【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開1 開催名:FIA世界耐久選手権2017 公式テスト 開催日:平成29年4月1日〜平成29年4月2日 公開2 開催名:FIA世界耐久選手権2017 第1戦 シルバーストーン6時間レース 開催日:平成29年4月14日〜平成29年4月16日 公開3 開催名:FIA世界耐久選手権2017 第2戦 スパ・フランコルシャン6時間レース 開催日:平成29年5月4日〜平成29年5月6日 公開4 開催名:FIA世界耐久選手権2017 ル・マン24時間テストデー 開催日:平成29年6月4日 公開5 開催名:FIA世界耐久選手権2017 第3戦 ル・マン24時間レース 開催日:平成29年6月14日〜平成29年6月18日 公開6 開催名:FIA世界耐久選手権2017 第4戦 ニュルブルクリンク6時間レース 開催日:平成29年7月14日〜平成29年7月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態:
A−1.全体構成:
図1に示すモータ200は、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれた同期モータ(IPMSM:Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)により構成される永久磁石式回転電機であり、車両に搭載されている。
図1では、説明の便宜上、モータ200を冷却するための冷却装置90を、モータ200とともに図示している。
【0011】
モータ200は、ロータ100と、ステータ70と、ハウジング80とを備える。ロータ100は、モータ200の回転子として機能する。ロータ100の詳細構成は、後述する。ステータ70は、モータ200の固定子として機能する。ステータ70は、ステータコア72と、電機子巻線75とを備える。ステータコア72は、略円筒状の外観形状を有し、エアギャップを介してロータ100の外周面と対向して配置されている。電機子巻線75は、ステータコア72の図示しないティースに巻装されている。
【0012】
図1および
図2に示すように、ハウジング80は、ロータ100とステータ70とを内部に収容している。なお、
図2では、ハウジング80の構成要素の一部を破線で示し、ロータ100を二点鎖線で示すとともに、ステータ70の図示を省略している。ハウジング80は、円筒部81と、第1蓋部82と、第2蓋部83と、冷媒入口84と、2つの排出口89とを備える。ハウジング80は、板状部材により構成され、板状部材の板厚方向の内部には、冷媒が流れる流路85、86、87が形成されている。
【0013】
円筒部81は、略円筒状の外観形状を有し、内周面の周方向に沿ってステータ70が固定されている。第1蓋部82および第2蓋部83は、略円盤状の外観形状をそれぞれ有し、円筒部81の両端の開口をそれぞれ覆っている。第2蓋部83には、鉛直方向下端から周方向にわずかにずれた位置に、冷媒入口84が形成されている。流路85は、円筒部81において、冷媒入口84と連通してロータ100の軸線AXと平行に形成されている。流路86は、第1蓋部82に形成され、流路85と連通して鉛直上方に延びている。流路87は、第1蓋部82の内部において軸線AXと平行に形成され、一端において流路86と連通するとともに、他端においてハウジング80の内部と連通している。ノズル88は、流路87の他端に配置されるとともに、後述する第1端板20の冷媒導入口26に挿入されている。ノズル88は、流路87を介して供給される冷媒を、ロータ100に導入する。2つの排出口89は、円筒部81の鉛直方向下端において互いに離れて形成された貫通孔であり、ハウジング80の内部の冷媒をハウジング80の外部に排出する。
【0014】
A−2.ロータの詳細構成:
図3から
図7に示すように、ロータ100は、ロータコア10と、永久磁石40と、回転軸50と、第1端板20と、第2端板30とを備える。
【0015】
ロータコア10は、円盤状の複数の鋼板を軸線AXに沿った方向(以下、単に「軸方向」とも呼ぶ)に積層させた構造を有する。
