特許第6953699号(P6953699)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の特許一覧
特許6953699光学装置の製造方法、光学装置の製造装置
<>
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000002
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000003
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000004
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000005
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000006
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000007
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000008
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000009
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000010
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000011
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000012
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000013
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000014
  • 特許6953699-光学装置の製造方法、光学装置の製造装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6953699
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】光学装置の製造方法、光学装置の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/447 20060101AFI20211018BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20211018BHJP
   H04N 1/036 20060101ALI20211018BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   B41J2/447 101A
   B41J2/45
   H04N1/036
   B41J2/447 101P
   G03G15/04 111
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-198123(P2016-198123)
(22)【出願日】2016年10月6日
(65)【公開番号】特開2018-58287(P2018-58287A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 旭彦
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 洋介
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5293872(JP,B1)
【文献】 特開2007−241022(JP,A)
【文献】 特開2008−080758(JP,A)
【文献】 特開平05−323230(JP,A)
【文献】 特開2010−131816(JP,A)
【文献】 特開2007−237587(JP,A)
【文献】 特開2004−082467(JP,A)
【文献】 特開2014−113747(JP,A)
【文献】 特開2002−225339(JP,A)
【文献】 特開2012−061666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
B41J 2/45
H04N 1/036
G03G 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に形成されている開口部に、光が透過する光学部材を挿入する挿入工程と、
前記光学部材と前記筐体との間に、接着剤を付与する付与工程と、
前記開口部に挿入されている前記光学部材の形状を、矯正治具を用いて前記筐体を介して矯正する矯正工程と、
前記矯正治具によって、前記光学部材の形状が矯正されている状態で、前記接着剤を硬化させて前記光学部材を前記筐体に取り付ける硬化工程と、
前記接着剤が硬化した状態で、前記矯正治具による、前記光学部材に対する矯正状態を解除する解除工程と、
を備える光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、
前記矯正工程では、前記矯正治具によって、前記一方向とは異なると共に光が前記光学部材を透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において間隔を空けて複数箇所で、前記筐体を介して前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正する請求項1に記載の光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、
