(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る包装容器について、図を参照して説明する。また、以下の説明では、便宜上、包装容器を正立させた状態での上下を上下方向と呼ぶ。
【0011】
<実施形態>
図1に、本発明の一実施形態に係る包装容器100の分解斜視図を示す。
図1に示すように、包装容器100は、容器本体200と、容器本体200の上面210に取り付けられたスパウト280に装着されるポンプディスペンサー300とを含む。また、
図2に、容器本体200にポンプディスペンサー300を取り付けた状態の包装容器100を
図1のA−A’線で切断した断面図を示す。なお、断面図においてポンプディスペンサー300の内部構造の図示は省略する。
【0012】
(容器本体)
容器本体200は、容器本体200の内部と外部との気圧差がない場合に、内容物の残存量によらず形状を維持できる程度の剛性を有するように形成されたセミリジッドな容器である。容器本体200は、例えば紙や樹脂シートを含むシート材を所定の形状に裁断することによりブランクを形成し、このブランクの端部を重ね合わせてシールすることにより形成することができる。一般に、セミリジッドな容器本体は、内容物の汲み出しに伴って空気が入ることにより内部と外部とに気圧差が生じなければ、内容物の残存量に依存せず、その形状を維持でき自立性は十分有する。しかしながら、ポンプディスペンサーの取り付け部分の剛性が、ポンプディスペンサーの軸の傾斜を抑えきれる程度に十分でなく、鉛直下方に対して斜めに押し下げられたときに、下端部が下面に当たっても滑ってしまい、更に傾斜が大きくなりやすい傾向がある。
【0013】
図1、
図2に示すように、容器本体200は、例えば紙を基材としたシート材を箱型に折曲げて形成された、上面210と、下面230と、対向する一対の第1の側面221と、対向する一対の第2の側面222とを備える容器である。
【0014】
上面210は、容器本体200の収容空間と外部とを連通する開口211を備える。開口211には貫通孔を備えるスパウト280が取り付けられている。
図1、
図2に示すように、ポンプディスペンサー300は、スパウト280の貫通孔に挿入して用いられる。ポンプディスペンサー300の挿入を容易にするため、スパウト280の貫通孔の内周直径は15mm以上であることが好ましい。
【0015】
第1の側面221及び第2の側面222の両側端のそれぞれには、三角形状に折り曲げられた状態で連接された折り曲げ片250が連接されている。また、第1の側面221及び第1の側面221の両側端に連接する折り曲げ片250の上下方向中央からは、シート材の端部をシールして形成される所定幅のサイドシール部240が延出している。
【0016】
折り曲げ片250は、第2の側面222に向かって折り曲げられ、ヒートシール、ホットメルト接着剤等により第2の側面222の表面に貼り付けられている。これによって、サイドシール部240は、第1の側面221及び第2の側面222に沿って折り曲げられる。
【0017】
容器本体200は、この形態に限定されず、例えば自立可能なフレキシブル包装袋、ブリックパック等であってもよい。
【0018】
容器本体200の形成に用いられるシート材は、特に限定されないが、紙を基材とした積層体を好適に用いることができる。シート材は、例えば容器本体200の外方から内方に向かって順に、印刷層/熱可塑性樹脂層/紙基材層/接着樹脂層/バリア層/接着層/シーラント層を積層して構成することができる。
【0019】
印刷層は、インキを用いてグラビア印刷やオフセット印刷等の方法により形成することができる。印刷層の外方に耐摩耗性向上または表面加飾性向上のためにオーバーコート層を設けても良い。
【0020】
熱可塑性樹脂層は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等を用いて、押出しラミネーション等により紙基材層上に形成することができる。熱可塑性樹脂層にコロナ処理等の易接着処理を行って、印刷層との密着性を高めてもよい。
【0021】
紙基材層は、ミルクカートン原紙等の板紙を用いて形成することができる。坪量及び密度は、容器の容量やデザインにより適宜選択可能である。例えば、坪量200g/m
2以上500g/m
2以下、密度0.6g/cm
3以上1.1g/cm
3以下のものを好適に用いることができる。
【0022】
接着樹脂層は、紙基材層とバリア層とを接着する機能を有するポリオレフィン系樹脂を用いて形成された層である。具体的には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、LDPE、LLDPE、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレン(PP)等を用いることができる。接着強度を高めるために、紙基材層やバリア層の表面に、コロナ処理、オゾン処理、アンカーコート等を行ってもよい。厚さは、10μm以上60μm以下が好ましい。10μm以上とすることで、十分な接着強度を得ることができる。
【0023】
