(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記制御部は、上記放電期間として、放電開始から放電終了まで上記主回路部から上記放電維持電力を出力する最低消費放電期間を行うよう構成され、該最低消費放電期間を繰り返し行って上記放電負荷に上記放電を発生させることが可能な上記停止期間の最長長さを放電イニシャル期間Tinitとした場合、上記制御部は、上記間欠モードにおいて、上記間欠周期Tburstが下記式(3)を満たす値になるように、上記スイッチング素子の動作制御を行うよう構成されている、請求項2に記載の共振インバータ装置。
Tburst<Tinit/(1−b) ・・・(3)
上記放電負荷には、該放電負荷内を流れるガスの圧力(p)と、温度(t)と、湿度(m)との3つの電力相関パラメータのうち、少なくとも一つの該電力相関パラメータを測定するセンサ(78)が設けられ、上記制御部は、上記センサから送信される上記電力相関パラメータを用いて、上記放電開始電力と上記放電維持電力との少なくとも一方を算出するよう構成されている、請求項2〜5のいずれか一項に記載の共振インバータ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記共振インバータ装置では、主回路部の電力ロスが大きくなりやすい。すなわち、上記共振インバータ装置では、放電期間において、放電負荷に放電を発生させやすくするため、放電期間中に供給する出力電力を、放電開始電力よりも充分に高い値にしていた。そのため、放電期間では、直流電源から主回路部に多くの入力電力が供給され、主回路部を構成するスイッチング素子等の電子部品の発熱量が増加していた。したがって、主回路部の電力ロスが大きくなりやすかった。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、主回路部の電力ロスをより低減できる共振インバータ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、直流電源(8)に電気接続したスイッチング素子(21)を備え、該スイッチング素子をオンオフ動作させることにより、上記直流電源から供給される入力電力(P
I)を交流の出力電力(P
O)に変換し、該出力電力を用いて放電負荷(7)に放電を発生させる主回路部(2)と、
上記スイッチング素子の動作制御を行う制御部(3)とを備え、
該制御部は、上記出力電力の目標値である出力目標値P
O*が、上記放電負荷に放電を発生させるために必要な最低限の電力である放電開始電力P
fs0よりも高い場合に、上記スイッチング素子を連続駆動する連続モードと、上記出力目標値が上記放電開始電力よりも低い場合に行う間欠モードとを切り替え可能に構成され、該間欠モードでは、上記スイッチング素子を駆動して上記放電負荷に上記放電を発生させる放電期間(T
dis)と、上記スイッチング素子を駆動せず上記放電を発生させない停止期間(T
stop)とを交互に行い、
上記放電期間と上記停止期間とを合わせた期間である間欠周期(T
burst)に対する上記放電期間の割合(T
dis/T
burst)を間欠率bとした場合、上記制御部は、上記間欠モードにおいて、上記間欠率が下記式(1)を用いて算出した値になり、かつ上記放電期間において上記主回路部から上記放電開始電力が出力されるように、上記スイッチング素子の動作制御を行うよう構成されている、共振インバータ装置(1)にある。
b=P
O*/P
fs0 ・・・(1)
【0009】
また、本発明の第2の態様は、直流電源(8)に電気接続したスイッチング素子(21)を備え、該スイッチング素子をオンオフ動作させることにより、上記直流電源から供給される入力電力(P
I)を交流の出力電力(P
O)に変換し、該出力電力を用いて放電負荷(7)に放電を発生させる主回路部(2)と、
上記スイッチング素子の動作制御を行う制御部(3)とを備え、
該制御部は、上記出力電力の目標値である出力目標値P
O*が、上記放電負荷に放電を発生させるために必要な最低限の電力である放電開始電力P
fs0よりも高い場合に、上記スイッチング素子を連続駆動する連続モードと、上記出力目標値が上記放電開始電力よりも低い場合に行う間欠モードとを切り替え可能に構成され、該間欠モードでは、上記スイッチング素子を駆動して上記放電負荷に上記放電を発生させる放電期間(T
dis)と、上記スイッチング素子を駆動せず上記放電を発生させない停止期間(T
stop)とを交互に行い、
上記放電負荷に上記放電が発生した後、その放電を維持するために必要な最低限の電力を放電維持電力P
fs1とし、上記放電期間と上記停止期間とを合わせた期間である間欠周期(T
burst)に対する上記放電期間の割合(T
dis/T
burst)を間欠率bとした場合、上記制御部は、上記間欠モードにおいて、上記間欠率が下記式(2)を用いて算出した値になり、かつ、上記放電期間として、放電開始時に上記主回路部から上記放電開始電力が出力され、その後、該出力が上記放電維持電力に低下する準低消費放電期間(T
disA)が行われるように、上記スイッチング素子の動作制御を行うよう構成されている、共振インバータ装置(1)にある。
b=P
O*/P
fs1 ・・・(2)
【発明の効果】
【0010】
