特許 6955413 遊技場用システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6955413

(24)【登録日】2021年10月5日

(45)【発行日】2021年10月27日

(54)【発明の名称】遊技場用システム

(51)【国際特許分類】

   A63F 5/04 20060101AFI20211018BHJP

【ＦＩ】

   A63F5/04 691B

   A63F5/04 691A

   A63F5/04 682

【請求項の数】2

【全頁数】17

(21)【出願番号】特願2017-190760(P2017-190760)

(22)【出願日】2017年9月29日

(65)【公開番号】特開2019-63195(P2019-63195A)

(43)【公開日】2019年4月25日

【審査請求日】2020年7月3日

(73)【特許権者】

【識別番号】000108937

【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110000567

【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】岩崎 安隆

(72)【発明者】

【氏名】野坂 利之

(72)【発明者】

【氏名】牧野 徳幸

(72)【発明者】

【氏名】武藤 康平

【審査官】 安藤 達哉

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１４−２１７６０９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１５−００２９０３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００２−２６９６２５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−２６３６１３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００８−０２９５１５（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ６３Ｆ ５／０４

Ａ６３Ｆ ７／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

遊技に使用可能な遊技価値の大きさの情報である遊技情報を記録すると共に、固有の識別情報を記録した記録媒体を取り扱い可能な第１遊技用装置及び第２遊技用装置と、前記遊技情報の管理を実行する管理装置と、を備えた遊技場用システムにおいて、
前記第１遊技用装置は、
前記記録媒体を受け付ける受付手段と、
遊技の進行に基づいて前記受付手段が受け付けている前記記録媒体の前記遊技情報を更新する遊技情報更新手段と、
遊技者の発行操作に基づいて、前記受付手段が受け付けている前記記録媒体を遊技者に対して発行する通常発行手段と、
前記受付手段が受け付けている前記記録媒体に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段が異常発生と判定した場合に、前記受付手段が受け付けているエラー記録媒体の前記遊技情報を別の前記識別情報の代替発行記録媒体に記録して発行する代替発行手段と、
前記エラー記録媒体の前記識別情報を前記管理装置に通知する異常通知処理を実行するものであり、前記管理装置と正常に通信を実行することができない通信異常状態が発生している場合には、当該通信異常状態が解消してから前記異常通知処理を実行する異常通知手段と、
前記通常発行手段が前記記録媒体を発行する場合、及び前記代替発行手段が前記代替発行記録媒体を発行する場合に、当該記録媒体及び当該代替発行記録媒体の前記遊技情報と前記第１遊技用装置を識別するための識別情報とを前記管理装置に通知する発行通知処理を実行するものであり、前記通信異常状態が発生している場合には、当該通信異常状態が解消してから前記発行通知処理を実行する第１発行通知手段と、を備え、
前記第２遊技用装置は、
前記識別情報を読み取れなくなった再発行元記録媒体について、従業員による当該識別情報の入力操作を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が受け付けた前記識別情報の前記再発行元記録媒体の前記遊技情報を特定すると共に、その特定した遊技情報を別の前記識別情報の再発行記録媒体に記録して発行する入力発行手段と、
前記入力発行手段が前記再発行記録媒体を発行する場合に、前記入力受付手段が受け付けた前記識別情報を前記管理装置に通知する入力通知処理を実行する入力通知手段と、
前記入力発行手段が前記再発行記録媒体を発行する場合に、当該再発行記録媒体の識別情報と前記遊技情報とを前記管理装置に通知する第２発行通知手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記記録媒体、前記代替発行記録媒体、及び前記再発行記録媒体の前記識別情報と前記遊技情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記第１発行通知手段、及び前記第２発行通知手段の通知結果に基づいて、前記記憶手段が前記識別情報に対応付けて記憶している前記遊技情報を更新する第１更新手段と、
前記異常通知手段による前記異常通知処理、及び前記入力通知手段による前記入力通知処理のいずれかによって通知された前記識別情報の前記エラー記録媒体及び前記再発行元記録媒体にそれまで対応付けて記憶していた遊技情報を使用不能にするよう前記記憶手段が記憶している情報を更新する第２更新手段と、
前記通信異常状態が解消された際に、同一の前記識別情報の前記エラー記録媒体と前記再発行元記録媒体とに対して、前記代替発行記録媒体と前記再発行記録媒体とが発行されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記代替発行記録媒体と前記再発行記録媒体とが発行されていると判定した場合、当該代替発行記録媒体、及び当該再発行記録媒体のうち一方を使用不能にするよう前記記憶手段が記憶している情報を更新する第３更新手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。

