(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異なっていることがある。
【0014】
(第1実施形態)
まず、インク噴射システムの構成について説明する。
図1は、インク噴射システムの主要構成を模式的に示す斜視図である。
本実施形態におけるインク噴射システム1は、
図1に示すように、インク噴射装置の一例であるインクジェット式のプリンター3と、インク供給装置4と、を有している。プリンター3は、記録部6と、制御部9と、を有している。なお、
図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。この場合、各図におけるXYZ軸は、
図1におけるXYZ軸に対応する。
図1には、X軸とY軸とによって規定されるXY平面にインク噴射システム1を配置した状態が図示されている。本実施形態では、XY平面を水平な平面に一致させた状態でインク噴射システム1をXY平面に配置したときの状態が、インク噴射システム1の使用状態である。水平面に一致させたXY平面にインク噴射システム1を配置したときのインク噴射システム1の姿勢を、インク噴射システム1の使用姿勢と呼ぶ。
【0015】
なお、水平面は、実質的に水平な面であればよい。実質的な水平には、例えば、インク噴射システム1が使用されるときに載置される面について許容される傾斜範囲内で傾斜が含まれる。このようなことから、実質的な水平面は、例えば、高精度に形成された定盤などの面に限定されない。実質的な水平面には、例えば、インク噴射システム1が使用されるときに載置される机や、台、棚、床などの種々の面が含まれる。また、鉛直方向は、厳密に重力方向に沿った距離に限定されず、実質的な水平面に対する垂直方向も含まれる。このため、実質的な水平面が、例えば、机や、台、棚、床などの面であるときには、鉛直方向は、これらの面に対する垂直方向を指す。
【0016】
以下において、インク噴射システム1の構成部品やユニットを示す図や説明にX軸、Y軸、及びZ軸が表記されている場合には、その構成部品やユニットをインク噴射システム1に組み込んだ(搭載した)状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。また、インク噴射システム1の使用姿勢における各構成部品やユニットの姿勢を、それらの構成部品やユニットの使用姿勢と呼ぶ。そして、以下において、インク噴射システム1や、その構成部品、ユニット等の説明では、特にことわりがないときには、それぞれの使用姿勢での説明とする。
【0017】
Z軸は、XY平面に直交する軸である。インク噴射システム1の使用状態において、Z軸方向が鉛直上方向となる。そして、インク噴射システム1の使用状態では、
図1において、−Z軸方向が鉛直下方向である。なお、XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが−(負)の方向を示している。なお、鉛直上方向や鉛直上方とは、鉛直線に沿った上方向や上方を指す。同様に、鉛直下方向や鉛直下方とは、鉛直線に沿った下方向や下方を指す。鉛直という表記がされていない上方向や上方は、鉛直線に沿った上方向や上方に限定されず、水平方向を除いて鉛直線に交差する方向に沿った上方向や上方を含む。また、鉛直という表記がされていない下方向や下方は、鉛直線に沿った下方向や下方に限定されず、水平方向を除いて鉛直線に交差する方向に沿った下方向や下方を含む。
【0018】
プリンター3において、記録部6と、制御部9とは、筐体11に収容されている。記録部6は、搬送装置(図示せず)でY軸方向に搬送される記録媒体Pに、液体の一例であるインクで記録を行う。なお、図示しない搬送装置は、記録用紙などの記録媒体Pを、Y軸方向に間欠的に搬送する。記録部6は、移動装置(図示せず)によって、X軸に沿って往復移動可能に構成されている。インク供給装置4は、記録部6にインクを供給する。制御部9は、上記の各構成の駆動を制御する。
【0019】
ここで、X軸に沿う方向は、X軸と完全に平行な方向に限定されず、X軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。同様に、Y軸に沿う方向は、Y軸と完全に平行な方向に限定されず、Y軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。Z軸に沿う方向は、Z軸と完全に平行な方向に限定されず、Z軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。つまり、任意の軸や面に沿う方向は、これらの任意の軸や面に完全に平行な方向に限定されず、これらの任意の軸や面に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。
【0020】
記録部6は、キャリッジ17と、記録ヘッド19と、を備えている。記録ヘッド19は、インク噴射部の一例であり、インクをインク滴として吐出して、記録媒体Pに記録を行う。キャリッジ17は、記録ヘッド19を搭載している。なお、記録ヘッド19は、制御部9に電気的に接続されている。記録ヘッド19からのインク滴の吐出は、制御部9によって制御される。
【0021】
インク供給装置4は、
図1に示すように、インクタンク31を有している。本実施形態では、インク供給装置4が、複数の(本実施形態では5つの)インクタンク31を有している。複数のインクタンク31は、筐体11の内部に収容されている。つまり、複数のインクタンク31は、記録ヘッド19やインク供給チューブ34とともに筐体11の内部に収容されている。これにより、インクタンク31を筐体11で保護することができる。なお、複数のインクタンク31が筐体11の外に配置される構成も採用され得る。この場合、インク供給装置4が、プリンター3とは別体であると表現され得る。
【0022】
インクタンク31には、インクが収容されている。インクタンク31には、インク注入部33が形成されている。インクタンク31では、インク注入部33を介してインクタンク31の外部からインクタンク31の内部にインクを注入することができる。なお、作業者は、筐体11の外側からインクタンク31のインク注入部33にアクセスすることができる。
【0023】
各インクタンク31には、インク供給チューブ34が接続される。インクタンク31内のインクは、インク供給装置4からインク供給チューブ34を介して記録ヘッド19に供給される。そして、記録ヘッド19に供給されたインクが、記録媒体P側に向けられたノズル(図示せず)からインク滴として吐出される。なお、上記の例では、プリンター3とインク供給装置4とを一体の構成として説明したが、インク供給装置4とプリンター3とを別体の構成とすることもできる。
【0024】
上記の構成を有するインク噴射システム1では、記録媒体PをY軸方向に搬送させ、且つキャリッジ17をX軸に沿って往復移動させながら、記録ヘッド19に所定の位置でインク滴を吐出させることによって、記録媒体Pに記録が行われる。これらの動作は、制御部9によって制御される。
【0025】
インクは、水性インクと油性インクのいずれか一方に限定されるものではない。また、水性インクとしては、水性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、水性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。また、油性インクとしては、油性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、油性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。
【0026】
図2はインク供給装置の主要構成を示す分解斜視図である。
図2に示すように、インク供給装置4は、複数のインクタンク31と、アダプター35と、を含む。複数のインクタンク31は、X軸に沿って並んでおり、相互に同一の構造及び形状を有している。インク供給装置4では、複数のインクタンク31がアダプター35によって一体に束ねられている。
図2では、構成をわかりやすく示すため、複数のインクタンク31のうちの1つのインクタンク31をアダプター35から外した状態が示されている。
【0027】
本実施形態では、複数のインクタンク31のそれぞれに、相互に異なる種類のインクを収容する構成や、相互に同じ種類のインクを収容する構成のいずれも採用され得る。インクの種類としては、例えば、インクの色が挙げられる。よって、本実施形態では、複数のインクタンク31のそれぞれに、相互に異なる色のインクを収容する構成や、相互に同じ色のインクを収容する構成のいずれも採用され得る。インクの色としては、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンなどが挙げられる。
【0028】
インクタンク31は、Y軸に沿った長さ寸法が、X軸に沿った幅寸法よりも大きい。また、インクタンク31は、Z軸に沿った高さ寸法が、Y軸に沿った長さ寸法よりも小さい。しかしながら、インクタンク31の寸法は、これに限定されず、種々の寸法が採用され得る。インクタンク31は、第1壁41と、第2壁42と、第3壁43と、第4壁44と、第5壁45と、第6壁46と、第7壁47と、第8壁48と、を有している。また、インクタンク31は、接続管49(インク入口)を有している。第1壁41〜第8壁48が、インクタンク31の外殻(インク貯留室)を構成している。インクタンク31の外殻を構成する壁の数は、第1壁41〜第8壁48の8つに限定されず、8つよりも少ない数や、8つを超える数も採用され得る。
【0029】
第1壁41は、Y軸方向に向いており、XZ平面に沿って延伸している。第1壁41は、光透過性を有しており、第1壁41を介してインクタンク31内のインクを視認可能に構成されている。つまり、第1壁41は、インクタンク31内のインクの量を視認可能な視認壁とされている。第1壁41には、上限マーク51と、下限マーク52と、が設けられている。作業者は、上限マーク51及び下限マーク52を目印または目安にしてインクタンク31におけるインクの量を把握することができる。
【0030】
なお、インクタンク31においてインクの量を報知する標識としては、上限マーク51や下限マーク52に限定されず。インクの量を示す目盛りなども採用され得る。上限マーク51及び下限マーク52に目盛りを付加した構成や、上限マーク51及び下限マーク52を省略して目盛りだけを付加した構成なども採用され得る。また、インクタンク31に付加する標識として、各インクタンク31に収容されるインクの種類を示す標識も採用され得る。例えば、インクの種類としてインクの色を示す標識が挙げられる。インクの色を示す標識としては、例えば、ブラックのインクを示す「Bk」、シアンのインクを示す「C」、マゼンタのインクを示す「M」、及びイエローのインクを示す「Y」等の文字や、色による表示など、種々の標識が挙げられる。
【0031】
第2壁42は、第1壁41に対向し、−Y軸方向に向いている。第2壁42は、XZ平面に沿って延伸している。第3壁43は、第1壁41及び第2壁42に交差している。なお、2つの面が交差するとは、2つの面が互いに平行でない位置関係であることを示す。2つの面が互いに直接に接触している場合のほか、直接に接触しておらず互いに離れている位置関係でも、一方の面の延長と他方の面の延長とが交差する関係である場合も交差すると表現する。交差する2つの面がなす角は、直角、鈍角、鋭角のいずれでもよい。
【0032】
第3壁43は、第1壁41及び第2壁42に交差している。第3壁43は、第1壁41及び第2壁42の−Z軸方向に位置しており、−Z軸方向に向いている。第3壁43は、XY平面に沿って延伸している。第3壁43は、Y軸方向の端部において、第1壁41の−Z軸方向の端部につながっている。また、第3壁43は、−Y軸方向の端部において、第2壁42の−Z軸方向の端部につながっている。
【0033】
第4壁44は、第3壁43に対向し、Z軸方向に向いている。第4壁44は、第2壁42に交差しており、XY平面に沿って延伸している。第4壁44は、第2壁42のZ軸方向に位置している。第4壁44は、第1壁41よりも−Y軸方向の位置に位置している。第4壁44は、−Y軸方向の端部において、第2壁42のZ軸方向の端部につながっている。
【0034】
第5壁45は、第1壁41、第2壁42、第3壁43、及び第4壁44に交差している。第5壁45は、第1壁41、第2壁42、第3壁43、及び第4壁44のX軸方向に位置している。第5壁45は、X軸方向に向いており、YZ平面に沿って延伸している。第5壁45は、Y軸方向の端部において、第1壁41のX軸方向の端部につながっている。第5壁45は、−Y軸方向の端部において、第2壁42のX軸方向の端部につながっている。第5壁45は、−Z軸方向の端部において、第3壁43のX軸方向の端部につながっている。第5壁45は、Z軸方向の端部において、第4壁44のX軸方向の端部につながっている。
【0035】
第6壁46は、第1壁41、第2壁42、第3壁43、及び第4壁44に交差している。第6壁46は、第1壁41、第2壁42、第3壁43、及び第4壁44の−X軸方向に位置し、第5壁45に対向している。第6壁46は、−X軸方向に向いており、YZ平面に沿って延伸している。第6壁46は、Y軸方向の端部において、第1壁41の−X軸方向の端部につながっている。第6壁46は、−Y軸方向の端部において、第2壁42の−X軸方向の端部につながっている。第6壁46は、−Z軸方向の端部において、第3壁43の−X軸方向の端部につながっている。第6壁46は、Z軸方向の端部において、第4壁44の−X軸方向の端部につながっている。
【0036】
第7壁47は、第1壁41のZ軸方向に位置しており、第1壁41に交差している。第7壁47は、Z軸方向に向いており、XY平面に沿って延伸している。第7壁47は、第3壁43と第4壁44との間に位置している。第7壁47は、Y軸方向の端部において、第1壁41のZ軸方向の端部につながっている。換言すれば、インクタンク31において、第4壁44と第7壁47との間には段差がある。第7壁47は、X軸方向の端部において、第5壁45につながっている。第7壁47は、−X軸方向の端部において、第6壁46につながっている。
【0037】
第8壁48は、第7壁47の−Y軸方向に位置しており、Y軸方向に向いている。また、第8壁48は、第4壁44のY軸方向に位置している。第8壁48は、XZ平面に沿って延伸している。第8壁48は、−Z軸方向の端部において第7壁47の−Y軸方向の端部につながっており、Z軸方向の端部において第4壁44のY軸方向の端部につながっている。換言すれば、インクタンク31において、第4壁44と第7壁47との間の段差が、第8壁48を介してつながっている。
【0038】
第7壁47のZ軸方向に向いた面には、接続部の一例である接続管49が設けられている。接続管49は、第7壁47からZ軸方向に向かって突出している。接続管49は、中空の管状に構成されており、Z軸方向に延在している。この構成から、接続管49は、チムニー状であるとも表現され得る。接続管49は、インクタンク31内に連通している。インクタンク31に注入されるインクは、接続管49を介してインクタンク31内に注入される。
図3はインクタンクを示す斜視図である。
図3に示すように、接続管49の内部は、Z軸に沿って2つの流路53A及び流路53Bに区画されている。2つの流路53A及び流路53Bは、それぞれインクタンク31内に連通している。
図3では、接続管49の内部をわかりやすく示すため、接続管49を含むインクタンク31の一部分を破断した状態が図示されている。
【0039】