上記第1の態様では、上記間欠モードを行う際、上記放電期間において、主回路部から上記放電開始電力が出力されるように、スイッチング素子の動作制御を行う。すなわち、上記放電期間では、放電負荷に放電が発生する最低限の出力電力しか供給しない。
そのため、放電期間に、直流電源から主回路部へ供給される入力電力を少なくすることができ、主回路部における電力ロスを低減できる。
【0011】
また、上記第1の態様では、間欠モードにおける上記間欠率bを、上記式(1)によって算出した値にする。
そのため、間欠モードにおいて、主回路部の平均出力電力を、上記出力目標値P
O*にすることができる。すなわち、間欠モードでは、放電期間における出力電力に上記間欠率bを乗じた値が、平均出力電力となる(
図3参照)。本態様では、放電期間における出力電力を放電開始電力P
fs0にしているため、間欠率bを上記値(=P
O*/P
fs0)にすれば、これらを乗じた値(=b・P
fs0=P
O*)、すなわち出力目標値P
O*を、平均出力電力として出力することができる。
【0012】
また、上記第2の態様では、上記準低消費放電期間T
disAが行われるように、スイッチング素子の動作制御を行う。
このようにすると、主回路部における電力ロスを、より低減することができる。すなわち、上記準低消費放電期間では、放電開始時に主回路部から上記放電開始電力P
fs0を出力するため、放電負荷に放電を確実に発生できる。また、放電が発生した後、出力を上記放電維持電力P
fs1に低減するため、放電期間全体の出力電力を低くすることができる(
図12参照)。したがって、放電期間中に直流電源から主回路部へ供給される入力電力を低減でき、主回路部の電力ロスをより低減することができる。
【0013】
また、上記第2の態様では、間欠モードにおける上記間欠率bを、上記式(2)によって算出した値にする。
上述したように、第2の態様では、放電期間において放電維持電力P
fs1を出力する。そのため、間欠率bを上記値(=P
O*/P
fs1)にすれば、これらを乗じた値(=b・P
fs1=P
O*)、すなわち出力目標値P
O*を、主回路部から平均出力電力として出力することができる。
【0014】
以上のごとく、上記態様によれば、主回路部の電力ロスをより低減できる共振インバータ装置を提供することができる。
なお、上記「放電開始電力」は、厳密な意味での「放電負荷に放電を発生させるために必要な最低限の電力」だけでなく、これよりも5%高い電力まで含まれるものとする。同様に、上記「放電維持電力」は、厳密な意味での「放電が発生した後、その放電を維持するために必要な最低限の電力」だけでなく、これよりも5%高い電力まで含まれるものとする。その理由は、後述するように、放電開始電力および放電維持電力は、放電負荷内のガスの圧力、温度、湿度等に影響されるため、その補正演算における誤差を保証するためである。
【0015】
また、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
上記共振インバータ装置に係る実施形態について、
図1〜
図11を参照して説明する。
図1に示すごとく、本形態の共振インバータ装置1は、主回路部2と、制御部3とを備える。主回路部2は、直流電源8に電気接続した複数のスイッチング素子21を備える。このスイッチング素子21をオンオフ動作させることにより、直流電源8から供給される入力電力P
Iを交流の出力電力P
Oに変換する。そして、この出力電力P
Oを用いて放電負荷7に放電を発生させる。
【0018】
制御部3は、スイッチング素子21の動作制御を行う。制御部3は、連続モード(
図5参照)と間欠モード(
図3参照)とを切り替え可能に構成されている。連続モードは、
図5に示すごとく、出力電力P
Oの目標値である出力目標値P
O*が、放電負荷7に放電を発生させるために必要な最低限の電力である放電開始電力P
fs0よりも高い場合に行われる。連続モードでは、スイッチング素子21を連続駆動する。また、間欠モードは、
図3に示すごとく、出力目標値P
O*が放電開始電力P
fs0よりも低い場合に行われる。間欠モードでは、放電期間T
disと停止期間T
stopとを交互に行う。放電期間T
disは、スイッチング素子21を駆動して放電負荷7に放電を発生させる期間である。また、停止期間T
stopは、スイッチング素子21を駆動せず、放電負荷7に放電を発生させない期間である。
【0019】
放電期間T
disと停止期間T
stopとを合わせた期間である間欠周期T
burstに対する放電期間T
disの割合(T
dis/T
burst)を間欠率bとした場合、制御部3は、間欠モードにおいて、間欠率bが下記式(1)を用いて算出した値になり、かつ放電期間T
disにおいて主回路部2から放電開始電力P
fs0が出力されるように、スイッチング素子21の動作制御を行うよう構成されている。
b=P
O*/P
fs0 ・・・(1)
【0020】
本形態の共振インバータ装置1は、車両に搭載するための車載用共振インバータ装置である。また、放電負荷7は、オゾンを発生するためのリアクタである。このリアクタを用いてオゾンを発生し、車両のエンジンから排出される排ガスを改質するよう構成されている。
【0021】
図1に示すごとく、主回路部2は、複数のスイッチング素子21(21
