(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の移動体に取り付けられる第1の機器と、第2の移動体に取り付けられる第2の機器と、第3の移動体に取り付けられる第3の機器とを有するイベント演出システムであって、
前記第1の機器は、
前記第2の機器の動作を制御する動作制御情報を含む第1の制御コマンドを生成する制御手段と、
所定強度の電波を出力し該所定強度の電波が到達可能な距離範囲内に前記第1の制御コマンドを無線送信する通信手段と、
前記第2の機器の動作を変更させる変更手段とを有し、
前記第2の機器は、
前記第1の制御コマンドを無線受信する通信手段と、
無線受信した前記第1の制御コマンドに含まれる動作制御情報に応じた動作を実行する動作実行手段と、
前記第3の機器の動作を制御する動作制御情報を含む第2の制御コマンドを生成する制御手段と、
所定強度の電波を出力し該所定強度の電波が到達可能な距離範囲内に前記第2の制御コマンドを無線送信する通信手段とを有し、
前記第3の機器は、
前記第2の制御コマンドを無線受信する通信手段と、
無線受信した前記第2の制御コマンドに含まれる動作制御情報に応じた動作を実行する動作実行手段とを有し、
前記変更手段により前記第2の機器の動作が変更された場合、
前記第1の機器の前記制御手段は、前記第2の機器の前記制御手段が生成する前記第2の制御コマンドの動作制御情報の内容を変更させるための動作制御情報を含む前記第1の制御コマンドを生成し、
前記第2の機器の前記動作実行手段は、前記第1の制御コマンドの動作制御情報に応じて、前記第2の機器の前記制御手段が生成する前記第2の制御コマンドの動作制御情報の内容を変更し、
前記第2の機器の前記制御手段は、変更された内容の動作制御情報を含む前記第2の制御コマンドを生成すること、
を特徴とするイベント演出システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るイベント演出システムの構成例を示す図である。
図1のイベント演出システム100は、制御機器10と、被制御機器20とを有する。
【0014】
制御機器10は、被制御機器20を制御する小型の制御機器である。制御機器10は、例えばコンサートステージ50のアーティストやダンサーなどの人、空中を飛行するドローンや気球などの飛行体、観客席に投げ込まれるバルーン、所定のレール上を移動しコンサート模様を撮影するカメラなど、コンサート会場内を移動する移動体に取り付けられる。また、人に取り付けられる制御機器10については、例えば、腕輪や時計形状のようなもの又はベルトのバックル等のように身体の一部に装着しやすい形状のものとなっている。
【0015】
被制御機器20は、例えばスマートフォン(以下スマホという)など、観客が各自所持する携帯端末である。観客は被制御機器20を必ずしも手で保持しておく必要はなく、所定のストラップなどを用いて首などにぶら下げる。また、被制御機器20には予め所定のアプリケーションプログラム(被制御機器用プログラムという)がインストールされる。なお、コンサート会場において、観客は固定座席がある場合は座席に着席するものの、ときに任意に移動したり、固定座席がない場合は任意のスペースに着席するため、被制御機器20についても観客という移動体に取り付けられる。
【0016】
ここで、制御機器10からは所定強度の電波が出力されており、制御機器10と被制御機器20との距離が一定距離α以下になった場合、被制御機器20は、制御機器10から到達した電波による制御コマンドを無線電波を介して受信する。なお、αは例えば5mとする。即ち、所定強度の電波が到達可能な距離範囲α内に位置する被制御機器20だけが、制御機器10からの制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに従って動作を実行する。
【0017】
制御コマンドは、制御対象となる機器の機器ID及び動作制御情報を含む。被制御機器20は、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の有する機器IDと一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作を実行する。
【0018】
動作制御情報は、被制御機器の動作を制御するための具体的な動作を示す情報であり、例えば、被制御機器20がスマホの場合、スマホ画面(又はライト)を発光させる、発光色を変更する、画面上に文字を表示させる、スマホに振動(バイブ)を発生させる、スピーカーから音声を出力する等の動作制御がある。
【0020】
図2は、本実施形態に係る制御機器及び被制御機器のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示されるように、制御機器10は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、表示装置13、入力装置14、マイク15、ジャイロセンサー16、及び通信装置17を有する。
【0021】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。メモリ12は、制御機器用プログラムや各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0022】
