特許第6955788号(P6955788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6955788
(24)【登録日】2021年10月6日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】人事評価カードゲーム用具
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/02 20060101AFI20211018BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20211018BHJP
   A63F 1/10 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   A63F1/02 C
   G06Q10/10 320
   A63F1/10
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-21990(P2020-21990)
(22)【出願日】2020年2月13日
(65)【公開番号】特開2021-126265(P2021-126265A)
(43)【公開日】2021年9月2日
【審査請求日】2020年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】519215304
【氏名又は名称】株式会社アンビシャス
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】月橋 一浩
【審査官】 松谷 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−270502(JP,A)
【文献】 特開2011−067646(JP,A)
【文献】 特開2001−252392(JP,A)
【文献】 特開2018−206166(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3153275(JP,U)
【文献】 人事評価がカードゲームになりました!,人事評価コンサルタント月橋一浩 〜人事評価を正しく簡単に〜[online],2019年03月09日,https://ameblo.jp/ambitious-fuk/image-12445525718-14368963688.html,主に中央四角囲み内の記載及び写真を参照。[2020年12月8日検索]
【文献】 株式会社 アンビシャス ホーム,Facebook[Online],2019年12月19日,https://www.facebook.com/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%B9-394653660660633/?hc_ref=ARR-qjQx--yysRfNk4Cf7lHDvEvUzcytCBJcu-LFUhQnxxwGhvIXgPImNOUNqxF0Vbo&fref=nf&__tn__=kC-R,主に2019年12月19日の投稿の記載及び写真を参照。[2020年12月8日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/02
G06Q 10/10
A63F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤーがゲームをしながら人事評価について理解するための人事評価カードゲーム用具であって、
人事評価における複数の評価項目と、各評価項目についてランクを設定した評価基準シートを備え、
人事評価の評価対象となる事象、その事象に該当する評価項目及びランクを記載した複数のカードを備え、
前記カードの一面には評価対象となる事象が記載されており、カードの反対面には事象に該当する前記評価基準シートにおける評価項目及びランクが記載され、
前記カード裏面の下側に人事評価の評価項目及びランクが記載されており、
各プレイヤーに配られたカードを並べるカード立てが備えられており、
そのカード立ては、カード表面に記載された事象をプレイヤーが視認できる状態で横並びに並べる機能を有しており、同時にカード裏面の下側に記載された人事評価の評価項目及びランクを隠した状態で並べる機能を有していることを特徴とする人事評価カードゲーム用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人事評価カードゲームに関し、特に、人事評価に関する具体的な出来事(事象)と、その事象に該当する評価及びランクをカードの表裏に分けて記載し、そのカードを使用してゲームしながら、人事評価への理解を深める人事評価カードゲーム用具に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等の組織では、構成員の業績、貢献度、遂行度、行動などを一定の基準で評価する人事評価が行われている。
人事評価に際しては、構成員の有する能力やスキルと共に、組織への貢献度等が参酌されて判断が行われる。
このような人事評価に関する技術として特許文献1、2の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−323352号公報
【特許文献2】特開2007−286666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1、2の文献には、個人に関する情報を収集して所定の基準に従い人材を評価するシステムが記載されている。しかしながら、人事評価についての基準がどのようなものであるか組織内あるいは構成員の全員が共有するシステムについての記載はない。
人事評価の基準が共有できなければ、組織が求める人材、あるいは組織の方向性を明確にできない。
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、人事評価に関する具体的な出来事(事象)と、その事象に該当する評価及びランクをカードの表裏に分けて記載し、そのカードを使用してゲームしながら、人事評価への理解を深める人事評価カードゲーム用具及びそれを用いた人事評価カードゲームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の人事評価カードゲーム用具では、 複数のプレイヤーがゲームをしながら人事評価について理解するための人事評価カードゲーム用具であって、人事評価における複数の評価項目と、各評価項目についてランクを設定した評価基準シートを備え、人事評価の評価対象となる事象、その事象に該当する評価項目及びランクを記載した複数のカードを備え、前記カードの一面には評価対象となる事象が記載されており、カードの反対面には事象に該当する前記評価基準シートにおける評価項目及びランクが記載され、前記カード裏面の下側に人事評価の評価項目及びランクが記載されており、各プレイヤーに配られたカードを並べるカード立てが備えられており、
そのカード立ては、カード表面に記載された事象をプレイヤーが視認できる状態で横並びに並べる機能を有しており、同時にカード裏面の下側に記載された人事評価の評価項目及びランクを隠した状態で並べる機能を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の人事評価カードゲーム用具及びそれを用いた人事評価カードゲームにおいては、カードの表面に人事評価についての様々なバリエーションの出来事(事象)が記載されているので、その記載を見ながらゲームすることにより、人事評価の具体的内容が理解される。
カードの裏面に評価項目と基準が記載されているので、具体的な評価項目とそれに対するランクが理解される。
人事評価における複数の評価項目と、各評価項目についてランクを設定した評価基準を備えているので、評価項目とランクの全体像が一覧として見やすく表示される。
また、カードの表裏に分けて、事象と評価項目及び基準(ランク)を記載しているので、表裏一体として対応付けられて、ゲームでは正否の判断が即座になされ、人事評価の内容がスムーズに理解される。
また、カード立てを備えているので、評価項目及びランクが隠された状態で、プレイヤー側にカードの表が見やすい。さらに、カードの保有枚数が明確にされ、自由に抜き差し可能であり、ランクを考慮しながら並べ替えができる。
カルタカードを備えているので、カルタ取りゲームを行いながら人事評価の理解が深められる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】評価基準の説明図である。
図2】カードの表裏を示す説明図である。
図3】カルタカードの表裏を示す説明図である。
図4】カード立ての説明図である。
図5】プレイ状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
第1実施例にかかる人事評価カードゲーム用具を説明する。
人事評価カードゲーム用具は、複数のプレイヤーがゲームをしながら人事評価について理解するためのゲームであり、人事評価における複数の評価項目と、各評価項目についてランク(基準)を設定した評価基準シート1と、人事評価の評価対象となる事象、その事象に該当する人事評価の評価項目及びランクを記載した複数のカード2と、各プレイヤーが手元のカードを並べるカード立て3を備えている。
前記カード2の表には評価対象となる事象(出来事)が記載されており、カード2の裏には事象に該当する評価項目及びランクが記載されている。
【0009】
評価基準は人事評価における評価項目とそのランクを一覧としてシートに記載したものである。
評価基準は図1に示すように、上段に基準(ランク)の記載欄と、下段に評価項目の記載欄が設けられている。
基準の欄には、それぞれ、以下が記載されている。

