特許第6955480号(P6955480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケアフュージョン 303、インコーポレイテッドの特許一覧

特許6955480無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス
<>
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000002
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000003
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000004
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000005
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000006
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000007
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000008
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000009
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000010
  • 特許6955480-無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6955480
(24)【登録日】2021年10月5日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】無針アクセスデバイスと共に使用される閉鎖式オスルアーデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20211018BHJP
【FI】
   A61M39/10 110
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-500701(P2018-500701)
(86)(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公表番号】特表2018-519937(P2018-519937A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】US2016040999
(87)【国際公開番号】WO2017007769
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2019年6月4日
(31)【優先権主張番号】14/795,727
(32)【優先日】2015年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ エム.
(72)【発明者】
【氏名】パーク、スーン
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジョナサン
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−526315(JP,A)
【文献】 特開昭59−177056(JP,A)
【文献】 特開2014−030489(JP,A)
【文献】 国際公開第90/005559(WO,A1)
【文献】 特開平10−323397(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0090805(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 39/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタ(100、400、500)であって、
ボディ(102、402、502)であって、入口(104、404、504)、出口(106、406、506)、空洞(110、410、510)、前記出口(106、406、506)に向かって前記空洞(110、410、510)に延在するルアー部(108、408、508)、前記入口(104、404、504)から前記ルアー部(108、408、508)を通って、前記出口(106、406、506)までの流体路、及び前記入口(104、404、504)と前記出口(106、406、506)との間に延在する軸線(112、412、512)を有するボディ(102、402、502)と、
前記ルアー部(108、408、508)に配置され、該ルアー部(108、408、508)内の前記流体路を通って延在するポスト(152、452、552)であって、前記コネクタ(100、400、500)が閉鎖位置にあるときは、前記ポスト(152、452、552)の閉鎖端部が前記ルアー部(108、408、508)の開口先端(109)を密閉し、前記ルアー部(108、408、508)を通る流れを規制し、前記コネクタ(100、400、500)が開放位置にあるときは、前記ポスト(152、452、552)の閉鎖端部が前記ルアー部(108、408、508)の前記開口先端(109)からずれ、前記ルアー部(108、408、508)を通る流れを許容するポスト(152、452、552)と、
前記出口(106、406、506)又は前記ボディ(102、402、502)に連結され、前記空洞(110、410、510)を少なくとも部分的に取り囲むように、前記軸線(112、412、512)に向かって前記出口(106、406、506)又は前記ボディ(102、402、502)から延在するシール部(116、416、516)と、
前記ボディ(102、402、502)に枢動可能に連結され、第1端部(122、422、522)、対向する第2端部(124、524)、及び前記第1端部(122、422、522)から前記軸線(112、412、512)に向かって延在するラッチ部材(140、440、540)を有する第1アーム(120、420、520)とを備え、
