(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記管理部は、実習者の識別情報に関係付けて前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を管理することを特徴とする請求項1に記載のフランジ締付けトレーニングシステム。
さらに、実習者の識別情報に関係付けられた前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を格納する記憶部と、
前記識別情報に関係付けられた前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を提示する情報提示部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフランジ締付けトレーニングシステム。
さらに、実習者識別情報に関係付けて前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を管理する機能を含むことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
さらに、実習者の識別情報に関係付けて前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を管理する工程と、
を含むことを特徴とする請求項10に記載のフランジ締付けトレーニング方法。
請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のフランジ締付けトレーニングシステムの管理部に有線または無線で接続され、または請求項5または請求項6に記載のフランジ締付けトレーニング装置に有線または無線で接続される情報端末であって、
前記管理部と接続の際、実習者の識別情報または前記識別情報に関係付けられた前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を提示し、
または前記フランジ締付けトレーニング装置と接続の際、実習者の識別情報または前記識別情報に関係付けられた前記検出軸力、前記平均値、前記ばらつき、前記評価情報の何れかまたは二以上を提示することを特徴とする情報端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斯かるシール施工者には高い技能が求められており、その技量を高めるためのトレーニングが不可欠である。そしてシール施工者には、その技量を適正に評価して現場施工の質を高めることが要求される。技量評価はシール施工の信頼性の前提となることから極めて重要であるが、その前提であるトレーニングは無視できない。シール施工では、複数箇所のボルト締付けの手順、弾性相互作用の認識、片締めの回避、トルク感覚、シール性の確認、ガスケットの圧縮破壊、狭隘箇所での施工など、多岐の項目についてトレーニングをすることが必要である。シール施工の初心者は、トレーニングによるスキル向上を図ることは当然である。またシール施工の熟練者は、常に高い技能を求める日々のトレーニングが重要である。シール施工の技量評価では、経験や評価結果のみに重点が置かれるが、トレーニングを軽視することは実質的な技術の向上や施工の信頼性が得られないなどの課題がある。
技術者の経験や技量の評価結果について、客観的に提示し、それらを確認できることが施工の信頼性を高める上で極めて重要である。
斯かる要請や課題について、特許文献1にはその開示や示唆がなく、それを解決する構成等についての開示や示唆もない。
【0005】
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、シール施工の現場を再現するトレーニングの充実化とともに、技量評価を行い、そのトレーニング情報や技量判定情報を共有化させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のフランジ締付けトレーニングシステムの一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジを
複数のボルトおよびナットで締め付けるフランジ締付けトレーニングシステムであって、フランジ締付け
のトレーニング
により、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの締付け軸力を検出し、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの検出軸力と複数の前記ボルトおよび前記ナットの検出軸力の平均値とを含むフランジ締付けトレーニング情報を生成するフランジ締付けトレーニング部と、フランジ締付けのトルク感覚を含む締付け感覚をトレーニングし、締付け感覚トレーニング情報を生成する締付け感覚トレーニング部と、前記フランジ締付けトレーニング情報
を受けて、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの前記検出軸力と目標軸力とを比較して前記検出軸力のばらつきを算出するとともに、前記平均値と前記目標軸力とを比較して前記平均値のばらつきを算出し、前記検出軸力のばらつきと前記平均値のばらつきのいずれかまたは双方が基準値以内にあるか否かによってフランジ締付けの技量を判定し、技量判定情報を生成する技量判定部と、前記フランジ締付けトレーニング部、前記締付け感覚トレーニング部または前記技量判定部の何れかまたは二以上と連係してトレーニングを管理する管理部とを備える。
【0007】
このフランジ締付けトレーニングシステムにおいて、さらに、前記管理部は、実習者の識別情報に関係付けて前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を管理してよい。
このフランジ締付けトレーニングシステムにおいて、さらに、実習者の識別情報に関係付けられた
前記フランジ締付けトレーニング情報、
前記締付け感覚トレーニング
情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を格納する記憶部と、前記識別情報に関係付けられた前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング
情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を提示する情報提示部とを備えてよい。
このフランジ締付けトレーニングシステムにおいて、前記管理部に有線または無線により接続される情報端末と、実習者の識別情報を格納した識別票とを含み、前記情報端末は、前記識別票より読み取った前記識別情報により、前記識別情報に関係付けられた前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報を提示してよい。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のフランジ締付けトレーニング装置の一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジをボルトおよびナットで締め付けるフランジ締付けトレーニング装置であって、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの締付け軸力を検出する検出部と、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれ
の検出軸力と目標軸力とを比較して前記検出軸力のばらつきを算出するとともに、複数の前記ボルトおよび前記ナットの検出軸力の平均値と目標軸力とを比較して前記平均値のばらつきを算出し、前記検出軸力のばらつきと前記平均値のばらつきのいずれかまたは双方が基準値以内にあるか否かを示す評価情報を算出する評価部とを備える。
