(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1に示す第1実施形態における仮想環境作成装置100は、後述の仮想環境作成処理を実行することにより、航空写真等の現実環境を俯瞰した画像を利用して3次元の仮想環境を作成する。かかる仮想環境には、道路の側縁に存在する路側物等の立体構造物を表す立体オブジェクトが配置される。作成された3次元の仮想環境は、例えば、車両の自動運転シミュレーション等で用いられる。
【0011】
本実施形態において、仮想環境作成装置100は、パーソナルコンピュータにより構成されている。仮想環境作成装置100は、CPU110と、メモリ120と、を有する。CPU110は、メモリ120に予め格納されている図示しない制御プログラムを実行することにより、画像取得部11と、道路特定部12と、種類特定部13と、予定領域特定部14と、立体オブジェクト配置部15と、入力受付部16と、色特定部17と、距離算出部18と、形状特定部19として機能する。また、仮想環境作成装置100は、表示部200を備える。また、仮想環境作成装置100は、インターネットINTを介して地図データサーバー300に接続されている。
【0012】
画像取得部11は、現実環境を予め定められた視点から俯瞰した画像(以下、「俯瞰画像」と呼ぶ)を取得する。本実施形態において、「予め定められた視点」とは、現実環境を鉛直上方から見る視点を意味する。具体的には、俯瞰画像の中心軸(俯瞰画像における鉛直方向に平行な軸)が路面に対して垂直となる視点を意味する。俯瞰画像は、緯度・経度、および縮尺情報が含まれる画像であり、例えば、航空写真および定点カメラにより撮像された画像が該当する。
【0013】
また、画像取得部11は、道路特定部12により特定される道路領域を俯瞰画像から切り出して、切り出された道路領域を俯瞰画像に重ねて結合させた画像(以下、「結合画像」と呼ぶ)を取得する。
【0014】
道路特定部12は、俯瞰画像における道路領域を特定する。具体的には、道路特定部12は、地図データサーバー300から取得されるオープンストリートマップ(Open Street Map)等の道路構造情報310を利用して、俯瞰画像において、道路領域と、道路領域でない領域(以下、「非道路領域」と呼ぶ)とを区分する。道路構造情報310は、道路を数値で表した情報であり、例えば、道路の長さ、道路の幅、道路の曲率、道路の位置、交差点の位置、および交差点の形状の情報が含まれる。
【0015】
種類特定部13は、立体構造物の種類を特定する。本実施形態において、「立体構造物」とは、非道路領域における道路領域の側縁に存在する立体構造物を意味する。立体構造物は、例えば、縁石、ガードレール、街路樹、生け垣、電柱およびスロープ等の路側物が該当する。種類特定部13は、ユーザーにより指定された立体構造物(以下、「指定立体構造物」と呼ぶ)の種類を、指定立体構造物の色、道路領域から指定立体構造物までの距離、および指定立体構造物の形状に基づいて特定する。立体構造物の種類の特定方法についての詳細な説明は、後述する。
【0016】
予定領域特定部14は、俯瞰画像において立体オブジェクトが配置される予定の領域(以下、「予定領域」と呼ぶ)を特定する。本実施形態において、「立体オブジェクト」とは、立体構造物を3次元的に表すオブジェクトを意味する。予定領域特定部14は、指定立体構造物の色、道路領域から指定立体構造物までの距離、および指定立体構造物の形状に基づいて、予定領域を特定する。予定領域の特定方法についての詳細な説明は、後述する。
【0017】
立体オブジェクト配置部15は、特定された種類の立体構造物を表す立体オブジェクトを、特定された予定領域に配置する。入力受付部16は、図示しない入力装置を利用してユーザーにより指定される俯瞰画像(より正確には、結合画像)上の立体構造物の指定を受け付ける。色特定部17は、指定立体構造物の色を特定する。距離算出部18は、道路領域から指定立体構造物までの距離(以下、「指定立体構造物距離」と呼ぶ)を算出する。形状特定部19は、指定立体構造物の形状を特定する。
【0018】
メモリ120には、立体オブジェクトObと、種類特定用テーブルTbとが予め格納されている。立体オブジェクトObは、立体構造物の種類ごとに複数の立体オブジェクトObが格納されている。立体オブジェクトObは、立体オブジェクトObの長さ、幅、および形状を編集できるように構成されている。立体オブジェクトObには、複数の情報が予め対応づけられている。本実施形態において、「複数の情報」とは、立体オブジェクトObの長さ、幅、高さ、材質、反射率、レーダー反射面積、色、形状等の情報を意味する。種類特定用テーブルTbは、立体構造物の種類と、立体構造物の色、道路領域から立体構造物までの距離、および立体構造物の形状と、が対応づけられているマップである。
【0019】
表示部200は、仮想環境作成装置100に関する種々の操作を行うために用いられる。表示部200には、仮想環境作成装置100の各種機能を利用する際のメニュー画面や、俯瞰画像等の画像や、特定された予定領域等が表示される。
【0020】
地図データサーバー300は、道路特定部12からの要求に応じて、道路構造情報310を仮想環境作成装置100に送信する。
【0021】
A2.仮想環境作成処理:
図2に示す仮想環境作成処理は、ユーザーが、表示部200に表示された仮想環境作成装置100のメニュー画面から仮想環境作成処理の開始の指示を選択すると、開始される。
