特許第6953786号(P6953786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6953786
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20211018BHJP
【FI】
   G03G15/08 366
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-99703(P2017-99703)
(22)【出願日】2017年5月19日
(65)【公開番号】特開2018-194722(P2018-194722A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 一輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀明
(72)【発明者】
【氏名】高谷 俊一
(72)【発明者】
【氏名】桜井 翔太
(72)【発明者】
【氏名】岡村 憩
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 圭
【審査官】 小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−288154(JP,A)
【文献】 特開平09−106154(JP,A)
【文献】 米国特許第09442426(US,B2)
【文献】 米国特許第07676184(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0048023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延び、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤を移動させ、かつ、前記軸方向に並んで配置される複数の移動領域であって、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給領域と、前記供給領域と隣接し、かつ、前記供給領域に沿って配置される非供給領域とを含む、複数の移動領域を有する供給部と、
前記複数の移動領域のそれぞれを移動する現像剤を合流させた後、当該現像剤を前記複数の移動領域に戻す合流経路部と、
前記合流経路部内に入り込んだ現像剤を混合する混合部材と、
を備え、
前記軸方向で並ぶ2つの移動領域のうち一方の移動領域の供給領域は、前記軸方向の一端側で他方の移動領域の供給領域と繋がり、
前記一方の移動領域の非供給領域は、前記軸方向の他端側で前記供給領域と繋がり、
前記合流経路部は、
複数の非供給領域のそれぞれと繋がり、かつ、前記非供給領域に対して、前記供給領域から離れる方向に延びる複数の搬送領域と、
前記混合部材が設けられ、前記2つの移動領域における2つの供給領域が互いに繋がる部分で、前記供給部と繋がり、かつ、前記互いに繋がる部分とは異なる位置で前記複数の搬送領域のそれぞれと繋がる混合領域と、
を有する、
現像装置。
【請求項2】
前記供給部は、前記複数の移動領域のそれぞれに設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給部材を有する、
請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記混合部材は、前記合流経路部内における前記現像剤の移動に抵抗力を与える、
請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記合流経路部に設けられ、前記供給部内にトナーを補給するためのトナー補給部と、
前記合流経路部における前記現像剤の移動方向において、前記トナー補給部よりも上流側に設けられ、前記現像剤におけるトナー濃度を検出するトナー濃度検出部と、
を備える、
請求項1〜3の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤を移動させる複数の移動領域を有し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給部と、
前記複数の移動領域のそれぞれを移動する現像剤を合流させた後、当該現像剤を前記複数の移動領域に戻す合流経路部と、
前記合流経路部内に入り込んだ現像剤を混合する混合部材と、
前記合流経路部に設けられ、前記供給部内にトナーを補給するためのトナー補給部と、
前記合流経路部における前記現像剤の移動方向において、前記トナー補給部よりも上流側に設けられ、前記現像剤におけるトナー濃度を検出するトナー濃度検出部と、
を備える現像装置。
【請求項6】
前記トナー補給部および前記トナー濃度検出部は、前記移動方向において、前記混合部材よりも上流側に位置する、
請求項4または請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記混合部材は、前記現像剤を前記撹拌しながら移動させる、
請求項1〜6の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記混合部材は、前記現像剤をくみ上げて移動させる、
請求項1〜6の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記混合部材は、前記現像剤を蛇行させて移動させる、