図5に示すように、ロータコア10は、一方の端面11と他方の端面12とを有する。
図4に示すように、ロータコア10の内部における径方向外側の領域には、軸方向の両端面11、12間に連なる複数対の貫通孔15が形成されている。複数対の貫通孔15は、軸方向に見たときに、各対の貫通孔15がそれぞれV字状となるように形成されている。本実施形態のロータコア10は、6対の貫通孔15を備える。
【0016】
永久磁石40は、各貫通孔15に配置され、両端面11、12間に連なっている。本実施形態では、6対の永久磁石40が配置されている。永久磁石40は、貫通孔15内に挿入されているだけでもよく、接着剤等を用いて固定されていてもよい。本実施形態の永久磁石40は、貫通孔15内において両端面11、12間に隙間なく連なっているが、貫通孔15の軸方向に沿った一部に隙間を設けて連なっていてもよい。例えば、軸方向に沿って2つの永久磁石40が互いに並んで配置されていてもよい。
【0017】
本実施形態の永久磁石40は、フェライト磁石により構成されているが、希土類磁石等、他の任意の磁石により構成されていてもよい。各永久磁石40は、主たる着磁方向がロータ100の径方向に沿って配されている。V字状の一対の貫通孔15に埋め込まれている2つの永久磁石40は、主たる着磁方向が同じとなるように着磁されている。また、一対の貫通孔15に埋め込まれた2つの永久磁石40は、ロータ100の周方向において隣り合う一対の貫通孔15に埋め込まれた2つの永久磁石40と、主たる着磁方向が互いに反対方向となるように着磁されている。
【0018】
永久磁石40の内部には、軸方向と平行に両端面11、12間に連なる冷媒流路45が形成されている。本実施形態では、周方向に沿って12本の冷媒流路45が形成されている。本実施形態において、冷媒流路45は、円形の断面形状を有するが、円形に代えて楕円形や多角形等の他の任意の断面形状であってもよい。
【0019】
本実施形態において、貫通孔15および冷媒流路45は、軸方向と平行に形成されているが、軸方向と略平行、例えば、軸方向に対して5度等のわずかな角度を有して形成されていてもよい。
【0020】
図1に示すように、回転軸50は、軸線AXに沿ってロータコア10の内部を貫通している。ロータ100は、ベアリング58を介して回転軸50がハウジング80に固定されることにより、回転可能に構成されている。
【0021】
図5に示すように、第1端板20は、ロータコア10の一方の端面11に接して配置されている。第2端板30は、ロータコア10の他方の端面12に接して配置されている。第1端板20および第2端板30は、それぞれ略円盤状の外観形状を有し、ステンレスにより構成されている。なお、ステンレスに代えて、チタンや銅などの他の任意の非磁性材料により構成されてもよい。
【0022】
図8に示すように、第1端板20は、内側壁面部21と、内周部22と、外周部23と、外側壁面部24と、冷媒導入口26と、冷媒貯留部27と、連通部25とを備える。なお、
図8では、冷媒導入口26と冷媒貯留部27との連通位置Cを、破線の矢印で示している。
【0023】
内側壁面部21は、ロータコア10の一方の端面11と接している。内周部22は、略円筒状の外観形状を有し、回転軸50を周方向に取り囲んでいる。外周部23は、第1端板20の外周端を構成している。外周部23は、軸線AXを中心とする短い円筒状の外観形状を有する。外側壁面部24は、外周部23と連なる円環状の外観形状を有する。外側壁面部24は、冷媒貯留部27の軸方向の外側面を構成する。外側壁面部24は、内側壁面部21と平行に形成され、ハウジング80の内側面と対向している。
【0024】
冷媒導入口26は、内周部22の径方向外側面と外側壁面部24の径方向内側面とにより囲まれて形成されている。すなわち、冷媒導入口26は、軸方向の外側面において開口し、軸線AXを中心とする環状の平面視形状を有する。冷媒導入口26は、ノズル88が挿入されて配置され、軸方向に沿って冷媒が導入される。
【0025】
冷媒貯留部27は、第1端板20の内部に形成され、冷媒を貯留する機能を有する。冷媒貯留部27は、冷媒導入口26と連通するとともに、冷媒導入口26よりも径方向の外側に形成されている。冷媒貯留部27は、内側壁面部21と、外周部23と、外側壁面部24とにより囲まれて形成されている。