図2に示すように、画像取得部11は、俯瞰画像を取得する(ステップS105)。具体的には、画像取得部11は、入力受付部16を介してユーザーによって仮想環境作成装置100内に読み込まれた俯瞰画像を取得する。また、画像取得部11は、取得した俯瞰画像を表示部200に表示させる。
【0022】
図4に示す俯瞰画像OImg上には、道路Ln1およびLn2と、ガードレールGd1〜Gd9と、歩道SW1〜SW4と、スロープSL1〜SL3と、駐車場Pkと、白車両WC1およびWC2と、赤車両RCと、樹木Tr1〜Tr3と、が写っている。
【0023】
道路Ln1は、
図4における左右方向と平行な道路であり、道路Ln1上には、センターラインCL1およびCL2と、停止線TL2およびTL4と、が標示されている。道路Ln2は、
図4における上下方向と平行な道路であり、道路Ln2上には、停止線TL1およびTL3が標示されている。
【0024】
各ガードレールGd1〜Gd9は、歩道SW1〜SW4における道路Ln1およびLn2に比較的近い位置に設置されている。具体的には、第1ガードレールGd1は、第1歩道SW1における道路Ln2の側縁に道路Ln2と平行に設置されている。第2ガードレールGd2は、第1歩道SW1における道路Ln1の側縁に道路Ln1と平行に設置されている。第3ガードレールGd3は、第2歩道SW2における道路Ln1の側縁に道路Ln1と平行に設置されている。第4ガードレールGd4は、第2歩道SW2における道路Ln2の側縁に道路Ln2と平行に設置されている。第5ガードレールGd5は、第3歩道SW3における道路Ln2の側縁に道路Ln2と平行に設置されている。また、第6ガードレールGd6および第7ガードレールGd7は、それぞれ、第3歩道SW3における道路Ln1の側縁に道路Ln1と平行に設置されている。第8ガードレールGd8は、第4歩道SW4における道路Ln1の側縁に道路Ln1と平行に設置されている。第9ガードレールGd9は、第4歩道SW4における道路Ln2の側縁に道路Ln2と平行に設置されている。本実施形態において、各ガードレールGd1〜Gd9は、細長い棒状の形状である。また。各ガードレールGd1〜Gd9の色は、白色である。
【0025】
各スロープSL1〜SL3は、歩道SW1、SW2およびSW3における道路Ln1に比較的近い位置に設けられている。具体的には、第1スロープSL1は、第1歩道SW1において道路Ln1に接して設けられている。第2スロープSL2は、第2歩道SW2において道路Ln1に接して設けられている。第3スロープSL3は、第4歩道SW4において道路Ln1に接して設けられている。各スロープSL1、SL2およびSL3は、道路Ln1から駐車場や店舗等への出入口であり、道路Ln1から離れるにしたがって水平面(道路Ln1)に対して傾斜している。第3スロープSL3は、道路Ln1から駐車場Pkへの出入口であり、第3スロープSL3には、第1白車両WC1が停車している。本実施形態において、各スロープSL1〜SL3は、長方形状である。また、各スロープSL1〜SL3の色は、ベージュ色である。
【0026】
駐車場Pkは、第3スロープSL3における道路Ln1と接する側とは反対側に設けられている。駐車場Pkには、第2白車両WC2と、赤車両RCとが駐車している。本実施形態において、駐車場Pkの形状は、長方形状である。また、駐車場Pkの色は、灰色である。各白車両WC1およびWC2は、白色の車両である。また、赤車両RCは、赤色の車両である。
【0027】
各樹木Tr1〜Tr3は、道路Ln1およびLn2から比較的離れた位置に植えられている。本実施形態において、各樹木Tr1〜Tr3は、細長い棒状および長方形状の形状ではなく、輪郭がもくもくとした雲形状をした楕円形状である。各樹木Tr1〜Tr3の色は、緑色である。
【0028】
図2に示すように、道路特定部12は、俯瞰画像OImgにおける道路領域を特定する(ステップS110)。具体的には、道路特定部12は、取得された俯瞰画像OImgから緯度・経度情報を取得し、緯度・経度に対応する道路の道路構造情報310を地図データサーバー300から取得する。道路特定部12は、取得された道路構造情報310を利用して、俯瞰画像OImgにおける道路領域と非道路領域とを区分する。
【0029】
図5に示す道路領域LAr1は、上述のステップS110において特定された道路領域である。道路領域LAr1は、道路Ln1の領域と、道路Ln2の領域とからなる。道路領域LAr1は、
図4に示す俯瞰画像OImgから、道路Ln1の輪郭に沿って切り出した領域と、道路Ln2の輪郭に沿って切り出した領域とから構成されている。
【0030】
図2に示すように、画像取得部11は、結合画像を取得する(ステップS115)。具体的には、まず、画像取得部11は、俯瞰画像OImgから縮尺情報を取得する。縮尺情報とは、俯瞰画像OImgの単位ピクセル当たりの距離を示す情報であり、例えば、俯瞰画像OImgの1ピクセルが実際に10メートルに相当するという情報である。次に、画像取得部11は、道路領域LAr1の縮尺と俯瞰画像OImgの縮尺とが一致するように、道路領域LAr1の向きや大きさを俯瞰画像OImgの向きや大きさに合わせる。その後、画像取得部11は、俯瞰画像OImgに対して道路領域LAr1を重ね合わせて、結合画像を生成する。
【0031】
図6に示す結合画像CImgは、