表示装置13は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイなどで実現されるカラーディスプレイである。入力装置14は、固有の操作キーやボタンなどで実現される。入力装置14は、操作キーやボタンに代え、ディスプレイ画面上のタップ座標(タッチ座標)を検知可能なタッチパネルにより実現されてもよい。この場合、入力操作14は、画面上のタッチパネルと、プログラムにより制御されるソフトウェアキー等とにより実現される。
【0023】
マイク15は音声を入力する。ジャイロセンサー(角速度センサー)16は、回転角速度の測定を実現する慣性センサーである。制御機器10の角度が単位時間当たりどれだけ変化しているか、つまり物体が回転している速度を検知する。
【0024】
通信装置17は、被制御機器20と無線通信を行うための装置である。ここで、本実施形態に係る通信装置17は、近距離無線通信規格の1つであるBluetooth(登録商標)を用いる。従来はその規格上一体一通信という制約があったが、近年一体多通信(制御機器と複数の被制御機器)も対応するようになっている。
【0025】
なお、Bluetooth(登録商標)の対応機器同士を最初に使用する際には、接続相手を特定するためペアリングと呼ばれる操作が必要になるが、本実施形態において制御機器10と被制御機器20との間でそのような操作の実行を省略するため、制御機器10は制御機器用プログラム内において、予め被制御機器20を接続相手として登録・指定しておく。
【0026】
また、
図2に示されるように、被制御機器20の一例としてのスマホは、CPU21、メモリ22、表示装置23、入力装置24、振動装置25、スピーカー26、及び通信装置27を有する。
【0027】
CPU21は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。メモリ22は、被制御機器用プログラムや各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0028】
表示装置23は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイなどで実現されるカラーディスプレイである。入力装置24は、固有の操作キーやボタン、もしくは、ディスプレイ画面上のタップ座標を検知可能なタッチパネルにより実現される。
【0029】
振動装置25は振動(バイブ)を発生させる。スピーカー26は音声を出力する。ライト27は、スマホに備えられた小型照明である。ペンライトのような光を発生させる。
【0030】
通信装置28は、制御機器10と無線通信を行うための装置である。本実施形態に係る通信装置28は、近年のスマホには殆ど標準搭載されるBluetooth(登録商標)を用いる。被制御機器20は、被制御機器用プログラム内において、予め制御機器10を接続相手として登録・指定しておく。
【0031】
なお、上記の制御機器10及び被制御機器20のハードウェア構成例はあくまで一例である。後述するように、被制御機器20をスマホの他、例えばドローンに適用する場合、その機器によってハードウェア構成が変わることは言うまでもない。
【0033】
図3は、本実施形態に係る制御機器及び被制御機器のソフトウェア構成例を示す図である。
【0034】
制御機器10は、主な機能部として、制御部101、通信部102、変更部103を有する。
【0035】
制御部101は、制御対象となる被制御機器20の識別子と、被制御機器20の動作を制御する動作制御情報を含む制御コマンドを生成する機能を有している。なお、被制御機器20は予め自機器の識別子(例えば、機器ID等)を有する。
【0036】
通信部102は、所定強度の電波を出力し所定強度の電波が到達可能な距離範囲内に制御コマンドを無線送信する機能を有している。
【0037】
変更部103は、被制御機器20の動作を変更させる機能を有している。
【0038】
被制御機器20は、主な機能部として、通信部201、動作実行部202を有する。
【0039】
通信部201は、制御コマンドを無線受信する機能を有している。
【0040】
動作実行部202は、無線受信した制御コマンドに含まれる被制御機器20の識別子と、自機器が有する識別子とが一致した場合、無線受信した制御コマンドに含まれる動作制御情報に応じた動作を実行する機能を有している。
【0041】
なお、各機能部は、制御機器10及び被制御機器20を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。
[第1実施例]
【0042】
第1実施例として、例えば、コンサート会場において本発明を適用した例(その1)を説明する。
【0043】
図4は、本実施例に係るコンサート会場のイベント演出システムの構成例を示す図である。
図4において、コンサート会場内の観客は被制御機器20としてのスマホ20aを各自所持している。また制御機器10はコンサート会場における「移動体」として、例えば、自在に動き回るアーティスト等の人10a、観客の上空を飛行するドローン10b、観客席を自由に移動するバルーン10c、所定のレール上を移動する撮影用のカメラ10dに取り付けられている。以下「移動体」毎に説明する。
【0044】
(人10aに取り付けた制御機器10)