図6に示すように、軸方向に見て、冷媒貯留部27の径方向の外側の輪郭形状は、円形状である。
図8に示すように、冷媒貯留部27の軸方向に沿った長さは、径方向に沿ったいずれの位置においても、冷媒導入口26との連通位置Cにおける軸方向に沿った冷媒貯留部27の長さと等しい。
【0026】
連通部25は、内側壁面部21において、厚さ方向(軸方向)に形成された複数の貫通孔であり、周方向に沿って互いに並んで形成されている。連通部25は、冷媒貯留部27における径方向の外側の位置において、冷媒貯留部27と冷媒流路45とを連通している。本実施形態において、連通部25は、円形の断面形状を有するが、円形に代えて楕円形や多角形等の他の任意の断面形状であってもよい。本実施形態において、連通部25の大きさは、冷媒流路45の大きさと等しいが、互いに異なっていてもよい。
【0027】
図5に示すように、第2端板30は、厚み方向に貫通する複数の冷媒排出口35を有する。各冷媒排出口35は、各冷媒流路45と連通している。
図7に示すように、冷媒排出口35は、周方向に沿って互いに並んで形成されている。本実施形態において、冷媒排出口35は、円形の断面形状を有するが、円形に代えて楕円形や多角形等の他の任意の断面形状であってもよい。また、本実施形態において、冷媒排出口35の大きさは、冷媒流路45の大きさと等しいが、互いに異なっていてもよい。また、本実施形態において、冷媒排出口35の径は、第2端板30の厚み方向において一定であるが、ハウジング80の内側面と対向する側に向かって拡大していてもよい。なお、第2端板30は、省略してもよい。
【0028】
本実施形態において、モータ200は、本開示における永久磁石式回転電機の下位概念に相当し、第1端板20は、本開示における端板の下位概念に相当する。
【0029】
A−3.冷媒の流れ:
図1および
図8を用いて冷媒の流れを説明する。
図1および
図8では、冷媒の流れを太線の矢印で示している。
図1に示すように、冷却装置90のポンプ92から送り出されて熱交換器94により冷却された冷媒は、モータ200のハウジング80に設けられた冷媒入口84へと供給される。冷媒入口84へと供給された冷媒は、流路85、86、87を流動し、ノズル88を介して冷媒導入口26へと導入される。
図8に示すように、冷媒導入口26へと導入された冷媒は、ロータの遠心力により、径方向外側に流動する。換言すると、冷媒導入口26へと導入された冷媒は、冷媒貯留部27へと流入する。冷媒貯留部27へと流入した冷媒は、遠心力により圧力がかけられて外周部23の径方向内側の面に押し付けられ、連通部25を介して冷媒流路45へと流入する。冷媒貯留部27において冷媒に遠心力の圧力が蓄えられるため、冷媒流路45へと流入した冷媒は、軸方向に圧送されて冷媒流路45を流動する。冷媒流路45を軸方向に流動した冷媒は、冷媒排出口35へと到達し、ハウジング80の内側面に向かって排出される。その後、冷媒は、排出口89からハウジング80の外部に排出され、冷却装置90内を循環して再び冷媒入口84へと供給される。
【0030】
以上説明した第1実施形態のモータ200によれば、第1端板20が冷媒導入口26の径方向の外側に配置された冷媒貯留部27を備えるので、ロータ100の回転時に冷媒貯留部27において冷媒に圧力が蓄えることができ、冷媒の流速の低下を抑制できる。このため、ロータ100の軸方向における冷却性能が低下することを抑制できる。したがって、永久磁石40の減磁を抑制でき、ロータ100のトルクが低下することを抑制できる。また、連通部25が冷媒貯留部27における径方向の外側の位置において冷媒貯留部27と冷媒流路45とを連通しているので、遠心力による圧力が最大限に蓄えられた状態の冷媒を、冷媒流路45へと導入できる。このため、冷媒の流速の低下を抑制でき、ロータ100の軸方向における冷却性能が低下することを抑制できる。
【0031】
