(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レンズ(112)と、撮像素子(119a)を備えるカメラ基板(119)と、を備えるカメラモジュール(11,21,31,41,51)と、前記カメラモジュールを収容する筐体(13,23,33,43)と、を備えるカメラ装置(1)の製造方法であって、
前記カメラモジュールを、前記筐体内の所定の取付け位置に取り付けることと、
前記カメラ装置に設けられた規制部であって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を機械的に規制する前記規制部(35,43b,115,116,133b,133c,214b,214c,215,216,233e,233f,235,236,313a,414a,515,516)によって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を規制することと、
前記筐体と前記カメラモジュールとの間に接着剤を塗布することと、
前記接着剤を硬化させることにより前記カメラモジュールを前記筐体に固定することと、
を含み、
前記規制部は、
前記カメラモジュールの外面に突出して設けられ、弾性変形可能な係合突起部(115,116,215,216,515,516)と、
前記筐体に設けられ、前記カメラモジュールが前記取付け位置に位置している状態で前記係合突起部により係合される被係合部(43a,133b,133c)と、
を備える、カメラ装置の製造方法。
レンズ(112)と、撮像素子(119a)を備えるカメラ基板(119)と、を備えるカメラモジュール(11,21,31,41,51)と、前記カメラモジュールを収容する筐体(13,23,33,43)と、を備えるカメラ装置(1)の製造方法であって、
前記カメラモジュールを、前記筐体内の所定の取付け位置に取り付けることと、
前記カメラ装置に設けられた規制部であって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を機械的に規制する前記規制部(35,43b,115,116,133b,133c,214b,214c,215,216,233e,233f,235,236,313a,414a,515,516)によって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を規制することと、
前記筐体と前記カメラモジュールとの間に接着剤を塗布することと、
前記接着剤を硬化させることにより前記カメラモジュールを前記筐体に固定することと、
を含み、
前記カメラモジュールは、前記レンズを内部に保持する鏡筒部(313,413)と、前記鏡筒部が立設されるベース部(314,414)と、を有し、
前記規制部は、
前記鏡筒部又は前記ベース部に形成された雄ネジ部(313a,414a)と、
前記雄ネジ部に螺合される雌ネジ部(43b)と、を有する、カメラ装置の製造方法。
レンズ(112)と、撮像素子(119a)を備えるカメラ基板(119)と、を備えるカメラモジュール(11,21,31,41,51)と、前記カメラモジュールを収容する筐体(13,23,33,43)と、を備えるカメラ装置(1)の製造方法であって、
前記カメラモジュールを、前記筐体内の所定の取付け位置に取り付けることと、
前記カメラ装置に設けられた規制部であって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を機械的に規制する前記規制部(35,43b,115,116,133b,133c,214b,214c,215,216,233e,233f,235,236,313a,414a,515,516)によって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を規制することと、
前記筐体と前記カメラモジュールとの間に接着剤を塗布することと、
前記接着剤を硬化させることにより前記カメラモジュールを前記筐体に固定することと、
を含み、
前記カメラ装置は、前記カメラモジュールが前記筐体に取り付けられる際に、前記筐体に対する前記レンズの光軸方向を所定方向に維持した状態で前記カメラモジュールを前記取付け位置に案内するためのガイド部(114b,114c,133e,133f)を備える、カメラ装置の製造方法。
レンズ(112)と、撮像素子(119a)を備えるカメラ基板(119)と、を備えるカメラモジュール(11,21,31,41,51)と、前記カメラモジュールを収容する筐体(13,23,33,43)と、を備えるカメラ装置(1)の製造方法であって、
前記カメラモジュールを、前記筐体内の所定の取付け位置に取り付けることと、