バリア層には、アルミニウム等の金属、シリカ、アルミナ等を基材フィルムに蒸着するか、アルミニウム等の金属箔を基材フィルムにドライラミネートすることにより形成できる。いずれの場合も基材フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)を好適に用いることができる。
【0024】
バリア層を蒸着により形成する場合は、蒸着層の厚みは5nm以上100nm以下とすることができ、基材フィルムの厚みは6μm以上25μm以下とすることができる。蒸着層は、シート材の表面側及び裏面側のどちらに向けて積層されていてもよい。
【0025】
バリア層を金属箔のドライラミネートにより形成する場合は、金属箔の厚みは5μm以上15μm以下とすることができる。
【0026】
接着層は、ドライラミネート用接着剤やノンソルベントラミネート用接着剤を用いて形成することができる。また、ポリオレフィン系樹脂を用いて押出し加工により接着してもよい。塗布量は0.5g/m
2以上7.0g/m
2以下が好ましい。
【0027】
シーラント層には、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE等が使用できる。また、一部ポリブテンを含む層があってもよい。上述の材質の中でも、特に、LLDPEが好適である。とりわけ密度0.925g/cm
3以下、MI(メルトインデックス)4以上のものが好ましい。シーラント層の厚みは30μm以上100μm以下が好ましい。シーラント層は、例えばTダイ法やインフレーション法で製膜することができる。
【0028】
(ポンプディスペンサー)
ポンプディスペンサー300は、容器本体200に充填された内容液を汲み出すための部材であり、ポンプ部310と、固定部320と、支持部材330とを含む。
【0029】
ポンプ部310は、鉛直下方に押し下げられることにより内容液を、支持部材330を通して吸い上げることのできる部材である。ポンプ部310は、例えばポンプヘッド311と、ポンプヘッド311の下方に形成された円筒状のピストン312と、ピストン312を上下方向に摺動自在に内装した円筒状のシリンダ部313と、ポンプヘッド311から延出する管状の注出ノズル314とを含んで構成される。
【0030】
ポンプ部310は、ポンプヘッド311を押し下げることにより、ピストン312がシリンダ部313の内方へ向かって摺動する。ピストン312がシリンダ部313の内方へ摺動することで、シリンダ部313内部の図示しないポンプ機構により、後述する支持部材330を通してシリンダ部313内部に内容液が汲み上げられる。汲み上げられた内容液は、ピストン312の内周を経由して、注出ノズル314からポンプ部310の外部へ汲み出される。
【0031】
固定部320は、ポンプディスペンサー300を容器本体200に固定するための部材である。固定部320は、例えば容器本体200のスパウト280に螺合により着脱可能なキャップであり、シリンダ部313の外周に形成することができる。
【0032】
支持部材330は、ポンプ部310の下端から下方に向かって延伸し、
図2に示すように、容器本体200に取り付けられた状態において容器本体の内部に配置される略円筒形状の部材である。支持部材330の内周はシリンダ部313の内部と連通し、上述のようにポンプ部310を押し下げることにより、内容液を支持部材330の内部を通して吸い上げることができる。
図1に示すように、支持部材330は、下端部に内容液の吸い上げを容易にするために1つ以上の切り欠き331、または連通孔を備えてもよい。
【0033】
図2に示すように、支持部材330は、下面230を水平にしたとき、中心軸が鉛直方向を向き、その長さは、少なくともポンプ部310を鉛直下方へ向かって押し下げたときに、下端部の少なくとも一部が容器本体200の下面230に当接する長さに形成されている。すなわち、支持部材330の長さは、ポンプ部310を鉛直下方へ向かって押し下げたときに容器本体200の上面210が一定程度変形した結果、下端部が下面230に当接する長さであってもよいし、ポンプ部310を鉛直下方へ向かって押し下げる前から下端部が下面230に当接している長さであってもよい。支持部材330をこの長さに設定することにより、内容液を汲み出す際にポンプ部310を鉛直下方に押し下げる押圧力を、下面230に当接した支持部材330により受け止めることができる。このため、ポンプ部310を鉛直下方に押し下げて内容液を汲み出す際に、押圧力により容器本体200が座屈することを抑制できる。
【0034】
支持部材330の外周直径は、スパウト280の貫通孔の内周直径よりも小さく形成されている。これにより、ポンプディスペンサー300を容器本体200へ取り付ける際に、支持部材330を容易にスパウト280に挿入することができる。また、支持部材330下端の外周直径が小さすぎると内容液が通過し難くなり、内容液の汲み出しが困難になる。このため、支持部材330の下端部の輪郭を含む凸包絡の面積は、スパウト280の貫通孔の断面積の100%未満65%以上であることが好ましい。
【0035】
ここで、支持部材330の下端部の輪郭を含む凸包絡とは、支持部材330を下方から見た状態において、支持部材330の下端部のうち下面230に当接しうる部分を含み、かつ輪郭の全長が最小となる領域である。