前記矯正工程では、前記矯正治具によって、前記光学部材に光が透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において前記光学部材の一端部から他端部まで、前記筐体を介して前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正する請求項1に記載の光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記筐体の前記開口部の縁部には、前記接着剤が付与される凹状の付与部が形成されており、
前記付与工程では、前記付与部に前記接着剤を付与する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学装置の製造方法。
【請求項5】
筐体に形成された開口部に、光が透過する光学部材が挿入された状態で、前記筐体を介して前記光学部材の形状を矯正する矯正治具と、
前記矯正治具を、前記光学部材の形状を矯正する矯正位置と、前記光学部材の形状の矯正を解除する解除位置と、に移動する移動部材と、
前記移動部材を制御し、前記開口部に、前記光学部材が挿入されている状態で、前記矯正治具を前記解除位置から前記矯正位置に移動させ、前記矯正治具によって形状が矯正されている前記光学部材と前記筐体とを接着する接着剤が硬化した状態で、前記矯正治具を前記矯正位置から前記解除位置に移動させる制御部と、
を備える光学装置の製造装置。
【請求項6】
前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、
前記矯正治具は、前記光学部材に光が透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において間隔を空けて複数箇所で、前記筐体を介して前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正する請求項5に記載の光学装置の製造装置。
【請求項7】
前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、
前記矯正治具は、前記光学部材に光が透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において前記光学部材の一端部から他端部まで、前記筐体を介して前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正する請求項5に記載の光学装置の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置の製造方法及び光学装置の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数個の発光素子アレイチップが主走査方向に直線状に配列されているヘッド基板の上方に、上部にロッドレンズアレイが挿入される矩形状の枠体を有したハウジングを配設してなる光プリンタヘッドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−225339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、形状が矯正された状態で、接着剤を用いて筐体に取り付けられている光学部材を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様に係る光学装置の製造方法は、筐体に形成されている開口部に、光が透過する光学部材を挿入する挿入工程と、前記光学部材と前記筐体との間に、接着剤を付与する付与工程と、前記開口部に挿入されている前記光学部材の形状を、矯正治具を用いて矯正する矯正工程と、前記矯正治具によって、前記光学部材の形状が矯正されている状態で、前記接着剤を硬化させて前記光学部材を前記筐体に取り付ける硬化工程と、前記接着剤が硬化した状態で、前記矯正治具による、前記光学部材に対する矯正状態を解除する解除工程と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の第2態様に係る光学装置の製造方法は、第1態様の光学装置の製造方法において、前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、前記矯正工程では、前記矯正治具によって、前記一方向とは異なると共に光が前記光学部材を透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において間隔を空けて複数箇所で、前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正することを特徴とする。
【0007】
本発明の第3態様に係る光学装置の製造方法は、第1態様の光学装置の製造方法において、前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、前記矯正工程では、前記矯正治具によって、前記光学部材に光が透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において前記光学部材の一端部から他端部まで、前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正することを特徴とする。
【0008】
