特許第6953872号(P6953872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6953872
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】ジッパーテープ
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/16 20060101AFI20211018BHJP
【FI】
   A44B19/16
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-150487(P2017-150487)
(22)【出願日】2017年8月3日
(65)【公開番号】特開2019-25224(P2019-25224A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美沙子
(72)【発明者】
【氏名】大塚 康司
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−229565(JP,A)
【文献】 特開2004−035013(JP,A)
【文献】 特開平09−001683(JP,A)
【文献】 米国特許第06009603(US,A)
【文献】 特開平10−001147(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第1466534(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 19/00−19/64
B65D 33/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄部と雌部とが互いに咬合するジッパーテープにおいて、
前記雌部が、所定の第1方向に延びる第1基部と、前記第1基部から突出する一対の係合爪とを有するとともに、
前記雄部が、前記第1方向に延びる第2基部と、前記第2基部上に立設した柱部と、前記柱部の先端部に配して前記係合爪に係合する係合部とを有し、
前記柱部の上面及び下面は、前記第1基部側へ行くほど互いに離れる方向に傾斜し、
前記第2基部上からの前記雄部の高さが前記柱部の最短幅よりも小さいことを特徴とするジッパーテープ。
【請求項2】
前記雌部の前記係合爪間が平面に形成されるとともに、前記雄部の先端が平面または凹
面に形成されることを特徴とする請求項1に記載のジッパーテープ。
【請求項3】
前記雄部の頂部に前記第1方向に延びる凹部を設けたことを特徴とする請求項1または
請求項2に記載のジッパーテープ。
【請求項4】
前記凹部の下端は前記係合部の下端よりも上方に配されることを特徴とする請求項3に
記載のジッパーテープ。
【請求項5】
前記柱部内に前記第1方向に延びる空洞を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4
のいずれかに記載のジッパーテープ。
【請求項6】
前記第1基部の前記係合爪間の距離を3mm以上にしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のジッパーテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雄部と雌部とが互いに咬合するジッパーテープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のジッパーテープを備える包装袋は特許文献1に開示されている。この包装袋は互いに対向する前面部及び背面部を周縁のシール部により熱接着される。ジッパーテープは互いに咬合する雄部及び雌部を有し、雄部及び雌部はそれぞれ前面部及び背面部の内面に熱接着される。包装袋内部のジッパーテープよりも下方には収納部が形成され、収納部には内容物が収納される。また、包装袋のジッパーテープよりも上方の側端には切欠部が設けられる。
【0003】
雌部は、左右方向に延びる第1基部と、第1基部から突出する一対の係合爪とを有する。雄部は、左右方向に延びる第2基部と、第2基部上に立設した柱部と、柱部の先端部に配して係合爪に係合する係合部とを有する。係合爪に係合部が係合してジッパーテープが閉じられる。
【0004】
上記構成の包装袋において、使用者が前面部及び背面部を摘持して切欠部から前面部及び背面部を破断すると包装袋が開封される。そして、破断された前面部及び背面部の上端を摘持して互いに離れる方向に引くと、係合部と係合爪との係合が解除され、ジッパーテープが開く。これにより、使用者は内容物を取り出すことができる。内容物の一部を取り出した後にジッパーテープを閉じることにより残りの内容物を保存することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2013/046562号(第6頁、第7頁、第10頁、第2図、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のジッパーテープによると、包装袋から例えば粉末状の内容物を取り出す際に雌部の係合爪間に内容物の一部が溜まるおそれがある。このため、ジッパーテープの粉かみが生じてジッパーテープの雄部と雌部とを確実に咬合させることができない。したがって、ジッパーテープの使用性が低下する問題があった。