請求項1〜6の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記合流経路部は、前記現像剤担持体の軸方向に対して略直交する方向に延びている、
請求項1〜9の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項11】
前記合流経路部は、前記供給部に対して高低差を有する、
請求項1〜10の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
軸方向に延び、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤を移動させ、かつ、前記軸方向に並んで配置される複数の移動領域であって、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給領域と、前記供給領域と隣接し、かつ、前記供給領域に沿って配置される非供給領域とを含む複数の移動領域を有する供給部と、
前記複数の移動領域のそれぞれを移動する現像剤を合流させた後、当該現像剤を前記複数の移動領域に戻す合流経路部と、
前記合流経路部内に入り込んだ現像剤を混合する混合部材と、
を備え、
前記軸方向で並ぶ2つの移動領域のうち一方の移動領域の供給領域は、前記軸方向の一端側で他方の移動領域の供給領域と繋がり、
前記一方の移動領域の非供給領域は、前記軸方向の他端側で前記供給領域と繋がり、
前記合流経路部は、
複数の非供給領域のそれぞれと繋がり、かつ、前記非供給領域に対して、前記供給領域から離れる方向に延びる複数の搬送領域と、
前記混合部材が設けられ、前記2つの移動領域における2つの供給領域が互いに繋がる部分で、前記供給部と繋がり、かつ、前記互いに繋がる部分とは異なる位置で前記複数の搬送領域のそれぞれと繋がる混合領域と、
を有する、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体ドラム(像担持体)に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムへ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接または間接的に用紙に転写させた後、定着ニップで加熱、加圧して定着させることにより用紙にトナー像を形成する。
【0003】
現像装置には、現像装置内の現像剤を撹拌するための撹拌部材が設けられている。撹拌部材においては現像スリーブの軸方向において現像剤が移動するように現像剤を撹拌する構成が知られている。このような構成において、例えば、B1サイズ等、軸方向に長い用紙に対応するため現像装置を大サイズ化した場合、現像剤の移動方向の上流側からトナーが混ざり合っていくため、軸方向におけるトナー濃度の偏差が大きくなりやすい問題が生じる。
【0004】
この問題に対応するため、例えば特許文献1には、現像装置内の軸方向における一方側および他方側半分の領域のそれぞれにおいて現像剤を循環させる構成が開示されている。図1は、従来例における現像装置を簡易的に示す図である。
【0005】
図1に示すように、現像装置412は、現像スリーブ412Aと、現像剤筐体412Bとを有している。現像剤筐体412Bには、現像剤筐体412B内の現像剤を撹拌する第1撹拌部材412Cおよび第2撹拌部材412Dを有している。
【0006】
第1撹拌部材412Cおよび第2撹拌部材412Dのそれぞれは、現像スリーブ412Aの軸方向の中央部に対して、一方側の第1領域B1と、他方側の第2領域B2とで羽の向きが逆になるように構成されている。第1撹拌部材412Cおよび第2撹拌部材412Dが回転することで、第1領域B1および第2領域B2のそれぞれを現像剤が矢印B10,B20の流れに沿って循環する。
【0007】
また、特許文献2には、第1領域B1と第2領域B2の境界において、現像剤を第1領域B1および第2領域B2の両側に積極的に現像剤を流すことにより、第1領域B1と第2領域B2との間でトナー濃度に差が生じることを抑制可能な構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実公昭50−27333号公報
【特許文献2】特開平3−260678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に示す構成では、例えば第1領域B1および第2領域B2の何れか一方に対応する部分の方が他方に対応する部分よりも極端にトナー量が多い画像を連続で形成した場合、一方に対応する部分におけるトナー濃度のみが極端に低下してしまう。第1領域B1および第2領域B2においては、矢印B10,B20の流れが生じているので、第1領域B1および第2領域B2の現像剤が確実に混ざり合わず、第1領域B1および第2領域B2の現像剤の状態が均一化しないという問題が生じる。
【0010】
また、特許文献2に記載の構成では、上記画像を連続で形成した場合、第1領域B1および第2領域B2の何れか一方のトナー濃度が極端に低下するため、一方のトナー濃度の低下に起因して他方のトナー濃度が低下する。これにより、上記画像の画像形成処理の初期から現像装置全体でトナー濃度が低下してしまうので、トナー濃度が現像装置全体で回復するのに時間がかかってしまう。つまり、第1領域B1および第2領域B2の現像剤の状態が均一化するのに時間がかかってしまう。
【0011】