前記カメラ装置に設けられた規制部であって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を機械的に規制する前記規制部(35,43b,115,116,133b,133c,214b,214c,215,216,233e,233f,235,236,313a,414a,515,516)によって、前記カメラモジュールの前記取付け位置からの移動を規制することと、
前記筐体と前記カメラモジュールとの間に接着剤を塗布することと、
前記接着剤を硬化させることにより前記カメラモジュールを前記筐体に固定することと、
を含み、
前記接着剤は、前記筐体における壁部であって前記カメラモジュールが前記取付け位置に位置している状態で前記カメラモジュールにより当接される壁部(134)に設けられた貫通孔である接着剤塗布貫通孔(134a)に塗布される、カメラ装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1〜
図5に示すカメラ装置1は、車両のウィンドシールドの内側に設置される。カメラ装置1は、車両の前方を撮像する車載カメラである。カメラ装置1は、カメラモジュール11と、制御基板12と、筐体13と、下部カバー14と、を備える。
【0013】
カメラモジュール11は、光学ユニット111と、カメラ基板119と、を備える。
光学ユニット111は、複数(この例では4つ)のレンズ112と、鏡筒部113と、ベース部114と、係合突起部115,116と、を備える。
【0014】
鏡筒部113及びベース部114は、樹脂で一体成形されている。鏡筒部113は、内部にレンズ112を保持する。各レンズ112は、光軸が鏡筒部113の中心軸と一致するように、光軸方向に並べられている。また、鏡筒部113は、ベース部114から離れるにつれて縮径している。ベース部114は、光軸と垂直な方向に広がり、後方が開放した直方体状の形状を有する。詳しくは、
図3に示すように、ベース部114は、鏡筒部113が立設される前面114aと、前面114aから起立した上下左右の4つの板状の側面と、備える。本実施形態では、前面114aにおける左右方向の縁部は、前方向に突出している。
【0015】
ここで、カメラモジュール11は、後述するとおり、鏡筒部113が外部に露出するように筐体13に収容される。ここでは、鏡筒部113を筐体13から露出させる方向を前、その反対方向を後として、前後方向を定義する。また、前方向からカメラ装置1を見たときの左右方向を、左右方向として定義する。
図1、
図2、
図4及び
図5では、前後左右上下方向は矢印で示されている。
【0016】
ベース部114は、
図2及び
図4等に示すように前面114aに複数(この例では2つ)の円柱状の突起114b,114cを有している。本実施形態では、前面114aにおける突出した左右の縁部に1つずつ突起114b,114cが設けられている。この突起114b,114cは、後述するように、筐体13に対するレンズ112の光軸方向を所定方向に維持した状態でカメラモジュール11を筐体13内の所定の取付け位置に案内するガイド部として機能する。
【0017】
突起114b,114cは、レンズ112の光軸方向からカメラモジュール11を見て鏡筒部113を挟んで対称となる位置に設けられている。本実施形態では、一方の突起114bは、他方の突起114cよりも下方に設けられている。具体的には、カメラモジュール11の前面に対向してカメラモジュール11を見たときに、突起114bは鏡筒部113の左下、突起114cは鏡筒部113の右上に設けられている。
【0018】
一方、係合突起部115,116は、カメラモジュール11の外面に設けられた弾性変形可能な突起部である。ベース部114の左側面に係合突起部115が設けられ、ベース部114の右側面に係合突起部116が設けられている。本実施形態では、係合突起部115,116及びベース部114は、樹脂で一体成形されている。係合突起部115,116は、スナップフィットによりカメラモジュール11を筐体13内の取付け位置に取り付けるためのものである。ここでいうカメラモジュール11の筐体13内の取付け位置とは、
図1、
図2、
図4及び
図5に示す筐体13内のカメラモジュール11の位置である。係合突起部115,116が筐体13の後述する第1の貫通孔133b,133cに筐体13の内側から差し込まれることにより、カメラモジュール11の取付け位置からの任意方向への移動が機械的に規制される。
【0019】
