(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6954955
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】猫のためのペット用具
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20211018BHJP
【FI】
A01K15/02 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-115067(P2019-115067)
(22)【出願日】2019年6月21日
(65)【公開番号】特開2020-48550(P2020-48550A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2019年6月21日
(31)【優先権主張番号】201811123369.6
(32)【優先日】2018年9月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518086136
【氏名又は名称】シァメン サニーペット プロダクツ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Sunnypet Products Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コォンジ ルゥ
【審査官】
佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0319629(US,A1)
【文献】
特開2016−140254(JP,A)
【文献】
特開平09−191791(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0338316(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0132149(US,A1)
【文献】
サイザル麻,2020年05月21日,https://web.archive.org/web/20170723004330/https://www.weblio.jp/content/サイザル,2017年7月23日アーカイブ
【文献】
ケージかじり防止に!!サイザル麻ロープ,2018年02月16日,kihttp://takyushu-rabbit.jp/blog/14094
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/02
A01K 1/00
A01K 23/00
A01K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と内側ハウスとを備え、
前記外枠は多面体の枠構造であり、
前記内側ハウスは、少なくとも二つの連結材で前記外枠の内部空間に固定取り付けで架け渡され、前記内側ハウスは少なくとも一つの入口を備え、
少なくとも二つの前記連結材は、
前記内側ハウスの上部を前記外枠の上部に取り付ける少なくとも一つの第1連結材と、
前記内側ハウスの下部を前記外枠の下部に取り付ける少なくとも一つの第2連結材とを含み、
前記内側ハウスが、前記外枠を体積について縮小した多面体の構造に構成され、前記第1及び第2連結材は、前記内側ハウスの各頂点を前記外枠の対応する内側コーナーにそれぞれ固定する、猫のためのペット用具。
【請求項2】
前記外枠の一つ以上の辺の外面は、サイザル麻のロープの巻き付けが施されている請求項1記載の猫のためのペット用具。
【請求項3】
前記外枠の少なくとも一つの表面には、布カバーが固定取り付けで設けられている請求項1記載の猫のためのペット用具。
【請求項4】
前記外枠は立方体の枠であり、前記内側ハウスは立方体の形状であり、前記第1連結材は四つの第1連結材であり、前記第2連結材は四つの第2連結材である請求項1記載の猫のためのペット用具。
【請求項5】
布カバーが、前記外枠の上面に固定取り付けで設けられ、前記外枠の前記上面の四辺は、前記四辺のそれぞれの長手方向に沿って、条溝をそれぞれ有し、
それぞれ対応して前記条溝を貫通する四つの連結部分が、前記布カバーに設けられ、位置決めロッドが各前記連結部分に挿入されている請求項4記載の猫のためのペット用具。
【請求項6】
前記外枠の下面の四辺が、前記四辺のそれぞれの長手方向に沿って、条溝をそれぞれ備えている請求項5記載の猫のためのペット用具。
【請求項7】
前記外枠の各辺が、金属棒、木製の棒、又は木製の棒の筒がかぶせられた金属棒で形成されている請求項1記載の猫のためのペット用具。
【請求項8】
前記連結材が、弾力的な連結材、剛性を有する連結材、又は可撓性のある連結材のうちいずれか一つ又はその組み合わせである請求項1記載の猫のためのペット用具。