【0007】
本発明は、使用性を向上できるジッパーテープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、雄部と雌部とが互いに咬合するジッパーテープにおいて、
前記雌部が、所定の第1方向に延びる第1基部と、前記第1基部から突出する一対の係合爪とを有するとともに、
前記雄部が、前記第1方向に延びる第2基部と、前記第2基部上に立設した柱部と、前記柱部の先端部に配して前記係合爪に係合する係合部とを有し、
前記第2基部上からの前記雄部の高さが前記柱部の最短幅よりも小さいことを特徴としている。
【0009】
また本発明は、上記構成のジッパーテープにおいて、前記雌部の前記係合爪間が平面に形成されるとともに、前記雄部の先端が平面または凹面に形成されることが好ましい。
【0010】
また本発明は、上記構成のジッパーテープにおいて、前記雄部の頂部に前記第1方向に延びる凹部を設けることが好ましい。
【0011】
また本発明は、上記構成のジッパーテープにおいて、前記凹部の下端は前記係合部の下端よりも上方に配されることが好ましい。
【0012】
また本発明は、上記構成のジッパーテープにおいて、前記柱部内に前記第1方向に延びる空洞を設けることが好ましい。
【0013】
また本発明は、上記構成のジッパーテープにおいて、前記第1基部の前記係合爪間の距離を3mm以上にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、第2基部上からの雄部の高さが柱部の最短幅よりも小さい。これにより、柱部の幅を広くして第1基部の係合爪間の長さを大きくしても雄部の高さが抑えられる。したがって、雌部の係合爪間に内容物が溜まることを防止し、ジッパーテープの粉かみを防止することができる。また、雄部と雌部とが咬合している際に第2基部に対する柱部の傾倒を防止して使用者の意に反するジッパーテープの開成を防止することができる。その結果、ジッパーテープの使用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態のジッパーテープを備える開封前の包装袋を示す正面図
図2】本発明の第1実施形態のジッパーテープを備える包装袋を示す側面断面図
図3】本発明の第1実施形態のジッパーテープを備える開封後の包装袋を示す正面図
図4】本発明の第1実施形態の変形例の包装袋を示す側面断面図
図5】本発明の第2実施形態のジッパーテープを備える包装袋を示す側面断面図
図6】本発明の第3実施形態のジッパーテープを備える包装袋を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本実施形態の包装袋の正面図を示している。なお、図1では開封前の包装袋を示している。包装袋1は所謂スタンディングパウチにより形成され、袋本体2及びジッパーテープ3を有する。ジッパーテープ3は樹脂により形成され、袋本体2の上部の内面に配される。
【0017】
袋本体2は樹脂シート100を重ねて周縁をシール部21によりシール(熱接着)され、互いに対向する前面部5及び背面部6を有する。また、前面部5及び背面部6の下端部には二つ折りした樹脂シート100から成る底面部8の周縁がシール部21によりシールされる。底面部8は熱接着されていない未接着部9を左右端部にそれぞれ複数有する。未接着部9によって熱接着処理時の底面部8のバブリングやカール等を防止することができる。
【0018】
袋本体2のジッパーテープ3の下方には内容物Sを収納する収納部4が形成される。内容物Sは例えば粉末状の食料品(小麦粉、粉ミルク等)または粉末状の薬剤等である。
【0019】
また、ジッパーテープ3よりも上方の袋本体2の両側縁のシール部21上にはV字状等のノッチ部29が形成される。なお、前面部5及び背面部6をハーフカットして左右のノッチ部29を略連結するような切り取り線(不図示)を設けてもよい。
【0020】
前面部5及び背面部6の外面上には内容物Sに関する情報(文字や図柄等)が印刷される。なお、前面部5及び背面部6の外面上に印刷される情報は内容物Sに関する情報以外のその他の情報(例えば風景の絵柄等)でもよい。また、内容物Sに関する情報やその他の情報が印刷されたシートを前面部5及び背面部6の外面に貼着してもよい。
【0021】
樹脂シート100は例えば袋本体2の外側から内側に向かって順に基材層、印刷層、接着層、中間層、接着層、シーラント層(いずれも不図示)を積層して形成される。基材層は例えば厚さ約12μmの二軸延伸の蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムにより形成される。印刷層は基材層上の所定位置に配したインキにより厚さ約1〜5μmに形成される。