アダプター35は、
図2に示すように、X軸に沿って並ぶ複数のインクタンク31をまたぐ寸法を有している。アダプター35は、インクタンク31の第7壁47のZ軸方向に位置する。アダプター35には、複数のスロット部54(凹部)が形成されている。アダプター35には、X軸に沿って並ぶ複数のインクタンク31のそれぞれに対応してスロット部54が設けられている。なお、スロット部54の個数は、X軸に沿って並ぶ複数のインクタンク31の個数よりも多くてもよい。
【0040】
スロット部54は、
図2に示すように、アダプター35のZ軸方向の上面から−Z軸方向に向かって凹となる向きに形成されている。スロット部54の底には、後述する貫通孔55が形成されている。この貫通孔55は、アダプター35をZ軸に沿って貫通している。貫通孔55は、インクタンク31の接続管49を挿入可能な大きさを有している。アダプター35は、インクタンク31の第4壁44と第7壁47との間の段差部に装着される。また、アダプター35がインクタンク31に装着されると、インク供給装置4において、インクタンク31の接続管49がアダプター35の貫通孔55を介してスロット部54に挿入される。これにより、アダプター35がインクタンク31に装着された状態で、インクタンク31の接続管49が、アダプター35のスロット部54を介して露呈する。なお、
図1に示すインク注入部33は、インクタンク31にアダプター35を装着した状態において、アダプター35のスロット部54及びスロット部54内の構成(接続管49を含む)の総称である。
【0041】
図4はインクタンクとアダプターとを示す平面図である。スロット部54は、
図4に示すように、Y軸に沿って延在する長方形状の長方形部57と、長方形部57のY軸における中央に位置する円形状の円形部58とを重ねた外観を有している。円形部58の底に貫通孔55が形成されている。なお、本実施形態では、X軸に沿って隣り合う2つのスロット部54の円形部58同士が互いにつながっている。インクタンク31の接続管49は、円形部58の貫通孔55に重なる位置に配置されている。
【0042】
長方形部57の内壁のうちYZ平面に沿って延在する内壁には、第1凸部59が設けられている。スロット部54のそれぞれにおいて、円形部58を挟んで互いに対峙する長方形部57のそれぞれに第1凸部59が設けられている。1つのスロット部54において、第1凸部59は、接続管49の中心点に対して点対称に配置されている。上記の構成により、スロット部54は、接続管49の中心点に対して点対称な構造を有している。アダプター35に設けられた複数のスロット部54では、第1凸部59の構成が相互に異なっている。このため、アダプター35に設けられた複数のスロット部54は、相互に異なる構造を有している。
【0043】
これに対して、従来のインクボトル(インク補給容器)には、アダプター35に設けられた複数のスロット部54の種類に応じて、適合可能なスロット部54の第1凸部59に対応する凹部を備えた誤挿入防止部が設けられていた。これにより、アダプター35に設けられた複数のスロット部54のそれぞれに対して適合可能なインクボトルの種類を規定することができる。つまり、アダプター35に設けられた複数のスロット部54は、相互に異なる構造を有する鍵穴として機能すると表現され得る。そして、アダプター35に設けられた複数のスロット部54のそれぞれに適合可能なインクボトルが、鍵穴に適合する鍵として機能すると表現され得る。つまり、鍵穴に適合するインクボトルから接続管49を介してインクタンク31内にインクを注入することができる。逆に、鍵穴に適合しないインクボトルでは、インクタンク31内にインクを注入することができない。
しかしながら、上記のように従来のインクボトルは、各スロット部54に対応する誤挿入防止部を備えるため、構造が複雑化してしまう。
そこで、以下、実施形態では、簡易な構造でインクタンク31にインクを注入可能なインクボトル(インク補給容器)の構成について説明する。
【0044】
図5は本実施形態にかかるインクボトルの外観図であり、
図6はインクボトルの断面図(閉口状態)である。また、
図7Aはインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)であり、
図7Bはインクボトルの断面図(開口状態)である。
図5及び
図6に示すように、インクボトル101は、インクを収容可能な容器本体部201と、容器本体部201の端部に設けられ、容器本体部201に収容されたインクを流出させるインク出口401が形成されたインク出口形成部301と、インク出口401を開口または閉口する弁体501(
図6)と、を備えている。
本実施形態の容器本体部201とインク出口形成部301とは一体形成されたものである。なお、容器本体部201とインク出口形成部301とを別体に形成し、ねじ構造等により容器本体部201とインク出口形成部301とが互いに係合可能に構成してもよい。
【0045】
また、インクボトル101は、インク出口401を覆う蓋部材601を備えている。蓋部材601は、弾性を有する材料で構成されており、蓋部材601の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。なお、蓋部材601は省略することもできる。
【0046】
容器本体部201は、弾性を有する材料で構成されている。容器本体部201は、筒状体を成している。容器本体部201の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂材料や、鉄材やアルミニウム等の金属材料などが採用され得る。
【0047】
インク出口形成部301は、球状部310と、筒部311とを含む。球状部310と筒部311とは、相互に一体的に形成されている。インク出口形成部301の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。球状部310は、曲面を有した球状の外観を成している。また、球状部310の内部も曲面を有した球状を有している。そして、筒部311の一方端には球状部310が接続され、筒部311の他方端にはインク出口401が形成されている。
【0048】
インク出口形成部301と容器本体部201との境界部はくびれ部Sを有している。そして、
図6に示すように、インクボトル101は、容器本体部201からくびれ部Sに向けて内部の空間が狭くなるように構成されている。また、くびれ部Sからインク出口形成部301の球状部310にかけて一旦内部の空間が広くなり、球状部310から筒部311にかけて内部の空間が狭くなるように構成されている。
なお、インクボトル101の内部のくびれ部Sに対応する部分の内径は弁体501の径よりも小さい。
【0049】
弁体501は、インク出口401を開口または閉口する。本実施形態の弁体501は、接続管49(インク入口)にインク出口401を装着した場合に、インク出口401が閉口した第1の位置P1からインク出口401が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口401を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
本実施形態の弁体501は球状体を成している。弁体501の材料としては、例えば、ガラス材や弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
図6はインク出口401が閉口された状態のインクボトル101を示している。この場合、弁体501は第1の位置P1に位置している。具体的には、弁体501は、筒部311の内径よりも大きい径を有している。そして、筒部311の内側の一部には凹部312が形成されており、当該凹部312に弁体501が係合される。これにより、インク出口401は弁体501によって閉口される。従って、本実施形態にかかる弁体501の第1の位置P1は、インク出口401が閉口される一の位置に特定される。
【0050】
次いで、
図7Aに示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口401を装着した場合に、弁体501はインク出口401が閉口した第1の位置P1からインク出口401が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体501とが接触し、接続管49が弁体501をZ軸方向に押し上げる。インク出口形成部301はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体501は接続管49の押圧によって凹部312から外れる。これにより、インク出口401は開口される。すなわち、弁体501が第2の位置P2に移動する。
インク出口401が開口されると、インクボトル101に収容されたインクがインク出口401を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と筒部311の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル101からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口401からのインクの漏れを抑えることができる。
【0051】
また、インクボトル101のインク出口形成部301の先端部は筒部311のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
ここで、本実施形態にかかる弁体501の第2の位置P2は、インク出口401が開口された状態における弁体501の位置を指す。すなわち、第2の位置P2は、第1の位置P1以外の位置であって、インク出口401が開口されていれば一の位置に限定されない。
例えば、
図7Bに示すように、インク出口401が開口された状態で、インク出口401を上方に向けた場合、弁体501は重力によって球状部310の下方に位置する。そして、弁体501はくびれ部Sを第2の位置P2として保持される。
なお、
図7Bに示すように、弁体501がくびれ部Sに保持されると、弁体501は容器本体部201の蓋部として機能し得る。これにより、インク出口401から容器本体部201への異物の侵入の防止や、容器本体部201に収容されたインクの乾燥等を抑えることができる。
【0052】
さて、本実施形態の弁体501は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。
すなわち、弁体501の径は、筒部311の内径よりも大きいため、一旦弁体501が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0053】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0054】
弁体501が第1の位置P1にある場合は、インク出口401が閉口であるためインクの漏れ等を防止できる。そして、インク出口401を接続管49に装着した際、弁体501は第1の位置P1から第2の位置P2に移動する。これにより、インク出口401が開口して容器本体部201に収容されたインクをインクタンク31に補給することができる。さらに、インクボトル101は、スロット部54の形態に適合させた誤挿入防止部を設けることなく、インクを補給可能な構造となっており、インクボトル101の構成が簡易となり、インクボトル101の製造コストを低減させることができる。
また、弁体501を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させた場合には、第2の位置P2から第1の位置P1への弁体501の移動は不可となる。すなわち、一旦接続管49からインク出口401を取外した場合、すなわち、弁体501を第1の位置P1から第2の位置P2とすると、弁体501は第2の位置P2で保持される。従って、インクボトル101が未使用品なのか使用済み品なのかを容易に判別することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図8はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図9はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0056】
図8に示すように、インクボトル102は、インクを収容可能な容器本体部202と、容器本体部202の端部に設けられ、容器本体部202に収容されたインクを流出させるインク出口402が形成されたインク出口形成部302と、インク出口402を開口または閉口する弁体502と、を備えている。
本実施形態の容器本体部202とインク出口形成部302とは一体形成されたものである。なお、容器本体部202とインク出口形成部302とを別体に形成し、ねじ構造等により容器本体部202とインク出口形成部302と互いに係合可能に構成してもよい。
また、インクボトル102は、インク出口402を覆う蓋部材602を備えている。
なお、容器本体部202及び蓋部材602の構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0057】
インク出口形成部302は、球状部320と、筒部321とを含む。球状部320と筒部321とは、相互に一体的に形成されている。インク出口形成部302の構成は第1実施形態と同様である。
また、インク出口形成部302と容器本体部202との境界部はくびれ部Sを有している。そして、
図8に示すように、インクボトル102は、容器本体部202からくびれ部Sに向けて内部の空間が狭くなるように構成されている。また、くびれ部Sからインク出口形成部302の球状部320にかけて一旦内部の空間が広くなり、球状部320から筒部321にかけて内部の空間が狭くなるように構成されている。
なお、インクボトル102の内部のくびれ部Sに対応する部分の内径は弁体502の径よりも小さい。
【0058】
弁体502は、インク出口402を開口または閉口する。本実施形態の弁体502は、接続管49(インク入口)にインク出口402を装着した場合に、インク出口402が閉口した第1の位置P1からインク出口402が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口402を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
本実施形態の弁体502は球状体を成している。弁体502の材料としては、例えば、ガラス材や弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
図8はインク出口402が閉口された状態のインクボトル102を示している。この場合、弁体502は第1の位置P1に位置している。具体的には、弁体502は、筒部321の内径よりもやや大きい径を有している。そして、筒部321の内側の一部には、第1突起部322と、第1突起部322よりも上方に形成された第2突起部323が形成されている。第1突起部322及び第2突起部323は、筒部321の内部側に向けて突状を成している。なお、第2突起部323の先端部が下方に向くように、第2突起部323の一部が屈曲されている。そして、第1突起部322と第2突起部323とで弁体502を保持する(第1の位置P1)。これにより、インク出口402は弁体502によって閉口される。
【0059】
次いで、