図4に示す俯瞰画像OImgに対して、
図5に示す道路領域LAr1が重ね合わされて1つの画像として構成されている。したがって、道路Ln1およびLn2に標示されていた停止線TL1〜TL4や、センターラインCL1およびCL2は、結合画像CImg上には表れていない。
【0032】
図2に示すように、表示部200は、結合画像CImgを表示する(ステップS120)。入力受付部16は、立体構造物の指定を受け付ける(ステップS125)。具体的には、入力受付部16は、表示部200に表示されている結合画像CImg上において、図示しない入力装置を利用してユーザーにより指定される立体構造物の指定を受け付ける。
【0033】
図7では、上述のステップS125においてユーザーが結合画像CImg上の立体構造物をポインターPtによって選択する様子を示している。上述のステップS125では、ユーザーは、表示部200の表示領域PNに表示された結合画像CImg上の立体構造物から仮想環境上に立体オブジェクトObを配置したい立体構造物を1つ指定する。
図7に示す例では、ポインターPtを第6ガードレールGd6上に移動させ、いわゆるクリック操作を行うことによって、立体構造物を指定できる。なお、立体構造物を指定する方法は、ポインターPtによる指定に限らず、例えば、立体構造物の周囲を矩形で囲う方法や、立体構造物の周囲をフリーハンド(縄ツール)で囲う方法等の種々の方法を採用してもよい。
【0034】
図2に示すように、予定領域特定部14は、候補領域特定処理を実行する(ステップS130)。本実施形態において、「候補領域」とは、予定領域の候補となる領域を意味する。候補領域特定処理(ステップS130)では、指定立体構造物の色に基づく候補領域の絞り込みと、指定立体構造物距離に基づく候補領域の絞り込みと、指定立体構造物の形状に基づく候補領域の絞り込みと、がこの順序で実行される。このとき、各絞り込みでは、1つ前の絞り込み結果がさらに絞り込まれることになる。以下、詳細に説明する。
【0035】
図3に示すように、予定領域特定部14は、指定立体構造物の色に基づいて候補領域を絞り込む(ステップS205)。具体的には、まず、色特定部17は、結合画像CImgにおけるポインターPtの位置(ピクセル)を特定し、特定されたピクセルのR、G、Bの各値を取得する。
図7に示す例では、第6ガードレールGd6が指定されているため、指定立体構造物の色は、白色(R、G、B=255、255、255)であると特定される。次に、予定領域特定部14は、結合画像CImg上で、特定された色の領域と、特定された色に類似する色の領域とを候補領域として特定する。本実施形態において、「特定された色に類似する色」とは、特定された色に相関する色を意味し、R、G、Bの各値が、色特定部17により特定されたR、G、Bの各値から所定の数値幅以内の値である色を意味する。「所定の数値幅」とは、例えば、プラスマイナス10の値である。なお、かかる数値幅は、プラスマイナス10の値に代えて、他の任意の値を設定してもよいし、ユーザーからの入力を受け付けてもよい。
【0036】
図8では、上述のステップS205において絞り込まれた候補領域KAr1〜KAr11を破線により示している。上述のように、ステップS205において指定立体構造物の色は白色であると特定されているため、結合画像CImgにおける白色の領域(ピクセル群)が候補領域KAr1〜KAr11として特定される。具体的には、第1候補領域KAr1は、結合画像CImg上において第1ガードレールGd1が配置されている領域である。第2候補領域KAr2は、結合画像CImg上において第2ガードレールGd2が配置されている領域である。第3候補領域KAr3は、結合画像CImg上において第3ガードレールGd3が配置されている領域である。第4候補領域KAr4は、結合画像CImg上において第4ガードレールGd4が配置されている領域である。
【0037】
第5候補領域KAr5は、結合画像CImg上において第5ガードレールGd5が配置されている領域である。第6候補領域KAr6は、結合画像CImg上において第6ガードレールGd6が配置されている領域である。第7候補領域KAr7は、結合画像CImg上において第7ガードレールGd7が配置されている領域である。第8候補領域KAr8は、結合画像CImg上において第8ガードレールGd8が配置されている領域である。第9候補領域KAr9は、結合画像CImg上において第9ガードレールGd9が配置されている領域である。第10候補領域KAr10は、結合画像CImg上において第1白車両WC1が配置されている領域である。第11候補領域KAr11は、結合画像CImg上において第2白車両WC2が配置されている領域である。
【0038】
上述のステップS205では、結合画像CImgにおける白色の領域が候補領域として特定されている。したがって、結合画像CImgにおいて立体構造物でない白色の物体(白車両WC1およびWC2)が配置されている領域も候補領域として特定されている。このため、ステップS205の実行後、予定領域特定部14は、候補領域をさらに絞り込む。
【0039】
図3に示すように、予定領域特定部14は、指定立体構造物距離に基づいて候補領域をさらに絞り込む(ステップS210)。具体的には、まず、距離算出部18は、指定立体構造物距離を算出する。
【0040】
図9では、
図7に示す第6ガードレールGd6とポインターPtとを拡大して示している。