A〜21
D)と、トランス22と、コンデンサ25とを備える。第1スイッチング素子21
Aと第2スイッチング素子21
Bとによって、プッシュプル回路26を構成してある。また、第3スイッチング素子21
Cと第4スイッチング素子21
Dとコンデンサ25とによって、共振タンク回路27を構成してある。
【0022】
主回路部2を動作させるときは、
図8に示すごとく、第1スイッチング素子21
Aと第4スイッチング素子21
Dとを同時にオンする期間と、第2スイッチング素子21
Bと第3スイッチング素子21
Cとを同時にオンする期間とを交互に繰り返す。これにより、
図1に示すごとく、トランス22の一次コイル221に一次電流を流す。これに伴って、二次コイル222に二次電流I
Oが流れる。二次コイル222の巻数は、一次コイル221の巻数よりも多い。また、二次電流I
Oは、放電負荷7の静電容量Cと、漏れインダクタンスLとによって決定される共振周波数f
r(=1/2π√LC)で共振する。そのため、トランスの巻数比による昇圧効果と、共振による昇圧効果とが重畳し、高い二次電圧V
Oが発生する。これにより、放電負荷7(リアクタ)に放電を発生させている。
【0023】
制御部3は、デューティ制御部31と、周波数制御部32と、バースト制御部33とを備える。デューティ制御部31は、スイッチング素子21のデューティd(
図3、
図5参照)を制御し、周波数制御部32は周波数fを制御する。また、バースト制御部33は、上記間欠率b(
図3参照)を制御する。このように、スイッチング素子21の周波数f、デューティd、間欠率bを制御することにより、主回路部2の出力電力P
Oを、出力目標値P
O*に近づけている。
【0024】
図6に、デューティdと、周波数fと、出力電力P
Oとの関係を三次元的に表したグラフを示す。このグラフには、出力電力P
O(P
A,P
B,P
C,P
D)の等高線を記載してある。同図に示すごとく、デューティdが一定の場合、周波数fが共振周波数f
rに近づくほど、出力電力P
Oは高くなる。また、周波数fが一定の場合、デューティdが高くなるほど、出力電力P
Oは高くなる。なお、デューティdは、フルデューティd
FULL以上にはならない。
【0025】
図7に、デューティdが一定の場合における、出力電力P
Oと周波数fとの関係を示す。上述したように、周波数fが共振周波数f
rに近づくほど、出力電力P
Oは高くなる。また、直流電源8の電圧V
Bが高い場合は、出力電力P
Oは高くなり、電圧V
Bが低くなると、出力電力P
Oは低下する。
【0026】
本形態では、直流電源8として鉛バッテリーを用いている。また、直流電源8には、共振インバータ装置1の他にも、エアコンやライト等、様々な負荷が接続している。そのため、これらの負荷の使用状態により、直流電源8の電圧V
Bが急に変動することがある。この場合、出力電力P
Oが出力目標値P
O*から急に乖離してしまう。本形態では、以下の処理を行うことにより、電圧V
Bが急に変動して、出力電力P
Oが出力目標値P
O*から急に乖離しても、短時間で出力目標値P
O*に戻るようにしている。
【0027】
例えば、直流電源8の電圧V
Bが急に低下した場合(すなわち、出力電力P
Oが低下した場合)、制御部3は、周波数fを固定したまま、スイッチング素子21のデューティdを増加させる。これにより、出力電力P
Oを増加させる。デューティdの制御は、電圧V
Bを用いたフィードフォワード制御により行う。フィードフォワード制御は、精度は低いものの、短時間で制御することができる。そのため、デューティdをフィードフォワード制御することにより、出力電力P
Oを短時間で、出力目標値P
O*に比較的近い値に戻すことができる。また、デューティdをフィードフォワード制御した後、周波数fをフィードバック制御する。フィードバック制御を行うと、時間を要するが、出力電力P
Oを出力目標値P
O*に正確に近づけることができる。本形態では、このように、出力電力P
Oが大きく変化した場合、まずデューティdのフィードフォワード制御により、出力電力P
Oを短時間で出力目標値P
O*に比較的近い値に戻し、その後、周波数fのフィードバック制御により、出力電力P
Oを正確に出力目標値P
O*に近づけている。
【0028】
また、上述したように、本形態では、主回路部2の出力電力P
Oを用いて放電負荷7(リアクタ)に放電を発生させ、これによって生じたオゾンを用いて、車両の排ガスを改質している。放電負荷7は、ある一定の値(放電開始電力P
fs0)以上の出力電力P
Oを供給しないと、放電を開始しない。しかしながら、例えば、排ガス中のNOx量が少なく、必要なオゾンの量が少ない場合がある。この場合、放電負荷7(リアクタ)に供給する出力電力P
Oを、放電開始電力P
fs0より少なくする必要がある。この場合でも、正常に放電を発生させ、オゾンを生成できるように、上記間欠モードを行っている。すなわち、
図3に示すごとく、出力目標値P
O*が放電開始電力P
fs0未満である場合は、上記放電期間T
disと停止期間T
stopとを交互に行う。放電期間T
disでは、主回路部2の出力電力P
Oを放電開始電力P
fs0にして、放電負荷7に放電を発生させる。停止期間T
stopでは、放電を発生させない。これら放電期間T
