(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6954902
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】産業機械システムおよび産業機械の制御方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20211018BHJP
G05B 19/414 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G05B19/414 R
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-527000(P2018-527000)
(86)(22)【出願日】2016年5月4日
(65)【公表番号】特表2018-523252(P2018-523252A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2016059993
(87)【国際公開番号】WO2017028969
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2019年4月25日
(31)【優先権主張番号】15181127.0
(32)【優先日】2015年8月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517320129
【氏名又は名称】トモロジック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス ノルバリ オールソン
【審査官】
大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−123307(JP,A)
【文献】
特開2002−132321(JP,A)
【文献】
特開2009−258983(JP,A)
【文献】
特開2002−287816(JP,A)
【文献】
特開2006−62081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G05B 19/18−19/416;19/42−19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工品と操作装置の相対的な動きを制御するように構成されている少なくとも1つのアクチュエータを備え、産業操作を行うためのアクチュエータシステム(2)を備えている機械(1)と、機械制御装置(9)を備える遠隔コンピューティングシステム(6)を備えている産業機械システムであって、
前記機械制御装置(9)は前記機械(1)から離れていて、インターネット接続を介して前記機械に遠隔接続され、前記機械制御装置(9)は、前記機械において備えられているアクチュエータ制御装置を介して、インターネット接続上で前記機械(1)の前記アクチュエータシステムの前記少なくとも1つのアクチュエータを遠隔制御するように構成されており、
前記アクチュエータ制御装置(3)は、インターネット接続上で遠隔の前記機械制御装置から指令を受信し、該指令を、前記機械内の閉ループシステムにおいてブロックごとに実行するように構成され、
前記機械制御装置は、アクチュエータ制御装置の閉ループシステムの一部ではなく、
作業指令の完全なセットまたはその定義されたサブセットがいったん受信されて検証されると、該作業指令の完全なセットまたはその定義されたサブセットは、前記機械制御装置からの更なる指令なしに実行され、前記機械には機械制御装置は含まれておらず、前記機械は、遠隔に接続された前記機械制御装置を介してのみ操作されうる、
産業機械システム。
【請求項2】
前記アクチュエータ制御装置は、前記アクチュエータシステムによる数値に基づく実行のための指令を通信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記機械は、データを送信し、決定を下すためのコンピューティング装置を備えている、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータ制御装置(3)は、前記少なくとも1つのアクチュエータを低レベルで制御する数値制御(NC)ユニットである、請求項1から3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記アクチュエータ制御装置(3)は、前記少なくとも1つのアクチュエータを低レベルで制御するプログラマブル論理制御(PLC)ユニットを備えている、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記アクチュエータ制御装置(3)は、機械加工指令を、前記少なくとも1つのアクチュエータと交換するプロセッサである、請求項1から5の何れか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記機械制御装置(9)は、前記遠隔コンピューティングシステム(6)において、仮想機械においてホストされる、請求項1から6の何れか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記機械制御装置