(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対の位置決め部にそれぞれ対応する2つの前記第2係合孔と、前記2つの第2係合孔それぞれに対応する2つの前記第1係合孔とは、同一直線上に配置される、請求項5に記載の梱包装置。
前記付勢手段は、前記一対の位置決め部にそれぞれ対応する一対の前記第2係合孔の少なくとも1つの周縁から、当該第2係合孔に対応する前記位置決め部と反対側に伸びるように前記板パッドに形成されるスリットを含む、請求項1、2、4〜6のいずれかに記載の梱包装置。
前記複数の係合孔は、前記パレットの前記複数の位置決め部に対して相対位置が定められた少なくとも1つの基準係合孔を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の梱包装置。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、複合機等の比較的大型の精密機械の輸送用の梱包装置として、特開2017−1715号公報が知られている。
図8は、従来の梱包装置の全体を示す分解斜視図である。
図9は、従来の緩衝材の斜視図である。従来の梱包装置は、
図8を参照して、パレット111と、その上に載置された板パッド121と、その上に配置された複数の緩衝材131A〜131Dと、を備え、緩衝材131A〜131Dの上に、製品が載置される。このため、製品の下面の四隅が緩衝材131A〜131Dによって支持される。板パッド121は、パレット111との相対位置が決定されるように、パレット111の位置決め部材113A〜113Dにそれぞれ係合する切り欠き部123A〜123Dが形成されている。
図9に示すように、緩衝材131A〜131Dそれぞれは、パレット111との相対位置が決定されるように、その下面にパレット111の位置決め部材113A〜113Dにそれぞれ係合する係合凹部133A〜133Dが形成されている。また、緩衝材131A〜131Dは、底面から垂直に延びる側壁135A〜135Dを有し、製品が横方向に移動しないように製品を支持することが可能となっている。
【0003】
特開2017−1715号公報に記載の梱包装置は、緩衝材131A〜131Dに形成された係合凹部133A〜133Dがパレット111の位置決め部材113A〜113Dと係合するので、緩衝材131A〜131Dそれぞれは、それが係合する係合凹部133A〜133Dに向かう方向への移動が制限される。製品を梱包した梱包装置を搬送中に、梱包装置が横方向の力を受ける場合、例えば、製品から緩衝材131Aが位置決め部材113Aに向かう方向の外力を受ける場合がある。この場合、緩衝材131Aはパレット111に対して移動することができないために、緩衝材131Aが製品から受ける外力と位置決め部材113Aから受ける抗力とによる剪断力が緩衝材131Aの側壁135Aに加わり、製品を支えきれずに側壁135Aが破損する場合がある。これに備えて、側壁135A〜135Dの厚みを増したり、側壁135A〜135Dにテープを張ったりして補強することにより、側壁135A〜135Dの破断を防止ことができるが、コストアップになるといった問題がある。
【特許文献1】特開2017−1715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、搬送中に製品から受ける力に対する耐性を高めた梱包装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、梱包装置は、パレットと、パレット上に載置され、複数の係合孔が形成された板パッドと、
複数の係合孔それぞれは、第1係合孔と第2係合孔とを含み、板パッドの上に配置され、それぞれの底面に
第1係合凸部と第2係合凸部とを有する複数の緩衝材と、
複数の緩衝材それぞれの第2係合凸部が複数の第2係合孔のいずれかに挿入されることにより、第2係合凸部を付勢する付勢手段と、を備え、パレットは、板パッドと接する上面より下方に複数の位置決め部を有し、
複数の係合孔それぞれの第1係合孔は、複数の緩衝材それぞれの第1係合凸部よりもサイズが大きく、複数の緩衝材それぞれの
第1係合凸部は、複数の係合孔のいずれか
の第1係合孔を貫通して複数の位置決め部のいずれかに係合する。
【0006】
この局面に従えば、複数の係合凸部それぞれが複数の位置決め部のいずれかに係合するので、複数の緩衝材は係合凸部で板パッドに平行な方向の移動が制限される。係合凸部が緩衝材の底面に設けられるので、緩衝材において、製品から外力を受ける位置と係合凸部との距離をできるだけ大きくして、緩衝材が外力により破損しにくくすることができる。万が一、係合凸部が破損しても緩衝材の他の部分が破損しないので、緩衝機能を維持することができる。その結果、搬送中に製品から受ける力に対する耐性を高めた梱包装置を提供することができる。
【0007】
