(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6953410
(24)【登録日】2021年10月1日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】タンポン材料を巻き取る方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/20 20060101AFI20211018BHJP
A61F 13/34 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
A61F13/20 260Z
A61F13/34 100
A61F13/20 260D
A61F13/20 260A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-534597(P2018-534597)
(86)(22)【出願日】2016年12月30日
(65)【公表番号】特表2019-505289(P2019-505289A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】IB2016058120
(87)【国際公開番号】WO2017115337
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2019年10月29日
(31)【優先権主張番号】62/273,791
(32)【優先日】2015年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597046982
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Gmbh
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ツァンカル・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クラー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】アンガー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ベルガーマン・マルティン
(72)【発明者】
【氏名】アルネセン・イエンツ−ペッター
【審査官】
塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭51−045919(JP,B1)
【文献】
特公昭51−013358(JP,B1)
【文献】
特公昭42−014400(JP,B1)
【文献】
特開昭57−069857(JP,A)
【文献】
米国特許第04836587(US,A)
【文献】
特表2003−516806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを成形するための装置であって、
a)スライバガイドと、
b)往復運動が可能なグリッパであって、前記スライバガイドと協働して、前記スライバガイド内部に維持されたスライバの端部を把持するように配列及び構成された、グリッパと、
c)巻取りマンドレルと、
d)複数のキャリアと、
e)前記スライバの周りに配置され、前記スライバの周りを回転するように構成された紐コンベヤを装着された円形リング軸受を備えた紐取付け及び結び付け装置と、を備え、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記スライバガイド及び前記グリッパの運動に対して垂直であり、かつ前記巻取りマンドレルの巻取り軸線に対して平行である平面を画定する、装置。
【請求項2】
圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを成形するための装置であって、
a)スライバガイドと、
b)往復運動が可能なグリッパであって、前記スライバガイドと協働して、前記スライバガイド内部に維持されたスライバの端部を把持するように配列及び構成された、グリッパと、
c)巻取りマンドレルと、
d)複数のキャリアと、
e)紐コンベヤを装着された円形リング軸受を備えた紐取付け及び結び付け装置と、を備え、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記スライバガイド及び前記グリッパの運動に対して垂直であり、かつ前記巻取りマンドレルの巻取り軸線に対して平行である平面を画定し、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記グリッパに向かって配設された前記スライバガイドの端部に近接して配置されている、装置。
【請求項3】
圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを成形するための装置であって、
a)スライバガイドと、
b)往復運動が可能なグリッパであって、前記スライバガイドと協働して、前記スライバガイド内部に維持されたスライバの端部を把持するように配列及び構成された、グリッパと、
c)巻取りマンドレルと、
d)複数のキャリアと、
e)紐コンベヤを装着された円形リング軸受を備えた紐取付け及び結び付け装置と、を備え、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記スライバガイド及び前記グリッパの運動に対して垂直であり、かつ前記巻取りマンドレルの巻取り軸線に対して平行である平面を画定し、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記グリッパに向かって配設された前記スライバガイドの前記端部を中心として可変速度で回転するように配列及び構成されている、装置。