(9)は、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)ユニット(12)に接続されている、請求項1から7の何れか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記機械(1)は、前記機械による操作を監視するための監視ユニット(14)を備え、前記監視ユニットは、前記遠隔コンピューティングシステム(6)に接続され、操作情報を前記遠隔コンピューティングシステムに提供するように構成されている、請求項1から8の何れか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記機械(1)はセンサシステム(10)を備え、前記機械制御装置(9)は、センサデータを受信するための前記センサシステム(10)に遠隔接続され、前記機械制御装置(9)は、前記センサデータに応答して、前記機械の前記アクチュエータシステム(2)を遠隔制御するように構成されている、請求項1から9の何れか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記遠隔コンピューティングシステム(6)は、前記機械の操作パラメータを監視し、前記操作パラメータが閾値を超えたときは、前記機械制御装置(9)による、前記機械の前記アクチュエータシステム(2)の前記遠隔制御を不可とするように構成されている、請求項1から10の何れか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記遠隔コンピューティングシステム(6)は、データを収集し、前記データをデータ解析および/または最適化のために使用し、および/または前記データをデータ解析および/または最適化のために他のシステムへ転送するように構成されている、請求項1から11の何れか1項に記載のシステム。
【請求項13】
加工品と操作装置の相対的な動きを制御するように構成されている少なくとも1つのアクチュエータを備え、産業操作を行うためのアクチュエータシステム(2)を備えている産業機械の制御方法であって、
前記アクチュエータシステムと、前記機械から取り外された機械制御装置を備える遠隔コンピューティングシステムの間のインターネット上の通信リンクを確立する(302)ことと、
前記インターネット上の通信リンク上で、前記機械において備えられているアクチュエータ制御装置を介して、前記機械制御装置により、前記機械の前記アクチュエータシステムの前記少なくとも1つのアクチュエータを遠隔制御する(303)ことと、
前記アクチュエータ制御装置で、インターネット接続上で遠隔の前記機械制御装置から指令を受信することと、
該指令を前記機械内の閉ループシステムにおいてブロックごとに実行することであって、前記機械制御装置は、アクチュエータ制御装置の閉ループシステムの一部ではないことと、
作業指令の完全なセットまたはその定義されたサブセットがいったん受信されて検証されると、該作業指令の完全なセットまたはその定義されたサブセットを、機械制御装置からの更なる指令なしに実行され、前記機械には機械制御装置は含まれておらず、前記機械は、遠隔に接続された前記機械制御装置を介してのみに操作されうることと、
を有する、方法。
【請求項14】
機械制御装置により読み込まれて実行されると、請求項1から12の産業機械システムが請求項13に記載の方法を行うことを可能にするコンピュータプログラムコードを備えている、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、例えば、二次元および三次元ビーム切断、チューブ切断、鋸引き、機械加工、フライス加工、旋削、穿孔、穿孔圧搾、圧搾破壊、曲げ加工、溶接、組立操作を含む産業操作を行うための産業機械システム、およびそのような機械の組み合わせ、および材料および/または部品の産業機械への運搬、および産業機械からの部品とスクラップの運搬のためのそのような機械の産業自動化、および産業機械の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業機械システムは、機械部分または操作装置と加工品との間の相対的な動きを提供するためのアクチュエータシステムを有する機械を備えることができる。産業機械システムの非制限的な例としては、二次元および三次元ビーム切断、チューブ切断、鋸引き、機械加工、フライス加工、旋削、穿孔、穿孔圧搾、圧搾破壊、曲げ加工、溶接、組立操作のための機械、およびそのような機械の組み合わせ、およびそのような機械の自動化が含まれる。
【0003】
従来、そのような機械は、産業操作を行うために、要求される動きを行うようにアクチュエータシステムに指令を出すCNC(コンピュータ数値制御)ユニット、NC(数値制御)ユニット、および/または、PLC(プログラマブル論理制御)ユニットを有している。機械は更に機械制御装置を有し、機械制御装置は、Windows(登録商標)またはLinux(登録商標)のような従来のオペレーティングシステムを有してよく、G-codeまたはXMLのような機械制御装置指令に基づいてCNC/NC/PLCユニットに指令を出すように構成されているコンピュータを備えている。機械制御装置はHMIを含み、またはHMIに接続され、機械において備えられているアクチュエータシステムによる実行のために、CNC/NC/PLCユニットに完全な指令を出すようにプログラムを読み込み、処理パラメータを収集するように構成されている。従来は、CNC/NC/PLCユニットと機械制御装置の両者は、産業機械に物理的に含まれており、産業機械は、独立および自立型産業機械システムを形成し、機械制御装置は、機械の重要且つ物理的に接続された部分を形成している。