ここでいう「機械的に規制する」とは、カメラモジュール11と筐体13との当接、及び、カメラ装置1の有する他の部品とカメラモジュール11及び筐体13との当接、の少なくとも一方によって、カメラモジュール11が取付け位置に取り付けられた際にカメラモジュール11の取付け位置からの任意方向への移動を規制することを意味する。ここでいう当接とは、係合、嵌合、螺合、その他当接の態様によるあらゆる当接を含み。なお、他の部品とカメラモジュール11及び筐体13との当接を用いる構成としては、例えば、第3実施形態で説明する、別部品を用いた螺合によりカメラモジュールの移動を規制する構造又は仕組みが挙げられる。また、「機械的に規制する」構造又は仕組みには、スナップフィットのような可動部を用いる構造又は仕組みだけではなく、可動部を用いない構造又は仕組みも含まれる。
【0020】
2つの係合突起部115,116は、大きさ及び形状が互いに同一である。係合突起部115,116は、ベース部114の左右の側面における中央よりも後方側の位置から突出して形成されている。
【0021】
係合突起部115,116は、鏡筒部113の突出方向、つまりカメラモジュール11の前方に向かって突出している。詳細には、係合突起部115,116は、ベース部114の左右の側面から垂直に突出した後、カメラモジュール11の前側に略垂直に屈折し、鏡筒部113の突出方向に沿って延在している。つまり、
図4に示すように、係合突起部115,116は平面視でL字状の形状を有する。また、係合突起部115,116の先端部には鈎部117,118が形成されている。この鈎部117,118の前面には当接面117a,118aが形成されている。当接面117a,118aは、後述するとおり、係合突起部115,116が第1の貫通孔133b,133cに差し込まれる際に、第1の貫通孔133b,133cの壁面に当接する。
【0022】
カメラ基板119は、
図1及び
図5に示す撮像素子119aが搭載された板状の部材であり、ベース部114の開放端部に固定される。本実施形態では、カメラ基板119は、ベース部114に接着剤で固定される。撮像素子119aは、CCDイメージセンサやCOMSイメージセンサ等の半導体イメージセンサ素子である。撮像素子119aは、レンズ112により受光面に結像された被写体像を撮像し、画像信号を制御基板12に出力する。
【0023】
図1に示す制御基板12は、カメラ基板119と図示しない電気接続配線(例えばフレキシブルプリント基板)により電気的に接続される。制御基板12は、カメラモジュール11により撮像された撮像画像に基づき、車両の前方の状況を認識する認識処理を実行する。また、制御基板12は、認識処理の結果に基づき、車両に搭載された機器を制御する車両制御処理を実行する。なお、本実施形態では、制御基板12とカメラ基板119とは互いに離間して配置されるが、制御基板12及びカメラ基板119は一体化されてもよい。
【0024】
筐体13は、樹脂又は金属で形成された箱状の部材であり、前方側になるほど厚みが小さくなるような形状を有する。筐体13は、カメラモジュール11及び制御基板12を収容する。
【0025】
筐体13の上面を形成する上壁131は、
図2に示すように、平面壁部132、起立壁部133及び天井壁部134を有する。平面壁部132は、当該平面壁部132の上面が前後左右方向に広がっている壁部である。起立壁部133は、平面壁部132の後側端部において上方に起立している壁部である。天井壁部134は、起立壁部133の上側端部において後ろ方向へと広がっている壁部である。また、平面壁部132は平面形状が台形状であり、左右両側には上方向へ向かって、側壁部134が形成されている。そして、平面壁部132、起立壁部133及び側壁部134によって、台形状の窪みが形成されている。
【0026】
天井壁部134は、カメラモジュール11が筐体13内の取付け位置に位置している状態で、カメラモジュール11の上方に位置する。起立壁部133は、同状態で、カメラモジュール11のベース部114の前面114aに対向して位置する。本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、カメラモジュール11が取付け位置に位置している状態で、カメラモジュール11の上面が天井壁部134の下面に接触し、カメラモジュール11のベース部114の前面が起立壁部133の後ろ側の面と接触する。
【0027】
起立壁部133の左右方向及び上下方向における中央部には、カメラモジュール11の鏡筒部113を露出させる露出孔133aが形成されている。また、起立壁部133には、2つの第1の貫通孔133b,133c及び2つの第2の貫通孔133e,133fと、が形成されている。貫通孔133b,133c,133e,133fは、前後方向に起立壁部133を貫通して形成されている。
【0028】
