特許第6954073号(P6954073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋インキSCホールディングス株式会社の特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6954073
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】粘着剤組成物および粘着シート
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/14 20060101AFI20211018BHJP
   C09J 175/14 20060101ALI20211018BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20211018BHJP
【FI】
   C09J133/14
   C09J175/14
   C09J7/38
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2017-237058(P2017-237058)
(22)【出願日】2017年12月11日
(65)【公開番号】特開2019-104795(P2019-104795A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2020年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大宅 徹
【審査官】 高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−165902(JP,A)
【文献】 特開2019−070102(JP,A)
【文献】 特開2018−016701(JP,A)
【文献】 特開2010−065095(JP,A)
【文献】 特開2016−023236(JP,A)
【文献】 特開2010−209229(JP,A)
【文献】 特開平02−178378(JP,A)
【文献】 特開2013−194108(JP,A)
【文献】 特開2015−227486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
B32B
C08G18/00−18/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリルウレタン樹脂(E)と、溶剤とを含む粘着剤組成物であって、アクリルウレタン樹脂(E)が、水酸基を有するアクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、水酸基を有する粘着付与剤(C)、およびモノアルコール(D)の反応生成物であり、下記(i)〜(vi)を満たすことを特徴とする粘着剤組成物。
(i)アクリル重合体(A)は、重量平均分子量が20万以上、水酸基価が0.1〜5.0mgKOH/gであり、アクリル重合体(A)を構成するモノマー成分100質量%中の2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が50質量%以上である。
(ii)多官能イソシアネート化合物(B)は、脂肪族または脂環族イソシアネートであり、アクリル重合体(A)100質量部に対して1〜15質量部含まれる。
(iii)粘着付与剤(C)は、水酸基価が10mgKOH/g以上である。
(iv)モノアルコール(D)は、脂環式炭化水素基を1つ以上有する。
(v)アクリルウレタン樹脂(E)は、ゲル分率が20質量%以下である。
(vi)溶剤100質量%中、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)における、水素結合項(δH)3未満、双極子項(δP)3未満の溶剤を50質量%以上含む。
【請求項2】
モノアルコール(D)が、ステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
アクリル重合体(A)は、酸価が5.0〜40mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
フィルム状基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層が積層されてなる粘着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物および粘着シートに関する。さらに詳しくは、塗工時の硬化反応が不要でありながら、粘着性および保持力に優れた、常温塗工が可能な1液型の粘着剤組成物および粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着剤は、材料間を簡便に、且つ短時間で接合できることから、家電製品、日用品、建材等様々な産業分野で使用されているが、中でも、主剤と硬化剤とから成る2液硬化型のアクリル系粘着剤が、接着力、保持力、凝集力、タック等の粘着特性のバランス、および耐熱性や耐候性等の耐久性に優れるという点から広く普及している。
【0003】
しかし、硬化剤を用いる場合、粘着剤のポットライフが発生し、塗工作業および工程管理が複雑化するなどの課題があった。さらに、接着性や耐久性に優れるイソシアネート硬化剤は、空気中の水分の影響を受け易く、例えば高湿度下において塗布作業やエージング作業を行った場合には、低湿度下と比較してイソシアナト基と水の反応量が増大するため、接着力や保持力が悪化するなどの問題があった。
【0004】
上記の問題を解決するために、ホットメルト粘着剤やUV照射による硬化を利用した1液型のアクリル系粘着剤等が提案されている。
しかし例えばホットメルト粘着剤は、塗工時に加熱溶融を行い低粘度状態に保つ必要性があるため設備が大掛かりになる等の課題を抱えている。(特許文献1)
また、UV照射による硬化反応を利用するアクリル系粘着剤は、アクリル樹脂中に残留するアクリルモノマーの完全な脱気は困難であるため、最終製品の粘着剤から該モノマーに起因する強い刺激臭が発生するという問題があり、更に主成分としてのアクリル樹脂の分子量が比較的小さい上、架橋反応が十分に進行しにくいため保持力が低いといった問題があった。(特許文献2)
【0005】
そこで本発明者らは、これらの問題を解決する手段として、アクリル重合体と、多官能イソシアネートと、粘着付与剤と、モノアルコールとを反応させたアクリルウレタン系粘着剤による、常温塗工型の1液型粘着剤を提案している。(特許文献3)しかしながら、良好な保持力が得られるものの塗膜の透明性が低く、透明性が必要な用途には使用できないとう課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−031437号公報
【特許文献2】特開2015−010160号公報
【特許文献3】特開2017−165902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、塗工時の硬化反応が不要でありながら、保持力および透明性に優れた、常温塗工が可能な1液型の粘着剤組成物および粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アクリルウレタン樹脂(E)と、溶剤とを含む粘着剤組成物であって、アクリルウレタン樹脂(E)が、水酸基を有するアクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、水酸基を有する粘着付与剤(C)、およびモノアルコール(D)の反応生成物であり、下記(i)〜(vi)を満たすことを特徴とする粘着剤組成物に関する。
