(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
認証対象者の生体認証に用いられる第1画像と、前記認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づく画像であって、前記認証対象者の生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む第2画像と、を取得する取得部を備え、
前記第2画像は、前記第1画像を撮像する撮像装置が搭載されている装置とは物理的に離れている物体から前記認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づくことを特徴とする情報取得システム。
前記第2画像は、前記認証対象者の生体認証を行う装置があらかじめ保有していない情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報取得システム。
前記決済関連情報は、前記決済に対応する取引に関する装置の識別情報、前記取引に関する時刻情報及び前記取引に関する位置情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の情報取得システム。
前記第2画像は、前記認証対象者が前記端末を用いて行う作業の内容及び時刻の少なくとも1つに応じて変化する情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の情報取得システム。
認証対象者の生体認証に用いられる第1画像と、前記認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づく画像であって、前記認証対象者の生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む第2画像と、を取得する取得部を備え、
前記第2画像は、前記認証対象者が操作する端末の表示部に表示される情報を含み、
前記第2画像は、前記認証対象者が前記端末を用いて行う作業の内容及び時刻の少なくとも1つに応じて変化する情報を含むことを特徴とする情報取得システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態として、虹彩認証を用いた決済を行う決済システムの例を説明する。
図1は、第1実施形態に係る決済システムの概略構成を示す模式図である。決済システムは、決済サーバ1、POS(Point Of Sales)端末2及びユーザ端末4を含む。決済システムは、ユーザ端末4を保有するユーザが、POS端末2が設置された商店で買物を行った際の電子決済を行うシステムである。決済サーバ1とユーザ端末4とはネットワーク3aを介して通信可能に接続され、決済サーバ1とPOS端末2とはネットワーク3bを介して通信可能に接続される。ネットワーク3a、3bは、IP(Internet Protocol)ネットワーク等である。ネットワーク3a、3bを介した通信経路は、有線であってもよく、無線であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0013】
POS端末2は、例えば、商店において商品の販売時の会計を行うPOSレジスタである。POS端末2は、販売員が商品名等の入力を行うためのキーパッド、商品のバーコードを読み取るバーコードスキャナ、レシートを印刷するプリンタ、2次元バーコード等を表示するディスプレイ等を備える。販売時の会計処理は、POS端末2の内部で行われてもよく、POS端末2に通信接続された不図示のPOSサーバで行われてもよい。POSサーバで会計処理が行われる場合、POS端末2は、販売する商品に関する情報をPOSサーバに送信し、POSサーバは、会計処理を行う。
【0014】
ユーザ端末4は、買物を行うユーザが保有する携帯電話、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ラップトップPC等の情報通信端末である。ユーザ端末4は生体認証の一種である虹彩認証の機能を備える。ユーザ端末4は、認証対象者であるユーザの虹彩を撮影することにより虹彩認証を行う。ユーザ端末4は、ユーザの認証を行うとともに、ネットワーク3aを介して商店で購入する商品の決済を決済サーバ1に請求するソフトウェアを備えている。なお、ユーザ端末4とPOS端末2とは、直接通信接続されていてもよいが、
図1のように、ユーザ端末4とPOS端末2とが直接通信接続することを想定しない構成であってもよい。
【0015】
決済サーバ1は、ユーザ端末4からの要求に応じて、ユーザが商店で購入する商品についてクレジットカード等により電子決済を行う。決済の完了後、決済サーバ1は、ネットワーク3bを介して、POS端末2に決済が完了した旨を通知する。
【0016】
図2は、第1実施形態に係るユーザ端末4のハードウェア構成例を示すブロック図である。ユーザ端末4は、演算及び記憶を行うコンピュータとしての機能を実現するため、CPU(Central Processing Unit)401、RAM(Random Access Memory)402、ROM(Read Only Memory)403及びフラッシュメモリ404を備える。また、ユーザ端末4は、通信I/F(インターフェース)405、表示装置406、入力装置407、可視光カメラ408、赤外線照射装置409及び赤外線カメラ410を備える。CPU401、RAM402、ROM403、フラッシュメモリ404、通信I/F405、表示装置406、入力装置407、可視光カメラ408、赤外線照射装置409及び赤外線カメラ410は、バス411を介して相互に接続される。なお、表示装置406、入力装置407、可視光カメラ408、赤外線照射装置409及び赤外線カメラ410は、これらの装置を駆動するための不図示の駆動装置を介してバス411に接続されてもよい。
【0017】
図2では、ユーザ端末4を構成する各部が一体の装置として図示されているが、これらの一部の機能は外付け装置により構成されていてもよい。例えば、可視光カメラ408、赤外線照射装置409又は赤外線カメラ410は、CPU401等を含むコンピュータの機能を構成する部分とは別の外付け装置であってもよい。