【請求項4】
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、紐の結節の間に正確な制御のために減速する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを成形するための装置であって、
a)スライバガイドと、
b)往復運動が可能なグリッパであって、前記スライバガイドと協働して、前記スライバガイド内部に維持されたスライバの端部を把持するように配列及び構成された、グリッパと、
c)巻取りマンドレルと、
d)複数のキャリアと、
e)紐コンベヤを装着された円形リング軸受を備えた紐取付け及び結び付け装置と、を備え、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記スライバガイド及び前記グリッパの運動に対して垂直であり、かつ前記巻取りマンドレルの巻取り軸線に対して平行である平面を画定し、
前記グリッパは、前記スライバガイドの前記端部に向かって、また前記スライバガイドの前記端部から離れて往復運動するように動作可能である、装置。
【請求項6】
前記グリッパは、前記スライバガイドの前記端部に向かって、また前記スライバガイドの前記端部から離れて往復運動する間に高さを変化させるように配列及び構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを製造するための方法であって、
a)グリッパで繊維ウェブ供給体の自由端部を把持し、前記繊維ウェブ供給体から前記グリッパを引き離すことによって、スライバガイドを通し、かつキャリアを横切って前記繊維ウェブ供給体から繊維ウェブを引き出す工程と、
b)前記グリッパによって保持された第1の端部と、前記第1の端部の遠位側の第2の端部とを有する細長繊維ウェブを形成するために、前記繊維ウェブ供給体から前記繊維ウェブを切り離す工程と、
c)前記第1の端部が依然として前記グリッパによって保持され、前記第2の端部が前記スライバガイドによって拘束されている間に、前記キャリアを上昇させる工程であって、前記キャリアは、前記細長繊維ウェブの中央部分に対して垂直に配設されている、工程と、
d)前記細長繊維ウェブの前記中央部分を横切って巻取りマンドレルを前進させる工程と、を含む、方法。
【請求項8】
前記巻取りマンドレルの前端部をループ状の取出し紐と係合させる工程を更に含み、前記ループ状の取出し紐は前記巻取りマンドレルの軸線と整列され、前記細長繊維ウェブを取り囲む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細長繊維ウェブを実質的に円筒状のタンポンブランクへとロールするために前記巻取りマンドレルを回転させる工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
更なる加工のために前記実質的に円筒状のタンポンブランクを前記キャリアに送達する工程を更に含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンポン製造工程においてタンポン用スライバ材料を巻き取る方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンポンを形成する方法が知られている。
【0003】
F.Wieserによる米国特許第2977644号には、タンポンの製造のためのプロセスが開示されている。ウェブが送出スプールから引き出され、次いでツールプレート上に装着された様々なツールによって加工される。上記ツールプレートは、4つのグリッパを備えたレボルバシステムである。各グリッパは、プレスプレートに対して連続フリースを押圧する2つのクランプジョーを有する。フリースは、カッター沿って引っ張られかつそれによって切断される。90°回転した後、次のグリッパがフリースを保持し得る。フリース片は、糸を引き伸ばし、引き伸ばされたウェブにその糸を巻き付ける装置に移送される。その後に、結び目が加えられる。結節装置については詳細には説明しない。
【0004】
F.Wieserによる米国特許第2873133号には、ストリングルーピング部材を備えたノッターが開示されている。ハウジング内に装着された2つのチェーンホイールが示されている。駆動部材、例えばチェーンなどが、窓内に配置された対象物の周りに配列され得る。対象物は、上記窓を通過する連続フリースであってもよい。マッシュルーム型の糸ドロアがフリースの周りの糸を引き出す。糸は、固定された糸ブレークの上で案内され、対象物の周りの経路上でスライドする糸ドロアに接続される。ノッター(反転する結節フック)は、糸ドロアがチェーンホイールに達したときに糸を保持する。この時点で、糸ドロアは糸の2つの部分と係合し、それらの一方は結節処置の間にナイフによって切断される。残りの糸は次のループのために使用される。
【0005】
Carl Hahnによる米国特許第3348866号には、ストリングルーピング部材のための機構が開示されている。自動的に制御される紐締付け手段を有する紐コンベヤを備えた回転式エンドレスチェーンが開示されている。上記紐コンベヤは、タンポンパッドを囲む軌道経路をなして回転し、コードの端部及び中央区間を把持するための手段を有する。結果として得られたループは、逆回転する結節フックによって結節される。回転する補完体がエンドレスの可撓性部材として形成され、これが2つのガイドホイールの上で移動される。結び目を有する最終的なループは、連続する紐からナイフによって分離される。ガイド部材は可撓性であり、円形ではなく、チェーン内のリンク間の移動を可能にしている。
