(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような発光装置では、活性層の材料や基板の材料に基づいて格子整合などの条件を考慮する必要があり、材料の選択肢は大幅に制限される。そのため、活性層とクラッド層との屈折率の差がとり難く、光閉じ込め係数を大きくすることが難しい。
【0006】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、光閉じ込め係数が大きい発光装置を提供することにある。あるいは、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、光閉じ込め係数が大きい発光装置の製造方法を提供することにある。あるいは、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記発光装置を有するプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光装置は、
基体と、
前記基体に設けられ、複数の柱状部を有する積層体と、
前記積層体の前記基体側とは反対側に設けられた電極と、
を有し、
前記柱状部は、
第1半導体層と、
前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた活性層と、
を有し、
前記積層体は、
隣り合う前記柱状部の前記活性層の間に設けられた光伝搬層と、
前記光伝搬層と前記基体との間に設けられ、前記光伝搬層の屈折率よりも低い屈折率を有する第1低屈折率部と、
前記光伝搬層と前記電極との間に設けられ、前記光伝搬層の屈折率よりも低い屈折率を有する第2低屈折率部と、
を有する。
【0008】
このような発光装置では、第1低屈折率部および第2低屈折率部が設けられていない場合に比べて、光閉じ込め係数が大きい。
【0009】
本発明に係る発光装置において、
前記第1低屈折率部は、空隙であってもよい。
【0010】
このような発光装置では、第1低屈折率部が空隙でない場合に比べて、第1低屈折率部の屈折率を低くすることができる。
【0011】
本発明に係る発光装置において、
前記第2低屈折率部は、空隙であってもよい。
【0012】
このような発光装置では、第2低屈折率部が空隙でない場合に比べて、第2低屈折率部の屈折率を低くすることができる。
【0013】
本発明に係る発光装置において、
前記活性層は、ガリウムおよび窒素を含み、
前記光伝搬層は、アルミニウム、ガリウム、および窒素を含んでもよい。
【0014】
このような発光装置では、光伝搬層に含まれるアルミニウムの量を調整することにより、光伝搬層の屈折率を調整することができ、例えば、光伝搬層の屈折率を活性層の屈折率よりも低くすることができる。
【0015】
本発明に係る発光装置において、
前記光伝搬層の屈折率は、前記活性層の屈折率と異なってもよい。
【0016】
このような発光装置では、複数の柱状部は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0017】
本発明に係る発光装置において、
前記活性層の屈折率と前記光伝搬層の屈折率との差は、前記光伝搬層の屈折率と空気の屈折率との差よりも小さくてもよい。
【0018】
このような発光装置では、例えば製造ばらつきにより柱状部の径がばらついたとしても、柱状部の径のばらつきが平面方向の平均屈折率(詳細は後述)に与える影響を小さくすることができる。
【0019】
本発明に係る発光装置において、
前記光伝搬層は、隣り合う前記柱状部の前記第1半導体層の間、および隣り合う前記柱状部の前記第2半導体層の間に設けられ、
前記光伝搬層の隣り合う前記柱状部の前記活性層の間における、前記第1半導体層と前記活性層との積層方向と直交する方向の断面積は、前記光伝搬層の前記基体側の前記直交する方向の断面積よりも大きく、かつ、前記光伝搬層の前記電極側の前記直交する方向の断面積よりも大きくてもよい。
【0020】
このような発光装置では、光閉じ込め係数がより大きい。
【0021】
本発明に係る発光装置において、
前記積層体は、前記柱状部と前記光伝搬層との間に設けられた第1絶縁層を有してもよい。
【0022】
このような発光装置では、光伝搬層に電流が流れることを抑制することができ、効率よく活性層において光を発生させることができる。
【0023】
本発明に係る発光装置において、
前記積層体は、前記光伝搬層と前記電極との間に設けられた第2絶縁層を有してもよい。
【0024】
このような発光装置では、光伝搬層に電流が流れることを抑制することができ、効率よく活性層において光を発生させることができる。
【0025】
本発明に係る発光装置の製造方法は、
基体に、第1半導体層、活性層、および前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層をこの順で形成して、複数の柱状部を形成する工程と、
隣り合う前記柱状部の間に所定の材料を埋め込んで、隣り合う前記柱状部の前記活性層の間に光伝搬層を形成し、前記基体と前記光伝搬層との間に空隙を形成する工程と、
前記光伝搬層をエッチングして、隣り合う前記柱状部の前記第2半導体層の間に空隙を形成する工程と、
前記柱状部の前記基体側とは反対側に、電極を形成する工程と、
を有する。
【0026】
このような発光装置の製造方法では、光閉じ込め係数が大きい発光装置を製造することができる。