嵌合ルアー(902)を有する相互コネクタ(900)が、前記コネクタ(100、400、500)が開放位置にあるときは前記ラッチ部材(140、440、540)が前記相互コネクタ(900)の前記出口(106、406、506)からの後退を規制するように前記ボディ(102、402、502)に流体連結する、医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項2】
前記ボディ(102、402、502)の前記ルアー部(108、408、508)が、前記コネクタ(100、400、500)が開放位置にあるときは前記相互コネクタ(900)の前記嵌合ルアー(902)内に配置される、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項3】
前記ラッチ部材(140、440、540)が、傾斜面(142、442)と、前記傾斜面(142、442)に対して横方向に延在する係合面(144、444、544)と、前記傾斜面(142、442)と前記係合面(142、442)との間を移行する頂点領域とを備える、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項4】
前記係合面(142、442)が、前記相互コネクタ(900)の外面上の隆起(906)又はねじ山の少なくとも1つと係合する、請求項3に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項5】
前記第2端部(124、524)が前記軸線(112、412、512)に向かって付勢されると、前記第1端部(122、422、522)が前記軸線(112、412、512)から離れる、請求項1に記載の医療用コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタ(100、400、500)及び前記相互コネクタ(900)が前記軸線(112、412、512)周りに個別に回転可能である、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項7】
前記シール部(116、416、516)が、前記出口(106、406、506)の縁部から前記軸線(112、412、512)に向かって延在する少なくとも1つの蓋(118、518)を備える、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項8】
前記蓋(118、518)の外面と、前記出口(106、406、506)の前記縁部との間の長さが、前記蓋(118、518)が前記ボディ(102、402、502)の内部へとずれた場合に前記ルアー部(108、408、508)から自由であるように、前記出口(106、406、506)の前記縁部と前記ルアー部(108、408、508)の前記先端(109、409、509)との間の距離よりも短い、請求項7に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項9】
前記シール部(116、416、516)が、前記軸線(112、412、512)を中心にして円形に配置され、前記軸線(112、412、512)に沿って圧縮するように構成されたベローズ部(423)を備える、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項10】
前記第1アーム(120、420、520)が前記軸線(112、412、512)に沿った点周りに枢動可能である、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項11】
前記入口(104、404、504)と前記出口(106、406、506)との間で、前記ボディ(102、402、502)の外面及び前記第1アーム(120、420、520)の内面の少なくとも1つが、他方である前記ボディ(102、402、502)の前記外面又は前記第1アーム(120、420、520)における凹部と嵌合する少なくとも1つの突起(114、514)を備える、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項12】
均等な力を加えた場合に、前記第1端部(122、422、522)と前記突起(114、514)との間のモーメントが前記第2端部(124、524)と前記突起(114、514)との間のモーメントよりも大きい、請求項11に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項13】
延長部(525)が前記第1端部(122、422、522)と前記突起(114、514)との間の前記第1アーム(120、420、520)に連結され、前記延長部(525)が前記軸線(112、412、512)に向かって付勢されると前記第1端部(122、422、522)が前記軸線(112、412、512)から離れるように付勢されるようにする、請求項11に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項14】
前記延長部(525)の少なくとも一部が前記軸線(112、412、512)の周囲に、前記ボディ(102、402、502)の外面を覆って延在する、請求項13に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項15】
第1端部(132、532)及び対向する第2端部(134、534)を有する第2アーム(130、530)が前記ボディ(102、402、502)に枢動可能に連結される、請求項1に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項16】
前記第1アーム(120、420、520)の前記第1端部(122、422、522)及び前記第2アーム(130、530)の前記第1端部(132、532)が、前記第1アーム(120、420、520)の前記第2端部(124、524)及び前記第2アーム(130、530)の前記第2端部(134、534)が前記軸線(112、412、512)に向かって付勢されると前記軸線(112、412、512)から離れる、請求項15に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項17】
前記第2アーム(130、530)が、前記第1端部(132、532)から前記軸線(112、412、512)に向かって延在するラッチ部材(140、440、540)を備える、請求項15に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項18】