【請求項2】

遊技者が投入した貨幣のうち、遊技に未だ使用していない残額の情報である遊技情報を記録すると共に、固有の識別情報を記録した記録媒体を取り扱い可能な第１遊技用装置及び第２遊技用装置と、前記遊技情報の管理を実行する管理装置と、を備えた遊技場用システムにおいて、
前記第１遊技用装置は、
前記記録媒体を受け付ける受付手段と、
遊技の進行に基づいて前記受付手段が受け付けている前記記録媒体の前記遊技情報を更新する遊技情報更新手段と、
遊技者の発行操作に基づいて、前記受付手段が受け付けている前記記録媒体を遊技者に対して発行する通常発行手段と、
前記受付手段が受け付けている前記記録媒体に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段が異常発生と判定した場合に、前記受付手段が受け付けているエラー記録媒体の前記遊技情報を別の前記識別情報の代替発行記録媒体に記録して発行する代替発行手段と、
前記エラー記録媒体の前記識別情報を前記管理装置に通知する異常通知処理を実行するものであり、前記管理装置と正常に通信を実行することができない通信異常状態が発生している場合には、当該通信異常状態が解消してから前記異常通知処理を実行する異常通知手段と、
前記通常発行手段が前記記録媒体を発行する場合、及び前記代替発行手段が前記代替発行記録媒体を発行する場合に、当該記録媒体及び当該代替発行記録媒体の前記遊技情報と前記第１遊技用装置を識別するための識別情報とを前記管理装置に通知する発行通知処理を実行するものであり、前記通信異常状態が発生している場合には、当該通信異常状態が解消してから前記発行通知処理を実行する第１発行通知手段と、を備え、
前記第２遊技用装置は、
前記識別情報を読み取れなくなった再発行元記録媒体について、従業員による当該識別情報の入力操作を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が受け付けた前記識別情報の前記再発行元記録媒体の前記遊技情報を特定すると共に、当該遊技情報に対応した貨幣を支払う精算処理を実行する精算手段と、
前記精算手段が前記精算処理を実行する又は実行した場合に、前記入力受付手段が受け付けた前記再発行元記録媒体の前記識別情報を前記管理装置に通知する入力通知処理を実行する入力通知手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記記録媒体、前記代替発行記録媒体、及び前記再発行元記録媒体の前記識別情報と前記遊技情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記第１発行通知手段の通知結果に基づいて、前記記憶手段が前記識別情報に対応付けて記憶している前記遊技情報を更新する第１更新手段と、
前記異常通知手段による前記異常通知処理、及び前記入力通知手段による前記入力通知処理のいずれかによって通知された前記識別情報の前記エラー記録媒体及び前記再発行元記録媒体にそれまで対応付けて記憶していた遊技情報を使用不能にするよう前記記憶手段が記憶している情報を更新する第２更新手段と、
前記通信異常状態が解消された際に、同一の前記識別情報の前記エラー記録媒体と前記再発行元記録媒体とに対して、前記代替発行記録媒体が発行され前記精算処理が実行されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記代替発行記録媒体が発行され前記精算処理が実行されていると判定した場合、当該代替発行記録媒体を使用不能にするよう前記記憶手段が記憶している情報を更新する第３更新手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は遊技場用システムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、遊技場では遊技機に対応付けて貸出機（遊技用装置）を設けている。貸出機は、残額の情報（遊技情報）を記録したＩＣカード（記録媒体）を受付可能であり、その残額を対価として遊技者に玉やメダルを貸し出している。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１５−２９０３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところで、貸出機にて受け付けているＩＣカードに異常が発生し、ＩＣカードに情報を記録できなくなることがある。このため、例えば特許文献１には、ＩＣカードに異常が発生した場合、そのＩＣカードをエラーカードとした上で、別のＩＣカードに情報を書き込んで発行する代替発行処理を実行することが記載されている。

【0005】

また、遊技場では貸出機と管理装置とで通信を行い、管理装置にてＩＣカードの管理を実行している。貸出機と管理装置とが正常に通信できないオフライン状態（通信異常状態）では、ＩＣカードの管理を実行できないため、代替発行処理の実行を制限する等、貸出機の機能を一部制限することが一般的である。

【0006】

しかしながら、代替発行処理の実行を制限すると、オフライン状態の貸出機にてＩＣカードに情報を記録できなくなった場合には、オフライン状態からオンライン状態に復帰するまで代替発行処理の実行を遊技者が待つことになってしまう。オフライン状態にてＩＣカードに情報を記録できなかった場合の対策として、オンライン状態に復帰する前に従業員が現金を手渡すことによる精算を行う等も可能であるが、従業員の作業が煩雑になってしまう。このため、通信異常状態において記録媒体を取り扱う上で未だ改善の余地がある。

【0007】

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、通信異常状態における記録媒体の発行を適切に実行することができる遊技場用システムを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0008】

第１遊技用装置にて通信異常状態が発生している状況において、代替発行手段による記録媒体の発行が可能なため、通信異常状態の第１遊技用装置にて記録媒体に異常が発生しても、遊技者に別の記録媒体を発行することができるので、遊技者に対するサービスの向上を図ることができる。一方、通信異常状態が発生している状況において代替発行手段による記録媒体の発行が可能なため、従業員の手違い等によって、同じ記録媒体を元に代替発行手段による記録媒体の発行、及び第２遊技用装置にて入力発行手段による記録媒体の発行の両方が実行されることがある。この点、請求項１及び請求項４の発明によれば、同じ記録媒体を元にして、代替発行手段及び入力発行手段のそれぞれが別の記録媒体を発行していても、一方の記録媒体の遊技情報を使用できないようにするので、第１遊技用装置の通信異常状態が解消した後で両方の記録媒体の遊技情報が使用できてしまうことを抑制できる。つまり、通信異常状態における記録媒体の発行を適切に実行することができる。

【0009】

また、請求項３の発明によれば、同じ記録媒体を元にして、代替発行手段が別の記録媒体を再発行する一方、精算処理が精算処理を実行していても、別の記録媒体の遊技情報を使用できないようにするので、第１遊技用装置の通信異常状態が解消した後で別の記録媒体の遊技情報が使用できてしまうことを抑制できる。つまり、通信異常状態における記録媒体の発行を適切に実行することができる。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図

【図2】遊技機の正面図

【図3】貸出機、精算機、管理装置の構成を示す機能ブロック図

【図4】再発行可否の条件を示す図

【発明を実施するための形態】

【0011】

以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図１は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機（スロットマシン）１に対応して貸出機２（第１遊技用装置）と遊技情報表示装置３とが設置されている。これら遊技機１と、貸出機２と、遊技情報表示装置３とは中継装置４と接続されている。中継装置４はＬＡＮ５を介して管理装置６と接続されている。管理装置６は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード７と、マウス８と、モニタ９と、プリンタ（図示せず）等が組み合わされて構成されている。又、遊技場には、精算機１０（第２遊技用装置）やＰＯＳ（図示せず）等も設置されている。精算機１０やＰＯＳもＬＡＮ５を介して管理装置６と接続されている。尚、図１では省略しているが、数百台の遊技機１が管理装置６の管理対象となる。本実施形態では遊技機１がスロットマシンであることから、遊技価値（遊技媒体）はメダルである。遊技機１がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。