このフランジ締付けトレーニング装置において、実習者の識別情報に関係付けて前記検出軸力、前記平均値、前記ばらつき、前記評価情報の何れかまたは二以上を格納する記憶部と、前記識別情報とともに前記検出軸力、前記平均値、前記ばらつき、前記評価情報の何れかまたは二以上を提示する情報提示部とを備えてよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータで実現するプログラムであって、フランジ締付け
のトレーニング
により、複数のボルトおよびナットそれぞれの締付け軸力を検出して、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの検出軸力と複数の前記ボルトおよび前記ナットの検出軸力の平均値とを含むフランジ締付けトレーニング情報を生成する機能と、フランジ締付けの締付け感覚をトレーニングし、締付け感覚トレーニング情報を生成する機能と、前記フランジ締付けトレーニング情報から
、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの前記検出軸力と目標軸力とを比較して前記検出軸力のばらつきを算出するとともに、前記平均値と前記目標軸力とを比較して前記平均値のばらつきを算出し、前記検出軸力のばらつきと前記平均値のばらつきのいずれかまたは双方が基準値以内にあるか否かによってフランジ締付けの技量を判定し、技量判定情報を生成する機能と、フランジ締付けトレーニング部、締付け感覚トレーニング部または技量判定部の何れかまたは二以上と連係してトレーニングを管理する機能とを前記コンピュータで実現する。
このプログラムにおいて、さらに、実習者識別情報に関係付けて前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を管理する機能を含んでよい。
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータで実現するプログラムであって、
複数のボルトおよびナットそれぞれの検出軸力を取り込む機能と、
複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの前記検出軸力
と目標軸力とを比較して前記検出軸力のばらつきを算出するとともに、複数の前記ボルトおよび前記ナットの検出軸力の平均値と目標軸力とを比較し
て前記平均値のばらつきを算出し、
前記検出軸力のばらつき
と前記平均値のばらつきのいずれかまたは双方が基準値以内にあるか否かを表す評価情報を算出する機能とを前記コンピュータで実現する。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のフランジ締付けトレーニング方法の一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジをボルトおよびナットで締め付けるフランジ締付けトレーニング方法であって、
コンピュータが、フランジ締付け
のトレーニング
により、複数のボルトおよびナットそれぞれの締付け軸力を検出して、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの検出軸力と複数の前記ボルトおよび前記ナットの検出軸力の平均値とを含むフランジ締付けトレーニング情報を得る工程と、フランジ締付けの締付け感覚をトレーニングし、締付け感覚トレーニング情報を得る工程と、前記フランジ締付けトレーニング情報
から、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの前記検出軸力と目標軸力とを比較して前記検出軸力のばらつきを算出するとともに、前記平均値と前記目標軸力とを比較して前記平均値のばらつきを算出し、前記検出軸力のばらつきと前記平均値のばらつきのいずれかまたは双方が基準値以内にあるか否かによってフランジ締付けの技量を判定し、技量判定情報を得る工程と、フランジ締付けトレーニング部、締付け感覚トレーニング部または技量判定部の何れかまたは二以上と連係してトレーニングを管理する工程とを含む
各工程を実行する。
このフランジ締付けトレーニング方法において、さらに、実習者の識別情報に関係付けて前記フランジ締付けトレーニング情報、前記締付け感覚トレーニング情報または前記技量判定情報の何れかまたは二以上を管理する工程とを含んでよい。
上記目的を達成するため、本発明のフランジ締付けトレーニング方法の一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジをボルトおよびナットで締め付けるフランジ締付けトレーニング方法であって、
コンピュータが、複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの締付け軸力を検出する工程と、
複数の前記ボルトおよび前記ナットそれぞれの検出軸力
と目標軸力とを比較して前記検出軸力のばらつきを算出するとともに、複数の前記ボルトおよび前記ナットの検出軸力の平均値と目標軸力とを比較し
て前記平均値のばらつきを算出し、
前記検出軸力のばらつき
と前記平均値のばらつきのいずれかまたは双方が基準値以内にあるか否かを表す評価情報を算出する工程とを含む
各工程を実行する。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の情報端末の一側面によれば、既述のフランジ締付けトレーニングシステムの管理部に有線または無線で接続され、または既述のフランジ締付けトレーニング装置の何れかに有線または無線で接続される情報端末であって、前記管理部と接続の際、
実習者の識別情報または前記識別情報に関係付けられた
前記フランジ締付けトレーニング情報、
前記締付け感覚トレーニング情報または
前記技量判定情報の何れかまたは二以上を提示し、または前記フランジ締付けトレーニング装置と接続の際、実習者の識別情報
または前記識別情報に関係付けられた前記検出軸力、前記平均値、前記ばらつき、前記評価情報の何れかまたは二以上を提示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次の何れかの効果が得られる。
<フランジ締付け実習装置>
(1) 本発明のフランジ締付けトレーニング装置によれば、各ボルトの検出軸力やその平均値のばらつきが基準値の範囲内か否かで技能評価を行うことで、評価の迅速化とともに、各技能者が自己の技能レベルを容易に認識することができる。
(2) 技能者は評価情報を確認しつつ、ボルトおよびナットの締付けを行うことができ、技能評価と相まってシール施工のトレーニング効果を得ることができる。
【0013】
<システム>
(3) 本発明のフランジ締付けトレーニングシステムによれば、技能判定とともにトレーニングを行うことができ、シール施工の総合的なスキルを向上させることができる。たとえばフランジ締付けトレーニング部では締付け手順や弾性相互作用の影響など、実習者に施工感覚を体得させることができる。締付け感覚トレーニング部では締付け工具でトルク感覚を含む締付け感覚など、実習者にシール施工を体感させることができる。
技量判定部では既述のフランジ締付け実習装置を用いて技量判定を行うことができる。
(4) 技能者が携行する
識別票に明示された識別情報の読み取りにより、該識別情報に関係付けられた検出情報や評価情報を情報端末に提示し、シール施工を実施する技能者のスキルを共有化でき、情報端末の表示情報から容易に確認できる。
【0014】
<プログラム>
(5) 本発明のプログラムによれば、フランジ締付けトレーニング、感覚トレーニン
グおよびその技能評価について、コンピュータを用いて迅速且つ高精度に実現できる。
<フランジ締付けトレーニング方法>
(6) 本発明のフランジ締付けトレーニング方法によれば、フランジ締付けの実測値からその評価を行うことができるとともに、フランジ締付けのスキルを向上させることができる。
【0015】
<情報端末>