S「期待を超え、周囲に教えたり周囲の模範となっている。(110%以上)」
A「期待通り満足できる能力・行動であり、安心できるレベル。(90-100%) 」
B「期待役割を、まずまず果たせている。不満や問題はない。(60-80%) 」
C「期待レベルまで今一歩力不足。もう少し伸ばして欲しい水準。(40-60%)」
D「期待には到底及ばず、トラブルになるなどかなり不安なレベル。(0-30%) 」

評価の優劣の基準(ランク)を表すものであり、Sが最上位、Dが最下位であることを示している。
Dから順にSへランクが上昇する関係(S>A>B>C>D)にある。
【0010】
評価項目は評価する項目を列挙し、それぞれの項目がどのような内容・意味を有するかについて説明を記載したものである。
評価項目の欄には、それぞれ、以下が記載されている。

積極性「指示待ちでない。自分から提案・情報収集し、自己研鑽に励んでいる。」
協調性「担当業務以外にも協力的。関係者と協調して業務に取り組んでいる。」
責任感「やるべきことに責任をもって取組み、職務を完遂しようとしている。」
マナー接遇「服装やマナーがしっかりとしており、失礼のない応対を行っている。」
知識・技術「業務知識や技術を有し、1人で任せられるレベルに保持している。」
情報共有「上司・同僚にタイミングよく報連相を行い、情報を共有している。」
正確性「与えられた業務を、正しく誤りなく遂行することができる。」
評価対象外「人事評価の対象外。プライベートや飲み会、評価対象期間外など。」

「評価対象外」を除く、それぞれの評価項目においてS〜Dのランクが存在することを示しており、本実施例では7個(評価対象外を除く)の評価項目対し、5種のランクが存在するので、7×5=35の類型が存在し、それに「評価対象外」を適宜加えた、40前後の類型が存在する。
【0011】
本実施例では前記類型に当たる40枚前後のカードが存在し、それぞれ表に固有の事象(出来事)と、裏に事象に該当する固有の評価項目及びランクが記載されている。
この評価項目及びランクについては後述のカード立ての溝に隠れて見えないように下側に記載されている。
なお、「評価対象外」についてはランクは設定されない。
前記カードの一例として 図2に示すように、以下が記載されている。