disと停止期間T
stopとを交互に行うことにより、出力電力P
Oの平均値P
O’を下げ、放電開始電力P
fs0以下にしている。
【0029】
なお、本形態では、放電期間T
disにおいて、周波数fを制御することにより、主回路部2の出力電力P
Oを放電開始電力P
fs0にしている。
図2に示すごとく、放電期間T
disを行う際、制御部3は、周波数fを予め定められた最高周波数f
maxにする。そして、この最高周波数f
maxから次第に周波数fを下げ、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0にする。
【0030】
また、制御部3は、
図5に示すごとく、出力目標値P
O*が放電開始電力P
fs0より高い場合は、上記連続モードを行う。連続モードでは、スイッチング素子21を連続して駆動させる。制御部3は、連続モードにおいても、周波数fを制御することにより、主回路部2の出力電力P
Oを出力目標値P
O*に近づける。より詳しくは、制御部3は
図4に示すごとく、連続モードを行う際、間欠モードと同様に、周波数fをまず最高周波数f
maxにする。そして、この最高周波数f
maxから次第に周波数fを下げ、出力目標値P
O*に対応する周波数f
*にする。
【0031】
次に、制御部3及び主回路部2の構成について、より詳細に説明する。
図1に示すごとく、制御部3は、上述したように、デューティ制御部31と、周波数制御部32と、バースト制御部33とを備える。制御部3は、これらの他に、導出部34と、入力電力算出部35と、掛算器36とを備える。また、主回路部2には、電力測定部4を接続してある。電力測定部4は、電圧センサ41
Vと電流センサ41
Aとからなる。この電力測定部4を用いて入力電力P
Iを測定している。
【0032】
電圧センサ41
Vによる電源電圧V
Bの測定値は、デューティ制御部31へ入力される。デューティ制御部31は、電源電圧V
Bの測定値を用いて、スイッチング素子21のデューティdをフィードフォワード制御する。また、電流センサ41
Aによる入力電流I
Bの測定値と、上記電源電圧V
Bの測定値とは、掛算器36に入力される。掛算器36は、これらの測定値V
B,I
Bを乗ずることにより、入力電力P
Iを算出する。算出した入力電力P
Iの値は、周波数制御部32及びバースト制御部33に入力される。
【0033】
周波数制御部32は、入力電力P
Iと、入力目標値P
I*との差が小さくなるように、周波数fをフィードバック制御する。また、バースト制御部33は、上記式(1)を用いて、間欠率bを算出する。デューティd、周波数f、間欠率bは、導出部34に入力される。導出部34は、これらのパラメータd,f,b及び電源電圧V
Bを用いて、主回路部2の電力損失Wを算出する。電力損失Wは、入力電力算出部35に入力される。
【0034】
また、入力電力算出部35には、図示しない外部制御装置から、出力目標値P
O*が入力される。入力電力算出部35は、出力目標値P
O*に上記電力損失Wを加算する。これにより、入力目標値P
I*を算出する。この入力目標値P
I*を主回路部2に入力すると、主回路部2において電力損失Wが発生するため、入力目標値P
I*から電力損失Wを減算した値、すなわち入力目標値P
O*と略等しい値が、主回路部2から出力される。
【0035】
なお、本形態では、導出部34において電力損失Wを算出しているが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、導出部34において主回路部2の回路効率ηを算出してもよい。この場合、入力電力算出部35において、出力目標値P
O*を回路効率ηで除した値が、入力目標値P
O*となる。
【0036】
次に、
図9、
図10を用いて、制御部3のフローチャートの説明をする。制御部3がこのフローチャートを実行することにより、上記間欠モード(
図3参照)及び連続モード(
図5参照)が行われる。
【0037】
図9に示すごとく、制御部3は、先ずステップS1を行う。ここでは、上記外部制御装置から出力目標値P
O*を受信する。その後、ステップS2に移る。ここでは、電源電圧V
Bを用いて、デューティdを算出する。
【0038】
次いで、ステップS3に移り、主回路部2の電力損失W又は回路効率ηを求める。その後、ステップS4に移り、算出した電力損失W又は回路効率ηを用いて、入力目標値P
I*を算出する。次いで、ステップS5に移る。ここでは、出力目標値P
O*が放電開始電力P
fs0以上であるか否かを判断する。ステップS5においてYes(P
O*≧P
fs0)と判断した場合、すなわち連続モードを行う場合は、ステップS6に移る。
【0039】
ステップS6では、周波数fを、最高周波数f
max(
図4参照)から次第に下げ、出力目標値P
O*に対応する周波数f
*に近づける。そして、スイッチング素子21を、求めた周波数fとデューティdで連続駆動させる。ステップS6を行った後、ステップS3に戻る。
【0040】
また、ステップS5においてNo(P
O*<P
fs0)と判断した場合、すなわち間欠モードを行う場合は、ステップS7に移る。ステップS7では、上記式(1)を用いて間欠率bを算出する。その後、ステップS8に移る。ここでは、周波数fを、最高周波数f
max(