(7) 本発明の情報端末によれば、フランジ締付けトレーニング装置やフランジ締付けトレーニングシステムの管理部との通信により、フランジ締付けトレーニング装置やフランジ締付けトレーニングシステムで生成される評価情報を情報端末に提供して提示することができる。
【0016】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1の実施の形態〕
<フランジ締付けトレーニングシステム>
図1は、第1の実施の形態に係るフランジ締付けトレーニングシステムを示している。
図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
このフランジ締付けトレーニングシステム(以下、単に「トレーニングシステム」と称する)2は、フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6、技量判定部8および管理部10を有する。
フランジ締付けトレーニング部4は、ガスケットを挟んだフランジをボルトおよびナットで締め付けるフランジ締付けのトレーニングを行う。このフランジ締付けトレーニング部4にはフランジ締付けの実習者に対する集合教育として締付け手順、弾性相互作用、片締めの説明などが含まれる。
締付け感覚トレーニング部6は、フランジ締付けの実習者の個々に対し、手締め工具でのトルク感覚を含む締付け感覚を向上させるためのトレーニングを行う。
技量判定部8は、各実習者に一定の時間として、たとえば5分程度の時間を割り当て、締付け完了時の検出軸力やその平均値のばらつきを評価する。そして技量判定部8は、締付けのばらつきが基準値のたとえば、±15%以内であれば、合格とする技量判定を行う。
管理部10は、フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6および技量判定部8に連係する。この管理部10は制御部12、記憶部14、通信部16、情報提示部18、入力操作部20を有する。
制御部12はたとえば、コンピュータで構成され、制御部12とフランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6または技量判定部8の何れかまたは二以上と有線または無線で連係させ、情報の送受を行う。記憶部14にはROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が備えられ、OS(Operating System)やトレーニングプログラムなど、各種のプログラムや、制御情報などを記憶する。通信部16は外部の情報端末などとの通信を行う。
情報提示部18は制御部12の制御により、実習者の識別情報に関係付けられたトレーニング情報や技量判定情報などを提示する。入力操作部20には実習者識別情報、トレーニング情報などの入力を行う。
【0019】
<トレーニングシステム2の各部の機能>
図2は、トレーニングシステム2における各部の機能を示している。
図2において、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
フランジ締付けトレーニング部4は実習者にフランジ締付けを実習させるためのフランジ締付けトレーニング装置24を有する。締付け感覚トレーニング部6は実習者にトルク感覚を実習させるためのトルク感覚トレーニング装置26を有する。
技量判定部8は実習者のフランジ締付けの技量判定に用いられるフランジ締付けトレーニング装置28を有する。
管理部10の制御部12は、情報取込み制御30、情報記憶制御32、トレーニング管理制御34、フランジ締付けトレーニング制御36、締付け感覚トレーニング制御38、技量判定制御40、情報提示制御42を行う。記憶部14は実習者情報44、フランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48、技量判定情報50、制御情報52などが格納される。実習者情報44、フランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48および技量判定情報50は後述の識別情報に関係付けた提示情報として提供するためのトレーニング管理情報54に含まれる。
【0020】
<制御部12の制御>
a)情報取込み制御30
この情報取込み制御30では、実習者情報44、フランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48などの各種情報の取込みを行う。実習者情報44には実習者の識別情報などが含まれる。
b)情報記憶制御32
この情報記憶制御32では、情報取込み制御30で取り込んだ実習者情報など、各種情報の記憶部14へ情報の書込み、記憶部14から情報の読出しを行う。
c)トレーニング管理制御34
このトレーニング管理制御34では、フランジ締付けトレーニング、締付け感覚トレーニングの時間管理、人的管理などを行う。
【0021】
d)フランジ締付けトレーニング制御36
このフランジ締付けトレーニング制御36では、フランジ締付けトレーニング装置24を用いて締付け手順、弾性相互作用、片締めなどの説明の支援制御を行う。
e)締付け感覚トレーニング制御38
この締付け感覚トレーニング制御38では、手締め工具での締付け感覚のトレーニングの支援制御を行う。
f)技量判定制御40
この技量判定制御40では、技量判定部8におけるフランジ締付けトレーニング装置28を用いた技量判定の支援制御を行う。この支援制御には、技量判定情報の集計などが含まれる。
g)情報提示制御42
この情報提示制御42では、記憶部14に格納された各種情報について、情報提示部18へ提示情報を提供し、表示内容の更新などを行う。
【0022】
<トレーニング管理情報ファイル56>
図3のAは、トレーニング管理情報ファイル56を示している。トレーニング管理情報ファイル56には既述のトレーニング管理情報54が格納されて記憶部14(
図2)に保存される。
このトレーニング管理情報ファイル56は実習者部58、項目部60および属性部62を有する。実習者部58は実習者名部64および識別情報部66を有するなど、実習者情報44が格納される。実習者名部64にはトレーニングの実習者名が格納されるほか、所属などの属性情報を格納してよい。識別情報部66には実習者を特定するID(IDentification)情報が格納される。
項目部60にはトレーニングカテゴリに仕分けされた情報である、フランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48、技量判定情報50およびその他などが格納される。属性部62には項目部60に格納されたトレーニングや技量判定などについて、実習者毎の属性情報として履修の有無、その履修の場合であればその日時、場所および評価、その他履歴情報が格納される。
【0023】
<技量判定情報ファイル68−1>
図3のBは、第1の技量判定情報ファイル68−1を示している。この技量判定情報ファイル68−1は、技量判定情報50を格納しており、
図3のAの技量判定情
報50にリンクしている。
技量判定情報ファイル68−1には実習者識別情報に関係付けられた技量判定情報が格納されている。この技量判定情報ファイル68−1には識別情報部70、実習者名部72、日時部74、場所部76、使用機材部78、軸力基準値部80、検出軸力部82、ばらつき部84、評価部86が設定されている。
識別情報部70には既述の識別情報、実習者名部72には識別情報で特定される実習者名が格納される。日時部74には技量判定の基礎となったフランジ締付けトレーニングの日時、場所部76にはそのフランジ締付けトレーニングを実施した場所、使用機材部78にはそのフランジ締付けトレーニングに使用した機材を表す識別情報が格納される。軸力基準値部80には推奨される基準値情報が格納され、検出軸力部82にはフランジ締付けトレーニングにより使用機材の軸力センサーの検出軸力値が格納される。ばらつき部84には軸力基準値に対する検出軸力値のばらつきが格納される。評価部86には検出軸力の評価、合否情報が格納される。
【0024】
<検出軸力またはその平均値のばらつきの算出>