図9に示すように、指定立体構造物距離d1は、道路領域LAr1と第3歩道SW3との境界からポインターPtの先端位置までの距離である。ステップS210において、距離算出部18は、結合画像CImgにおいて、道路領域LAr1と第3歩道SW3との境界のピクセル、およびポインターPtの先端のピクセルをそれぞれ特定し、特定された2つのピクセル間の長さを算出する。そして、距離算出部18は、上述の縮尺情報を利用して、ピクセル間の長さを実際の距離に換算することにより、指定立体構造物距離d1を算出する。
【0041】
次に、予定領域特定部14は、各候補領域KAr1〜KAr11のうち、道路領域LAr1からの距離が指定立体構造物距離d1に基づき予め定められた距離以下である領域であって該領域の全部が上述の予め定められた距離以下に含まれる領域を、候補領域として特定する。すなわち、道路領域LAr1からの距離が予め定められた距離以下である領域であっても、領域の一部のみが予め定められた距離以下である領域は、候補領域から除かれる。
【0042】
本実施形態において、「予め定められた距離」は、指定立体構造物距離d1に比例して設定されており、具体的には、指定立体構造物d1を2倍した距離である。なお、予め定められた距離は、指定立体構造物距離d1を2倍した距離に代えて、指定立体構造物距離d1の0.1倍から2倍までの範囲内の任意の距離を設定してもよいし、指定立体構造物距離d1に指定立体構造物距離d1の0.1倍から2倍までの範囲内の任意の距離を加算した距離としてもよい。また、予め定められた距離は、指定立体構造物距離d1に比例して設定されていなくてもよく、所定の指定立体構造物距離d1ごとに段階的に距離が大きく、あるいは小さくなるように設定されていてもよい。具体的には、指定立体構造物距離d1ごとに応じて、距離を増加させる段階を予め定めておき、指定立体構造物距離d1が1段階変化するごとに距離が1段階ずつ増加するようにしてもよい。また、例えば、予め定められた距離は、指定立体構造物距離d1に1メートルから5メートルの範囲内の任意の距離を加算した距離としてもよい。
【0043】
図10では、上述のステップS210において絞り込まれた候補領域KAr1〜KAr10を一点鎖線により示している。ステップS210では、
図8に示す各候補領域KAr1〜KAr11のうち、道路領域LAr1からの距離が上述の予め定められた距離以下の距離である領域が候補領域として特定されている。このため、
図8に示すように、道路領域LAr1から比較的短い距離に存在する候補領域KAr1〜KAr10が候補領域として特定されている。
図8および
図10を比較して理解できるように、各候補領域KAr1〜KAr10に比べて道路領域LAr1から長い距離に存在する第11候補領域KAr11は、ステップS210の実行後において候補領域から除かれている。
【0044】
図3に示すように、予定領域特定部14は、指定立体構造物の形状に基づいて候補領域をさらに絞り込み、得られた領域を予定領域として特定する(ステップS215)。具体的には、まず、形状特定部19は、第6ガードレールGd6の形状が細長い棒状、長方形状、細長い棒状および長方形状以外の形状、のうちのいずれの形状であるかを特定する。なお、形状の特定は、公知の方法を用いて実現できる。
【0045】
次に、予定領域特定部14は、ステップS210において絞り込まれた各候補領域KAr1〜KAr10を特定された形状にフィッティングできるか否かを特定することにより、候補領域をさらに絞り込んで予定領域を特定する。例えば、特定された形状が細長い棒状である場合、予定領域特定部14は、各候補領域KAr1〜KAr10のうち、道路領域LAr1との境界と垂直な方向の長さが1メートル以下であり、かつ、候補領域を四角形でフィッティングできる領域を予定領域として特定する。また、例えば、特定された形状が長方形状である場合、予定領域特定部14は、各候補領域KAr1〜KAr10のうち、道路領域LAr1の境界と垂直な方向の長さが1メートル以上であり、かつ、候補領域を四角形でフィッティングできる領域を予定領域として特定する。また、例えば、特定された形状が細長い棒状および長方形状以外の形状である場合、予定領域特定部14は、各候補領域KAr1〜KAr10のうち、細長い棒状および長方形状でフィッティングできる領域を除く領域を予定領域として特定する。
【0046】
なお、特定された形状が細長い棒状である場合、道路領域LAr1の境界と各候補領域KAr1〜KAr10の境界とのなす角度を利用して予定領域を特定してもよい。例えば、道路領域LAr1の境界と、各候補領域KAr1〜KAr10の境界とのなす角度が30度以上である場合、予定領域から除外してもよい。特定された形状が細長い棒状である場合、立体構造物の種類は、縁石やガードレールである可能性が高く、一般に縁石やガードレールは道路領域LAr1と平行に設置されることが多い。したがって、道路領域LAr1の境界と、各候補領域KAr1〜KAr10の境界とのなす角度が所定の角度以上である場合には、縁石やガードレール等の立体構造物(路側物)でない可能性が高いと推測されるため、予定領域から除外する。
【0047】
図11では、上述のステップS215において特定された予定領域YAr1〜YAr9を二点鎖線により示している。ステップS215では、
図10に示す各候補領域KAr1〜KAr10のうち、細長い棒の形状にフィッティングできる領域が予定領域として特定されている。このため、