【0027】
本発明に係る発光装置にプロジェクターは、
本発明に係る発光装置を有する。
【0028】
このようなプロジェクターでは、本発明に係る発光装置を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0031】
1. 第1実施形態
1.1. 発光装置
まず、第1実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
【0032】
発光装置100は、
図1に示すように、基体10と、積層体20と、第1電極60と、第2電極62と、を有している。
【0033】
基体10は、例えば、板状の形状を有している。基体10は、例えば、Si基板、GaN基板、サファイア基板などである。
【0034】
積層体20は、基体10に(基体10上に)設けられている。積層体20は、バッファー層22と、柱状部30と、光伝搬層40と、第1低屈折率部50と、第2低屈折率部52と、を有している。
【0035】
なお、本発明において、「上」とは、積層体20の積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、柱状部30の活性層34からみて基体10から遠ざかる方向のことであり、「下」とは、積層方向において、活性層34からみて基体10に近づく方向のことである。
【0036】
また、本発明において、「積層体20の積層方向」とは、柱状部30の第1半導体層32と活性層34との積層方向(図示の例では上下方向)のことである。
【0037】
バッファー層22は、基体10上に設けられている。バッファー層22は、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaN層(具体的にはSiがドープされたGaN層)などである。
【0038】
バッファー層22は、第1上面22aと、第2上面22bと、を有している。第1上面22aは、例えば、柱状部30が設けられている面である。第2上面22bは、例えば、第1電極60が設けられている面である。図示の例では、第2上面22bは、第1上面22aよりも下方に位置している面である。
【0039】
柱状部30は、バッファー層22上に設けられている。柱状部30の平面形状(積層方向から見た形状)は、例えば、六角形等の多角形、円などである。柱状部30の径は、例えば、nmオーダーであり、具体的には10nm以上500nm以下である。柱状部30は、例えば、ナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーとも呼ばれる。柱状部30の積層方向の大きさは、例えば、0.1μm以上5μm以下である。
【0040】
なお、本発明において、「径」とは、柱状部30の平面形状が円の場合は、直径であり、柱状部30の平面形状が多角形の場合は、該多角形を内部に含む最小の円(最小包含円)の直径である。
【0041】
柱状部30は、複数設けられている。複数の柱状部30は、互いに離間している。隣り合う柱状部30の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。複数の柱状部30は、平面視において(積層方向からみて)、所定の方向に所定のピッチで配列されている。複数の柱状部30は、平面視において、例えば、三角格子状、四角格子状などに配置されている。複数の柱状部30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0042】
柱状部30は、第1半導体層32と、活性層34と、第2半導体層36と、を有してい
る。
【0043】
第1半導体層32は、バッファー層22上に設けられている。第1半導体層32は、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaN層(具体的にはSiがドープされたGaN層)などである。
【0044】
活性層34は、第1半導体層32上に設けられている。活性層34は、第1半導体層32と第2半導体層36との間に設けられている。活性層34は、例えば、GaN層とInGaN層とから構成された量子井戸(MQW)層を有している。このように、活性層34は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および窒素(N)を含む。量子井戸層は、量子井戸構造を有している。量子井戸層を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。量子井戸層は、電流が注入されることで光を発することが可能な層である。
【0045】
活性層34は、量子井戸層を挟むガイド層を有していてもよい。ガイド層は、例えば、GaN層とInGaN層とから構成された半導体超格子(SL)構造を有している。ガイド層は、量子井戸層と、平面方向(積層方向と直交する方向)に伝搬する光と、の重なりを大きくする(光閉じ込め係数を大きくする)機能を有している。
【0046】
第2半導体層36は、活性層34上に設けられている。第2半導体層36は、第1半導体層32と導電型の異なる層である。第2半導体層36は、例えば、第2導電型(例えばp型)のGaN層(具体的にはMgがドープされたGaN層)などである。半導体層32,36は、活性層34に光を閉じ込める(活性層34から光が漏れることを抑制する)機能を有するクラッド層である。
【0047】