前記第1アーム(120、420、520)及び前記第2アーム(130、530)が、突起(114、514)と嵌合するように構成されたスロットを備えたブリッジ(160、560)に枢動可能に連結される、請求項15に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項19】
前記ブリッジ(160、560)のガイド部が前記出口(106、406、506)へと延在し、前記ガイド部が、前記軸線(112、412、512)に向かって延在する傾斜面(566)を備え、嵌合ルアー(902)を有する前記コネクタ(100、400、500)を前記出口(106、406、506)と並べるように構成される、請求項18に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項20】
医療用コネクタ(100、400、500)であって、前記医療用コネクタ(100、400、500)が、
ボディ(102、402、502)であって、入口(104、404、504)、出口(106、406、506)、空洞(110、410、510)、前記空洞(110、410、510)に延在するルアー部(108、408、508)、前記入口(104、404、504)から前記ルアー部(108、408、508)を通って、前記出口(106、406、506)までの流体路、前記ボディ(102、402,502)の外面から延在する突起(114、514)、及び前記入口(104、404、504)と前記出口(106、406、506)との間の軸線(112、412、512)を有するボディ(102、402、502)と、
第1端部(122、422、522;132、532)、対向する第2端部(124、524)、及び前記第1端部(122、422、522;132、532)から前記軸線(112、412、512)に向かって延在するラッチ部材(140、440、540)を有する、第1アームと第2アーム(120、420、520;130.530)の各々で、その間の、前記突起(114、514)を受容するように構成されるスロットを備えるブリッジ(160、560)に枢動可能に連結される第1アーム(120、420、520)と第2アーム(130、530)とを備え、
前記コネクタ(100、400、500)が閉鎖位置にあるときは、前記出口(106、406、506)において前記ボディ(102、402、502)に連結されたシール部(116、416、516)が前記出口(106、406、506)を跨いで延在し、前記コネクタ(100、400、500)が開放位置にあるときは、嵌合ルアーを有する相互コネクタ(900)が前記シール部(116、416、516)を通って延在する、医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項21】
前記コネクタ(100、400、500)が開放位置にあるときは、前記相互コネクタ(900)が前記ボディ(102、402、502)に流体連結する、請求項20に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【請求項22】
前記コネクタ(100、400、500)が開放位置にあるときは、前記ラッチ部材(140、440、540)が前記相互コネクタ(900)の前記出口(106、406、506)からの後退を規制する、請求項20に記載の医療用コネクタ(100、400、500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して流体送達の用途に使用される医療用コネクタに関する。より具体的には、本開示は、ラッチを介して相互コネクタと連結して、相互コネクタと連結されるとその内部の流通を可能にするように構成されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用コネクタは、静脈内輸液ラインや血液アクセス、血液透析、腹膜透析、経腸栄養、薬剤バイアルアクセス等との接続に用いられるような流体送達システムに広く使用されている。先行技術における多くの無菌医療用コネクションは、鋭利な中空皮下注射針によって、その片側が流体と接触した弾性のダイヤフラム又はセプタムを穿刺するように設計されている。これらのコネクタは、皮下注射針を必要とせず代わりにルアー等の作動器具をシリンジ又は静脈ラインの端部で使用してコネクタ内の弁を通る流体路を作り出すルアー作動コネクタに置き換えられつつある。作動器具を取り外すと、弁は閉弁する。
【0003】
引用文献1は、輸液セット及び、患者に医療用薬液のような液体を投与する際に輸液セットを使用する方法を開示している。輸液セットは、それぞれ、1以上の柔軟なチューブにより構成される第1、第2及び第3の流路を備える。輸液セットは、第1の流路の別の端部、第2の端部の別の端部及び第3の端部の別の端部に接続される、スリーウェイのコックの栓をさらに備える。
【0004】
引用文献2では、お互いから取り外す際に、閉鎖構成を有する雄コネクタ及び雌コネクタを有する、薬液のためのコネクタシステムが説明されています。雄コネクタが雌コネクタに連結される際、相補的構造が、雄コネクタ及び雌コネクタのポートからシールを離すように動かすために係合し、コネクタを通る流路を開く。
【0005】
引用文献3は、雄コネクタに類似した他方の雄コネクタが接続されることが可能な、間隙を有する雄コネクタと空洞を有する雌コネクタから構成されるチューブ組立体及びコネクタを開示している。コネクタは、雄ロック領域に類似する他の雄ロック領域が連結されることが可能な、雄ロック領域及び雌ロック領域を有する。雌ロック領域と他の雄ロック領域が連結されて、コネクタがロックされた状態のときは、液体を流すことを可能にするために空洞が互いに連通されるように、雌コネクタと他の雄コネクタが接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2881138号明細書