第1の貫通孔133b,133cは、スナップフィットによりカメラモジュール11を筐体13に取り付けるための孔である。具体的には、第1の貫通孔133b,133cには、カメラモジュール11に設けられた係合突起部115,116が挿通される。第1の貫通孔133b,133cは、互いに同形状の縦長の貫通孔であり、起立壁部133における上下方向中央部に形成されている。また、第1の貫通孔133b,133cは、起立壁部133の左右方向の中心線について対称となるように形成されている。
【0029】
一方、第2の貫通孔133e,133fは、筐体13に対するレンズ112の光軸方向を所定方向に維持した状態でカメラモジュール11を筐体13内の取付置に案内するためのものである。すなわち、第2の貫通孔133e,133fには、カメラモジュール11の突起114b,114cが挿通される。第2の貫通孔133e,133fは、カメラモジュール11が筐体13に取り付けられた状態においてカメラモジュール11の突起114b,114cの位置に対応した位置に設けられている。具体的には、第2の貫通孔133e,133fは、露出孔133aを挟んで対称となる位置に設けられている。また、一方の第2の貫通孔133eは、他方の第2の貫通孔133fよりも下方に設けられている。具体的には、起立壁部133の前面に対向して起立壁部133を見たとき、第2の貫通孔133eは露出孔133aの左下、第2の貫通孔133fは露出孔133aの右上に設けられている。
【0030】
一方、天井壁部134は、接着剤塗布部134aを有する。接着剤塗布部134aは、天井壁部134に形成された貫通孔であり、平面視において左右方向に延在した矩形状の貫通孔である。接着剤塗布部134aは、筐体13の内部と外部とを連通する。後述するとおり、接着剤塗布部134aには、カメラモジュール11を筐体13に固定するために接着剤134bが充填される。
【0031】
一方、下部カバー14は、筐体13の下方を閉じるための部材である。
次に、カメラ装置1の製造方法を説明する。まず、カメラモジュール11を筐体13内の取付け位置に取り付ける。このとき、カメラモジュール11の突起114b,114cを筐体13の第2の貫通孔133e,133fに差し込む。また、カメラモジュール11の係合突起部115,116を筐体13の第1の貫通孔133b,133cに差し込む。係合突起部115,116が第1の貫通孔133b,133cに差し込まれる際、当接面117a,118aが第1の貫通孔133b,133cの露出孔133a側の側面に当接してベース部114から離れる方向に働く外力を受ける。その結果、係合突起部115,116が弾性変形し、先端部が外側に広がる。この状態で、係合突起部115,116が第1の貫通孔133b,133c内を通過し、先端部が第1の貫通孔133b,133cを通過すると、先端部に加わる外力がなくなり、先端部がベース部114に変位する。そして、先端部の鈎部117,118が筐体13の前面側における第1の貫通孔133b,133cの縁部に係合される。これによって、カメラモジュール11の取付け位置からの任意方向への移動が規制された状態になる。
【0032】
そして、カメラモジュール11が筐体13に取り付けられた状態で、カメラモジュール11と筐体13との間に接着剤134bを塗布する。具体的には、接着剤塗布部134aを接着剤134bで充填させ、接着剤134bを硬化させることにより、カメラモジュール11を筐体13に固定する。なお、本実施形態では、接着剤134bとして嫌気性接着剤が使用され、自然硬化により接着剤134bが硬化される。このようにして、カメラモジュール11が筐体13に固定されたカメラ装置1が製造される。
【0033】
[1−3.効果]
(1a)本実施形態では、カメラ装置1の筐体13内の取付け位置からの移動が機械的に規制される。よって、カメラ装置1の製造時にカメラモジュール11を筐体13に固定するに際し、接着剤134bが硬化するまでの間、必ずしも専用の治具等を用いてカメラモジュールを保持する必要はない。また、接着剤134bの種類の制限等が緩和される。したがって、カメラ装置1の製造工程の自由度を向上させることができる。
【0034】
(1b)本実施形態では、カメラモジュール11は、弾性変形可能な係合突起部115,116を備え、筐体13は、係合突起部115,116に係合される被係合部としての第1の貫通孔133b,133cを備える。特に、係合突起部115,116は、先端部に鈎部117,118が形成されているとともに、鏡筒部113の突出方向に向かって突出するように設けられおり、第1の貫通孔133b,133cの縁部に係合される。
【0035】