図11に示すように、候補領域KAr1〜KAr9が予定領域YAr1〜YAr9として特定されている。
図10および
図11を比較して理解できるように、第10候補領域KAr10は、細長い棒の形状にフィッティングできず、長方形の形状にフィッティングできる領域であるため、ステップS215の実行後においては予定領域から除かれている。
【0048】
図3に示すように、上述のステップS215の実行後、候補領域特定処理(ステップS130)は終了し、
図2に示す後述のステップS135が実行される。
【0049】
図2に示すように、種類特定部13は、指定立体構造物の種類を特定する(ステップS135)。具体的には、種類特定部13は、上述のステップS205〜ステップS215において特定された指定立体構造物の色、形状、および指定立体構造物距離d1を利用して、指定立体構造物の種類を特定する。種類特定部13は、メモリ120に格納されている種類特定用テーブルTbを参照して、特定された色、形状、および道路領域LAr1からの距離に対応する立体構造物の種類を特定する。
【0050】
例えば、形状が細長い棒状であり、色が白色であり、道路領域LAr1からの距離が比較的短い場合、立体構造物の種類は、ガードレールまたは縁石であると特定される。また、例えば、形状が長方形状であり、色がベージュ色であり、道路領域LAr1からの距離が比較的短い場合、立体構造物の種類は、スロープであると特定される。また、例えば、形状が細長い棒状および長方形状ではなく、輪郭がもくもくとした雲形状をした円または楕円形状であり、色が緑色または茶色であり、道路領域LAr1からの距離が比較的短い場合、立体構造物の種類は、樹木または生垣であると特定される。また、例えば、形状が細長い棒状および長方形状でなく、色が黒色または灰色であり、道路領域LAr1からの距離が比較的短い場合、立体構造物の種類は、歩道であると特定される。
【0051】
図7に示す例のように、第6ガードレールGd6が指定立体構造物である場合、指定立体構造物の形状が細長い棒状であり、指定立体構造物の色が白色であり、指定立体構造物距離d1が比較的短い距離であるため、指定立体構造物の種類は、ガードレールであると特定される。
【0052】
図2に示すように、表示部200は、特定された予定領域YAr1〜YAr9および特定された種類の立体構造物を表す立体オブジェクトObを表示する(ステップS140)。具体的には、表示部200は、結合画像CImgを表示して、結合画像CImg上で予定領域YAr1〜YAr9をハイライト表示する。また、表示部200は、特定された立体構造物の種類を表示するとともに、特定された種類の立体構造物を表す立体オブジェクトObを複数表示する。特定された種類の立体構造物を表す立体オブジェクトObを複数表示するのは、上述のように、各立体オブジェクトObには、高さ、材質、反射率、色等の情報が対応づけられているので、例えば、仮想環境上にユーザーが所望する色の立体オブジェクトObを配置したり、また、例えば、作成された仮想環境が車両の自動運転のシミュレーションで利用される場合に、仮想環境上にユーザーが所望するレーザー反射率を返却する立体オブジェクトObを配置したりできるようにするためである。
【0053】
入力受付部16は、立体オブジェクトの指定および予定領域の指定を受け付ける(ステップS145)。具体的には、入力受付部16は、表示部200に表示された複数の立体オブジェクトObのうち、図示しない入力装置を利用してユーザーにより指定される立体オブジェクトObの指定を受け付ける。また、入力受付部16は、表示部200に表示された予定領域YAr1〜YAr9のうち、図示しない入力装置を利用してユーザーにより指定される予定領域の指定を受け付ける。
【0054】
立体オブジェクト配置部15は、指定された予定領域YAr1〜YAr9に指定された立体オブジェクトObを一括配置する(ステップS150)。このとき、立体オブジェクト配置部15は、指定された予定領域YAr1〜YAr9の大きさ、形状に合うように立体オブジェクトObの大きさや形状を変更して、結合画像CImg上に立体オブジェクトObを配置する。例えば、予定領域YAr1〜YAr9の長さが1.5メートルであり、立体オブジェクトObの長さが1メートルである場合、立体オブジェクトObの長さを0.5メートルに変更し、変更された立体オブジェクトObを3つ並べて配置してもよいし、立体オブジェクトObの長さを1.5メートルに引き延ばして、引き延ばされた単一の立体オブジェクトObを配置してもよい。また、例えば、道路構造情報310を利用して、道路の形状や交差点の形状に合うように立体オブジェクトObの形状を変更し、変更された立体オブジェクトObを配置してもよい。ステップS150の実行後、仮想環境作成処理は終了する。
【0055】
図12に示す仮想環境VEは、上述のステップS150の実行後の様子を模式的に示している。仮想環境VEには、ガードレールの立体オブジェクトGdOb1〜GdOb9が配置されている。なお、