図2参照)から次第に下げ、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0に近づける。
【0041】
その後、ステップS9に移る。ここでは、スイッチング素子21を、求めた周波数fと、間欠率bと、デューティdとで駆動させる。ステップS9を行った後、ステップS3に戻る。
【0042】
本形態の作用効果について説明する。
図3に示すごとく、本形態では、間欠モードを行う際、放電期間T
disにおいて、主回路部2から放電開始電力P
fs0が出力されるように、スイッチング素子21の動作制御を行う。すなわち、放電期間T
disでは、放電負荷7に放電が発生する最低限の出力電力P
Oしか供給しない。
そのため、放電期間T
disに、直流電源8から主回路部2へ供給される入力電力P
Iを少なくすることができ、主回路部2における電力ロスを低減できる。
【0043】
また、本形態では、間欠モードにおける上記間欠率bを、上記式(1)によって算出した値にする。
そのため、間欠モードにおいて、主回路部2の平均出力電力P
O’を、出力目標値P
O*にすることができる。すなわち、間欠モードでは、放電期間T
disにおける出力電力P
Oに間欠率bを乗じた値(b・P
O)が、平均出力電力P
O’となる。本形態では、放電期間T
disにおける出力電力P
Oを放電開始電力P
fs0にしているため、間欠率bを上記値(=P
O*/P
fs0)にすれば、これらを乗じた値(=b・P
fs0=P
O*)、すなわち出力目標値P
O*を、平均出力電力P
O’として出力することができる。
【0044】
また、本形態の共振インバータ装置1は、車両に搭載される。
車両の直流電源8は、容量が比較的小さい。そのため、本形態のように、主回路部2の電力ロスを低減し、直流電源8の電力を有効に使えるようにした場合の効果は大きい。
【0045】
以上のごとく、本形態によれば、主回路部の電力ロスをより低減できる共振インバータ装置を提供することができる。
【0046】
なお、本形態では、
図1に示すごとく、主回路部2として、プッシュプル回路26と共振タンク回路27を備えるものを採用したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、
図11に示すごとく、複数のスイッチング素子21によってブリッジ回路を構成した主回路部2を用いてもよい。
【0047】
また、本形態では、共振インバータ装置1を車両に搭載したが、本発明はこれに限るものではなく、車載以外の用途に用いても良い。
【0048】
以下の実施形態においては、図面に用いた符号のうち、実施形態1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施形態1と同様の構成要素等を表す。
【0049】
(実施形態2)
本形態は、スイッチング素子21の制御方法を変更した例である。放電負荷7に放電が発生した後、その放電を維持するために必要な最低限の電力を放電維持電力P
fs1とする。本形態の制御部3は、間欠率bが、下記式(2)を用いて算出した値となり、かつ、
図12に示すごとく、放電期間T
disとして準低消費放電期間T
disAが行われるように、スイッチング素子21の動作制御を行う。準低消費放電期間T
disAは、放電開始時に(より詳しくは、制御部3の1演算周期だけ)主回路部2から放電開始電力P
fs0が出力され、その後、出力が放電維持電力P
fs1に低下する放電期間T
disである。
b=P
O*/P
fs1 ・・・(2)
【0050】
図12に示すごとく、制御部3は、スイッチング素子21の周波数fを変化させることにより、準低消費放電期間T
disAを発生させている。すなわち、放電開始時には、制御部3は、スイッチング素子21の周波数fを、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0にする。その後、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に変える。これにより、放電開始時に主回路部2から放電開始電力P
fs0を出力し、その後、放電維持電力P
fs1を出力している。
【0051】
放電負荷7は、
図13に示すごとく、一対の電極71と、該電極71を保護するバリア層72とを備える。バリア層72は誘電体からなる。これらのバリア層72の間に放電空間73が形成されている。主回路部2を用いて電極71に交流電圧を加えると、一方のバリア層72
aから他方のバリア層72
bへ、電子の塊(ストリーマ79)が移動する。電子は、バリア層72
bへ到達した後、
図14に示すごとく、バリア層72
bの表面を拡散する。バリア層72
bに電子が残存している間は、一対の電極71
a,71
b間に加える電圧が低くても、電子が反対側のバリア層72
aへ移動する。つまり、バリア層72
bに電子が残存している間は、主回路部2の出力電力P
Oが放電開始電力P
fs0より低くても電子が移動し、放電が発生する。また、電子がバリア層72
bに移動し、長時間経過すると、電子が完全に拡散してしまう。そのため、この場合は、放電負荷7に放電開始電力P
fs0を供給しないと、放電は発生しない。
【0052】
上述したように、本形態では、放電が開始されるときだけ主回路部2から放電開始電力P