例えば、カメラモジュール11の取付け位置からの移動を規制する規制部として、カメラモジュール11の鏡筒部113における筐体13から露出する部分に雄ネジ部を設け、鏡筒部113が筐体13から露出している状態において、筐体13の外側から上記雄ネジ部に螺合する留め具を用いることが考えられる。この構成では、留め具が必要となる。これに対して本実施形態の構成によれば、留め具が必要とはならない。よって、留め具を用いる構成と比較して、カメラ装置1の部品点数を減らすことができる。
【0036】
(1c)本実施形態では、カメラ装置1は、カメラモジュール11を取付け位置に案内するためのガイド部として、突起114b,114c及び第2の貫通孔133e,133fを備える。よって、筐体13に対するレンズ112の光軸方向を所定方向に維持した状態でのカメラモジュール11の取付け位置への取付を、ガイド部が設けられていない構成と比較して、容易に行うことができる。
【0037】
(1d)本実施形態では、係合突起部115,116は、第1の貫通孔133b,133cを貫通した状態で、鈎部117,118が第1の貫通孔133b,133cの前方側の縁部に係合する。
【0038】
例えば、係合突起部が係合される被係合部として、筐体13の内部に凹部を設け、当該凹部に係合突起部を係合させる構成では、凹部が設けられた分だけ、筐体、ひいてはカメラ装置が大型化する。この点、本実施形態のように係合突起部115,116を第1の貫通孔133b,133cを貫通させて縁部に係合させる構成では、内部に凹部を設けなくてもよいため、上記構成と比較してカメラ装置1を小型化できる。
【0039】
(1e)本実施形態では、筐体13における壁部であってカメラモジュール11が取付け位置に位置している状態でカメラモジュール11により当接される壁部である天井壁部134には、貫通孔である接着剤塗布部134aが設けられている。なお、ここでいう「カメラモジュール11により当接される」には、本実施形態のように壁部とカメラモジュール11とが直接的に当接することはもちろんのこと、他の部品を介して壁部とカメラモジュール11とが間接的に当接する場合も含まれる。
そして、接着剤塗布部134aに接着剤134bが塗布されることにより、カメラモジュール11が筐体13に固定されている。
【0040】
したがって、カメラモジュール11を筐体13に取り付けた後で、接着剤塗布部134aに接着剤134bを塗布することで、カメラモジュール11を筐体13に固定できる。また、接着剤134bが所定の位置に塗布できていることを、カメラ装置1が完成して製品となった状態で、外部から視認して確認することができる。
なお、本実施形態では、係合突起部115,116及び第1の貫通孔133b,133cが規制部に相当し、係合突起部115,116,第1の貫通孔133b,133cが貫通孔に相当し、接着剤塗布部134aが接着剤塗布貫通孔に相当する。
【0041】
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0042】
前述した第1実施形態では、カメラモジュール11の係合突起部115,116は前方に突出している。これに対し、第2実施形態では、後述する係合突起部215,216が後方に突出している点で、第1実施形態と相違する。
【0043】
図6及び
図7に示す第2実施形態のカメラモジュール21は、第1実施形態のカメラモジュール11と係合突起部の構造を除き、同一である。カメラモジュール21の外面には、弾性変形可能な2つの係合突起部215,216が設けられている。カメラモジュール21のベース部214の左側面に係合突起部215が設けられ、ベース部214の右側面に係合突起部216が設けられている。係合突起部215,216及びベース部214は、樹脂で一体成形されている。また、係合突起部215,216は、大きさ及び形状が互いに同一である。
【0044】
係合突起部215,216は、鏡筒部213の突出方向と反対方向、つまり後ろ方向に向かって突出している。詳細には、係合突起部215,216は、ベース部214の左右の側面における中央よりも前方側の位置から斜め後方に突出している。そして、係合突起部215,216は、斜め後方に延在した後、屈曲部を堺にベース部214側に屈曲している。以下では、係合突起部215における屈曲部よりも前方側を第1延在部215aといい、屈曲部よりも後方側を第2延在部215bという。同様に、係合突起部216における屈曲部よりも前方側を第1延在部216aといい、屈曲部よりも後方側を第2延在部216bという。係合突起部215,216の外面は、後述する筐体23の内壁面と当接する当接面として機能する。
【0045】