【0045】
人10aは、例えば、アーティスト、ダンサーである。アーティスト、ダンサーはコンサート会場内を制限無く自在に動き回る。また、天井等からワイヤー等により吊られることで、会場内空間を移動することもできる。
【0046】
図5は、本実施例に係るスマートウォッチタイプの制御機器の一例を示す図である。上述したように、人10aに取り付けられる制御機器10は、例えば、腕輪や時計形状のもの又はベルトのバックル等のような身体の一部に装着しやすい形状である。
【0047】
人10aに制御機器10が取り付けられた場合、当該人10aを中心として距離半径α(例えば5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する。一方、当該人10aを中心として距離半径αの円範囲外に位置する観客のスマホ20aに対しては、制御機器10からの制御コマンドが到達しない。
【0048】
スマホ20aは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、画面発光等)を実行する。なお、スマホ20aの有する機器IDは、予め被制御機器用プログラム内にセットされている。
【0049】
上述したように、被制御機器20がスマホの場合、スマホ画面(又はライト)を発光させる、発光色を変更する、画面上に文字を表示させる、スマホに振動を発生させる、スピーカーから音声を出力する等の動作制御がある。
【0050】
例えば、動作制御情報が画面発光の場合、薄暗いコンサート会場において、例えば、アーティストやダンサーなどの人10aを中心として観客の所持するスマホ20aが発光し、人10aが周辺のスマホにより照らし出される(発光しているように見える)。また、人10aがコンサート会場内を自在に動き回るにつれ、スポットライトに照らされ続けるが如く、移動する人10aを観客の所持するスマホ20aが追うようにして発光する。
【0051】
また、動作制御情報が振動の場合、制御機器10は制御コマンドを制御し、発生する振動を進行中の楽曲のビートと同期・共鳴させる。当該アーティスト等の人10aを中心とするスマホ20aの振動から生じる個々の振動音と、会場内のスピーカーから溢れる楽曲のビートとが同期・共鳴することで、新たな演出が生まれ一層のコンサートの盛り上がりが期待される。
【0052】
また、動作制御情報が音声出力の場合、制御機器10は制御コマンドを制御し、出力する音声を進行中の楽曲音声と同期・共鳴させる。アーティスト等の人10aを中心として取り囲んで出力されるため、アーティストの楽曲音声に対するコーラス音声を出力してもよい。当該アーティスト等の人10aの楽曲や音声と、スマホ20aのスピーカーから出力される音声とが同期・共鳴することで、新たな演出が生まれ一層のコンサートの盛り上がりが期待される。
【0053】
また、動作制御情報が文字・画像表示の場合、制御機器10は制御コマンドを制御し、コンサート中にスマホ20aの画面に様々な文字や画像を表示する。表示文字は楽曲中の歌詞でもよいし、アーティストからの近くに位置する観客だけに送られるシークレットメッセージでもよいし、アーティスト等の写真画像などでもよい。
【0054】
なお、制御機器10の制御コマンドは、画面発光及び振動発生というように、同時に複数の動作制御情報を含むことが可能である。
【0055】
更に、アーティスト等の人10aは、上述スマートウォッチタイプの制御機器10を操作し(
図5)、制御コマンドを操作・変更することが可能である。スマートウォッチタイプの制御機器10には液晶タッチパネル上、制御対象となる被制御機器を指定する「機器指定ボタン」及び動作制御を指定する「動作ボタン」が設けられており、ボタン操作により制御コマンドに含まれる機器ID及び動作制御情報を人10aが任意で設定・変更することが可能である。
【0056】
例えば、人10aがスマートウォッチタイプの制御機器10において、スマホ20aの機器IDを指定する「機器指定ボタン」と、振動を指定する「動作ボタン」を押下すると、これらボタンに対応した機器ID(Smartphone)及び動作制御情報(振動)を含む制御コマンドが送信される。
【0057】
これにより、アーティスト等の人10aは、任意の意思とタイミングでスマホ画面を発光させたり点滅させたり発光色を変化させたり振動させたりするなど、多様に演出を変更できる。
【0058】
また、上述のボタン操作に代え、スマートウォッチタイプの制御機器10を着用した人10aによる所定動作、例えば腕を大きく振る、回す、たたく、所定のステップを踏むなどの所定動作もしくは複数の所定動作の組み合わせにより、所定動作に対応した動作の制御コマンドが送信されるようにすることも可能である。この場合、スマートウォッチタイプの制御機器10はジャイロセンサー16(
図2)を備え、人10aによる所定動作の操作を検知し判定する。
【0059】
これにより、アーティスト等の人10aは、腕を大きく回す等のパフォーマンスと同時に制御コマンド操作を行えるため、例えば、アーティストやダンサーのアクション動作に合わせるように、スマホ画面が発光したり点滅したりもしくは発光色が変化したりなど、多様な演出を実現できる。
【0060】