光伝搬層40は、隣り合う柱状部30の間に設けられている。具体的には、光伝搬層40は、隣り合う柱状部30の活性層34の間に設けられている。図示の例では、光伝搬層40は、隣り合う柱状部30の第1半導体層32の間、および隣り合う柱状部30の第2半導体層36の間にも設けられている。光伝搬層40は、例えば、柱状部30と接触している。活性層34で発生した光は、光伝搬層40を通って、平面方向に伝搬することができる。
【0048】
光伝搬層40の屈折率は、活性層34の屈折率と異なる。光伝搬層40は、例えば、AlGaN層である。このように、光伝搬層40は、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、および窒素(N)を含む。例えば、光伝搬層40に含まれるAlの量を調整することにより、光伝搬層40の屈折率を調整することができる。光伝搬層40の屈折率は、例えば、活性層34の屈折率よりも低い。なお、光伝搬層40の屈折率が活性層34の屈折率と異なれば、光伝搬層40の屈折率は、活性層34の屈折率より高くてもよい。活性層34の屈折率と光伝搬層40の屈折率との差は、光伝搬層40の屈折率と空気の屈折率との差よりも小さい。活性層34の屈折率と光伝搬層40の屈折率との差は、例えば、0.1程度である。
【0049】
なお、本発明において、A層がB層とC層との積層構造を有する場合は、「A層の屈折率」とは、B層の屈折率とC層の屈折率との平均のことである。例えば、活性層34がGaN層とInGaN層との積層構造を有する場合は、活性層34の屈折率とは、GaN層の屈折率とInGaN層の屈折率との平均のことである。
【0050】
光伝搬層40の、隣り合う柱状部30の活性層34の間における断面積S
Aは、光伝搬層40の基体10側の断面積S
Bよりも大きく、かつ、光伝搬層40の第2電極62側の断面積S
Cよりも大きい。断面積S
A,S
B,S
Cは、光伝搬層40を積層方向と直交す
る方向(平面方向)で切断した場合の断面積である。断面積S
Bは、光伝搬層40の最も基体10側の位置における断面積である。断面積S
Cは、光伝搬層40の最も第2電極62側の位置における断面積である。
【0051】
光伝搬層40は、第1部分42と、第2部分44と、第3部分46と、を有している。光伝搬層40の第1部分42の断面積(積層方向と直交する平面方向の断面積)は、積層方向において一定(断面積S
A)である。第1部分42は、例えば、直方体の形状を有している。
【0052】
光伝搬層40の第2部分44は、第1部分42の下に位置している。第2部分44の断面積は、第1部分42側から基体10側に向かうに従って、小さくなる。第2部分44は、隣り合う柱状部30の第1半導体層32の間に位置している。第2部分44は、断面積がS
Bとなる部分を有している。
【0053】
光伝搬層40の第3部分46は、第1部分42の上に位置している。第3部分46の断面積は、第1部分42側から第2電極62側に向かうに従って、小さくなる。第3部分46は、隣り合う柱状部30の第2半導体層36の間に位置している。第3部分46は、断面積がS
Cとなる部分を有している。
【0054】
第1低屈折率部50は、光伝搬層40と基体10との間に設けられている。具体的には第1低屈折率部50は、光伝搬層40とバッファー層22との間に設けられている。図示の例では、第1低屈折率部50は、第1凹部45に設けられた部分を有している。第1凹部45は、光伝搬層40の第2部分44によって規定されている。第1低屈折率部50は、光伝搬層40よりも低い屈折率を有している。図示の例では、第1低屈折率部50は、バッファー層22、第1半導体層32、および光伝搬層40によって囲まれた空隙(空気)である。第1凹部45の断面積(積層方向と直交する平面方向の断面積)は、基体10側から第2電極62側に向かうに従って、小さくなる。
【0055】
第2低屈折率部52は、光伝搬層40と第2電極62との間に設けられている。図示の例では、第2低屈折率部52は、第2凹部47に設けられている。第2凹部47は、光伝搬層40の第3部分46によって規定されている。第2低屈折率部52は、光伝搬層40よりも低い屈折率を有している。図示の例では、第2低屈折率部52は、光伝搬層40および第2電極62によって囲まれた空隙(空気)である。第2凹部47の断面積は、第2電極62側から基体10側に向かうに従って、小さくなる。
【0056】
積層体20の第1低屈折率部50が設けられている部分における平面方向の平均屈折率、および積層体20の第2低屈折率部52が設けられている部分における平面方向の平均屈折率は、積層体20の活性層34が設けられている部分における平面方向の平均屈折率よりも小さい。
【0057】
ここで、「平面方向の平均屈折率」とは、積層方向の所定の位置において、積層方向と直交する方向の平均屈折率であり、積層体20の柱状部30が設けられている部分の平面方向の平均屈折率n
AVEは、下記式(1)として表される。
【0059】
ただし、式(1)において、ε
1は、柱状部30の誘電率(すなわち、第1半導体層3
2、活性層34、または第2半導体層36の誘電率)である。ε
2は、光伝搬層40の誘電率である。ε
3は、第1低屈折率部50または第2低屈折率部52の誘電率である。φ
1は、積層方向の所定の位置において、平面方向における積層体20の断面積Sと、平面方向における柱状部30の断面積S
1と、の比S
1/Sである。φ