本発明の目的は、現像装置の軸方向全体における現像剤の状態を効率よく均一化させることが可能な現像装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る現像装置は、
軸方向に延び、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤を移動させ、かつ、前記軸方向に並んで配置される複数の移動領域であって、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給領域と、前記供給領域と隣接し、かつ、前記供給領域に沿って配置される非供給領域とを含む複数の移動領域を有する供給部と、
前記複数の移動領域のそれぞれを移動する現像剤を合流させた後、当該現像剤を前記複数の移動領域に戻す合流経路部と、
前記合流経路部内に入り込んだ現像剤を混合する混合部材と、
を備え、
前記軸方向で並ぶ2つの移動領域のうち一方の移動領域の供給領域は、前記軸方向の一端側で他方の移動領域の供給領域と繋がり、
前記一方の移動領域の非供給領域は、前記軸方向の他端側で前記供給領域と繋がり、
前記合流経路部は、
複数の非供給領域のそれぞれと繋がり、かつ、前記非供給領域に対して、前記供給領域から離れる方向に延びる複数の搬送領域と、
前記混合部材が設けられ、前記2つの移動領域における2つの供給領域が互いに繋がる部分で、前記供給部と繋がり、かつ、前記互いに繋がる部分とは異なる位置で前記複数の搬送領域のそれぞれと繋がる混合領域と、
を有する。
【0013】
本発明に係る画像形成装置は、
軸方向に延び、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤を移動させ、かつ、前記軸方向に並んで配置される複数の移動領域であって、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給領域と、前記供給領域と隣接し、かつ、前記供給領域に沿って配置される非供給領域とを含む複数の移動領域を有する供給部と、
前記複数の移動領域のそれぞれを移動する現像剤を合流させた後、当該現像剤を前記複数の移動領域に戻す合流経路部と、
前記合流経路部内に入り込んだ現像剤を混合する混合部材と、
を備え、
前記軸方向で並ぶ2つの移動領域のうち一方の移動領域の供給領域は、前記軸方向の一端側で他方の移動領域の供給領域と繋がり、
前記一方の移動領域の非供給領域は、前記軸方向の他端側で前記供給領域と繋がり、
前記合流経路部は、
複数の非供給領域のそれぞれと繋がり、かつ、前記非供給領域に対して、前記供給領域から離れる方向に延びる複数の搬送領域と、
前記混合部材が設けられ、前記2つの移動領域における2つの供給領域が互いに繋がる部分で、前記供給部と繋がり、かつ、前記互いに繋がる部分とは異なる位置で前記複数の搬送領域のそれぞれと繋がる混合領域と、
を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現像装置の軸方向全体における現像剤の状態を効率よく均一化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来例における現像装置を簡易的に示す図である。
図2】本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
図3】本実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。
図4】現像装置を簡易的に示す図である。
図5図4における現像装置の搬送領域部分の断面を簡易的に示す図である。
図6】搬送部材の端部の拡大図である。
図7図4における現像装置の混合領域部分の断面を簡易的に示す図である。
図8】合流領域部分の拡大図である。
図9】混合部材の一例を示す図である。
図10】混合部材の一例を示す図である。
図11】混合部材の一例を示す図である。
図12】第1変形例に係る現像装置を簡易的に示す図である。
図13図12における現像装置の混合領域部分の断面を簡易的に示す図である。
図14】第1変形例に係る合流領域部分の拡大図である。
図15図12における現像装置の搬送領域部分の断面を簡易的に示す図である。
図16】第2変形例に係る現像装置を簡易的に示す図である。
図17図16における現像装置の搬送領域部分の断面を簡易的に示す図である。
図18】第2変形例に係る第1撹拌部材の端部、及び、搬送部材の端部を示す拡大図である。
図19図16における現像装置の混合領域部分の断面を簡易的に示す図である。
図20】第1領域に対応する部分と第2領域に対応する部分とでカバレッジ差の大きいトナー像が形成された用紙を示す図である。
図21】比較例における時間に対するキャリアーの割合を示す図である。
図22】時間に対するキャリアーの割合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図3は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
【0017】
図2、3に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
【0018】
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0019】
画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備える。
【0020】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0021】