本発明の第4態様に係る光学装置の製造装置は、筐体に形成された開口部に、光が透過する光学部材が挿入された状態で、前記光学部材の形状を矯正する矯正治具と、前記矯正治具を、前記光学部材の形状を矯正する矯正位置と、前記光学部材の形状の矯正を解除する解除位置と、に移動する移動部材と、前記移動部材を制御し、前記開口部に、前記光学部材が挿入されている状態で、前記矯正治具を前記解除位置から前記矯正位置に移動させ、前記矯正治具によって形状が矯正されている前記光学部材と前記筐体とを接着する接着剤が硬化した状態で、前記矯正治具を前記矯正位置から前記解除位置に移動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第5態様に係る光学装置の製造装置は、第4態様の光学装置の製造装置において、前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、前記矯正治具は、前記光学部材に光が透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において間隔を空けて複数箇所で、前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正することを特徴とする。
【0010】
本発明の第6態様に係る光学装置の製造装置は、第4態様の光学装置の製造装置において、前記開口部、及び前記光学部材は、一方向に延び、前記矯正治具は、前記光学部材に光が透過する方向に対して交差する方向から、前記一方向において前記光学部材の一端部から他端部まで、前記光学部材を挟むことで、前記光学部材の形状を矯正することを特徴とする。
【0011】
本発明の第7態様に係る露光装置は、一方向に延びる開口部が形成されている筐体と、前記一方向に延び、前記開口部に挿入されると共に光が透過する光学部材と、前記光学部材の形状が矯正された状態で、前記光学部材を前記筐体に接着して取り付けている接着剤と、前記筐体に取り付けられ、光を発光すると共に発光した光が前記光学部材を透過する発光素子が、実装されている実装基板と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第8態様に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を露光して静電潜像を形成する第7態様の露光装置と、前記露光装置が形成した静電潜像を現像する現像装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様の光学装置の製造方法によれば、形状が矯正された状態で、接着剤を用いて筐体に取り付けられている光学部材を得ることができる。
【0014】
本発明の第2態様の光学装置の製造方法によれば、光が光学部材を透過する方向から見て、矯正治具が千鳥状に光学部材を拘束している場合と比して、光学部材の形状を高精度で矯正することができる。
【0015】
本発明の第3態様の光学装置の製造方法によれば、光学部材を部分的に一箇所で挟む場合と比して、光学部材の形状を高精度で矯正することができる。
【0016】
本発明の第4態様の光学装置の製造装置によれば、形状が矯正された状態で、接着剤を用いて筐体に取り付けられている光学部材を得ることができる。
【0017】
本発明の第5態様の光学装置の製造装置によれば、光が光学部材を透過する方向から見て、矯正治具が千鳥状に光学部材を拘束している場合と比して、光学部材の形状を高精度で矯正することができる。
【0018】
本発明の第6態様の光学装置の製造装置によれば、光学部材を部分的に一箇所で挟む場合と比して、光学部材の形状を高精度で矯正することができる。
【0019】
本発明の第7態様の露光装置によれば、形状が矯正された状態で、接着剤を用いて筐体に取り付けられている光学部材を得ることができる。
【0020】
本発明の第8態様の画像形成装置によれば、第7態様の露光装置を備えていない場合と比して、出力画像の品質低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法に用いられる露光装置の製造装置を示した斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法に用いられる露光装置の製造装置を示した斜視図である。
図3】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法を示した工程図である。
図4】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法を示した工程図である。
図5】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法を示した工程図である。
図6】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法を示した工程図である。
図7】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る露光装置の製造方法を示した工程図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る露光装置を示した拡大斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る露光装置を示した斜視図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る露光装置を示した分解斜視図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る露光装置の製造方法に用いられる露光装置の製造装置を示した斜視図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る露光装置の製造方法に用いられる露光装置の製造装置を示した斜視図である。