2は、積層方向の所定の位置において、断面積Sと、平面方向における光伝搬層40の断面積S
2と、の比S
2/Sである。なお、積層方向の所定の位置において、平面方向における第1低屈折率部50または第2低屈折率部52の断面積S
3とすると、S=S
1+S
2+S
3である。
【0060】
発光装置100では、p型の第2半導体層36、不純物がドーピングされていない活性層34、およびn型の第1半導体層32により、pinダイオードが構成される。第1半導体層32および第2半導体層36の各々は、活性層34よりもバンドギャップが大きい層である。発光装置100では、第1電極60と第2電極62との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると(電流を注入すると)、活性層34において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。活性層34において発生した光は、半導体層32,36により平面方向に光伝搬層40を通って伝搬して、柱状部30によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、活性層34において利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および−1次回折光をレーザー光として、積層方向に(第2電極62側および基体10側に)出射する。
【0061】
なお、図示はしないが、基体10とバッファー層22との間、または基体10の下に反射層が設けられていてもよい。該反射層は、例えば、DBR(Distributed Bragg Reflector)層である。該反射層によって、活性層34において発生した光を反射させることができ、発光装置100は、第2電極62側からのみ光を出射することができる。
【0062】
第1電極60は、バッファー層22上に設けられている。図示の例では、第1電極60は、バッファー層22の第2上面22bに設けられている。バッファー層22は、第1電極60とオーミックコンタクトしていてもよい。第1電極60は、第1半導体層32と電気的に接続されている。図示の例では、第1電極60は、バッファー層22を介して、第1半導体層32と電気的に接続されている。第1電極60は、活性層34に電流を注入するための一方の電極である。第1電極60としては、例えば、バッファー層22側から、Ti層、Al層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。
【0063】
なお、図示はしないが、積層体20は、第1電極60とバッファー層22との間に、第1コンタクト層を有していてもよい。第1コンタクト層は、第1電極60とオーミックコンタクトしていてもよい。第1コンタクト層は、n型のGaN層であってもよい。また、基体10が導電性の場合には、図示はしないが、第1電極60は、基体10の下に設けられていてもよい。
【0064】
第2電極62は、第2半導体層36上および第2低屈折率部52上に設けられている。第2電極62は、積層体20の基体10側とは反対側に設けられている。第2半導体層36は、第2電極62とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極62は、第2半導体層36と電気的に接続されている。第2電極62は、活性層34に電流を注入するための他方の電極である。第2電極62としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いる。
【0065】
なお、図示はしないが、積層体20は、第2電極62と第2半導体層36との間に、第2コンタクト層を有していてもよい。第2コンタクト層は、第2電極62とオーミックコンタクトしていてもよい。第2コンタクト層は、p型のGaN層であってもよい。
【0066】
また、上記では、InGaN系の活性層34について説明したが、活性層34としては、電流が注入されることで発光可能なあらゆる材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。
【0067】
発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0068】
発光装置100では、積層体20は、隣り合う前記柱状部30の活性層34の間に設けられた光伝搬層40と、光伝搬層40と基体10との間に設けられ、光伝搬層40の屈折率よりも低い屈折率を有する第1低屈折率部50と、光伝搬層40と第2電極62との間に設けられ、光伝搬層40の屈折率よりも低い屈折率を有する第2低屈折率部52と、を有する。そのため、発光装置100では、第1低屈折率部50および第2低屈折率部52が設けられていない場合(例えば、隣り合う前記柱状部30の間が光伝搬層40によって充填されている場合)や、隣り合う前記柱状部30の間に光伝搬層40が設けられていない場合に比べて、積層体20の活性層34が設けられている部分における平面方向の平均屈折率と、積層体20の第1低屈折率部50が設けられている部分における平面方向の平均屈折率と、の差を大きくすることができる。さらに、発光装置100では、積層体20の活性層34が設けられている部分における平面方向の平均屈折率と、積層体20の第2低屈折率部52が設けられている部分における平面方向の平均屈折率と、の差を大きくすることができる。したがって、発光装置100では、光閉じ込め係数が大きく、活性層34で発生した光が平面方向に伝搬する際に、活性層34に光を閉じ込めることができる。その結果、発光装置100では、しきい値電流密度を低減することができる。