(i)アクリル重合体(A)は、重量平均分子量が20万以上、水酸基価が0.1〜5.0mgKOH/gであり、アクリル重合体(A)を構成するモノマー成分100質量部%の2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が50質量%以上である。
(ii)多官能イソシアネート化合物(B)は、脂肪族または脂環族イソシアネートであり、アクリル重合体(A)100質量部に対して1〜15質量部含まれる。
(iii)粘着付与剤(C)は、水酸基価が10mgKOH/g以上である。
(iv)モノアルコール(D)は、脂環式炭化水素基を1つ以上有する。
(v)アクリルウレタン樹脂(E)は、ゲル分率が20質量%以下である。
(vi)溶剤100質量%中、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)における、水素結合項(δH)3未満、双極子項(δP)3未満の溶剤を50質量%以上含む。
【0009】
本発明は、モノアルコール(D)が、ステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)であることを特徴とする前記粘着剤組成物に関する。
【0010】
本発明は、アクリル重合体(A)は、酸価が5.0〜40mgKOH/gであることを特徴とする前記粘着剤組成物に関する。
【0011】
本発明は、フィルム状基材の少なくとも一方の面に、前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層が積層されてなる粘着シートに関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、塗工時の硬化反応が不要でありながら、保持力および透明性に優れた、常温塗工が可能な1液型の粘着剤組成物および粘着シートを提供できるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
【0014】
<粘着剤組成物>
本発明は、アクリルウレタン樹脂(E)と、溶剤とを含む粘着剤組成物であって、アクリルウレタン樹脂(E)が、水酸基を有するアクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、水酸基を有する粘着付与剤(C)、およびモノアルコール(D)の反応生成物である。
【0015】
<アクリル重合体(A)>
本発明のアクリル重合体(A)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体を意味し、重量平均分子量20万以上、水酸基価0.1〜5.0mgKOH/gでり、アクリル重合体(A)を構成するモノマー成分100質量部中の2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が50質量%以上である。ここで、「(メタ)アクリル酸エステルモノマー」とは、「アクリル酸エステルモノマー」と「メタクリル酸エステルモノマー」の総称を指す。
【0016】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの内、特にブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが適度な粘着物性を得やすく、重量平均分子量の比較的大きいアクリル重合体を容易に製造できる点で好ましい。
【0017】
アクリル重合体(A)は、後述する多官能イソシアネート化合物(B)が有するイソシアナト基と反応し得る水酸基を有する。水酸基の導入方法としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー以外に、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーを共重合することで、水酸基を有するアクリル重合体(A)を得ることができる。
【0018】
水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
また、上記以外に、粘着物性を損なわない範囲で、水酸基以外の官能基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることができる。そのようなモノマーとしては、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマー、アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマー、イソシアナト基を有するエチレン性不飽和モノマー等を挙げることができる。
【0020】
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和結合を有するカルボン酸等が挙げられる。
【0021】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の、モノアルキルアミノエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】
イソシアナト基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】
また、上記以外のエチレン性不飽和モノマーとして、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等も使用することができる。
【0025】
上記のエチレン性不飽和モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
アクリル重合体(A)を構成するモノマー成分100質量%中、2−エチルヘキシルアクリレートが50質量%以上であると、粘着剤組成物として良好な透明性が得られる。好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。また。好ましくは95%以下、より好ましくは80%以である。
【0027】
アクリル重合体(A)の水酸基価は、0.1〜5.0mgKOH/gであり、0.2〜2.0mgKOH/gであることがより好ましい。0.1mgKOH/g以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な粘着物性を得ることができる。5.0mgKOH/g以下であると、過度な架橋に伴う高粘度化の抑制および、アクリルウレタン樹脂(E)とした際のゲル分率の増加を抑制し、良好な塗工適性を得ることができる。
【0028】
アクリル重合体(A)の酸価は、5.0〜40mgKOH/gであることが好ましく、10〜30mgKOH/gであることがより好ましい。5.0mgKOH/g以上であると、凝集力が向上し良好な耐熱性を得ることができる。40mgKOH/g以下であると、過度な凝集力に伴う高粘度化を抑制できる。
【0029】
また、アクリル重合体(A)のガラス転移温度は、−60〜0℃が好ましく、−50〜−10℃がより好ましい。ガラス転移温度が−60℃以上であると、十分な凝集力が得られ、粘着力や耐久性を高める事ができる。ガラス転移温度が0℃以下であると、十分な濡れ性が得られ、粘着力を高める事ができる。