【0006】
Carl Hahnによる米国特許第3688346号は、上述のストリングルーピング部材をフォーク状のマンドレル及びピンサと組み合わせたものである。繊維ウェブは、ギャップにおいては2つの把持手段によって保持され、もう一方の側では、プロングを有する単一のグリッパによって保持される。上記把持手段は、ある軸線の周りに枢動可能である。フォーク状のマンドレルの更にフォーク状にされた先端部は、マンドレルが巻取り管の外に延出されるときに、ウェブを越えて突出する。エンドレスチェーンに接続された糸ガイドによって糸がウェブに巻き付けられた後に、糸移送手段が糸を上記先端部に移送する。回収紐の結ばれた端部はこれでマンドレルに接続されるが、もう一方の端部は、結び目が形成された場合にもデバイスの連続的な動作を保証する制御レバーに接続される。把持手段は、マンドレルがウェブをロールする間、移動中にウェブを切り離す。ここでも、ガイド部材は可撓性であり、円形ではなく、チェーン内のリンク間の移動を可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の欠点を鑑みて、改善されたタンポンのためのタンポン材料を巻き取るより効率的な方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを製造するための高速な方法に関する。
【0009】
驚くべきことに、圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを成形するための改善された装置が、加工工程の速度及び精度の改善を可能にすることを本発明者らは発見した。本装置は、スライバガイドと、往復運動が可能なグリッパであって、スライバガイドと協働して、そのスライバガイド内部に維持されたスライバの端部を把持するように配列及び構成された、グリッパと、巻取りマンドレルと、複数の巻取りカップと、e)紐コンベヤを装着された円形リング軸受を備えた紐取付け及び結び付け装置と、を含む。紐取付け及び結び付け装置の円形リング軸受は、スライバガイド及びグリッパの運動に対して垂直であり、かつ巻取りマンドレルの巻取り軸線に対して平行である平面を画定する。
【0010】
加えて、圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを製造するための高速な方法が、a)グリッパで繊維ウェブ供給体の自由端部を把持し、繊維ウェブ供給体からグリッパを引き離すことによって、スライバガイドを通し、かつキャリアを横切って繊維ウェブ供給体から繊維ウェブを引き出す工程と、b)グリッパによって保持された第1の端部と、第1の端部の遠位側の第2の端部とを有する細長繊維ウェブを形成するために、繊維ウェブ供給体から繊維ウェブを切り離す工程と、c)第1の端部が依然としてグリッパによって保持され、第2の端部がスライバガイドによって拘束されている間に、キャリアを上昇させる工程であって、キャリアは、細長繊維ウェブの中央部分に対して垂直に配設されている、工程と、d)細長繊維ウェブの中央部分を横切って巻取りマンドレルを前進させる工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による紐取付け及び結び付け装置の概略図である。
【
図2】紐長を決定する紐取付け及び結び付け装置の要素の図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、タンポンブランクワインダの要素の斜視図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による、紐取付け及び結び付け装置並びにタンポンブランクワインダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、婦人衛生用タンポンに取出し紐を取り付けるための方法及び機械に関する。本方法では、紐はウェブの周りに配置され、ウェブは、円筒状のタンポンブランクを形成するように巻かれる。
【0013】
紐取付け及び結び付け装置
紐取付け及び結び付け装置1は、外側の円形紐経路によって規定される。
図1に示すように、円形紐経路は、紐コンベヤ12を装着された円形リング軸受10によって規定される。装置の内部13は、システムのタンポンスライバ及び搬送要素の通過が可能となるように実質的に開放している。外側の円形紐経路10及び紐コンベヤ12に加えて、紐取付け及び結び付け装置は、スネーク14と、フック16と、ナイフとを含んでいる。紐の長さ及び紐取付け及び結び付け装置によって形成された紐ループの端部に対する結び目の位置は、次の要素、すなわち、
図2に示すようなフック、スネーク、及びナイフの幾何学的形状によって決定される。
【0014】
紐コンベヤ12は、紐コンベヤが円形紐経路の周りを走行するときに、紐の前端部を保持するためのクランプ18を含んでいる。紐コンベヤの1回転により、紐取付け及び結び付け装置の1サイクルが完了する。紐コンベヤは、リング軸受の頂部に対する初期の角度位置で始動する。
【0015】
紐取付け及び結び付け装置のサイクルの間に、紐が搬送及び処理される。リング軸受10は、その回転を完了するとき、可変の回転速度を有する。紐コンベヤ12の単一の回転が、紐長及び所望の位置における紐の結節を正確に制御することを含めて、単一の紐送達を引き起こす。結び目は、ばね押しされたボールによって捕捉された紐の両端部がフックショルダーの上を互いにスライドし、結び目を締め付ける結び目制御レバーによって捕まえられるときに作られる。
【0016】