fs0を出力し(
図12参照)、その後、出力を放電維持電力P
fs1に低下させている。これにより、放電期間T
disにおける入力電力P
Iを少なくし、主回路部2の電力ロスを少なくしている。
【0053】
次に、
図15を用いて、制御部3のフローチャートの説明を行う。
図15では、実施形態1と異なるステップ、すなわち間欠モードを行うステップのみ説明する。連続モードを行うステップ(ステップS1〜S6)は、実施形態1と同様である。
図15に示すごとく、制御部3は、間欠モードを行う際、まずステップS10を行う。ここでは、上記式(2)を用いて、間欠率bを算出する。
【0054】
その後、ステップS11に移り、放電開始か否かを判断する。ここでYes、すなわち放電開始と判断した場合は、ステップS12に移り、周波数fを、放電開始電力P
fs1に対応する周波数f
s0に近づける。その後、ステップS14に移る。ここでは、スイッチング素子21を、求めた周波数fと、間欠率bと、デューティdで駆動させる。
【0055】
また、ステップS11でNo、すなわち放電維持と判断した場合は、ステップS13に移る。ここでは、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に近づける。その後、ステップS14に移る。
【0056】
次に、本形態の作用効果について説明する。
図12に示すごとく、本形態では、準低消費放電期間T
disAが行われるように、スイッチング素子21の動作制御を行う。
このようにすると、主回路部2における電力ロスを、より低減することができる。すなわち、準低消費放電期間T
disAでは、放電開始時に主回路部2から放電開始電力P
fs0を出力するため、放電負荷7に放電を確実に発生できる。また、放電が発生した後、出力を放電維持電力P
fs1に低減するため、放電期間T
dis全体の出力電力P
Oを低くすることができる。したがって、放電期間T
disにおいて主回路部2に供給される入力電力P
Iを低減でき、主回路部2の電力ロスをより低減することができる。
【0057】
また、本形態では、間欠モードにおける間欠率bを、上記式(2)によって算出した値にする。
本形態では、放電期間T
disの殆どの期間に、放電維持電力P
fs1を出力する。そのため、間欠率bを上記値(=P
O*/P
fs1)にすれば、これらを乗じた値(=b・P
fs1=P
O*)、すなわち出力目標値P
O*を、主回路部2から平均出力電力P
O’として出力することができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
【0058】
(実施形態3)
本形態はスイッチング素子21の制御方法を変更した例である。本形態の制御部3は、
図16に示すごとく、前回、放電期間T
disを行った後、放電負荷7に放電が発生しなかった期間が、予め定められた閾期間T
thよりも短い場合は、次の放電期間T
disとして、放電開始から放電終了まで主回路部2から放電維持電力P
fs1を出力する最低消費放電期間T
disBを行う。また、制御部3は、
図17に示すごとく、前回、放電期間T
disを行った後、放電負荷7に放電が発生しなかった期間(T
stop’)が上記閾期間T
thよりも長い場合は、次の放電期間T
disとして準低消費放電期間T
disAが行われるように、スイッチング素子21を動作制御するよう構成されている。
【0059】
前回、放電を行ってから閾期間T
th以上経過していない場合、放電負荷7のバリア層72
b(
図14参照)に電子が残存しているため、次の放電開始時に、放電開始電力P
fs0より少ない電力である放電維持電力P
fs1を供給しただけで、放電負荷7に放電を発生させることができる。そのため、放電期間T
dis(最低消費放電期間T
disB)に主回路部2へ供給される入力電力P
Iを低減でき、主回路部2の電力ロスを低減できる。
【0060】
図16に示すごとく、本形態では実施形態2と同様に、スイッチング素子21の周波数fを制御することにより、出力電力P
Oの制御を行っている。すなわち、準低消費放電期間T
disAでは、放電開始時に周波数fを放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0にし、その後、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に変更する。また、最低消費放電期間T
disBでは、放電開始から放電終了まで、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1にする。
【0061】
また、
図17に示すごとく、出力目標値P
O*が低下したため、放電期間T
disが短くなる場合(T
disB’)がある。この場合、次の放電停止期間T
stop’が長くなり、閾期間T
thより長い間、放電が発生しなくなる。本形態では、この場合、次に行われる放電期間T
disを、準低消費放電期間T
disAにする。これにより、長時間、放電が停止した後でも、確実に放電を発生できるようにしている。
【0062】
次に、制御部3のフローチャートの説明をする。