【請求項9】
前記外枠に形成され、前記多面体の各面の輪郭線に沿った輪郭線を周囲に有し、前記外枠の外部と前記内側ハウスとの間で猫が通過することを許容する複数の外枠開口を備えている請求項1記載の猫のためのペット用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用具の分野に関し、さらに詳しくは、猫のためのペット用具(furniture)に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の生活の質の向上とともに、ますます多くの人々が、自分自身の孤独を紛らわすため、また娯楽などのような精神的な必要性を満たすために、猫をペットとして飼っている。人によっては、愛玩猫を重要な家族の一員として扱うことさえある。今日、家庭では、餌をやり、運動させ、遊ばせることを組み合わせて、愛玩猫を育てている。従って、猫のためのさまざまなペット用具又は猫用の用具が、時宜を得て生み出されている。
【0003】
例えば、中国実用新案出願公開第201131222号は、変形可能な猫用の用具を開示している。これは複数の基板と組み付け棒とを備えている。基板には複数の孔が形成されている。孔にはナットが設けられている。組み付け棒の両端には、溝孔がそれぞれ形成されている。溝孔にはナットが設けられている。基板と組み付け棒とは、ボルトで接続されている。この構造の猫用の用具は、取り外し可能であり、サイズと構造が調節可能であるので、スペースを節約することができる。しかし、猫用の用具は、愛玩猫が隠れて眠るスペースを与えず、また愛玩猫に使う以外の機能を与えず、愛玩猫が跳んだり跳ねたりして遊ぶのに使えるだけである。このため、使用には限界がある。
【発明の概要】
【0004】
他の例では、中国実用新案出願公開第203608693号は変形可能な猫用の用具を開示している。これは支持柱と猫用ベッドとを備えている。猫用ベッドは、支持柱の底部に設けられている。支持柱の周りに回転可能な複数の支持部が、支持柱上で下から上に向かって配列されて設けられている。この文献に記載された猫用の用具の中で、愛玩猫は飛び跳ね、遊び、休息する。さらに、猫用の用具は、簡単な構造であり、梱包して保管するのは容易である。しかしこの種の猫用の用具は次の難点がある。1.猫用の用具は単純な構造であるので、愛玩猫が遊ぶには興味は十分に大きくない。2.愛玩猫と猫用の用具との間の相互作用に乏しい。愛玩猫が猫用の用具からの反応を何も受けずに長時間猫用の用具で遊ぶと、猫は退屈してしまう。このため、本発明は、猫のためのペット用具を提供するものである。
【0005】
本発明は、遊びに対する興味が大きくないこと、愛玩猫との間の相互作用が乏しいこと、猫が退屈しやすいことなどの難点を取り除くようにした、猫のためのペット用具を提供する。
【0006】
本発明は、以下の技術的な解決を用いる。
【0007】
猫のためのペット用具は、外枠と内側ハウスとを備え、外枠は多面体の枠構造であり、内側ハウスは、少なくとも二つの連結材で外枠の内部空間に固定取り付けで架け渡され、内側ハウスは少なくとも一つの入口を備えている。
【0008】
さらに、内側ハウスが、外枠に従って体積について縮小した多面体になっている。
【0009】
さらに、外枠の一つ以上の辺の外面は、サイザル麻のロープの巻き付けが施されている。
【0010】
さらに、外枠の少なくとも一つの表面には、布カバーが固定取り付けで設けられている。
【0011】
好ましくは、外枠は立方体の枠であり、内側ハウスは立方体の形状であり、内側ハウスの八つの頂点は、連結材によって外枠の八つの内側コーナーにそれぞれ固定されている。
【0012】
布カバーが、外枠の上面に固定取り付けで設けられ、外枠の上面の四辺は、四辺のそれぞれの長手方向に沿って、条溝をそれぞれ有し、それぞれ対応して条溝を貫通する四つの連結部分が、布カバーに設けられ、位置決めロッドが各連結部分に挿入されている。
【0013】
さらに、外枠の下面の四辺が、四辺のそれぞれの長手方向に沿って、条溝をそれぞれ備えている。
【0015】
さらに、外枠の各辺が、金属棒、木製の棒、又は木製の棒の筒がかぶせられた金属棒で形成されている。
【0016】
さらに、連結材が、弾力的な連結材、剛性を有する連結材、又は可撓性のある連結材のうちいずれか一つ又はその組み合わせである。
【0017】
本発明の構造の上述した説明によれば、本発明は、従来技術と比較して下記のような利点を有する。
【0018】
1.このような構造を有する猫のためのペット用具によれば、内側ハウスは、連結材によって、正多面体の構造を有する外枠の内側空間に架け渡され、内側ハウスは、入口を有する。愛玩猫は、外枠と内側ハウスとの間で飛び跳ねて遊ぶことができる。さらに、猫の爪をもって内側ハウスの外面をよじ登ったり、内側ハウスの外面を叩いたりしたときに、内側ハウスは外力によって揺れるので、愛玩猫は、その反応を受け、遊ぶことを一層楽しむようになる。