【0030】
アクリル重合体(A)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値で、20万以上であり、30万〜150万が好ましく、40万〜100万がより好ましい。重量平均分子量が20万以上であると、十分な凝集力と耐久性を得ることができる。重量平均分子量が150万以下であると、粘度の増加を抑制でき、良好な塗工適性を得ることができる。
【0031】
アクリル重合体(A)の製造方法としては、特に制限はなく、例えば公知のラジカル重合反応で、上記のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させて得ることができる。反応は無溶剤下でも構わないが、合成安定性およびハンドリングの観点から溶剤を使用することが好ましい。また、分子量制御の観点から、ラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」と略記することがある)を使用することが好ましい。その他、連鎖移動剤等の公知の添加剤を用いてもよい。
【0032】
アクリル重合体(A)の製造時に用いることのできる溶剤としては、特に限定されないが、後述する溶剤と同様の溶剤を用いることができる。
【0033】
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物や、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系化合物が挙げられる。
これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
さらに、アクリル重合体(A)の分子量を調節する目的で、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、
チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン、α−ピネン、β−ピネン等が挙げられる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン、α−ピネン、β−ピネン等が、得られる重合体が低臭気となる点で好ましい。連鎖移動剤の使用量は、アクリル重合体(A)を構成する全モノマー100質量%中、3質量%以下であることが好ましい。
【0035】
<多官能イソシアネート化合物(B)>
本発明に用いる多官能イソシアネート化合物は、脂肪族または脂環族イソシアネートであれば特に制限されず、アクリル重合体(A)、粘着付与剤(C)およびモノアルコール(D)中の水酸基と反応することで、粘着剤として利用するための高弾性や、基材密着性を付与する目的で使用される。脂肪族または脂環族イソシアネートとしては、例えば脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、およびこれらのビュレット体、ヌレート体、アダクト体である2官能以上のイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0036】
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0037】
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI、イソホロンジイソシアネート)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0038】
ビュレット体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(製品名「スミジュールN−75」、住化バイエルウレタン社製;製品名「デュラネート 24A−90CX」、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0039】
ヌレート体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「スミジュールN−3300」、住化バイエルウレタン社製)、イソホロンジイソシアネートのヌレート体(製品名「デスモジュールZ−4370」、住化バイエルウレタン社製)、トリレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「コロネート 2030」、日本ポリウレタン社製)等が挙げられる。
【0040】
アダクト体としては、上記脂肪族ジイソシアネート、および/または脂環族ジイソシアネートと2官能以上の低分子活性水素含有化合物とを反応させてなる、2官能以上のイソシアネート化合物が挙げられ、例えば、トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD−160N」、三井化学社製)、トリメチロールプロパンのイソホロンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD−140N」、三井化学社製)等が挙げられる。
【0041】
なお、2官能以上の低分子活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族あるいは脂環族ジオール類;
1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールナノデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカン等のトリメチロール分岐アルカン類;
トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,6−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン等の3官能ポリオール類;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール等の4官能以上のポリオール類;
トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン等の脂肪族ポリアミン類を挙げることができる。これら2官能以上の低分子活性水素含有化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
これらの多官能イソシアネート化合物(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体等の3官能イソシアネート化合物を使用すると、高い凝集力と透明性が得られるため特に好ましい。
【0044】
本発明に使用する多官能イソシアネート化合物(B)は、アクリル重合体(A)100質量部に対して1〜15質量部含むことを特徴とし、5〜10質量部含むことが好ましい。
多官能イソシアネート化合物(B)が、1質量部以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な保持力を得ることができ、15質量部以下であると粘着力の低下と、透明性の悪化を抑制できる。
【0045】