好ましくは、複数の位置決め部それぞれは、他の1つの位置決め部と組になり、同一の組を構成する一対の位置決め部それぞれは、対向する少なくとも1つの抑止面を有し、付勢手段は、第2係合孔に挿入された第2係合凸部を、緩衝材が係合する位置決め部が有する少なくとも1つの抑止面と交差する方向に付勢する。
【0009】
この発明の他の局面によれば、梱包装置は、パレットと、パレット上に載置され、複数の係合孔が形成された板パッドと、板パッドの上に配置され、それぞれの底面に係合凸部を有する複数の緩衝材と、を備え、パレットは、板パッドと接する上面より下方に複数の位置決め部を有し、複数の位置決め部それぞれは、他の1つの位置決め部と組になり、同一の組を構成する一対の位置決め部それぞれは、対向する少なくとも1つの抑止面を有し、複数の緩衝材それぞれを複数の位置決め部のいずれかの少なくとも1つの抑止面に当接させるために、複数の緩衝材の少なくとも1つを、当該緩衝材が係合する位置決め部が有する少なくとも1つの抑止面と交差する方向に付勢する付勢手段を
、備える。
【0010】
この局面に従えば、緩衝材が係合する位置決め部が有する抑止面に向かう方向に緩衝材が付勢されるので、一対の位置決め部がそれぞれ有する一対の抑止面それぞれに向かう方向に一対の緩衝材が付勢される。このため、複数の緩衝材とパレットとの相対位置を適切に決定することができる。
【0011】
好ましくは、係合凸部は、第1係合凸部と第2係合凸部とを含み、複数の係合孔は、複数の第1係合孔と複数の第2係合孔とを含み、第1係合凸部が複数の第1係合孔のいずれかを貫通して複数の位置決め部のいずれかに係合し、複数の第1係合孔は、複数の緩衝材それぞれの第1係合凸部よりもサイズが大きく、付勢手段は、複数の緩衝材それぞれの第2係合凸部が複数の第2係合孔のいずれかに挿入されることにより、第2係合凸部を付勢する。
【0012】
この局面に従えば、複数の緩衝材それぞれの第2係合凸部が複数の第2係合孔のいずれかに挿入されると、複数の緩衝材と板パッドとの相対位置が決定される。また、第2係合凸部が位置決め部の有する抑止面に向かう方向に付勢されることにより、複数の第1係合孔のいずれかを貫通する第1係合凸部が位置決め部の有する抑止面に当接するので、複数の緩衝材とパレットとの相対位置が決定される。このため、複数の緩衝材によって、パレットと板パッドとの相対位置が定まる。また、第1係合凸部がよりサイズの大きな第1係合孔を貫通するので、板パッドと複数の緩衝材との相対位置が、第1係合凸部による影響を受けることなく第2係合凸部および位置決め部により定まるようにすることができる。その結果、複数の緩衝材を板パッドに位置決めする作業を容易にすることができる。
【0013】
好ましくは、複数の第1係合孔それぞれは、複数の第2係合孔のいずれかと対になり、複数の第2係合孔それぞれと、当該第2係合孔と対になる第1係合孔とは、緩衝材が付勢される方向と平行な直線上に配置される。
【0014】
この局面に従えば、同じ緩衝材の第2係合凸部が挿入される第2係合孔と、第1係合凸部が貫通する第1係合孔とは、その緩衝材が付勢される方向と平行な直線上に配置されるので、緩衝材に付勢される力を効率的に利用することができる。
【0015】
好ましくは、一対の位置決め部にそれぞれ対応する2つの第2係合孔と、2つの第2係合孔それぞれに対応する2つの第1係合孔とは、同一直線上に配置される。
【0016】
この局面に従えば、偶力が発生しないので、板パッドがパレットに対して回転ズレしないようにすることができる。
【0017】
好ましくは、付勢手段は、一対の位置決め部にそれぞれ対応する一対の第2係合孔の少なくとも1つの周縁から、当該第2係合孔に対応する位置決め部と反対側に伸びるように板パッドに形成されるスリットを含む。
【0018】
この局面に従えば、一対の位置決め部にそれぞれが係合する2つの緩衝材それぞれの第2係合凸部が第2係合孔に挿入される段階で、板パッドがスリットの形成された部分で変形するが、板パッドの復元力によって、2つの緩衝材の少なくとも1つの第2係合凸部が2つの位置決め部それぞれの対向する抑止面に向かって付勢されるので、一対の位置決め部にそれぞれが係合する2つの緩衝材を一対の位置決め部それぞれの対向する抑止面に当接させることができる。
【0019】
好ましくは、複数の係合孔は、パレットの複数の位置決め部に対して相対位置が定められた少なくとも1つの基準係合孔を有する。
【0020】
この局面に従えば、基準係合孔が複数の位置決め部に対して相対位置が定められるので、基準係合孔を貫通する緩衝材が複数の位置決め部のいずれかと係合することによって、板パッドとパレットとが所定の相対位置になる。このため、板パッド、パレットおよび複数の緩衝材を所定の相対位置にすることができる。
【0021】
好ましくは、複数の緩衝材は、底面から上方に伸びる側壁を有し、複数の緩衝材それぞれの側壁を外側から覆う外装箱を、さらに備える。
【0022】