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
【0022】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
【0023】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
【0024】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0025】
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況、画像形成装置1の内部の情報等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
【0026】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0027】
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
【0028】
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示および説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、またはKを添えて示すこととする。図2では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
【0029】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置200、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
【0030】
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
【0031】
帯電装置414は、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
【0032】
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0033】
現像装置200は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。現像装置200は、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム413に供給することによって感光体ドラム413の表面にトナー像を形成する。
【0034】
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
【0035】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424およびベルトクリーニング装置426等を備える。
【0036】
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421はA方向に一定速度で走行する。中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。
【0037】
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0038】
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0039】
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
【0040】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり、一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
【0041】
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、バックアップローラー423Bに二次転写バイアスを印加し、用紙Sの表面側、つまり、中間転写ベルト421と当接する側にトナーと同極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。
【0042】
定着部60は、用紙Sの定着面であるトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面である定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
【0043】
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。
【0044】
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62および定着ローラー63を有する。定着ベルト61は、加熱ローラー62と定着ローラー63とによって張架されている。
【0045】
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。
【0046】
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。
【0047】
搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対等を有する。給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
【0048】
次に、現像装置200の詳細について説明する。図4は、現像装置200を簡易的に示す図である。
【0049】
図4に示すように、現像装置200は、B1サイズ等の軸方向に長い用紙に対応可能なサイズとなっており、現像スリーブ210と、現像剤筐体220と、合流経路部300とを有している。現像スリーブ210は、現像剤を担持する現像剤担持体であり、軸方向の長さが長い用紙に対応した長さとなっている。
【0050】
現像剤筐体220は、現像スリーブ210に供給される現像剤を収容する。現像剤筐体220は、本発明の「供給部」に対応する。
【0051】
現像剤筐体220は、現像スリーブ210の軸方向における中央部に対応する部分に対して一方側の領域である第1領域221Aと、現像スリーブ210の軸方向における中央部に対応する部分に対して他方側の領域である第2領域221Bとを有する。
【0052】
また、現像剤筐体220の第1領域221Aおよび第2領域221Bのそれぞれには、第1撹拌部材222と、第2撹拌部材223とが設けられている。
【0053】
第1撹拌部材222は、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおける、現像スリーブ210に対向する部分に設けられており、第1領域221Aおよび第2領域221Bから現像剤を現像スリーブ210に供給する。第1撹拌部材222は、本発明の「供給部材」に対応する。
【0054】
第1撹拌部材222は、回転することで、各領域221A,221B内において、軸方向における現像スリーブ210の中央部から、各領域221A,221Bに位置する端部に向かう方向(矢印X1,X2参照)に現像剤を搬送するように構成される。
【0055】
第2撹拌部材223は、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおける、第1撹拌部材222よりも現像スリーブ210から離れた部分に設けられている。第2撹拌部材223は、回転することで、各領域221A,221B内において、軸方向における現像スリーブ210の各領域221A,221Bに位置する端部から中央部に向かう方向(矢印X3,X4参照)に現像剤を搬送するように構成される。
【0056】
また、第1領域221Aおよび第2領域221Bのそれぞれにおいて、第1撹拌部材222の領域と第2撹拌部材223の領域とが、仕切り板227により仕切られている。仕切り板227に仕切られることで、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおける第1撹拌部材222の領域と第2撹拌部材223の領域は、第1撹拌部材222および第2撹拌部材223の端部に対応する部分でつながっている。
【0057】
具体的には、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおける第1撹拌部材222の領域と第2撹拌部材223の領域は、第1撹拌部材222および第2撹拌部材223における軸方向の中央部側とは反対側の端部に対応する部分でつながっている。
【0058】
そのため、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおいては、第1撹拌部材222の領域において、矢印X1,X2の方向に現像剤が移動した後、仕切り板227のない部分において、第2撹拌部材223の領域に現像剤が移動する。現像剤が第2撹拌部材223の領域に移動した後、当該領域において、矢印X3,X4の方向に現像剤が移動する。
【0059】
このように、本実施の形態では、第1領域221Aおよび第2領域221Bのそれぞれで、現像剤が移動する。第1領域221Aおよび第2領域221Bは、本発明の「移動領域」に対応する。
【0060】
また、現像剤筐体220における軸方向の中央部に対応する部分には、合流経路部300が設けられる。合流経路部300は、第1領域221A内の現像剤と、第2領域221B内の現像剤とを合流させて混合するための部分である。
【0061】
合流経路部300は、現像剤筐体220における第1領域221Aおよび第2領域222Bと分けて設けられており、第2撹拌部材223の領域における軸方向の中央部に連通するとともに、第1撹拌部材222の領域における軸方向の中央部に連通する。
【0062】
これにより、第2撹拌部材223の領域において、軸方向の中央部に移動した現像剤が、合流経路部300を介して、第1撹拌部材222の領域における軸方向の中央部に移動して、第1領域221Aおよび第2領域221Bに戻される。
【0063】
そのため、第1領域221Aおよび第2領域221B内の現像剤が合流経路部300により混合されて、第1領域221Aおよび第2領域221Bに戻されるので、第1領域221Aおよび第2領域221B内の現像剤を均一化することができる。
【0064】
合流経路部300は、搬送領域301と、合流領域302と、混合領域303とを有する。また、合流経路部300には、搬送部材310と、トナー濃度検出部320と、トナー補給部330と、混合部材340とが設けられる。
【0065】
搬送領域301は、現像剤筐体220内の現像剤を合流領域302に搬送する領域である。図5に示すように、搬送領域301は、第2撹拌部材223の下方の位置から図示右斜め上方向に延びて合流領域302に繋がる領域である。