【0012】

図２は、遊技機１の正面図を示している。遊技機１は、表示窓１１を介して視認可能なリール１２と、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部１３と、表示パネル１４と、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン１５と、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン１６と、メダルを投入するメダル投入口１７と、スタートレバー１８と、左ストップボタン１９と、中ストップボタン２０と、右ストップボタン２１と、払出数表示部２２と、クレジット数表示部２３と、受皿２４等を有する。

【0013】

遊技機１は、メダルが投入された状態でスタートレバー１８が操作されると（ゲーム開始操作が行われると）、発生する乱数の中から１つの乱数を抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させると共に、各リール１２を始動（回転）させ、この状態で各ストップボタン１９〜２１が操作されると、対応するリール１２の回転を停止させる。続いて、内部当選役のフラグに応じて各リール１２の停止位置を決定するための停止テーブル（図示せず）に基づいて、所謂引込制御（すべり制御）を含む停止制御（各リール１２を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御）を実行する。引込制御は、各ストップボタン１９〜２１の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲（最大で４図柄まで）にある図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せずに所謂取りこぼしとなる。

【0014】

遊技機１は、以下の遊技信号を送信する。
アウト信号＝ゲームの開始操作に応じてベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数（３枚）分をパルス送信する。管理装置６は、アウト信号数×１をアウト（消費価値、使用媒体数）として特定する。尚、リプレイ時にも、対応分をパルス送信する。

【0015】

セーフ信号＝メダルを１枚付与（払出）する毎にパルス送信する。管理装置６は、セーフ信号数×１をセーフ（入賞付与価値、払出媒体数）として特定する。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分をパルス送信する。

【0016】

ＢＢ（ビッグボーナス）信号＝ＢＢ状態のときにレベル送信する。管理装置６は、ＢＢ信号の受信期間中をＢＢ状態として特定する。
ＲＢ（レギュラーボーナス）信号＝ＲＢ状態のときにレベル送信する。管理装置６は、ＲＢ信号の受信期間中をＲＢ状態として特定する。

【0017】

遊技機１には、ボーナス役としてのＢＢ役及びＲＢ役、小役、リプレイ役が設けられている。遊技機１には、合計５本（表示窓１１の上段、中段、下段に対応した横方向に１本ずつの３本、斜め方向の２本）の有効ラインが設けられており、遊技者によるストップボタン１９〜２１の操作により、これらの有効ラインのうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが内部当選役に対応する図柄の組み合わせと一致したときに入賞となる。入賞となった場合には、ＢＢ状態やＲＢ状態の発生、又は対応する枚数のコインの払い出し（遊技価値の付与）を行う。ＢＢ状態は例えば３００枚を越えるコインの払い出しにより終了し、ＲＢ状態は８回の入賞の発生により終了する。又、ＢＢ状態及びＲＢ状態における１ゲーム当たりのコインの投入枚数は２枚となっている。

【0018】

遊技機１は、ＢＢ役及びＲＢ役の内部当選確率を設定値の変更により変更可能となっている。設定値は、遊技機１の遊技性能を調整するための調整情報であり、例えば１〜６の６段階に区分されており、管理者により何れか１つが選択されて使用される。遊技機１は、設定値が大きいほどボーナス役の当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなり、反対に、設定値が小さいほどボーナス役の当選確率が低くなり、それに伴って理論上の出率が小さくなる。即ち、設定値が大きいほど遊技者にとって有利であり、設定値が小さいほど遊技者にとって不利である。尚、小役確率については全設定共通であるが、異なっていても良く、小役確率や他の条件等により出率を調整しても良い。

【0019】

貸出機２は、図１に示すように、遊技者が貨幣を投入するための（遊技者の貨幣投入を受け付ける）貨幣投入口２５と、遊技者がＩＣカード２６（記録媒体）を挿入するためのカード挿入口２７と、ＩＣカード２６をカード挿入口２７から発行（記録媒体を遊技者に対して発行）させるための発行ボタン２８と、メダルを１枚ずつメダル排出路に排出するホッパー（図示せず）の状態を示すホッパーＬＥＤ２９と、遊技者が投入した貨幣を対価としてメダルを遊技機１の受皿２４に払い出す（遊技価値を付与する）払出ノズル３０等を有する。ＩＣカード２６は、当日限り有効な一般カードや予め設定されている有効期限（例えば３年間）まで有効な会員カードである。ＩＣカード２６は、ＩＣチップを内蔵し、カードを特定可能な数字からなるカードＩＤ（固有の識別情報）、遊技者が投入した貨幣の未消費金額（遊技価値の大きさ）を特定可能な情報である残額（遊技情報）、遊技により獲得した遊技媒体数（遊技価値の大きさ）である持玉数（遊技情報）が記録可能に構成されている。

【0020】

貸出機２は、以下の遊技信号を送信する。
投入金額信号＝遊技者が投入した貨幣の金額である投入金額を装置ＩＤと共に送信（記録媒体の前記遊技情報と前記識別情報とを前記管理装置に通知する発行通知処理を実行）する。管理装置６は、投入金額信号を受信することで、投入金額を貸出機２毎に管理する。

【0021】

消費金額信号＝メダルの払い出しに消費した消費金額を装置ＩＤと共に送信（記録媒体の遊技情報と識別情報とを管理装置に通知）する。管理装置６は、消費金額信号を受信することで、消費金額を貸出機２毎に管理する。

【0022】

カード発行信号＝遊技者が予め定められた発行操作である発行ボタン２８を押下すると、遊技者が投入した貨幣の未消費金額を装置ＩＤと共に送信する。このような送信は、後述するようなオフライン状態が解消した場合にも実行（通信異常状態が解消してから発行通知処理を実行）する。管理装置６は、カード発行信号を受信することで、未消費金額を貸出機２毎に管理する。尚、カード発行信号に限らず、貸出機２は、オフライン状態において、貨幣の投入や消費が発生して場合には当該オフライン状態が解消してから各種信号を管理装置６に送信する。