図3に、支持部材330を下方から見た、支持部材330の下端部の輪郭を含む凸包絡の例を説明する図を示す。例えば
図3の(a)に示すように、支持部材330の下端部に1カ所の切り欠き331を有する場合は、支持部材330の下端部の輪郭と、切り欠き331の両端の支持部材330の端部とを結ぶ直線とに囲まれた領域(図にハッチングで示す領域)が凸包絡である。
【0036】
また、例えば
図3の(b)に示すように、支持部材330の下端部に等間隔に4カ所の切り欠き331を有する場合においても同様に、支持部材330の下端部の輪郭と、各切り欠き331の両端の支持部材330の端部とを結ぶ直線とに囲まれた領域(図にハッチングで示す領域)が凸包絡である。
【0037】
支持部材330は、その中心軸を鉛直下方から3°以下好ましくは5°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合も、ポンプディスペンサー300の重心から鉛直下方へ向かって延伸した直線が、ポンプディスペンサー300の下端部の凸包絡内を通過するように形成されている。
【0038】
図4に、ポンプディスペンサー300が下面230に直交する直線に対して5°傾いた状態において、重心から鉛直下方へ向かって延伸した直線Lと、ポンプディスペンサー300の下端部のうち下面230に当接する部分の凸包絡との関係を示す。
図4の(a)は、直線Lが支持部材下端部の凸包絡内を通過する状態を示す。また、
図4の(b)は、直線Lが支持部材下端部の凸包絡内を通過しない状態を示す。いずれも、上の図はポンプディスペンサー300の側面図であり、下の図は下方から見た支持部材330を拡大した図であり、凸包絡にハッチングを付してして示す。また、便宜上、容器本体200は、下面230の一部を除いて図示を省略する。
【0039】
図4の(a)に示すように、直線Lが凸包絡を通過する状態では、ポンプディスペンサー300には黒矢印で示す正立方向へのモーメントが働く。このため、包装容器の使用者がポンプヘッド311を鉛直方向に対してわずかに傾いた方向から押し下げて、ポンプディスペンサー300が傾いた場合であっても、直線Lが凸包絡を通過していれば、ポンプディスペンサー300は正立方向へのモーメントにより傾きが低減される。したがって、
図4の(a)に示す場合には、下面230に直交する直線に対して傾いた方向からポンプヘッド311を押し下げた場合であっても、ポンプディスペンサー300の横倒れの発生を抑制することができる。
【0040】
特に、包装容器100の使用者がポンプヘッド311を押し下げた場合、押し下げる方向の鉛直下方からのずれによって、ポンプディスペンサー300は、おおむねその固定部320の近くに存在する重心を中心に回転する。その回転量は、押し下げ時に、下面230に当接している状態で鉛直方向に対して概ね3°以内であり、上述したような、一定の剛性を有するセミリジッドな容器本体200であれば、乱暴に押し下げても、ほぼ5°以内に収まる。このため、直線Lとポンプディスペンサー300の下端部の凸包絡との位置を上記の関係に設定することにより、ポンプディスペンサー300の下端部と容器本体200の下面230とが当接後も下端部が下面230に対して滑って中心軸がさらに回転し傾きが増加する横倒れの発生を十分効果的に抑制することができる。
【0041】
これに対して、
図4の(b)に示すように、直線Lが凸包絡内を通過しない状態においては、ポンプディスペンサー300には黒矢印で示す横倒れ方向へのモーメントが働く。このため、包装容器の使用者が、ポンプヘッド311を鉛直方向に対してわずかに傾いた方向から押し下げようとした場合に直線Lが凸包絡内を通過していなければ、ポンプディスペンサー300が横倒れを起こす。
【0042】
このように、ポンプディスペンサー300を、容器本体200の下面に直交する直線に対して3°以下好ましくは5°以下の範囲で傾けた場合に、直線Lが支持部材330の下端部の凸包絡内を通過するように設計することにより、ポンプヘッド311を押し下げる際のポンプディスペンサー300の横倒れの発生を抑制することができる。
【0043】
直線Lを支持部材330の下端部の凸包絡内を通過させる具体な方法としては、例えば支持部材330の下端部の外周直径を、スパウト280の貫通孔に容易に挿入できる範囲で大きく設定したり、切り欠き331の幅を狭く設定したりする等の方法がある。
【実施例】
【0044】
実施例1〜4及び比較例1〜3に係る包装容器を製造し、これらを用いてポンプディスペンサーによる内容液の汲み出しの可否、及び容器本体への取り付け/取り外し作業性についての評価を行った。
【0045】
<容器仕様>
(容器本体)
実施例1〜4、及び比較例2、3に係る容器本体のスパウトは、内周直径30mm(面積は約710mm
2)とした。また、比較例1に係る容器本体のスパウトは内周直径12mm(面積は約110mm
2)とした。
【0046】
(支持部材)
実施例1〜3に係る包装容器の支持部材は、下端部における外周直径26mm(凸包絡の面積は約530mm
2)とした。
【0047】