この局面に従えば、複数の緩衝材それぞれの側壁が外側から外装箱により覆われるので、複数の緩衝材の外側への移動を、外装箱によって規制することができる。また、製品から外力を受けて係合凸部が破損しても緩衝材の側壁が破損しないので、緩衝機能を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態の1つにおける梱包装置の全体を示す分解斜視図である。
図2は、本実施形態に係る梱包装置の外観を示す斜視図である。
図1を参照して、本実施形態の梱包装置1は、パレット10と、パレット10上に載置された板パッド20と、板パッド20の上に配置された4つの緩衝材30A〜30Dと、外装箱40と、を備えている。
【0026】
図1に矢印で示すように、パレット10の上面に板パッド20を載置し、その上に4つの緩衝材30A〜30Dをセットする。4つの緩衝材30A〜30Dの上に製品100が置かれると、製品100の下面の四隅が4つの緩衝材30A〜30Dによって支持される。この後、下面が開口した段ボール製の外装箱40が被せられ、製品100を収容したパレット10と外装箱40が一体としてプラスチック製のバンドや紐で固定される。
【0027】
パレット10は、木製の板材や角材を組み合わせて作られる一般的なものである。パレット10は、互いに平行に配置された2つの角材13Aおよび角材13Bの上に、6枚の板材11A〜11Fの両端が固定されている。このため、2つの角材13Aおよび13Bと、6枚の板材11A〜11Fとは直角に交わる。6枚の板材11A〜11Fは、板材11Aと板材11Bとの間が所定の隙間をおいて配置され、板材11Cと板材11Dとの間に所定の隙間をおいて配置される。
【0028】
板パッド20は、段ボールを打ち抜き加工して形成される。なお、板パッド20は、例えばプラスチックシート等で形成してもよい。4つの緩衝材30A〜30Dは、発泡スチロールの成形品であり、製品100の底部の四隅に当接して支持するように、四隅の形状に合わせてそれぞれ形成されている。
【0029】
図3は、板パッドの平面図である。
図3を参照して、板パッド20は、4つの緩衝材30A〜30Dそれぞれに対応する4つの第1係合孔23A〜23Dおよび4つの第2係合孔21A〜21Dが形成されている。4つの第1係合孔23A〜23Dそれぞれは、4つの第2係合孔21A〜21Dのいずれかと組になる。ここでは、第1係合孔23Aと第2係合孔21Aとが組になり、第1係合孔23Bと第2係合孔21Bとが組になり、第1係合孔23Cと第2係合孔21Cとが組になり、第1係合孔23Dと第2係合孔21Dとが組になる。
【0030】
板パッド20に形成される4つの第1係合孔23A〜23Dのうち第1係合孔23Aが基準係合孔である。基準係合孔は、パレット10との相対位置が予め定められている。基準係合孔である第1係合孔23Aは板パッド20に形成されているので、基準係合孔である第1係合孔23Aがパレット10と予め定められた相対位置になる状態で、板パッド20とパレット10との相対位置が定まる。したがって、基準係合孔である第1係合孔23Aが第1位置決め部15Aと予め定められた相対位置になる状態で、板パッド20がパレット10からはみ出すことがないように、基準係合孔である第1係合孔23Aの板パッド20における位置が決定される。
【0031】
板パッド20は、基準係合孔である第1係合孔23Aと組になる第2係合孔21A以外の第2係合孔21B〜21Dそれぞれの周縁から延びるスリット25B〜25Dが形成される。スリット25Bは、第2係合孔21Bの周縁の4ケ所から第2係合孔21Bと組なる第1係合孔23Bと反対側に伸びる。スリット25Cは、第2係合孔21Cの周縁の4ケ所から第2係合孔21Cと組なる第1係合孔23Cと反対側に伸びる。スリット25Dは、第2係合孔21Dの周縁の4ケ所から第2係合孔21Dと組になる第1係合孔23Dと反対側に伸びる。なお、スリットの数は4つに限定するものではなく、1以上であればよい。
【0032】
基準係合孔である第1係合孔23Aと組になる第2係合孔21Aは、後述するように、緩衝材30Aの第2係合凸部31Aが挿入される。第2係合孔21Aは、第2係合凸部31Aが第1係合孔23Aと反対の方向に移動可能なように、第1係合孔23Aと第2係合孔21Aとを結ぶ方向のサイズが第2係合凸部31Aよりも大きい。
【0033】
緩衝材30A〜30Dそれぞれの下面には、
図4に緩衝材30Aを例に斜視図で示すように、第2係合孔21A〜21Dのいずれかに挿入される第2係合凸部31Aと、第1係合孔23A〜23Dのいずれかを貫通する第1係合凸部33Aとを有する。4つの第2係合凸部31A〜31Dは、4つの第1係合凸部33A〜33Dより短い。
【0034】