検出軸力をf、その基準値をfrとすれば、検出軸力f=f1、f2、・・・、fnのばらつきを±Δf(=±Δf1、±Δf2、・・・、±Δfn)は、
±Δf1=f1−fr ・・・(1)
±Δf2=f2−fr ・・・(2)
・・・
±Δfn=fn−fr ・・・(3)
より求めればよい。
検出軸力f(=f1、f2、・・・、fn)の平均値をfaとし、この検出軸力の加算値を、
n
Σ fi =f1+f2+・・・+fn ・・・(4)
i=1
とすれば、検出軸力fのたとえば、加算平均の平均値faは、
fa=(f1+f2+・・・+fn)÷n ・・・(5)
となる。この検出軸力fの平均値faのばらつきを±Δfaとすれば、ばらつき±Δfaは、
±Δfa=fa−fr ・・・(6)
より求めればよい。
検出軸力のばらつき±Δfまたは検出軸力の平均値のばらつき±Δfaはたとえば、±Δf=15%、±Δfa=15%とすればよい。
なお、基準値frは一定値、一定範囲または締付け段階で段階的に変更してもよい。
【0025】
<技量判定情報ファイル68−2>
図3のCは、第2の技量判定情報ファイル68−2を示している。この技量判定情報ファイル68−2において、
図3のBと同一部分には同一符号を付してある。検出軸力の評価には複数の検出軸力の平均値およびそのばらつきを用いてもよい。この技量判定情報ファイル68−2には検出軸力の平均値およびそのばらつきの値を格納している。
この技量判定情報ファイル68−2は、識別情報部70、実習者名部72、日時部74、場所部76、使用機材部78、軸力基準値部80、検出軸力部82、検出軸力の平均値部88、ばらつき部84、評価部86が設定されている。
識別情報部70、実習者名部72、日時部74、場所部76、使用機材部78、軸力基準値部80、検出軸力部82は技量判定情報ファイル68−1と同一であるので、その説明を割愛する。検出軸力の平均値部88に複数の検出軸力値の平均値が格納される。ばらつき部84には軸力基準値の平均値に対する
検出軸力値のばらつきが格納される。評価部86には検出軸力の平均値の評価、合否情報が格納される。
【0026】
<処理手順>
図4は、フランジ締付けトレーニングシステムの処理手順を示している。この処理手順はコンピュータによって実現されるプログラムの機能、コンピュータを併用するトレーニング方法の一例を示している。
図4において、「S」は処理または工程、「S」に付した番号は順序を示している。
【0027】
このトレーニングシステム2では初期化(S101)の後、トレーニング情報などの情報取込みを行う(S102)。この情報取込みの対象たる情報には、実習者情報44として実習者名および識別情報、フランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48、技量判定情報50が含まれる。
実習者情報44の取込みを契機に、実習者の経歴確認を行い(S103)、実習者のトレーニング管理情報ファイル56を生成する(S104)。このトレーニング管理情報ファイル56について、フランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48、技量判定情報50がなければ、これらの格納部は未充足となる。
このトレーニング管理情報ファイル56の生成の後、フランジ締付けトレーニング部4でのフランジ締付けトレーニングは修了しているかの確認を行う(S105)。フランジ締付けトレーニングが修了していれば(S105のYES)、S106、S107、S108をスキップし、S109に移行すればよい。フランジ締付けトレーニングが修了していなければ(S105のNO)、フランジ締付けトレーニング部4のカリキュラムに従ってフランジ締付けトレーニングを実施する(S106)。
【0028】
<フランジ締付けトレーニング>
トレーニング形態:複数の実習者を集合させた集合教育
トレーニング時間:一定時間たとえば、5分/全員
トレーニング機材:フランジ締付けトレーニング装置24の使用
トレーニング項目:a)フランジ上のボルトおよびナットの締付け手順の説
明
b)フランジ締付けに生じる弾性相互作用の説明
c)片締めの説明など
【0029】
このフランジ締付けトレーニングの実施中、トレーニング時間を監視し、フランジ締付けトレーニングが修了したかを判断し(S107)、フランジ締付けトレーニングが修了していなければ(S107のNO)、このフランジ締付けトレーニングを継続する(S106)。
このフランジ締付けトレーニングが修了すれば(S107のYES)、フランジ締付けトレーニングによって得られる情報を実習者に関係付けて取り込み、フランジ締付けトレーニング情報46としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S108)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S109)。情報提示は管理部10の情報提示部18の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。S105のYESからS109にスキップした場合には、同様に、既存情報の提示を情報提示部18の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0030】
このフランジ締付けトレーニングの修了後、締付け感覚トレーニング部6での締付け感覚トレーニングは修了しているかの確認を行う(S110)。締付け感覚トレーニングが修了していれば(S110のYES)、S111、S112、S113をスキップし、S114に移行すればよい。締付け感覚トレーニングが修了していなければ(S110のNO)、締付け感覚トレーニング部6のカリキュラムに従って締付け感覚トレーニングを実施する(S111)。
【0031】
<締付け感覚トレーニング>
トレーニング形態:全実習者について、実習者一人ずつの個人教育
トレーニング時間:一定時間たとえば、1分/人
トレーニング機材:トルク感覚トレーニング装置26の使用
トレーニング項目:a)手締め工具でのトルク感覚のトレーニング
b)その他、トルク感覚のトレーニング
【0032】
この締付け感覚トレーニングの実施中、トレーニング時間を監視し、締付け感覚トレーニングが修了したかを判断し(S112)、締付け感覚トレーニングが修了していなければ(S112のNO)、この締付け感覚トレーニングを継続する(S111)。
この締付け感覚トレーニングが修了すれば(S112のYES)、締付け感覚トレーニングによって得られる情報を実習者に関係付けて取り込み、締付け感覚トレーニング情報48としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S113)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S114)。情報提示は管理部10の情報提示部18の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。S110のYESからS114にスキップした場合には、同様に、既存情報の提示を情報提示部18の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0033】
この締付け感覚トレーニングの修了後、技量判定部8での技量判定は修了しているかの確認を行う(S115)。技量判定が修了していれば(S115のYES)、S116、S117、S118をスキップし、S119に移行すればよい。技量判定が修了していなければ(S115のNO)、技量判定部8のカリキュラムに従って技量判定を実施する(S116)。
【0034】
<技量判定>
技量判定形態:全実習者について、実習者一人ずつの技量判定
技量判定時間:一定時間たとえば、5分/人
技量判定機材:フランジ締付けトレーニング装置28の使用
このフランジ締付けトレーニング装置28はフランジ締付けトレーニング部4でのトレーニングに使用したフランジ締付けトレーニング装置24を使用してもよい。