【0066】
搬送領域301には、搬送部材310が設けられている。搬送部材310は、第1撹拌部材222および第2撹拌部材223と略同様の構成であり、回転することで、搬送領域301内の現像剤を合流領域302に搬送するように構成される。
【0067】
また、図6に示すように、搬送部材310の端部にはベアリング311が設けられ、合流経路部300における当該端部に対応する部分は、斜め方向にベアリング311を埋め込み可能な構成となっている。これにより、搬送部材310がスムーズに回転して、現像剤を斜め上方向に搬送することが可能となる。
【0068】
図4に示すように、合流領域302は、第1領域221Aおよび第2領域221Bのそれぞれに繋がる搬送領域301から搬送された現像剤を合流させる領域であり、各搬送領域301の端部を繋ぐように構成される。合流領域302は、混合領域303と繋がっているので、各搬送領域301に搬送された現像剤が合流領域302により合流して、混合領域303に移動する。
【0069】
図7に示すように、混合領域303は、合流領域302における各搬送領域301を繋ぐ部分から図示左斜め下方向に延びて現像剤筐体220に繋がる部分である。混合領域303に移動した現像剤は、そのまま混合領域303の形状に沿って現像剤筐体220に流れ落ちる。
【0070】
これにより、合流経路部300により混合された現像剤を現像剤筐体220における第1領域221Aおよび第2領域221Bに移動させることができる。このように合流経路部300が現像剤筐体220に対して高低差を有するので、比較的簡易な構成により、合流経路部300における現像剤の移動を実現することができる。
【0071】
図8に示すように、混合領域303は、搬送領域301よりも一段下がった位置になるように形成されている。そのため、搬送領域301から合流領域302に搬送された現像剤(矢印X11,X12参照)が混合領域303に自重により移動しやすくなり、そのまま混合領域303が延びる方向(矢印X13参照)に現像剤を移動させることができる。
【0072】
図4に示すように、搬送領域301および混合領域303は、現像スリーブ210の軸方向と略直交する方向に延びている。なお、ここでいう略直交する方向は、軸方向に対して90°となる方向において±5°となる範囲を含む。
【0073】
これにより、合流経路部300に入り込む現像剤を第1領域221Aおよび第2領域221Bで略同じとすることができるので、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおける現像剤の量に差が生じることを抑制することができる。
【0074】
混合領域303内には、トナー濃度検出部320と、トナー補給部330と、混合部材340とが、現像剤の移動方向の上流側からこの順に設けられている。
【0075】
トナー濃度検出部320は、混合領域303に移動した現像剤中のトナー濃度を検出する。トナー補給部330は、混合領域303にトナーを補給する。制御部100は、トナー濃度検出部320により検出された検出結果に基づいてトナー補給部330におけるトナーの補給量を制御する。
【0076】
このようにトナー濃度検出部320が、現像剤の移動方向におけるトナー補給部330よりも上流側に位置するので、トナー濃度検出部320の検出結果を考慮したトナー補給を行うことができる。
【0077】
混合部材340は、混合領域303内に入り込んだ現像剤を混合するための部材である。混合部材340は、現像剤の移動に抵抗力を与えることにより、現像剤を混合するので、混合領域303内の現像剤が均一に混ざり合う。
【0078】
また、混合部材340は、現像剤の移動方向において、トナー補給部330よりも下流側に位置する。そのため、トナー補給が行われた後の現像剤を均一に混ざり合わせた上で、第1領域221Aおよび第2領域221Bに当該現像剤を戻すことができる。
【0079】
混合部材340としては、例えば、図9に示すように、現像剤の移動方向(矢印A1)に沿って回転する回転部材が挙げられる。混合部材340は、移動方向に沿った方向(矢印A2)に回転する回転軸341Aと、回転軸341Aの周面に設けられる3つの羽根341Bとを有する。
【0080】
羽根341Bは、現像剤をくみ上げ可能に構成されている。混合部材340は、現像剤の移動に伴って回転し、かつ、羽根341Bが現像剤をくみ上げつつ、移動方向に沿って搬送する。これにより、混合領域303内の現像剤が混合され、ひいては均一に混ざり合う。
【0081】
また、混合部材340としては、例えば、図10に示すように、現像剤を蛇行させて移動するように構成された部材が挙げられる。混合部材340は、混合領域303を形成する一対の側壁303Aのそれぞれから突出する。
【0082】
混合部材340のそれぞれは、移動方向(矢印A3)において異なる位置に設けられる。これにより、混合領域303を移動する現像剤が混合部材340に衝突することにより、蛇行移動し、ひいては混合領域303内の現像剤が均一に混ざり合う。
【0083】
また、混合部材340としては、例えば、図11に示すように、混合領域303の底壁303Bに設けられる半円環状の部材が挙げられる。混合部材340は、現像剤の移動方向(矢印A4)に複数並んで配置されている。複数の混合部材340のうち、移動方向において隣り合う2つの混合部材340は、高さが異なっている。
【0084】