【0004】
典型的には、そのような機械は、CNC(コンピュータ数値制御)システムの一部である。CNCシステムは、本出願では機械と呼ばれる工作機械と、機械が従うコマンドの詳細な集合である部品プログラムと、プログラムを格納し、コマンドを実行して、工作機械により動作に変換するコンピュータである機械制御装置(または機械制御ユニット)を備えるように定義できる。
【0005】
このタイプの従来の産業機械システムは利点を有している。機械自身は、個々にそれ自身上で操作できる自立型システムを形成する。従って、これは、産業機械の事実上の標準となった。
【0006】
しかし、機械の効率および操作性を向上するために、そのような機械を遠隔位置から制御したいという要望がある。US7761551B2には、業務コンピュータと、機械における機械制御装置の間のセキュア通信により、機械の遠隔制御を提供するためのシステムが開示されている。
【0007】
本発明は、産業機械のこの標準構成に大変革をもたらすことにより、産業機械システムを更に向上させることを目的とする。
【発明の概要】
【0008】
産業機械の操作を簡素化且つ向上でき、機械システムの業務を容易にでき、産業機械のより柔軟的な監視および制御を可能にできることが本発明の目的である。
【0009】
このように、発明は、産業操作を行うためのアクチュエータシステムを備える機械と、機械に遠隔接続され、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成されている機械制御装置を備える遠隔コンピューティングシステムを備えている産業機械システムに関する。
【0010】
アクチュエータシステムにより行われる産業操作は、アクチュエータシステムのアクチュエータと加工品との間の相対的な二次元または三次元の動きを含むことができ、アクチュエータシステムは、アクチュエータを低レベルで制御するためのアクチュエータ制御装置を備えている。
【0011】
産業機械システムは更に、遠隔コンピューティングシステムと、機械から離れている機械制御装置を備えており、通信クライアントを、アクチュエータ制御装置に接続され、前記コンピューティングシステムとの通信を確立するための機械に配置することができ、機械制御装置は、アクチュエータ制御装置を介してアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成されている。
【0012】
それゆえに、発明の実施の形態によれば、機械が、遠隔接続された機械制御装置を介して操作できるだけになるように、機械制御装置は機械に含まれていない。更に、機械には機械制御装置が含まれていないので、機械制御装置を遠隔地からミラーリングすることはできない。そうではなく、完全な機械制御装置を、完全に機能的な産業機械システムを達成するために遠隔地において提供する必要がある。
【0013】
アクチュエータ制御装置は、少なくとも1つのアクチュエータを低レベルで制御するコンピュータ数値制御(CNC)ユニットであってよい。
【0014】
機械は、決定および解析のために遠隔機械制御装置に転送されるデータを格納するためのコンピュータ読取り可能記憶媒体を備えることができる。
【0015】
遠隔機械制御装置および/または産業機械システムは、加工品を産業機械システムに搬送し、加工品またはスクラップを産業機械システムから搬送するための1つまたは幾つかの産業自動化ソリューションに接続することができる。
【0016】
機械は工作機械であってよく、例えば、二次元または三次元ビーム切断、チューブ切断、鋸引き、機械加工、フライス加工、旋削、穿孔、穿孔圧搾、圧搾破壊、曲げ加工、溶接、組立操作のための機械、およびそのような機械の組み合わせ、または材料および/または部品の産業機械への運搬、および産業機械からの部品とスクラップの運搬のための産業自動化であってよい。
【0017】
発明のシステムにおいては、機械制御装置は機械から取り外され、そこから距離を置いて配置される。典型的には、機械制御装置は、プログラムを読み込み、機械を制御するためのHMIを備える、またはHMIに接続される。機械制御装置を機械から取り外し、機械制御装置を、遠隔コンピューティングシステムに含めることによりアクチュエータシステムに接続することにより、機械の全体コストと機械の複雑さが削減される。機械制御装置自身の業務は、機械から離れた遠隔地において集中的に行うことができるので、容易にすることができる。機械はまた、種々の遠隔コンピューティング装置からアクセスできる。幾つかの産業機械の完全な集合体の操作は、それらの産業機械を、共通の遠隔コンピューティングシステムから共通に制御することにより容易にできる。例えば、1つの機械制御装置を、幾つかの機械を制御するために配置できる。このように、発明はまた、重要な機械制御装置を遠隔コンピューティングシステムの制御下に置くことができ、機械が個々にそれ自身上で操作できないので、産業機械を操作および維持する新しい方法も提供する。それゆえに、機械自身が、機械制御装置またはHMIを備えることはなくなる。機械は、オン/オフボタン、非常停止ボタンなどの、より簡単なコマンドが提供されるだけである。