【0018】
CPU401は、ROM403、フラッシュメモリ404等に記憶されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、ユーザ端末4の各部を制御する機能をも有する。RAM402は、揮発性メモリから構成され、CPU401の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。ROM403は、不揮発性メモリから構成され、ユーザ端末4の動作に用いられるプログラム等の必要な情報を記憶する。フラッシュメモリ404は、不揮発性メモリから構成され、可視光カメラ408及び赤外線カメラ410で撮影された画像、照合対象の画像、特徴量データ等の記憶を行う記憶装置である。
【0019】
通信I/F405は、Wi−Fi(登録商標)、4G等の規格に基づく通信インターフェースであり、他の装置との通信を行うためのモジュールである。表示装置406は、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等であって、動画、静止画、文字、2次元コード等の表示に用いられる。入力装置407は、ボタン、タッチパネル等であって、ユーザがユーザ端末4を操作するために用いられる。表示装置406及び入力装置407は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0020】
可視光カメラ408は、例えば、表示装置406の表示面等に設けられる。可視光カメラ408は、ユーザの顔、眼等を可視光により撮影し、画像を取得することができる。可視光カメラ408には、撮影後の画像処理に適するように、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を用いたデジタルカメラが用いられ得る。
【0021】
赤外線照射装置409は、赤外線LED等の赤外光を発する発光素子である。赤外線カメラ410には、赤外線に対して感度を有するように構成された受光素子を備えたCMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等を用いたデジタルカメラが用いられ得る。赤外線照射装置409から赤外光をユーザの眼に照射し、虹彩で反射した赤外線を赤外線カメラ410で撮影することにより、虹彩認証に用いられる虹彩画像を撮影することができる。なお、赤外線照射装置409から照射される赤外線の波長は、例えば、800nm程度の近赤外領域であり得る。
【0022】
なお、
図2に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。更に、一部の機能がネットワークを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態を構成する機能が複数の装置に分散されて実現されるものであってもよい。例えば、フラッシュメモリ404は、HDD(Hard Disk Drive)に置換されていてもよく、クラウドストレージに置換されていてもよい。
【0023】
決済サーバ1及びPOS端末2のハードウェア構成もユーザ端末4と同様にCPU、RAM、ROM、HDD、通信I/F、入力装置、出力装置等を有するコンピュータを含み得る。
【0024】
図3は、第1実施形態に係る決済サーバ1、POS端末2及びユーザ端末4の機能ブロック図である。
図3には、決済サーバ1、POS端末2及びユーザ端末4の各々に設けられたCPUが、プログラムを実行することによりもたらされる機能ブロックが図示されている。
【0025】
決済サーバ1は、決済処理部11と、通信部12とを備える。決済処理部11は、ユーザ又は加盟店からの要求に応じて、取引の電子決済処理を行う。通信部12は、加盟店のPOS端末2及び商品の購入等を行うユーザのユーザ端末4との通信を行う。決済サーバ1のCPUは、決済サーバ1のROM等に記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより、決済処理部11の機能を実現する。決済サーバ1のCPUは、通信I/Fを制御することにより通信部12の機能を実現する。
【0026】
POS端末2は、通信部21と、販売管理部22と、表示部23とを備える。通信部21は、決済サーバ1との通信を行う。販売管理部22は、商品の販売時の処理を行うとともに、販売情報を集計することにより、商店の在庫管理、売上管理等の管理の支援を行う。表示部23は、POS端末2に備えられた液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等の表示装置であり、商品名、価格、ユーザ名、ユーザID(Identifier)等の文字、これらの文字情報に対応する2次元コードの画像等を表示する。ここで、2次元コードの画像等には、POS端末2のバーコードスキャナ等によりユーザが購入予定の商品からPOS端末2が読み取った、商品名、価格、ユーザ名、ユーザID(Identifier)、店舗情報等の決済に必要な情報(決済関連情報)が含まれる。POS端末2のCPUは、POS端末2のROM等に記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより、販売管理部22の機能を実現する。POS端末2のCPUは、通信I/Fを制御することにより通信部21の機能を実現する。
【0027】
ユーザ端末4は、通信部41と、記憶部42と、取得部43と、認証部44とを備える。通信部41は、決済サーバ1との通信を行う。記憶部42は、可視光カメラ408、赤外線カメラ410で撮影された画像、虹彩認証を行うための特徴量データ等を記憶する。取得部43は、可視光カメラ408、赤外線カメラ410等により画像を取得し、記憶部42に記憶させる。認証部44は、赤外線カメラ410で取得された虹彩画像の特徴量を演算し、あらかじめ記憶されている比較用虹彩画像の特徴量と比較することにより虹彩認証を行う。ユーザ端末4のCPU401は、ユーザ端末4のROM403、フラッシュメモリ404等に記憶されたプログラムをRAM402にロードして実行することにより、認証部44の機能を実現する。また、ユーザ端末4のCPU401は、可視光カメラ408及び赤外線カメラ410を制御することにより取得部43の機能を実現する。また、ユーザ端末4のCPU401は、フラッシュメモリ404を制御することにより記憶部42の機能を実現する。また、ユーザ端末4のCPU401は、通信I/F405を制御することにより通信部41の機能を実現する。以上のように、本実施形態のユーザ端末4は、可視光カメラ408、赤外線カメラ410等により画像を取得する取得部を備えており、より一般的に情報取得システムとも呼ばれ得る。