【0023】

遊技情報表示装置３は、図１に示すように、各種の遊技データ（ＢＢ状態やＲＢ状態の発生回数、スタート回数、ＡＲＴの発生回数、平均獲得枚数等）を表示する情報表示部３１と、遊技場の従業員を呼び出すときに遊技者が押下する呼出ボタンや情報表示部３１が表示する遊技データを切り替えるときに遊技者が押下する切替ボタン等を含む操作部３２と、従業員が所持する従業員リモコン３４からリモコン信号を受信する図示しない受光部等を有する。

【0024】

精算機１０は、図１に示すように、精算金額を表示する情報表示部３５と、遊技者がＩＣカード２６を挿入するためのカード挿入口３６と、残額に対応する貨幣を払い出す返却口３７等を有する。精算機１０は、ＩＣカード２６がカード挿入口３６に挿入されると（記録媒体を受け付けると）、そのＩＣカード２６に記録されている残額をカードリーダにより読み取り、その読み取った残額を精算金額として情報表示部３５に表示し、その残額に相当する貨幣を返却口３７から払い出す（記録媒体から特定した未消費金額に相当する貨幣を払い出す精算処理を実行する）。

【0025】

精算機１０は、以下の遊技信号を送信する。
精算金額信号＝残額に相当する貨幣を返却口３７から払い出すと、払い出した残額である精算金額を装置ＩＤと共に送信する。管理装置６は、精算金額信号を受信することで、精算金額を精算機１０毎に管理する。

【0026】

図３は、貸出機２、精算機１０、管理装置６の構成を示す機能ブロック図である。
貸出機２は、制御部３８（受付手段、遊技情報更新手段、通常発行手段、異常判定手段、代替発行手段、異常通知手段、第１発行通知手段、第１発行制限手段）と、Ｉ／Ｆ部３９と、上記した貨幣投入口２５と、カード挿入口２７と、発行ボタン２８と、ホッパーＬＥＤ２９と、メダル払出部４０、リモコン受光部４１とを有する。制御部３８は、ＣＰＵ３８ａ、ＲＯＭ３８ｂ、ＲＡＭ３８ｃを有するマイクロコンピュータにより構成され、各種制御プログラム（ソフトウェア）を実行し、貸出機２の動作全般を制御する。Ｉ／Ｆ部３９は、中継装置４を介して管理装置６や遊技機１等との間で各種信号や各種情報を送受信する。メダル払出部４０は、払出ノズル３０を介してメダルを遊技機１の受皿２４に払い出す。

【0027】

精算機１０は、制御部４２（入力受付手段、入力発行手段、入力通知手段、第２発行通知手段、通信状態判定手段、第２発行制限手段、精算手段、入力通知手段）と、Ｉ／Ｆ部４３と、上記した情報表示部３５と、カード挿入口３６と、メダル払出部４４とを有する。制御部４２は、ＣＰＵ４２ａ、ＲＯＭ４２ｂ、ＲＡＭ４２ｃを有するマイクロコンピュータにより構成され、各種制御プログラム（ソフトウェア）を実行し、精算機１０の動作全般を制御する。Ｉ／Ｆ部４３は、管理装置６等との間で各種信号や各種情報を送受信する。メダル払出部４４は、残額に相当する貨幣を返却口３７から払い出す。

【0028】

管理装置６は、制御部４５（記憶手段、第１更新手段、第２更新手段、第３更新手段）と、Ｉ／Ｆ部４６とを有する。制御部４５は、ＣＰＵ４５ａ、ＲＯＭ４５ｂ、ＲＡＭ４５ｃを有するマイクロコンピュータにより構成され、各種制御プログラム（ソフトウェア）を実行し、管理装置６の動作全般を制御する。Ｉ／Ｆ部４６は、遊技機１や貸出機２や精算機１０等との間で各種信号や各種情報を送受信する。

【0029】

次に、貸出機２でのＩＣカード２６の代替発行について説明する。
ＩＣカード２６は非接触式であることから基本的には耐久性が高いものの、長期間の使用によってはＩＣカード２６の機能が低下し、情報の書き込みが不可能となることがある。

【0030】

そこで、貸出機２は、次のようにして不具合のＩＣカード２６に代えて新たなＩＣカード２６に情報を書込む代替発行が可能なように構成されている。
即ち、貸出機２は、残高が発生したり、残高が更新した場合、或いは持玉（計数玉）が発生したり、持玉が更新した場合は、それらの情報を挿入されているＩＣカード２６に書込むことで更新（記録媒体の遊技情報を更新）するが、ＩＣカード２６の不具合により情報の書込みが不可であるかを判定（記録媒体に異常が発生したか否かを判定）し、不可であった場合（異常判定手段が異常発生と判定した場合）は、その時点の残高情報・持玉数情報を一旦ＲＡＭに待避してから、書込みエラーメッセージを表示する。

【0031】

従業員は、貸出機２に表示されているエラーメッセージを確認したときは、携帯している従業員リモコン３４に対してエラー解除操作を行う。
貸出機２は、リモコン受光部４１を介して従業員リモコン３４からのエラー解除指令を入力すると、エラーカードを排出し、エラーカード情報を管理装置６へ送信する。つまり、エラーカードのカードＩＤを管理装置６へ送信することで、管理装置６側でエラーフラグを立てて使用不可として管理するのである。このとき、従業員は、エラーメッセージが表示されている場合は、貸出機２から排出されたＩＣカード２６を回収する。

【0032】

貸出機２は、予めストックしている新たなＩＣカード２６（別の識別情報の記録媒体）を繰出し、当該ＩＣカード２６にＲＡＭに一旦待機した情報を記録して発行（別の識別情報の記録媒体に記録して発行）してから、その情報（新たなＩＣカード２６のＩＤと、当該ＩＣカード２６に記録した遊技情報）を管理装置６へ送信（記録媒体の識別情報を管理装置に通知する異常通知処理を実行）する。管理装置６は、貸出機２から受信した情報を新たなＩＣカード２６に対応して管理（記憶手段が識別情報に対応付けて記憶している遊技情報を更新）するようになる。