また、上述のボタン操作に代え、人10aによる所定音声の入力、例えば「皆さん、どうもありがとう!」、「また会いましょう!」、又は「○○○(歌詞の一部)」など所定音声の入力により、所定音声に対応した動作の制御コマンドが送信されるようにすることも可能である。この場合、スマートウォッチタイプの制御機器10はマイク15(
図2)を備え、人10aによる所定音声の入力を検知し判定する。
【0061】
これにより、アーティスト等の人10aは、所定音声の入力と同時に制御コマンド操作を行えるため、例えば、アーティストやダンサーの発声する言葉、台詞、歌詞に合わせるように、スマホ画面が発光したり点滅したりもしくは発光色が変化させたり、さらにはこれらの音声に対応してライブの次回予告を瞬時に観客のスマホに表示したりなど、多様な演出を実現できる。
【0062】
(ドローン10bに取り付けた制御機器10)
【0063】
ドローン10bは、コンサート会場内の観客上空を飛行移動する。ドローン10bに制御機器10が取り付けられた場合、当該ドローン10bを中心として距離半径α(例えば5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する。一方、当該ドローン10bを中心として距離半径αの円範囲外に位置する観客のスマホ20aに対しては、制御機器10からの制御コマンドが到達しない。
【0064】
スマホ20aは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、画面発光等)を実行する。
【0065】
例えば、動作制御情報が画面発光の場合、薄暗いコンサート会場において、会場内を飛翔し移動するドローン10bの直下及びその周辺に位置する観客の所持するスマホ20aが発光し、会場席が照らし出される(会場席で光の玉が見える)。また、ドローン10bがコンサート会場内を自在に飛翔し移動するにつれ、スポットライトに照らされ続けるが如く、会場席で発光が移動する。
【0066】
また、野外フェスといった広大なコンサート会場において、人10aが会場内を移動することが難しいエリアもしくは設備照明が届かないエリアでも、ドローン10bはコンサート会場内の上空を飛行移動できるので、会場内の至るところにおいても動作演出を発生させることができる。
【0067】
また、上述と同様、動作制御情報が振動、音声出力、及び/又は文字・画像表示の場合、制御機器10は制御コマンドを制御し、それぞれスマホ20aの動作演出を発生することができる。動作制御情報が文字・画像表示の場合、会場内を飛翔し移動するドローン10bが観客上空を通過すると、直下及びその周辺に位置する観客の所持するスマホ20aの画面に文字・画像表示が表示される。文字・画像表示はコンサート案内、本日の題目又は電子パンフレット、アーティストからのご挨拶又はメッセージ、もしくは広告などがあり、ドローン10bが上空からあたかもビラを散布するかの如く観客に配布される。
【0068】
なお、ドローン10bは所定上空ルートを飛行移動するように予め設定しておいてもよいし、スタッフ等(もしくはアーティストでも可)が操作してもよい。
【0069】
(バルーン10cに取り付けた制御機器10)
【0070】
バルーン10cは、コンサート会場の観客席に投げ込まれる大型風船である。バルーン10cが観客席に投げ込まれると、観客が手を伸ばしたりはじいたりすることで、バルーン10cは観客席内を予測不能に移動する。
【0071】
バルーン10cに制御機器10が取り付けられた場合、当該バルーン10cを中心として距離半径α(例えば1m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する。一方、当該バルーン10cを中心として距離半径αの円範囲外に位置する観客のスマホ20aに対しては、制御機器10からの制御コマンドが到達しない。なおαはバルーン半径(例えば1m)と略同等とする。
【0072】
スマホ20aは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、画面発光等)を実行する。
【0073】
例えば、動作制御情報が画面発光の場合、薄暗いコンサート会場において、観客ら自身によって会場席内を自由に移動するバルーン10cの球体がバルーン下方からスマホ20aにより照らし出される(発光しているように見える)。これにより、新たな演出が生まれ一層のコンサートの盛り上がりが期待される。
【0074】
(カメラ10dに取り付けた制御機器10)
【0075】
カメラ10dは、天井や壁に設置された所定のレール上を移動することで、様々な位置やアングルからコンサート模様を撮影する。撮影映像はコンサート会場内の大型モニターに投影されたりDVD映像となる。
【0076】
カメラ10dに制御機器を取り付けた場合、当該カメラ10dを中心として半径αの円範囲内に位置するスマホに対して、制御機器から制御コマンドが送信される。なお、αは一筋の光を演出すべく例えば0.5m以下程度としうる。
【0077】
カメラ10dに制御機器10が取り付けられた場合、当該カメラ10dを中心として距離半径α(例えば0.5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する。一方、当該カメラ10dを中心として距離半径αの円範囲外に位置する観客のスマホ20aに対しては、制御機器10からの制御コマンドが到達しない。
【0078】