【0018】
この点において、遠隔手段は、機械から離れていて、機械に物理的に接続されていない手段を示す。遠隔コンピューティングシステムは、専用サーバシステムであってよく、または、包括的サーバシステム、つまり、クラウドコンピューティングシステムに含まれてよい。このように、機械の監視および制御は、物理的存在を必要としない。
【0019】
機械は、機械制御装置と通信するように構成されている通信クライアントを備えることができる。通信クライアントは、機械または機械の任意のサブ部品が、機械制御装置と通信することを可能にする機能ユニットであり、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現できる。代替として、アクチュエータ制御装置のような、機械の任意のサブ部品は、自身で機械制御装置に接続するように構成できる。機械制御装置は、機械コード指令を送信することにより、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成できる。通信は、好ましくは無線で行われるが、機械は、好ましくは、遠隔機械制御装置への、ワイヤ/ケーブルを介しての接続のためのポートもまた設けられる。機械制御装置は、機械への通信および機械による実行のためのプログラムをロードするための手段を含んでいる。
【0020】
それにより、機械は、機械と遠隔コンピューティングシステムの間の通信チャネルを確立して維持するための最小レベルのコンピューティングパワーを含んでいる。
【0021】
機械制御装置は、インターネット接続、またはWi−Fi、Bluetooth(登録商標)などのような他の遠隔接続を介して機械に遠隔接続できる。接続は、ファイアウォールおよび/またはプロキシサーバを介することができる。遠隔コンピューティングシステムと機械の間の如何なる接続も、可能性として、機密性機械加工データのプライバシーを高めるために更に暗号化できる。暗号化は、TLS(トランスポートレイヤーセキュリティ)、HTTPS(トランスポートレイヤーセキュリティまたはセキュアソケットレイヤーにより暗号化された接続内のハイパーテキストトランスファープロトコル上の通信)、またはVPN(バーチャルプライベートネットワーク)により提供できる。
【0022】
機械制御装置は、遠隔コンピューティングシステムにおいて、仮想機械においてホスト(hosted)されうる。このように、機械に関連するコストを削減できる。機械制御装置の遠隔アクセス可能性が増大され、例えば、機械の保守を容易にする。ソリューションはまた、例えば、材料供給チェーンと、機械処理能力の使用法の最適化に対する統合およびデータマイニングを可能にする。
【0023】
システムは、アクチュエータ制御装置、例えば、CNC(コンピュータ数値制御)ユニット、NC(数値制御)ユニット、および/またはPLC(プログラマブル論理制御)ユニット、および/または、機械加工指令をアクチュエータと交換する他のプロセッサを備えることができる。機械制御装置は、アクチュエータ制御装置を介して、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成できる。このように、機械は、低レベル機械指令により低レベルで制御でき、一方、遠隔制御および、このように削減されたコストおよび向上したアクセス可能性を可能にする。機械制御装置は、データ転送リンクおよび/または他のプロセッサを介するアクチュエータ制御装置を介して、機械のアクチュエータシステムに接続できる。アクチュエータ制御装置、例えば、NC/PLCユニットは、アクチュエータシステムによる数値に基づく実行、つまり、定義された動き、回転などを行うための指令を通信するように構成されている。
【0024】
アクチュエータ制御装置は、機械に備えることができる。
【0025】
このように、アクチュエータ制御装置とアクチュエータシステムの間の通信経路を最小化できる。
【0026】
遠隔コンピューティングシステムは、アクチュエータ制御装置の操作パラメータを修正するように構成できる。このように、機械は遠隔地から、例えば、物理的存在を必要とせずに制御できる。
【0027】
機械制御装置は、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)ユニットに接続できる。HMIは、データを入力/出力し、機械およびその操作を監視するために、機械のオペレータにより使用できる。HMIユニットは、インターネット接続を介して、機械制御装置に遠隔接続できる。このように、機械に対する、および遠隔コンピューティングシステムに対するHMIユニットの位置を選択することができ、オペレータは、機械または機械制御装置における物理的存在を必要とすることなく、機械を監督および制御できる。接続は、ファイアウォールおよび/またはプロキシサーバを介することができ、および/または、可能性として、機密性データのプライバシーを高めるために更に暗号化できる。暗号化は、TLS(トランスポートレイヤーセキュリティ)、HTTPS(トランスポートレイヤーセキュリティまたはセキュアソケットレイヤーにより暗号化された接続内のハイパーテキストトランスファープロトコル上の通信)、またはVPN(バーチャルプライベートネットワーク)により提供できる。HMIおよび/または遠隔コンピューティングシステムは、例えば、パスワードまたは他の識別手段を要求することにより、オペレータのユーザ識別情報を要求するように構成できる。