【0069】
なお、
図1では、発光装置100の積層方向の位置における光強度を模式的に示している。図示の例では、活性層34において、光強度のピーク(最大となるピーク)が位置している。
【0070】
図2に示すように、隣り合う柱状部1030の間に光伝搬層40が設けられていない発光装置1000(参考例に係る発光装置1000)では、例えば、積層体1020の活性層1034が設けられている部分における平面方向の平均屈折率と、積層体1020の第2半導体層1036が設けられている部分における平面方向の平均屈折率と、の差が小さく、活性層1034で発生した光が第2電極1062側に漏れて第2電極1062で吸収される場合がある。一方、発光装置100は、上記のように光閉じ込め係数が大きいため、活性層34で発生した光が第2電極62側に漏れて第2電極62で吸収されることを抑制することができる。
【0071】
なお、発光装置1000は、基体1010と、積層体1020と、第1電極1060と、第2電極1062と、を有している。積層体1020は、バッファー層1022と、柱状部1030と、有している。柱状部1030は、第1半導体層1032と、活性層1034と、第2半導体層1036と、を有している。図示の例では、隣り合う柱状部30の第2半導体層1036の上部は、互いに接続している。
【0072】
さらに、発光装置100では、積層体20は、複数の柱状部30を有している。そのため、発光装置100では、フォトニック結晶の効果により、狭放射角で光を出射することができる。
【0073】
発光装置100では、第1低屈折率部50は、空隙である。そのため、発光装置100では、第1低屈折率部50が空隙でない場合に比べて、第1低屈折率部50の屈折率を低くすることができる。これにより、積層体20の第1低屈折率部50が設けられている部分における平面方向の平均屈折率を、低くすることができる。
【0074】
発光装置100では、第2低屈折率部52は、空隙である。そのため、発光装置100では、第2低屈折率部52が空隙でない場合に比べて、第2低屈折率部52の屈折率を低くすることができる。これにより、積層体20の第2低屈折率部52が設けられている部分における平面方向の平均屈折率を、低くすることができる。
【0075】
発光装置100では、活性層34は、ガリウムおよび窒素を含み、光伝搬層40は、アルミニウム、ガリウム、および窒素を含む。そのため、発光装置100では、光伝搬層40に含まれるAlの量を調整することにより、光伝搬層40の屈折率を調整することができ、例えば、光伝搬層40の屈折率を活性層34の屈折率よりも低くすることができる。
【0076】
発光装置100では、光伝搬層40の屈折率は、活性層34の屈折率と異なる。そのため、発光装置100では、複数の柱状部30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0077】
発光装置100では、活性層34の屈折率と光伝搬層40の屈折率との差は、光伝搬層40の屈折率と空気の屈折率との差よりも小さい。そのため、発光装置100では、例えば製造ばらつきにより柱状部30の径がばらついたとしても、柱状部30の径のばらつきが平面方向の平均屈折率に与える影響を小さくすることができる。したがって、発光装置100では、安定した特性を有することができる。さらに、発光装置100では、製造マージンを確保することができる。
【0078】
発光装置100では、光伝搬層40の隣り合う柱状部30の活性層34の間における断面積S
Aは、光伝搬層40の基体10側の断面積S
Bよりも大きく、かつ、光伝搬層40の第2電極62側の断面積S
Cよりも大きい。そのため、発光装置100では、断面積S
Aを有する第1部分42と、第1部分42の基体10側に位置し断面積がS
Bとなる部分を有する第2部分44と、第1部分42の第2電極62側に位置し断面積がS
Cとなる部分を有する第3部分46と、を有することができる。第2部分44は、第1部分42側から基体10側に向かうに従って断面積が小さくなる。第3部分46は、第1部分42側から第2電極62側に向かうに従って断面積が小さくなる。したがって、発光装置100では、積層体20の第1低屈折率部50が設けられている部分から、積層体20の活性層34が設けられている部分に向けて、平面方向の平均屈折率を緩やかに変化させることができる。さらに、発光装置100では、積層体20の第2低屈折率部52が設けられている部分から、積層体20の活性層34が設けられている部分に向けて、平面方向の平均屈折率を緩やかに変化させることができる。よって、発光装置100では、平面方向の平均屈折率が急峻に変化する場合に比べて、光閉じ込め係数がより大きい。例えば低屈折率部50,52が直方体の形状を有する場合は、平面方向の平均屈折率が急峻に変化する。
【0079】
1.2. 発光装置の製造方法
次に、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図3は、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図4〜
図6は、第1実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0080】