スマホ20aは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、画面発光等)を実行する。
【0079】
このため、動作制御情報が画面発光の場合、薄暗いコンサート会場において、当該カメラ10dがレール上を移動すると、スマホ20aにより照らされて形成される一筋の光がレール上を移動するように見える。これにより、新たな演出が生まれ一層のコンサートの盛り上がりが期待される。また、レール上を移動するカメラ10dは一筋の光により照らし出されるので、観客の視線がカメラを追うようにしたカメラ目線の映像を撮影することもできる。通常の場合、カメラは会場の暗闇に埋もれるため観客がその存在を視認しにくく、カメラ目線映像を撮影するのが困難である。
【0080】
以上、本発明によれば、これら移動体が個々又は同時に進行することで、コンサート会場の至るところで発生する演出(例えば、発光)が全体として絡み合い、演出性・趣向性の高いコンサート演出を実現することが可能である。
【0082】
第2実施例として、例えば、コンサート会場において本発明を適用した例(その2)を説明する。本実施形態では、コンサート会場が広大であることに鑑みて、複数の移動体による連携動作について説明する。
【0083】
図6〜8は、本実施例に係るコンサート会場のイベント演出システムの構成例を示す図である。
図6〜8において、制御機器10は、コンサート会場における「移動体」として、例えば、自在に動き回るアーティスト等の人10a、及び観客の上空を飛行するドローン10bに取り付けられている。
【0084】
なお、
図6においては図面の都合上スマホ20aの図示は省略しているが、実際のコンサート会場内の観客は被制御機器20としてのスマホ20aを各自所持する。また、4台のドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、ドローン10b4、及びドローン10b5が図示されているが、コンサート会場の広さ等や演出に応じて何台あってもよい。
【0085】
(人10aに取り付けた制御機器10)
【0086】
人10aは、例えば、アーティスト、ダンサーである。アーティスト、ダンサーはコンサート会場内を制限無く自在に動き回る。また、上述したように人10aに取り付けられる制御機器10は、例えば、腕輪や時計形状のような身体の一部に装着しやすい形状である(
図5)。
【0087】
人10aに制御機器10が取り付けられた場合、当該人10aを中心として距離半径α(例えば5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する。スマホ20aは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、画面発光等)を実行する。
【0088】
また本実施例において、被制御機器20としてのドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、ドローン10b4、及びドローン10b5という5台のドローン10bがステージ上の所定位置に着地している(
図6)。人10aがドローン10bに接近すると、当該人10aを中心として距離半径α(例えば5m)の円範囲内に位置するドローン10bに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する(
図7)。
【0089】
ドローン10bは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Drone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、飛行等)を実行する。
【0090】
即ち、動作制御情報が飛行の場合、人10aが予めステージ上の所定位置に着地しているドローン10bに接近すると、5台のドローン10bは一斉に飛行(飛翔)を開始することになる(
図8)。
【0091】
ここで、人10aにより全ドローン10bに対する制御コマンドを操作可能とするため、全てのドローン10bは、人10a又は他のドローン10bを介して相互に電波の届く範囲α内の位置を飛行し移動する(
図8)。このため、ドローン10bは人10a又は他のドローン10bから約5mの距離範囲内上空を飛行する。なお、各々ドローン10bの移動位置、飛行位置についても動作制御情報により制御しうる。
【0092】
例えば、飛行位置について、各ドローン10bは動作制御情報の発信元(人10aなどの制御機器10)と、一定の電波強度範囲内(例えば、制御機器10から5mの位置)を維持しながら追従飛行するようにする。これによりアーティストや所定のドローンの動きに追従してドローンが編隊飛行する。
【0093】
(ドローン10bに取り付けた制御機器10)
【0094】
本実施例に係るドローン10bは、被制御機器20に加え制御機器10の機能を有する。即ち、ドローン10bは制御機器10と被制御機器20の両方の機能を有し、このため小型且つ軽量な制御機器10と被制御機器20がドローン10bに取り付けられる。
【0095】
制御機器10としてのドローン10bは、コンサート会場内の観客上空を飛行移動する。ドローン10bに制御機器10が取り付けられた場合、当該ドローン10bを中心として距離半径α(例えば5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する(