【0022】
中間層は例えば厚さ約15μmの二軸延伸ナイロンフィルム上にシリカ等を蒸着して形成され、水蒸気や酸素等の透過を防止する。なお、中間層として、例えば有機酸化物または無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムやアルミニウム箔を用いてもよい。シーラント層(熱接着性樹脂層)は例えば厚さ約60μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムにより形成され、対向するシーラント層同士がシールされる。印刷層を含む基材層と中間層とを接着する接着層及び中間層とシーラント層とを接着する接着層はそれぞれドライラミネート法により厚さ約5μmに形成される。
【0023】
なお、樹脂シート100は例えば袋本体2の外側から内側に向かって順に基材層、中間層、印刷層、接着層、中間層、接着層、シーラント層を積層して形成されてもよい。
【0024】
図2は包装袋1のジッパーテープ3を通る側面断面図を示している。ジッパーテープ3は互いに咬合する雌部31及び雄部32を有する。雌部31は第1基部31a及び一対の係合爪31c、31dを有する。第1基部31aは帯状に形成されて図1における左右方向(第1方向)に延び、背面部6の内面に配される。第1基部31aの係合爪31c、31d間は平面に形成される。第1基部31aの材質として例えばポリエチレンを用いることができる。
【0025】
一対の係合爪31c、31dはそれぞれ第1基部31aの両側端部(図2において上端部及び下端部)から上方(図2において前方)に突出する。係合爪31c、31dの先端部は互いに近づく方向に屈曲している。
【0026】
雄部32は第2基部32a、柱部32b及び一対の係合部32c、32dを有する。第2基部32aは帯状に形成されて図1における左右方向に延び、前面部5の内面に配される。第2基部32aは第1基部31aに対向して配置される。第2基部32aの材質として例えばポリエチレンを用いることができる。柱部32bは第2基部32a上に立設される。これにより、柱部32bは第2基部32aから上方(図2において後方)に突出している。
【0027】
柱部32bの両側面(図2において上面及び下面)は上方(図2において第1基部31a側)へ行くほど互いに離れる方向に傾斜する。第2基部32a上からの雄部32の高さHは柱部32bの最短幅Wよりも小さくなっている。また、雄部32の先端は平面に形成されている。
【0028】
係合部32c、32dは柱部32bの先端部に配される。係合部32cは柱部32bの一方の側面(図2において上面)から外方(図2において上方)に突出して下方(図において第2基部32a側)に屈曲する。係合部32dは柱部32bの他方の側面(図2において下面)から外方(図2において下方)に突出して下方(図2において第2基部32a側)に屈曲する。雄部32は雌部31の係合爪31c、31d間に嵌合し、係合部32c、32dがそれぞれ係合爪31c、31dに係合する。
【0029】
第1基部31aは係合爪31c、31d間の直下の接着領域HS1で背面部6にシールされる。第2基部32aは柱部32bの直下の接着領域HS2で前面部5にシールされる。本実施形態において、接着領域HS1及び接着領域HS2は図1における前後方向で柱部32bに対向している。また、第1基部31a及び第2基部32aはそれぞれ1か所で背面部6及び前面部5にシールされる。
【0030】
ジッパーテープ3は雌部31と雄部32とが咬合した状態で、前面部5と背面部6との間に挟み込まれる。そして、前面部5と背面部6との間で雄部32及び雌部31を挟むようにスペーサ(不図示)を配置する。次に、ヒートシール装置(不図示)の一対の加圧部によって、前面部5と背面部6との間に介在するジッパーテープ3及びスペーサを図2における前後方向で挟んで押圧する。これにより、ジッパーテープ3は前面部5及び背面部6の内面にそれぞれ接着領域HS2及び接着領域HS1でシールされる。この時、雄部32の先端及び第1基部31aの係合爪31c、31d間は平面に形成されているため、雄部32及び雌部31の変形による損傷を防止することができる。
【0031】
上記構成の包装袋1は袋本体2の上端部を未シール状態で形成され、ジッパーテープ3を開いて上方から内容物Sが収納部4内に充填される。その後に、前面部5及び背面部6の上端部がヒートシール装置等によりシールされ、ジッパーテープ3の上方にシール部21が形成される。これにより、収納部4内に内容物Sが収納された状態で袋本体2が密封される。
【0032】
使用者がノッチ部29から袋本体2の上部を破断すると、包装袋1が開封される。図3は開封後の包装袋1を示す正面図である。次に、使用者はジッパーテープ3を開いて内容物Sを取り出すことができる。そして、使用者は内容物Sの一部を取り出した後にジッパーテープ3を閉じる。これにより、残りの内容物Sを保存することができる。