図9に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口402を装着した場合に、弁体502はインク出口402が閉口した第1の位置P1からインク出口402が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体502とが接触し、接続管49が弁体502をZ軸方向に押し上げる。インク出口形成部302(第1突起部322及び第2突起部323)はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体502は接続管49の押圧によって第1突起部322及び第2突起部323から外れる。これにより、インク出口402は開口される。すなわち、弁体502が第2の位置P2に移動する。
インク出口402が開口されると、インクボトル102に収容されたインクがインク出口402を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と筒部321の第2突起部323の屈曲した先端部の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル102からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口402からのインクの漏れを抑えることができる。
【0060】
また、インクボトル102のインク出口形成部302の先端部は筒部321のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0061】
本実施形態の弁体502は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。すなわち、弁体502の径は、筒部321の内径よりも大きいため、一旦弁体502が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0062】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図10はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図11はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0064】
図10に示すように、インクボトル103は、インクを収容可能な容器本体部203と、容器本体部203の端部に設けられ、容器本体部203に収容されたインクを流出させるインク出口403が形成されたインク出口形成部303と、インク出口403を開口または閉口する弁体503と、を備えている。
本実施形態の容器本体部203とインク出口形成部303とは一体形成されたものである。なお、容器本体部203とインク出口形成部303とを別体に形成し、ねじ構造等により容器本体部203とインク出口形成部303と互いに係合可能に構成してもよい。
また、インクボトル103は、インク出口403を覆う蓋部材603を備えている。
なお、容器本体部203及び蓋部材603の構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0065】
インク出口形成部303は、球状部330と、筒部331とを含む。球状部330と筒部331とは、相互に一体的に形成されている。インク出口形成部303の構成は第1実施形態と同様である。
また、インク出口形成部303と容器本体部203との境界部はくびれ部Sを有している。そして、
図10に示すように、インクボトル103は、容器本体部203からくびれ部Sに向けて内部の空間が狭くなるように構成されている。また、くびれ部Sからインク出口形成部303の球状部330にかけて一旦内部の空間が広くなり、球状部330から筒部331にかけて内部の空間が狭くなるように構成されている。
なお、インクボトル103の内部のくびれ部Sに対応する部分の内径は弁体503の径よりも小さい。
【0066】
弁体503は、インク出口403を開口または閉口する。本実施形態の弁体503は、接続管49(インク入口)にインク出口403を装着した場合に、インク出口403が閉口した第1の位置P1からインク出口403が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口403を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
本実施形態の弁体503は球状体を成している。弁体503の材料としては、例えば、ガラス材や弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
図10はインク出口403が閉口された状態のインクボトル103を示している。この場合、弁体503は第1の位置P1に位置している。
具体的には、球状部330の内部には、上方から斜め下方にフランジ部333が形成されている。フランジ部333は、球状部330の内部の上方から内側に向けて延在する鍔状体を成している。そして、フランジ部333の先端部で弁体503を保持する。これにより、インク出口403は弁体503によって閉口される。
【0067】
次いで、
図11に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口403を装着した場合に、弁体503はインク出口403が閉口した第1の位置P1からインク出口403が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体503とが接触し、接続管49が弁体503をZ軸方向に押し上げる。インク出口形成部303(フランジ部333)はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体503は接続管49の押圧によってフランジ部333から外れる。これにより、インク出口403は開口される。すなわち、弁体503が第2の位置P2に移動する。
インク出口403が開口されると、インクボトル103に収容されたインクがインク出口403を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と筒部331の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル103からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口403からのインクの漏れを抑えることができる。
【0068】
また、インクボトル103のインク出口形成部303の先端部は筒部331のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0069】
本実施形態の弁体503は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。すなわち、弁体503の径は、フランジ部333の先端部で形成される内径よりも大きいため、一旦弁体503が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0070】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0071】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図12はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図13はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0072】
図12に示すように、インクボトル104は、インクを収容可能な容器本体部204と、容器本体部204の端部に設けられ、容器本体部204に収容されたインクを流出させるインク出口404が形成されたインク出口形成部304と、インク出口404を開口または閉口する弁体504と、を備えている。
また、インク出口形成部304は、フランジ部343を有している。
また、インクボトル104は、インク出口404を覆う蓋部材604を備えている。
なお、容器本体部204及び蓋部材604の構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0073】
インク出口形成部304は、球状部340と、筒部341と、フランジ部343と、を含む。球状部340と筒部341とは、相互に一体的に形成されている。一方、フランジ部343は、球状部340及び筒部341とは別体で構成されている。
また、インク出口形成部304と容器本体部204との境界部はくびれ部Sを有している。そして、
図12に示すように、インクボトル104は、容器本体部204からくびれ部Sに向けて内部の空間が狭くなるように構成されている。また、くびれ部Sからインク出口形成部304の球状部340にかけて一旦内部の空間が広くなり、球状部340から筒部341にかけて内部の空間が狭くなるように構成されている。
なお、インクボトル104の内部のくびれ部Sに対応する部分の内径は弁体504の径よりも小さい。
【0074】
また、筒部341にフランジ部343が接続されている。具体的には上方から斜め下方にフランジ部343が形成されている。フランジ部343は、筒部341の内部の上方から内側に向けて延在する鍔状体を成している。そして、フランジ部343の先端部で弁体504を保持する。
フランジ部343には筒部341に沿ってインク出口404が形成されている。そして、フランジ部343の先端部で弁体504を保持することによりインク出口404は閉口される。
また、フランジ部343と筒部341の外側面のそれぞれには、フランジ部343と筒部341とを係合するねじ構造等の係合部344a,344bが設けられ、互いに係合される。
【0075】
弁体504は、インク出口404を開口または閉口する。本実施形態の弁体504は、接続管49(インク入口)にインク出口404を装着した場合に、インク出口404が閉口した第1の位置P1からインク出口404が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口404を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
本実施形態の弁体504は球状体を成している。弁体504の材料としては、例えば、ガラス材や弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
【0076】
次いで、
図13に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口404を装着した場合に、弁体504はインク出口404が閉口した第1の位置P1からインク出口404が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体504とが接触し、接続管49が弁体504をZ軸方向に押し上げる。インク出口形成部304(フランジ部343)はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体504は接続管49の押圧によってフランジ部343の先端部から外れる。これにより、インク出口404は開口される。すなわち、弁体504が第2の位置P2に移動する。
インク出口404が開口されると、インクボトル104に収容されたインクがインク出口404を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面とフランジ部343によって形成されたインク出口404の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル104からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口404からのインクの漏れを抑えることができる。
【0077】
また、インクボトル104のインク出口形成部304の先端部はフランジ部343の外装のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0078】
本実施形態の弁体504は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。すなわち、弁体504の径は、フランジ部343の先端部で形成される内径よりも大きいため、一旦弁体504が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0079】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0080】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図14はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図15はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0081】
図14に示すように、インクボトル105は、インクを収容可能な容器本体部205と、容器本体部205の端部に設けられ、容器本体部205に収容されたインクを流出させるインク出口405が形成されたインク出口形成部305と、インク出口405を開口または閉口する弁体505と、を備えている。
また、インク出口形成部305は、フランジ部353を有している。
また、インクボトル105は、インク出口405を覆う蓋部材605を備えている。
なお、容器本体部205及び蓋部材605の構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0082】
インク出口形成部305は、球状部350と、筒部351と、フランジ部353と、を含む。球状部350と筒部351とは、相互に一体的に形成されている。一方、フランジ部353は、球状部350及び筒部351とは別体で構成されている。
また、インク出口形成部305と容器本体部205との境界部はくびれ部Sを有している。そして、
図14に示すように、インクボトル105は、容器本体部205からくびれ部Sに向けて内部の空間が狭くなるように構成されている。また、くびれ部Sからインク出口形成部305の球状部350にかけて一旦内部の空間が広くなり、球状部350から筒部351にかけて内部の空間が狭くなるように構成されている。
なお、インクボトル105の内部のくびれ部Sに対応する部分の内径は弁体505の径よりも小さい。
【0083】
また、筒部351にフランジ部353が接続されている。より詳細には、筒部351とフランジ部353とを接続させるための留め部355を備え、筒部351の頂部にフランジ部353を載置した状態で、筒部351及びフランジ部353のそれぞれに設けられた凸部と留め部355に設けられた凸部とを対応させることによって筒部351とフランジ部353とを接続固定させる。
フランジ部353は、筒部351の内部の上方から内側に向けて延在する鍔状体を成している。そして、フランジ部353の先端部で弁体505を保持する。
フランジ部353及び留め部355には開口が設けられ、当該開口がインクを外部に流出させるためのインク出口405を形成する。そして、フランジ部353の先端部で弁体505を保持することによりインク出口405は閉口される。
【0084】
弁体505は、インク出口405を開口または閉口する。本実施形態の弁体505は、接続管49(インク入口)にインク出口405を装着した場合に、インク出口405が閉口した第1の位置P1からインク出口405が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口405を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