一方、第2実施形態の筐体23は、第1実施形態の筐体13と外観形状は略同様である。ただし、第2実施形態の筐体23には、前述した第1の貫通孔133b,133cに相当する孔が形成されていない。また、第2実施形態の筐体23は、第1実施形態の筐体13と内部構造が一部相違する。
【0046】
筐体23は、
図7に示すように、当該筐体23の内部において、カメラモジュール21の取付け位置の左右両側に凹部235,236を有する。具体的には、筐体23は、当該筐体23の内部において、起立壁部233に立設され、ベース部214の左右の側面に対向する内側側壁234,235を有する。そして、内側側壁234,235の後側端部において上下方向に延在した隆起壁部236,237が形成されている。そして、起立壁部233、内側側壁234,235及び隆起壁部236,237によって、凹部235,236が形成されている。
【0047】
次に、第2実施形態のカメラ装置の製造方法を説明する。まず、カメラモジュール21を筐体23内の取付け位置に取り付ける。カメラモジュール21が取り付けられる際、係合突起部215,216の第1延在部215a,216aの外面が、隆起壁部236,237に当接し、ベース部214側に働く外力を受ける。その結果、係合突起部215,216が弾性変形し、全体としてベース部214に近づくように変位する。そして、カメラモジュール21が取付け位置に近づき、係合突起部215,216の屈曲部が隆起壁部236,237を超えると、第1延在部215a,216aに加わる外力がなくなり、係合突起部215,216が元の位置に戻ろうと、ベース部214から離れる側に変位する。第1延在部215a,216aが変位した状態で、屈曲部、つまり、最もベース部214から離れた部分が隆起壁部236,237の先端部よりも左右方向外側に位置する。このため、後ろ方向へのカメラモジュール21の移動が規制される。なお、係合突起部215,216が変位した状態では、第2延在部215b,216bの外面が隆起壁部236,237に当接している。
【0048】
また、カメラモジュール21が筐体23に取り付けられる際、ベース部214の前面に設けられた突起214b,214cが第2の貫通孔233e,233fに差し込まれる。本実施形態では、筐体23内の凹部235,236は上下方向にかけて延在している。このため、係合突起部215,216を凹部235,236に係合させてもカメラモジュール21の上下方向への移動は規制されず、カメラモジュール21の任意方向への移動は規制されない。しかし、突起214b,214cが第2の貫通孔233e,233fに差し込まれているため、カメラモジュール21が取付け位置に位置している状態で上下方向の移動が規制される。つまり、本実施形態では、係合突起部215,216及び凹部235,236と、突起214b,214c及び第2の貫通孔233e,233fとにより、カメラモジュール21の取付け位置からの任意方向への移動が規制される。なお、接着剤を用いて筐体23とカメラモジュール21との固定方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0049】
[2−2.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)〜(1c)と同様の効果を奏する。
【0050】
なお、本実施形態では、係合突起部215,216、凹部235,236、突起214b,214c及び第2の貫通孔233e,233fが規制部に相当する。
[3.第3実施形態]
[3−1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0051】
前述した第1実施形態では、カメラモジュール11の係合突起部115,116を第1の貫通孔133b,133cの縁部に係合させることで、カメラモジュール11の取付け位置からの移動が規制される。これに対し、第3実施形態では、カメラモジュールの鏡筒部における筐体から露出した部分に筐体の外側から留め具を留めることで、カメラモジュールの取付け位置からの移動が規制される点で、第1実施形態と相違する。
【0052】
図8及び
図9に示す第3実施形態のカメラモジュール31は、第1実施形態のカメラモジュール11と同様の構成であるが、係合突起部115,116を備えない。その替わり、カメラモジュール31の鏡筒部313には、鏡筒部313の軸方向を中心として外周に沿って雄ネジ部313aが形成されている。雄ネジ部313aは、鏡筒部313における、カメラモジュール31が筐体33内の取付け位置に取り付けられた状態において筐体33から露出する部分に形成されている。
【0053】
第3実施形態の筐体33は、第1の貫通孔133b,133cを備えない点で第1実施形態の筐体13と相違するが、それ以外は基本同様の構成である。