【0028】
図4乃至
図7を参照して、本実施形態の決済処理を説明する。
図4は、本実施形態に係る決済処理を示すシーケンス図である。
図5は、第1実施形態に係る虹彩画像を模式的に示す図である。
図6は、2次元コードが表示されているディスプレイを模式的に示す図である。
図7は、2次元コードが眼に映っている画像を模式的に示す図である。
図4には、ユーザ端末4、POS端末2及び決済サーバ1で行われる処理が示されている。図中に破線で示されている矢印は、可視光又は赤外線の投射及び撮影を示している。
図5、
図6及び
図7を適宜参照しつつ、
図4のシーケンス図の時系列に沿って決済処理を説明する。
【0029】
本決済処理は、ユーザ端末4を保有するユーザが、POS端末2が設置されている商店を訪れ、商品を購入しようとする場面における処理である。ユーザ端末4には、虹彩認証及び決済のためのプログラムがあらかじめインストールされている。ステップS11よりも前の時刻において、商品の購入の決済を行うため、ユーザは、POS端末2の前でユーザ端末4を操作し、当該プログラムを起動する。なお、POS端末2の操作は、例えば商店の店員により行われる。
【0030】
ステップS11及びステップS12において、ユーザ端末4の取得部43は、ユーザの虹彩画像を取得する。より具体的には、ステップS11において、ユーザ端末4の赤外線照射装置409はユーザの眼の周辺に赤外線を投射する。ステップS12において、ユーザ端末4の赤外線カメラ410は、ユーザの虹彩を含む眼の周辺から反射された赤外線による画像(虹彩画像)を取得する。当該虹彩画像は、ユーザ端末4の記憶部42に記憶され、ユーザの虹彩認証に用いられる。なお、虹彩画像はより一般的に第1画像とも呼ばれ得る。
【0031】
赤外線により撮影された虹彩画像の模式図を
図5に示す。
図5に示されるように、赤外線により眼90付近の画像が虹彩画像として取得される。瞳孔91の開口径を調整する虹彩92の模様は万人不同かつ終生不変である。そのため、認証時に取得した虹彩92の模様をあらかじめ取得されている虹彩92の画像と照合することにより本人確認が可能である。なお、虹彩画像の撮影に可視光ではなく赤外線を用いている理由は、虹彩の色によらず高コントラストな画像が得られ、かつ角膜での反射による影響を低減することができるためである。例えば、虹彩の色が濃い場合(黒色等)には、可視光では高いコントラストを得ることが難しいため、撮影に赤外線を用いることが有効である。一方、虹彩の色が薄い場合(青色等)には、可視光であっても高コントラストな画像が得られる場合もある。可視光であっても問題なく虹彩画像を撮影可能な場合には可視光カメラ408により虹彩画像を取得してもよく、虹彩の撮影に赤外線を用いることは必須ではない。可視光カメラ408により虹彩画像を取得することで、赤外線照射装置409及び赤外線カメラ410を省略でき、装置構成を単純化することができる。あるいは、可視光カメラ408として赤外領域にも検出感度があるカメラを採用することによっても、赤外線カメラ410を省略でき、装置構成を単純化することができる。そのような可視光カメラ408の例としては、赤色、緑色、青色の可視光を検出する3色の画素に加え、赤外光を検出する画素を更に備えた単板式CMOSイメージセンサが挙げられる。
【0032】
ステップS13において、ユーザ端末4の認証部44は、ステップS12の処理により取得された虹彩画像と、あらかじめ取得されているユーザの虹彩画像とを照合することにより認証を行う。認証に失敗した場合には決済の処理を行わず、これに代えて再認証を要求する、認証に失敗した旨をユーザに報知して処理を中断する等の動作が行われる。認証に成功した場合には次の処理に移行する。
【0033】
ステップS14において、POS端末2は、表示部23にQRコード(登録商標)等の2次元コードの画像を表示する。
図6は、表示部23への2次元コード24の表示例を示している。2次元コード24は、商品名、価格、ユーザ名、ユーザID(Identifier)、店舗情報等の決済に必要な情報(決済関連情報)を含む。この2次元コード24に含まれる決済関連情報は、POS端末2のバーコードスキャナ等によりユーザが購入予定の商品からPOS端末2が読み取ったものである。すなわち、2次元コード24に含まれる情報は、ユーザの生体認証とは異なる用途に用いられる情報である。ユーザが表示部23を見る、あるいは顔を向けることにより、表示部23から投射された光はユーザの眼(例えば角膜)で反射する。これにより、ユーザの眼には2次元コード24の画像が映る。なお、ユーザの眼に映る画像はより一般的に第2画像とも呼ばれ得る。
【0034】
ステップS15において、ユーザ端末4の可視光カメラ408は、ユーザの眼に映る2次元コード24を含む画像を取得する。2次元コード24を含む画像は、ユーザ端末4の記憶部42に記憶される。
図7に示されるようにユーザの眼には2次元コード24が映っている。ユーザ端末4は、2次元コード24から決済関連情報を取得することができる。なお、可能な場合には、赤外線カメラ410で2次元コード24を含む画像を撮影してもよい。
【0035】
ステップS16において、ユーザ端末4の通信部41は、ステップS15で取得した2次元コード24に含まれる決済関連情報を決済サーバ1に送信する。決済サーバ1の通信部12は決済関連情報を受信し、決済処理部11は決済関連情報に基づいてユーザの商品購入についての決済を行う。その後、ステップS17において、決済サーバ1の通信部12は、決済結果をPOS端末2に送信する。POS端末2の通信部21は、決済結果を受信し、POS端末2の販売管理部22は、商品の販売処理を完了させ、表示部23はこれを表示する。POS端末2を操作する店員は処理の完了を受けて商品をユーザに引き渡す。