具体的には、高さが高い側の混合部材340と、高さが低い側の混合部材340とが交互に並んでいる。これにより、混合領域303を流れる現像剤が、高さの異なる各混合部材340に接触することで、当該現像剤が混合され、ひいては均一に混ざり合う。
【0085】
また、混合部材340としては、第1撹拌部材222、第2撹拌部材223および搬送部材310と同様に、現像剤を撹拌可能な部材としても良い。
【0086】
以上のように構成された本実施の形態によれば、合流経路部300を介して、第1領域221Aおよび第2領域221B内の現像剤を均一化することができる。そのため、現像装置200の軸方向全体における現像剤の状態を効率よく均一化させることができる。
【0087】
また、合流経路部300が第1領域221Aおよび第2領域221Bと分けて設けられているので、混合領域303を介して、合流した現像剤を確実に混合させることができる。そのため、第1領域221Aおよび第2領域221B内の現像剤を効率よく均一化することができる。
【0088】
また、混合部材340が合流経路部300に設けられるので、合流経路部300内に入り込んだ現像剤を効率よく混ぜ合わせることができる。
【0089】
次に、第1変形例について説明する。図12は、第1変形例に係る現像装置200を簡易的に示す図である。図12に示すように、第1変形例に係る現像装置200は、上記実施の形態と同様に、現像スリーブ210と、現像剤筐体220と、合流経路部300とを有する。
【0090】
現像スリーブ210および現像剤筐体220は、上記実施の形態と略同様の構成である。合流経路部300は、上記実施の形態と同様に、搬送領域301と、合流領域302と、混合領域303とを有する。
【0091】
第1撹拌部材222および第2撹拌部材223は、現像剤の搬送方向が上記実施の形態と反対方向になるように構成される。そのため、第2撹拌部材223が、軸方向における現像スリーブ210の中央部から端部に向かう方向(矢印X5,X6参照)に現像剤を搬送し、仕切り板227のない部分で、第1撹拌部材222の領域に現像剤が移動する。そして、第1撹拌部材222が軸方向における現像スリーブ210の端部から中央部に向かう方向(矢印X7,X8参照)に現像剤を搬送する。
【0092】
これにより、第1撹拌部材222が配置された部分から現像剤が合流経路部300の混合領域303に入り込む。すなわち、第1変形例では、第1撹拌部材222の領域において、矢印X7,X8の方向に移動することで、軸方向の中央部に移動した現像剤が、合流経路部300を介して、第2撹拌部材223の領域における第1領域221Aおよび第2領域221Bに戻される。
【0093】
そのため、第1領域221Aおよび第2領域221B内の現像剤が合流経路部300により混合された上で、第1領域221Aおよび第2領域221Bに戻されるので、第1領域221Aおよび第2領域221B内の現像剤を均一化することができる。
【0094】
図13に示すように、この構成における混合領域303は、現像剤筐体220の第1撹拌部材222に対応する位置から図示右斜め下方向に延びて合流領域302と繋がる。これにより、混合領域303に移動した現像剤が、混合領域303の形状に沿って移動する。
【0095】
図14に示すように、混合領域303は、各搬送領域301よりも高い位置に設けられている。合流領域302には、混合領域303の合流領域302に繋がる部分における中央から各搬送領域301に向けて傾斜する傾斜面302Aがそれぞれ設けられている。
【0096】
これにより、混合領域303を移動してきた現像剤(矢印X21参照)が各傾斜面302Aに沿って各搬送領域301にそれぞれ移動して、各搬送領域301内を移動する(矢印X22,X23参照)。
【0097】
図15に示すように、搬送領域301は、合流領域302から図示左斜め上方向に延びて第2撹拌部材223の上方まで延びている。搬送領域301内の搬送部材310の回転により、現像剤が搬送領域301を搬送されて、第2撹拌部材223の上方まで移動したら、自重により現像剤筐体220に落とされる。これにより、合流経路部300により混合された現像剤を現像剤筐体220における第1領域221Aおよび第2領域221Bに移動させることができる。
【0098】
また、図12に示すように、混合領域303内に設けられるトナー濃度検出部320、トナー補給部330及び混合部材340は、現像剤の移動方向(上方向)においてこの順番に配置される。これにより、上記実施の形態と同様に、トナー濃度の検出結果に応じてトナー補給を行うことができるとともに、トナー補給を行った後の現像剤を混合させることができる。
【0099】
次に、第2変形例に係る現像装置200について説明する。図16は、第2変形例に係る現像装置200を簡易的に示す図である。図16に示すように、第2変形例に係る現像装置200における現像剤筐体220は、第1撹拌部材222が配置された第1部分220Aと、第2撹拌部材223が配置された第2部分220Bとが分離した構成となっている。
【0100】
合流経路部300は、第1部分220Aと第2部分220Bとを搬送領域301および混合領域303とで接続している。
【0101】
搬送領域301は、第1部分220Aの端部と、第2部分220Bの端部とを接続しており、第1部分220Aおよび第2部分220Bの両端部にそれぞれ設けられている。
【0102】