多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアナト基と、アクリル重合体(A)中の水酸基、後述する粘着付与剤(C)中の水酸基、モノアルコール(D)中の水酸基の合計のモル数の比(イソシアナト基/水酸基)は、0.1〜1.0であることが好ましく、0.3〜1.0であることがより好ましく、0.6〜1.0であることがさらに好ましい。0.1以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力を得ることができ、1.0以下であると良好な塗工適性を得ることができる。
【0046】
<粘着付与剤(C)>
粘着付与剤(C)としては、水酸基価10mgKOH/g以上であれば特に限定されず、公知の粘着付与剤を用いることができる。例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン、およびそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類とのエステル化物、樹脂酸ダイマー等)などが挙げられる。ただし、上述したアクリル重合体(A)は粘着付与剤(C)には含まれない。
【0047】
粘着付与剤(C)の水酸基価としては、10mgKOH/g以上であり、10〜130mgKOH/gであることが好ましく、20〜80mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が、10mgKOH/g以上であれば、高い凝集力を得ることができ、130mgKOH/g以下であれば、高い透明性を得ることができる。
【0048】
粘着付与剤(C)の軟化点は、60〜160℃が好ましい。軟化点が、60℃以上であれば、十分な耐熱性が得られ、160℃以下であれば、高い透明性を得ることができる。
【0049】
粘着付与剤(C)は、重量平均分子量が800以上であることが好ましく、800〜1万であることがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲にあることによって、十分な凝集力が得られ、粘着力と耐熱性を向上することができる。
【0050】
粘着付与剤(C)は、アクリル重合体(A)100質量部に対し、粘着付与剤(C)5〜100質量部使用することが好ましく、15〜60質量部使用することがより好ましい。
5質量部以上であれば良好な粘着力を得ることができ、100質量部以下であれば、被着体に対する密着性および粘着力の低下を防ぐことができる。
【0051】
粘着付与剤(C)としては、透明性、密着性、凝集力の点から、ロジン誘導体が好ましく、重合ロジンエステル、水素化ロジンエステルがより好ましい。これらの粘着付与剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
<モノアルコール(D)>
モノアルコール(D)は、脂環式炭化水素基を1つ以上有することを特徴とする。脂環式炭化水素基は、飽和脂環式炭化水素基であっても、不飽和脂環式炭化水素基であってもよく、さらに、脂環式炭化水素基同士が縮合した縮合脂環式炭化水素基であっても構わない。水酸基の結合位置は特に限定されず、脂環式炭化水素基に直接結合している様態や、脂環式炭化水素基の側鎖に結合している様態が挙げられる。ただし、上述したアクリル重合体(A)および粘着付与剤(C)は、モノアルコール(D)には含まれない。
【0053】
モノアルコール(D)としては、以下の例には限定されないが、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、プロピルシクロヘキサノール、4−ブチルシクロヘキサノール、4−ペンチルシクロヘキサノール、4−ヘキシルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロノナノール、シクロデカノール、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、メントール、4−ターシャリーブチル−シクロヘキサノール、2,6−ビス−ターシャリーブチル−4−メチルシクロヘキサノール、2−フェニル−1−シクロヘキサノール、イソプレゴール、ジヒドロカルベオール、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサン−1−オール、1−シクロヘキシル−1−ペンタノール等の1分子中に脂環式炭化水素基を1つ有するモノアルコール、ジシクロヘキシルメタノール、デカトール、2−シクロヘキシルシクロヘキサノール、4−シクロヘキシルシクロヘキサノール、4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、α−アンブリノール等の1分子中に脂環式炭化水素基を2つ以上有するモノアルコール、2−ノルボルナノール、ボルネオール、1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナノール、ヒドロキシジシクロペンタジエン、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−オール、イソカンフィルシクロヘキサノール等の2つの脂環式炭化水素基同士が縮合した縮合脂環式炭化水素基を有するモノアルコール、2−アダマンタノール等の3つの脂環式炭化水素基同士が縮合した縮合脂環式炭化水素基を有するモノアルコール、後述するステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)等が挙げられる。
【0054】
ステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)とは、シクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核(ステロイド核と同義)を基本骨格とするモノアルコールであり、一般的にホルモン等が多いが、置換基によって多様な構造を有することができ、植物に存在するものも多数ある。
【0055】
ステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)としては、例えばシクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核を有するモノアルコール、前記核の脂肪環に二重結合を有するモノアルコール、およびこれらに置換基を有するモノアルコールが挙げられ、ステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)の具体例としては、下記式[1]〜[9]等で表される化合物が挙げられる。(下記式中、破線はC=C二重結合であっても良いことを示す。)
【0056】
式[1]
【化1】

【0057】
式[2]
【化2】
【0058】
式[3]
【化3】

【0059】
式[4]
【化4】


【0060】
式[5]
【化5】

【0061】
式[6]
【化6】

【0062】
式[7]
【化7】

【0063】
式[8]
【化8】

【0064】
式[9]
【化9】
【0065】
上記式[1]〜[9]中、R〜Riは、それぞれ独立に、水素原子、酸素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、カルボキシアルキルカルボニル基、ホルマートアルキルカルボニル基、アセトキシアルキルカルボニル基、アルキルカルボキシ基、カルボキシアルキルカルボキシ基、ホルマートアルキルカルボキシ基、アセトキシアルキルカルボキシ基、アルコキシ基、カルボキシアルコキシ基、ホルマートアルコキシ基、アセトキシアルコキシ基、ベンゾイルオキシ基または下記式[10]のいずれかで表される基である。式[9]中、nは、1〜50の整数を表す。