【0033】

以上のようにして、貸出機２において、新たなＩＣカード２６に情報を書き込む代替発行を実行することができる。尚、貸出機２がオフライン状態において代替発行を実行した場合、オフライン状態からオンライン状態に復旧した後に、代替発行を実行したこと、エラーカードのカードＩＤ、新たなＩＣカード２６の識別情報や新たなＩＣカード２６に記録した遊技情報を管理装置６に送信する。つまり、異常通知処理を通信異常状態が解消してから実行している。

【0034】

次に、精算機１０でのＩＣカード２６の再発行及び強制精算について説明する。
精算機１０での精算時に、ＩＣカード２６からの情報を読取不良の場合は、ＩＣカード２６に記録されている残高や持玉を補償する必要がある。

【0035】

そこで、精算機１０は、ＩＣカード２６（以下、再発行元カード）のカードＩＤを精算機１０に操作入力して管理装置６上の情報の引継ぎを行うことで他のＩＣカード２６を再発行が可能に構成されている。

【0036】

即ち、精算機１０は、ＩＣカード２６からカードＩＤ等を読取れなくなった場合は、再発行元カードに印字または刻印等されたカードＩＤを入力するための番号入力画面を表示する。この番号入力画面は精算機１０における鍵により開閉可能な扉を開放することにより操作可能な照会ボタンの操作、或いは従業員のリモコン操作、即ち、従業員の操作により表示される画面である。

【0037】

遊技者からの聞き取りや管理装置６の履歴から特定した再発行元カードのカードＩＤをテンキーにより操作入力（記録媒体の識別情報の入力操作を受け付ける）することで、管理装置６にて管理する値を照会画面にて確認可能となる。照会画面には、現在の残高、最終利用日時、及び最後に利用した端末ＩＤが表示されると共に、「強制精算」ボタン、「再発行」ボタンが表示される。尚、精算機１０では、カードＩＤの操作入力があった場合、管理装置６と通信することで、管理装置６にて管理する情報を表示する。このため、精算機１０は、管理装置６と正常に通信ができていない場合には、次の再発行や強制精算を実行しない構成になっている。

【0038】

「強制精算」ボタンがタッチ操作された場合には照会した残高分の貨幣が返却されることで残高が精算される。このとき、入力したＩＣカード２６のカードＩＤを管理装置６に送信（入力受付手段が受け付けた識別情報を管理装置に通知する入力通知処理を実行）する。一方、「再発行」ボタンがタッチ操作された場合は、精算機１０にてストックしている空の（残高や持玉の対応付がされていない）ＩＣカード２６に管理装置６にて管理される残高を記録して再発行（特定した遊技情報を別の前記識別情報の前記記録媒体に記録して発行）する。このように再発行する場合は、入力したカードＩＤとは異なる新たなＩＣカード２６を発行対象とする。つまり、再発行されるＩＣカード２６のカードＩＤは、再発行元カードのカードＩＤとは異なる。このとき、再発行したＩＣカード２６のカードＩＤと残高を管理装置６に送信（記録媒体の識別情報と遊技情報とを管理装置に通知）し、管理装置６は、再発行元カードのカードＩＤに対応して管理していた残高を精算機１０から発行したＩＣカード２６のカードＩＤに引継ぐ。また、入力された再発行元カードのカードＩＤのＩＣカード２６は残高及び持玉を示す価値情報を空扱いとする。つまり、残高及び持玉を０（識別情報の記録媒体にそれまで対応付けて記憶していた遊技情報を使用不能にするよう記憶手段が記憶している情報を更新）とし、ＩＣカード２６を使用不能とする。また、本実施形態では残高及び持玉を０にすることに加えて、再発行元カードに後述する使用禁止カードフラグをセットする。使用禁止カードフラグがセットされている場合、貸出機２や精算機でそのカードを受け付けてもエラー表示を行い、そのカードを使用することができないようになっている。

【0039】

以上のように精算機１０であれば、遊技者がカードを紛失した場合に、遊技者から遊技を行っていた時刻や遊技機を口頭にて確認し、管理装置６の履歴からその遊技者が所持していたＩＣカードのカードＩＤを特定することで、残高を返却することや新たなＩＣカード２６を再発行することができる。

【0040】

従業員が精算機１０でカードＩＤを入力して再発行や強制精算を行おうとする際には図４に示す条件にしたがって再発行や強制精算を許可するか否かを判定する。台通信状態は、精算機１０と貸出機２との通信状態である。再発行元カード挿入状態は、手入力したカードＩＤのＩＣカード２６が貸出機２に挿入中であるか否かを管理装置６と通信を行うことで判定する。再発行可否は、精算機１０で再発行や強制精算を許容するか否かである。イベント通知は、管理装置６で報知を行わせるために、管理装置６に通知する内容である。

【0041】

以下、台通信状態と再発行元カード挿入状態との組合せパターンについて説明する。
パターン１＝貸出機２と精算機１０とが全台オンライン状態であり、手入力したカードＩＤの再発行元カードが貸出機２に挿入中であれば、再発行や強制精算を許可せず、不正通知を行う。つまり、再発行元カードが発行される可能性があることから、再発行や強制精算を不可とするのである。

【0042】

パターン２＝貸出機２と精算機１０とが全台オンライン状態であり、手入力したカードＩＤの再発行元カードが貸出機２に挿入中でなければ、再発行や強制精算を許可し、通知を行わない。

【0043】

パターン３＝貸出機２と精算機１０とが一部オフライン状態であることから、手入力したカードＩＤの再発行元カードが貸出機２にオンラインで挿入中であれば、再発行や強制精算を許可せず、不正通知を行う。つまり、パターン１と同義である。

【0044】

パターン４＝貸出機２と精算機１０とが一部オフライン状態であり、手入力したカードＩＤの再発行元カードが貸出機２にオフラインで挿入中であれば、再発行や強制精算を許可し、点検通知を行う。つまり、挿入中が確認された台以外で通信のできない貸出機２が存在するなどの影響を考慮し、実営業を優先とし貸出機２で代替発行を許可し、さらに精算機１０での再発行や強制精算も許可するのである。