図8)。
【0096】
スマホ20aは、ドローン10bの制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作(例えば、画面発光等)を実行する。
【0097】
例えば、動作制御情報が画面発光の場合、薄暗いコンサート会場において、会場内を飛翔し移動するドローン10bの直下及びその周辺に位置する観客の所持するスマホ20aが発光し、会場席が照らし出される(会場席で光の玉が見える)。また、ドローン10bがコンサート会場内を自在に飛翔し移動するにつれ、スポットライトに照らされ続けるが如く、会場席で発光が移動する。
【0098】
広大なコンサート会場において、ドローン10bはコンサート会場内の上空を飛行移動できるので、会場内の至るところにおいても動作演出を発生させることができる。
【0099】
ここで、上述したようにアーティスト等の人10aは、上述スマートウォッチタイプの制御機器10を操作し(
図5)、制御コマンドを操作・変更することが可能である。また、スマートウォッチタイプの制御機器10を着用した人10aによる所定動作、例えば腕を大きく振る、回す、たたく、所定のステップを踏むなどの所定動作もしくは複数の所定動作の組み合わせにより、所定動作に対応した動作の制御コマンドが送信する。
【0100】
具体的に、人10aの制御機器10においてドローン10bを指定する「機器指定ボタン」及び振動を指定する「動作ボタン」押下が押下されると、ボタンに対応した機器ID及び動作制御情報を含む制御コマンドが送信されるようになる。ここで、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、ドローン10b4の機器IDを、それぞれDrone1、Drone2、Drone3、Drone4とする。
【0101】
例えば、人10aの制御機器10においてドローン10b2を指定するとともに、自機の動作制御情報を「赤色発光」に変更するように、制御コマンドを変更すると、機器ID(Drone2)及び動作制御情報(動作制御情報を「赤色発光」に変更)を含む制御コマンドが送信される。つまり、ドローン10b2に対して、ドローン10b2が制御機器10として機能する際にドローン10b2が被制御機器20に対して送信する動作制御情報を変更させる。
【0102】
同様に例えば、人10aの制御機器10においてドローン10b4を指定するとともに、自機の動作制御情報を「青色発光」に変更するように、制御コマンドを変更すると、機器ID(Drone4)及び動作制御情報(動作制御情報を「青色発光」に変更)を含む制御コマンドが送信される。つまり、ドローン10b4に対して、ドローン10b4が制御機器10として機能する際にドローン10b4が被制御機器20に対して送信する動作制御情報を変更させる。
【0103】
ドローン10b2及びドローン10b4は、人10a、他のドローン10b1及びドローン10b2を介して電波の届く範囲α内に位置して飛行するため(
図8)、人10aの制御機器10から変更された制御コマンドを被制御機器20として受信する。各々のドローン10b2及びドローン10b4は、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の有する機器ID(それぞれDrone2、Drone4)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作を実行する。
【0104】
即ち、ドローン10b2は、ドローン10b2が制御機器10として機能する際にドローン10b2がスマホ20aに対して送信する動作制御情報において、スマホ画面の発光色を赤色に変更する。変更の後、ドローン10b2を中心として半径α(例えば5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、ドローン10b2から制御コマンドが送信されるため、ドローン10b2を中心として半径αエリアに位置するスマホ20aは赤色で発光する。
【0105】
同様に、ドローン10b4は、ドローン10b4が制御機器10として機能する際にドローン10b4がスマホ20aに対して送信する動作制御情報において、スマホ画面の発光色を
青色に変更する。変更の後、ドローン10b4を中心として半径α(例えば5m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、ドローン10b4から制御コマンドが送信されるため、ドローン10b4を中心として半径αエリアに位置するスマホ20aは青色で発光する。
【0106】
このように、アーティスト等の人10aは、任意の意思とタイミングで全ドローン10bを介して広いコンサート会場のいたるところのスマホ20aに対して任意の動作制御を行なって、自由な演出を実現することが可能である。
【0107】
例えばさらに、人10aの制御機器10においてドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10b4を指定するとともに、自機の動作制御情報を「消灯(非発光)」に変更するように、制御コマンドを変更すると、機器ID(Drone1、Drone2、Drone3、及びDrone4)及び動作制御情報(動作制御情報を「消灯」に変更)を含む制御コマンドが送信される。