【特許文献2】国際公開第2013/036854号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1839699号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載されるのは、その使用中及び使用の合間に望ましい滅菌状態の維持を助ける特徴をもつ無針コネクタである。本開示の態様は、医療用コネクタであって、医療用コネクタは、ボディであって、入口、空洞、ボディのルアー部を通る出口、入口から出口まで空洞を通る流体路、及び入口と出口との間の軸線を有するボディと、ルアー部内の流体路を通って延在するポストであって、コネクタが閉鎖位置にあるときはルアー部を通る流れを規制し、コネクタが開放位置にあるときはルアー部を通る流れを許容するポストと、出口においてボディに連結され、出口を跨いで延在するように構成されたシール部と、ボディに枢動可能に連結され、第1端部、対向する第2端部、及び第1端部から軸線に向かって延在するラッチ部材を有する第1アームとを備え、嵌合ルアーを有する相互コネクタが、コネクタが開放位置にあるときはラッチ部材が相互コネクタの出口からの後退を規制するようにボディに流体連結する、医療用コネクタを提供する。
【0008】
幾つかの事例では、ボディのルアー部は、コネクタが開放位置にあるときは相互コネクタの嵌合ルアー内に配置される。幾つかの実施では、ラッチ部材は、傾斜面と、傾斜面に対して横方向に延在する係合面と、傾斜面と係合面との間を移行する頂点領域とを備える。幾つかの事例では、係合面は、相互コネクタの外面上の隆起又はねじ山の少なくとも1つと係合する。幾つかの実施例では、第2端部の軸線に向かって付勢されると第1端部が軸線から離れる。幾つかの実施例によって、コネクタ及び相互コネクタは軸線周りに個別に回転可能である。幾つかの実施例では、第1アームは軸線に沿った点周りに枢動可能である。
【0009】
本開示の或る事例では、シール部は、出口の縁部から軸線に向かって延在する少なくとも1つの蓋を備える。幾つかの事例では、蓋の、出口の縁部からの長さが、蓋がボディの内部へとずれた場合にルアー部から解放されるように、出口の縁部とルアー部との間の距離よりも短い。本開示の幾つかの実施例では、シール部は、軸線を中心にして円形に配置され、軸線に沿って圧縮するように構成されたベローズ部を備える。
【0010】
本開示の或る事例によって、入口と出口との間で、ボディの外面及び第1アームの内面の少なくとも1つが、他方であるボディの外面又は第1アームにおける凹部と嵌合する少なくとも1つの突起を備える。幾つかの実施例では、均等な力を加えた場合に、第1端部と突起との間のモーメントが第2端部と突起との間のモーメントよりも小さい。本開示の或る事例では、延長部が第1端部と突起との間の第1アームに連結され、延長部の軸線に向かって付勢されると第1端部の軸線から離れるように付勢されるようにする。幾つかの事例では、延長部の少なくとも一部が軸線を越えて延在する。
【0011】
幾つかの実施では、第1端部及び対向する第2端部を有する第2アームがボディに枢動可能に連結される。幾つかの実施例では、第1アームの第1端部及び第2アームの第1端部が、第1アームの第2端部及び第2アームの第2端部の軸線に向かって付勢されると軸線から離れる。幾つかの事例では、第2アームは、第1端部から軸線に向かって延在するラッチ部材を備える。本開示の幾つかの実施例では、第1アーム及び第2アームが、突起と嵌合するように構成されたスロットを備えたブリッジに枢動可能に連結される。幾つかの実施例では、ブリッジのガイド部が出口へと延在し、ガイド部は、軸線に向かって延在する傾斜面を備え、嵌合ルアーを有するコネクタを出口と並べるように構成される。
【0012】
本開示の態様は、医療用コネクタであって、医療用コネクタは、ボディであって、入口、空洞、ボディのルアー部を通る出口、入口から出口まで空洞を通る流体路、及び入口と出口との間の軸線を有するボディと、ボディに枢動可能に連結され、第1端部、対向する第2端部、及び第1端部から軸線に向かって延在するラッチ部材を有する第1アームとを備え、コネクタが閉鎖位置にあるときは、出口においてボディに連結されたシール部が出口を跨いで延在し、コネクタが開放位置にあるときは、嵌合ルアーを有する相互コネクタがシール部を通って延在する、医療用コネクタを提供する。幾つかの事例によって、コネクタが開放位置にあるときは、相互コネクタがボディに流体連結する。幾つかの実施例では、コネクタが開放位置にあるときは、ラッチ部材が相互コネクタの出口からの後退を規制する。
【0013】
本主題の技術の追加の特徴及び利点は以下の説明内に記され、一部がその説明から明らかとなるか、又は本主題の技術の実施によって教示されてもよい。本主題の技術の利点は、本明細書の説明及び請求項並びに添付の図面において具体的に指摘される構造によって実現及び達成されよう。
【0014】
上記の概略的な説明及び以下の詳細な説明の両方が、例示的且つ説明的であり、請求されている本主題の技術を更に説明することを意図するものであることを理解されたい。
【0015】
本主題の技術の理解をより深めるために含まれ、且つ、この説明に組み込まれてその一部を構成する添付の図面が、本主題の技術の態様を示し、明細書と共に本主題の技術の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本開示の態様に係る医療用コネクタの一実施例の斜視図を示す。
図1B図1Aの医療用コネクタの立面図を示す。
図1C図1Aの医療用コネクタの平面図を示す。
図2】本開示の態様に係る医療用コネクタの一実施例の断面図である。
図3A】閉鎖位置にある図2の医療用コネクタの断面図を示し、医療用コネクタのルアー部と相互コネクタとの関係を示す。
図3B】開放位置にある図2の医療用コネクタの断面図を示し、医療用コネクタと相互コネクタとの係合を示す。
図4A】本開示の態様に係る、閉鎖位置にある医療用コネクタの一実施例の断面図を示し、医療用コネクタのルアー部と相互コネクタとの関係を示す。
図4B】開放位置にある図4Aの医療用コネクタの断面図を示し、医療用コネクタと相互コネクタとの係合を示す。
図5】本開示の態様に係る医療用コネクタの一実施例の斜視図を示す。
図6図5の医療用コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明では、本主題の技術の理解のために具体的な詳細が記される。しかしながら、一般の当業者には、これらの具体的な詳細の一部を適用しなくても本主題の技術が実施可能であることが自明であろう。他の事例としては、本主題の技術を明瞭にするために、既知の構造及び技術は具体的に示されていない。
【0018】