【0033】
この時、第2基部32a上からの雄部32の高さHが柱部32bの最短幅Wよりも小さい。これにより、柱部32bの幅を広くして第1基部31aの係合爪31c、31d間の長さを大きくしても雄部32の高さHが抑えられる。したがって、雌部31の係合爪31c、31d間に内容物Sが進入しても脱落しやすくなり、ジッパーテープ3の粉かみを防止することができる。また、雄部32と雌部31とが咬合している際に第2基部32に対する柱部32bの傾倒を防止して使用者の意に反するジッパーテープ3の開成を防止することができる。
【0034】
なお、第1基部31aの係合爪31c、31d間の距離Lを3mm以上にすると、内容物Sの係合爪31c、31d間での滞留をより防止することができるため望ましい。
【0035】
図4は本実施形態の包装袋1の変形例を示す側面断面図である。雌部31は、第1基部31aの両側端(図4において上端及び下端)からそれぞれ外方(図4において上方及び下方)に延設された延設部31e、31fを有してもよい。また、雄部32は、第2基部32aの両側端(図4において上端及び下端)からそれぞれ外方(図4において上方及び下方)に延設された延設部32e、32fを有してもよい。この場合、接着領域HS1は延設部31e、31fの直下に形成され、接着領域HS2は延設部32e、32fの直下に形成される。この時、係合爪31c、31d間の直下及び柱部32bの直下には接着領域HS1、HS2は形成されていない。
【0036】
図2に示すように、第2基部32aは柱部32bの直下の接着領域HS2で前面部5にシールされると、図4のように柱部32bの直下に接着領域HS2を形成しない場合と比較して、前面部5に対する柱部32bの傾倒をより防止することができる。
【0037】
本実施形態によると、第2基部32a上からの雄部32の高さHが柱部32bの最短幅Wよりも小さい。これにより、柱部32bの幅を広くして第1基部31aの係合爪31c、31d間の長さを大きくしても雄部32の高さHが抑えられる。したがって、雌部31の係合爪31c、31d間に内容物Sが溜まることを防止し、ジッパーテープ3の粉かみを防止することができる。また、雄部32と雌部31とが咬合している際に第2基部32に対する柱部32bの傾倒を防止して使用者の意に反するジッパーテープ3の開成を防止することができる。その結果、ジッパーテープ3の使用性を向上させることができる。
【0038】
また、雌部31の係合爪31c、31d間が平面に形成されるとともに、雄部32の先端が平面に形成される。これにより、雄部32の係合部32c、32d間の距離を大きくしながら柱部32bの傾倒をより防止し、係合部32c、32dと係合爪31c、31dとをより確実に係合させることができる。なお、雄部32の先端は凹面に形成されてもよい。
【0039】
また、第1基部31aの係合爪31c、31d間の距離Lを3mm以上にすると、内容物Sの係合爪31c、31d間での滞留をより防止することができる。
【0040】
なお、本実施形態において、雄部32を背面部6に設けるとともに雌部31を前面部5に設けてもよい。
【0041】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態の包装袋1のジッパーテープ3を通る側面断面図を示している。説明の便宜上、前述の図1図4に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態ではジッパーテープ3の雄部32の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0042】
雄部32の頂部には図1における左右方向(第1方向)に延びる凹部32hが設けられる。本実施形態では凹部32hの両端は開放され、凹部32hの側面断面(第1方向に垂直な断面)形状は略半楕円形状になっている。なお、凹部32hの側面断面形状は略半楕円形状に限定されず、例えば略矩形形状または略半円形状でもよい。
【0043】
これにより、雌部31の係合爪31c、31d間に進入した内容物Sが係合爪31c、31d間から脱落する前に雄部32を係合爪31c、31d間に挿入した場合に、係合爪31c、31d間の内容物Sは凹部32h内に収容される。したがって、ジッパーテープ3を確実に閉じることができる。
【0044】
また、凹部32hの下端(図5において前端)は係合部32c、32dの下端(図5において前端)よりも上方(図5において後方)に配される。これにより、係合爪31c、31dに係合している係合部32c、32dが係合爪31c、31dから離れる方向に傾倒しにくくなる。したがって、使用者の意に反するジッパーテープ3の開成をより防止することができる。
【0045】
また、雄部32の頂部に凹部32hを設けているため、第1実施形態のジッパーテープ3よりも樹脂量を少なくすることができる。このため、ジッパーテープ3を袋本体2の内面にシールした際に、シール部21とジッパーテープ3とが重なる領域近傍の樹脂だまりを抑制することができる。
