けの作業性を向上させることができる。
【0071】
(3)マニホールドベース11には、ベース側パイロット流体排出流路としての第1ベース側パイロット流体排出流路55及び第2ベース側パイロット流体排出流路56が形成されている。したがって、マニホールドベース11には、ベース側パイロット流体排出流路が二つ形成されている。そして、ガスケット60には、チェック弁としての第1チェック弁71及び第2チェック弁72が一体化されている。したがって、ガスケット60には、チェック弁が二つ一体化されている。これによれば、第1チェック弁71の筒状部71a及び第2チェック弁72の筒状部72aが、第1ベース側パイロット流体排出流路55の開口部55a及び第2ベース側パイロット流体排出流路56の開口部56aにそれぞれ嵌入されることにより、ガスケット60における載置面11aに対する位置精度を向上させることができる。よって、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けの作業性を向上させることができる。
【0072】
(4)ガスケット60は、金属板61と、金属板61に接合されたゴム製のシール部材62と、を有している。金属板61は、第1チェック弁71の一部分が挿通される挿通孔64hが形成された第1取付部64、及び第2チェック弁72の一部分が挿通される挿通孔65hが形成された第2取付部65を有している。そして、第1チェック弁71は、一部分が挿通孔64hに挿通された状態で第1取付部64に取り付けられるとともに、第2チェック弁72は、一部分が挿通孔65hに挿通された状態で第2取付部65に取り付けられている。これによれば、第1取付部64の挿通孔64hに第1チェック弁71の一部分を挿通して第1チェック弁71を第1取付部64に取り付けることにより、第1チェック弁71をガスケット60に一体化させることができる。また、第2取付部65の挿通孔65hに第2チェック弁72の一部分を挿通して第2チェック弁72を第2取付部65に取り付けることにより、第2チェック弁72をガスケット60に一体化させることができる。よって、第1チェック弁71及び第2チェック弁72をガスケット60に一体化するために、例えば、第1チェック弁71及び第2チェック弁72とガスケット60のシール部材62とを一体成形する場合に比べると、第1チェック弁71及び第2チェック弁72及びガスケット60の製造を簡素化させることができる。
【0073】
(5)第1取付部64の挿通孔64hの内周面と第1チェック弁71との間には、弾性部64aが設けられ、第2取付部65の挿通孔65hの内周面と第2チェック弁72との間には、弾性部65aが設けられている。これによれば、第1チェック弁71の一部分が挿通孔64hに挿通されることにより、弾性部64aが挿通孔64hの内周面と第1チェック弁71との間で潰れるように弾性変形し、弾性部64aが弾性変形する前の元の形状に復帰しようとする復帰力によって、第1チェック弁71が挿通孔64hの内周面に対して弾性部64aを介して締結される。また、第2チェック弁72の一部分が挿通孔65hに挿通されることにより、弾性部65aが挿通孔65hの内周面と第2チェック弁72との間で潰れるように弾性変形し、弾性部65aが弾性変形する前の元の形状に復帰しようとする復帰力によって、第2チェック弁72が挿通孔65hの内周面に対して弾性部65aを介して締結される。これにより、第1チェック弁71が挿通孔64hから脱落し難くなるとともに第2チェック弁72が挿通孔65hから脱落し難くなり、第1チェック弁71における第1取付部64に対する取り付け、及び第2チェック弁72における第2取付部65に対する取り付けを強固なものとすることができる。
【0074】
(6)第1チェック弁71のフランジ部71cが嵌合凹部15cに嵌め込まれることにより、第1チェック弁71における弁ボディ13に対する位置精度を向上させることができる。また、第2チェック弁72のフランジ部72cが嵌合凹部16cに嵌め込まれることにより、第2チェック弁72における弁ボディ13に対する位置精度を向上させることができる。よって、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けの作業性を向上させることができる。
【0075】
(7)各位置決め突起63が各挿入凹部14bに挿入されることにより、ガスケット60における弁ボディ13に対する位置精度を向上させることができる。よって、マニホールドベース11に対するパイロット形電磁弁12の組み付けの作業性を向上させることができる。
【0076】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0077】
・ 実施形態において、例えば、ガスケット60に第2チェック弁72が一体化されておらず、第1チェック弁71のみが一体化されていてもよい。