本実施形態の弁体505は球状体を成している。弁体505の材料としては、例えば、ガラス材や弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
【0085】
次いで、
図15に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口405を装着した場合に、弁体505はインク出口405が閉口した第1の位置P1からインク出口405が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体505とが接触し、接続管49が弁体505をZ軸方向に押し上げる。フランジ部353はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体505は接続管49の押圧によってフランジ部353の先端部から外れる。これにより、インク出口405は開口される。すなわち、弁体505が第2の位置P2に移動する。
インク出口405が開口されると、インクボトル105に収容されたインクがインク出口405を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面とフランジ部353または留め部355によって形成されたインク出口405の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル105からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口405からのインクの漏れを抑えることができる。
【0086】
また、インクボトル105のインク出口形成部305の先端部は留め部355の外装のみの構成なので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0087】
本実施形態の弁体505は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。すなわち、弁体505の径は、フランジ部353の先端部で形成される内径よりも大きいため、一旦弁体505が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0088】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0089】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図16はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図17はインクボトルの断面図(開口状態)である。
【0090】
図16に示すように、インクボトル106は、インクを収容可能な容器本体部206と、容器本体部206の端部に設けられ、容器本体部206に収容されたインクを流出させるインク出口406が形成されたインク出口形成部306と、インク出口406を開口または閉口する弁体506と、を備えている。
また、インクボトル106は、弁体506を押圧する押圧部363を備えている。
【0091】
インク出口形成部306は、球状部360と、筒部361と、を含む。球状部360と筒部361とは、相互に一体的に形成されている。
なお、容器本体部206、インク出口形成部306及び弁体506の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0092】
押圧部363は、凸部364を有している。凸部364の先端部分は平坦面を有している。凸部364はインク出口406に挿入可能な大きさである。また、押圧部363と筒部361とは接続部365によって接続されている。これにより、押圧部363の紛失を防止することができる。
【0093】
図16に示すように、筒部361の内側の一部に設けられた凹部366と弁体506とが係合することによりインク出口406は閉口される。すなわち、弁体506が第1の位置P1に位置することでインク出口406は閉口される。
【0094】
そして、
図17に示すように、押圧部363の凸部364をインク出口406に挿入する。そうすると、凸部364の頂部と弁体506とが接触し、凸部364が弁体506を押圧する。インク出口形成部306はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体506は押圧部363の押圧によって凹部366から外れる。これにより、インク出口406は開口される。すなわち、弁体506が第2の位置P2に移動する。
【0095】
インク出口406が開口された後、押圧部363の凸部364をインク出口406から取り外す。そして、インク出口406から接続管49に向けてインクを供給する。これにより、インクボトル106に収容されたインクがインク出口406を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。
また、インクボトル106のインク出口形成部306の先端部は筒部361のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0096】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0097】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図18はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図19はインクボトルの断面図(開口状態)である。
【0098】
図18に示すように、インクボトル107は、インクを収容可能な容器本体部207と、容器本体部207の端部に設けられ、容器本体部207に収容されたインクを流出させるインク出口407が形成されたインク出口形成部307と、インク出口407を開口または閉口する弁体507と、を備えている。
また、インクボトル107は、弁体507を押圧する押圧部375を備えている。
【0099】
インク出口形成部307は、球状部370と、筒部371と、フランジ部373と、を含む。球状部370と筒部371とは、相互に一体的に形成されている。一方、フランジ部373は、球状部370及び筒部371とは別体で構成されている。そして、フランジ部373と筒部371とが突起部を有する係合部374a,374bによって係合されている。
なお、容器本体部207、インク出口形成部307及び弁体507の構成は、第4実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0100】
押圧部375は、凸部376を有している。凸部376の先端部分は平坦面を有している。凸部376はインク出口407に挿入可能な大きさである。押圧部375は、例えば、プラスチック材である。また、押圧部375とフランジ部373とはフィルム377によって保持されている。これにより、押圧部375の紛失を防止することができる。
【0101】
図18に示すように、フランジ部373の先端部に弁体507を保持することによりインク出口407は閉口される。すなわち、弁体507が第1の位置P1に位置することでインク出口407は閉口される。
【0102】
そして、
図19に示すように、押圧部375の凸部376をインク出口407に挿入する。そうすると、凸部376の頂部と弁体507とが接触し、凸部376が弁体507を押圧する。フランジ部373はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で形成されているので弾性を有している。このため、弁体507は押圧部375の押圧によってフランジ部373の先端部から外れる。これにより、インク出口407は開口される。すなわち、弁体507が第2の位置P2に移動する。
【0103】
インク出口407が開口された後、押圧部375の凸部376をインク出口407から取り外す。そして、インク出口407から接続管49に向けてインクを供給する。これにより、インクボトル107に収容されたインクがインク出口407を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。
また、インクボトル107のインク出口形成部307の先端部はフランジ部373の外装のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0104】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0105】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図20はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図21はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0106】
図20に示すように、インクボトル108は、インクを収容可能な容器本体部208と、容器本体部208の端部に設けられ、容器本体部208に収容されたインクを流出させるインク出口408が形成されたインク出口形成部308と、インク出口408を開口または閉口する弁体508と、を備えている。本実施形態では、容器本体部208とインク出口形成部308とは一体的に形成されている。
【0107】
インク出口形成部308は、球状部380と、筒部381と、を含む。球状部380と筒部381とは、相互に一体的に形成されている。
なお、容器本体部208、インク出口形成部308の基本的な構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。但し、本実施形態ではインク出口形成部308の筒部381の内部側には凹部は形成されておらず、筒状(管状)を成している。
【0108】
弁体508は、インク出口408を開口または閉口するものである。
本実施形態の弁体508は略円柱状を成している。弁体508の材料としては、例えば、ゴム材やコルク材等が採用され得る。
図20は、弁体508が筒部381を球状部380の内部側から押し込むようにして配置される。すなわち、インク出口408が閉口された状態のインクボトル108を示している。そして、この場合、弁体508は第1の位置P1に位置している。
弁体508は、筒部381の内径よりも大きい径を有している。このため、筒部381の内部に弁体508を押し込めば筒部381の内部が閉塞される。すなわち、インク出口408が閉口される。
【0109】
本実施形態の弁体508は、接続管49(インク入口)にインク出口408を装着した場合に、インク出口408が閉口した第1の位置P1からインク出口408が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口408を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
【0110】
図21に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口408を装着した場合に、弁体508はインク出口408が閉口した第1の位置P1からインク出口408が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体508とが接触し、接続管49が弁体508をZ軸方向に押し上げる。弁体508及びインク出口形成部308は弾性を有している。このため、弁体508は接続管49の押圧によって筒部381から外れる。これにより、インク出口408は開口される。すなわち、弁体508が第2の位置P2に移動する。
インク出口408が開口されると、インクボトル108に収容されたインクがインク出口408を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と筒部381の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル108からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口408からのインクの漏れを抑えることができる。
【0111】
また、インクボトル108のインク出口形成部308の先端部は筒部381のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0112】
本実施形態の弁体508は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。
すなわち、弁体508を筒部381側に向けて押圧することができないので、一旦弁体508が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0113】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0114】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図22はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図23はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0115】
図22に示すように、インクボトル109は、インクを収容可能な容器本体部209と、容器本体部209の端部に設けられ、容器本体部209に収容されたインクを流出させるインク出口409が形成されたインク出口形成部309と、インク出口409を開口または閉口する弁体509と、を備えている。
【0116】
インク出口形成部309は、球状部390と、筒部391と、筒部391の先端部に設けられたシール部393と、を含む。球状部390と筒部391とは、相互に一体的に形成されている。一方、シール部393は球状部390及び筒部391とは別体に形成されている。
なお、容器本体部209、球状部390及び筒部391の基本的な構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0117】
シール部393は、筒部391の内側面に沿った筒状部394と筒部391の外側面に設けられた凸部398と係合するフック部395とを備えている。そして、筒状部394の先端部にインク出口409が形成される。
【0118】
弁体509は、インク出口409を開口または閉口するものである。
本実施形態の弁体509は略円柱状を成している。弁体509の材料としては、例えば、ゴム材やコルク材等が採用され得る。
図22に示すように、弁体509が筒状部394の内周面に押し込むようにして配置される。すなわち、インク出口409が閉口された状態のインクボトル109を示している。そして、この場合、弁体509は第1の位置P1に位置している。
弁体509は、筒状部394の内径よりも大きい径を有している。このため、筒状部394の内部に弁体509を押し込めば筒状部394の内部が閉塞される。すなわち、インク出口409が閉口される。
【0119】
本実施形態の弁体509は、接続管49(インク入口)にインク出口409を装着した場合に、インク出口409が閉口した第1の位置P1からインク出口409が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口409を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
【0120】