また、冷媒貯留部27の軸方向に沿った長さが、径方向に沿ったいずれの位置においても、冷媒導入口26との連通位置Cにおける軸方向に沿った冷媒貯留部27の長さと等しいので、冷媒貯留部27の構成を簡略化でき、第1端板20の製造工程が複雑化することを抑制できる。また、冷媒貯留部27の径方向の外側の輪郭形状が円形状であるので、冷媒貯留部27の構成を簡略化でき、第1端板20の製造工程が複雑化することを抑制できる。また、永久磁石40の内部に冷媒流路45が形成されているので、永久磁石40を効果的に冷却でき、永久磁石40の減磁を効果的に抑制できる。
【0032】
また、ハウジング80を介して冷媒導入口26に冷媒を導入するので、ハウジング80も冷却でき、間接的にステータ70も冷却できる。また、回転軸から冷媒を導入する構成と比較して、固定部材である冷媒供給管と回転部材である回転軸との接合が不要であるため、固定部材と回転部材との接合部の構造が複雑化することを抑制できる。また、冷媒排出口35から排出された冷媒が、ハウジング80の内側面に向かって排出されるので、ハウジング80を冷却でき、間接的にステータ70を冷却できる。また、ノズル88を介して冷媒導入口26に冷媒を導入するので、冷媒導入口26からハウジング80の内部へ冷媒が漏れることを抑制できる。
【0033】
B.第2実施形態:
第2実施形態のロータ100aが備える第1端板20aは、
図9に示すように、冷媒貯留部27に代えて冷媒貯留部27aを備える点において、第1実施形態の第1端板20と異なる。その他の構成は第1実施形態の第1端板20と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0034】
図9において一点鎖線で示すように、第2実施形態の第1端板20aの冷媒貯留部27aには、狭幅部Naが形成されている。狭幅部Naとは、自身の軸方向の長さが、冷媒導入口26との連通位置Cにおける軸方向に沿った冷媒貯留部27aの長さよりも短い部位を意味し、本実施形態では、冷媒貯留部27aのほぼ全てが狭幅部Naとして形成されている。狭幅部Naの軸方向に沿った長さは、冷媒導入口26との連通位置Cにおける軸方向に沿った冷媒貯留部27aの長さよりも短い。本実施形態の狭幅部Naは、テーパ部28aを有することにより、径方向の外側に向かうにつれて軸方向に沿った長さが短くなるように形成されている。テーパ部28aは、冷媒導入口26から連通部25へと向かって傾斜している。
【0035】
以上説明した第2実施形態の第1端板20aは、第1実施形態の第1端板20と同様な効果を有する。加えて、冷媒貯留部27aにテーパ部28aが設けられているので、冷媒導入口26から導入された冷媒を、より大きな力で連通部25に向かって押し流すことができ、冷媒の流速の低下をより抑制できる。
【0036】
C.第3実施形態:
第3実施形態のロータ100bが備える第1端板20bは、
図10に示すように、冷媒貯留部27に代えて冷媒貯留部27bを備える点において、第1実施形態の第1端板20と異なる。その他の構成は第1実施形態の第1端板20と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0037】
図10に示すように、第3実施形態の第1端板20bの外側壁面部24bは、突出部29bを有する。突出部29bは、軸方向に沿って冷媒貯留部27bに突出している。
図10において一点鎖線で示すように、外側壁面部24bが突出部29bを有することによって、冷媒貯留部27bに狭幅部Nbが形成されている。
【0038】
以上説明した第3実施形態の第1端板20bは、第1実施形態の第1端板20と同様な効果を有する。加えて、冷媒貯留部27bに突出部29bが設けられているので、冷媒貯留部27bにおいて径方向の外側に向かって流れた冷媒が、冷媒導入口26へと逆流することを抑制できる。このため、冷媒貯留部27bの冷媒が不足することを抑制でき、低回転時であっても冷媒を連通部25に向かって押し流すことができ、冷媒の流速の低下をより抑制できる。
【0039】
D.第4実施形態:
第4実施形態のロータ100cが備える第1端板20cは、
図11に示すように、冷媒貯留部27に代えて冷媒貯留部27cを備える点において、第1実施形態の第1端板20と異なる。その他の構成は第1実施形態の第1端板20と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0040】