図4に示すように、基体10に、バッファー層22を形成する(ステップS11)。具体的には、基体10上に、バッファー層22をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。次に、バッファー層22をエッチングして、第2上面22bを露出させる。
【0081】
次に、バッファー層22上にマスク層(図示せず)を形成する。具体的には、バッファー層22上にマスク層となる材料層(図示せず)を形成する。次に、材料層上にレジスト層(図示せず)を塗布し、該レジスト層を電子線リソグラフィーによって描画して、現像する。次に、材料層を、Cl
2ガスを用いてICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング装置によってエッチングする。以上の工程により、マスク層を形成することができる。マスク層は、例えば、チタン(Ti)層、酸化チタン(TiO
2)層、酸化シリコン(SiO
2)層などである。
【0082】
図5に示すように、マスク層をマスクとして、基体10に、バッファー層22を介して、第1半導体層32、活性層34、および第2半導体層36をこの順で形成して、複数の柱状部30を形成する(ステップS12)。
【0083】
具体的には、バッファー層22上に、第1半導体層32、活性層34、および第2半導体層36をこの順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。
【0084】
図6に示すように、隣り合う柱状部30の間に所定の材料(具体的は、光伝搬層40となる半導体材料)を埋め込んで、隣り合う柱状部30の活性層34の間に光伝搬層40を形成し、基体10と光伝搬層40との間に第1低屈折率部(空隙)50を形成する(ステップS13)。
【0085】
具体的には、光伝搬層40となる半導体材料は、例えばMOCVD法などを用いて、隣り合う柱状部30の間に埋め込まれる。MOCVD法は、例えば、ステップS12のときよりも、平面方向に成長しやすい条件で行われる。隣り合う柱状部30の間隔は、例えば50nm程度と非常に小さいことから、光伝搬層40となる半導体材料がバッファー層22に到着する前に、隣り合う柱状部30の上部の隙間が塞がる。そのため、光伝搬層40と基体10との間には、第1低屈折率部(空隙)50が形成される。これにより、光伝搬層40は、第2部分44を有することができる。図示の例では、光伝搬層40は、柱状部30上にも形成されている。
【0086】
図1に示すように、光伝搬層40をエッチングして、隣り合う柱状部30の第2半導体層の間に第2低屈折率部(空隙)52を形成する(ステップS14)。
【0087】
具体的には、柱状部30に電界をかけながら、エッチング液としてシュウ酸を用いて、光伝搬層40をウェットエッチングする。これにより、選択的に光伝搬層40をエッチングすることができる。本工程のエッチングは、等方性のエッチングであるため、光伝搬層40は、上方では開口が広く、下方に向かうに従って開口が狭くなるようにエッチングされる。これにより、光伝搬層40は、第3部分46を有することができる。
【0088】
次に、柱状部30上に(柱状部30の基体10側とは反対側に)、第2電極62を形成する(ステップS15)。
【0089】
具体的には、第2電極62は、真空蒸着法などによって形成される。真空蒸着法は、柱状部30の側面への回り込みが少なく、第2低屈折率部52である空隙が埋まる前に、第2低屈折率部52上において、隣り合う柱状部30の隙間が塞がる。
【0090】
次に、バッファー層22上に、第1電極60を形成する(ステップS16)。第1電極60は、例えば、真空蒸着法などによって形成される。なお、第1電極60を形成する工程と、第2電極62を形成する工程と、の順番は、限定されない。
【0091】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0092】
1.3. 発光装置の変形例
次に、第1実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第1実施形態の変形例に係る発光装置110を模式的に示す断面図である。以下、第1実施形態の変形例に係る発光装置110において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0093】
上述した発光装置100では、
図1に示すように、第2低屈折率部52は、空隙であった。これに対し、発光装置110では、
図7に示すように、第2低屈折率部52は、空隙ではない。
【0094】
発光装置110では、第2低屈折率部52は、ポリイミド層やBCP(ベンゾシクロブテン)層などの樹脂層である。第2低屈折率部52の材質は、例えば、スピンコート法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって形成される。
【0095】
発光装置110は、上述した発光装置100と同様の効果を有することができる。
【0096】
発光装置110では、第2低屈折率部52は、樹脂層である。そのため、第2電極62が第2凹部47に進入することを、より確実に抑制することができる。第2電極62が第2凹部47に進入すると、第2電極62と、光伝搬層40の隣り合う柱状部30の活性層34の間の部分と、の間の距離が小さくなり、活性層34で発生した光が平面方向に伝搬する際に、第2電極62において吸収される可能性が高くなる。