【0066】
アルキル基としては、メチル基やエチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基やアリル基等が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基やプロパ−2−イン−1−イル基等が挙げられる。なお、「ホルマート」とは、「−O−CH=O」を意味する。下記式[10]中、「*」は、結合手を示す。
【0067】
式[10]
【化10】
【0068】
以上述べたステロイド骨格を有するモノアルコール(D−1)の具体例としては、デスオキシコルチコステロン、11−デヒドロコルチコステロン、日光ケミカルズ(株)より入手できる、NIKKOL BPS−X(ただしXは、5、10、20、30)、NIKKOL BPSH−25、NIKKOL DHC−30等の第一級水酸基を有するステロイド骨格を有するモノアルコール;
コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、テストステロン、エストロン、デヒドロエピアンドロステロン、コプロスタノール、プレグネノロン、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロール、チゴゲニン、ヘコゲニン等の第二級水酸基を有するステロイド骨格を有するモノアルコール;
メタンジエノン、酢酸コルチゾン、ステノロン等の第三級水酸基を有するステロイド骨格を有するモノアルコール等が挙げられる。
【0069】
これらのモノアルコール(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の混合物としては、例えば、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール等の混合物である、フィトステロールが挙げられる。
【0070】
モノアルコール(D)の水酸基としては、第一級水酸基または第二級水酸基であることが好ましい。第一級水酸基または第二級水酸基であることによって、アクリルウレタン樹脂(E)の高粘度化およびゲル分率の増加を抑制することができる。
【0071】
モノアルコール(D)の分子量は、140以上であることが好ましく、250〜800であることがより好ましく、300〜500であることがさらに好ましい。分子量が上記範囲にあることによって、十分な凝集力が得られ、粘着力と耐熱性を向上することができる。
【0072】
その他、好ましい態様としては、置換基として炭素数が5つ以上のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を有していることが好ましい。置換基として炭素数が5つ以上の、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を有する場合、アクリル重合体(A)との相溶性が良化し、良好な耐熱性および塗膜外観を得ることができる。
【0073】
以上述べたモノアルコール(D)の内、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、コプロスタノール、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロールが、分子量が300〜500であり、第二級水酸基であり、置換基の炭素数が5つ以上である点からより好ましい。
【0074】
モノアルコール(D)の含有量は、アクリル重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部であり、さらに好ましくは2.0〜13質量部である。モノアルコール(D)の含有量が上記範囲にあることによって高い粘着力と耐熱性を得られ、さらに、アクリルウレタン樹脂(E)の高粘度化およびゲル分率の増加を抑制することができる。
【0075】
<アクリルウレタン樹脂(E)>
本発明のアクリルウレタン樹脂(E)は、アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、粘着付与剤(C)、およびモノアルコール(D)を反応させることで得られる。
【0076】
アクリルウレタン樹脂(E)のゲル分率は、20質量%以下であり、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。ゲル分率が20質量%以下であることによって、過度な高粘度化を抑制し良好な塗工適性を得ることができる。
【0077】
アクリルウレタン樹脂(E)は、後述する溶剤にて不揮発分40%に希釈した際の粘度が、15,000mPa・s/25℃以下であることが好ましく、10,000mPa・s/25℃以下であることがより好ましく、5,000mPa・s/25℃以下であることがさらに好ましい。不揮発分40%時の粘度が15,000mPa・s/25℃以下であることによって良好な塗工適性を得ることができる。
【0078】
アクリルウレタン樹脂(E)の製造方法としては、特に制限はなく、一般的なポリウレタン樹脂の製造方法で製造でき、例えば、アクリル重合体(A)、粘着付与剤(C)、およびモノアルコール(D)の混合物に、多官能イソシアネート化合物(B)を添加し反応させることで得られる。反応は無溶剤下でも構わないが、合成安定の観点から溶剤を使用することが好ましい。また、反応性の向上を目的に、公知のウレタン化触媒を用いても良い。
【0079】
アクリルウレタン樹脂(E)の製造時に使用できるウレタン化触媒としては、特に制限はなく、例えば、公知の第三級アミンや、有機金属化合物等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−シクロヘキシルモルフォリン、N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルブタンジアミンもしくはN、N、N’、N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、1、4、−ジメチルピペラジン、1、2−ジメチルイミダゾール、1−アゾビシクロ[3.3.0]オクタン、1、4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン、アルカノールアミン化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0080】
有機金属化合物としては、例えば、酢酸スズ(II)、スズ(II)オクトエイト、スズ(II)エチルヘキサノエート、スズ(II)ラウレート等の有機カルボン酸スズ(II)塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズラウレート等の有機カルボン酸ジアルキルスズ(IV)塩、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンブトキシドダイマー、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド等のアルコキシド有機チタン化合物、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等の溶剤系キレート有機チタン化合物、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテート等の水系キレート有機チタン化合物等が挙げられる。