一方、第3実施形態のカメラ装置は、留め具35を備える。留め具35は、環状の部品であり、環状の軸方向に行くにつれて縮径する形状である。留め具35の内径は、鏡筒部313の外径と一致し、留め具35の環状部に鏡筒部313を挿通可能である。
【0054】
また、留め具35の内面には、鏡筒部313の雄ネジ部313aと螺合する雌ネジ部が形成されている。
次に、第3実施形態のカメラ装置の製造方法を説明する。
【0055】
まず、鏡筒部313を露出孔133aに通過させて、カメラモジュール31を筐体33内の取付け位置に取り付ける。その状態で、筐体33の外側から鏡筒部313を留め具35に通す。そして、留め具35を回転させ、留め具35の雌ネジ部と鏡筒部313の雄ネジ部313aとを螺合させる。これにより、カメラモジュール31の取付け位置からの任意方向への移動が規制される。そして、この状態で第1実施形態と同様に接着剤を用いてカメラモジュール31を筐体33に固定する。これにより、カメラ装置が製造される。
【0056】
[3−2.効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)及び(1c)に加え、以下の効果が得られる。
【0057】
本実施形態では、カメラ装置は、鏡筒部313に形成された雄ネジ部313aと、雄ネジ部313aに螺合される雌ネジ部を有する留め具35と、を備える。そして、雄ネジ部313aと雌ネジ部とが螺合することで、カメラモジュール31の取付け位置からの移動が規制される。
【0058】
例えば、第2実施形態のカメラモジュール21では、係合突起部215,216と係合する凹部235,236を筐体23の内部に形成するため、筐体33の製造時において筐体33の下方向に金型を抜くことが考えられるが、この方法だとカメラ装置1の製造工程が規制される。これに対して、第3実施形態では、上記のような製造工程に対する規制が少ないため、カメラ装置の製造工程の自由度を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、鏡筒部313の雄ネジ部313a及び留め具35の雌ネジ部が規制部に相当する。
[4.第4実施形態]
[4−1.第3実施形態との相違点]
第4実施形態は、基本的な構成は第3実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0060】
前述した第3実施形態では、カメラモジュール31の鏡筒部313と留め具35とが螺合される。これに対して、第4実施形態では、カメラモジュールの鏡筒部と筐体とが螺合する点で、第3実施形態と相違する。
【0061】
図10及び
図11に示す第4実施形態のカメラモジュール41の光学ユニット411は、図示しない複数(この例では4つ)のレンズと、鏡筒部413と、ベース部414と、を備える。
【0062】
第4実施形態の鏡筒部413は、第3実施形態の鏡筒部313と同様の構成である。
一方、第3実施形態のベース部314は直方体状であるが、第4実施形態のベース部414は円筒状である。具体的には、ベース部414は、鏡筒部413が立設される円形の前面414aと、前面414aの外周から後ろ方向に延在する円筒状の側面と、を有する。また、ベース部414の側面には、当該側面の前面414a側の端部から反対側の端部に向かって側面を周回するように溝部414aが形成されている。つまり、螺旋状の溝部414aが形成されている。ただし、ベース部414の軸方向から見て溝部414aは側面を完全に1周しておらず、1/4円弧程度に亘って形成されている。この溝部414aは、雄ネジ部として機能するものである。
【0063】
一方、第4実施形態の筐体43の内部には、ベース部414が嵌合される円柱状の窪み43aが前後方向に形成されている。窪み43aは露出孔433aと連通しており、窪み43aにベース部414が嵌合されると、鏡筒部413が露出孔433aから露出する。また、筐体43における窪み43aを形成する円筒状の内壁面(すなわち、ベース部414が窪み43aに嵌合された状態でベース部414の側面に当接する内壁面)には、溝部414aに螺合する螺旋状の隆起部43bが形成されている。隆起部43bはベース部414の溝部414aに対応した形状に形成される。具体的には、窪み43aの軸方向から見て窪み43aを形成する内壁面に沿って1周しておらず、1/4円弧程度の隆起部43bが形成されている。この隆起部43bは、雌ネジ部として機能するものである。
【0064】
次に、第4実施形態のカメラ装置の製造方法を説明する。