さらに、緩衝材30Aは、底面から上方に伸びる側壁35Aを有する。緩衝材30Aは、側壁35Aを有するので、製品100の横方向の移動を制限することができる。さらに、外装箱40が被せられた状態では、緩衝材30A〜30Dそれぞれの側壁35Aは、外装箱40の側面によって横方向の移動が制限される。このため、製品100が横方向に移動する力を受ける場合、緩衝材30A〜30Dそれぞれの側壁35Aが製品100から横方向に力を受けるが、側壁35Aは外装箱40の側面によって支えられるので、製品100から受ける力を側壁25Aだけでなく、側壁25Aと外装箱40の側面とで受け止める。
【0035】
図5は、パレット、板パッドおよび4つの緩衝材を組み合わせた状態をパレットの下方から見た図である。なお、説明のために、パレット10は、2つの角材13A,13Bと、6枚の板材11A〜11Fのみを示している。
【0036】
ここで、角材13Aの角材13Bと向かい合う側面を第1側面16Aといい、角材13Bの角材13Aの第1側面16Aと向かい合う側面を第2側面16Bという。また、板材11Aの板材11Bと向かい合う側面を第3側面17Aといい、板材11Dの板材11Cと向かい合う側面を第4側面17Bという。
【0037】
パレット10は、第1側面16A、第2側面16B、第3側面17Aおよび第4側面17Bの2つを組み合わせた第1〜第4位置決め部15A〜15Dが形成される。第1位置決め部15Aは、第1側面16Aと第3側面17Aとを抑止面として含む。第2位置決め部15Bは、第2側面16Bと第3側面17Aとを抑止面として含む。第3位置決め部15Cは、第2側面16Bと第4側面17Bとを抑止面として含む。第4位置決め部15Dは、第1側面16Aと第4側面17Bとを抑止面として含む。第1〜第4位置決め部15A〜15Dは、対角に位置する2つの対が同じ組に分類される。具体的には、第1位置決め部15Aと第3位置決め部15Cとが第1組になり、第2位置決め部15Bと第4位置決め部15Dとが第2組になる。
【0038】
第1組において、第1位置決め部15Aは、抑止面として第1側面16Aと第3側面17Aとを有し、第3位置決め部15Cは、抑止面として第2側面16Bと第4側面17Bとを有する。第1位置決め部15Aの第1側面16Aと第3位置決め部15Cの第2側面16Bとは対向する位置関係にあり、第1位置決め部15Aの第3側面17Aと第3位置決め部15Cの第4側面17Bとは対向する位置関係にある。
【0039】
第2組において、第2位置決め部15Bは、抑止面として第2側面16Bと第3側面17Aとを有し、第4位置決め部15Dは、抑止面として第1側面16Aと第4側面17Bとを有する。第2位置決め部15Bの第2側面16Bと第4位置決め部15Dの第1側面16Aとは対向する位置関係にあり、第2位置決め部15Bの第3側面17Aと第4位置決め部15Dの第4側面17Bとは対向する位置関係にある。
【0040】
板パッド20に形成される基準係合孔である第1係合孔23Aは、第1〜第4位置決め部15A〜15Dとの相対位置が予め定められている。したがって、基準係合孔である第1係合孔23Aは、パレット10との相対位置が予め定められている。
【0041】
ここで、
図5に示した状態まで梱包装置1を組み立てまでの種々の段階を順に説明する。まず、パレット10の上に板パッド20を載置し、緩衝材30Aを、基準係合孔である第1係合孔23Aと第2係合孔21Aとに組み付ける。この場合、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aが第1係合孔23Aに、第2係合凸部31Aが第2係合孔21Aにそれぞれ挿入される。第2係合孔21Aは第2係合凸部31Aよりもサイズが大きく、第1係合孔23Aは第1係合凸部33Aよりもサイズが大きいため、この段階では、緩衝材30Aと板パッド20との相対位置、およびパレット10と板パッド20との相対位置は定まらない。
【0042】
次に、緩衝材30Cを、第1係合孔23Aと対角に位置する第1係合孔23Cと第2係合孔21Cとに組み付ける。この場合、緩衝材30Cの第2係合凸部31Cを第2係合孔21Cに挿入するより前に、第1係合凸部33Cを第1係合孔23Cに挿入するようにする。第1係合孔23Cは第1係合凸部33Cよりもサイズが大きいため、第1係合凸部33Cは第1係合孔23Cを貫通して板パッドの下方に突出し、パレット10の第3位置決め部15Cに当接する。この状態で、第2係合凸部31Cを第2係合孔21Cに押し込むと、第1係合凸部33Cが第3位置決め部15Cの第2側面16Bおよび第4側面17Bに当接しているので、第2係合凸部31Cが板パッド20を第2係合孔21Cで、第1係合孔23Cから第2係合孔21Cに向かう方向に押す力が働く。これにより、板パッド20が、第1係合孔23Cから第2係合孔21Cに向かう方向に移動する。
【0043】