・ 実施形態において、パイロット形電磁弁12は、第2チェック弁72を備えていない構成であってもよい。このとき、マニホールドベース11には、第2ベース側パイロット流体排出流路56が形成されておらず、第1ベース側パイロット流体排出流路55のみが形成されていてもよい。したがって、マニホールドベース11に、ベース側パイロット流体排出流路が一つだけ形成されている構成であってもよい。
【0078】
・ 実施形態において、例えば、第1チェック弁71とガスケット60のシール部材62とが一体形成されていてもよい。また、第2チェック弁72とガスケット60のシール部材62とが一体成形されていてもよい。
【0079】
・ 実施形態において、第1取付部64の挿通孔64hの内周面と第1チェック弁71との間に弾性部64aが設けられておらず、第2取付部65の挿通孔65hの内周面と第2チェック弁72との間に弾性部65aが設けられていない構成であってもよい。
【0080】
・ 実施形態において、例えば、載置面11aは、第1チェック弁71及び第2チェック弁72に干渉しないように逃げ凹部をそれぞれ有していてもよい。そして、各逃げ凹部の底面に、第1ベース側パイロット流体排出流路55及び第2ベース側パイロット流体排出流路56が開口していてもよい。さらに、例えば、第1チェック弁71の嘴部71bの先端、及び第2チェック弁72の嘴部72bの先端が、各逃げ凹部内に位置していてもよい。したがって、第1チェック弁71の筒状部71aが第1ベース側パイロット流体排出流路55の開口部55aに嵌入されておらず、第2チェック弁72の筒状部72aが第2ベース側パイロット流体排出流路56の開口部56aに嵌入されていない構成であってもよい。
【0081】
・ 実施形態において、ガスケット60が、金属板61を有しておらず、例えば、板状であるゴム製のシール部材のみによって構成されていてもよい。
・ 実施形態において、弾性部64a,65aは、挿通孔64h,65hの内周面の一部分だけを被覆する環状であってもよい。
【0082】
・ 実施形態において、弾性部64a,65aが、シール部64b,65bに連続していなくてもよい。
・ 実施形態において、弾性部64a,65aが、シール部64b,65bと一体形成されておらず、シール部64b,65bとは別部材であってもよい。
【0083】
・ 実施形態において、第1チェック弁71及び第2チェック弁72が、ダックビル型ではなく、例えば、傘型(アンブレラ型)であってもよい。要は、ガスケット60に一体化可能であれば、第1チェック弁71及び第2チェック弁72の形状は、特に限定されるものではない。
【0084】
・ 実施形態において、パイロット形電磁弁12は、第1ピストン32の外径と第2ピストン36の外径とが同じであり、第2ピストン収容凹部35内に、弁体17を第1ピストン収容凹部31に向けて付勢する付勢ばねが収容されている構成であってもよい。そして、例えば、第1パイロット圧作用室34内の圧力が、付勢ばねの付勢力に抗することにより、弁体17が第2ピストン収容凹部35に向けて移動するようにしてもよい。
【0085】
・ 実施形態において、供給ポート20とは別の外部から供給された流体を第1パイロット圧作用室34及び第2パイロット圧作用室38に供給する外部パイロット式であってもよい。
【0086】
・ 実施形態において、パイロット形電磁弁12が、パイロット弁部40が二つ設けられた所謂ダブルパイロット型であってもよい。
・ 実施形態において、パイロット形電磁弁12は、例えば、3ポート電磁弁であってもよい。よって、弁ボディ13に形成されるポートの数は適宜変更してもよく、マニホールドベース11に形成される流路の数は、弁ボディ13に形成されるポートの数に合わせて適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…電磁弁マニホールド、11…マニホールドベース、11a…載置面、12…パイロット形電磁弁、13…弁ボディ、17…弁体、18…弁孔、20…ポートとしての供給ポート、21…ポートとしての第1出力ポート、22…ポートとしての第2出力ポート、23…ポートとしての第1排出ポート、24…ポートとしての第2排出ポート、44…電磁弁側パイロット流体排出流路、50…流路としての供給流路、51…流路としての第1出力流路、52…流路としての第2出力流路、53…流路としての第1排出流路、54…流路としての第2排出流路、55…ベース側パイロット流体排出流路としての第1ベース側パイロット流体排出流路、55a…開口部、56…ベース側パイロット流体排出流路としての第2ベース側パイロット流体排出流路、56a…開口部、60…ガスケット、61…金属板、62…シール部材、64…取付部としての第1取付部、64a,65a…弾性部、64h,65h…挿通孔、65…取付部としての第2取付部、71…チェック弁としての第1チェック弁、71a…嵌入部としての筒状部、72…チェック弁としての第2チェック弁、72a…嵌入部としての筒状部。
図1
図2
図3
図4