図23に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口409を装着した場合に、弁体509はインク出口409が閉口した第1の位置P1からインク出口409が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体509とが接触し、接続管49が弁体509をZ軸方向に押し上げる。弁体509及びシール部393は弾性を有している。このため、弁体509は接続管49の押圧によって筒状部394から外れる。これにより、インク出口409は開口される。すなわち、弁体509が第2の位置P2に移動する。
インク出口409が開口されると、インクボトル109に収容されたインクがインク出口409を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と筒状部394の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル109からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口409からのインクの漏れを抑えることができる。
【0121】
また、インクボトル109のインク出口形成部309の先端部はシール部393のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0122】
本実施形態の弁体509は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。
すなわち、弁体509を筒状部394側に向けて押圧することができないので、一旦弁体509が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0123】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0124】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図24はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図25はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0125】
図24に示すように、インクボトル110は、インクを収容可能な容器本体部210と、容器本体部210の端部に設けられ、容器本体部210に収容されたインクを流出させるインク出口410が形成されたインク出口形成部1310と、インク出口410を開口または閉口する弁体510と、を備えている。
【0126】
インク出口形成部1310は、球状部1100と、筒部1101と、筒部1101の先端部に設けられたシール部1103と、を含む。球状部1100と筒部1101とは、相互に一体的に形成されている。一方、シール部1103は球状部1100及び筒部1101とは別体に形成されている。
なお、容器本体部210、球状部1100及び筒部1101の基本的な構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0127】
シール部1103は、筒部1101の内側面に沿った筒状部1104と筒部1101の外側面に設けられた凸部1108と係合するフック部1105とを備えている。そして、筒状部1104の先端部にはインク出口410が形成される。また、筒状部1104の先端部は、筒状部1104の内部に向けて尖った尖状部1104aを成している。
【0128】
弁体510は、インク出口410を開口または閉口するものである。
本実施形態の弁体510は略円柱状を成している。弁体510の材料としては、例えば、ゴム材やコルク材等が採用され得る。
図24に示すように、弁体510が筒状部1104の尖状部1104aに押し込むようにして配置される。すなわち、
図24はインク出口410が閉口された状態のインクボトル110を示している。そして、この場合、弁体510は第1の位置P1に位置している。
弁体510は、筒状部1104の内径よりも大きい径を有している。このため、筒状部1104の内部に弁体510を押し込めば筒状部1104の内部が閉塞される。すなわち、インク出口410が閉口される。
【0129】
本実施形態の弁体510は、接続管49(インク入口)にインク出口410を装着した場合に、インク出口410が閉口した第1の位置P1からインク出口410が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口410を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
【0130】
図25に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口410を装着した場合に、弁体510はインク出口410が閉口した第1の位置P1からインク出口410が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体510とが接触し、接続管49が弁体510をZ軸方向に押し上げる。弁体510及びシール部1103は弾性を有している。このため、弁体510は接続管49の押圧によって筒状部1104(尖状部1104a)から外れる。これにより、インク出口410は開口される。すなわち、弁体510が第2の位置P2に移動する。
インク出口410が開口されると、インクボトル110に収容されたインクがインク出口410を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と尖状部1104aを含む筒状部1104の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル110からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口410からのインクの漏れを抑えることができる。
【0131】
また、インクボトル110のインク出口形成部1310の先端部はシール部1103のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0132】
本実施形態の弁体510は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。
すなわち、弁体510を筒状部1104側に向けて押圧することができないので、一旦弁体510が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0133】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0134】
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図26はインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図27はインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0135】
図26に示すように、インクボトル111は、インクを収容可能な容器本体部211と、容器本体部211の端部に設けられ、容器本体部211に収容されたインクを流出させるインク出口411が形成されたインク出口形成部1311と、インク出口411を開口または閉口する弁体511と、を備えている。
【0136】
インク出口形成部1311は、球状部1110と、筒部1111と、筒部1111の先端部に設けられたシール部1113と、を含む。球状部1110と筒部1111とは、相互に一体的に形成されている。一方、シール部1113は球状部1110及び筒部1111とは別体に形成されている。
なお、容器本体部211、球状部1110及び筒部1111の基本的な構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0137】
シール部1113は、筒部1111の内側面に沿った筒状部1114と、筒状部1114の両端部に設けられた突起部1114a,1114bと、を備えている。そして、筒状部1114の先端部(突起部1114b)にはインク出口411が形成される。
突起部1114aは、断面視において筒状部1114の内側と外側に突起を成し、筒状部1114の外側の突起は筒部1111と球状部1110との境界部分に嵌め込まれている。また、突起部1114bも同様にして、断面視において筒状部1114の内側と外側に突起を成し、筒状部1114の外側の突起は筒部1111の頂部に嵌め込まれている。すなわち、突起部1114aと突起部1114bとによりシール部1113が筒部1111に沿って保持される。
【0138】
弁体511は、インク出口410を開口または閉口するものである。
本実施形態の弁体511は略円柱状を成し、当該円柱の側面には凸部511aを有している。弁体511の材料としては、例えば、ゴム材やコルク材等が採用され得る。
図26に示すように、弁体511が筒状部1114に押し込むようにして配置される。すなわち、
図26はインク出口411が閉口された状態のインクボトル111を示している。そして、この場合、弁体511は第1の位置P1に位置している。
弁体511の最大径は、筒状部1114の内径よりも大きい。このため、筒状部1114の内部に弁体511を押し込めば筒状部1114の内部が閉塞される。すなわち、インク出口411が閉口される。
【0139】
本実施形態の弁体511は、接続管49(インク入口)にインク出口411を装着した場合に、インク出口411が閉口した第1の位置P1からインク出口411が開口する第2の位置P2に移動し、接続管49からインク出口411を取外した場合に、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可となる。
【0140】
図27に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口411を装着した場合に、弁体511はインク出口411が閉口した第1の位置P1からインク出口411が開口する第2の位置P2に移動する。
具体的には、接続管49の頂部と弁体511とが接触し、接続管49が弁体511をZ軸方向に押し上げる。弁体511及びシール部1113は弾性を有している。このため、弁体511は接続管49の押圧によって筒状部1114(突起部1114a)から外れる。これにより、インク出口411は開口される。すなわち、弁体511が第2の位置P2に移動する。
インク出口411が開口されると、インクボトル111に収容されたインクがインク出口411を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面と突起部1114a,1114bを含む筒状部1114の内周面と間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル111からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口411からのインクの漏れを抑えることができる。
【0141】
また、インクボトル111のインク出口形成部1311の先端部はシール部1113及び筒部1111のみなので、アダプター35のスロット部54の形態に拘らず、スロット部54の円形部58に挿入可能となる。
【0142】
本実施形態の弁体511は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動した後は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動不可である。
すなわち、弁体511を筒状部1114側に向けて押圧することができないので、一旦弁体511が第1の位置P1から外れると、元の位置に復帰できない構造となっている。
【0143】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0144】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図28は本実施形態にかかるインクボトルの外観図である。また、
図29Aはインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図29Bはインクボトルの断面図(開口状態)である。
【0145】
図28及び
図29Aに示すように、インクボトル112は、インクを収容可能な容器本体部212と、容器本体部212の端部に設けられ、容器本体部212に収容されたインクを流出させるインク出口412が形成されたインク出口形成部712と、インク出口412を開口または閉口する弁体512(
図29A)と、弁体512の位置を、インク出口412が閉口する第1の位置P1とインク出口412が開口する第2の位置P2とに移動させる操作部2120と、を備えている。
容器本体部212とインク出口形成部712とは別体に形成され、容器本体部212とインク出口形成部712とは、例えば、ねじ構造(図示せず)により係合可能に構成にされている。
【0146】
容器本体部212は、弾性を有する材料で構成されている。容器本体部212は、筒状体を成している。容器本体部212の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂材料や、鉄材やアルミニウム等の金属材料などが採用され得る。
【0147】
インク出口形成部712は、第1筒部1120と第2筒部1121とを含む。第1筒部1120と第2筒部1121とは、相互に一体的に形成されている。インク出口形成部712の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。
第1筒部1120の内部空間は容器本体部212の内部空間と連通している。また、第2筒部1121の内部空間と第1筒部1120の内部空間とは接続口1124を介して連通している。そして、第2筒部1121の第1筒部1120側とは反対の端部にはインク出口412が形成されている。
【0148】
弁体512は、インク出口412を開口または閉口する。本実施形態の弁体512は、接続口1124を開口することによりインク出口412を開口させ、接続口1124を閉口することによりインク出口412を閉口させる。本実施形態の弁体512は板状を成し、弁体512が接続口1124の周辺に形成されたフランジ部に当接する第1の位置P1に位置すると接続口1124が閉口し、弁体512がフランジ部から離間する第2の位置P2に位置すると接続口1124が開口する。なお、弁体512の材料としては、例えば、弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
【0149】
操作部2120は、弁体512を第1の位置P1と第2の位置P2とに移動させるものである。
操作部2120は、弁体512に接続された支柱部1125を有する。当該支柱部1125は第2筒部1121に設けられた貫通孔を通して外部に突出し、支柱部1125の弁体512とは反対側に接続された板部1126に接続される。板部1126は、断面視において弁体512とほほ平行に配置される。
また、板部1126と第2筒部1121との間には弾性部材としてのばね1127が配置されている。
【0150】
そして、
図29Bに示すように、例えば、手指で板部1126を押圧して弁体512の方向に移動させると、弁体512が容器本体部212側に移動する。そうすると、弁体512は接続口1124の周辺のフランジ部と離間する。これにより、インク出口412と容器本体部212とが接続口1124を介して連通する。すなわち、操作部2120により弁体512を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させることによりインク出口412が開口する。