一方、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aが第1係合孔23Aを貫通しているので、板パッド20が、第1係合孔23Cから第2係合孔21Cに向かう方向に移動すると、第1係合凸部33Aが第1位置決め部15Aの第1側面16Aと第3側面17Aに当接することにより、緩衝材30Aとパレット10との相対位置が確定する。また、板パッド20の移動は、第1係合孔23Aが第1係合凸部33Aに当接することにより規制される。
【0044】
板パッド20の移動が規制された後は、スリット25Cが変形することにより、第2係合凸部31Cが第2係合孔21Cに挿入される。これにより、緩衝材30Cとパレット10との相対位置が決定される。この段階では、スリット25Cの復元力によって、緩衝材30Cの第2係合凸部31Cがスリット25Cから第1係合孔23Cに向かう方向の力を受けるとともに、その反力として、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aがスリット25Cから第1係合凸部33Aに向かう方向に力を受ける。このため、緩衝材30Cの第1係合凸部33Cが第3位置決め部15Cに向かう方向の力と、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aが第1位置決め部15Aに向かう方向の力と、が釣り合う。
【0045】
緩衝材30Aの第1係合凸部33Aがスリット25Cから受ける力は、第1位置決め部15Aの第1側面16Aおよび第3側面17Aそれぞれに垂直に向かう成分の力の成分を含む。同様に、緩衝材30Cの第1係合凸部33Cがスリット25Cから受ける力は、第3位置決め部15Cの第2側面16Bおよび第4側面17Bそれぞれに垂直に向かう成分の力の成分を含む。
【0046】
次に、緩衝材30B,30Dのいずれかを順に組み付ける。例えば、緩衝材30Bの第2係合凸部31Bを第2係合孔21Bに挿入するより前に、第1係合凸部33Bを第1係合孔23Bに挿入するようにする。第1係合孔23Bは第1係合凸部33Bよりもサイズが大きいため、第1係合凸部33Bは第1係合孔23Bを貫通して板パッドの下方に突出し、パレット10の第2位置決め部15Bに当接する。この状態で、第2係合凸部31Bを第2係合孔21Bに押し込むと、第1係合凸部33Bが第2位置決め部15Bの第2側面16Bおよび第3側面17Aに当接しており、板パッド20とパレット10との相対位置が決定しているので、スリット25Bが変形して第2係合凸部31Bが第2係合孔21Bに挿入される。これにより、緩衝材30Bとパレット10との相対位置が決定される。この状態では、スリット25Bの復元力によって、緩衝材30Bの第2係合凸部31Bがスリット25Bから第1係合孔23Bに向かう方向の力を受ける。
【0047】
最後に、緩衝材30Dの第2係合凸部31Dを第2係合孔21Dに挿入するより前に、第1係合凸部33Dを第1係合孔23Dに挿入するようにする。第1係合孔23Dは第1係合凸部33Dよりもサイズが大きいため、第1係合凸部33Dは第1係合孔23Dを貫通して板パッドの下方に突出し、パレット10の第4位置決め部15Dに当接する。この状態で、第2係合凸部31Dを第2係合孔21Dに押し込むと、第1係合凸部33Dが第4位置決め部15Dの第1側面16Aおよび第4側面17Bに当接しており、板パッド20とパレット10との相対位置が決定しているので、スリット25Dが変形して第2係合凸部31Dが第2係合孔21Cに挿入される。これにより、緩衝材30Dとパレット10との相対位置が決定される。この状態では、スリット25Dの復元力によって、緩衝材30Dの第2係合凸部31Dがスリット25Dから第1係合孔23Dに向かう方向の力を受ける。
【0048】
緩衝材30Bの第1係合凸部33Bがスリット25Bから受ける力は、第2位置決め部15Bの第2側面16Bおよび第3側面17Aそれぞれに垂直に向かう成分の力を含む。また、緩衝材30Dの第1係合凸部33Dがスリット25Dから受ける力は、第4位置決め部15Aの第1側面16Aおよび第4側面17Bそれぞれに垂直に向かう成分の力を含む。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態における梱包装置1は、パレット10と、パレット10上に載置される板パッド20と、板パッド20の上に配置される緩衝材30A〜30Dと、を備え、パレット10は、板パッド20と接する上面より下方に位置決め部15A〜15Dを有し、緩衝材30A〜30Dそれぞれの第1係合凸部33A〜33Dは、板パッド20に形成された第1係合孔23A〜23Dのいずれを貫通して位置決め部15A〜15Dのいずれかに係合する。このため、第1係合凸部33A〜33Dそれぞれが位置決め部15A〜15Dのいずれかに係合するので、緩衝材30A〜30Dは第1係合凸部33A〜33Dで板パッド20に平行な方向の移動が制限される。第1係合凸部33A〜33Dが緩衝材30A〜30Dそれぞれの底面に設けられるので、緩衝材30A〜30Dにおいて、外力を受ける位置と第1係合凸部33A〜33Dとの距離をできるだけ大きくすることができる。