図12では、上述のステップS145において、予定領域YAr1〜YAr9の全てが指定された場合を示している。したがって、仮想環境VEにおける第1予定領域YAr1に対応する位置に第1ガードレールオブジェクトGdOb1が配置されている。また、仮想環境VEにおける第2予定領域YAr2に対応する位置に第2ガードレールオブジェクトGdOb2が配置されている。また、仮想環境VEにおける第3予定領域YAr3に対応する位置に第3ガードレールオブジェクトGdOb3が、第4予定領域YAr4に対応する位置に第4ガードレールオブジェクトGdOb4が、それぞれ配置されている。また、仮想環境VEにおける第5予定領域YAr5に対応する位置に第5ガードレールオブジェクトGdOb5が、第6予定領域YAr6に対応する位置に第6ガードレールオブジェクトGdOb6が、第7予定領域YAr7に対応する位置に第7ガードレールオブジェクトGdOb7が、それぞれ配置されている。また、仮想環境VEにおける第8予定領域YAr8に対応する位置に第8ガードレールオブジェクトGdOb8が、第9予定領域YAr9に対応する位置に第9ガードレールオブジェクトGdOb9が、それぞれ配置されている。
【0056】
以上の構成を有する第1実施形態の仮想環境作成装置100によれば、取得された俯瞰画像OImgにおける非道路領域に存在する立体構造物の指定を受け付け、指定立体構造物の種類を特定し、指定立体構造物の色と、指定立体構造物距離d1と、指定立体構造物の形状と、を利用して立体オブジェクトObの配置が予定される予定領域YAr1〜YAr9を特定し、特定された種類の立体構造物を表す立体オブジェクトObを特定された予定領域YAr1〜YAr9に配置するので、仮想環境VE上に立体オブジェクトObを簡便に配置できる。
【0057】
また、指定立体構造物の色を特定し、特定された色の領域、または、特定された色に類似する色の領域が候補領域KAr1〜KAr11として特定されるので、候補領域KAr1〜KAr11を精度よく特定できる。加えて、道路領域LAr1からの距離が指定立体構造物距離d1に基づき予め定められた距離以下である領域であって、該領域の全部が該予め定められた距離以下に含まれる領域が候補領域KAr1〜KAr10として特定されるので、候補領域KAr1〜KAr10を精度よく特定できる。また、指定立体構造物の形状を特定し、特定された形状と同じ形状の領域が候補領域KAr1〜KAr9として特定されるので、候補領域KAr1〜KAr9を精度よく特定できる。
【0058】
加えて、指定立体構造物の色を利用した候補領域KAr1〜KAr11の絞り込みと、指定立体構造物距離d1を利用した候補領域KAr1〜KAr11の絞り込みと、指定立体構造物の形状を利用した候補領域KAr1〜KAr11の絞り込みと、を指定立体構造物の形状を利用した候補領域の絞り込みが最後となる順序で実行することにより、最終的に絞り込まれた候補領域KAr1〜KAr9を予定領域YAr1〜YAr9として特定するので、指定立体構造物の形状を利用した候補領域の絞り込みを最初に実行する構成に比べて、候補領域KAr1〜KAr11を段階的に絞り込むことができ、また、候補領域KAr1〜KAr11を絞り込む処理に要する負荷を低減できる。
【0059】
また、特定された予定領域の大きさに応じて立体オブジェクトObの大きさが変更されるので、立体オブジェクトObとは異なる大きさや形状の予定領域にも立体オブジェクトObを配置できる。加えて、特定された予定領域YAr1〜YAr9に立体オブジェクトObが一括配置されるので、予定領域に立体オブジェクトObを簡便に配置できる。
【0060】
B.第2実施形態:
第2実施形態における仮想環境作成装置100は、
図1に示す第1実施形態における仮想環境作成装置100と同様であるので、その詳細な説明は省略する。また、第2実施形態における仮想環境作成処理および候補領域特定処理の処理手順は、
図2および
図3に示す第1実施形態における仮想環境作成処理および候補領域特定処理の処理手順と同様であるので、その詳細な説明は省略する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる俯瞰画像を例に、立体オブジェクトObを配置したい立体構造物としてスロープが指定された場合における候補領域の特定手順を説明する。
【0061】
図13では、上述のステップS205実行後の候補領域を破線により示している。なお、
図13では、同じ色の領域には、同一のハッチングを付している。
図13に示すように、上述のステップS205では、結合画像CImg2上において、道路領域LAr2から比較的近い距離に設けられている第4スロープSL4がポインターPtによって指定されている。したがって、破線で示すように、候補領域は、第4スロープSL4と同じ色の領域に絞り込まれている。
【0062】
図14では、上述のステップS210実行後の候補領域を一点鎖線により示している。
図14に示すように、上述のステップS210では、ステップS205で絞り込まれた候補領域のうち、道路領域LAr2から第4スロープSL4までの距離に基づき予め定められた距離以下である領域が候補領域として特定される。したがって、候補領域は、第4スロープSL4と同様に道路領域LAr2から比較的短い距離にある領域に絞り込まれている。
図13および
図14を比較して理解できるように、
図13において破線により示される領域のうち、
図14において一点鎖線により示されない領域は、ステップS210において候補領域から除かれた領域である。
【0063】
図15では、上述のステップS215実行後の予定領域を二点鎖線により示している。
図15に示すように、上述のステップS215では、ステップS210において絞り込まれた候補領域のうち、第4スロープSL4の形状と同じ長方形状の領域が予定領域として特定されている。