図11に示すように、第4実施形態の第1端板20cは、冷媒貯留部27cにテーパ部28cと突出部29cとが設けられている。より具体的には、軸方向に沿って冷媒貯留部27cに突出する突出部29cが外側壁面部24cに設けられ、冷媒貯留部27cの径方向において、突出部29cの両側にテーパ部28cが設けられている。
図11において一点鎖線で示すように、テーパ部28cと突出部29cとによって、冷媒貯留部27cに狭幅部Ncが形成されている。
【0041】
以上説明した第4実施形態の第1端板20cは、第1実施形態ないし第3実施形態の第1端板20、20a、20bと同様な効果を有する。
【0042】
E.第5実施形態:
第5実施形態のロータ100dが備える第1端板20dは、
図12に示すように、冷媒貯留部27に代えて冷媒貯留部27dを備える点において、第1実施形態の第1端板20と異なる。その他の構成は第1実施形態の第1端板20と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0043】
第5実施形態の第1端板20dは、冷媒貯留部27dを備える。
図12に示すように、軸方向に見て、冷媒貯留部27dの径方向の外側の輪郭形状は、多角形形状である。すなわち、外周部23dにおける径方向の内側の面は、複数の平面が組み合わされて形成されている。各連通部25は、多角形形状の各頂点に対応する位置に配置されている。より具体的には、連通部25は、多角形形状の頂点から予め定められた距離以下の範囲内に配置されている。予め定められた距離は、例えば、1mmや2mm等の任意の小さな値であってもよい。このため、冷媒貯留部27dにおいて、回転軸50からの距離が最大となる多角形形状の頂点近傍に連通部25が位置する。
【0044】
以上説明した第5実施形態の第1端板20dは、第1実施形態の第1端板20と同様な効果を有する。加えて、冷媒貯留部27dにおいて回転軸50からの距離が最大となる多角形形状の頂点近傍に連通部25が配置されているので、遠心力を受けた冷媒の流れを連通部25へと集中させることができる。このため、冷媒の流速の低下をより抑制できる。
【0045】
F.他の実施形態:
F−1.他の実施形態1:
上記実施形態では、永久磁石40がV字形に配置されたV字磁石配置ロータに本開示を適用したが、本開示はこれに限定されるものではない。
図13に示すように、ロータコア10eの内部に断面形状が略長方形の貫通孔15eが形成されて、平板形状の永久磁石40eが配置されたロータ100eに本開示を適用してもよい。また、
図14に示すように、ロータコア10fの内部にハルバッハ配列の永久磁石40fを配置し得る複数組の貫通孔15fが形成されて、ハルバッハ配列の複数組の永久磁石40fが配置されたロータ100fに本開示を適用してもよい。また、1つの永久磁石40、40e、40fに対し、1つの冷媒流路45、45e、45fが形成されていてもよく、2つ以上の冷媒流路45、45e、45fが形成されていてもよい。また、複数の永久磁石40、40e、40fのうち、冷媒流路45、45e、45fが形成されていない永久磁石40、40e、40fが存在していてもよい。また、永久磁石40、40e、40fの周方向に沿った数は、4つや8つ等の任意の偶数であってもよい。また、冷媒流路45、45e、45fは、冷却性能を高めるために永久磁石40、40e、40fの内部において径方向外側に配置されてもよく、トルクの低下を抑制するために永久磁石40、40e、40fの内部において径方向内側に配置されてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のモータ200と同様な効果を奏する。
【0046】
F−2.他の実施形態2:
上記実施形態において、冷媒流路45は、永久磁石40の内部に形成されていたが、本開示はこれに限定されるものではない。
図15、
図16、
図17に示すように、ロータ100g、100h、100iの冷媒流路45g、45h、45iは、ロータコア10g、10h、10iの内部に形成されていてもよい。かかる構成において、永久磁石40g、40h、40iは、内部に冷媒流路45、45e、45fが形成されていなくてもよい。また、