そして、板部1126を押圧した状態(インク出口412が開口した状態)で、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口412を装着する。これにより、インクボトル112に収容されたインクがインク出口412を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。
【0151】
また、板部1126の押圧を停止すると、ばね1127の復元力により板部1126が元の位置に戻る(
図29A参照)。これにより、弁体512は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動して、インク出口412は閉口される。
なお、本実施形態では、
図29Aにおいてインク出口412を横方向に設けたが、これに限定されず、例えば、インク出口412を上方向や下方向としてもよい。
【0152】
以上、本実施形態によれば、上記の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0153】
操作部2120の操作によってインク出口412を容易に開口または閉口させることができる。従って、インクタンク31に貯留されるインク量に応じて所望の量のインクを補給することができる。例えば、インクタンク31が満タンになる前にインクの補給を停止させることができる。従って、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0154】
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図30は本実施形態にかかるインクボトルの外観図である。また、
図31Aはインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図31Bはインクボトルの断面図(開口状態)である。
【0155】
図30及び
図31Aに示すように、インクボトル113は、インクを収容可能な容器本体部213と、容器本体部213の端部に設けられ、容器本体部213に収容されたインクを流出させるインク出口413が形成されたインク出口形成部713と、インク出口413を開口または閉口する弁体513(
図31A)と、弁体513の位置を、インク出口413が閉口する第1の位置P1とインク出口413が開口する第2の位置P2とに移動させる操作部2130と、を備えている。
容器本体部213とインク出口形成部713とは別体に形成され、容器本体部213とインク出口形成部713とは、例えば、ねじ構造(図示せず)により係合可能に構成にされている。
なお、容器本体部213の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0156】
インク出口形成部713は、第1筒部1130と第2筒部1131とを含む。第1筒部1130と第2筒部1131とは、相互に一体的に形成されている。インク出口形成部713の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等である。
第1筒部1130の内部空間は容器本体部213の内部空間と連通している。また、第2筒部1131の内部空間と第1筒部1130の内部空間とは連通している。そして、第2筒部1131の第1筒部1130側とは反対の端部にはインク出口413が形成されている。
【0157】
弁体513は、インク出口413を開口または閉口する。本実施形態の弁体513は、第1筒部1130の内部空間と第2筒部1131の内部空間との間に設けられている。弁体513は、ブロック体を成し、壁部513aと弁体内流路513bとを備えている。
壁部513aは、第1筒部1130の内部空間と第2筒部1131の内部空間とを遮断するものである。すなわち、インク出口413を閉口する。そして、弁体513の壁部513aによってインク出口413を閉口する位置が第1の位置P1となる。
また、弁体内流路513bは、第1筒部1130の内部空間と第2筒部1131の内部空間と連通させるための空間である。すなわち、第1筒部1130と第2筒部1131とが弁体内流路513bを介して連通することによってインク出口413が開口する。そして、弁体513の弁体内流路513bによってインク出口413を開口する位置が第2の位置P2となる。なお、弁体513の材料としては、例えば、弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
【0158】
操作部2130は、弁体513を第1の位置P1と第2の位置P2とに移動させるものである。
操作部2130は、弁体513に接続された支柱部1133を有する。当該支柱部1133は第2筒部1131に設けられた貫通孔を通して外部に突出し、支柱部1133の弁体513とは反対側に接続されたコック部1136に接続される。コック部1136を支柱部1133の軸中心に回転させることにより、弁体513の壁部513a及び弁体内流路513bの位置を移動させることができる。
【0159】
そして、
図31Aの弁体513の壁部513aによって第1筒部1130の内部空間と第2筒部1131の内部空間とを遮断した状態から、例えば、手指でコック部1136を支柱部1133の軸中心に180°回転させる。そうすると、
図31Bに示すように、弁体513が移動し、第1筒部1130の内部空間と第2筒部1131の内部空間とが弁体内流路513bを介して連通する。すなわち、操作部2130により弁体513を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させることによりインク出口413が開口する。
そして、インク出口413が開口した状態で、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口413を装着する。これにより、インクボトル113に収容されたインクがインク出口413を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。
【0160】
また、コック部1136を支柱部1133の軸中心に回転させると、弁体513を第2の位置P2から第1の位置P1に戻すことができる(
図31A参照)。これにより、弁体513の壁部513aによってインク出口413は閉口される。
なお、本実施形態では、
図31Aにおいてインク出口413を横方向に設けたが、これに限定されず、例えば、インク出口413を上方向や下方向としてもよい。
【0161】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0162】
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図32Aはインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図32Bはインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0163】
図32Aに示すように、インクボトル114は、インクを収容可能な容器本体部214と、容器本体部214の端部に設けられ、容器本体部214に収容されたインクを流出させるインク出口414が形成されたインク出口形成部714と、インク出口414を開口または閉口する弁体514と、弁体514の位置を、インク出口414が閉口する第1の位置P1とインク出口414が開口する第2の位置P2とに移動させる操作部2140と、を備えている。
容器本体部214とインク出口形成部712とは別体に形成され、容器本体部214とインク出口形成部714とは、例えば、ねじ構造(図示せず)により係合可能に構成にされている。
なお、容器本体部213の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0164】
インク出口形成部714は、第1筒部1140と第2筒部1141とを含む。第1筒部1140と第2筒部1141とは、相互に一体的に形成されている。インク出口形成部714の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等である。
【0165】
第2筒部1141の内部空間には弁体514が設けられている。弁体514は略円柱状を成している。
第2筒部1141の内面側にはシール部1143が設けられ、シール部1143と弁体514の側面とが接触することにより、第2筒部1141と弁体514との間に隙間が無くなりシールされる。これにより、第1筒部1140の内部空間と第2筒部1141の内部空間とが遮断される。
【0166】
弁体514の内部には弁体内流路514aが形成されている。弁体内流路514aは、管状の空間であり、一方端にはフランジ部1146が形成され、当該フランジ部1146にインク出口414が設けられている。また、弁体内流路514aの他方端側は第1筒部1140の内部空間に連通するように構成されている。本実施形態の弁体内流路514aは、一方の底面から直上に形成され、途中から屈曲して側面に向けて形成されている。なお、弁体514の材料としては、例えば、弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
【0167】
操作部2140は、フランジ部1146と第2筒部1141との間に弾性部材としてのばね1147を備えている。ばね1147を伸長または圧縮させることにより弁体514の位置を第1の位置P1と第2の位置P2とに移動させることができる。
【0168】
具体的には、
図32Aに示すように、操作部2140のばね1147を伸長させると、弁体514が上方に移動し、弁体内流路514aがシール部1143によって閉塞される。これによりインク出口414が閉口される。インク出口414が閉口される弁体514の位置が第1の位置P1となる。
【0169】
そして、
図32Bに示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口414を含むフランジ部1146を装着し、ばね1147が収縮する方向に押圧すると、弁体514が第1筒部1140側に移動する。そうすると、弁体514の弁体内流路514aがシール部1143から離間され、弁体内流路514aが第1筒部1140と連通する。これにより、インク出口414が開口される。インク出口414が開口される弁体514の位置が第2の位置P2となる。すなわち、弁体514を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させることによりインク出口414が開口する。
インク出口414が開口されると、インクボトル114に収容されたインクがインク出口414を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。このとき、接続管49の外周面とシール部1143との間に隙間が無いように構成される。これにより、インクボトル114からインクタンク31へのインクの補給がされる際のインク出口414からのインクの漏れを抑えることができる。
【0170】
また、ばね1147を伸長させると、弁体514を第2の位置P2から第1の位置P1に戻すことができる(
図32A参照)。これにより、インク出口414は閉口される。
【0171】
以上、本実施形態においても上記同様の効果を得ることができる。
【0172】
(第15実施形態)
次に、第15実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図33は本実施形態にかかるインクボトルの外観図である。また、
図34Aはインクボトルの一部断面図(閉口状態)であり、
図34Bはインクボトルの一部断面図(開口状態)である。また、
図35はインクボトルとインク供給装置とを示す概略図である。
【0173】
図33に示すように、インクボトル115は、インクを収容可能な容器本体部215と、容器本体部215の端部に設けられ、容器本体部215に収容されたインクを流出させるインク出口415が形成されたインク出口形成部715と、インク出口415を開口または閉口する弁体515と、弁体515の位置を、インク出口415が閉口する第1の位置P1とインク出口415が開口する第2の位置P2とに移動させる操作部2150と、を備えている。
容器本体部215とインク出口形成部715とは別体に形成され、容器本体部215とインク出口形成部715とはねじ構造を有するキャップ部1151により係合可能に構成にされている。
【0174】
容器本体部215は、弾性を有する材料で構成されている。容器本体部215は、筒状体を成している。容器本体部215の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂材料や、鉄材やアルミニウム等の金属材料などが採用され得る。
【0175】
インク出口形成部715は、チューブ1153を備えている。チューブ1153は筒状を有し、インクを流動可能に構成にされている。チューブ1153の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。
チューブ1153の一方端はインク出口415が形成され、他方端はキャップ部1151を介して容器本体部215に連通している。
【0176】
弁体515は、インク出口415を開口または閉口する。弁体515は、チューブ1153の一方端から他方端にかかる中間位置に設けられている。本実施形態の弁体515は、チューブ1153の内部空間を挟持可能なクランプ体を成し、チューブ1153を挟み込んでチューブ1153を外力によって押し潰すことでチューブ1153の内部空間が閉塞させることでインク出口415が閉口する。また、弁体515によるチューブ1153への外力を解除させることによりチューブ1153の内部空間が開放されることでインク出口415が開口する。なお、弁体515の材料としては、例えば、弾性材(例えば、ゴム材や樹脂材等)などが採用され得る。
【0177】
操作部2150は、弁体515を第1の位置P1と第2の位置P2とに移動させるものである。本実施形態の操作部2150は、弁体515の両端部にフック部1154,1155が設けられている。そして、
図34Aに示すように、フック部1154,1155を互いに係合させることにより、チューブ1153が押し潰されチューブ1153の内部空間が閉塞する。これにより、インク出口415が閉口する。このとき、弁体515の位置は第1の位置P1となる。
また、
図34Bに示すように、フック部1154,1155を互い離間させることにより、チューブ1153が押し潰されが解除され、チューブ1153の内部空間が開口する。これにより、インク出口415が開口する。このとき、弁体515の位置は第2の位置P2となる。
【0178】
そして、
図35に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口415を装着し、操作部2150のフック部1154,1155を互いに離間させる。そうすると、弁体515が第1の位置P1から第2の位置P2に移動し、インク出口415が開口する。これにより、インクボトル115に収容されたインクがインク出口415を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。なお、インクボトル115からインクタンク31内にインクを注入する際、容器本体部215を接続管49の頂部よりも高くなるように持ち上げる。このようにすれば、容易にインクを注入させることができる。