図14において一点破線により示される領域のうち、
図15において二点鎖線により示されない領域は、細長い棒状の形状の領域であるため、ステップS215において予定領域から除かれた領域である。
【0064】
以上の構成を有する第2実施形態の仮想環境作成装置100によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0065】
C1.他の実施形態1:
上記各実施形態において、俯瞰画像は、航空写真等の画像の中心軸が路面に対して垂直となる画像であったが、これに代えて、路面に対して角度のついた画像であってもよい。この場合、カメラのレンズパラメータおよび取り付け位置等の情報を利用して、画像の中心軸が路面に対して垂直となる画像に変換すればよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0066】
C2.他の実施形態2:
上記各実施形態において、道路構造情報310を取得して道路領域LAr1およびLAr2を特定していたが、これに代えて、俯瞰画像OImgから道路Ln1および道路Ln2を切り出すことにより道路領域LAr1およびLAr2を特定してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0067】
C3.他の実施形態3:
上記各実施形態において、特定された予定領域YAr1〜YAr9から予定領域を指定させていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、予定領域の指定を省略してもよい。また、例えば、特定された予定領域YAr1〜YAr9の他にユーザーが所望する予定領域がある場合、立体オブジェクトObを配置したい領域の周囲を矩形で囲う等の方法により、予定領域の指定を受け付けてもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0068】
C4.他の実施形態4:
上記各実施形態において、予定領域特定部14は、上述のステップS205〜S215において候補領域を絞り込み、絞り込まれた候補領域のうち、入力受付部16により受け付けられた領域を予定領域として特定してもよい。具体的には、予定領域特定部14は、上述のステップS205〜S215を実行することにより、最終的に絞り込まれた候補領域KAr1〜KAr9を候補領域として特定する。その後、表示部200は、特定された候補領域KAr1〜KAr9を表示し、入力受付部16は、表示された候補領域KAr1〜KAr9のうちから図示しない入力装置を利用して指定される予定領域の指定を受け付ける。そして、予定領域特定部14は、指定された予定領域を予定領域として特定してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0069】
C5.他の実施形態5:
上記各実施形態において、各予定領域YAr1〜YAr9に立体オブジェクトObを一括配置していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、予定領域YAr1〜YAr9ごとに立体オブジェクトObを配置するか否かの指定を受け付ける構成では、各予定領域YAr1〜YAr9に立体オブジェクトObを配置するか否かの指定の受け付けと、各予定領域YAr1〜YAr9への立体オブジェクトObの配置と、を交互に繰り返して実行することにより、各予定領域YAr1〜YAr9に立体オブジェクトObを配置してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0070】
C6.他の実施形態6:
上記各実施形態において、仮想環境作成装置100は、表示部200を備えていたが、表示部200を省略してもよい。この場合、例えば、仮想環境作成装置100に接続されている表示装置に表示画面を表示してもよい。このような構成であっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0071】
C7.他の実施形態7:
上記各実施形態において、候補領域の絞り込みは、指定立体構造物の色を利用した絞り込み、指定立体構造物距離d1を利用した絞り込み、指定立体構造物の形状を利用した絞り込みの順序で実行されていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、指定立体構造物距離d1を利用した絞り込み、指定立体構造物の色を利用した絞り込み、指定立体構造物の形状を利用した絞り込みの順序で実行してもよい。また、例えば、指定立体構造物の色を利用した絞り込みと指定立体構造物距離d1を利用した絞り込みとを並列して実行し、それぞれの処理において絞り込まれた候補領域の論理積をとった後、指定立体構造物の形状を利用した絞り込みを実行してもよい。すなわち、一般には、指定立体構造物の色を利用した候補領域の絞り込みと、指定立体構造物距離d1を利用した候補領域の絞り込みと、指定立体構造物の形状を利用した候補領域の絞り込みと、を指定立体構造物の形状を利用した候補領域の絞り込みが最後となる順序で実行することにより、最終的に絞り込まれた候補領域を予定領域として特定する構成であればよい。かかる構成によれば、指定立体構造物の形状を利用した候補領域の絞り込みを最初に実行する構成に比べて、候補領域を段階的に絞り込むことができ、また、候補領域を絞り込む処理に要する負荷を低減できる。