【0081】
アクリルウレタン樹脂(E)の製造時に用いることのできる溶剤としては、多官能イソシアネート化合物(B)と反応性を有さないものであれば特に限定されないが、後述する溶剤と同様の溶剤を用いることができる。
【0082】
<溶剤>
本発明に用いる溶剤としては、アクリルウレタン樹脂(E)に含まれる溶剤100質量%中、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)における、水素結合項(δH)3未満、双極子項(δP)3未満の溶剤を50質量%以上含めば特に限定されない。
【0083】
ここで、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)は、ある物質が有する物性値を、分子間の分散力に由来するエネルギーである分散項(δD)、分子間の極性力に由来するエネルギーである分極項(δP)、分子間の水素結合力に由来するエネルギーである水素結合項(δH)で表したものであり、類似のHSP値を有する物質は、互いに近い物性を示すことが知られている。
【0084】
溶剤のHSP値は、公知の値を用いてもよいし、パソコンソフトHSPiP(出典:http://www.hansen-solubility.com/index.html)等を使用して算出してもよい。
【0085】
水素結合項(δH)3未満、双極子項(δP)3未満の溶剤としては、例えば、ヘキサン(δP=0、δH=0)、ヘプタン(δP=0、δH=0)、オクタン(δP=0、δH=0)、シクロヘキサン(δP=0、δH=0.2)、メチルシクロヘキサン(δP=0、δH=1)、トルエン(δP=1.4、δH=2.0)等があげられる。これらをアクリルウレタン樹脂(E)に含まれる溶剤100質量部中、50質量%以上含むと透明性が良好であり、より好ましくは60質量%以上であり、70質量%以上が特に好ましい。この溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0086】
水素結合項(δH)3未満、双極子項(δP)3未満の溶剤以外の溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロパノール、ジアセトンアルコール(DAA)等を用いることができる。1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0087】
本発明の粘着剤組成物は、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、充填剤、消泡剤等の公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0088】
<粘着シート>
本発明の粘着剤組成物を使用して、粘着剤層が基材に積層された積層体(以下、「粘着シート」という。)を得ることができる。
粘着シートの基材としては、公知の粘着シート用基材を使用することができ、例えば、紙、金属フィルム、セロハン、各種プラスチックフィルム等のフィルム状基材、および、それらのフィルム状基材の表面をシリコーン化合物やフッ素化合物で剥離処理した剥離性フィルム基材や、綿、麻、レーヨン、もしくはポリエステルと綿、麻またはレーヨンとの混紡からなる織布、レザー、発泡体等が挙げられる。これらの粘着シートの基材は、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層のものであってもよい。
【0089】
各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリヒドロキシエテンフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエテンテレフタレートやポリブテンテレフタレート等のポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、プロペン酸系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリエテニルベンゼン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、オキシラン系樹脂のフィルム等が挙げられる。
【0090】
発泡体としては、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリウレタン発泡体等の各種プラスチック発泡体、天然ゴム発泡体、スチレン−ブタジエンゴム発泡体、プロロプレンゴム発泡体、アクリロニトリウ−ブタジエンゴム発泡体等の各種ゴム系発泡体等が挙げられる。
【0091】
粘着シートの積層構成としては、例えば、フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材のような片面粘着シート、あるいは剥離性フィルム基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材や、剥離性フィルム基材/粘着剤層/フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材のような両面粘着シートが挙げられ、使用時に、片面あるいは両面の剥離性フィルム基材が剥がされ、粘着剤層が被着体に貼付される。
【0092】
粘着シートは、公知の積層法によって、剥離性フィルム基材に粘着剤組成物を塗工して作成される。溶剤等の揮発性液体は、加熱等の方法により除去する。
塗工した粘着剤組成物を乾燥させる場合、乾燥方法には特に制限はなく、熱風、赤外線、減圧による方法が挙げられる。乾燥条件としては、粘着剤組成物の架橋形態、膜厚や含有する揮発性液体の種類にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風による方法がよい。
粘着剤層の膜厚は、乾燥後で、1μm〜120μmの範囲であることが好ましく、1μm〜50μmの範囲であることがより好ましい。
【0093】
本発明の粘着剤組成物を剥離性フィルム基材等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工機により塗工する事ができる。
上記の方法により得られた粘着シートは、各被着体に対して良好な粘着力を示すため、ラベルシール、両面テープ、キャストテープ、マスキングテープ、フォームテープ等の用途に使用することができる。
【実施例】
【0094】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0095】
<不揮発分の測定>
試料溶液約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分(不揮発分濃度)とした。
【0096】
<重量平均分子量(Mw)の測定>
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定機器として、昭和電工社製「GPC−104」を用いた。カラムは、昭和電工社製「GPC LF−604」を直列に2本連結したものを用いた。展開溶媒(溶離液)としてテトラヒドロフラン(THF)を使用して、40℃にて測定した。なお、重量平均分子量(Mw)は、いずれもMw既知のポリスチレンを標準物質とした換算値とした。
【0097】