図14】(A)(B)本発明の第3実施形態に係る露光装置の製造方法を示した工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る光学装置の製造方法、光学装置の製造装置、露光装置、及び画像形成装置の一例について図1図11に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0023】
(全体構成)
図11に示されるように、画像形成装置10の装置本体10Aには、転写ユニット32を構成すると共に、複数のローラ12に張架され、モータ(図示省略)の駆動により矢印A方向に周回される無端ベルト状の中間転写体ベルト14が設けられている。
【0024】
この画像形成装置10は、カラー画像の形成に対応しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応するトナー画像を形成する画像形成ユニット28Y、28M、28C、28Kが、中間転写体ベルト14の周回方向に沿って配置され、装置本体10Aに脱着可能に支持されている。
【0025】
なお、各色に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0026】
〔画像形成ユニット〕
画像形成ユニット28は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって時計方向へ回転する像保持体16を備えている。さらに、像保持体16の周面には、像保持体16の表面を所定の電位に一様に帯電させる帯電ローラ18が配置されている。
【0027】
また、像保持体16の回転方向において帯電ローラ18よりも下流側には、像保持体16上に光を照射して静電潜像を形成する露光装置20が像保持体16の軸方向に延びている。この露光装置20は、画像データに応じて光ビームを像保持体16に照射することにより、像保持体16上に静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置20については詳細を後述する。
【0028】
さらに、像保持体16の回転方向において露光装置20よりも下流側には、像保持体16上に形成された静電潜像を所定色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)のトナーによって現像してトナー画像を形成させる現像装置22が配置されている。
【0029】
〔転写ユニット〕
像保持体16の回転方向において現像装置22よりも下流側には、転写ユニット32を構成する転写ローラ30が、中間転写体ベルト14を挟んで像保持体16の反対側に配置されている。
【0030】
これに対して、中間転写体ベルト14の周回方向において各色の像保持体16よりも下流側には、対向する2つのローラ34A、34Bを含んで構成される転写装置34が配置されている。そして、画像形成装置10の底部に設けられた用紙トレイ36から取り出されて、このローラ34A、34Bの間に搬送されてきた記録媒体としてのシート部材Pに、中間転写体ベルト14上に形成された最終トナー画像が転写されるようになっている。
【0031】
〔定着ユニット〕
また、最終トナー画像が転写されたシート部材Pの搬送経路には、定着装置40が設けられている。定着装置40に搬送されたシート部材Pは、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとによって挟持搬送されることにより、シート部材P上のトナーが、溶融すると共にシート部材Pに圧着されてシート部材Pに定着されるようになっている。
【0032】
(全体構成の作用)
この画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0033】
先ず、帯電ローラ18が、像保持体16の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電する。さらに、帯電された像保持体16上の画像部分が予定の露光部電位になるように露光装置20で露光を行ない像保持体16上に静電潜像が形成される。そして、回転する像保持体16上の静電潜像が現像装置22によってトナー画像として可視化される。
【0034】
可視化された各色のトナー画像は、転写ローラ30の静電気力で中間転写体ベルト14へ順次転写され、中間転写体ベルト14上にカラーの最終トナー画像が形成される。
【0035】
この最終トナー画像は転写装置34に設けられたローラ34A、34Bの間に送り込まれる。そして、この最終トナー画像は、用紙トレイ36から取り出されてローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート部材Pに転写される。
【0036】
さらに、シート部材Pへ転写されたトナー画像は定着装置40でシート部材Pに定着され、シート部材Pは装置外へ排出される。
【0037】
(要部構成)
次に、露光装置20の構成、露光装置の製造装置、及び露光装置の製造方法について説明する。
【0038】
〔露光装置の構成〕
露光装置20は、LEDプリントヘッドであって、装置奥行方向に延び、図11に示されるように、像保持体16の下方に配置されている。そして、露光装置20は、図9図10に示されるように、実装基板50と、光学部材の一例としてのレンズアレイ54と、実装基板50、及びレンズアレイ54が取り付けられている筐体58とを備えている。さらに、露光装置20は、レンズアレイ54を筐体58に取り付けるための接着剤82と、レンズアレイ54と筐体58との間を封止する封止剤84とを備えている。この露光装置20は、光学装置の一例である。