「態様」といった表現は、こうした態様が本主題の技術に対して不可欠であること、又はこうした態様が本主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。態様に関する開示が全ての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。態様は本開示の1つ以上の例を提供してもよい。「態様」といった表現は1つ以上の態様及びその逆を意味してもよい。「一実施例」といった表現は、こうした実施例が本主題の技術に対して不可欠であること、又はこうした態様が本主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。一実施例に関する開示が全ての実施例又は1つ以上の実施例に適用されてもよい。一実施例は本開示の1つ以上の例を提供してもよい。「一実施例」といった表現は1つ以上の実施例及びその逆を意味してもよい。「構成」といった表現は、こうした構成が本主題の技術に対して不可欠であること、又はこうした構成が本主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。構成に関する開示が全ての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。構成は本開示の1つ以上の例を提供してもよい。「構成」といった表現は1つ以上の構成及びその逆に言及してもよい。
【実施例1】
【0019】
図1A図6に示すように、医療用コネクタの実施例はボディを備え、ボディは入口と、出口と、出口においてボディに連結されるシール部と、ボディに連結された第1アーム及び第2アームとを有する。図1A図2を参照すると、医療用コネクタ100の一実施例が示されている。医療用コネクタ100は、入口104と出口106とを有するボディ102を備える。ボディ102は、空洞110と、出口106に向かって空洞110の内部へと延在するオスルアー部108とを画成する。ボディ102とオスルアー部108と空洞110とによって、入口104と出口106との間の流体路が画成される。また、入口104と出口106との間に軸線112が画定される。一実施例では、ボディ102の外面から突起114が延出する。突起114は入口104と出口106との間に位置付けられる。幾つかの実施例では、突起114は、軸線112の両側においてボディ102から延出し、長尺のつまみ、溝、隆起、窪み、又は隙間を含む。
【0020】
第1アーム120は第1端部122と、対向する第2端部124とを備える。第1アーム120は、第1端部122と出口106とが隣接するように、そして第2端部124と入口104とが隣接するように、軸線112と同軸上にボディ102に連結される。第2アーム130も、第1端部132と出口106とが隣接するように、そして第2端部134と入口104とが隣接するように、軸線112と同軸上にボディ102に連結される。各アーム120及び130は、(他の形状も用いられてもよいが)軸線112を中心とした弓形のような形状をもち、各突起114に向かってボディ102の一部の周囲に延在する。幾つかの実施例では、アーム120及び130は、例えば機械加工又は鋳造によってボディ102と単一に形成される。一実施例では、第1アーム120及び第2アーム130はボディ102に枢動可能に連結される。
【0021】
幾つかの実施例では、各アーム120及び130は、各アーム120と130との間に配置されるブリッジ160によって連結される。幾つかの実施例では、ブリッジ160は、ボディ102上で突起114と嵌合するように構成されたつまみ、溝、隆起、窪み、又は隙間を含む。幾つかの実施例では、ブリッジ160は、ブリッジを通り部分的に出口106に向かって延在する細長いスリット162を画成する。第1アーム120及び第2アーム130は、出口106を第1端部122及び132の方向に向けて、ボディ102を第1アーム120と第2アーム130との間に挿入することでボディ102に連結される。この方向で、各突起114をブリッジ160の細長いスリット162に入れることで、各アーム120及び132とボディ102とを連結する。
【0022】
幾つかの態様では、ブリッジ160はボディ102に向かって延出する突起を含む。突起はボディ102の凹部と嵌合するように構成されてもよい。各ブリッジ160から延出する突起の先端間の断面幅は、ボディ102の外面の断面幅より小さくてもよい。第1アーム120及び第2アーム130は、出口106を第1端部122及び132の方向に向けて、ボディ102を第1アーム120と第2アーム130との間に挿入することでボディ102に連結される。ボディ102が突起の間を進むにつれて、各アーム120と130との間のブリッジ160が軸線112から離れるように付勢される。各突起がボディ102の対応する凹部と並ぶと、各ブリッジ160は、突起が凹部で受けられて各アーム120及び130がボディ102と連結するように、軸線112に向かって戻ることが可能になる。
【0023】
幾つかの実施例では、各アームは、第1端部122及び132と突起114との間の第1モーメント822と、第2端部124及び134と突起114との間の第2モーメント824とを備える。幾つかの実施例では、第1モーメント822が第2モーメント824よりも大きくなるように、第1端部122及び132と突起114との間の距離は、第2端部124及び134と突起114との間の距離よりも大きい。
【0024】
引き続き図1A図2を参照すると、第1アーム120の第1端部122及び第2アーム130の第1端部132のそれぞれは、第1端部122及び132の縁部から軸線112に向かって横方向(又は径方向)内方に延在するラッチ部材140を備える。各ラッチ部材140は、傾斜面142と、係合面144と、頂点領域146とを備える。傾斜面142及び係合面144のそれぞれは互いに対して横方向に延在する。頂点領域146は、傾斜面142と係合面144との間の接合部に配置される。
【0025】
シール部116がボディ102に連結される。一実施例では、シール部116はボディ102の出口106に連結され、出口106の縁部から軸線112に向かって延在する蓋118を含む。幾つかの実施例では、シール部116は、出口106の縁部から横方向内方に延在する1つ以上の蓋118を含む。幾つかの実施例では、シール部116はボディ102の空洞110に連結され、ベローズ部を含む。
【0026】
図2は、医療用コネクタ100の実施例の断面図を示す。ポスト152がルアー部108内の流体路を通って延在する。ポスト152は、開口端部と、対向する閉鎖端部と、開口端部と閉鎖端部との間の側壁を通る通路154とを有する内腔を画成する。幾つかの実施例では、ポスト152は、閉鎖端部の外側面上にシール部153を含み、ルアー部108の開口先端109を流体が流通するのを防止する。