【0097】
なお、図示はしないが、第1低屈折率部50および第2低屈折率部52が樹脂層であってもよい。また、第1低屈折率部50が樹脂層であり、第2低屈折率部52が空隙であってもよい。
【0098】
2. 第2実施形態
2.1. 発光装置
次に、第2実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図8は、第2実施形態に係る発光装置200を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る発光装置200において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0099】
上述した発光装置100では、
図1に示すように、柱状部30と光伝搬層40とは、接触していた。これに対し、発光装置200では、
図8に示すように、積層体20は、柱状部30と光伝搬層40との間に設けられた第1絶縁層70を有している。
【0100】
図示の例では、第1絶縁層70は、柱状部30の側面およびバッファー層22上に設けられている。積層体20は、さらに、第2絶縁層72を有している。第2絶縁層72は、光伝搬層40上に設けられている。第2絶縁層72は、光伝搬層40と第2電極62との間に設けられている。
【0101】
第1絶縁層70および第2絶縁層72の厚さは、例えば、10nm以上100nm以下である。第1絶縁層70および第2絶縁層72は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)層などである。
【0102】
発光装置200は、上述した発光装置100と同様の効果を有することができる。
【0103】
発光装置200では、積層体20は、柱状部30と光伝搬層40との間に設けられた第1絶縁層70を有する。そのため、発光装置200では、柱状部30と光伝搬層40とを絶縁させることでき、柱状部30を流れる電流が光伝搬層40に進入することを抑制することができる。したがって、発光装置200では、光伝搬層40に電流が流れることを抑制することができ、効率よく活性層34において光を発生させることができる。
【0104】
発光装置200では、積層体20は、光伝搬層40と第2電極62との間に設けられた第2絶縁層72を有する。そのため、発光装置200では、光伝搬層40に電流が流れることを抑制することができ、効率よく活性層34において光を発生させることができる。
【0105】
なお、図示はしないが、発光装置200では、上述した発光装置110のように、第2低屈折率部52が樹脂層であってもよい。
【0106】
2.2. 発光装置の製造方法
次に、第2実施形態に係る発光装置200の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図9は、第2実施形態に係る発光装置200の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図10〜
図13は、第2実施形態に係る発光装置200の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0107】
以下、第2実施形態に係る発光装置200の製造方法において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の製造方法の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略または簡略する。
【0108】
図10に示すように、基体10上に、バッファー層22を形成する(ステップS21)。次に、バッファー層22上にマスク層(図示せず)を形成する。
【0109】
次に、マスク層をマスクとして、基体10に、バッファー層22を介して、第1半導体層32、活性層34、および第2半導体層36をこの順で形成して、複数の柱状部30を形成する(ステップS22)。
【0110】
次に、柱状部30を被覆するように(柱状部30の側面および上面に)第1絶縁層70を形成する(ステップS23)。図示の例では、バッファー層22上にも第1絶縁層70を形成している。第1絶縁層70は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)法などによって形成される。これにより、柱状部30の根元まで第1絶縁層70で被覆することができる。
【0111】
図11に示すように、隣り合う柱状部30の間に所定の材料(具体的は、光伝搬層40となる半導体材料)を埋め込んで、光伝搬層40および第1低屈折率部50を形成する(ステップS24)。
【0112】
図12に示すように、光伝搬層40をエッチングして、隣り合う柱状部30の第2半導体層の間に第2低屈折率部52を形成する(ステップS25)。
【0113】
図13に示すように、光伝搬層40上に第2絶縁層72を形成する(ステップS26)。図示の例では、柱状部30上に設けられた第1絶縁層70上にも、第2絶縁層72を形成している。第2絶縁層72は、例えば、ALD法などによって形成される。
【0114】
図8に示すように、柱状部30上の第1絶縁層70および第2絶縁層72を除去する(ステップS27)。具体的には、RIE(Reactive Ion Etching)エッチング装置を用いた異方性エッチングによって、絶縁層70,72を除去して柱状部30の上面を露出させる。RIEエッチング装置で発生するプラズマは、隣り合う柱状部30の間には入り込み難いため、光伝搬層40上には第2絶縁層72が残る。