【0039】
[実装基板]
実装基板50は、プリント配線基板であって、装置奥行方向に延びている。そして、実装基板50は、図7(B)、図10に示されるように、基板本体52と、基板本体52に実装されている発光ダイオードアレイ62と、基板本体52に実装されている電子部品64とを備えている。
【0040】
基板本体52は、板面が上下方向を向くように配置され、上方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。
【0041】
発光ダイオードアレイ62は、発光素子の一例であって、基板本体52の上方を向いた面に、装置奥行方向に延びるように、千鳥状に実装されている。
【0042】
電子部品64は、基板本体52の下方を向いた面に実装され、発光ダイオードアレイ62の発光を制御するようになっている。
【0043】
[レンズアレイ]
レンズアレイ54は、図9図10に示されるように、実装基板50の上方に配置され、装置奥行方向(一方向の一例)に延びる直方体状とされている。そして、レンズアレイ54は、装置奥行方向に延びるように、千鳥状に配置されている複数のロッドレンズ56を備えている。光がこのロッドレンズ56を透過する方向は、装置上下方向とされている。
【0044】
また、本実施形態では、レンズアレイ54が筐体58に取り付けられておらず、かつ、荷重が負荷されていない、自由状態で、レンズアレイ54には、1.5°程度の小さな捻れが生じている。この場合のレンズアレイ54の捻れとは、レンズアレイ54の長手方向に対して直交する断面において、レンズアレイ54の一端から他端までの間で、レンズアレイ54が傾くように変化する変形である。なお、各図において、レンズアレイ54の捻れについては、捻れが小さいため省略する。
【0045】
この構成において、後述する筐体58に、レンズアレイ54、及び実装基板50が取り付けられた状態で、レンズアレイ54のロッドレンズ56と発光ダイオードアレイ62とが対向する。さらに、レンズアレイ54の上方側の部分は、筐体58から突出する。そして、発光ダイオードアレイ62から出射された光は、ロッドレンズ56を透過し、像保持体16(図11参照)に結像するようになっている。
【0046】
[筐体]
筐体58は、樹脂材料で一体的に形成され、図9図10に示されるように、装置奥行方向に延びている。また、筐体58には、装置奥行方向に延び、上下方向に貫通すると共に、レンズアレイ54の下方側の部分が挿入されている貫通孔74が形成されている。換言すれば、レンズアレイ54の下方側の部分が挿入される開口部78が、貫通孔74によって形成されている。そして、筐体58は、実装基板50が取り付けられている本体部70と、レンズアレイ54を保持しているレンズ保持部76とを有している。
【0047】
本体部70には、図3(A)(B)に示されるように、貫通孔74を囲むと共に下方を向いた段部70Aが形成されている。そして、実装基板50の外周側の部分が、この段部70Aに接触した状態で、実装基板50が、図示せぬ接着剤等によって、筐体58に取り付けられるようになっている(図7(B)参照)。
【0048】
レンズ保持部76には、開口部78を構成すると共に、レンズアレイ54を装置幅方向から挟む一対の内壁面76Aが形成されている。さらに、レンズ保持部76には、装置幅方向の外側(レンズアレイ54の反対側)を向く一対の外壁面76Bが形成されている。また、レンズ保持部76には、上方を向いた上向き面76Cが形成されている。
【0049】
この上向き面76Cには、図7(B)、図10に示されるように、レンズアレイ54を筐体58に取り付けるための接着剤82が付与される付与部80が、複数形成されている。
【0050】
具体的には、付与部80は、貫通孔74を挟んで、装置幅方向に対向するように形成され、対向した一対の付与部80が、装置奥行方向に間隔を空けて複数配置されている。そして、夫々の付与部80は、上方側の部分が開いたテーパー形状とされている。
【0051】
この構成において、レンズアレイ54の下方側の部分を、筐体58の開口部78に挿入し、レンズアレイ54を筐体58に取り付ける前の状態では、図3(B)に示されるように、装置幅方向において、内壁面76Aとレンズアレイ54との間に隙が生じている。
【0052】
[接着剤・封止剤]
接着剤82は、紫外線硬化型の接着剤である。この接着剤82は、図6(B)、図9に示されるように、筐体58のレンズ保持部76に形成された付与部80に付与されている(充填されている)。そして、接着剤82は、自由状態で、捻れが生じているレンズアレイ54の形状が矯正された状態で、レンズアレイ54を筐体58に接着して取り付けている。
【0053】
ここで、「捻れが生じているレンズアレイ54の形状が矯正された状態で、レンズアレイ54を筐体58に接着して取り付けている」とは、接着剤82によるレンズアレイ54の拘束を解除すると、レンズアレイ54の捻れが再現されることである。具体的には、筐体58に取り付けられているレンズアレイ54を筐体58から取り外すと、レンズアレイ54の装置幅方向を向く側面54A(図10参照)の平面度(JISB0419 1991)が、0.05以上悪化し、レンズアレイ54の捻れが再現されることである。
【0054】
封止剤84は、図8図9に示されるように、レンズアレイ54と筐体58との間を封止するように塗布されている。そして、封止剤84は、埃等が、露光装置20の外部から露光装置20の内部に侵入するのを防止している。
【0055】