【0027】
図3A及び図3Bは、相互コネクタ900に関連する医療用コネクタ100の実施例を示す。相互コネクタ900は嵌合ルアー902を含む。嵌合ルアー902は上面904と隆起906とを含む。隆起906は、周外方延在部、外側面上のねじ山、又は増加した断面幅をもつ相互コネクタ900の線分を含んでもよい。一実施例では、嵌合ルアー902は、医療用コネクタ100のルアー部108を受けるように構成されたメスルアーである。
【0028】
図3Aを参照すると、ポスト152は、医療用コネクタ100が閉鎖位置にあるとき、ルアー部108内の流体路を通って延在する。閉鎖位置では、ポスト152の閉鎖端部がルアー部108の開口先端109を密閉することで流体路を閉鎖する。幾つかの実施例では、かかり156がポスト152に接続し、ルアー部108の外部に沿って出口106に向かって延在する。
【0029】
図3Bに示す開放位置では、医療用コネクタ100は、ルアー部108が嵌合ルアー902と係合するように相互コネクタ900に連結される。医療用コネクタ100を開放位置にセットするために、医療用コネクタ100の出口106と相互コネクタ900の上面904とが、図3Aに示すように軸線112に沿って並べられる。上面904は、医療用コネクタ100又は相互コネクタ900の少なくとも1つがそれらのいずれかに向かって移動すると、ラッチ部材140の頂点領域146を越えて通過することが可能になる。上面904がラッチ部材140の頂点領域146を越えて通過するにつれて、シール部116の蓋118が空洞110の内部へとずれる。相互コネクタ900が医療用コネクタ100の空洞110に更に入るにつれて、頂点領域146間の断面幅よりも大きい断面幅を有する隆起906が傾斜面142と係合し、これによって、各アーム120及び130の第1端部122及び132の軸線112から離れるように付勢される。相互コネクタ900が、頂点領域146が隆起906を越えるように空洞110へと挿入されると、各アーム120及び130の第1端部122及び132は、図3Bに示すように、係合面144と隆起906とが隣接するように軸線112に向かって戻ることが可能になる。
【0030】
引き続き図3Bを参照すると、医療用コネクタ100のルアー部108は、上面904を通って嵌合ルアー902の内部へと延在して、柔軟弁908をずらす。かかり156及びポスト152は、上面904によってルアー部108の先端109から強制的に引き離される。開放位置では、ポスト152の閉鎖端部がルアー部108の先端109からずれるため、これによって、ルアー部108の先端109とポスト152の内腔との間で通路154を通る流れが許容される。
【0031】
開放位置では、相互コネクタ900の、入口104から離れる反対方向への動きが、係合面144によって規制される。医療用コネクタ100と相互コネクタ900とは、各アームの第2端部124及び134の軸線112に向かって付勢されることで分離され、これによって、各アームの第1端部122及び132並びにラッチ部材140が軸線112から離れる。第1端部122及び132並びにラッチ部材140が、頂点領域146間の断面幅が隆起906の断面幅よりも大きくなるように軸線112から離れると、医療用コネクタ100を軸線方向に離すように動かして、相互コネクタ900を空洞110から引き出すことができる。
【0032】
図4A及び4Bは、ボディ402を備え、ボディ402は入口404と、出口406と、ボディ402に連結された第1アーム420とを有する医療用コネクタ400の一実施例を示す。シール部416が、ボディ402によって画成される空洞410内に配置される。幾つかの実施例では、シール部416は、入口404と出口406との間に軸線412を中心にして配置されたシリンダーである。シール部416は、ベローズ部423を有する基部と、接合部421を有する対向するヘッドとを含む。ベローズ部423は、シール部416が軸線412に沿って圧縮又は膨張するのを可能にする。幾つかの実施例では、接合部421は、軸線412を中心にして周囲に配置されて、ヘッドから出口406に向かって延在するリングである。蓋418が、ヘッドの接合部421から軸線412に向かって横方向内方に延在する。接合部421は相互コネクタ900の上面904と係合して、相互コネクタ900の力をシール部416のベローズ部423及び蓋418に分散させる。図4Aに示す閉鎖位置では、ルアー部408がシール部416によって封止されるように、ベローズ部423は膨張状態にあり、蓋は軸線412に向かって延在する。
【0033】
医療用コネクタ400を開放位置にセットするために、医療用コネクタ400の出口406及び相互コネクタ900の上面904は、図4Aに示すように軸線412に沿って並べられる。上面904は、医療用コネクタ400又は相互コネクタ900の少なくとも1つがそれらのいずれかに向かって移動すると、ラッチ部材440の頂点領域446を越えて通過することが可能になる。上面904がラッチ部材440の頂点領域446を越えて通過すると、上面904は接合部421に係合する。上面904が入口404に向かって更に移動すると、シール部416のベローズ部423が軸線方向に圧縮される。シール部416が軸線方向に圧縮されるにつれて、蓋418がルアー部408の先端409に係合する。シール部416が更に軸線方向に圧縮されることで、図4Bに示すように、蓋418は出口406に向かって強制的にずらされる。
【0034】
医療用コネクタ400と相互コネクタ900とが、相互コネクタ900の上面904がシール部416を軸線方向に圧縮するように共に移動している間、頂点領域446間の断面幅よりも大きな断面幅を有する隆起906が傾斜面442と係合し、これによって、第1アーム420の第1端部422の軸線412から離れるように付勢される。相互コネクタ900が、頂点領域446が隆起906を越えるように空洞410へと挿入されると、第1アーム420の第1端部422は、係合面444と隆起906とが隣接するように軸線412に向かって戻ることが可能になる。
【0035】
引き続き図4Bを参照すると、医療用コネクタ400のルアー部408は、上面904を通って嵌合ルアー902の内部へと延在して、柔軟弁908をずらし、かかり456及びポスト452は、上面904によってルアー部408の先端409から強制的に引き離される。開放位置では、ポスト452の閉鎖端部はルアー部408の先端409からずれるため、これによって、通路454を通るルアー部408の先端409とポスト452の内腔との間の流れが許容される。