<水酸基価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、ピリジンを100ml加えて溶解した。さらに、アセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、1時間攪拌した後、0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。水酸基価(単位:mgKOH/g)は次式により求めた。水酸基価は乾燥した試料の数値とした。
水酸基価=[{(b−a)×F×28.05}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
S:試料の採取量(g)
a:0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
D:酸価(mgKOH/g)
【0098】
<酸価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した後、0.1N−アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。酸価(単位:mgKOH/g)は次式により求めた。なお、酸価は乾燥した試料の数値とした。
酸価={(5.61×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
S:試料の採取量(g)
a:0.1N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1N−アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
【0099】
<イソシアナト価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料10gを精密に量り採り、オルトジクロロベンゼン25ml、ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン(質量比:ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン=1/24.8)混合液10mlを加えて溶解した。この溶液に、メタノール80g、ブロムフェノールブルー試薬を指示薬として加え、0.1Nアルコール性塩酸溶液で滴定した。溶液が黄緑色を呈して30秒間以上保持したところを終点とした。NCO価(単位:%)は次式により求めた。
NCO価={0.42×(B−C)×F}/W
W:試料の採取量(g)
B:試料滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
C:空試験の滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性塩酸溶液のファクター
【0100】
<ゲル分率(質量%)の測定>
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材[リンテック社製「SP−PET382050」、以下「剥離性フィルム基材」という]の剥離処理面上に、コンマコーターにて乾燥後の厚みが25μmになるように速度2m/分で塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。この粘着剤層面と厚さ50μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5100」)を張り合わせて、粘着シートを形成した。
得られた粘着シートを所定の大きさにカットし、SUS200メッシュ(目開き:0.077mm、線径:0.05mm)に貼り付けた後、酢酸エチルに浸漬し、50℃で24時間抽出した後、100℃で30分乾燥後、下記式にて算出した数値である。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
G1:酢酸エチルで抽出する前の粘着剤層の重量
G2:酢酸エチルで抽出・乾燥した後の粘着剤層の重量
【0101】
<粘度の測定>
E型粘度計(東機産業社製、VISCOMETER EV22)を用い25℃で測定した。
【0102】
実施例および比較例で使用した材料と略号を、以下に記す。
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
nBA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
【0103】
<重合開始剤>
ナイパーBW:ベンゾイルパーオキサイド(製品名「ナイパーBW」、日油社製)
パーブチルO:tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート(製品名「パーブチルO」、日油社製)
【0104】
<多官能イソシアネート化合物(B)>
IPDIヌレート:イソホロンジイソシアネートのヌレート体、イソシアナト基数=3、NCO価=11.8%、不揮発分=70.0%
IPDI−TMPアダクト:イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=10.2%、不揮発分=74.2%
HDIヌレート:ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、イソシアナト基数=3、NCO価=21.8%、不揮発分=100.0%
<多官能イソシアネート化合物(I)>
TDI−TMPアダクト:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=6.5%、不揮発分=37.5%
XDI−TMPアダクト:キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=7.7%、不揮発分=50.0%
多官能イソシアネート化合物(I)は多官能イソシアネート化合物(B)ではないイソシアネート化合物である。
【0105】
<粘着付与剤(C)>
KE−359:水素化ロジンエステル(製品名「パインクリスタルKE−359」、荒川化学工業社製、水酸基価43.9、軟化点約100℃)
D−125:重合ロジンエステル(製品名「ペンセルD−125」、荒川化学工業社製、水酸基価32.5、軟化点約125℃)
A−100:特殊ロジンエステル(製品名「スーパーエステルA−100」、荒川化学工業社製、水酸基価15.0、軟化点約100℃)
V−120:クマロン/インデン/スチレン共重合体(製品名「ニットレジン クマロンV−120」、日塗化学社製、水酸基価30.0、軟化点約120℃、分子量960)
【0106】
<モノアルコール(D)>
シクロヘキサノール:分子量100.16
メントール:分子量156.3
フィトステロール:(製品名「フィトステロールCO」、タマ生化学社製)
コレステロール:分子量386.7
デスオキシコルチコステロン:分子量330.5
【0107】
<その他化合物>
KE−311:水素化ロジンエステル(製品名「パインクリスタルKE−359」、荒川化学工業社製、水酸基価10未満、軟化点約100℃)
酢酸コレステロール:非アルコール、分子量428.69
ボランジオール:2官能アルコール、分子量276.41
【0108】
<溶剤>
メチルシクロヘキサン:(δP=0、δH=1)
トルエン:(δP=1.4、δH=2.0)
ヘキサン:(δP=0、δH=0)
酢酸エチル:(δP=5.3、δH=7.2)