【0036】
本実施形態では、決済関連情報を画像に含ませており、ユーザの眼での反射を利用してPOS端末2からユーザ端末4に決済関連情報を伝達させることができる。このように、生体認証を行うユーザ端末4は、あらかじめ保有していなかった決済関連情報を、POS端末2と直接通信をせずに取得することができ、通信構成を簡略にすることができる。また、虹彩認証はユーザ端末4で行われているため、POS端末2の側でユーザの虹彩認証用のデータを保有する必要がない。そのため、POS端末2で記憶すべきデータの量を削減できる。
【0037】
このように本実施形態のユーザ端末4は、生体認証に用いられる情報の取得とともに、生体認証とは異なる用途に用いられる情報を取得することが可能である。
【0038】
また、本実施形態では、ユーザの眼の写真を使う等の手法により虹彩認証時になりすましが行われている場合には、眼で反射した2次元コードの画像の取得ができず、決済ができなくなることからなりすましを抑止する効果も得られる。
【0039】
なお、決済関連情報は2次元コードではなく、1次元コード等の他の態様のコードで表示してもよく、文字等で表示してもよい。しかしながら、2次元コードで表示させることにより、誤り検出・訂正ができ、眼に映ることにより画像の歪みが生じても正しく情報を伝達できる可能性が高くなる効果が得られる。また、決済サーバ1又はユーザ端末4が商品の形状から決済に必要な情報を取得可能な場合には、商品を見たユーザの眼に映る商品の画像をユーザ端末4で取得する構成であってもよい。
【0040】
また、2次元コードに含ませる情報は、ユーザに特典として付与されるポイント等のキャンペーン用の付加的な情報を含んでもよく、決済に必要な情報に限定されるものではない。また、2次元コードには、決済に対応する取引に関与するPOS端末2等の装置のID(識別情報)、販売時刻(時刻情報)、POS端末2等の位置情報等の情報を更に含ませてもよい。これらの情報を参照することで、認証の時刻、場所等が明確となり、不正な認証が行われることを抑止する効果が得られる。また、2次元コードにワンタイムパスワードを含ませてもよい。ワンタイムパスワードを含ませることで、写真、動画等を用いたなりすましを抑止する効果が得られる。
【0041】
ステップS16における決済関連情報の送信は2次元コードの画像そのものを送信するものであってもよく、ユーザ端末4で2次元コードを解析し、2次元コードに含まれている情報を送信することで、画像そのものは送信しない構成であってもよい。
【0042】
ユーザ端末4の構成は種々の形態とすることが可能である。例えば、眼鏡型等のウェアラブル端末であってもよく、その場合、眼の画像の撮影をより容易に行うことができる。
【0043】
記憶部42、取得部43及び認証部44の機能がPOS端末2側に設けられていてもよい。この変形例では、2次元コードの表示をユーザ端末4側で行い、ユーザの眼で反射した2次元コードをPOS端末2で取得する構成となる。この場合、2次元コードには例えばユーザが購入しようとする商品の情報、ユーザの認証情報等を含めることができ、POS端末2とユーザ端末4とが直接通信をしなくてもこれらの情報をユーザ端末4からPOS端末2に伝達させることができる。
【0044】
また、ユーザ端末4の機能をすべてPOS端末2に含ませることにより、本実施形態のシステム構成からユーザ端末4を省略してもよい。この構成では、記憶部42、取得部43及び認証部44の機能がPOS端末2側に設けられ、更に、2次元コードの表示及び画像の取得もPOS端末2で行われる。この変形例では、POS端末2のカメラで取得した虹彩画像により虹彩認証を行う。これとともに、POS端末2の表示部23に2次元コードが表示され、ユーザの眼で反射した2次元コードがPOS端末2のカメラで取得される。この虹彩認証と2次元コードの取得は同時に行ってもよい。虹彩認証に用いるユーザの虹彩の特徴量は、POS端末2にあらかじめ記憶させておくか、あるいは虹彩認証時にユーザの虹彩の特徴量を保有するデータサーバにアクセスしてダウンロードすることにより取得され得る。本変形例によれば、虹彩認証と決済とを一連の処理により並行して、あるいは同時に行うことができる。なお、2次元コードの取得を行うカメラは可視光カメラであってもよく、赤外線カメラであってもよい。
【0045】
また、POS端末2の表示部23の機能をユーザ端末4に含ませることにより、2次元コードの表示をユーザ端末4で行ってもよい。この変形例では、ユーザ端末4の赤外線カメラ410で取得して虹彩画像により虹彩認証を行う。これとともに、ユーザ端末4の表示装置406に2次元コードが表示され、ユーザの眼で反射した2次元コードがユーザ端末4の可視光カメラ408で取得される。ユーザ端末4の表示装置406に表示される2次元コードは、本処理を行う決済時にユーザ端末4がPOS端末2又は決済サーバ1と通信することにより取得され得る。この虹彩認証と2次元コードの取得は同時に行ってもよい。本変形例においても、虹彩認証と決済とを一連の処理により並行して、あるいは同時に行うことができる。なお、2次元コードの取得を行うカメラは可視光カメラであってもよく、赤外線カメラであってもよい。
【0046】