【0036】
閉鎖位置では、相互コネクタ900の、入口404から離れる反対方向への動きが、係合面444によって規制される。医療用コネクタ400と相互コネクタ900とは、各アームの第2端部の軸線412に向かって付勢されることで分離され、これによって、各アームの第1端部及びラッチ部材440が軸線412から離れる。第1端部が、頂点領域446間の断面幅が隆起906の断面幅よりも大きくなるように、軸線412から離れると、医療用コネクタ400を上面から軸線方向に離すように動かして、相互コネクタ900から分離することができる。
【0037】
図5及び図6を参照すると、医療用コネクタ500の一実施例が示されている。医療用コネクタ500は、入口504と出口506とを有するボディ502を備える。ボディ502は、空洞510と、出口506に向かって空洞510の内部へと延在するオスルアー部508とを画成する。ボディ502とオスルアー部508と空洞510とによって、入口504と出口506との間の流体路が画成される。また、入口504と出口506との間に軸線512が画定される。ボディ502の外面から突起514が延出する。突起514は入口504と出口506との間に位置付けられる。幾つかの実施例では、突起514は軸線512に対向する側にボディ502から延出し、長尺のつまみ、溝、隆起、窪み、又は隙間を含む。
【0038】
第1アーム520は、第1端部522と、対向する第2端部524とを備える。第1アーム520は、第1端部522と出口506とが隣接するように、そして第2端部524と入口504とが隣接するように、軸線512と同軸上にボディ502に連結される。第2アーム530も、第1端部532と出口506とが隣接するように、そして第2端部534と入口504とが隣接するように、軸線512と同軸上にボディ502に連結される。第1アーム520及び第2アーム530のそれぞれは、軸線512を中心とした弓形のような形状をもち、各突起514に向かってボディ502の一部の周囲に延在する。幾つかの実施例では、アーム520及び530は、例えば機械加工又は鋳造によってボディ502と単一に形成される。一実施例では、第1アーム520及び第2アーム530はボディ502に枢動可能に連結される。
【0039】
一実施例では、各アーム520及び530は、各アーム520と530との間に配置されるブリッジ560によって連結される。幾つかの実施例では、ブリッジ560は、ボディ502上で突起514と嵌合するように構成されたつまみ、溝、隆起、窪み、又は隙間を含む。幾つかの実施例では、各ブリッジ560は、内側面に沿って部分的に出口506に向かう細長いスリット562を画成する。第1アーム520及び第2アーム530は、出口506を第1端部522及び532の方向に向けて、ボディ502を第1アーム520と第2アーム530との間に挿入することでボディ502に連結される。この方向で、各突起514をブリッジ560の細長いスリット562に入れることで、各アーム520及び532とボディ502とを連結する。
【0040】
幾つかの態様では、ブリッジ560はボディ502に向かって延出する突起を含む。突起はボディ502の凹部と嵌合するように構成されてもよい。各ブリッジ560から延出する突起の先端間の断面幅は、ボディ502の外面の断面幅より小さくてもよい。第1アーム520及び第2アーム530は、出口506を第1端部522及び532の方向に向けて、ボディ502を第1アーム520と第2アーム530との間に挿入することでボディ502に連結される。ボディ502が突起の間を進むにつれて、各アーム520と530との間のブリッジ560が軸線512から離れるように付勢される。各突起がボディ502の対応する凹部と並ぶと、各ブリッジ560は、突起が凹部で受けられて各アーム520及び530がボディ502と連結するように、軸線512に向かって戻ることが可能になる。
【0041】
幾つかの実施例では、ブリッジ560は出口506を越えて延在し、第1アーム520と第2アーム530とのラッチ部材540の間に配置されたガイド564で終端する。ガイド564は、軸線512に部分的に向かって延在する傾斜面566と頂点領域568とを含む。各頂点領域568間の断面幅は、相互コネクタ900の嵌合ルアー902の外面以上の大きさである。各ガイド564の傾斜面566は、相互コネクタ900の上面904を軸線512と並ぶように方向付ける。頂点領域568間の断面幅は、相互コネクタ900の上面904及び隆起906が、各ラッチ部材540の頂点領域568を越えて通過するのを許容するものである。
【0042】
第1アーム520の第1端部522及び第2アーム530の第1端部532のそれぞれは、第1端部522及び532の縁部から軸線512に向かって横方向内方に延在するラッチ部材540を備える。各ラッチ部材540は、傾斜面542と、係合面544と、頂点領域546とを備える。傾斜面542及び係合面544のそれぞれは互いに対して横方向に延在する。頂点領域546は、傾斜面542と係合面544との間の接合部に配置される。
【0043】
一実施例では、各アーム520及び530はそれぞれ延長部525及び535を備える。わかりやすさ及び簡略化のために、以下の説明では第1アーム520を対象にする。しかしながら、一実施例では、各アームは素晴らしい特徴を備える。第1アームを参照すると、延長部525は第1端部522と突起514との間に連結される。延長部525は第1端部522から軸線512を越えて延在し、延長部525の軸線512に向かう動きが第1端部522の軸線512から離れるように付勢するようにする。一実施例では、延長部525はブリッジ560を覆って延在し、第2アーム530の少なくとも一部を覆う弧を備える。
【0044】
シール部516がボディ502に連結される。一実施例では、シール部516はボディ502の出口506に連結され、出口506の縁部から軸線512に向かって延在する蓋518を含む。幾つかの実施例では、シール部516は、出口506の縁部から横方向内方に延在する1つ以上の蓋518を含む。幾つかの実施例では、ベローズ部を備えるシール部がルアー部508を囲み、開口部から軸線512に向かって延在する蓋を含むことで、空洞510内のルアー部508を封止する。
【0045】