また、操作部2150のフック部1154,1155を互いに係合させると、弁体515によってチューブ1153が押し潰される。これにより、弁体515は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動して、インク出口415は閉口される。
【0179】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0180】
操作部2150の操作によってインク出口415を容易に開口または閉口させることができる。従って、インクタンク31に貯留されるインク量に応じて所望の量のインクを補給することができる。例えば、インクタンク31が満タンになる前にインクの補給を停止させることができる。従って、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0181】
(第16実施形態)
次に、第16実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図36は本実施形態にかかるインクボトルの外観図である。また、
図37Aはインクボトルの一部概略図(正面視)であり、
図37Bはインクボトルの一部概略図(閉口状態)であり、
図37Cはインクボトルの一部概略図(開口状態)である。
【0182】
図36に示すように、インクボトル116は、インクを収容可能な容器本体部216と、容器本体部216の端部に設けられ、容器本体部216に収容されたインクを流出させるインク出口416が形成されたインク出口形成部716と、インク出口416を開口または閉口する弁体516と、弁体516の位置を、インク出口416が閉口する第1の位置P1とインク出口416が開口する第2の位置P2とに移動させる操作部2160と、を備えている。
容器本体部216とインク出口形成部716とは別体に形成され、容器本体部216とインク出口形成部716とは、ねじ構造を有するキャップ部1161により係合可能に構成にされている。
【0183】
容器本体部216は、弾性を有する材料で構成されている。容器本体部216は、筒状体を成している。容器本体部216の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂材料や、鉄材やアルミニウム等の金属材料などが採用され得る。
【0184】
インク出口形成部716は、チューブ1163を備えている。チューブ1163は筒状を有し、インクを流動可能に構成にされている。チューブ1163の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。
チューブ1163の一方端はインク出口416が形成され、他方端はキャップ部1161を介して容器本体部216に連通している。
【0185】
図37A、
図37B及び
図37Cに示すように、弁体516は、インク出口416を開口または閉口する。弁体516は、チューブ1163の一方端から他方端にかかる中間位置に設けられている。本実施形態の弁体516は、円柱状の回転体1165を備えている。そして、回転体1165の円周面とチューブ1163の外周面とが接触可能に構成される。さらに、チューブ1163に対して回転体1165を押し付けることによってチューブ1163の内部空間を閉塞させ、インク出口416を閉口することができる。また、弁体516によるチューブ1153への外力を解除させることによりチューブ1163の内部空間が開放されることでインク出口416を開口させることができる。なお、弁体516の材料としては、例えば、樹脂材等などが採用され得る。
【0186】
操作部2160は、弁体516を第1の位置P1と第2の位置P2とに移動させるものである。
操作部2160は、ラック部1167を含む。当該ラック部1167は、平板上に歯が設けられている。また、回転体1165の側部には円形歯車1166が設けられており、当該円形歯車1166とラック部1167の歯とが噛み合うことで回転体1165を直線方向に移動させることができる。
また、操作部2160にはチューブ1163が通る通路1168が設けられている。当該通路1168の空間は、チューブ1163のインク出口416から容器本体部216側に向かうにつれて狭くなるように構成されている。
そして、
図37Bに示すように、弁体516を通路1168の空間が狭くなる方向(容器本体部216側)に移動させることにより、チューブ1163が弁体516(回転体1165の円周面)と通路1168の一部とによって押し潰されチューブ1163の内部空間が閉塞する。これにより、インク出口416が閉口する。このとき、弁体516の位置は第1の位置P1となる。
また、
図37Bに示すように、弁体516を通路1168の空間が広くなる方向(インク出口416側)に移動させることにより、チューブ1163と弁体516(回転体1165の円周面)とが離間され、チューブ1163が押し潰されが解除され、チューブ1163の内部空間が開口する。これにより、インク出口416が開口する。このとき、弁体516の位置は第2の位置P2となる。
【0187】
そして、第15実施形態の
図35に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口416を装着する。そして、操作部2160により弁体516をインク出口416側に移動させる。そうすると、弁体516が第1の位置P1から第2の位置P2に移動し、インク出口416が開口する。これにより、インクボトル116に収容されたインクがインク出口416を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。なお、インクボトル116からインクタンク31内にインクを注入する際、容器本体部216を接続管49の頂部よりも高くなるように持ち上げる。このようにすれば、容易にインクを注入させることができる。
また、弁体516を通路1168の空間が狭くなる方向(容器本体部216側)に移動させると、弁体516によってチューブ1163が押し潰される。これにより、弁体516は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動して、インク出口416は閉口される。
【0188】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0189】
操作部2160の操作によってインク出口416を容易に開口または閉口させることができる。従って、インクタンク31に貯留されるインク量に応じて所望の量のインクを補給することができる。例えば、インクタンク31が満タンになる前にインクの補給を停止させることができる。従って、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0190】
(第17実施形態)
次に、第17実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図38Aはインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図38Bはインクボトルの断面図(開口状態)である。また、
図39はインクボトルとインク供給装置とを示す概略図である。
【0191】
図38Aに示すように、インクボトル117は、インクを収容可能な容器本体部217と、容器本体部217の端部に設けられ、容器本体部217に収容されたインクを流出させるインク出口417が形成されたインク出口形成部817と、インク出口417を破壊可能に封印されたシール部3170と、を備えている。なお、
図38Aは、インクボトル117の開封前の状態(密閉状態)を示している。
本実施形態では、容器本体部217とインク出口形成部817とは一体形成されたものである。インクボトル117は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂やプラスチックフィルムを基材とする積層フィルムで形成されている。
また、インク出口形成部817の先端部には平坦面を有する平坦部1171を有している。平坦部1171はインクボトル117を手指等で把持する場合に使用される。また、インク出口形成部817の先端部と容器本体部217の接続部との中間位置に凸部1172が形成されている。当該凸部1172も手指等で把持する場合に使用される。
【0192】
シール部3170は、インク出口417を閉口するものである。また、シール部3170のインク出口417に対応する位置にはカット部1175が設けられている。そして、
図38Bに示すように、シール部3170に設けられたカット部1175が破壊されることによりインク出口417が開口する。カット部1175の破壊方法としては、カッター等の切断工具等を用いてもよいし、手指等で引きちぎってもよい。なお、カット部1175を他の部分よりも材厚を薄くしてもよい。このようにすれば、より破壊しやすくなる。
【0193】
そして、
図39に示すように、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口417を装着する。これにより、インクボトル117に収容されたインクがインク出口417を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。なお、インクボトル117からインクタンク31内にインクを注入する際、容器本体部217を接続管49の頂部よりも高くなるように持ち上げる。このようにすれば、容易にインクを注入させることができる。
【0194】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0195】
インク出口417がシール部3170でシールされた状態では、インク出口417が閉口であるためインクの漏れ等を防止できる。そして、シール部3170を破壊することでインク出口417が開口され、容器本体部217に収容されたインクをインクタンク31に補給することができる。従って、インクボトル117の構成が簡易となり、インクボトル117の製造コストを低減させることができる。
また、一旦シール部3170を破壊してしまうと復元できないため、インクボトル117が未使用品なのか使用済み品なのかを容易に判別することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0196】
(第18実施形態)
次に、第18実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図40Aはインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図40Bはインクボトルの断面図(開口状態)である。
【0197】
図40Aに示すように、インクボトル118は、インクを収容可能な容器本体部218と、容器本体部218の端部に設けられ、容器本体部218に収容されたインクを流出させるインク出口418が形成されたインク出口形成部818と、インク出口418を破壊可能に封印されたシール部3180と、を備えている。なお、
図40Aは、インクボトル118の開封前の状態(密閉状態)を示している。
シール部3180にはカット部1185が設けられている。
また、インク出口形成部818には、平坦部1181と凸部1182が形成されている。平坦部1181や凸部1182は手指等で把持する場合に使用される。
また、本実施形態の容器本体部218には、蛇腹部1188を備えている。
なお、蛇腹部1188以外の構成は第17実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0198】
蛇腹部1188は、容器本体部218の側面部に設けている。蛇腹部1188は凹部と凸部との繰り返し構造を成している。これにより、インク出口418を開口させた際、容器本体部218の容積を容易に可変可能にすることができる。
【0199】
以上、本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、容器本体部218に蛇腹部1188が形成されているので、インクボトル118からインクタンク31へのインク補給時において、容器本体部218の容積を小さくすることが可能となり、インクの補給工数を短縮させることができる。
【0200】
(第19実施形態)
次に、第19実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図41Aはインクボトルの断面図(閉口状態)であり、
図41Bはインクボトルの断面図(開口状態)である。
【0201】
図41Aに示すように、インクボトル119は、インクを収容可能な容器本体部219と、容器本体部219の端部に設けられ、容器本体部219に収容されたインクを流出させるインク出口419が形成されたインク出口形成部819と、インク出口419を破壊可能に封印されたシール部3190と、を備えている。なお、
図41Aは、インクボトル119の開封前の状態(密閉状態)を示している。
また、シール部3190にはカット部1197が設けられている。
また、インク出口形成部819には、平坦部1191と凸部1192が形成されている。平坦部1191や凸部1192は手指等で把持する場合に使用される。
また、本実施形態の容器本体部219は、シリンジ構造を成している。
なお、容器本体部219以外の構成は第17実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0202】
容器本体部219は、インクを収容するシリンダー1193と、シリンダー1193内を移動してシリンダー1193内の容積を可変させるプランジャー1194と、を備えている。また、プランジャー1194の先端部にはガスケット1195が設けられ、シリンダー1193の内部の液密が保持される。また、シリンダー1193にはインクの量の目安となる目盛表示1198が施されている。
そして、シール部3190を破壊し、インク出口419を開口させた後、プランジャー1194をシリンダー1193の容積が小さくなる方向に押圧することによりインク出口419からインクが流出する。
【0203】
以上、本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、容器本体部219がシリンジ構造を成しているため、インクタンク31へ容易にインクを補給することができる。また、インクの補給途中においてプランジャーの押圧を停止することにより、インクタンク31へのインクの補給を容易に停止することもできる。
【0204】
(第20実施形態)
次に、第20実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図42Aはインクボトルの概略図(閉口状態)であり、
図42Bはインクボトルの概略図(開口状態)である。
【0205】
図42Aに示すように、インクボトル120(インク補給容器)は、インクを収容可能な容器本体部220と、容器本体部220の端部に設けられ、容器本体部220に収容されたインクを流出させるインク出口420が形成されたインク出口形成部820と、インク出口420を破壊可能に封印されたシール部3200と、を備えている。なお、
図42Aは、インクボトル120の開封前の状態(密閉状態)を示している。
また、シール部3200にはカット部1205が設けられている。
また、インク出口形成部820には、平坦部1201と凸部1202が形成されている。平坦部1201や凸部1202は手指等で把持する場合に使用される。
また、本実施形態の容器本体部220は、袋体を成している。