なお、ユーザ端末4に2次元コードを表示させる構成において、ユーザ端末の表示装置406に表示される2次元コードの情報は、決済前にユーザ端末4がPOS端末2又は決済サーバ1と通信することにより取得してもよい。しかしながら、当該2次元コードの情報は、商店に陳列されている商品又はそれに付されたバーコード、2次元コード等をユーザ端末4の可視光カメラ408で撮影することにより取得してもよく、ユーザ端末4にインストールされているアプリにより商店に陳列されている商品に対応する情報を取得してもよい。具体的な場面の例としては、ユーザが購入しようとする商品を手に取り、ユーザ端末4で商品情報等を含むバーコードを読み取ることで、購入しようとする商品の決済関連情報を含む2次元コードがユーザ端末4に表示される。POS端末2又はユーザ端末4のカメラは、虹彩認証を行い、更に、ユーザの眼に映る2次元コードを取得する。このようにして、POS端末2又はユーザ端末4は、虹彩認証を行うとともに2次元コードに含まれる決済関連情報を取得することができる。なお、ユーザ端末4に表示させる2次元コードの情報は、商店に陳列されている商品以外から取得してもよい。例えば、いわゆるネットショッピングにより、ネットワーク経由で決済関連情報を取得し、これに関する2次元コードをユーザ端末4に表示させてもよい。本構成は、主として、決済関連情報の取得をネットショッピングで行い、決済をコンビニエンスストア等の店舗のPOS端末2で行う店舗決済の場合に適用され得る。
【0047】
以上例示したシステム構成は一例であり、各処理を行う装置をユーザ端末4とPOS端末2のいずれとするかは適宜設定可能であり、また、これら以外の別途設けられた装置により一部の処理が行われてもよい。
【0048】
ステップS11からステップS13の虹彩画像取得及び認証と、ステップS14及びステップS15の2次元コード画像の取得とは逆の順序であってもよく、並行して行われてもよい。
【0049】
また、ステップS11からステップS13の虹彩画像取得及び認証が行われた後に、ステップS14及びステップS15の2次元コード画像の取得を複数回繰り返し行ってもよい。あるいは、ステップS14からステップS17の処理を複数回繰り返し行ってもよい。このように、2次元コード画像の取得のみを複数回繰り返し行うことにより、本実施形態のユーザ端末4は、生体認証に用いられる情報の取得を1回行った後、生体認証とは異なる用途に用いられる情報を複数回取得することができる。本変形例は、1回の生体認証の後、複数回の情報取得を行う用途への適用に有効である。例えば、コンビニエンスストアで一度会計を済ませた後、急に別の商品を追加購入したくなったような場面で、もう一度生体認証をし直す必要がなくなるため、利便性が向上する。
【0050】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態として、虹彩認証を用いたユーザ管理を行うテレワークシステムの例を説明する。
図8は、第2実施形態に係るテレワークシステムの概略構成を示す模式図である。テレワークシステムは、社内システム5及びユーザ端末6を含む。ユーザ端末6はネットワーク3を介して社内システム5と接続されている。本テレワークシステムは、ユーザ端末6に在宅勤務、フリーランス等の態様によるテレワークの環境を提供する。ユーザ端末6を操作するユーザは、遠隔地から社内システム5にアクセスして業務を行うことができる。
【0051】
図9は、本実施形態に係る社内システム5及びユーザ端末6の機能ブロック図である。
図9には、社内システム5及びユーザ端末6の各々に設けられたCPUが、プログラムを実行することによりもたらされる機能ブロックが図示されている。なお、ハードウェア構成については、第1実施形態と同様の構成が適用され得るため、説明を省略する。
【0052】
社内システム5は、通信部12と、記憶部51とを備える。通信部12は、社内システム5にアクセスするユーザ端末6との通信を行う。記憶部51は、業務を行うために必要なデータを記憶する。また、記憶部51は、更に、ユーザ端末6から送信されたテレワークの管理用データを記憶する。社内システム5のCPUは、通信I/F及び不揮発性記憶媒体を制御することにより通信部12及び記憶部51の機能を実現する。
【0053】
本実施形態のユーザ端末6は、第1実施形態のユーザ端末4の構成に加えて、表示部61を更に備える。表示部61は、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等の表示装置であり、社内システム5から取得した業務用データ、作業画面等を表示する。本実施形態のユーザ端末6は、画像を取得する取得部43を備えており、より一般的に情報取得システムとも呼ばれ得る。
【0054】
図10は、本実施形態に係るユーザ管理処理を示すシーケンス図である。
図10のシーケンス図の時系列に沿ってユーザ管理処理を説明する。本ユーザ管理処理は、ユーザ端末6を操作するユーザが、テレワークのために社内システム5にアクセスしようとする際及びテレワークの作業中に行われるものである。ユーザ端末6には、虹彩認証及びネットワーク接続のためのプログラムがあらかじめインストールされている。ステップS11よりも前の時刻において、テレワークを開始するため、ユーザは、ユーザ端末6を操作し、当該プログラムを起動する。
【0055】
ステップS11及びステップS12において、ユーザ端末6の取得部43は、認証対象者であるユーザの虹彩画像を取得する。ステップS13において、ユーザ端末6の認証部44は、ステップS12の処理により取得された虹彩画像と、あらかじめ取得されているユーザの虹彩画像とを照合することにより認証を行う。なお、虹彩画像はより一般的に第1画像とも呼ばれ得る。これらの処理は第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0056】
認証に成功した場合、ユーザ端末6と社内システム5との間の接続が確立し、テレワークが可能な状態となる(ステップS21)。その後のテレワークの作業中において、作業状態の監視のため、ステップS22乃至ステップS24の作業画面取得が行われる。この作業画面取得は、例えば、一定の時間間隔(例えば、15分間隔、30分間隔等)で行われる。
【0057】
ステップS22において、ユーザ端末6の表示部61は、作業画面の表示を行う。この作業画面の表示は、テレワークの作業画面そのものであってもよく、その他の情報の表示を更に含めてもよい。表示部61から投射された光はユーザの眼(例えば角膜)で反射する。これにより、ユーザの眼には作業画面の画像が映る。なお、ユーザの眼に映る画像はより一般的に第2画像とも呼ばれ得る。
【0058】
ステップS23において、ユーザ端末6の取得部43は、ユーザの眼に映る作業画面を含む画像(作業画面画像)を取得する。作業画面画像は、ユーザ端末6の記憶部42に記憶される。
【0059】