例えば、緩衝材30Aの外力を受ける位置、例えば、側壁35Aから第1係合凸部33Aまでの間の部分が弾性変形することにより外力を減衰させて、側壁35Aが製品100から受ける力を低減することができる。さらに、第1係合凸部33Aが弾性変形することによって、緩衝材30Aが板パッド20に対して板パッド上を滑る。これにより、外力を減衰させて、側壁35Aが製品100から受ける力を低減することができる。また、緩衝材30Aの底面と板パッド20との間の摩擦力によって、第1係合凸部33Aが受ける力を低減することができ、第1係合凸部33Aに加わる力を低減することができる。これにより、緩衝材30A〜30Dが製品100から受ける外力により破損しにくくすることができる。さらに、緩衝材30A〜30Dを破損しにくくして、製品100を保護する能力をできるだけ維持することができる。さらに、側壁35Aが製品100から外力を受ける場合に、外装箱40の側面に側壁35Aが当接するので、製品100から受ける外力を、側壁35Aだけでなく、外装箱40の側面で受けることができるので、製品100から受ける外力を分散して、側壁35Aが受ける力を小さくすることができる。さらに、万が一、製品100から受ける外力により、緩衝材30A〜30Dの少なくとも1つ、例えば緩衝材30Aの係合凸部33Aが破損しても緩衝材30Aの側壁35Aは破損しないので、緩衝材30Aは緩衝機能を維持することができる。
【0050】
また、第1位置決め部15Aは第3位置決め部15Cと組になり、第1位置決め部15Aの抑止面としての第1側面16Aと第3位置決め部15Cの抑止面としての第2側面16Bとが対向し、第1位置決め部15Aの抑止面としての第3側面17Aと第3位置決め部15Cの抑止面としての第4側面17Bとが対向する。また、第2位置決め部15Bは第4位置決め部15Dと組になり、第2位置決め部15Bの抑止面としての第2側面16Bと第4位置決め部15Dの抑止面としての第1側面16Aとが対向し、第2位置決め部15Bの抑止面としての第3側面17Aと第4位置決め部15Dの抑止面としての第4側面17Bとが対向する。緩衝材30A〜30Dそれぞれの第1係合凸部33A〜33D、例えば、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aを位置決め部15Aの抑止面である第1側面16Aおよび第3側面17Aに当接させるために、緩衝材30Aまたは緩衝材30Cの少なくとも1つ、ここでは緩衝材30Cを、それが係合する位置決め部15Cが有する第2側面16Bおよび第4側面17Bと交差する方向に付勢する。このため、位置決め部15Aが有する第1側面16Aに緩衝材30Aを付勢するとともに、位置決め部15Cが有する第2側面16Bに緩衝材30Cを付勢することができ、位置決め部15Aが有する第3側面17Aに緩衝材30Aを付勢するとともに、位置決め部15Cが有する第4側面17Bに緩衝材30Cを付勢することができる。このため、複数の緩衝材30A〜30Dとパレット10との相対位置を適切に決定することができる。
【0051】
また、第1係合孔23A〜23Dは、緩衝材30A〜30Dそれぞれの第1係合凸部33A〜33Dよりもサイズが大きく、緩衝材30A〜30Dそれぞれの第2係合凸部31A〜31Dが第2係合孔21A〜21Dのいずれかに挿入されることにより、第1係合凸部33A〜33Dそれぞれが位置決め部15A〜15Dのいずれかに係合するように第2係合孔21A〜21Dの位置が定められる。第2係合凸部31A〜31Dが第2係合孔21A〜21Dのいずれかに挿入されると、緩衝材30A〜30Dと板パッド20との相対位置が決定される。また、第1係合凸部33A〜33Dそれぞれが位置決め部15A〜15Dのいずれかに係合するように第2係合孔21A〜21Dの位置が定められるので、緩衝材30A〜30Dとパレット10との相対位置が決定される。このため、緩衝材30A〜30Dによって、パレット10と板パッド20との相対位置が定まる。また、第1係合凸部33A〜33Dがよりサイズの大きな第1係合孔23A〜23Dのいずれかを貫通するので、板パッド20と緩衝材30A〜30Dとの相対位置が、第1係合凸部33A〜33Dによる影響を受けることなく第2係合凸部31A〜31Dおよび位置決め部15A〜15Dにより定まるようにすることができる。したがって、緩衝材30A〜30Dを板パッド20に位置決めする作業を容易にすることができる。
【0052】
また、第1係合孔23A〜23Dのうち第1係合孔23Aは、パレット10の位置決め部15A〜15Dに対して相対位置が定められた基準係合孔なので、例えば、基準係合孔である第1係合孔23Aを貫通する緩衝材30Aが位置決め部15Aの抑止面に当接することによって、板パッド20とパレット10とが所定の相対位置になる。このため、板パッド20、パレット10および緩衝材30A〜30Dが所定の相対位置となるようにすることができる。
【0053】