【0108】
同時に、人10aの制御機器10においてドローン10b5を指定するとともに、自機の動作制御情報を「発光」に変更するように、制御コマンドを変更すると、機器ID(Drone5)及び動作制御情報(動作制御情報を「発光」に変更)を含む制御コマンドが送信される。
【0109】
ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、ドローン10b4、及びドローン10b5は、相互を介して電波の届く範囲α内に位置して飛行するため(
図8)、人10aの制御機器10から変更された制御コマンドを被制御機器20として受信する。
【0110】
このうち、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10b4は、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器ID(Drone1、Drone2、Drone3、及びDrone4)が、自機の有する機器ID(Drone1、Drone2、Drone3、及びDrone4)と一致する場合、当該制御コマンドを受け入れる。一方、制御コマンドに含まれる機器ID(Drone5)が、自機の有する機器ID(Drone1、Drone2、Drone3、及びDrone4)と一致しない場合、当該制御コマンドを破棄する。
【0111】
即ち、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10b4は、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10b4が制御機器10として機能する際にドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10b4がスマホ20aに対して送信する動作制御情報において、スマホ画面を消灯に変更する。変更の後、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10bを中心として半径αの円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10bから制御コマンドが送信されるため、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、及びドローン10bを中心として半径αエリアに位置するスマホ20aは消灯する。
【0112】
これに対して、ドローン10b5は、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器ID(Drone1、Drone2、Drone3、及びDrone4)が、自機の有する機器ID(Drone5)と一致しない場合、当該制御コマンドを破棄する。一方、制御コマンドに含まれる機器ID(Drone5)が、自機の有する機器ID(Drone5)と一致する場合、当該制御コマンドを受け入れる。
【0113】
即ち、ドローン10b5は、ドローン10b5が制御機器10として機能する際にドローン10b5がスマホ20aに対して送信する動作制御情報において、スマホ画面を発光に変更する。変更の後、ドローン10b5を中心として半径αの円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、ドローン10b5から制御コマンドが送信されるため、ドローン10b5を中心として半径αエリアのみに位置するスマホ20aは発光する。
【0114】
このように、各々のドローン10bは相互を介して電波の届く範囲α内に位置して飛行し、且つ制御コマンドに含まれる機器IDと自機の有する機器IDと一致するか否かの判定に基づいて制御コマンドを処理するため、アーティスト等は任意のドローン10bに対して遠隔操作を行うことが可能である。
【0115】
(ドローン10b直下周辺の動作エリア)
【0116】
図9は、本実施例に係るドローン10b直下周辺の動作エリア(その1)を説明する図である。
図8の場合、半径αの円範囲内に位置するスマホ20aが動作するため、例えばスマホ20aの画面発光は、人10a及びドローン10b1〜4により形成される円範囲(図中の点線円)である。
【0117】
ここで、演出によっては
図8のように円範囲を連結させたくない場合もある。このような場合、ドローン10bの飛行高度を変更(調整)すればよい。例えば、ドローン10b飛行高度がβ1の場合、スマホ20aの画面発光のエリアは
図9(a)に示される。なお、飛行高度を変更する場合についても動作制御情報により制御しうる。
【0118】
一方、ドローン10bの飛行高度がβ2の場合、スマホ20aの画面発光のエリアは
図9(b)に示される。飛行高度がβ2(α>β2>β1)となると、制御機器10からの電波が到達する地上エリアが小さくなり、更に飛行高度を大きく変更していった場合、画面発光のエリアは円範囲が連結しない単独の円範囲になるため、
図9(a)とは異なる形の発光演出を表現できる。
【0119】
また一方、ドローン10bの飛行高度がβ3の場合、スマホ20aの画面発光のエリアは
図9(c)に示される。飛行高度がβ3(β3>α)となると、制御機器10からの電波が到達する地上エリアがなくなる飛行高度β3まで変更した場合、演出を停止できる。
【0120】