ステップS24において、ユーザ端末6の通信部41は、ステップS23で取得した作業画面画像を社内システム5に送信する。社内システム5の通信部12は作業画面画像を受信する。当該作業画面画像は、記憶部51に記憶される。
【0060】
作業画面画像は、テレワークが適切に行われるようにするための管理に用いられる。例えば、社内システム5の管理者が作業画面画像の内容を確認することで、ユーザがテレワークを真面目に行っているかどうかを監視することができる。具体的には、ユーザの眼には作業画面が適切に映っていない場合には、ユーザが作業画面の方を向いていないため、テレワークを真面目に行っていない可能性が高いと判断することができる。あるいは、作業画面画像の内容が業務に沿った適切なものであるかどうかを確認することにより、ユーザがテレワークを真面目に行っているかどうかを判断することもできる。ユーザがテレワークを真面目に行っていない場合には、例えば、ユーザ端末6の表示部61に警告文を表示することにより真面目に作業を行うよう促すことができる。なお、当該作業画面画像の確認は、画像認識技術を用いて自動的に行われるものであってもよい。
【0061】
本実施形態では、ユーザの眼での反射を利用してユーザ端末6の作業画面の画像を取得することができる。このようにして取得された作業画面画像に含まれる情報は、テレワークが適切に行われるようにするための管理に用いることができる。
【0062】
このように本実施形態のユーザ端末6においても、生体認証に用いられる情報の取得とともに、生体認証とは異なる用途に用いられる情報を取得することが可能である。
【0063】
また、本実施形態においても、ユーザの眼の写真を使う等の手法により虹彩認証時になりすましが行われている場合には、眼で反射した作業画面画像の取得ができなくなることからなりすましを抑止する効果も得られる。なお、なりすましを検出した場合には、社内システム5は、ユーザ端末6と社内システム5の間の接続を遮断することができる。
【0064】
ステップS22において、表示部61に表示される作業画面には、例えば第1実施形態の場合と同様に、文字、1次元コード、2次元コード等が追加されてもよい。1次元コード、2次元コード等のコード化された画像が表示される場合には、これらにユーザ端末6のID、時刻、位置情報、ワンタイムパスワード、作業内容を示す情報、時刻に応じて変化する情報等を含めてもよい。紙やディスプレイを用いたなりすましの場合にはこれらの情報が反映されないため、なりすましによる不正な接続を抑止する効果が得られる。また、例えば2次元コード等から取得した時刻と、画像の送信時刻とを照合することにより、改竄の検出を行うこともできる。また、コード化された画像に作業内容を示す情報又は時刻に応じて変化する情報が含まれている場合には、社内システム5の管理者は、作業内容を示す情報又は時刻に応じて変化する情報を含むコードがユーザの眼に映っているかどうかを監視することにより、ユーザが適切に業務を行っているかどうかを監視することができる。あるいは、社内システム5の管理者は、ユーザの眼に映るコードに含まれるこれらの情報と実際の作業内容又は作業時刻とを照合することにより、ユーザが適切に業務を行っているかどうかを監視してもよい。
【0065】
ステップS23において、ユーザ端末6の表示部61に表示されているスクリーンショット画像を更に取得し、ステップS24において、ユーザ端末6から社内システム5に当該スクリーンショット画像を更に送信してもよい。社内システム5において、スクリーンショット画像と眼に映った作業画面画像とを照合することにより、より確実になりすましを抑止することができる。
【0066】
ステップS11乃至ステップS13の虹彩認証をステップS21の接続確立後に行ってもよく、ステップS22乃至ステップS24の作業画面画像取得をステップS21の接続確立の前、あるいは接続確立時に行ってもよい。
【0067】
本実施形態の処理において、虹彩画像又は特徴量をユーザ端末6から社内システム5に送信するステップを更に含んでもよく、その場合、認証部44の機能が社内システム5側に設けられていてもよい。
【0068】
ユーザ端末6の構成は種々の形態とすることが可能である。例えば、眼鏡型等のウェアラブル端末であってもよく、その場合、眼の画像の撮影をより容易に行うことができる。
【0069】
ユーザ端末6の機能は、複数の装置に分かれて設けられていてもよい。この場合のシステム構成は、第1実施形態において複数例示したように、各装置に設ける機能の組み合わせに応じて、種々の構成が採用され得る。したがって、本実施形態のシステム構成は
図10に示すものに限定されるものではない。
【0070】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態として、虹彩認証を用いた入退場管理システムの例を説明する。本実施形態の入退場管理システムは、施設等への入退出時の認証に関するものであり、例えば、コンサート等のイベント会場への入退場、テーマパークへの入退場、工場・事務所への入退場、空港・海港・国境における入出国等の場面に適用され得る。以下では、一例として、イベント会場への入場時の虹彩認証の場面について説明するが、入退出等の生体認証が必要な場面であれば他の用途にも同様に適用可能である。
【0071】
図11は、本実施形態に係る入退場管理システム7の機能ブロック図である。
図11には、入退場管理システム7に設けられたCPUが、プログラムを実行することによりもたらされる機能ブロックが図示されている。本実施形態の入退場管理システム7は、第1実施形態のユーザ端末4と同様に記憶部42、取得部43及び認証部44を備える。各部の詳細及びハードウェア構成については、第1実施形態と同様の構成が適用され得るため、説明を省略する。本実施形態の入退場管理システム7は、画像を取得する取得部43を備えていることから、より一般的に情報取得システムとも呼ばれ得る。
【0072】
図12は、本実施形態に係る入退場管理処理を示すシーケンス図である。