Etzの米国特許第3,348,866号及びSimonの米国特許第3,814,469号に記載されているように、チェーン駆動システムを使用する初期の紐取付け及び結び付け装置とは異なり、実質的に硬質のリング軸受は、紐コンベヤの位置の制御を大幅に改善する。したがって、急速な角加速度(及び/又は減速度)がチェーンリンク間の運動によって影響されることはない。このような運動は、リンクが互いに対して摩耗したときに増大し得る。これにより、装置の周りでの紐コンベヤの動作を、単純な運動の間には加速させ、紐の複雑な操作及び/又は他のプロセス要素との係合の間にはより正確な制御のために減速させることが可能となる。例えば、紐コンベヤ12は、装置の周りで急速に移動して所定の紐長を引き出すことができ、また、結び付け、及び巻取りマンドレルとの係合のために減速することができる。
【0017】
タンポンブランクワインダ
タンポンブランクワインダは、吸収性スライバをワインダの中に引き込むためのグリッパ機構と、巻取りマンドレルとを含んでいる。
図3及び4に示すように、グリッパ20は、一対のマルチタインクランプ22を含んでいる。グリッパは、スライバガイド24の中へと前進し、またスライバガイド24から後退するように駆動される。グリッパクランプ22は、スライバガイドに進入するときに開放位置にあり、またスライバ28の前端部26上で閉鎖されて、その前端部を紐取付け及び結び付け装置(
図3ではリング軸受10及び紐コンベヤ12で表されているが、紐取付け及び結び付け装置の他の要素は明確にするために取り除かれている)に通してスライバ巻取りステーションの中へと引き込む。スライバガイドの中及び外への前後の運動に加えて、グリッパはまた、この運動中に高さを変化させ得る。
【0018】
好ましい実施形態では、スライバガイドは、スライバがタンポンブランクワインダに送達されるときのスライバの前端部の位置を制御するための先細又は狭小端部区間を備える。
【0019】
グリッパは、サーボ駆動され得るものであり、また適応プロファイルを用いて制御され得る。センサが、コンベヤベルト内のまたスライバガイドの中に向かうスライバの前端部を検出する。スライバガイド内に進入するグリッパは、同じ位置でスライバを把持するように速度を適応させる。
【0020】
代替的に、グリッパは、クランクシャフト上に単一の駆動部を装備されてもよい。この構成では、グリッパクランプ開口部は小さなレバーによって作動される。グリッパは前方に移動するときに閉鎖し、またレバーがグリッパを開放したときに前方の位置で再開放する。後方に駆動すると、グリッパは後方の位置で再び引かれて開放される前に閉鎖し、スライバを把持することになる。この動作モードは、「インテリジェント」グリッパ制御を用いることによって改善される。
【0021】
図3に示すように、巻取り装置は、細長スロット32を有するスロット付き巻取りマンドレル30を含んでおり、細長スロットは、スライバ28の厚さに対応するのに十分なスロット開口度と、スライバ28の幅に対応するのに十分なスロット深さを有している。スロット付き巻取りマンドレルの前端部は、スロット開口部に対して紐をセンタリングするための紐ガイド(その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、Johstらの米国特許第3,688,346号及びEtzの米国特許第3,852,847号に示すものなど)を有している。スロット付き巻取りマンドレルは、タンポンブランクを形成するために回転して所望の長さのスライバを巻き取るように配列及び構成される。巻取り装置はまた、スライバがスロット付き巻取りマンドレル30によって巻かれるときに、巻取りマンドレル30に対してスライバ28を保持するためのトップフォーマを含んでもよい。
【0022】
図5に示す代替的な実施形態では、巻取り装置は、タンポン形成材料がタンポンスライバからタンポンブランクへと加工されるときに、そのタンポン形成材料を割り出しするようにターンテーブル40と相互作用し得る。ターンテーブル40は複数のキャリア42を含んでおり、それらのキャリアは、ターンテーブル上に枢動的に装着された半中空の円筒の形態をなしている。ターンテーブルは、グリッパの移動方向に対して垂直な軸線上に装着される。
図5に示すように、グリッパ20’のクランプ22は、以前の実施形態のグリッパのタインを必要としない。これは、スライバ端部(図示せず)を巻取り装置に送達するコンベヤ44を使用することによって可能となる。
【0023】
動作の際、紐コンベヤ12は、紐供給体の端部をクランプし、運動の循環サイクルを開始する。リング軸受10及び紐コンベヤ12は、半時計回りの動作で回転して、紐供給体から紐を引張り、その紐をスネーク14’、フック16’の周りに通し、また再び、紐コンベヤが同様に紐供給体の新たな端部をクランプする切断位置へと通す。また紐コンベヤ12は、ループ状の紐の2つの端部をノッターに送達する。結び目は、ばね押しされたボールによって捕捉された紐の両端部がフックショルダーの上を互いにスライドし、結び目を締め付ける結び目制御レバーによって捕まえられるときに作られる。
【0024】
紐がスネーク14’及びフック16’の周りでループ状にされているとき、グリッパ20’は、紐取付け及び結び付け装置の内部13を通って前進する。グリッパ20’は次いで、スライバの前端部をクランプし、そして引っ込み、紐取付け及び結び付け装置の内部13を通してスライバの前端部を引っ張る。この引張りは、ターンテーブル40’の間欠的な回転によって支援される。グリッパ20がキャリア42’を通過すると直ちに、ターンテーブル40は回転し始め、紐取付け及び結び付け装置の内部13’を通してスライバの前端部を引っ張ることを支援し、スロット付き巻取りマンドレル30’のスロット32’の前方にスライバを配置する。グリッパ20’が完全に引っ込むと、スロット付き巻取りマンドレル30’が延出して、スライバの中間部分をスロット32’内に捕捉する。次いで紐ループにかかる張力が、スロット付き巻取りマンドレル30’の前端部における紐ガイド34’に向かって、またループホルダ15’から離れて、紐ガイド34’の上へと、ループホルダ15を引っ張る。