【0115】
次に、柱状部30上に、第2電極62を形成する(ステップS28)。
【0116】
次に、バッファー層22上の第1絶縁層70をエッチングして第2上面22bを露出させ、第2上面22bに第1電極60を形成する(ステップS29)。
【0117】
以上の工程により、発光装置200を製造することができる。
【0118】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。
図14は、第3実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す図である。
【0119】
本発明に係るプロジェクターは、本発明に係る発光装置を有している。以下では、本発明に係る発光装置として発光装置100を有するプロジェクター900について説明する。
【0120】
プロジェクター900は、筐体(図示せず)と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bの各々は、例えば、複数の発光装置100を積層方向と直交する方向にアレイ状に配置させ、複数の発光装置100において基体10を共通基板としたものである。光源100R,100G,100Bの各々を構成する発光装置100の数は、特に限定されない。なお、便宜上、
図14では、プロジェクター900を構成する筐体を省略し、さらに光源100R,100G,100Bを簡略化している。
【0121】
プロジェクター900は、さらに、筐体内に備えられているレンズアレイ902R,902G,902B、透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)904R,904G,904B、および投射レンズ(投射装置)908を有している。
【0122】
光源100R,100G,100Bから出射された光は、各レンズアレイ902R,902G,902Bに入射する。光源100R,100G,100Bから出射された光は、レンズアレイ902R,902G,902Bによって、集光され、例えば重畳(一部重畳)されることができる。これにより、均一性よく液晶ライトバルブ904R,904G,904Bを照射することができる。
【0123】
各レンズアレイ902R,902G,902Bによって集光された光は、各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bに入射する。各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bは、入射した光をそれぞれ画像情報に応じて変調する。そして、投射レンズ908は、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bによって形成された像(画像)を拡大してスクリーン(表示面)910に投射する。
【0124】
また、プロジェクター900は、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bから出射された光を合成して投射レンズ908に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)906を、有することができる。
【0125】
各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム906に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射レンズ908によりスクリーン910上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0126】
なお、光源100R,100G,100Bは、光源100R,100G,100Bを構成する発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御する(変調する)ことで、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射レンズ908は、光源100R,100G,100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン910に投射してもよい。
【0127】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0128】
また、光源100R,100G,100Bを、光源100R,100G,100Bからの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
本発明に係る発光装置の用途は、上述した実施形態に限定されず、プロジェクター以外にも、屋内外の照明、ディスプレイのバックライト、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源としても用いることが可能である。
【0129】
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
【0130】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。