【0019】
2.この構造を有する猫のためのペット用具は、基本単位のみで使用できるし、より大きな愛玩猫の遊戯場所を形成するように組み合わせたり積み重ねたりすることができる。
【0020】
3.この構造を有する猫のためのペット用具によれば、布カバーが外枠の上面に固定によって設けられ、あるいは、サイザル麻の表面の猫の引っ掻き板が、外枠の一つ以上の辺の外面に設けられているので、ペット用具は、愛玩猫ハンモックとして使用でき、あるいは愛玩猫はそれを使って爪を研ぐことができる。
【0021】
4.この構造を有する猫のためのペット用具によれば、外枠の上面の辺にある条溝は、布カバーの接続固着スロットとして、かつまた二つの基本単位の接続孔として機能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態1の構造的な概略図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る、猫のためのペット用具を二つ重ねた状態を示す概略図である。
【
図6】本発明の実施形態3の構造的な概略図である。
【
図8】本発明の実施形態4の第1の構造的な概略図である。
【
図9】本発明の実施形態4の第2の構造的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の特定の実施形態について、図面を参照しながら下記のように説明する。
【0024】
実施形態1
図1,2に示すように、猫のための一つのペット用具は、外枠10と内側ハウス20とを備えている。さらに本実施形態の外枠10は、立方体の枠構造であり、内側ハウス20は外枠10に従って体積について縮小した立方体になっている。内側ハウス20は、外枠10内に固定によって架け渡されている。特に、内側ハウス20の八つの頂点は、連結材21によって外枠10の八つの内側コーナーにそれぞれ固定され、これにより内側ハウス20の中心が外枠10の中心と一致する。連結材21は、弾力的な連結材、剛性を有する連結材、又は可撓性のある連結材のうちいずれか一つ又はその組み合わせであってよい。異なる材料から形成された連結材21は、愛玩猫のために異なる遊戯の体験を与えることができる。
【0025】
図1に示すように、内側ハウス20は好ましくは硬質の材料から形成されている。具体的には硬質の材料は、硬質の木製の板、硬質の板紙又は硬質のプラスチック板からできていてもよく、これらは布で覆われる。さらに内側ハウス20の外面は、サイザル麻のロープ22の巻き付けが施されていてもよい。一方ではサイザル麻のロープ22は、愛玩猫が遊んだり爪を研いだりするのに使用することができる。他方サイザル麻のロープ22は、愛玩猫が内側ハウスに当たったときに緩衝の機能を提供することができる。また本発明の内側ハウス20は、内側ハウス20が外枠の内側空間に架け渡されている限りは、柔軟な材料から形成されていてよい。
【0026】
図1,2に示すように、内側ハウス20は少なくとも一つの入口23を有する。好ましくは、内側ハウス20の上面と内側ハウス20の一方の側部とが、入口23をそれぞれ備えている。愛玩猫は、その一方の側部の入口から内側ハウスにはいることができる。あるいは愛玩猫は、上面の入口から、外枠10又は内側ハウス20の上面に直接跳びつくことができ、愛玩猫は遊ぶことに一層の面白みを感じることができる。
【0027】
外枠10の各辺は、金属棒、木製の棒、又は木製の棒の筒がかぶせられた金属棒で形成されている。もちろん、外枠10の各辺はさらに、プラスチック又は他の一般によく用いられる枠材料からできていてもよい。また外枠10の各辺は、愛玩猫が遊んだり爪を研いだりするために一層大きなスペースを与えるように、サイザル麻のロープで覆われてもよい。
【0028】
実施形態2
図3,4に示すように、本実施形態の外枠10は、立方体の枠構造であり、内側ハウス20は外枠10に従って体積について縮小した立方体になっている。本実施形態と実施形態1との違いは、外枠10の各辺の構造にある。
【0029】
図3に示すように、布カバー11が、本実施形態の外枠10の上面に固定によって設けられている。外枠10の上面の各辺の横断面は、矩形である。外枠10の上面の四辺は、四辺の各長手方向に沿って、条溝100をそれぞれ有する。四つの連結部分110が布カバー11に設けられている。各連結部分110はそれぞれ対応して条溝100を貫通し、その後に位置決めロッドが連結部分110を位置決めするように挿入される。
【0030】
図3,4に示すように、外枠10の下面の四辺はさらに、四辺の各長手方向に沿って条溝100をそれぞれ備えている。本実施形態の猫のためのペット用具は、基本単位として使用してよい。縦方向に拡張することが必要なときには、布カバー11が除去される。その後に、猫のための一つのペット用具の外枠10の下面にある四つの条溝100は、(