まず、筐体43の窪み43aにベース部414を嵌合させる。このとき、ベース部414を回転させ、ベース部414の溝部414aを筐体43の隆起部43bと係合させる。これにより、カメラモジュール41の任意方向への移動が規制される。そして、この状態で第1実施形態と同様に接着剤を用いてカメラモジュール41を筐体43に固定する。これにより、カメラ装置が製造される。
【0065】
[4−2.効果]
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)及び(1c)並びに第3実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。
【0066】
本実施形態では、鏡筒部313に形成された雄ネジ部としての溝部414aと、筐体33に形成された雌ネジ部としての隆起部43bと、が螺合される。よって、カメラモジュールを取り付けるために、第3実施形態のように、留め具35を別途必要としない。よって、第3実施形態と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0067】
なお、本実施形態では、溝部414a及び隆起部43bが規制部に相当する。
[5.他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0068】
(5a)係合突起部は、例えば
図12に示す構成でもよい。
図12に示すカメラモジュール51では、係合突起部515,516は直方体状のベース部514の左右の側面における上部に設けられている。係合突起部515,516は、鏡筒部513の突出方向に向かって突出するとともに、突出方向に対して上方に傾いている。図示は省略するが、筐体に形成された、係合突起部515,516が挿通される第1の貫通孔も筐体における前後方向に対して上方に傾いて形成されている。つまり、この構成では、係合突起部515,516は、鏡筒部513の突出方向又はレンズの光軸方向に対して筐体の天井壁部側に傾いた状態で第1の貫通孔に係合する。
【0069】
このような構成によれば、第1及び第2実施形態のように、係合突起部が鏡筒部の突出方向と平行に突出している構成と比較して、カメラモジュール51の鏡筒部513の突出方向と反対方向への移動と、天井壁部から離れる方向へのカメラモジュールの移動と、の2方向への移動をより強固に規制することができる。
【0070】
なお、ここでは係合突起部515,516が鏡筒部513の突出方向に対して天井壁部側に傾いた状態で第1の貫通孔に係合する構成を例示したが、係合突起部が傾く側はこれに限られるものではない。係合突起部は鏡筒部の突出方向に対して天井壁部と反対側に傾いた状態で第1の貫通孔に係合してもよい。
【0071】
(5b)係合突起部、ガイド部としての突起、雄ネジ部、溝部等の数、形状、形成位置等は上記実施形態のものに限られない。
(5c)鏡筒部の突出方向に向かって突出するように設けられた係合突起部の係合のさせ方は上記第1実施形態のものに限られない。例えば、筐体の内部に凹部を設け、当該凹部に係合突起部を係合させることで、カメラモジュールの取付け位置からの移動を規制してもよい。
【0072】
(5d)
図12に示すように、カメラモジュール51に切込み517を設けてもよい。
図12の構成では、切込み517は、ベース部514の左右の側面にレンズの光軸方向と平行にそれぞれ形成されている。また、切込み517に対応して、筐体に、切込み517に嵌合可能な板状の突起である保持片を設けてもよい。そして、カメラモジュール51を筐体内の取付け位置に取り付ける際に、板状の保持片が切込み517に嵌合されるようしてもよい。このような構成によれば、保持片及び切込み517を設けず、係合突起部515,516だけでカメラモジュール51を筐体に取り付ける構成と比較して、カメラモジュール51が取付け位置に取り付けられた状態でカメラモジュール51の移動をより強固に規制することができる。
【0073】
(5e)例えば上記第1実施形態では、カメラモジュール11が筐体13に取り付けられた後に筐体13とカメラモジュール11との間に接着剤134bが塗布される。しかし、接着剤を塗布するタイミングはこれに限られるものではない。例えば、カメラモジュール及び筐体のうち少なくとも一方にあらかじめ接着剤を塗布しておき、その状態でカメラモジュールを筐体に取り付けてもよい。また例えば、接着剤を塗布してからカメラモジュールを筐体に取り付ける場合等において、接着剤塗布部は貫通孔でなくてもよい。例えば、接着剤塗布部は、筐体内部に設けられた凹部等であってもよい。
【0074】
(5f)上記各実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記各実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。