図18、
図19、
図20に示すように、ロータ100j、100k、100mは、永久磁石40、40e、40fの内部とロータコア10j、10k、10mの内部との両方に、冷媒流路45、45e、45f、45g、45h、45iが形成されていてもよい。ロータコア10g、10h、10i、10j、10k、10mの内部に冷媒流路45g、45h、45iが形成される態様では、冷却性能を向上させる観点から、永久磁石40、40e、40f、40g、40h、40iの近傍に冷媒流路45g、45h、45iが形成されることが好ましい。すなわち一般には、ロータ100は、ロータコア10と永久磁石40とのうちの少なくとも一方の内部に形成され、軸方向と平行に両端面11、12間に連なる冷媒流路45を有していてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のモータ200と同様な効果を奏する。
【0047】
F−3.他の実施形態3:
各実施形態における冷媒貯留部27、27a、27b、27cの構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、冷媒貯留部27、27a、27b、27cを構成する面のうちの少なくとも一部が曲面であってもよい。また、例えば、突出部29cにテーパ部28cが形成されていてもよい。すなわち一般には、冷媒貯留部27a、27b、27cには、径方向に沿った少なくとも一部において、冷媒導入口26との連通位置Cにおける軸方向に沿った冷媒貯留部27a、27b、27cの長さよりも、軸方向に沿った長さが短い狭幅部Na、Nb、Ncが形成されていてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のモータ200と同様な効果を奏する。
【0048】
F−4.他の実施形態4:
上記実施形態では、ノズル88を介して冷媒が冷媒導入口26へと導入されていたが、ノズル88が省略されてもよい。例えば、ハウジング80の流路87から冷媒導入口26へと冷媒が直接噴射されるような構成であってもよい。かかる構成によっても、各実施形態のモータ200と同様な効果を奏する。
【0049】
F−5.他の実施形態5:
上記実施形態では、ハウジング80の流路85、86、87を介して冷媒が冷媒導入口26へと導入されていたが、ハウジング80の流路85、86、87を介さずに冷媒が冷媒導入口26へと導入されてもよい。例えば、ハウジング80の流路85、86、87が省略されて、ノズル88がハウジング80に貫通して形成されることにより、冷媒がハウジング80の外部からノズル88を介して冷媒導入口26へと導入されてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のモータ200と同様な効果を奏する。
【0050】
F−6.他の実施形態6:
上記実施形態では、冷媒流路45を流動した後の冷媒は、冷媒排出口35を介してハウジング80の内側面に向かって排出されていたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、冷媒排出口35がロータ100の径方向外側に設けられて、ステータ70の電機子巻線75に向かって冷媒が排出されてもよい。すなわち一般には、冷媒は、冷媒流路45からハウジング80の内部に排出されてもよい。また、例えば、ハウジング80を貫通する配管等を介して冷媒排出口35からハウジング80の外部に冷媒が排出されてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のモータ200と同様な効果を奏する。
【0051】
F−7.他の実施形態7:
上記実施形態では、永久磁石式回転電機としてモータ200に本開示を適用したが、電動機に限らず、発電機に本開示を適用してもよい。また、かかる永久磁石式回転電機は、車両以外に搭載されてもよい。
【0052】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。