技量判定および合否評価:a)締付け完了時の検出軸力のばらつきの評価
b)検出軸力またはその平均値が基準値のたとえば、±15%以内で合格とする。基準値は任意に変更可能とする。
【0035】
この技量判定の実施中、技量判定時間を監視し、技量判定が修了したかを判断し(S117)、技量判定が修了していなければ(S117のNO)、この技量判定を継続する(S116)。
この技量判定が修了すれば(S117のYES)、技量判定によって得られる技量判定情報を実習者に関係付けて取り込み、技量判定情報50としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S118)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S119)。情報提示は管理部10の情報提示部18の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。S115のYESからS119にスキップした場合には、同様に、既存情報の提示を情報提示部18の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0036】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) フランジ締付けトレーニング、締付け感覚トレーニングおよび技量判定を一連の処理として継続的に実施でき、トレーニングと技量判定を効率的にかつ迅速に行うことができる。
(2) フランジ締付けトレーニングおよび締付け感覚トレーニングを実施した技能者について、継続して技量判定を実施するので、トレーニングの成果が技量判定の結果に現れ、技能者にトレーニングの充足感および納得感を感得させることができる。
(3) 初心者だけでなく、経験を積んだ実習者についても、一連のフランジ締付けトレーニング、締付け感覚トレーニングおよび技量判定を実施することで、シール施工の技能スキルを短時間で高めることができる。
(4) 第1の実施の形態に例示した集合教育5分、締付け感覚トレーニング1分/人、全員実施の技量判定5分/人の設定とし、たとえば、10人の実習者を1グループ化して1時間程度のトレーニングおよび技量判定を行えば、1日80人程度のトレーニングおよび技量判定を実施でき、技量を向上させたシール施工の実習者教育を行うことができる。これらの数値は例示であり、斯かる数値に本発明が限定されるものではない。
【0037】
〔第2の実施の形態〕
<フランジ締付けトレーニングシステム>
図5のAは、第2の実施の形態に係るフランジ締付けトレーニングシステムを示している。
図5において、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態に係るトレーニングシステム2では、管理部10と接続される情報端末90が備えられる。この情報端末90は通信回線としてたとえば、インターネット92と有線または無線で接続される。
情報端末90は情報読取り部94および表示部96を有する。情報読取り部94は識別票98に表示された実習者の識別情報100を読み取ることができる。識別票98はたとえば、従業者カードなどでよい。識別情報100はたとえば、バーコードやQRコード(登録商標)などでよい。情報読取り部94はバーコードやQRコードなどのコード情報を読み取るバーコードリーダーやカメラなどでよい。表示部96にはたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられ、情報を画像で表示する。
【0038】
<トレーニング表示情報>
図5のBは、実習者の識別情報100に関係付けられたトレーニング表示情報102を示している。このトレーニング表示情報102は情報端末90の表示部96に展開される。
情報端末90が識別票98から識別情報100を読み取ると、これを契機に管理部10と連係される。情報端末90には管理部10からトレーニング管理情報ファイル56が提供される。このトレーニング管理情報ファイル56(
図3のA)は記憶部14に格納されている。この結果、表示部96には
図5のBに示すトレーニング表示情報102が表示される。
このトレーニング表示情報102にはトレーニング・履歴部104、結果部106、日時部108が設定されている。トレーニング・履歴部104には技量判定、トレーニング、シール施工歴などが表示される。結果部106にはトレーニング・履歴部104に表示されたトレーニングの結果情報が表示される。日時部108にはトレーニングやシール施工の日時情報が表示される。
【0039】
<処理手順>
図6は、第2の実施の形態に係るフランジ締付けトレーニングシステムの処理手順を示している。
この第2の実施の形態は既述の第1の実施の形態により、トレーニングシステム2の管理部10の記憶部14にトレーニング管理情報54が格納されていることが情報提示の前提となる。また、管理部10の通信部16と情報端末90の通信接続を確立させ、提示情報を情報端末90で受信できることが必要である。
【0040】
この処理手順では、情報端末90が管理部10との通信を確立させ(S201)、識別票98から実習者の識別情報100の読取りを行う(S202)。
情報端末90は読み取った識別情報100から登録された実習者であるか否かを判定し(S203)、実習者であれば(S203のYES)、提示情報の要求を行う(S204)。実習者でなければ(S203のNO)、この処理を終了する(S205)。
情報端末90は提示情報の要求かの判断を行い(S206)、提示情報の要求であれば(S206のYES)、提示情報の要求を管理部10に対して行う(S207)。
【0041】
管理部10は、提示情報の要求を受領し(S208)、情報端末90から提供された識別情報100の判別を行う(S209)。管理部10は識別情報100が適正であるかを判断し(S210)、適正でなければ(S210のNO)、この処理を終了する(S211)。
管理部10は識別情報100が適正であれば(S210のYES)、トレーニング管理情報54からトレーニング表示情報102の生成を行う(S212)。管理部10は生成したトレーニング表示情報102を情報提示要求に係る情報端末90に提供する(S213)。
情報端末90は、このトレーニング表示情報102を受領し(S214)、トレーニング表示情報102を表示部96に表示する(S215)。これにより、識別票98から認識した実習者ないし業務従事者について、トレーニング情報や技量判定情報を確認することができる。
【0042】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 実習者の識別情報100に関係付けられたトレーニング管理情報54から得られるトレーニング表示情報102を識別情報の読取りを契機に即座に表示することができる。
(2) 表示された提示情報は第1の実施の形態の実施で得たトレーニング情報および技量判定情報であり、シール施工の実施者つまり実習者のトレーニング歴や技量を確認することができ、シール施工の信頼性を高めることができる。
(3) 実習者は自己のトレーニング歴や技量を文書などで提示する必要がなく、たとえば、携行中の識別票98を以てトレーニング歴や技量を表示することができる。
(4) 管理者は実習者のトレーニング歴や技量を即座に確認でき、実習者との信頼性を高めることができる。斯かる関係の構築はシール施工の信頼性を向上させることができる。
【実施例1】
【0043】
<フランジ締付けトレーニングシステム>
図7は、実施例1に係るフランジ締付けトレーニングシステムを示している。
図7において
図2と同一部分には同一符号を付してある。
このフランジ締付けトレーニング部4はフランジ締付けトレーニング装置24を有する。このフランジ締付けトレーニング装置24は、締付け施工部110、データロガー112およびPC(パーソナルコンピュータ)114を有する。