ポスト552がルアー部508内の流体路を通って延在する。ポスト552は、開口端部と、対向する閉鎖端部と、開口端部と閉鎖端部との間の側壁を通る通路554とを有する内腔を画成する。医療用コネクタ500が閉鎖位置にあるとき、ポスト552の閉鎖端部がルアー部508の開口先端509を密閉し、これによって、流体路を閉鎖する。幾つかの実施例では、ポスト552は、閉鎖端部の外側面上にシール部553を含み、医療用コネクタ500が閉鎖位置にあるときにルアー部508の開口先端509を流体が流通するのを防止する。
【0046】
開放位置において医療用コネクタ500が相互コネクタ900と連結されると、ルアー部508は嵌合ルアー902と係合する。医療用コネクタ100を開放位置にセットするために、医療用コネクタ500の出口506と相互コネクタ900の上面904とが軸線512に沿って並べられる。各ガイド564の傾斜面566は、医療用コネクタ500又は相互コネクタ900の少なくとも1つがそれらのいずれかに向かって移動すると、相互コネクタ900の上面904を軸線512と並ぶように方向付ける。各ラッチ部材540の頂点領域568間の断面幅は、相互コネクタ900の上面904及び隆起906が頂点領域568を越えて通過するのを許容するものである。相互コネクタ900が医療用コネクタ500の空洞510に更に入るにつれて、頂点領域546間の断面幅よりも大きい断面幅を有する隆起906が傾斜面542と係合し、これによって、各アーム520及び530の第1端部522及び532の軸線512から離れるように付勢される。相互コネクタ900が、隆起906が頂点領域546を越えるまで空洞510へと挿入されると、各アーム520及び530の第1端部522及び532は、係合面544と隆起906とが隣接するように軸線512に向かって戻ることが可能になる。
【0047】
開放位置では、ポスト552の閉鎖端部がルアー部508の先端509からずれるため、これによって、ルアー部508の先端509とポスト552の内腔との間で通路554を通る流れが許容される。
【0048】
開放位置では、相互コネクタ900の、入口504から離れる反対方向への動きが、相互コネクタ900の隆起906に対向する各ラッチ部材540の係合面544によって規制される。医療用コネクタ500と相互コネクタ900とは、各アームの延長部525及び535の軸線512に向かって付勢されることで分離され、これによって、各アーム520及び530の第1端部522及び532並びにラッチ部材540が軸線512から離れる。第1端部522及び532が、頂点領域546間の断面幅が隆起906の断面幅よりも大きくなるように軸線512から離れると、医療用コネクタ500を軸線方向に離すように動かして、相互コネクタ900を空洞510から引き出すことができる。
【0049】
上記の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な構成を実現できるようにするために設けられる。本主題の技術は、様々な図面及び構成を参照して具体的に説明されているが、これらは例示的な目的のためだけのものであることが理解されるべきであり、本主題の技術の範囲を限定するものとして捉えられるべきではない。
【0050】
本主題の技術を実現するには多くの他の方法がありうる。本明細書に記載の様々な機能及び要素が、本主題の技術の範囲から逸脱することなく、示されているものとは異なるように区分けされてもよい。これらの構成の様々な変形例が当業者には容易に自明となることが考えられ、本明細書に定義される包括的な原理が他の構成に適用されてもよい。従って、多くの変更又は変形例が、当業者によって、本主題の技術の範囲から逸脱することなく、本主題の技術に対して作られてもよい。
【0051】
本明細書で使用されるような、一連の項目に続く表現「の少なくとも1つ」は、それらの項目のいずれかを分離する用語「及び」又は「又は」が伴い、その一覧の各要素(すなわち各項目)ではなく一覧全体を変更する。表現「の少なくとも1つ」は、一覧にある各項目の少なくとも1つを選択することを要求するのではなく、むしろ、この表現は、項目のいずれか1つを少なくとも1つ、及び/又は、項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は、項目のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味を許容する。例としては、表現「A、B及びCの少なくとも1つ」又は表現「A、B又はCの少なくとも1つ」は、それぞれAのみ、Bのみ又はCのみを意味してもよいし、AとBとCとの任意の組み合わせを意味してもよいし、A、B及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを意味してもよい。
【0052】
また、用語「含む」又は「有する」等が用いられる範囲において、こうした用語は、用語「備える」が請求項内での暫定的な語として採用された場合に解釈されるように、「備える」と同様の手法で包括されるようになっている。本明細書では、語「例示的」は「例、事例又は例示として機能する」ことを意味するように使用される。本明細書で「例示的」として説明される任意の実施例は、他の実施例よりも好適又は有利なものとして解釈されなくてもよい。
【0053】
単数形の要素の参照は、特にそのような記載がない限りは「1つ及び1つのみ」を意味するようになってはおらず、むしろ「1つ以上」を意味するようになっている。用語「幾つか」は1つ以上を意味する。本開示を通して説明される様々な構成の要素に対する、当業者にとって既知である又は後から既知となる全ての構造的且つ機能的な同等性は、参照によって本明細書に明確に組み込まれ、本主題の技術によって包含されるようになっている。また、本明細書に開示されるものは、いずれも、こうした開示が上記の記載に明確に記されているか否かに関わらず、公共に対して限定されるものではない。
【0054】
本主題の技術の或る態様及び実施例を説明したが、これらは例としてのみ提示したものであり、本主題の技術の範囲の限定を意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規の方法及びシステムは、その精神から逸脱することなく、様々な他の形態で実施されてもよい。添付の請求項及びその同等物は、本主題の技術の範囲内及び精神内に含まれうるようなこうした形態又は変形例を包含するようになっている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6