(a)表「自分だけでなく、他部署や会議の内容もまめに報告してくれるので、本当に助かる。」
裏「情報共有S」
(b)表「服装や身だしなみもしっかりしている。応対もしっかりできていて失礼がない。」
裏「マナー接遇A」
(c)表「指示した事はやってくれるが、自分から仕事を見つけて動く事は少ない。」
裏「積極性C」
(d)表「毎年、有給休暇は全て使い切り、海外旅行に年2回行っている。」
裏「評価対象外」
【0012】
図4に示すように、カード立て3は、棒材3aとその棒材に沿った溝3bによって構成され、縦にしたカードを5枚程度並べられる長さを有しており、縦にしたカードの下に記載された評価項目及びランクが溝に隠れて見えない溝の深さを有している。
カード立ての底面はテーブル等に安定して載置できるように平らに形成され、5枚のカードを立てて支えられる全体重量を有している。
溝は所定幅と深さを有しており、溝に収容したカードは、斜めに立て掛けられた状態でプレイヤーに向かって上を向き、横スライドも可能であり、自由に抜き差し、並べ替え自由とされる。
【実施例2】
【0013】
次に、第2実施例にかかる人事評価カードゲーム用具を用いたゲーム方法を説明する。
1.コインをプレイ場の中央にまとめて置く。
2.カードをよくきった後、各プレイヤーに3枚づつ表面を上にして配る。
配られたカードは各自カード立てに並べる。残ったカードは山札とする。
(カードの裏面は、回答がかいてあるので見てはいけない。)
3.サイコロで順番を決め、最初の人がカードを出す。
(1)カードを出す人は「積極性のA!」など、そのカードの評価を言いながら場に出す。
(2)カードの評価が正しければ、コインを1枚中央からもらう。
2回連続正解の場合は2枚、3回連続の場合は3枚受け取る。
(3)これを3回(手元のカードがなくなるまで)繰り返す。
3回終了して、コインの枚数が一番多い人が「勝ち」となる。
【0014】
本実施例ではカード立てを使用するので、各自の保有枚数が認識される。
さらに、カード表面は自己のみが見ることができるが、裏面の評価項目及びランクは溝に隠れて他に見えないので、プレイヤーがカードを出すときに判断が当たるか否か、自己を含めて全員がスリリングなゲーム感覚を共有する。
【実施例3】
【0015】
次に、第3実施例にかかる人事評価カードゲーム用具を用いたゲーム方法を説明する。
1.コインを1人5枚づつ配る。
2.カードをよくきった後、各プレイヤーに5枚づつ表面を上にして配る。
残ったカードは表面を上に置き山札とする。
配られたカードは各自カードカード立てに並べる(図5参照)。
(カードの裏面は、回答がかいてあるので見てはいけない。)
カード立てに置くことにより、相手からも見えないようになっている。
2分ほど時間をとり、プレイヤーは評価者の視点で各自配られたカード内容の評価を行う。手元の「評価基準シート」を参考に、カードに書かれた出来事(事象)の項目・ランクを判断する。例)「積極性のB」「積極性のS」等
3.サイコロで順番を決め、最初の人がカードを出す。
(1)カードを出した人は、そのカードの評価を皆に伝える。
(2)他のプレイヤーは、正しいかどうかカードを裏返して確認する。
(3)カードの評価が正しければ、そのまま次のプレイヤーに進む。
カードの評価を間違えた人は、ペナルティとして山札から1枚カードを引き、手札に加える。
4.次の人は、前のプレイヤーが出したカードよりも高い評価だと思うカードを出し、前項(2)〜(4)を繰り返す。
5.出せるカードがない場合や出したくない場合は、パスすることができる。
全員がパスした場合は、場のカードを流し、最後にカードを出した人が新たにカードを出しゲームを再開する。
6.最初に手持ちのカードがなくなった人が1位となる。
7.1位のプレイヤーは、最下位のプレイヤーからコインを2枚獲得する。
2位のプレイヤーは、最下位2番目のプレイヤーからコインを1枚獲得する。
ゲームを45分〜60分行い、最後にコインが最も多い人が勝ちとなる。
【0016】
本実施例ではカード立てを使用するので、各自の保有枚数が認識される。
さらに、カード表面は自己のみが見ることができるが、裏面の評価項目及びランクは溝に隠れて他に見えないので、プレイヤーがカードを出すときに判断が当たるか否か、自己を含めて全員がスリリングなゲーム感覚を共有する。
また、本実施例ではカードのランクの高低がゲームに影響するので、予めランクに沿ってカード立てに並べることが可能であり、ゲーム状況・駆け引きに応じて、カード立て上でカードを整理する。
なお、本実施例では「評価対象外」の評価項目にはランクが設定されないので、この「評価対象外」のカードについては、ランクSを上回る最上位ランクとして扱う。
【実施例4】
【0017】
次に、第4実施例にかかる人事評価カードゲーム用具を用いたゲーム方法を説明する。
第4実施例にかかるゲーム方法は一般的にカルタとして知られているゲームである。
カルタカード4は表に評価項目及びランクが記載され、裏には文字は記載されず同一のデザインとされている。
図3では一例として、以下が記載されている。

(a)表「協調性D」
(b)表「責任感A」
(c)表「知識技術S」
(d)表「情報共有D」

このカルタカード4を場に広げて、カード2の事象を読み札にする。
読み札(カードの表の事象)を読んで、該当する「積極性のB」などの札(カルタカード)を取り合い、多く取った人が勝ちとなる。
【0018】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲における設定変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例で説明した評価基準における基準の数、内容、ランクの数、内容については業種、部署、その他状況等に応じて適宜設定がなされる。
また、カードに記載した事象(出来事)についても業種、部署、その他状況等に応じて適宜設定がなされる。カード枚数についても適宜設定がなされる。
ゲーム方法は変更する場合があっても本発明のゲーム用具を使用する場合であれば、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0019】
1 評価基準シート
2 カード
3 カード立て
3a 棒材
3b 溝
4 カルタカード
図1
図2
図3
図4
図5