第2係合孔21Bと第1係合孔23Bとは、それらに対応する緩衝材30Bが付勢される方向と平行な直線上に配置され、第2係合孔21Cと第1係合孔23Cとは、それらに対応する緩衝材30Cが付勢される方向と平行な直線上に配置され、第2係合孔21Dと第1係合孔23Dとは、それらに対応する緩衝材30Dが付勢される方向と平行な直線上に配置される。このため、緩衝材30B〜30Dに付勢される力を効率的に利用することができる。
【0054】
また、一対の位置決め部、例えば、第1位置決め部15Aと第3位置決め部15Cにそれぞれ対応する第2係合孔23A,23Cの少なくとも1つである第2係合孔23Cの周縁から第2係合孔23Cに対応する位置決め部15Cと反対側に伸びるスリット25Cが、板パッド20に形成されるので、緩衝材30A,30Cそれぞれの第2係合凸部33A,33Cが第2係合孔23A,23Cにそれぞれ挿入される段階で、板パッド20がスリット25Cの形成された部分で変形するが、板パッド20の復元力によって、緩衝材30Cの第2係合凸部31Cが位置決め部15Cに向かって付勢されるので、緩衝材30A,30Cを一対の位置決め部15A,15Cそれぞれの対向する抑止面に当接させることができる。
【0055】
<第1の変形例>
一対の位置決め部、例えば、第1位置決め部15Aと第3位置決め部15Cにそれぞれ対応する第2係合孔21A,21Cと第1係合孔23A,23Cとは、同一直線上に配置するのが好ましい。同様に、一対の位置決め部、第2位置決め部15Bと第4位置決め部15Dにそれぞれ対応する第2係合孔21B,21Dと第1係合孔23B,23Dとは、同一直線上に配置するのが好ましい。これにより、偶力の発生を防止して、板パッド20がパレット10に対して回転ズレをしないようにすることができる。
【0056】
<第2の変形例>
第2係合孔21A〜21Dは、パレット10の位置決め部15A〜15Dに対して相対位置が定められた少なくとも1つの第2基準係合孔を有するようにしてもよい。なお、この場合には、第1係合孔23Aを基準係合孔にする必要はない。
【0057】
例えば、第2係合孔21Aを第2基準係合孔とするようにしてもよい。第2基準係合孔である第2係合孔21Aが位置決め部15Aに対して相対位置が定められるので、第2基準係合孔である第2係合孔21Aによって板パッド20との相対位置が定まる緩衝材30Aが位置決め部15Aの抑止面に当接することによって、板パッド20とパレット10とが所定の相対位置になる。このため、板パッド20、パレット10および緩衝材30A〜30Dが所定の相対位置となるようにすることができる。
【0058】
<第3の変形例>
上述した実施の形態においては、第1係合凸部33A〜33Dの断面形状を矩形としたが、断面形状は矩形に限られない。第3の変形例においては、第1係合凸部33A〜33Dの断面形状を円形としたものである。
【0059】
図6は、第3の変形例における板パッドの平面図である。
図6を参照して、
図3に示した平面図と比較して、第1係合孔23Aが、円形の第1係合孔26Aに変更され、第1係合孔23B〜23Dが、楕円形の第1係合孔26B〜26Dに変更されている。
【0060】
<第4の変形例>
第1係合凸部33A〜33Dが、第2係合凸部31A〜31Dを兼ねるようにしてもよい。この場合、緩衝材30A〜30Dそれぞれは、第1係合凸部33A〜33Dのみを有し、第2係合凸部31A〜31Dは不要である。
【0061】
図7は、第4の変形例における板パッドの平面図である。
図7を参照して、第4の変形例における板パッド20Aは、4つの緩衝材30A〜30Dそれぞれに対応する4つの係合孔27A〜27Dが形成されている。4つの係合孔27A〜27Dのうち係合孔27Aが基準係合孔である。基準係合孔は、パレット10との相対位置が予め定められている。基準係合孔である係合孔27Aは板パッド20Aに形成されているので、基準係合孔である係合孔27Aがパレット10と予め定められた相対位置になる状態で、板パッド20Aとパレット10との相対位置が定まる。したがって、基準係合孔である第1係合孔27Aが第1位置決め部15Aと予め定められた相対位置になる状態で、板パッド20Aがパレット10からはみ出すことがないように、基準係合孔である係合孔27Aの板パッド20Aにおける位置が決定される。
【0062】
板パッド20Aは、基準係合孔である係合孔27A以外の係合孔27B〜27Dそれぞれの周縁から延びるスリット28B〜28Dが形成される。スリット28Bは、係合孔27Bの周縁の5ケ所から係合孔27Bに対応する第2位置決め部15Bと反対側に伸びるように板パッド20Aに形成される。スリット28Cは、係合孔27Cの周縁の5ケ所から係合孔27Cに対応する第3位置決め部15Cと反対側に伸びるように板パッド20Aに形成される。スリット28Dは、係合孔27Dの周縁の5ケ所から係合孔27Dに対応する第4位置決め部15Dと反対側に伸びるように板パッド20Aに形成される。なお、スリット28B〜28Dの数は5つに限定するものではなく、1以上であればよい。