MEK:メチルエチルケトン(δP=9、δH=5.1)
<添加剤>
ジブチルスズジラウレート
【0109】
<アクリル重合体(A−1)の合成>
(合成例1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置を用意した。モノマーとして表1に示す各モノマーの混合物全量の33%に相当する量(部)、開始剤としてナイパーBWを表1に示す33%に相当する量(部)、溶剤として酢酸エチル37.5部を反応槽に仕込み、表1に示す各モノマーの混合物全量の67%に相当する量(部)、および表1に示すナイパーBWの全量の67%に相当する量(部)、酢酸エチル44.4部を混合した溶液を滴下槽に仕込んだ。反応槽を加熱し還流を確認後、モノマー混合物を含む溶液を滴下槽から約1時間かけて滴下し、その後約80℃にて反応を継続した。滴下終了後、攪拌しながら3時間反応させた後に、パーブチルOを表1に示す量(部)添加して更に3時間反応させた。反応終了後、冷却、メチルシクロヘキサンで希釈し、アクリル重合体(A−1)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は530,000、不揮発分は50%であった。なお、表1中の各モノマーの数値は部を表す。
【0110】
<アクリル重合体(A−2)〜(A−8)、アクリル重合体(G−1)〜(G−4)の合成>
(合成例2〜12)
表1に示すように、モノマーの種類、配合量を変更した以外は合成例1と同様にして、アクリル重合体(A−2)〜(A−8)およびアクリル重合体(G−1)〜(G−4)を得た。結果を表1に示す。なお、表1中の各モノマーの数値は部を表し、アクリル重合体(G)はアクリル重合体(A)ではないアクリル重合体である。
【0111】
<アクリルウレタン樹脂(E−1)の合成>
(合成例13)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた重合反応装置を用意した。表2に示す量(部)のアクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、粘着付与剤(C)、モノアルコール(D)、およびジブチルスズジラウレート0.01部を不揮発分換算で反応槽に仕込み、撹拌しながら80℃にてイソシアナト基が消失するまで反応させた。得られたアクリルウレタン樹脂(E−1)のゲル分率は1%であった。
【0112】
<アクリルウレタン樹脂(E−2)〜(E−17)、アクリルウレタン樹脂(H−1)〜(H−12)の合成>
(合成例14〜41)
表2、表3に示すように、アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、粘着付与剤(C)、モノアルコール(D)、その他化合物の種類、配合量を変更した以外は、合成例13と同様にして、アクリルウレタン樹脂(E−2)〜(E−17)、およびアクリルウレタン樹脂(H−1)〜(H−12)を得た。結果を表2および表3に示す。なお、表2中のアクリル重合体、多官能イソシアネート化合物、粘着付与剤、モノアルコール、およびその他化合物の数値は、それぞれ部を表す。また、アクリルウレタン樹脂(H)は、アクリルウレタン樹脂(E)ではないアクリルウレタン樹脂である。
【0113】
<粘着剤組成物の製造>
(実施例1)
合成例13で得られたアクリルウレタン樹脂(E−1)を、溶剤としてメチルシクロヘキサンと酢酸エチルの混合溶剤(混合比:70/30質量%)にて不揮発分40%となるように均一配合して粘着剤組成物を得た。
【0114】
<粘着シートの製造>
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材[リンテック社製「SP−PET382050」、以下「剥離性フィルム基材」という]の剥離処理面上に、コンマコーターにて乾燥後の厚みが25μmになるように速度2m/分で塗工した後、110℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。この粘着剤層面と厚さ50μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5100」)とを張り合わせて、粘着力と保持力試験用の粘着シートを、この粘着剤層面と剥離性フィルム基材とを張り合わせて透明性試験用の粘着シートを形成した。
【0115】
(実施例2〜23、比較例1〜16)
表4〜表7に示すように、アクリルウレタン樹脂の種類と溶剤の配合比を変更した以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。
【0116】
<評価>
実施例1〜23、および比較例1〜16で得られた粘着剤組成物および粘着シートについて、下記の方法で評価を行った。結果を表4〜表7に示す。
【0117】
(溶液粘度/25℃)
得られた粘着剤組成物の25℃における溶液粘度を測定した。
◎:5,000mPa・s未満。極めて良好。常温塗工可。
○:5,000mPa・s以上、10,000mPa・s未満。良好。常温塗工可。
△:10,000mPa・s以上、15,000mPa・s未満。実用域。常温塗工可。
×:15,000mPa・s以上、またはゲル化。不良。常温塗工不可。
【0118】
(SUS粘着力)
JIS Z 0237に準じて、粘着力を測定した。得られた粘着シートを25mm幅にカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でステンレス板(SUS304)に貼着し、2kgロールにて1往復させ圧着後、同環境下に24時間放置した後に、同環境下で、引張試験機(製品名「テンシロン」、オリエンテック社製)を用いて、引っ張り速度300mm/minで180度方向に剥離した際の剥離強度を測定した。
○:15N/25mm以上:良好。
△:10N/25mm以上、15N/25mm未満:実用域。
×:10N/25mm未満:不良。
【0119】
(透明性)
JIS K7136に準じてヘイズを測定した。得られた粘着シートの両面の剥離性フィルム基材を剥がし、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH5000)を用いて粘着層のヘイズ値を測定した。
◎:2.0未満:良好。
○:2.0以上、5.0未満:実用域。
△:5.0以上、15.0未満:不良。
×:15.0以上:特に不良。
【0120】
(保持力)
JIS Z 0237に準じて、保持力を測定した。得られた粘着シートを幅25mm、長さ100mmカットし、縦25mm、横25mmの部分を紙やすり(#280)で研磨したステンレス板(SUS304)の片端に、剥離性フィルム基材を剥がし貼着面積25mm×25mmで貼着して、試験片を作成した。この試験片のステンレス板を、40℃の恒温槽内にて鉛直に吊り下げ、シート片のもう一方の端部に1kgの錘を吊り下げ72000秒間放置した。72000秒以内にシート片が落下したものは、落下するまでの時間を測定し、保持していたものは、初期の貼着部分からのズレの長さを測定し、3段階で評価した。
◎:保持していたものでズレなし。極めて良好。
○:保持していたものでズレが1mm未満。良好。
△:保持していたものでズレが1mm以上、10mm未満。実用域。
×:保持していたものでズレが10mm以上、または落下したもの。不良。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】