【0028】
機械は、機械による操作を監視するための監視ユニットを備えることができ、監視ユニットは、遠隔コンピューティングシステムに接続でき、遠隔コンピューティングシステムに操作情報を提供するように構成できる。監視ユニットは、カメラなどのような撮像装置であってよく、遠隔監視および決定を下すことを可能にできる。
【0029】
アクチュエータシステムは、産業操作を行うために、加工品と、機械の操作装置の相対的な動きを制御するように構成されている少なくとも1つのアクチュエータを備えることができる。
【0030】
機械はセンサシステムを備えることができ、機械制御装置は、センサデータを受信するためにセンサシステムに遠隔接続でき、機械制御装置は、センサデータに応答して、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成されている。このように、機械の複雑さを削減でき、データを処理でき、機械を制御できる遠隔コンピューティングシステムにデータ提供することに制限できる。
【0031】
機械制御装置は、CAD/CAMシステムまたはオペレータから機械プログラムを受信するように構成できる。
【0032】
遠隔コンピューティングシステムは、機械の操作パラメータを監視し、操作パラメータが閾値を超えたときは、機械制御装置による機械のアクチュエータシステムの遠隔制御を不可にするように構成できる。操作パラメータは、例えば、機械の操作時間、機械の操作サイクル数などであってよい。このように、例えば、機械の処置可能性を制御することができ、例えば、機械の限られた操作時間、機械の限られた数の動作サイクルなどに制限できる。
【0033】
遠隔コンピューティングシステムは、機械および/または生産データを収集して、機械および/または生産データを、例えば供給チェーン、需要チェーン、保守、または他のビッグデータのデータ解析および/または最適化のために他のシステムに転送するように構成できる。
【0034】
発明は更に、産業機械の制御方法に関し、
−加工品と操作装置の相対的な動きを制御するように構成されている少なくとも1つのアクチュエータを備えるアクチュエータシステムを、産業操作を行うために備えている機械を提供することと、
−アクチュエータシステムと、機械から取り外された機械制御装置を備える遠隔コンピューティングシステムの間に通信リンクを確立することと、
機械のアクチュエータシステムの少なくとも1つのアクチュエータを、通信リンク上で、および機械に備えられたアクチュエータ制御装置を介して、機械制御装置により遠隔制御することを備えている。
【0035】
機械制御装置により機械のアクチュエータシステムを遠隔制御することは、機械コード指令を送信することを備えることができる。
【0036】
通信リンクは、ファイアウォールおよび/またはプロキシサーバを介することができる。
【0037】
通信リンクは、インターネット接続または、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)などのような他の遠隔通信技術を介することができる。
【0038】
通信リンクは、TLS/HTTPSまたはVPNを使用するなどにより暗号化できる。
【0039】
機械制御装置は、遠隔コンピューティングシステムにおいて、仮想機械においてホスト(hosted)されうる。
【0040】
方法は、機械制御装置を制御するためにHMI(ヒューマンマシンインタフェース)を提供することを備えることができる。HMIは、機械のオペレータにより使用できる。
【0041】
方法は、インターネット接続を介して、または、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)などのような他の遠隔通信技術を介して、HMIユニットと機械制御装置の間の通信リンクを確立することを備えることができる。
【0042】
機械はセンサシステムを備えることができ、センサデータはセンサシステムから機械制御装置に送信され、方法は、センサデータに応答して、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御することを備えることができる。
【0043】
発明は更に、実行されると、コンピュータにおけるプロセッサが、ここで開示された方法を行うことを可能にするコンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品に関する。
【0044】
発明は更に、コンピュータにおけるプロセッサによる実行のために構成されているコード化された、ここで開示された方法を備える指令セットを表すデータを備える非一時的コンピュータ読取り可能媒体または複数の非一時的コンピュータ読取り可能媒体に関する。
【0045】