【0045】

尚、定期通信できない場合にオフライン状態であると判定し、本実施形態では、オフライン状態が通信異常状態である。具体的には、管理装置６は、定期通信として所定時間経過（例えば３０秒）する度に貸出機２と通信を実行し、この通信が正常に実行できなかった場合にオフライン状態であると判定する。

【0046】

ちなみに、管理装置６がオフライン状態で挿入中と判断している状態は、オンライン状態で挿入中であった状況からオフライン状態になり、ＩＣカード２６が挿入したままなのか、既に発行しているのか不明な状況である。パターン４のケースでは、既に発行しているのか不明な状況であるが遊技者の利便性を向上するために、オフライン状態で挿入中であれば既にＩＣカード２６を発行しているものとして再発行や強制精算を許可している。

【0047】

パターン５＝貸出機２と精算機１０とが一部オフライン状態であり、手入力したカードＩＤの再発行元カードが貸出機２に挿入中でなければ、再発行や強制精算を許可し、点検通知を行う。つまり、オフライン運用中の貸出機２で再発行元カードが使用中の場合などのリスクが懸念されるが、実営業を優先して貸出機２で代替発行を許可し、さらに精算機１０で再発行や強制精算を許可するのである。

【0048】

一方、イベント通知である不正通知及び点検通知では次のように通知する。
使用中カード不正操作の不正通知の場合は、「使用中カードの再発行・強制精算操作が行われました」とイベント通知する。

【0049】

再発行・強制精算の点検通知の場合は、「再発行・強制精算操作が行われました」とイベント通知する。
また、精算機１０での強制精算の条件は、再発行の条件に加えて該当カードの初回入金日が本日であることとする。

【0050】

ところで、図４に示すパターン４，５の場合、オフライン状態の貸出機２が受け付けている又は受け付けていたＩＣカード２６のカードＩＤを従業員が特定できないため、当該ＩＣカード２６のカードＩＤを精算機１０に入力することで、精算機１０における再発行が実行可能となってしまう。このため、オフライン状態の貸出機２と精算機１０とのそれぞれで代替発行や再発行を実行した場合、代替発行や再発行にて発行したＩＣカード２６が両方とも使用可能となり、ＩＣカード２６の残高２重使用が可能となってしまう。

【0051】

このような事情から、本実施形態では、使用禁止カードの概念を導入した。
即ち、管理装置６は、オフライン状態の貸出機２が受け付けている又は受け付けていたＩＣカード２６のカードＩＤを使用禁止カードとして管理する。つまり、オフライン状態の貸出機２が受け付けている又は受け付けていたＩＣカード２６を使用禁止カード扱いとして使用禁止を明確に判断できるようにすることで、２重使用を排除する。

【0052】

具体的には、管理装置６は、代替発行、再発行、及び強制精算を実行したことを示す信号を受信した場合に、元となったＩＣカード２６に対応して使用禁止フラグをセットする。つまり、例えば貸出機２から代替発行を実行したことを示す信号を受信した場合、管理装置６で記憶しているＩＣカード２６の情報において、その代替発行元となったＩＣカード２６のカードＩＤに対応付けて使用禁止カードフラグをセットする。同様に精算機１０から再発行や強制精算を実行したことを示す信号を受信した場合、それら処理の元となったＩＣカード２６のカードＩＤに対応付けて使用禁止カードフラグをセットする。この際、使用禁止区分をカードＩＤに対応付けて同時に記憶し、使用禁止カードフラグをセットしたカードＩＤ一覧を表示する際に使用禁止区分も表示可能とする。使用禁止区分とは、再発行元カードを使用禁止にした処理（理由）を区分したもので、代替発行、再発行、強制精算、移行済代替に区分可能である。

【0053】

そして、管理装置６は、オフライン状態の貸出機２にて代替発行を実行していた場合、当該貸出機２がオンライン状態に復旧してから代替発行を実行したことの信号を受信することになる。この場合には、管理装置６では、オンライン状態に復旧した貸出機２からその信号を受信したタイミングで代替発行の元となったＩＣカード２６のカードＩＤに対応付けて使用禁止カードフラグをセットすることになる。

【0054】

使用禁止カードフラグを管理装置６が対応付けてセットしたカードＩＤは、管理装置６との通信によって貸出機２や精算機１０にて特定可能であり、貸出機２や精算機１０にてＩＣカード２６を受け付けた場合、そのＩＣカード２６に使用禁止カードフラグを書き込む。また、使用禁止カードフラグがセットされている（書き込まれている）ＩＣカード２６を受け付けた場合には異常報知を実行する。尚、管理装置６で使用禁止カードフラグをセットしたカードＩＤのＩＣカード２６をオフライン状態の貸出機２が受け付けている場合には、その貸出機２がオンライン状態に復旧した際に、管理装置６から使用禁止カードフラグをセットしたカードＩＤの情報を受信することで、受け付けているＩＣカード２６に使用禁止カードフラグをセットして異常報知を実行して、それ以上そのＩＣカード２６が使用されないようにする。

【0055】

管理装置６は、使用禁止の設定期間は、管理開始日より４００日経過した場合や精算機１０でのカードクリア電文受信時に使用禁止カードフラグをリセットする。
上記の使用金カードフラグをセットしたカードＩＤ及びその使用禁止区分の一覧は、管理装置６に対する操作により確認、印字可能である。これにより、使用禁止カードは本来従業員にて回収されるべきであるが、運用の手違いで遊技者に渡してしまった場合など、使用禁止カードが使用された場合に、いつ使用禁止カード登録されたか等、一覧で確認することができる。

【0056】

ここで、上記パターン４及びパターン５の場合、同じカードＩＤのＩＣカード２６を元にして、オフライン状態における貸出機２で代替発行が実行されたことに加えて、精算機１０で再発行（強制精算）が実行されることが考えられる。このため、管理装置６では、一のＩＣカード２６を元に代替発行及び再発行（強制精算）が実行されている場合、不正又は従業員による誤操作が行われた可能性が高いため次の処理を実行する。