【0063】
パレット10の上に板パッド20Aを載置し、緩衝材30Aを、基準係合孔である係合孔27Aに組み付ける。この場合、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aが係合孔27Aに挿入される。この段階では、緩衝材30Aと板パッド20Aとの相対位置、およびパレット10と板パッド20Aとの相対位置は定まらない。
【0064】
次に、緩衝材30Cを、係合孔27Aと対角に位置する係合孔27Cに組み付ける。係合凸部33Cを係合孔27Cに押し込むと、係合凸部33Cが第3位置決め部15Cの第2側面16Bおよび第4側面17Bに当接し、係合凸部33Cが板パッド20Aを係合孔27Cで、第3位置決め部15Cから係合孔27Cに向かう方向に押す力が働く。これにより、板パッド20Aが、第3位置決め部15Cから係合孔27Cに向かう方向に移動する。
【0065】
一方、緩衝材30Aの第1係合凸部33Aが係合孔27Aを貫通しているので、板パッド20Aが、係合孔27Aが第1係合凸部33Aに当接するまで、第3位置決め部15Cから係合孔27Cに向かう方向に移動すると、係合凸部33Aが第1位置決め部15Aの第1側面16Aと第3側面17Aに当接することにより、緩衝材30Aとパレット10との相対位置が確定する。また、板パッド20Aの移動は、係合孔27Aが第1係合凸部33Aに当接することにより規制される。
【0066】
板パッド20Aの移動が規制された後は、スリット28Cが変形して係合凸部31Cが係合孔27Cに挿入される。これにより、緩衝材30Cとパレット10との相対位置が決定される。この状態では、スリット28Cの復元力によって、緩衝材30Cの係合凸部31Cがスリット28Cから係合孔27Cに向かう方向の力を受けるとともに、その反力として、緩衝材30Aの係合凸部33Aがスリット28Cから係合凸部33Aに向かう方向に力を受ける。このため、緩衝材30Cの係合凸部33Cが第3位置決め部15Cに向かう方向の力と、緩衝材30Aの係合凸部33Aが第1位置決め部15Aに向かう方向の力と、が釣り合う。
【0067】
次に、緩衝材30B,30Dのいずれかを順に組み付ける。例えば、緩衝材30Bの係合凸部33Bを係合孔27Bに押し込むと、板パッド20Aとパレット10との相対位置が決定しているので、係合凸部33Bが第2位置決め部15Bの第2側面16Bおよび第3側面17Aに当接し、スリット28Bが変形して係合凸部33Bが係合孔27Bに挿入される。これにより、緩衝材30Bとパレット10との相対位置が決定される。この状態では、スリット28Bの復元力によって、緩衝材30Bの係合凸部33Bがスリット28Bから第2位置決め部15Bに向かう方向の力を受ける。
【0068】
最後に、緩衝材30Dの係合凸部33Dを係合孔27Dに挿入するようにする。係合凸部33Dを係合孔27Dに押し込むと、板パッド20Aとパレット10との相対位置が決定しているので、係合凸部33Dが第4位置決め部15Dの第1側面16Aおよび第4側面17Bに当接し、スリット28Dが変形して係合凸部33Dが係合孔27Dに挿入される。これにより、緩衝材30Dとパレット10との相対位置が決定される。この状態では、スリット28Dの復元力によって、緩衝材30Dの係合凸部33Dがスリット28Dから第4位置決め部15Dに向かう方向の力を受ける。
【0069】
第4の変形例に変形例における梱包装置は、緩衝材30A〜30Dそれぞれが、板パッド20Aにたいした回転可能となっているが、上述した実施の形態における梱包装置1と同様の効果を奏することができる。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
<付記>
(1) 前記付勢手段は、前記一対の位置決め部にそれぞれ対応する一対の前記係合孔の少なくとも1つの周縁から、当該係合孔に対応する前記位置決め部と反対側に伸びるように前記板パッドに形成されるスリットを含む、請求項3に記載の梱包装置。
(2) 前記複数の第2係合凸部は、前記複数の第1係合凸部より短い、請求項4に記載の梱包装置。
(3) 前記付勢手段は、前記一対の位置決め部にそれぞれ対応する2つの前記第2係合孔の少なくとも1つの周縁から、当該第2係合孔に対応する前記第1係合孔とは反対側に伸びるように前記板パッドに形成されるスリットを含む、請求項4〜6のいずれかに記載の梱包装置。
この局面に従えば、一対の位置決め部とそれぞれ係合する2つの緩衝材それぞれの第2係合凸部が第2係合孔に挿入される段階で、板パッドがスリットの形成された部分で変形するが、板パッドの復元力によって、2つの緩衝材の少なくとも1つの第2係合凸部が第1係合孔に向かう方向に付勢される。このため、2つの緩衝材それぞれの第1係合凸部を2つの位置決め部それぞれの対向する抑止面に当接させることができる。