実施例1の支持部材の下端部には、幅4mmの切り欠きを1カ所設けた。実施例1の支持部材は、中心軸を鉛直下方から3°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合にも、ポンプディスペンサーの重心から鉛直下方へ向かって延伸した直線Lが、ポンプディスペンサーの下端部の凸包絡内を通過するように形成されている。また、実施例1の支持部材は、中心軸を鉛直下方から切り欠きの方向に5°傾けると、切り欠きに対応する部分において直線Lが凸包絡の外に出る。
【0048】
実施例2の支持部材の下端部には、幅3mmの切り欠きを円周上に等間隔に4カ所設けた。実施例2の支持部材は、中心軸を鉛直下方から5°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合にも、直線Lがポンプディスペンサーの下端部の凸包絡内を通過するように形成されている。
【0049】
実施例3の支持部材の下端部には、幅1mmの切り欠きを円周上に等間隔に28カ所設けた。実施例3の支持部材は、中心軸を鉛直下方から5°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合にも、直線Lがポンプディスペンサーの下端部の凸包絡内を通過するように形成されている。
【0050】
実施例4に係る包装容器の支持部材は、下端部における外周直径15mm(凸包絡の面積は約180mm
2)とし、幅4mmの切り欠きを1カ所設けた。実施例4の支持部材は、中心軸を鉛直下方から3°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合にも、直線Lがポンプディスペンサーの下端部の凸包絡内を通過するように形成されている。また、実施例4の支持部材は、中心軸を鉛直下方から切り欠きの方向に5°傾けると、切り欠きに対応する部分において直線Lが凸包絡の外に出る。
【0051】
比較例1に係る包装容器の支持部材は、下端部における外周直径10mm(凸包絡の面積は約79mm
2)とし、幅3mmの切り欠きを1カ所設けた。比較例1の支持部材は、中心軸を鉛直下方から3°傾けると、直線Lが凸包絡の外に出る。
【0052】
比較例2に係る包装容器の支持部材は、下端部における外周直径30mm(凸包絡の面積は約710mm
2)とし、幅4mmの切り欠きを1カ所設けた。比較例2の支持部材は、中心軸を鉛直下方から5°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合にも、直線Lがポンプディスペンサーの下端部の凸包絡内を通過するように形成されている。
【0053】
比較例3に係る包装容器の支持部材は、下端部における外周直径26mm(凸包絡の面積は約480mm
2)とし、幅20mmの切り欠きを1カ所設けた。比較例3の支持部材は、中心軸を鉛直下方から3°傾けると、切り欠きに対応する部分において直線Lが凸包絡の外に出る。
【0054】
<評価>
内容液の汲み出しの可否については、各ポンプディスペンサーを用いた内容液の汲み出しの可否を確認した。
【0055】
容器本体への取り付け/取り外し作業性については、ポンプディスペンサーの容器本体のスパウトへの取り付け/取り外し作業の容易さについて評価を行った。
【0056】
表1に、評価に用いた実施例及び比較例に係る包装容器の容器仕様と評価結果とをまとめた。また、
図5に、実施例及び比較例に係る支持部材の下端部の形状を図示した。表1において、特に安定的な汲み出しが可能であった場合は「++」で示し、汲み出しが可能であった場合は「+」で示し、汲み出しができなかった場合は「−」で示した。また、容器本体への取り付け/取り外し作業が容易であった場合は「+」示し、容易でないまたは取り付けができなかった場合は「−」で示した。
【0057】
これらの結果について、特に安定的な汲み出しが可能であり、容器本体への取り付けが容易であった包装容器については総合評価を「++」で示した。
【0058】
また、汲み出しが可能であり、容器本体への取り付けが容易であった包装容器については総合評価を「+」で示した。また、いずれかの評価において、良好でない結果がでた包装容器については総合評価を「−」で示した。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例1〜4は、横倒れが発生せず汲み出しができ、また、取り付け/取り外し作業が容易であった。とりわけ実施例2、3は、とくに安定的に汲み出しができた。
これに対して比較例1〜3は、横倒れが発生するか、取り付け/取り外し作業が困難であった。
【0061】
以上の評価結果から、支持部材の中心軸を鉛直下方から3°以下の範囲でいずれの方向に傾けた場合にも、ポンプディスペンサーの重心から鉛直下方へ向かって延伸した直線Lが、下端部の凸包絡内を通過するように設計することにより、横倒れの発生を抑制して、内容液を汲み出すことができることが確認できた。
【0062】
また、ポンプディスペンサーの下端部における外周直径をスパウトの内周直径よりも小さく形成することにより、ポンプディスペンサーの容器本体への取り付け/取り外し作業を容易に行うことができることが確認できた。