【0072】
C8.他の実施形態8:
上記各実施形態において、予定領域は、指定立体構造物の色、指定立体構造物距離d1、および指定立体構造物の形状を利用して特定されていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、予定領域は、指定立体構造物の形状のみを利用して特定されてもよい。また、例えば、予定領域は、指定立体構造物の色および指定立体構造物の形状を利用して特定されてもよい。この場合、指定立体構造物の色を利用した予定領域の特定の後、指定立体構造物の形状を利用した予定領域の特定を行うことによって、上記他の実施形態7と同様な効果を奏する。すなわち、一般には、指定立体構造物の色と、指定立体構造物距離d1と、指定立体構造物の形状と、のうちの少なくとも一つを利用して予定領域を特定する構成であれば、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0073】
C9.他の実施形態9:
上記各実施形態において、指定立体構造物距離d1は、道路領域LAr1およびLAr2からポインターPtの先端までの距離であったが、本開示はこれに限定されない。例えば、道路領域LAr1およびLAr2の近傍に樹木がある場合、道路領域LAr1およびLAr2から樹木の重心位置までの距離としてもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0074】
C10.他の実施形態10:
上記各実施形態において、指定立体構造物距離d1に基づき予め定められた距離は、指定立体構造物距離d1に3メートルを加算した距離であったが、本開示はこれに限定されない。例えば、道路領域LAr1およびLAr2からポインターPtの位置までの距離に応じた距離としてもよい。具体的には、結合画像CImgおよびCImg2において、道路領域LAr1およびLAr2の境界からポインターPtの先端位置までの距離が5センチメートルである場合、予め定められた距離は1メートルに設定してもよい。また、例えば、道路領域LAr1およびLAr2の境界からポインターPtの先端位置までの距離が3メートルである場合、予め定められた距離は5メートルに設定してもよい。かかる構成においては、予め定められた距離は、実験により算出されて、メモリ120に記憶されている。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0075】
C11.他の実施形態11:
上記各実施形態において、表示部200は、立体構造物の種類に応じて予め定められている基準色と、立体構造物の種類に応じて予め定められている基準距離であって道路領域LAr1およびLAr2から立体構造物までの基準距離と、立体構造物の種類に応じて予め定められている基準形状と、を表示してもよい。例えば、立体構造物の種類がガードレールである場合、基準色として白色を、基準距離として道路領域LAr1およびLAr2から比較的短い距離を、基準形状として細長い棒状を、それぞれ表示してもよい。かかる構成によれば、ユーザーは、立体構造物の種類に応じて定められている基準色、基準距離、および基準形状を容易に理解できる。また、ユーザーは、候補領域の絞り込みの基準を容易に理解できるので、ユーザーが配置したい立体オブジェクトObとは異なる立体オブジェクトObが配置されてしまうことを容易に確認できる。
【0076】
C12.他の実施形態12:
上記各実施形態において、仮想環境作成処理は、配置領域に立体オブジェクトObを配置した後、終了していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、配置領域に立体オブジェクトObを配置した後、仮想環境作成処理を終了するか否かの判断を行い、終了すると判断された場合に仮想環境作成処理を終了し、終了すると判断されない場合、上述のステップS125を再び実行し、立体構造物の指定を受け付けてもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0077】
C13.他の実施形態13:
上記各実施形態において、特定された予定領域が連続する領域である場合や、道路領域LAr1およびLAr2の側縁に沿ってガードレール、縁石、および歩道等の立体オブジェクトObを配置する場合には、単一の立体オブジェクトObを連続した状態で配置してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0078】
C14.他の実施形態14:
上記各実施形態において、予定領域YAr1〜YAr9の大きさおよび形状に合うように立体オブジェクトObの大きさ、形状を変更していたが、立体オブジェクトObの大きさおよび形状の変更は省略してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
【0079】
C15.他の実施形態15:
各実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いてもよい。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
【0080】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。