【0057】

具体的には、管理装置６は、精算機１０から再発行や強制精算を実行したことを示す信号を受信した場合、再発行や強制精算の元となったＩＣカード２６のカードＩＤに対応付けて使用禁止フラグをセットしている。そして、オフライン状態からオンライン状態に復旧した貸出機２から代替発行を実行したことを示す信号を受信した場合、その代替発行の元となったＩＣカード２６のカードＩＤに対応付けて既に使用禁止フラグをセットしているか否かを判定する。

【0058】

そして、既に使用禁止フラグをセットしている場合、同じＩＣカード２６を元にして貸出機２による代替発行、及び精算機１０による再発行（強制精算）の両方が実行されていることになるため、異常報知として２重発行している可能性が高いことを従業員に報せるメッセージを表示する（２重発行異常報知を実行する）。さらに、代替発行した新たなカードＩＤのＩＣカード２６を使用できないようにするために代替発行した新たなＩＣカード２６のカードＩＤに使用禁止フラグをセットする。

【0059】

つまり、同じＩＣカード２６を元にして、貸出機２による代替発行、及び精算機１０による再発行（強制精算）の両方が実行されている場合、貸出機２はオフライン状態で実行しているため、不正や誤りの可能性が高いため代替発行したＩＣカード２６を使用禁止にする。一方、精算機１０で再発行したＩＣカード２６はそのまま使用可能に維持することになる（強制精算の場合には、その強制精算は正常であったものとして取り扱うことになる）。

【0060】

要するに、管理装置６は、オフライン状態の貸出機２がオンライン状態に復帰した場合、貸出機２での代替発行の元となった再発行元カードを元に精算機１０でも再発行（強制精算）を実行しているか否かを判定し、精算機１０でも再発行（強制精算）を実行している場合には、貸出機２で代替発行したＩＣカード２６を使用不能（異常通知処理の際に発行した別の識別情報の記録媒体のうち、少なくとも一方を使用不能）とすることでＩＣカード２６の残高２重使用を防止するのである（異常通知手段による異常通知処理、及び入力通知手段による入力通知処理の両方が実行されている場合、当該異常通知処理の際に発行した別の識別情報の記録媒体、及び当該入力通知処理の際に発行した別の識別情報の記録媒体のうち、一方（入力通知処理の際に発行した別の識別情報の記録媒体）を使用不能にしている）。

【0061】

ところで、一時的なエラーや電源ＯＦＦ、ＯＮの場合のような一時的なオフライン状態の場合にも上記運用をそのまま適用した場合は不適切な場合があることから、次のようにオフライン発生時の貸出機２の代替発行処理及び精算機１０の再発行処理を運用する。

【0062】

貸出機２については、オフライン状態の発生から経過した時間を測定しており、オフライン状態発生から５分（制限時間）が経過するまでは、代替発行処理を許容（通信異常状態が発生してから所定の制限時間が経過するまで前記代替発行手段による前記記録媒体の発行を許容）する一方、５分が経過した後は代替発行処理を禁止（制限時間が経過してからは前記代替発行手段による前記記録媒体の発行を制限）する。

【0063】

一方、精算機１０については、精算機自体がオフライン状態の場合は管理装置６と通信できず、残額が特定できないので再発行及び強制精算の両方を禁止する。貸出機２がオフライン状態になっている時間を管理装置６が測定しており、貸出機２がオフライン状態になってから５分が経過するまでは再発行処理を禁止（第１遊技用装置に通信異常状態が発生してから制限時間が経過するまで入力発行手段による記録媒体の発行を制限）する一方、５分が経過した後は再発行処理を許容（制限時間が経過してからは前記入力発行手段による前記記録媒体の発行を許容）する。尚、オフライン状態の貸出機２がある場合、貸出機２のオフライン状態の時間に関わらず、強制精算は禁止する運用になっている。

【0064】

このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
貸出機２にてオフライン状態が発生している状況において、貸出機２によるＩＣカード２６の代替発行が可能なため、オフライン状態の貸出機２にてＩＣカード２６に異常が発生しても、遊技者に別のＩＣカード２６を代替発行することができるので、遊技者に対するサービスの向上を図ることができる。一方、オフライン状態が発生している状況においてＩＣカード２６の再発行が可能なため、従業員の手違い等によって、同じＩＣカード２６を元にＩＣカード２６の代替発行、及び精算機１０にてＩＣカード２６の再発行の両方が実行されることがある。この点、本構成であれば、同じＩＣカード２６を元にして、別のＩＣカード２６を代替発行や再発行していても、代替発行したＩＣカード２６の遊技情報を使用できないようにするので、貸出機２のオフライン状態が解消した後で両方のＩＣカード２６の遊技情報が使用できてしまうことを抑制できる。つまり、本構成であれば、オフライン状態におけるＩＣカード２６の発行を適切に実行することができる。

【0065】

オフライン状態が発生してから制限時間が経過するまで貸出機２におけるＩＣカード２６の代替発行を許容し、制限時間が経過してから精算機１０におけるＩＣカード２６の再発行を許容する。つまり、ＩＣカード２６の代替発行に加えて、精算機１０にてＩＣカード２６の再発行が実行される頻度を低減できる。この結果、上記効果を高めることができる。

【0066】

（その他の実施形態）
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組合わせるようにしても良い。

【0067】

例示したスロットマシンとは異なる遊技機に適用しても良く、例えばメダルを使用せずクレジットを消費して遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンや、玉が封入されており、得点（遊技価値）を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機に適用することも可能である。

【0068】

遊技情報として、残額の情報を例示したが、遊技情報として遊技者が遊技にて獲得した玉やメダルの数や計数結果や、遊技にて得点を消費する遊技機であれば遊技にて獲得した点数の大きさを遊技情報とすることも可能である。