〔露光装置の製造装置〕
次に、露光装置20を製造するための露光装置の製造装置100(以下「製造装置100」)について説明する。
【0056】
製造装置100は、レンズアレイ54の形状を矯正する矯正治具102と、矯正治具102を移動させる移動部材の一例としてのソレノイド104と、ソレノイド104を制御する制御部108とを備えている。
【0057】
矯正治具102は、図1図2に示されるように、装置奥行方向に延び、筐体58の外壁面76Bを装置幅方向から挟むように、一対設けられている。また、夫々の矯正治具102は、筐体58の外壁面76B側に突出する、複数の突出部102Aを有している。この突出部102Aは、装置奥行方向に間隔を空け、かつ、装置奥行方向において、筐体58の付与部80とは異なる位置に配置されている。
【0058】
ソレノイド104は、夫々の矯正治具102を装置幅方向に移動するように、複数設けられている。そして、ソレノイド104は、矯正治具102を、レンズアレイ54の形状(捻れ)を矯正する矯正位置(図1参照)と、矯正治具102による、レンズアレイ54の形状(捻れ)の矯正を解除する解除位置(図2参照)と、に移動させるようになっている。具体的には、矯正治具102の矯正位置では、図1に示されるように、一対の矯正治具102が、突出部102Aで、装置幅方向の両側から外壁面76Bを押圧し、筐体58を介してレンズアレイ54を挟むようになっている。また、矯正治具102の解除位置では、図2に示されるように、一対の矯正治具102の突出部102Aが、装置幅方向で、外壁面76Bから離間するようになっている。
【0059】
制御部108は、ソレノイド104を制御し、矯正治具102を、矯正位置又は解除位置に移動させるようになっている。なお、制御部108によるソレノイド104の制御については、後述する露光装置の製造方法で説明する。
【0060】
〔露光装置の製造方法〕
次に、製造装置100を用いて、露光装置20を製造する露光装置の製造方法について説明する。なお、製造装置100の非稼働状態では、矯正治具102は、解除位置に配置されている。また、露光装置の製造方法を説明する上で用いる方向については、露光装置20を説明するのに用いた方向を使用する。
【0061】
先ず、図3(A)に示されるように、筐体58を支持台106に載せる。具体的には、支持台106には、装置奥行方向に延び、上方に突出する突出部106Aが形成されている。そして、貫通孔74に突出部106Aが下方から進入するように、筐体58を支持台106に載せる。
【0062】
次に、図2図3(B)に示されるように、筐体58の開口部78に、レンズアレイ54の下方側の部分を挿入する。具体的には、光がロッドレンズ56を透過する方向が装置上下方向となるように、レンズアレイ54を開口部78に挿入し、レンズアレイ54の下面を、突出部106Aの頂面に支持させる(挿入工程)。
【0063】
なお、この状態では、レンズアレイ54は、筐体58に対して拘束されておらず、筐体58に対して装置幅方向にガタついている。
【0064】
次に、図6(A)に示されるように、接着剤82を付与部80に付与する(付与工程)。
【0065】
次に、制御部108が、ソレノイド104を制御し、図1図4(A)、図6(B)に示されるように、矯正治具102を解除位置から矯正位置に移動させる。具体的には、一対の矯正治具102が、突出部102Aで、装置幅方向の両側から外壁面76Bを押圧し、筐体58を介してレンズアレイ54を挟む。これにより、筐体58の内壁面76Aとレンズアレイ54とが接触し、レンズアレイ54の形状(捻れ)が、矯正治具102によって矯正される(矯正工程)。
【0066】
次に、制御部108が、図示せぬ照射部材を制御し、接着剤82に紫外線を照射し、接着剤82を硬化させる(硬化工程)。
【0067】
次に、制御部108が、ソレノイド104を制御し、図4(B)に示されるように、矯正治具102を矯正位置から解除位置に移動させる(解除工程)。つまり、矯正治具102による、レンズアレイ54に対する矯正状態(矯正治具102によってレンズアレイ54が矯正されている状態)を解除する。ここで、接着剤82は、既に硬化しているため、矯正治具102が解除位置に移動しても、レンズアレイ54の形状(捻れ)が矯正されている状態は、維持されている。
【0068】
次に、図5(A)、図7(A)、図8に示されるように、封止剤84を、レンズアレイ54と筐体58との間に塗布する。これにより、レンズアレイ54と筐体58との間が、封止される。
【0069】
次に、図5(B)、図7(B)に示されるように、レンズアレイ54が取り付けられた筐体58を、支持台106から取り出す。そして、実装基板50の外周側の部分を、筐体58の段部70Aに接触させ、図示せぬ接着剤等を用いて、実装基板50を筐体58に取り付ける。
【0070】
以上の工程を経て、露光装置20が製造される。
【0071】
(まとめ)
以上説明したように、矯正治具102によってレンズアレイ54の形状(捻れ)を矯正することで、形状が矯正された状態で、接着剤82を用いて筐体58に取り付けられているレンズアレイ54が得られる。ることである。
【0072】
また、矯正工程で、一対の矯正治具102が、装置奥行方向に間隔を空けて配置された突出部102Aで、筐体58を介してレンズアレイ54を挟む。このため、例えば、上方から見て突出部が千鳥状に配置されている場合と比して、レンズアレイ54の形状(捻れ)が高精度で矯正される。
【0073】
また、一対の矯正治具102が、筐体58を介してレンズアレイ54を挟むため、レンズアレイ54を直接挟む場合と比して、レンズアレイ54への傷付きが抑制される。
【0074】