システム、コンピュータプログラム製品、および非一時的コンピュータ読取り可能媒体は、ここで開示された方法の対応する特徴に関して注記したように、類似の利点を提供する。
【0046】
発明に関する種々の実施の形態および例を、付随する図面を参照してここに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】1つの実施の形態に係る産業機械システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1には、産業機械システムが示されている。システムは、レーザー切断、溶接、摩擦攪拌溶接、超音波溶接、火炎およびプラズマ切断、曲げ加工、紡績、穿孔、ピン止め、接着、織物切断、縫製、テープおよび繊維配置、ルーティング、ピッキングアンドプレーシング、および鋸引きための機械のような機械1を備えている。
【0049】
機械は、産業操作を行うためのアクチュエータシステム2を備えている。アクチュエータシステムは、少なくとも1つのアクチュエータ、つまり、直線または回転運動のためのモータを備えている。典型的には、アクチュエータシステムは、少なくとも、機械の操作部分と加工品の間の相対的な二次元または三次元の動きを行うように構成されている。
【0050】
アクチュエータシステムは、CNC(コンピュータ数値制御)、NC(数値制御)、またはPLC(プログラマブル論理制御)ユニットの形状のアクチュエータ制御装置3により制御される。アクチュエータ制御装置は、アクチュエータを低いレベルで制御、つまり、アクチュエータシステムの作動のための、低レベル制御コマンドを送ることにより制御する。アクチュエータシステムは、例えば、通信バスを含んでいる機械内部通信ネットワーク4を介してアクチュエータ制御装置に接続されている。
【0051】
機械はオプションとして、データを送信して決定を下すためのプロセッサ、ネットワーク、通信リンク、または他のコンピューティング装置に対する、機械および他の制御装置11の種々の処理パラメータを感知するためのセンサシステム10のような他のシステムを備えている。これらのシステムはまた、機械制御装置が、センサデータを受信するためのセンサシステムに遠隔接続されるように、機械共通内部通信ネットワーク4と遠隔コンピューティングシステムにも接続されている。機械制御装置は更に、センサデータに応答して、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成されている。
【0052】
機械は更に、遠隔コンピューティングシステム6との通信を確立するために、アクチュエータ制御装置3に接続されている通信クライアント5を備えている。通信クライアントは、機械または機械の任意のサブ部品が、機械制御装置と通信することを可能にする機能ユニットであり、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現できる。遠隔コンピューティングシステムは、インターネットに接続されているクラウドに基づくコンピューティングシステムであってよい。通信クライアント5と遠隔コンピューティングシステムは、例えば、HTTPS/TSLによる暗号化通信を開始することにより、またはVPN(バーチャルプライベートネットワーク)を確立することにより、インターネット上で互いのセキュア通信7を確立するように構成できる。1つの代替においては、通信クライアントと遠隔コンピューティングシステムの間の通信は、ファイアウォールまたはプロキシサーバ8上で確立できる。更なる代替として、アクチュエータ制御装置3のような機械の任意のサブ部品は、遠隔コンピューティングシステム6にそれ自身で接続するように構成できる。
【0053】
遠隔コンピューティングシステム6は機械制御装置9を備え、機械制御装置は機械に遠隔接続され、機械制御装置は、アクチュエータ制御装置の操作パラメータを修正することにより、アクチュエータ制御装置を介して、機械のアクチュエータシステムを遠隔制御するように構成されている。
【0054】
機械制御装置9は、遠隔コンピューティングシステム6において、仮想機械においてホスト(hosted)される。このようにして、機械制御装置リソースは、効率のよい方法で有効利用できる。機械制御装置は、例えば、機械プログラムコードを読み込み実行し、機械パラメータを制御し、機械パラメータの手動制御または調整を可能にし、関連するシステムへのインタフェースとして機能するように構成できる。機械制御装置は、インターネット接続13を介して機械制御装置に遠隔接続でき、または機械制御装置に含めることができるHMI(ヒューマンマシンインタフェース)ユニット12に接続されている。何れにせよ、機械のオペレータは、例えば、インターネットに接続された遠隔地から、機械の操作を監督および制御できる。HMIユニット12および/または遠隔コンピューティングシステム6は、例えば、パスワードまたは他の識別手段を要求することにより、オペレータのユーザ識別情報を要求するように構成できる。
【0055】
下記に、