また逆に、ドローン10bの飛行高度をβ3から、β2、β1へと下げていくように変更(調整)すれば、会場の観客席において暗い会場観客席から発光した小さな発光円を突然出現させ、小さく発光した発光円は序々に大きくなり、やがてお互いの発光円が連結するといった演出も可能である。
【0121】
なお、飛行高度の変更する代わりに又は併用してαを変更調整)することも可能であるが、その値は適切に調整する必要がある。制御機器10から被制御機器20に制御コマンドを到達させるには、人10a及び対象となるドローン10b1〜4の間隔はα以内に位置する必要があり、αをあまりに小さくしすぎることはできないし、またαを大きくしすぎると例えばスマホ20aの画面発光のエリアがあまりに広大になりすぎてしまうためである。
【0122】
図10は、本実施例に係るドローン10b直下周辺の動作エリア(その2)を説明する図である。上述の実施形態において、移動体(制御機器20)を中心とした半径αの円範囲内に位置するスマホ20aが発光するため、基本的にスマホ20aにより照らし出されて形成される発光形状は円形状となる。
【0123】
しかしながら、実現できる発光形状は必ずしも円形状に限られない。
図10に示されるように、複数のドローン10bの飛行位置を調整し、ドローン10b1、ドローン10b2、ドローン10b3、ドローン10b4、及びドローン10b5により形成される各々の円範囲が組み合わさり、全体として花びらのような発光形状を実現することが可能である。
【0124】
また、コンサート会場内に設置された反射板等により、制御機器10からの電波に指向性を持たせて、スマホ20aの集合体により形成される図形を円以外の形にすることもできる。
【0126】
第3実施例として、例えば、オリンピック開会式又は閉会式会場において本発明を適用した例を説明する。
【0127】
図11は、本実施例に係るオリンピック開会式会場のイベント演出システムの構成例を示す図である。
図11において、観客席の観客は、被制御機器20としてのスマホ20aを各自所持している。また制御機器10は、「移動体」として、例えば、会場を行進する選手団先頭者が所持するプラカードに取り付けられている。選手団は観客席の前を行進(移動)する。
【0128】
選手団等の人10aに制御機器10が取り付けられた場合、当該人10aを中心として距離半径α(例えば10m)の円範囲内に位置する観客のスマホ20aに対して、制御機器10からの制御コマンドが到達する。
【0129】
スマホ20aは、制御機器10から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる機器IDが、自機の機器ID(例えば、Smartphone等)と一致するか否かを判定し一致する場合、当該制御コマンドを受け入れ、制御コマンドに含まれる動作制御情報に従った動作を実行する。
【0130】
例えば、動作制御情報が文字・画像表示の場合、制御機器10は制御コマンドを制御し、コンサート中にスマホ20aの画面に様々な文字や画像を表示する。表示文字は、選手団からのメッセージや国の紹介文、表示画像は国旗や代表選手の顔画像などである。また、スマホ20aのOS等から国コードや言語コードを取得し、表示文字をスマホ20aの所持者の言語で表示するとよい。
【0132】
図12は、本実施形態に係る被制御機器の情報処理を示すフローチャート図である。本実施形態に係る被制御機器20の情報処理について説明する。
【0133】
S1:通信部201は、制御コマンドを受信したか否かを判定する。制御機器10からは所定強度の電波が出力されており、所定強度の電波が到達可能な距離範囲内に被制御機器20が位置した場合、通信部201は制御コマンドを受信する。
【0134】
S2:動作実行部202は、S1で受信した制御コマンドに含まれる機器IDと、自機器が有する機器IDとが一致するか否かを判定する。
【0135】
S3:動作実行部202は、両機器IDが一致した場合、S1で受信した制御コマンドに含まれる動作制御情報に応じた動作を実行する。
【0136】
S4:一方、動作実行部202は、両機器IDが一致しない場合、S1で受信した制御コマンドを破棄する。
【0138】
以上のように、本実施形態に係る制御機器10からは所定強度の電波が出力されており、制御機器10と被制御機器20との距離が一定距離α以下になった場合、被制御機器20は、制御機器10から到達した電波による制御コマンドを無線電波を介して受信する。即ち、所定強度の電波が到達可能な距離範囲α内に位置する被制御機器20だけが、制御機器10からの制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに従って動作を実行する。
【0139】
このため、制御機器10は、被制御機器20の位置を正確に管理することなく、被制御機器を制御動作することが可能となる。また、移動体に制御機器10及び被制御機器20を取り付ける仕組みにより一層演出性・趣向性の高いイベント演出を実現できる。更に大きな設備コストもなく、広大な会場をカバーした多様な演出を実現できる。このように本実施形態に係るイベント演出システム100によれば、様々な会場環境の下、臨場感ある多様な演出を実現することが可能である。
【0140】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。