締付け施工部110は実習者の便宜のため、基台116上に設置されている。データロガー112およびPC114は、実習者が確認しつつ、シール施工が可能な位置および高さに設定された基台118に設置されている。PC114は入力操作部120とともに、表示部122を有する。
【0044】
斯かる構成では、締付け施工部110のフランジ締付けによって得られる検出軸力がデータロガー112に収集され、PC114に提供される。データロガー112は、検出軸力の情報収集部の一例である。PC114は情報処理装置の一例であり、既述のフランジ上のボルトおよびナットの締付け手順、フランジ締付けに生じる弾性相互作用、片締めなどの説明のための情報処理に利用される。
【0045】
締付け感覚トレーニング部6は締付け感覚としてトルク感覚を体得するためのトルク感覚トレーニング装置26を有する。このトルク感覚トレーニング装置26は、基台124の頂部に締付け工具を操作するための装置本体部126を有する。
技量判定部8はフランジ締付けトレーニング装置28を有する。このフランジ締付けトレーニング装置28には既述のフランジ締付けトレーニング装置24と同様の構成であるので、同一符号を付してその説明を割愛する。
そして、技量判定部8はPC114および装置本体部126と有線または無線で連係されるサーバー装置130を有する。このサーバー装置130は装置本体部131、入力操作部134および表示部136を有する。装置本体部131はサーバーコンピュータを構成し、入力操作部134にはキーボード、マウス、タッチパネルなどのユーザーインターフェイスが含まれる。表示部136は文字および画像表示部としてたとえば、LCDを有する。表示部136の表示画面は入力操作部134のタッチパネルを有すればよい。
【0046】
<フランジ締付けトレーニング装置24、28>
図8は、フランジ締付けトレーニング装置24、28のハードウェアを示している。
締付け施工部110は配管部138、140を連結するフランジ継手142を有する。フランジ142−1、142−2にはガスケット144が挟み込まれ、フランジ142−1、142−2の周縁部に一定の間隔で貫通させた複数のボルト146にナット148が取り付けられている。各ボルト146およびナット148は手工具152を用いて締付けられ、フランジ142−1、142−2の間にガスケット144を圧接させ、フランジ継手142のシールが行える。
【0047】
各ボルト146は軸力を検出するセンサー154(=154−1、154−2、・・・、154−8)を有する。各センサー154−1、154−2、・・・、154−8の検出軸力はデータロガー112を経てサーバー装置130に取り込まれ、検出軸力の評価が行われる。このサーバー装置130は処理部132、記憶部133、入力操作部134、通信部135および表示部136を有する。処理部132は既述の制御部12(
図1)の一例であり、記憶部133は既述の記憶部14の一例である。入力操作部134は既述の入力操作部20(
図1)の一例であり、表示部136は情報提示部18の一例である。このサーバー装置130は通信部135を有しており、有線または無線によりフランジ締付けトレーニング部4のPC114、技量判定部8のPC114、トルク感覚トレーニング装置26などに接続され、情報交換のための通信に用いられる。
【0048】
<トルク感覚トレーニング装置26>
図9のAは、このトルク感覚トレーニング装置26を示している。トルク感覚トレーニング装置26は実習者に締付け特性や力加減を体得させ、ボルトの締付け作業にばらつきがなくなるまで反復トレーニングを実施させる機能を有する。このトルク感覚トレーニング装置26には締付け手工具から加えられるトルク値を測定する機器として、たとえばラインチェッカーを用いればよい。この装置本体部126は前面にソケット口156および表示部158を有し、その上部にリセットスイッチ160を有する。ソケット口156には締付け手工具としてたとえば、ハンドスパナなどが挿抜される。
このトルク感覚トレーニング装置26は
図9のBに示すように、トルクセンサー162、制御部164、通信部166および表示部158を有する。トルクセンサー162は、ソケット口156に手工具から加えられるトルクを検出する。制御部164はコンピュータで構成される。この制御部164はリセットスイッチ160の押下でリセットされ、トルクセンサー162の検出トルクを取り込み、表示部158を制御する。これにより、表示部158にはトルクセンサー162に検出されたトルク値が表示される。この表示部158は文字および画像表示部としてたとえば、LCDを有する。通信部166には実習者の識別情報に関係付けられた検出情報を、有線または無線により管理部10のサーバー装置130に送出する。
【0049】
このトルク感覚トレーニング装置26は、リセットスイッ
チ160を押下して駆動させ、ソケット口156に取り付けられた手工具に実習者がトルクを加えると、そのトルク値が表示部158に表示される。この表示値と手工具から付与したトルクとの関係から、実習者はトルク感覚を感得することができる。
【0050】
<サーバー装置130のハードウェア>
図10はサーバー装置130のハードウェアを示している。このサーバー装置130の装置本体部131はプロセッサ168、記憶部170、入出力部172、通信部174を有する。入出力部172には入力操作部134および表示部136が接続される。
このサーバー装置130にはフランジ締付けトレーニング装置24、28のPC114およびトルク感覚トレーニング装置26の制御部164が有線または無線により接続される。
【0051】
<情報端末90、識別票98および情報表示>
図11のAは、情報端末90による識別票98から実習者の識別情報100の読取りを示している。
識別票98は、実習者が携行するたとえば、ICカードである。この識別票98に格納されている識別情報100は、情報端末90に搭載されているたとえば、カメラ176で読み取ることができる。
図11のBは、識別票98の一例であり、この例では、実習者の写真178とともに識別情報100が表示されている。この識別情報100は一例としてバーコードである。この場合、写真178を識別情報100として利用してもよい。
【0052】
図11のCに示すように、情報端末90はカメラ176、表示部96および入力操作部180を有する。カメラ176では、実習者が携行している識別票98の識別情報100を撮影することができる。情報端末90は、カメラ176に加え、バーコードやその他のコードを読み取ることができるコードリーダーを有してもよい。表示部96の表示画面は入力操作などに用いられるタッチパネル182を有する。
【0053】
この情報端末90はたとえば、
図12のAに示すように、コンピュータで構成されており、プロセッサ184、記憶部186、入出力部188、通信部190、タッチパネル182、カメラ176などを有する。プロセッサ184は記憶部186にあるOSやプログラムを実行することにより、カメラ176による識別情報100の読取り制御、識別情報100に関係付けられた表示情報の取得、表示制御などを実行する。
通信部190はプロセッサ184の制御により、管理部10と無線または有線により通信接続を行い、記憶部186にあるトレーニング管理情報54から表示情報を取得する。
【0054】
図12のBは、情報端末90の表示部96に表示される画面表示の一例を示している。実施例1に係る画面表示では、トレーニング情報表示テーブル192が生成される。トレーニング情報表示テーブル192は内容部194、結果部196および日時部198を有する。
内容部194には表示項目として、「フランジ締結技量判定結果」、「基礎講習」、「実技講習」および「作業履歴」が表示されている。「フランジ締結技量判定結果」は既述の技量判定結果に相当する。「基礎講習」はフランジ締付けトレーニングに相当し、「実技講習」は締付け感覚トレーニングに相当する。「作業履歴」は、シール施工に従事したことを表す経歴情報である。