図1に例示されているような発明のシステムの非制限的実施の形態を記述する。機械1上には局所的に、機械加工操作を行うためのアクチュエータを備えるアクチュエータシステム2が含まれている。アクチュエータ制御装置3は、アクチュエータシステム2の一部、またはアクチュエータシステム2に接続されている。アクチュエータ制御装置は、遠隔機械制御装置から指令を受信し、指令を、閉ループシステムにおいてブロックごとに実行するように構成されている。それゆえに、アクチュエータにより行われる各タスクは監視され、完了したサブ操作のあと、このアクチュエータまたは他のアクチュエータは、全体の操作が完了するまで、次のサブ操作を行う。これは、機械のアクチュエータの操作は、アクチュエータ制御装置により低レベルで制御されることを意味する。アクチュエータ制御装置は、指令とログデータを保存且つ実行するために、典型的にはメモリとプロセッサを含んでいる。アクチュエータシステムは、従来の機械制御装置またはHMIを含んでいない。それゆえに、機械のアクチュエータシステムは、遠隔機械制御装置から指令を受信することに依存している。しかし、作業指令の完全なセットまたはその定義されたサブセットがいったん受信されて検証されると、それは、機械制御装置からの更なる指令なしに実行され得る。作業指令のサブセットは、完全な機械操作の一部であってよいが、少なくとも、アクチュエータシステムが完全な操作の一部を行うために十分な情報を含んでいる。操作は、好ましくは、機械内の閉ループシステムにおいて、段階的に行われる。機械には、非常停止ボタンとオン/オフボタンのような、簡単な機能が備えられるだけである。それ以外は、機械は、操作するためには、遠隔機械制御装置からのコマンドに依存する。
【0056】
機械制御装置は、機械から物理的に離れて位置しており、典型的には、クラウドに位置している。進行中のプロセスの監視、指令のロード、指令の修正、および新しい指令の作成は、遠隔機械制御装置で行うことができるだけである。それゆえに、発明の機械制御装置は、それが機械の物理的一部ではなく、機械に遠隔接続されているという点においてのみ従来の機械制御装置に対応している。機械制御装置および相互接続されたHMIによって監視および制御される指令は、切断速度、切断深度、圧力などのような操作パラメータを含んでいる。機械制御装置は、アクチュエータ制御装置の閉ループシステムの一部ではない。それゆえに、新しい指令が機械制御装置から送られない限り、機械におけるアクチュエータシステムは、機械制御装置から、操作を終了または変更する特定指令が受信されない限り、更なる指令を待つことなく、完全に受信された操作指令を終了する。しかし典型的には、指令は、完全な操作に対して提供されるのみで、従って、新しい指令は、進行中の操作ではなく、この後に続く操作を考慮するだけである。これは、安全装置として設定できるが、どのタイプの操作上の安全を実現すべきかは、オペレータの決定次第である。
【0057】
機械制御装置は、指令を1つずつ、または幾つかの指令をバッチシステムにおいて送るように構成されている。情報を送る如何なる従来の方法をも利用できる。機械制御装置は更に、情報を受信し、前記情報に基づいて決定を下すように構成されている。例えば、機械制御装置は、フィードバックデータに従って行動し、前記フィードバックに基づいて決定を下し、および/または新しい指令を送ることができる。
【0058】
発明のシステムは、例えば、インターネットの待ち時間のため通信が劣化した結果としてコマンドが失われるというリスクなしに、産業機械を遠隔制御する可能性を提供する。これは、例えば、操作がアクチュエータ制御装置において完全に受信且つ確認応答されるため確実となる。
【0059】
監視を容易にするために、機械は、機械による操作を監視するための、カメラなどの監視ユニット14を備えている。監視ユニットは、通信クライアント5を介して遠隔コンピューティングシステム6に接続され、遠隔コンピューティングシステムに操作情報を提供するように構成されている。操作情報は処理されて、HMI12に送信される。
【0060】
機械制御装置は、CAD/CAMシステムから、または、例えばHMIユニット12を介してオペレータからの手動入力により機械プログラムを受信するように構成されている。
【0061】
1つの実施の形態においては、遠隔コンピューティングシステムは、機械の操作パラメータを監視し、操作パラメータが閾値を超えたときは、機械制御装置による、機械のアクチュエータシステムの遠隔制御を不可とするように構成されている。そのような操作パラメータは、操作時間、機械により行われた操作サイクル数などであってよい。このように、操作コストおよび機械の使用は、機械制御装置へのアクセスを制限することにより制御および制限できる。
【0062】
遠隔コンピューティングシステムは、機械および/または生産データを収集して、そのデータを、データ解析および/または最適化のために、他のシステム(図示せず)に転送するように構成されている。機械データは、例えば、供給チェーン(購入、製造、流通)、需要チェーン(マーケティング、セールス、サービス)、機械保守、または他のビッグデータ適用を最適化するために使用できる。
【0063】
図2には、産業機械の制御方法が例示されている。方法は、ここで開示されたような機械を提供し301、産業操作を行うためのアクチュエータシステムを備えるステップを備えている。アクチュエータシステムと、機械制御装置を備える遠隔コンピューティングシステムの間の通信リンクが確立され302、その後、機械のアクチュエータシステムは、通信リンク上で機械制御装置により遠隔制御される303。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