【0046】
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、雄部32の頂部に左右方向(第1方向)に延びる凹部32hを設けている。これにより、雌部31の係合爪31c、31d間に進入した内容物Sが係合爪31c、31d間から脱落する前に雄部32を係合爪31c、31d間に挿入した場合に、係合爪31c、31d間の内容物Sは凹部32h内に収容される。したがって、ジッパーテープ3をより確実に閉じることができ、ジッパーテープ3の使用性をより向上させることができる。
【0047】
また、凹部32hの下端は係合部32c、32dの下端よりも上方に配される。これにより、係合爪31c、31dに係合している係合部32c、32dが係合爪31c、31dから離れる方向に傾倒しにくくなる。したがって、使用者の意に反するジッパーテープ3の開成をより防止することができる。
【0048】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図6は第3実施形態の包装袋1のジッパーテープ3を通る側面断面図を示している。説明の便宜上、前述の図1図4に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態ではジッパーテープ3の雄部32の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0049】
雄部32の柱部32b内には左右方向(第1方向)に延びる空洞32kが設けられる。本実施形態では空洞32kの両端は開放され、空洞32kの側面断面(第1方向に垂直な断面)形状は台形形状になっている。なお、空洞32kの側面断面形状は台形形状に限定されず、例えば矩形形状、円形状または楕円形状でもよい。
【0050】
なお、空洞32kの上面(図6において背面)は係合部32c、32dの下端(図6において前端)よりも下方(図6において第2基部32a側)に配置されると望ましい。これにより、係合爪31c、31dに係合している係合部32c、32dが係合爪31c、31dから離れる方向に傾倒しにくくなる。
【0051】
空洞32kを設けているため、雌部31の係合爪31c、31d間に進入した内容物Sが係合爪31c、31d間から脱落する前に雄部32を係合爪31c、31d間に挿入した場合に、第1基部31aと雄部32の先端との間の内容物Sが雄部32の先端部を押圧する。これにより、雄部32の先端部が空洞32k側に退避し、内容物Sが係合爪31c、31dが残った状態でもジッパーテープ3を閉じることができる。
【0052】
また、柱部32b内に空洞32kを設けているため、第1実施形態のジッパーテープ3よりも樹脂量を少なくすることができる。このため、ジッパーテープ3を袋本体2の内面にシールした際に、シール部21とジッパーテープ3とが重なる領域近傍の樹脂だまりを抑制することができる。
【0053】
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、柱部32b内に左右方向(第1方向)に延びる空洞32kを設けている。これにより、雌部31の係合爪31c、31d間に進入した内容物Sが係合爪31c、31d間から脱落する前に雄部32を係合爪31c、31d間に挿入した場合に、第1基部31aと雄部32の先端との間の内容物Sが雄部32の先端部を押圧する。これにより、雄部32の先端部が空洞32k側に退避し、内容物Sが係合爪31c、31dが残った状態でもジッパーテープ3を閉じることができる。したがって、ジッパーテープ3の使用性をより向上させることができる。
【0054】
なお、本実施形態の空洞32kを第2実施形態の雄部32の柱部32b内に設けてもよい。
【0055】
また、第2実施形態及び第3実施形態において、第1実施形態の図4に示すように、延設部31e、31f、32e、32fを設け、接着領域HS1を延設部31e、31fの直下に配するとともに接着領域HS2を延設部32e、32fの直下に配してもよい。
【0056】
また、第1実施形態〜第3実施形態において、包装袋1は所謂スタンディングパウチにより形成されているが、これに限定されない。例えば、所謂三方シール袋や四方シール袋等により包装袋1を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、雄部と雌部とが互いに咬合するジッパーテープに利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 包装袋
2 袋本体
3 ジッパーテープ
4 収納部
5 前面部
6 背面部
21 シール部
29 ノッチ部
31 雌部
31a 第1基部
31c、31d 係合爪
32 雄部
32a 第2基部
32b 柱部
32c、32d 係合部
32h 凹部
32k 空洞
100 樹脂シート
S 内容物
HS1、HS2 接着領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6