結果部196には判定結果、実施の有無、シール施工を行った現場などの情報が格納される。この例では、「フランジ締結技量判定結果」について、合格を表す「PASS」が表示されている。「基礎講習」および「実技講習」には実施の修了を表す「実施済み」が表示されている。「作業履歴」には作業を行った事業所、機材などの情報が表示されている。そして、日時部198には内容部194および結果部196に対応する日時が表示されている。
【0055】
<処理手順>
この実施例1について、締付けトレーニングおよび技量判定の処理手順は第1の実施の形態(
図4)と同様の処理となるので、その説明を割愛する。
また、実習者の識別情報に関係付けられた情報確認についても、その処理手順は第2の実施の形態(
図6)と同様の処理となるので、その説明を割愛する。
【0056】
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、次の効果が得られる。
(1) フランジ締付けトレーニングについて、フランジ締付けに必要な基礎講習および実技講習に引き続いて技量判定を行うことができ、これらトレーニングおよび技量判定を管理部10のサーバー装置130で効率的に管理することができる。
(2) トレーニングおよび技量判定について、説明上、フランジ締付けトレーニング部4にフランジ締付けトレーニング装置24を配置し、技量判定部8にフランジ締付けトレーニング装置28を配置しているが、これら装置24、28は同一装置とすることができる。つまり、トレーニングで用いた装置24により技量判定を実施でき、このように装置24、28の共通化は実習者の便宜だけでなく、トレーニング施設の簡略化とともに実習者の技量の習熟性を高めることができる。
(3) 管理部10では一連のトレーニングのスケジューリング、フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6および技量判定部8で得られる各情報を実習者の識別情報100に関係付けて一元管理でき、この一元管理処理の迅速化、各トレーニングおよび技量判定の情報を関係付けての総合的評価などをすることができる。そして、この情報を実習者にフィードバックでき、トレーニングの成果を高めることができる。
【0057】
(4) 実施例1では、管理部10のサーバー装置130を独立した構成としたが、締付け感覚トレーニング部6のPC114と一体化した構成としてもよく、斯かる構成ではシステムのコンパクト化を図ることができる。
(5) 実習者や施工者について、フランジ締付けのトレーニングや技量判定の確認は、情報端末90を用いて確認できる。管理者は施工現場で容易かつ迅速にトレーニング歴や技量を確認でき、シール施工の信頼性を高めることができる。
(6) このように実施例1のトレーニングシステムによれば、技量判定だけでなく、トレーニングも実施でき、シール施工の従事者の施工スキルを向上させることができる。
(7) シール施工の技量やトレーニングの受講歴など、従事者に関わる情報は、従事者が携行する識別票98の識別情報100に関係付けられて記録されており、この情報は識別票98の識別情報100を用いて情報端末90で容易に取得、確認でき、情報の共通化および可視化を図ることができる。この結果、プラント間での教育コストの低減、トレーニング歴および技量に応じた従事者の最適配置などに寄与し、結果として、シール施工の効率化および信頼性向上を図ることができる。
(8) 情報端末90は専用端末でもよいが、スマートフォンなどを用いてもよく、必要なセキュリティ対策を施し、情報漏洩を防止することができる。
【実施例2】
【0058】
<締付け感覚トレーニング部6>
図13は、実施例2に係る締付け感覚トレーニング部6を示している。
図13において、
図7と共通する部分には共通の符号を付し、その説明を割愛する。実施例1では締付け感覚トレーニング部6にトルク感覚トレーニング装置26を設置しているが、締付け感覚トレーニングはトルク感覚トレーニングに限定されない。
この実施例2では実習者に締付け感覚を体得させるための締付け感覚トレーニング部6のトレーニング内容を拡張する仕組みとして、シール性トレーニング装置200、圧縮破壊トレーニング装置202、狭隘現場模擬施工トレーニング装置204を有する。
【0059】
シール性トレーニング装置200は、過度な締付けや締付け不足の際の不具合を確認するためのトレーニングを実施する。このシール性トレーニング装置200では、締付け施工部110のフランジ継手142による閉塞部に圧力ゲージ206および空気源208が接続されている。フランジ142−1、142−2はシールに必要なガスケット面圧よりも低い面圧に締付けられる。圧力ゲージ206で圧力が調節された締付け施工部110から空気漏れが生じることを確認させ、締付け施工部110には最適な締付け条件を設定することの必要性をトレーニングする。
このシール性トレーニング装置200のトレーニング条件やトレーニング結果を含むトレーニング情報は実習者の識別情報100に関係付けられてPC114に入力され、このPC114を通じてサーバー装置130に入力される。
【0060】
圧縮破壊トレーニング装置202は実習者に過度な締付けを行ったときの問題を体験させ、その現象を理解させる機能を有する。
この場合、ガスケットの温度特性であるクリープ現象、配管のアライメントの再現など、回避すべき課題について、締付け施工部110を用いてトレーニングする。
この圧縮破壊トレーニング装置202のトレーニング条件やトレーニング結果を含むトレーニング情報は実習者の識別情報100に関係付けられてPC114に入力され、このPC114を通じてサーバー装置130に入力される。
【0061】
狭隘現場模擬施工トレーニング装置204では高所や足場の狭い現場環境、締付け対象以外の配管などの存在を想定し、施工現場が狭隘な環境を再現し、実習者に締付けに必要な技能を体得させるトレーニングを実施する。この例では、フレーム209が狭隘環境を再現ししており、作業台210が狭小足場を再現している。
この狭隘現場模擬施工トレーニング装置204の現場状況、トレーニング条件およびトレーニング結果などを含むトレーニング情報は実習者の識別情報100に関係付けられてPC114に入力され、このPC114を通じてサーバー装置130に入力される。
【0062】
<トレーニング管理情報>
図14はトレーニング管理情報ファイル56を示している。このトレーニング管理情報ファイル56には実習者部58、項目部60および属性部62が備えられる。
実習者部58は実習者名部64および識別情報部66を有するなど、実習者情報44が格納される。実習者名部64にはトレーニングの実習者名が格納され、所属などの属性情報を格納してよい。識別情報部66には実習者を特定するID情報が格納される。項目部60にはトレーニングカテゴリなどが格納され、この例ではフランジ締付けトレーニング情報46、締付け感覚トレーニング情報48として、トルク感覚トレーニング情報48−1、シール性トレーニング情報48−2、圧縮破壊トレーニング情報48−3、狭隘現場模擬トレーニング情報48−4とともに、技量判定情報50およびその他などが格納される。
【0063】
<締付け感覚トレーニングの処理手順>
図15は、実施例2に係る締付け感覚トレーニングの処理手順を示している。この処理手順は、締付け感覚トレーニング(
図4のS110〜S113)に代わる処理である。この締付け感覚トレーニングではトレーニング形態が全実習者に対し、実習者一人ずつの個人教育を実施する。この締付け感覚トレーニングには、
a)トルク感覚トレーニング
b)シール性トレーニング
c)圧縮破壊トレーニング
d)狭隘現場模擬トレーニング
が含まれる。従って、この処理手順にはトルク感覚、シール性、圧縮破壊または狭隘現場模擬を選択する工程が含まれる。締付け感覚トレーニングに移行すると、トルク感覚、シール性、圧縮破壊または狭隘現場模擬の選択を行う(S301)。
【0064】
<トルク感覚トレーニング>