また、露光装置20においては、接着剤82は、捻れが生じているレンズアレイ54の形状が矯正された状態で、レンズアレイ54を筐体58に接着して取り付けている。このように、捻れが生じているレンズアレイ54の形状が矯正される。
【0075】
また、画像形成装置10においては、レンズアレイ54の形状が矯正されるため、出力画像の品質低下が抑制される。
【0076】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る光学装置の製造方法、光学装置の製造装置、露光装置、及び画像形成装置の一例について図12図13に従って説明するなお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0077】
第2実施形態の光学装置の製造装置150(以下「製造装置150」)に備えられた矯正治具152は、図12に示されるように、筐体58の外壁面76B側に突出する、突出部を有していない。矯正治具152の外壁面76B側の端縁は、上方から見て、装置奥行方向に延びる直線状とされている。
【0078】
この構成において、矯正工程で、制御部108が、ソレノイド104を制御し、矯正治具152を解除位置(図13参照)から矯正位置(図12参照)に移動させるようになっている。そして、一対の矯正治具152は、装置奥行方向において、レンズアレイ54の一端部から他端部まで、筐体58を介してレンズアレイ54を挟むようになっている。
【0079】
ここで、レンズアレイ54の一端部、他端部とは、レンズアレイ54の全長(図12のL1)を100%とした場合に、レンズアレイ54の端縁から全長L1の10%の長さまでの部位(図12のL2)である。
【0080】
以上説明したように、矯正工程で、一対の矯正治具152は、装置奥行方向において、レンズアレイ54の一端部から他端部まで、筐体58を介してレンズアレイ54を挟むようになっている。このため、例えば、レンズアレイを部分的に一箇所で挟む場合と比して、レンズアレイ54の形状(捻れ)が高精度で矯正される。
【0081】
他の第2実施形態の作用は、装置奥行方向に間隔を空けて配置された複数の突出部が矯正治具に形成されていることで生じる作用以外の、第1実施形態の作用と同様である。
【0082】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る光学装置の製造方法、光学装置の製造装置、露光装置、及び画像形成装置の一例について図14に従って説明するなお、第3実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0083】
第3実施形態の光学装置の製造装置160(以下「製造装置160」)に備えられた矯正治具162は、図14(A)(B)に示されるように、筐体58の外壁面76B側に突出する、突出部を有していない。矯正治具162は、レンズアレイ54の側面54Aに突出する複数の突出部162Aを備えている。
【0084】
この構成において、矯正工程で、制御部108が、ソレノイド104を制御し、矯正治具162を解除位置(図14(A)参照)から矯正位置(図14(B)参照)に移動させるようになっている。そして、一対の矯正治具162は、突出部162Aで、レンズアレイ54を直接挟むようになっている。
【0085】
他の第2実施形態の作用は、一対の矯正治具が、筐体58を介してレンズアレイ54を挟むことで生じる作用以外の、第1実施形態の作用と同様である。
【0086】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、矯正治具102、152、162で、レンズアレイ54を挟むことで、レンズアレイ54の形状(捻れ)を矯正したが、他の方法(例えば矯正治具の千鳥配置)でレンズアレイの形状を矯正してもよい。しかし、この場合には、レンズアレイ54を挟むことで、レンズアレイ54の形状(捻れ)を矯正することで生じる作用は、生じない。
【0087】
また、上記実施形態の露光装置の製造方法、及び露光装置の製造装置では、光学装置を露光装置20として説明したが、光学装置を読取ユニット(例えば、Contact Image Sensor)としてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、レンズアレイ54の捻れを矯正したが、レンズアレイ54の反りや姿勢等を矯正することもできる。
【0089】
また、上記第3実施形態では、矯正治具162は、レンズアレイ54の側面54Aに突出する複数の突出部162Aを備えていたが、第2実施形態のように、突出部を備えていなくてもよい。この場合には、一対の矯正治具は、レンズアレイ54の一端部から他端部まで、レンズアレイ54を直接挟んでもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、付与工程の後に、矯正工程を実施したが、矯正工程の後、付与工程を実施してもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
16 像保持体
20 露光装置
22 現像装置
50 実装基板
54 レンズアレイ(光学部材の一例)
58 筐体
62 発光ダイオードアレイ(発光素子の一例)
78 開口部
82 接着剤
100 製造装置(光学装置の製造装置の一例)
102 矯正治具
104 ソレノイド(移動部材の一例)
108 制御部
150 製造装置(光学装置の製造装置の一例)
152 矯正治具
160 製造装置(光学装置の製造装置の一例)
162 矯正治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14