【0069】

第１遊技用装置として貸出機２を例示したが第１遊技用装置を任意に変更しても良く、貸出機２に加え又は替えて遊技情報表示装置を採用することも可能である。同様に第２遊技用装置も適宜変更可能であり、精算機１０に替えて又は加え遊技機を複数した設置した遊技島に１台あるいは複数台設置した遊技機のデータを表示するデータ表示機に第２遊技用装置としての機能を追加することや、貸出機２に第２遊技用装置としても機能を追加することも可能である。また、管理装置６にカード発行機を設置し、カードＩＤを入力して再発行や強制精算を可能にしても良い。つまり、管理装置６と第２遊技用装置とが同一の装置であっても良い。

【0070】

記録媒体としてＩＣカード２６を例示したが、コイン型の記録媒体やスティック型の記録媒体を採用することも可能である。また、識別情報として数字を例示したが、記号や英語にすることも可能である。

【0071】

通信異常状態としてオフライン状態を例示し、定期通信ができない場合にオフライン状態が発生していると判定する構成を例示したが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、所定箇所にて通信ラインが接続されているか否かを判定し、通信ラインが接続されていない場合に断線発生が発生しているものとして通信異常状態が発生していると判定する構成にしても良いし、管理装置６及び貸出機２の一方が他方に対してログインする通信を行い、ログインできていない場合に通信異常と判定する構成にしても良い。

【0072】

貸出機２では、書込エラーが発生した場合に異常が発生していると判定する構成にしたが、異常と判定する条件を変更しても良く、例えば読込エラーが発生したのみで異常が発生していると判定する構成にしても良い。

【0073】

精算機１０にて再発行及び強制精算のそれぞれを実行可能にしたが、一方を実行できない構成にしても良い。
貸出機２にて代替発行をした場合に管理装置６に通知を行う構成にしたが、処理の順序を変更しても良く、管理装置６に通知を実行してから代替発行を実行する構成にしても良い。つまり、代替処理を実行した場合ではなく、代替発行処理を実行する場合に、発行通知処理を実行しても良い。

【0074】

精算機１０にて再発行（精算処理）をした場合に管理装置６に通知を行う構成にしたが、処理の順序を変更しても良く、管理装置６に通知を実行してから再発行（精算処理）を実行する構成にしても良い。つまり、再発行を実行した場合ではなく、再発行を実行する場合に、従業員が入力したＩＣカード２６のカードＩＤ（再発行元のカードＩＤ）、新しいＩＣカード２６のカードＩＤ及び遊技情報を管理装置６に通知するようにしても良い。また、強制精算を実行した場合ではなく、強制精算を実行する場合に、従業員が入力したＩＣカード２６のカードＩＤ（再発行元のカードＩＤ）を管理装置６に通知する構成にしても良い。

【0075】

精算機１０への入力操作として、精算機１０が備えるテンキーの操作を例示したが、従業員が所有するリモコンにてカードＩＤを入力する操作にすることも可能である。
貸出機２にて代替発行をする場合や、精算機１０にて再発行する場合、元々各機にて内部にストックしているＩＣカード２６を使用する構成にしたが、代替発行する場合や再発行する場合に、新たなＩＣカード２６を従業員が挿入し、そのＩＣカード２６にて代替発行や再発行を実行する構成にしても良い。

【0076】

貸出機２との間のオフライン状態で精算機１０にてＩＣカード２６を再発行することや貸出機２にてＩＣカード２６を代替発行することを制限する構成として再発行や代替発行を禁止する構成を例示したが、制限する構成としてオンライン状態の場合よりもＩＣカード２６を発行する速度が遅くなる構成や、発行はできるが他の貸出機２では使用できない構成等にすることも可能である。つまり、代替発行や再発行の制限方法は適宜変更可能である。

【0077】

貸出機２における代替発行、及び精算機１０における再発行の許容する時間をオフライン状態が発生したタイミングを基準にして５分が経過するまでは、代替発行処理を許容する一方、５分が経過した後は代替発行処理を禁止する構成にしたが、基準とする制限時間を任意に変更しても良い。また、オフライン状態が発生してから経過した時間に関わらず、代替発行及び再発行をそれぞれ許容する構成にしても良い。

【0078】

パターン４の場合、つまり貸出機２がオフライン状態になった際に受け付けていたＩＣカード２６については、再発行や強制精算を実行可能な構成にしたが、再発行及び強制精算の少なくとも一方を実行できない構成にしても良い。

【0079】

貸出機２がオフライン状態の場合、強制精算は実行できない構成にしたが、強制精算も実行可能な構成にしても良い。
精算機１０がオフライン状態の場合、再発行も強制精算も実行できない構成にしたが、オフライン状態において再発行及び強制精算を可能にしても良い。この場合、精算機１０にてカードＩＤと残額情報とを対応付けて記憶しておくと良い。

【0080】

本実施形態では、貸出機２が貨幣を受付可能な構成を例示したが、紙幣のみを受付可能な構成や硬貨のみを受付可能な構成としても良い。又、遊技機に隣接した貸出機２で貨幣を受け付けてメダルを付与する構成にしたが、遊技機とは隣接していない装置で貨幣を受け付け、残額を記録したＩＣカード２６を遊技者に付与する構成にしても良い。

【0081】

一のＩＣカード２６から貸出機２での代替発行及び精算機１０での再発行の両方を実行していること判断した場合、貸出機２での代替発行したＩＣカード２６を使用不能にする構成したが、本構成に替えて、精算機１０で再発行したＩＣカード２６を使用不能にしても良い。

【符号の説明】

【0082】

図面中、２は貸出機（第１遊技用装置）、１０は精算機（第２遊技用装置）、６は管理装置、２６はＩＣカード（記録媒体）、３８は制御部（受付手段、遊技情報更新手段、通常発行手段、異常判定手段、代替発行手段、異常通知手段、第１発行通知手段、第１発行制限手段）、４２は制御部（入力受付手段、入力発行手段、入力通知手段、第２発行通知手段、通信状態判定手段、第２発行制限手段、精算手段、入力通知手段）、４５は制御部（記憶手段、第１更新手段、第２更新手段、第３更新手段）である。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】