図5に示すように)ボルトによって、隣のもう一つの猫のためのペット用具の外枠の上面にある四つの条溝100に、接続される。横方向に拡張することが必要なときには、布カバー11が除去される。その後にペット用具は90度だけ回され、外枠10の上面と下面とがそれぞれ左側壁と右側壁とになる。その後に、猫のための一つのペット用具の外枠10の右側壁にある四つの条溝100は、ボルトによって、隣のもう一つの猫のためのペット用具の外枠10の左側壁にある四つの条溝100に、対応して接続される。もちろん、本発明の猫のためのペット用具の外枠の左側壁又は右側壁の四辺は、条溝100を有していてもよく、猫のためのペット用具は、同時に縦方向と横方向とに拡張することができる。
【0031】
実施形態3
図6,7に示すように、本実施形態の猫のためのペット用具は、外枠10と内側ハウス20とを備えている。本実施形態では、外枠10の各辺の構造と内側ハウス20の材料は、実施形態1と同じである。本実施形態と実施形態1との大きな違いは、本実施形態の外枠10が正四面体の枠構造であって、内側ハウス20が外枠10に従って体積について縮小した正四面体であることにある。内側ハウス20は、外枠10の内側に固定によって架け渡されている。具体的には、内側ハウス20の四つの頂点は、連結材21によって外枠10の四つの内側コーナーにそれぞれ固定され、内側ハウス20の中心は外枠10の中心と一致する。連結材21は、弾力的な連結材、剛性を有する連結材、又は可撓性のある連結材のうちいずれか一つ又はその組み合わせであってよい。
【0032】
もちろん、本実施形態の外枠10の各側面の横断面は、矩形であってもよい。外枠10の各側面の三辺は、三辺のそれぞれの長手方向に沿っている条溝を備え、これにより、猫のためのペット用具は、各側面の方向に沿って拡張することができる。猫のためのペット用具が各側面の方向に拡張されるときには、一つの外枠の側面中の条溝は、ボルトを用いて、他の外枠の側面の条溝にネジで締結されて接合される。
【0033】
実施形態4
図8,9に示すように、本実施形態の猫のためのペット用具は、外枠10と内側ハウス20とを備えている。本実施形態では、外枠10の各辺の構造と内側ハウス20の材料は、実施形態1と同じである。本実施形態と実施形態1との大きな違いとしては、本実施形態の外枠10が正八面体の枠構造である。内側ハウス20が、外枠10に従って体積について縮小した正八面体である。内側ハウス20は、外枠10の内側に固定によって架け渡されている。具体的には、内側ハウス20の六つの頂点は、連結材21によって外枠10の六つの内側コーナーにそれぞれ固定され、内側ハウス20の中心は外枠10の中心と一致する。連結材21は、弾力的な連結材、剛性を有する連結材、又は可撓性のある連結材のうちいずれか一つ又はその組み合わせであってよい。
【0034】
もちろん、本実施形態の外枠10の各辺の横断面は、矩形であってよい。外枠10の各側面の三辺は、三辺の各長手方向に沿って条溝をそれぞれ備え、猫のためのペット用具は各側面の方向に沿って拡張することができる。猫のためのペット用具が各側面の方向に拡張されるときには、一つの外枠の側面中の条溝は、ボルトを用いて、他の外枠の側面の条溝にネジで締結されて接合される。
【0035】
上述した四つの実施形態で、内側ハウス20の各頂点は、連結材21によって外枠10の対応する内側コーナーにそれぞれ固定される。しかし内側ハウス20と外枠との接続の態様はこれに限定されない。内側ハウス20を外枠10の内側空間に固定によって架け渡すことができる限りは、任意の態様が許容される。
【0036】
本発明の外枠10は、正多面体の枠に限定されない。外枠は、任意の多面体の枠構造であってよい。内側ハウス20は、外枠10に従って体積について縮小した正多面体とすることに限定されない。内側ハウスは、内側ハウスを外枠10の内側空間に架け渡すことができる限りは、任意の他の形状の多面体、又は球形であってよい。
【0037】
これに加えて、本発明の好ましい実施形態では、内側ハウス20の中心は外枠10の中心と一致する。しかし、本発明の内側ハウス20の構成はこれに限定されない。内側ハウスが外枠10の内側空間に架け渡される限りは、任意の態様が許容される。
【0038】
本発明の具体的な実施形態を上記のように述べたが、本発明の概念はこれに限定されない。この概念を用いる本発明の実質的でない改変は、本発明の保護範囲にはいるものとみなすこととする。
【0039】
本願は2018年9月26日付出願の中国特許出願第201811123369.6号を基礎として、その優先権を主張し、ここで上述の中国特許出願が開示した全ての内容を援用して本願に取り込む。