図12のシーケンス図の時系列に沿って入退場管理処理を説明する。本入退場管理処理は、チケットを持ってイベント会場に入場しようとする認証対象者に対して行われるものである。入退場管理システム7には、入退場管理処理のための虹彩認証及びチケットの画像取得のためのプログラムがあらかじめインストールされている。ステップS11よりも前の時刻において、入退場管理システム7の管理者は、入退場管理システム7を操作し、当該プログラムを起動する。
【0073】
ステップS11及びステップS12において、入退場管理システム7の取得部43は、認証対象者の虹彩画像を取得する。ステップS13において、入退場管理システム7の認証部44は、ステップS12の処理により取得された虹彩画像と、あらかじめ取得されている認証対象者の虹彩画像とを照合することにより認証を行う。なお、虹彩画像はより一般的に第1画像とも呼ばれ得る。これらの処理は第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0074】
認証対象者は、イベントに参加するためのチケットを保持している。チケットには、イベント名、イベントの開催日時、チケットID、座席番号等の情報が記載されている。照明又は自然光のチケットでの乱反射により、チケットから投射される光は認証対象者の眼(例えば角膜)で反射する。これにより、認証対象者の眼にはチケットの画像が映る。なお、認証対象者の眼に映る画像はより一般的に第2画像とも呼ばれ得る。
【0075】
ステップS31において、入退場管理システム7の取得部43は、認証対象者の眼に映るチケットの画像(チケット画像)を取得する。チケット画像は、入退場管理システム7の記憶部42に記憶される。
【0076】
入退場管理システム7は、チケット画像から、OCR(Optical Character Recognition)等を用いて取得した情報を種々の用途に用いることができる。例えば、イベント名又はイベントの開催日時を取得する場合には、認証対象者が参加するイベントを間違えていないかを確認する用途に用いることができる。チケットIDを取得する場合には、虹彩画像に対応付けられている認証対象者と合致するかどうかを確認することで、チケットの不正転売、偽造等が行われていないかを検出する用途に用いることができる。座席番号を取得する場合には、入場者を正しい座席に案内する用途に用いることができる。
【0077】
本実施形態では、認証対象者の眼での反射を利用してチケット画像を取得することができる。このようにして取得されたチケット画像に含まれる情報は、生体認証とは異なる種々の用途に用いることができる。
【0078】
このように本実施形態の入退場管理システム7においても、生体認証に用いられる情報の取得とともに、生体認証とは異なる用途に用いられる情報を取得することが可能である。
【0079】
また、本実施形態においても、認証対象者の眼の写真を使う等の手法により虹彩認証時になりすましが行われている場合には、眼で反射したチケット画像の取得ができなくなることからなりすましを抑止する効果も得られる。なお、なりすましを検出した場合には、入退場を禁止する等の措置をとることができる。
【0080】
チケットには文字情報に加えて、1次元コード、2次元コード等のコード化された画像が追加されていてもよい。これらに購入者情報、パスワード等を含めることにより、不正転売、偽造等を抑止する効果が得られる。
【0081】
入退場管理システム7は、複数の装置により構成されていてもよい。例えば、虹彩画像及びチケット画像を取得する端末と、認証等の処理を行うサーバとにより構成されていてもよい。
【0082】
ステップS11乃至ステップS13の虹彩認証をステップS31のチケット画像取得と並行して行ってもよく、ステップS31のチケット画像取得の後に行ってもよい。
【0083】
認証対象者の眼に映る画像は、チケットに限られない。例えば、工場・事務所への入退場の場面であれば、入館証、身分証明書であり得る。空港・海港・国境における入出国等の場面であれば、搭乗券、パスポート、入国書類等であり得る。また、認証対象者の眼に映る画像は、書類、カード等でなくてもよい。例えば、認証対象者がワンタイムパスワード生成器を保持している場合は、認証対象者の眼に映る画像は、ワンタイムパスワード生成器に表示されるパスワードを含んでいてもよい。
【0084】
入退場管理システム7の機能は、複数の装置に分かれて設けられていてもよい。この場合のシステム構成は、第1実施形態において複数例示したように、各装置に設ける機能の組み合わせに応じて、種々の構成が採用され得る。したがって、本実施形態のシステム構成は
図12に示すものに限定されるものではない。
【0085】
[第4実施形態]
上述の実施形態において説明した装置は以下のようにも構成することができる。
図13は、第4実施形態に係る情報取得システム500の機能ブロック図である。情報取得システム500は、取得部501を備える。取得部501は、生体情報を含み、認証対象者の生体認証に用いられる第1画像と、認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づく画像であって、認証対象者の生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む第2画像と、を取得する。
【0086】
本実施形態によれば、生体認証に用いられる情報の取得とともに、生体認証とは異なる用途に用いられる情報を取得することが可能な情報取得システムを提供することができる。
【0087】
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0088】
上述の各実施形態において行われ得る生体認証は、虹彩認証に限定されるものではなく、例えば、顔認証であってもよい。また、生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む画像の取得は、認証対象者の眼からの反射光に基づくものに限られず、身体から反射した光に基づくものであればよい。例えば、認証対象者の顔からの反射光であってもよい。この場合、反射光の強度を確保するために、認証対象者への投射光としてレーザが用いられ得る。
【0089】