なお、容器本体部220以外の構成は第17実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
【0206】
容器本体部220は、サイドガセットタイプの袋状の容器である。容器本体部220は、可撓性を有し、例えば、プラスチックフィルムを基材とする積層フィルムで形成されている。
そして、シール部3200を破壊し、インク出口420を開口させた後、容器本体部220を変形させ、容器本体部220の容積を小さくすることによりインク出口420からインクが流出する。
なお、本実施形態の容器本体部220は、サイドガセットタイプとしたがこれに限定されず、例えば、パウチタイプの袋状の容器であってもよい。
【0207】
以上、本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、容器本体部220が可撓性を有する袋体を成しているため、インクタンク31へ容易にインクを補給することができる。
【0208】
(第21実施形態)
次に、第21実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図43Aはインクボトルの構成を示す概略図(閉口状態)であり、
図43Bはインクボトルとインク供給装置とを示す断面図(開口状態)である。
【0209】
図43Aに示すように、インクボトル121は、インクを収容可能な容器本体部221と、容器本体部221の端部に設けられ、容器本体部221に収容されたインクを流出させるインク出口421が形成されたインク出口形成部821と、インク出口421を破壊可能に封印されたシール部3210と、を備えている。なお、
図43Aは、インクボトル121の開封前の状態(密閉状態)を示している。
また、インク出口形成部821と容器本体部221とは相互に一体的に形成されている。なお、インク出口形成部821及び容器本体部221の材料等は第1実施形態と同様である。
【0210】
図43Aに示すように、シール部3210は、インク出口421全面を覆っている。シール部3210はインク出口421に対応するインク出口形成部821に接着されている。これにより、インク出口421は閉口され、容器本体部221に収容されたインクの漏れ等を防止する。シール部3210は、フィルム材やゴム材等を適用するができる。
また、シール部3210には、溝部1211が設けられている。溝部1211が設けられた部分のシール部3210の厚みは、他の部分の厚みよりも薄くなっている。
そして、シール部3210を破壊することで、インク出口421を開口させることができる。
具体的には、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口421を装着させる。そして、
図43Bに示すように、接続管49とシール部3210とが接触し、溝部1211を基点としてシール部3210が破壊される。これにより、インク出口421が開口される。そして、接続管49がインク出口421に挿入され、容器本体部221に収容されたインクはインク出口421を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。
【0211】
以上、本実施形態によれば、上記同様の効果を得ることができる。
【0212】
(第22実施形態)
次に、第22実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図44Aはインクボトルの構成を示す概略図(閉口状態)であり、
図44Bはインクボトルの構成を示す概略図(開口中の状態)であり、
図44Cはインクボトルの構成を示す概略図(開口状態)である。
【0213】
図44Aに示すように、インクボトル122は、インクを収容可能な容器本体部222と、容器本体部222の端部に設けられ、容器本体部222に収容されたインクを流出させるインク出口422が形成されたインク出口形成部822と、インク出口422を破壊可能に封印されたシール部3220と、を備えている。なお、
図44Aは、インクボトル122の開封前の状態(密閉状態)を示している。
また、インク出口形成部822と容器本体部222とは相互に一体的に形成されている。なお、インク出口形成部822及び容器本体部222の材料等は第1実施形態と同様である。
【0214】
図44Aに示すように、シール部3220は、インク出口422全面を覆っている。シール部3220はインク出口422に対応するインク出口形成部822に接着されている。これにより、インク出口422は閉口され、容器本体部222に収容されたインクの漏れ等を防止する。シール部3220は、フィルム材やゴム材等を適用するができる。
【0215】
また、インクボトル122には、インク出口形成部822の先端部を覆うようにキャップ部1221が設けられている。また、キャップ部1221のシール部3220と対向する位置に先端が尖った尖状部1222が形成されている。キャップ部1221は、例えば、プラスチック材等である。また、キャップ部1221とインク出口形成部822とは、それぞれに形成されたねじ部1224,1225によって互いに係合されている。
【0216】
そして、シール部3220を破壊することで、インク出口422を開口させることができる。
具体的には、例えば、インク出口形成部822に対してキャップ部1221をねじ部1224,1225に沿って回転させて、キャップ部1221を容器本体部222側に近付けていく。そうすると、
図44Bに示すように、キャップ部1221の尖状部1222がシール部3220を突き破る。その後、キャップ部1221を逆側に回転させて、キャップ部1221をインク出口形成部822から離間させる。
これにより、
図44Cに示すように、シール部3220が破壊され、インク出口422が開口する。これにより、インク出口422からのインクの流出が可能となる。
なお、尖状部1222に対応するキャップ部1221の部分を下方(シール部3220側)に押圧し、キャップ部1221を変形させ、尖状部1222によりシール部3220を突き破ってインク出口422を開口させてもよい。
【0217】
以上、本実施形態によれば、上記同様の効果を得ることができる。
【0218】
(第23実施形態)
次に、第23実施形態について説明する。なお、インク噴射システム(インク供給装置)の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図45Aはインクボトルの構成を示す概略図(閉口状態)であり、
図45Bはインクボトルの構成を示す概略図(開口状態)である。
【0219】
図45Aに示すように、インクボトル123は、インクを収容可能な容器本体部223と、容器本体部223の端部に設けられ、容器本体部223に収容されたインクを流出させるインク出口423が形成されたインク出口形成部823と、インク出口423を破壊可能に封印されたシール部3230と、を備えている。なお、
図45Aは、インクボトル123の開封前の状態(密閉状態)を示している。
また、インク出口形成部823と容器本体部223とは相互に一体的に形成されている。なお、インク出口形成部823及び容器本体部223の材料等は第1実施形態と同様である。
【0220】
図45Aに示すように、シール部3230は、インク出口423全面を覆っている。シール部3230はインク出口423に対応するインク出口形成部823に接着されている。これにより、インク出口423は閉口され、容器本体部223に収容されたインクの漏れ等を防止する。シール部3230は、フィルム材やゴム材等を適用するができる。
【0221】
また、インク出口形成部823の内部空間にはシール部3230に向かって尖った針部1231が配置されている。シール部3230と針部1231の先端とは僅かな隙間を有している。さらに、インク出口形成部823の内壁に沿ってシール部材1232が配置されている。
【0222】
そして、シール部3230を破壊することで、インク出口423を開口させることができる。
具体的には、インク供給装置4の接続管49(インク入口)にインク出口423を装着させる。このとき、接続管49とシール部3230とが接触すると、シール部3230が容器本体部223側に撓む。そうすると、シール部3230の一部が針部1231に接触し、シール部3230の一部が破壊される。そして、インクボトル123を接続管49側に押し込むことにより、シール部3230の一部が破壊された部分を基点としてシール部3230の全体が破壊される。これにより、インク出口423が開口される。そして、接続管49がインク出口423に挿入され、容器本体部223に収容されたインクはインク出口423を介して接続管49からインクタンク31内に注入される。
【0223】
以上、本実施形態によれば、上記同様の効果を得ることができる。
【0224】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良等を加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0225】
(変形例1)第1実施形態では、インクボトル101のインク出口形成部301は、球状部310と筒部311とを有する構成であったが、これに限定されない。
図46は本変形例にかかるインクボトルの構成を示す断面図である。
【0226】
図46に示すように、インクボトル124は、容器本体部224と、インク出口424が形成されたインク出口形成部324と、インク出口424を開口または閉口する弁体555と、を備えている。
そして、インク出口形成部324は、第1筒部1120と、第2筒部1121と、を有している。すなわち、本変形例では、第1実施形態の球状部310に替わって第1筒部1120が形成されている。
第1筒部1120と第2筒部1121とは、相互に一体的に形成されている。
第1筒部1120の一方側は容器本体部224に接続され、他方側は第2筒部1121に接続さている。第1筒部1120は、容器本体部224の接続側から第2筒部1121の接続側に向けて内部空間が狭くなるように構成されている。
なお、インク出口形成部324以外の構成については第1実施形態と同様なので説明を省略する。
このようにすれば、インクボトル124はさらに簡易な構成となり、インクボトル124の製造コストをより低減させることができる。
【0227】
(変形例2)上記実施形態にかかるインクボトルの形態に限定されない。
図47から
図49は本変形例にかかるインクボトルの構成を示す断面図である。
図47及び
図48に示すように、インクボトル125は、 インクを収容可能な容器本体部225と、容器本体部225の端部に設けられ、容器本体部225に収容されたインクを流出させるインク出口425が形成されたインク出口形成部825と、インク出口425を封止した弁体556と、を備えている。
【0228】
インク出口形成部825は、キャップ構造を成している。このキャップ構造は、主に3つの樹脂部品、即ちキャップベース4061、キャップ4063、インサート4065で構成されている。これらの部品は、容器本体部225よりも当然硬質である。容器本体部225の上面には、パーフォレーション(ミシン目あるいは切り抜き線)4052で囲まれた円形の弁体556形成されている。
【0229】
キャップベース4061は口部4061aを有する円筒部品であり、底面で容器本体部225の外面に弁体556を同心状に囲むように接着されており、弁体556の外面外周には開口するためのインサート4065の先端が来るように配置されている。
【0230】
キャップベース4061の口部4061aの上部外周には、第1ネジ部としての右ネジ4071(キャップベース4061側の右雄ネジとキャップ4063側の右雌ネジよりなる)を介してキャップベース4061とキャップ4063が螺合されている。
【0231】
キャップベース4061の内周には、第2ネジ部としての左ネジ4072(インサート4065)側の左雌ネジとキャップベース4061側の左雄ネジよりなる)を介して、インサート4065とキャップベース4061が螺合されている。キャップを回転させる時の回転モーメントが前記キャップ側のインサートへの作用部4064を介して前記インサート頂部(飲み口部)に伝達され、その結果前記インサートが回転することを特徴とする。この構造では、開封時に、キャップを開栓方向に回すだけで、回転モーメントが前記キャップ側のインサートへの作用部4064を介して前記インサート頂部(飲み口部)に伝達され、その結果前記インサートが下方回転して紙容器飲み口を開口させる事が出来る。さらに前記キャップ側のインサートへの作用部4064と前記インサート頂部(飲み口部)の外側部とは、例えば6角ボルト頭部形状でネジ加工が無く、お互い容易に軸方法に擦動できる形状をしている。
【0232】
次に作用を説明する。ここでは、キャップ4063の開栓方向を左回りに設定しているから、第1ネジ部としての右ネジ4071は、キャップベース4061に対しキャップ4063を開栓方向(左回り)に回すことで、キャップ4063をキャップベース4061に対して上昇させる。また、この時同時に前記キャップ側のインサートへの作用部4064を介して、キャップベース4061に対しインサート4065を下降方向(左回り)に回すことになる。さらに、第2ネジ部としての左ネジ4072のピッチは第1ネジ部の右ネジ4071のピッチより大きい為、キャップ4063を開栓方向(左回り)に回すことで、インサート4065がキャップベースに対してキャップ4063の上昇距離以上に下降する事になり、その結果キャップ4063がキャップベース4061から離れるまでにインサート4065が弁体556を破断する事が出来る。その後、
図49に示すように、キャップ4063がキャップベース4061から離脱した後は、インサート頂部4065aに対応するインク出口425からインクを排出することが出来る。
【0233】
従って、キャップ4063を左に回すだけで、最初の段階で容器本体部225を自動開封すると共に、次の段階でキャップ4063を開栓することができ、その後、キャップを右に回すだけで、通常のネジ式キャップと全く同様に閉栓することができる。このため、開封が容易・確実で衛生的に行える。また、キャップのネジ込みにより普通に再封できるので、再封性も良好となる。また、構造も簡単で安価に実施することができる。尚弁体556を破断した後に、キャップ4063を初期の状態まで閉栓すると、インサート4065も初期の状態まで持ち上げられるが、再度キャップ4063の開栓時には該インサート4065も再下降するので、機能上まったく問題ない。
なお、本キャップ構造では、キャップ4063とキャップベース4061は、開栓されるまでは、悪戯防止ピース4080で固着されている。従って、一旦開封すると該悪戯防止ピース4080が破断する為、使用済みで有ることが判断できるようになっており、悪戯で開封された場合などの危険予知に活用できる。
【0234】
(変形例3)上記実施形態及び上記変形例を適宜組み合わせてインクボトル(インク補給容器)を構成してもよい。このようにしても上記同様の効果を得ることができる。
【0235】
(変形例4)上記各実施形態において、インク噴射システムは、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、上記各実施形態で説明したようなインクの他、液晶等も挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
【0236】
なお、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。上記実施形態において、インクボトルについては、弾性を有する材料であるが、インクボトルの全体または一部を、ガラス、陶器、金属等の他の材料により形成されるようにしてもよい。