図18に示すごとく、本形態の制御部3は、間欠モードを行う際、まずステップS21を行う。ここでは、上記式(2)を用いて、間欠率bを算出する。ステップS21の後、ステップS22に移り、放電開始か否かを判断する。ここでYesと判断した場合はステップS23に移り、Noと判断した場合はステップS25に移る。
【0063】
ステップS23では、前回の放電期間T
disが終了してから、閾期間T
th以上、放電が停止したか否かを判断する。ここでYesと判断した場合はステップS24に移り、Noと判断した場合はステップS25に移る。ステップS24では、周波数fを、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0に近づける。その後、ステップS26に移る。ここでは、スイッチング素子21を、求めた周波数fと、間欠率bと、デューティdとで駆動させる。また、ステップS25では、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に近づける。その後、ステップS26に移る。
【0064】
ステップS22、S23が両方ともYesの場合は、閾期間T
th以上放電が停止しており、かつ放電を開始する時なので、放電開始電力P
fs0を出力する(
図17参照)。これにより、放電負荷7に確実に放電を発生させる。また、ステップS22又はS23がNoの場合は、準低消費放電期間T
disA(
図17参照)で放電を維持するときか、又は最低消費放電期間T
disBを行う場合である。そのため、これらの場合は、放電維持電力P
fs1を出力している。
その他、実施形態2と同様の構成および作用効果を備える。
【0065】
(実施形態4)
本形態は、スイッチング素子21の制御方法を変更した例である。
図19に示すごとく、本形態の制御部3は、上記閾期間T
thとして、間欠期間T
burstを設定している。すなわち、制御部3は、前回の放電期間T
disの後、放電が発生しなかった期間が間欠期間T
burstより短い場合は、次の放電期間T
disが最低消費放電期間T
disBとなるように、スイッチング素子21の動作制御をする。つまり、前回の間欠周期T
burst中に、少しでも放電が発生した場合は、次に最低消費放電期間T
disBを行う。
【0066】
また、前回の放電期間T
dis(
図19では最低消費放電期間T
disB)の後、放電が発生しなかった期間が間欠周期T
burstより長い場合は、次の放電期間T
disが準低消費放電期間T
disAとなるように、スイッチング素子21の動作制御を行う。例えば、瞬間的に出力目標値P
O*が低下したため、放電が発生しない場合がある。この場合、放電が発生しない期間が、間欠周期T
burstより長くなる。この場合は、放電負荷7のバリア層72
b(
図14参照)の表面に電子が残存していない可能性が高いため、放電負荷7に放電開始電力P
fs0を加えないと、次の放電が発生しない。そのため、この場合は
図19に示すごとく、次の放電期間T
disを準低消費放電期間T
disAにしている。
【0067】
また、前回の放電期間T
disの後、放電が発生しなかった期間が、間欠周期T
burstより短い場合は、放電負荷7のバリア層72
b(
図14参照)に電子が残存している可能性が高い。そのため、放電開始電力P
fs0より少ない電力(放電維持電力P
fs1)を加えただけで、放電を発生できる。したがって、この場合は、
図19に示すごとく、次の放電期間T
disを最低放電期間T
disBにしている。これにより、この最低放電期間T
disBに主回路部2へ供給される入力電力P
Iを低減し、主回路部2における電力ロスを低減している。
【0068】
次に、制御部3のフローチャートの説明をする。制御部3は、間欠モードを行う際に、
図20に示すごとく、まずステップS31を行う。ここでは、上記式(2)を用いて、間欠率bを算出する。その後、ステップS32に進む。ステップS32では、放電開始か否かを判断する。ここでYesと判断した場合は、ステップS33に進み、Noと判断した場合は、ステップS35に進む。
【0069】
ステップS33では、前回の放電期間T
disが終了してから、間欠周期T
burst以上、放電が停止したか否かを判断する。ここでYesと判断した場合は、ステップS34に移り、Noと判断した場合はステップS35に移る。ステップS34では、周波数fを、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0に近づける。また、ステップS35では、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に近づける。ステップS34,S35の後、ステップS36に移る。ここでは、スイッチング素子21を、求めた周波数fと、間欠率bと、デューティdとで駆動する。
その他、実施形態2と同様の構成および作用効果を備える。
【0070】
(実施形態5)
本形態は、スイッチング素子21の制御方法を変更した例である。
図21に示すごとく、本形態の制御部3は、実施形態3と同様に、最低消費放電期間T
disBを行うことが可能に構成されている。この最低消費放電期間T
disBを繰り返し行うことが可能な停止期間T
stopの最長長さを放電イニシャル期間T
initとする。本形態の制御部3は、
図21に示すごとく、間欠モードにおいて、間欠周期T