上述の各実施形態において、虹彩認証用画像の取得及び眼に映る画像の取得は、認証対象者の片目に対して行ってもよく、両目に対して行ってもよい。片目の画像のみを取得する場合、処理速度の向上、記憶容量の削減の効果があり、両目の画像を取得する場合、認証精度が向上する効果がある。
【0090】
上述の各実施形態において、眼の表面は曲面であるため、眼に映る画像は歪んでいる場合がある。そこで、眼に映る画像を取得した後に眼の曲面の歪を補正するような画像処理を追加してもよい。また、瞳孔、虹彩及び強膜の色の違い等、眼自体に起因するコントラストを補正する画像処理を追加してもよい。
【0091】
第1実施形態におけるユーザ端末4は、決済の場面で用いられ得る端末である。ユーザ端末4は、典型的にはスマートフォン又はタブレット端末であり得るが、これに限定されるものではない。また、第2実施形態におけるユーザ端末6は、テレワークに用いられ得る端末である。ユーザ端末6は、典型的にはノートPCであり得るが、これに限定されるものではない。
【0092】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1又は2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路であってもよい。
【0093】
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0094】
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
【0095】
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0096】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0097】
(付記1)
認証対象者の生体認証に用いられる第1画像と、前記認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づく画像であって、前記認証対象者の生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む第2画像と、を取得する取得部を備えることを特徴とする情報取得システム。
【0098】
(付記2)
前記第1画像は、前記認証対象者の虹彩の画像を含むことを特徴とする付記1に記載の情報取得システム。
【0099】
(付記3)
前記第2画像は、前記認証対象者の眼に映る画像を含むことを特徴とする付記1又は2に記載の情報取得システム。
【0100】
(付記4)
前記第1画像は、前記認証対象者の顔の画像を含み、前記第2画像は、前記認証対象者の顔に映る画像を含むことを特徴とする付記1に記載の情報取得システム。
【0101】
(付記5)
前記第2画像は、前記認証対象者の生体認証を行う装置があらかじめ保有していない情報を含むことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0102】
(付記6)
前記第2画像は、2次元コードを含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0103】
(付記7)
前記第2画像は、前記生体認証の後に実行される決済に関する決済関連情報を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0104】
(付記8)
前記決済関連情報は、商品名及び価格のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする付記7に記載の情報取得システム。
【0105】
(付記9)
前記決済関連情報は、前記決済に対応する取引に関する装置の識別情報、前記取引に関する時刻情報及び前記取引に関する位置情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする付記7又は8に記載の情報取得システム。
【0106】
(付記10)
前記第2画像は、商品の形状を示す画像であることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0107】
(付記11)
前記第2画像は、前記認証対象者が操作する端末の表示部に表示される情報を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0108】
(付記12)
前記第2画像は、前記認証対象者が前記端末を用いて行う作業の内容及び時刻の少なくとも1つに応じて変化する情報を含むことを特徴とする付記11に記載の情報取得システム。
【0109】
(付記13)
前記第2画像は、前記認証対象者が保有するチケットに記載された情報を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0110】
(付記14)
前記取得部は、前記第1画像を1回取得した後、前記第2画像を複数回取得することを特徴とする付記1乃至13のいずれか1項に記載の情報取得システム。
【0111】
(付記15)
認証対象者の生体認証に用いられる第1画像を取得するステップと、
前記認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づく画像であって、前記認証対象者の生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む第2画像を取得するステップと、
を備えることを特徴とする情報取得方法。
【0112】
(付記16)
コンピュータに、
認証対象者の生体認証に用いられる第1画像を取得するステップと、
前記認証対象者の身体に投射され、反射された光に基づく画像であって、前記認証対象者の生体認証とは異なる用途に用いられる情報を含む第2画像を取得するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラムが記憶された記憶媒体。
【0113】
この出願は、2017年8月10日に出願された日本出願特願2017−155190を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。