図17に示すように、搬送領域301は、第1部分220Aから図示右斜め上方向に延びて第2部分220Bに接続される。搬送領域301内には搬送部材310が設けられている。搬送部材310は、回転することにより、現像剤が第1部分220Aから第2部分220Bに搬送するように構成される。
【0103】
図18に示すように、搬送部材310の第1撹拌部材222側の端部には、かさ歯車310Aが設けられ、第1撹拌部材222の端部には、かさ歯車310Aと噛み合うかさ歯車222Aが設けられている。これにより、第1撹拌部材222の回転に伴って、搬送部材310が回転する。また、搬送部材310の第2撹拌部材223側の端部と、第2撹拌部材223の端部とにも、互いに噛み合うかさ歯車を設けても良い。
【0104】
図16および図19に示すように、混合領域303は、第2部分220Bの中央部から図示左斜め下方向に延びて第1部分220Aの中央部に接続される。第2部分220Bの中央部に位置する現像剤は、混交領域303の形状に沿って第1部分220Aに移動する。
【0105】
図16に示すように、第1撹拌部材222は、回転することで、各領域221A,221B内において、軸方向における現像スリーブ210の中央部から、各領域221A,221Bに位置する端部に向かう方向(矢印X31,X32参照)に現像剤を移動させるように構成される。
【0106】
第2撹拌部材223は、回転することで、各領域221A,221B内において、軸方向における現像スリーブ210の各領域221A,221Bに位置する端部から中央部に向かう方向(矢印X33,X34参照)に現像剤を移動させるように構成される。
【0107】
これにより、第1部分220Aにおいて、第1撹拌部材222により、矢印X31,X32の方向に現像剤が移動して、搬送領域301に現像剤が移動する。当該現像剤は、搬送領域301を介して、第2部分220Bに移動する。第2部分220Bにおいて、第2撹拌部材223により、矢印X33,X34の方向に現像剤が移動して、混合領域303を介して、第1部分220Aに戻される。
【0108】
混合領域303には、図示しない混合部材が設けられているため、現像剤が混合された上で、第1領域221Aおよび第2領域221Bに戻される。このような構成であっても、現像装置200の軸方向全体における現像剤の状態を効率よく均一化させることができる。
【0109】
なお、上記実施の形態では、複数の移動領域として、第1領域221Aおよび第2領域221Bを例示したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の移動領域を有する構成であっても良い。
【0110】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0111】
最後に、本実施の形態に係る現像装置200の評価実験について説明する。
図4に示す現像装置200を用いて本発明の有効性について確認した。具体的には、図20に示す第1領域221Aおよび第2領域221Bでトナー量に差がある画像を用いて、現像剤筐体220における未使用キャリアーの割合を確認することにより、本発明の有効性を確認した。また、合流経路部300を有さない現像装置、つまり、現像スリーブ210から直接現像剤筐体220に現像剤を回収する構成を比較例として同様の実験を行った。
【0112】
図21は、比較例における時間に対する未使用キャリアーの割合を示す図である。図22は、本実施の形態における時間に対する未使用キャリアーの割合を示す図である。
【0113】
図21に示すように、比較例の場合、第1領域221Aについては、現像剤を消費しない、つまり、キャリアーが消費されないため、未使用キャリアーの割合は100%のままである。そのため、現像剤筐体220における第1領域221Aの現像剤は全く劣化しない。
【0114】
それに対し、第2領域221Bについては、現像剤が大量に使用されるため、未使用キャリアーの割合は時間が経過するにつれ減少していく。そのため、現像剤筐体220における第2領域221Bの現像剤の劣化量が増大する。
【0115】
そして、第1領域221Aと第2領域221Bとの未使用キャリアーの割合の差分が、時間が経過するにつれ増大していくので、各領域における画像濃度差が増大してしまう。
【0116】
一方、本実施の形態における現像装置200においては、第1領域221Aおよび第2領域221Bにおける現像剤が、合流経路部300によって混合される。そして、合流経路部300により混合された現像剤は、第1領域221Aおよび第2領域221Bのそれぞれに供給される。
【0117】
これにより、図22に示すように、未使用キャリアーの割合が第1領域221Aおよび第2領域221Bともに時間が経過するにつれ下がっていく。そのため、第1領域221Aと第2領域221Bとの未使用キャリアーの割合の差分が最大で40%付近まで上がった後、徐々に減少していく。つまり、各領域における現像剤の状態に差がないことが確認できるので、本発明の有効性を確認することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 画像形成装置
100 制御部
200 現像装置
210 現像スリーブ
220 現像剤筐体
221A 第1領域
221B 第2領域
222 第1撹拌部材
223 第2撹拌部材
300 合流経路部
301 搬送領域
302 合流領域
303 混合領域
310 搬送部材
320 トナー濃度検出部
330 トナー補給部
340 混合部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22