burstが下記式(3)を満たす値になるように、スイッチング素子21の動作制御を行うよう構成されている。
T
burst<T
init/(1−b) ・・・(3)
【0071】
間欠周期T
burstが上記式(3)を満たす場合は、停止期間T
stopを、放電イニシャル期間T
initよりも短くすることができる。そのため、最初に行われる放電期間T
dis(準低消費放電期間T
disA)以外の放電期間T
disは、全て最低消費放電期間T
disBにすることができる。そのため、主回路部2に供給される入力電力P
Iを低減でき、主回路部2の電力ロスを低減できる。
【0072】
次に、制御部3のフローチャートの説明をする。制御部3は、間欠モードを行う際、
図22に示すごとく、まずステップS41を行う。ここでは、上記式(2)を用いて、間欠率bを算出する。その後、ステップS42に移る。ここでは、上記式(3)を満たす間欠周期T
burstを算出する。例えば、下記式を用いて間欠周期T
burstを求める。
T
burst=0.8×T
init/(1−b)
【0073】
その後、ステップS43に移り、放電開始か否かを判断する。ここでYesと判断した場合はステップS44に移り、Noと判断した場合はステップS46に移る。ステップS44では、放電が、放電イニシャル期間T
initより長い時間、停止したか否かを判断する(すなわち、間欠モードで最初に行われる放電期間T
disか否かを判断する)。ここでYesと判断した場合はステップS45に移り、Noと判断した場合はステップS46に移る。
【0074】
ステップS45では、周波数fを、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0に近づける。また、ステップS46では、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に近づける。これらのステップS45,S46の後、ステップS47に移る。ステップS47では、スイッチング素子21を、求めた周波数fと、間欠率bと、デューティdで駆動させる。
その他、実施形態2と同様の構成および作用効果を備える。
【0075】
(実施形態6)
本形態は、制御部3の構成を変更した例である。
図23に示すごとく、本形態では、放電負荷7にセンサ78を設けてある。センサ78は、放電負荷7内を流れるガスの圧力pと、温度tと、湿度mとの3つの電力相関パラメータを測定する。制御部3は、センサ78から送信される電力相関パラメータp,t,mを用いて、放電開始電力P
fs0及び放電維持電力P
fs1を算出する。
【0076】
図24に示すごとく、放電開始電力P
fs0及び放電維持電力P
fs1は、放電負荷7内のガスの圧力pと相関がある。同様に、
図25、
図26に示すごとく、上記電力P
fs0,P
fs1は、上記ガスの温度t、湿度mと相関がある。本形態の制御部3は、これらの電力相関パラメータp,t,mと、放電開始電力P
fs0及び放電維持電力P
fs1との関係を予め記憶している。そして、上記センサ78による上記電力相関パラメータp,t,mの測定値を用いて、これらの電力P
fs0,P
fs1を算出し、その算出値を用いて、スイッチング素子21の動作制御をする。これにより、放電開始電力P
fs0及び放電維持電力P
fs1として、より正確な値を用いるようにしている。
【0077】
図27に、本形態のフローチャートを示す。本形態では、出力電力P
Oの波形が、実施形態2(
図12参照)と同様になるように、制御を行っている。
図27に示すごとく、制御部3は、間欠モードを行う際、まずステップS51を行う。ここでは、上記式(2)を用いて間欠率bを算出する。その後、ステップS52に移る。ここでは、放電負荷7内のガスの圧力p、温度t、湿度mの測定値を受信する。次いで、ステップS53に移る。ここでは、受信した電力相関パラメータp,t,mを用いて、放電開始電力P
fs0、及び放電維持電力P
fs1を算出する。
【0078】
次いで、ステップS54に移る。ここでは、放電開始か否かを判断する。ここでYesと判断した場合はステップS55に移り、Noと判断した場合はステップS56に移る。ステップS55では、周波数fを、放電開始電力P
fs0に対応する周波数f
s0に近づけ、ステップS56では、周波数fを、放電維持電力P
fs1に対応する周波数f
s1に近づける。これらのステップS55、S56を行った後、ステップS57に移る。ここでは、スイッチング素子21を、求めた周波数fと、間欠率bと、デューティdとで駆動させる。
その他、実施形態2と同様の構成および作用効果を備える。
【0079】
なお、本形態では、ガスの圧力pと、温度tと、湿度mとの3つの電力相関パラメータを全て用いて、放電開始電力P
fs0及び放電維持電力P
fs1を算出しているが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、上記3つの電力相関パラメータp,t,mのうち、少なくとも1つを用いればよい。また、放電開始電力P
fs0と放電維持電力P
fs1とのうち、いずれか一方のみを算出してもよい。
【0080】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。