加工品と操作装置の相対的な動きを制御するように構成されている少なくとも1つのアクチュエータを備え、産業操作を行うためのアクチュエータシステム(2)を備えている機械(1)と、機械制御装置(9)を備える遠隔コンピューティングシステム(6)を備えている産業機械システムであって、
前記機械制御装置は前記機械から取り外され、前記機械に遠隔接続され、前記機械制御装置は、前記機械において備えられているアクチュエータ制御装置を介して、前記機械の前記アクチュエータシステムの前記少なくとも1つのアクチュエータを遠隔制御するように構成されていることを特徴とする産業機械システム。
〔態様2〕
前記アクチュエータ制御装置は、前記アクチュエータシステムによる数値に基づく実行のための指令を通信するように構成されている、態様1に記載のシステム。
〔態様3〕
前記機械は、データを送信し、決定を下すためのコンピューティング装置を備えている、態様1または2に記載のシステム。
〔態様4〕
前記アクチュエータ制御装置(3)は、前記少なくとも1つのアクチュエータを低レベルで制御する数値制御(NC)ユニットである、態様1から3の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様5〕
前記アクチュエータ制御装置(3)は、前記少なくとも1つのアクチュエータを低レベルで制御するプログラマブル論理制御(PLC)ユニットを備えている、態様3または4に記載のシステム。
〔態様6〕
前記アクチュエータ制御装置(3)は、機械加工指令を、前記少なくとも1つのアクチュエータと交換するプロセッサである、態様1から5の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様7〕
前記機械制御装置(9)は、インターネット接続(7)を介して、前記機械(1)に遠隔接続されている、態様1から6の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様8〕
前記機械制御装置(9)は、前記遠隔コンピューティングシステム(6)において、仮想機械においてホストされる、態様1から7の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様9〕
前記機械制御装置(9)は、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)ユニット(12)に接続されている、態様1から8の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様10〕
前記機械(1)は、前記機械による操作を監視するための監視ユニット(14)を備え、前記監視ユニットは、前記遠隔コンピューティングシステム(6)に接続され、操作情報を前記遠隔コンピューティングシステムに提供するように構成されている、態様1〜9の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様11〕
前記機械(1)はセンサシステム(10)を備え、前記機械制御装置(9)は、センサデータを受信するための前記センサシステム(10)に遠隔接続され、前記機械制御装置(9)は、前記センサデータに応答して、前記機械の前記アクチュエータシステム(2)を遠隔制御するように構成されている、態様1〜10の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様12〕
前記遠隔コンピューティングシステム(6)は、前記機械の操作パラメータを監視し、前記操作パラメータが閾値を超えたときは、前記機械制御装置(9)による、前記機械の前記アクチュエータシステム(2)の前記遠隔制御を不可とするように構成されている、態様1〜11の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様13〕
前記遠隔コンピューティングシステム(6)は、データを収集し、前記データをデータ解析および/または最適化のために使用し、および/または前記データをデータ解析および/または最適化のために他のシステムへ転送するように構成されている、態様1〜12の何れか一態様に記載のシステム。
〔態様14〕
産業機械の制御方法であって、
加工品と操作装置の相対的な動きを制御するように構成されている少なくとも1つのアクチュエータを備え、産業操作を行うためのアクチュエータシステム(2)を備えている機械を提供する(301)ことと、
前記アクチュエータシステムと、前記機械から取り外された機械制御装置を備える遠隔コンピューティングシステムの間の通信リンクを確立する(302)ことと、
前記通信リンク上で、前記機械において備えられているアクチュエータ制御装置を介して、前記機械制御装置により、前記機械の前記アクチュエータシステムの前記少なくとも1つのアクチュエータを遠隔制御する(303)こととを有する、方法。
〔態様15〕
機械制御装置により読み込まれて実行されると、態様1から13の産業機械システムを可能にし、コンピュータにおけるプロセッサが、態様14に記載の方法を行うことを可能にするコンピュータプログラムコードを備えている、コンピュータプログラム製品。