この処理手順例ではトルク感覚トレーニングが優先的に先行している。そこで、トルク感覚トレーニングが修了しているかを判断する(S302)。トルク感覚トレーニングが修了していなければ(S302のNO)、このトルク感覚トレーニングを実施する(S303)。
トルク感覚トレーニングの実施中、トレーニング時間を監視し、トルク感覚トレーニングが修了したかを判断し(S304)、トルク感覚トレーニングが修了していなければ(S304のNO)、このトルク感覚トレーニングを継続する(S303)。
このトルク感覚トレーニングが修了すれば(S304のYES)、トルク感覚トレーニングによって得られる情報を実習者に関係付けて取り込み、トルク感覚トレーニング情報としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S305)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S306)。情報提示は管理部10の表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。
既に、トルク感覚トレーニングが修了していた場合(S302のYES)、S302のYESからS306にスキップした場合にも同様に、既存情報の提示を表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0065】
<シール性トレーニング>
トルク感覚トレーニングの修了後、シール性トレーニングが修了しているかを判断し(S307)、シール性トレーニングが修了していなければ(S307のNO)、このシール性トレーニングを実施する(S308)。
このシール性トレーニングの実施中、トレーニング時間を監視し、シール性トレーニングが修了したかを判断し(S309)、シール性トレーニングが修了していなければ(S309のNO)、このシール性トレーニングを継続する(S308)。
このシール性トレーニングが修了すれば(S309のYES)、シール性トレーニングによって得られる情報を実習者に関係付けて取り込み、シール性トレーニング情報としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S310)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S311)。情報提示は管理部10の表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。
既に、シール性トレーニングが修了していた場合(S307のYES)、S307のYESからS311にスキップした場合にも同様に、既存情報の提示を表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0066】
<圧縮破壊トレーニング>
シール性トレーニングの修了後、圧縮破壊トレーニングが修了しているかを判断し(S312)、圧縮破壊トレーニングが修了していなければ(S312のNO)、圧縮破壊トレーニングを実施する(S313)。
この圧縮破壊トレーニングの実施中、トレーニング時間を監視し、圧縮破壊トレーニングが修了したかを判断し(S314)、圧縮破壊トレーニングが修了していなければ(S314のNO)、この圧縮破壊トレーニングを継続する(S313)。
この圧縮破壊トレーニングが修了すれば(S314のYES)、圧縮破壊トレーニングによって得られる情報を実習者に関係付けて取り込み、圧縮破壊トレーニング情報としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S315)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S316)。情報提示は管理部10の表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。
既に、圧縮破壊トレーニングが修了していた場合(S312のYES)、S312のYESからS316にスキップした場合にも同様に、既存情報の提示を表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0067】
<狭隘現場模擬トレーニング>
圧縮破壊トレーニングの修了後、狭隘現場模擬トレーニングが修了しているかを判断し(S317)、狭隘現場模擬トレーニングが修了していなければ(S317のNO)、この狭隘現場模擬トレーニングを実施する(S318)。
狭隘現場模擬トレーニングの実施中、トレーニング時間を監視し、狭隘現場模擬トレーニングが修了したかを判断し(S319)、狭隘現場模擬トレーニングが修了していなければ(S319のNO)、この狭隘現場模擬トレーニングを継続する(S318)。
この狭隘現場模擬トレーニングが修了すれば(S319のYES)、狭隘現場模擬トレーニングによって得られる情報を実習者に関係付けて取り込み、狭隘現場模擬トレーニング情報としてトレーニング管理情報ファイル56に格納し(S320)、記憶部14に保存する。この情報格納の後、提示情報の生成および情報提示を行う(S321)。情報提示は管理部10の表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者への確認の便宜を図る。
既に、狭隘現場模擬トレーニングが修了していた場合(S317のYES)、S317のYESからS321にスキップした場合にも同様に、既存情報の提示を表示部136の表示画面に画像で表示し、実習者および管理者の確認の便宜を図る。
【0068】
<実施例2の効果>
この実施例2によれば、次の効果が得られる。
(1) 締付け感覚について、トルク感覚、シール性、圧縮破壊、狭隘現場模擬などを多面的にトレーニングすることができる。
(2) 実習者や現場によってはトルク感覚のみで充分であれば、優先的に先行するトルク感覚のみをトレーニングし、締付け感覚トレーニングを修了させることができる。トルク感覚の他、シール性、圧縮破壊、狭隘現場模擬の何れか二以上を選択的にトレーニングすることができる。
(3) トレーニング順序についても、任意に選択することができる。
(4) 各トレーニング中、時間を監視し、所定時間に各トレーニングを修了させ、迅速かつ的確なトレーニングを実施できる。
【0069】
〔他の実施の形態〕
本発明の実施の形態には次のようなバリエーションが含まれる。
(1) フランジ締付けトレーニングシステム2において、フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6、技量判定部8および管理部10を一か所で集中管理することが可能であり、また、有効であるが、フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6、技量判定部8を各地に分散させ、各部で得られたトレーニング情報を管理部10にインターネットなどの回線を通じて伝送して管理する形態であってもよい。
(2) フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6、技量判定部8で得られるトレーニング情報は自動的にPCに取り込むことは有効であるが、管理者の手入力でのデータ管理であってもよい。
(3) 情報端末90は専用の処理端末でよいが、スマートフォンやタブレット端末などであってもよい。
【0070】
(4) 識別票98は従業者が携行するICカードに限定されるものではなく、スマートフォン、手帳、時計などであってもよい。
(5) 管理部10は、フランジ締付けトレーニング部4、締付け感覚トレーニング部6および技量判定部8の全てに連係しているが、これら何れかまたは二以上と連係してトレーニングを管理してもよい。
(6) 技量判定部8はフランジ締付けトレーニング部4で得られたトレーニング情報から技量を判定しているが、その他のトレーニングで得られたトレーニング情報を勘案して技量を判定してもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。