図5に示す好ましい実施形態では、巻取りマンドレル30’は、紐取付け及び結び付け装置1のグリッパ側において紐の経路から離間している。巻取りマンドレル30’は、グリッパ20’がスライバの前端部を解放するときに回転し、また巻取りマンドレル30’の回転がスライバの残りをそれ自体の上に引き寄せる。任意のトップフォーマは、スライバがマンドレル30’の周りに巻き付けられるとき、十分なスライバ制御をもたらし得る。また巻取りマンドレル30’の回転により、タンポンブランクの取出し端部から延びる紐が巻取りマンドレル30’の周りに巻き付けられる。タンポンブランクは、タンポンプレス、ドームフォーマ、及び一次包装を含めた更なる加工操作に向けた移動のために、キャリア42に移送される。トップガイド46は、レボルバに沿った運動の間にタンポンブランクをそれぞれのキャリア内に維持するために使用され得る。
【0025】
上記の明細書及び実施形態は、本明細書で開示される本発明の完全かつ非限定的な理解を助けるために提示されるものである。本発明の多くの変形形態及び実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能となるため、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に含まれるものである。
【0026】
〔実施の態様〕
(1) 圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを成形するための装置であって、
a)スライバガイドと、
b)往復運動が可能なグリッパであって、前記スライバガイドと協働して、前記スライバガイド内部に維持されたスライバの端部を把持するように配列及び構成された、グリッパと、
c)巻取りマンドレルと、
d)複数の巻取りカップと、
e)紐コンベヤを装着された円形リング軸受を備えた紐取付け及び結び付け装置と、を備え、
前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記スライバガイド及び前記グリッパの運動に対して垂直であり、かつ前記巻取りマンドレルの巻取り軸線に対して平行である平面を画定する、装置。
(2) 前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記グリッパに向かって配設された前記スライバガイドの端部に近接して配置されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、前記グリッパに向かって配設された前記スライバガイドの前記端部を中心として可変速度で回転するように配列及び構成されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記紐取付け及び結び付け装置の前記円形リング軸受は、紐の結節の間に正確な制御のために減速する、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記グリッパは、前記スライバガイドの前記端部に向かって、また前記スライバガイドの前記端部から離れて往復運動するように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0027】
(6) 前記グリッパは、前記スライバガイドの前記端部に向かって、また前記スライバガイドの前記端部から離れて往復運動する間に高さを変化させるように配列及び構成されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 圧縮された自立形のタンポンへの更なる加工のためにタンポンブランクを製造するための方法であって、
a)グリッパで繊維ウェブ供給体の自由端部を把持し、前記繊維ウェブ供給体から前記グリッパを引き離すことによって、スライバガイドを通し、かつキャリアを横切って前記繊維ウェブ供給体から繊維ウェブを引き出す工程と、
b)前記グリッパによって保持された第1の端部と、前記第1の端部の遠位側の第2の端部とを有する細長繊維ウェブを形成するために、前記繊維ウェブ供給体から前記繊維ウェブを切り離す工程と、
c)前記第1の端部が依然として前記グリッパによって保持され、前記第2の端部が前記スライバガイドによって拘束されている間に、前記キャリアを上昇させる工程であって、前記キャリアは、前記細長繊維ウェブの中央部分に対して垂直に配設されている、工程と、
d)前記細長繊維ウェブの前記中央部分を横切って巻取りマンドレルを前進させる工程と、を含む、方法。
(8) 前記巻取りマンドレルの前端部をループ状の取出し紐と係合させる工程を更に含み、前記ループ状の取出し紐は前記巻取りマンドレルの前記軸線と整列され、前記細長繊維ウェブを取り囲む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記細長繊維ウェブを実質的に円筒状のタンポンブランクへとロールするために前記巻取りマンドレルを回転させる工程を更に含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 更なる加工のために前記実質的に円筒状のタンポンブランクをキャリアに送達する工程を更に含む、実施態様9に記載の方法。