(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発行権限が与えられているユーザ端末からの要求に応じて前記発行手段が電子クーポンを発行する場合、前記費消設定手段は、発行される電子クーポンに設定可能な前記費消予算の上限を該ユーザ端末からの要求に基づいて設定し、
前記費消予算が設定された電子クーポンを所有しているユーザ端末は、前記上限の範囲内で前記費消予算を選択し、選択した前記費消予算を該電子クーポンに設定することを前記費消設定手段に要求できる請求項1に記載の電子クーポンシステム。
電子クーポンを譲渡した場合又は譲渡された電子クーポンを利用した取引が成約した場合、該電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して付与される前記特典が、設定された前記費消予算が少ないほど増える請求項1又は2に記載の電子クーポンシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
<本発明に係る電子クーポンシステム10のシステム構成>
図1は、本発明に係る電子クーポンシステム10のシステム構成図である。
電子クーポンシステム10は、管理サーバ100と、管理サーバ100と通信可能な複数のユーザ端末300と、を含む。
管理サーバ100と各ユーザ端末300とは、通信ネットワーク200を介して通信可能である。
【0013】
ユーザ端末300とは、電子クーポンシステム10を利用可能なコンピュータ端末の総称であり、そのコンピュータ端末のユーザに与えられている処理権限に応じて発行端末310、社員端末320、一般端末330に大別される。
ここで「電子クーポンシステム10を利用可能なコンピュータ端末」とは、後述するアカウント登録部130に登録されているコンピュータ端末に限定されてもよいし、アカウント登録部130に未登録のコンピュータ端末を更に含めてもよい。アカウント登録部130に未登録のコンピュータ端末でも電子クーポンシステム10を利用可能にするメリットとしては、未登録のコンピュータ端末にも電子クーポンを配布して利用してもらうことにより電子クーポンの拡散性を高め、販促効果の向上を図ることが可能である点が挙げられる。なお、未登録のコンピュータ端末でも電子クーポンシステム10を利用可能にする場合、該コンピュータ端末に与える処理権限は登録済みのコンピュータ端末に与える処理権限より制限されること(例えば、所有できる電子クーポンの費消予算が少額である、電子クーポンを他のコンピュータ端末に譲渡できない、インセンティブを受けられない等)が好ましい。
【0014】
図1や後述する図面において図示される各ユーザ端末300は、コンピュータ端末を模した絵柄の横に人間を模した絵柄を描き、横に描いた絵柄の種別によって発行端末310、社員端末320及び一般端末330を区別する。
なお、本実施形態の説明において「ユーザ端末」「発行端末」「社員端末」又は「一般端末」と称する場合には、該当するコンピュータ端末自体を意味することに限定されず、そのコンピュータ端末を使用するユーザ及びそのユーザが登録したアカウントをも包含する意味合いを持ちうる。例えば、「ユーザ端末が所有する電子クーポン」とは、該当するコンピュータ端末を使用するユーザのアカウントに対して割り当てられている電子クーポンを意味する。
【0015】
発行端末310は、電子クーポンシステム10上で新たな電子クーポンを発行する権限(以下、発行権限と称する)が与えられているユーザ端末300である。
例えば、発行端末310としては、或る販促活動を行う店舗や企業等(その企業において販促活動の予算権限が与えられている部署を含む)が使用するコンピュータ端末が想定される。
【0016】
社員端末320は、発行権限が与えられていないユーザ端末300のうち、或る販促活動を行う店舗や企業等に所属しているユーザが使用するものをいう。
例えば、社員端末320としては、該販促活動を行う店舗や企業等に所属している店員や社員が使用するコンピュータ端末が想定される。
【0017】
一般端末330は、発行権限が与えられていないユーザ端末300のうち、或る販促活動を行う店舗や企業等に所属していないユーザが使用するものをいう。
例えば、一般端末330としては、広告等を通じて電子クーポンシステム10(管理サーバ100)にアクセスすることによって電子クーポンを取得する一般ユーザが使用するコンピュータ端末が想定される。
【0018】
なお、たとえ一台のユーザ端末であっても、該ユーザ端末が発行端末、社員端末及び一般端末のうちいずれに該当するかは画一的に定まるものではなく、状況に応じて変化しうる。
例えば、或るユーザ端末にログインする際に使用するアカウントが、発行権限を与えられているものであれば該ユーザ端末は発行端末として扱いうるし、発行権限を与えられていないものであれば該ユーザ端末は社員端末又は一般端末として扱いうる。
また、或る販促活動においては発行端末又は社員端末であるユーザ端末が、例えば別の企業が展開する販促活動においては一般端末として扱われる場合もある。
更に、或る販促活動において社員端末であったユーザ端末が、該販促活動の期間内に発行権限が与えられて発行端末に変更されたり、該販促活動の期間内に所属を解かれて一般端末に変更されたりする場合もある。
【0019】
管理サーバ100は、電子クーポンシステム10の基幹となる情報処理装置であり、通信ネットワーク200を介して受け付けた各ユーザ端末300からの要求に応じて種々の情報処理を行う。
本実施形態に係る管理サーバ100は、データベース110と、電子クーポン発行部120と、アカウント登録部130と、所有管理部140と、費消設定部150と、経験値管理部160と、を備える。
ここで電子クーポン発行部120は本発明における発行手段の一具体例であり、所有管理部140は本発明における所有管理手段の一具体例であり、費消設定部150は本発明における費消設定手段の一具体例であり、経験値管理部160は本発明における特典管理手段の一具体例である。
【0020】
なお、
図1においては、管理サーバ100を単独構成であるかのように図示しているが、管理サーバ100は単一の装置によって実現されてもよいし、複数の装置によって実現されてもよい。また、
図1に図示する管理サーバ100に含まれる構成要素は、本発明の説明に必要なものを便宜的に例示したに過ぎず、他の構成要素が付加されてもよいし、本発明の目的を損なわない範囲で図示した構成要素の一部が省かれてもよい。
【0021】
電子クーポン発行部120は、発行端末310からの要求に応じて電子クーポンを発行する機能を有している。
【0022】
アカウント登録部130は、ユーザ端末300(発行端末310、社員端末320、一般端末330)とそのユーザ端末300に係る属性情報とを登録する機能を有している。また、アカウント登録部130は、各ユーザ端末300に与えている処理権限を管理する機能を有している。
【0023】
所有管理部140は、電子クーポン発行部120によって発行された電子クーポンをユーザ端末300のいずれかに対して所有させる機能を有している。また、所有管理部140は、電子クーポンを所有しているユーザ端末300からの要求に基づいて、該電子クーポンを他のユーザ端末300に譲渡させる機能を有している。
【0024】
費消設定部150は、電子クーポンを利用した取引における費消予算を該電子クーポンに対して設定する機能を有している。ここで費消予算とは、その電子クーポンを利用した取引が成約した場合に費消される金額である。例えば、電子クーポンを利用する恩恵が商品やサービスの割引であるならば、その割引額が費消予算である。また、電子クーポンを利用する恩恵がノベルティであるならば、そのノベルティの調達に要したコストに相当する金額が費消予算である。或いは、電子クーポンを利用する恩恵が特定のサービスを無料で受けることであるならば、販促活動以外の期間(通常の営業期間)でその特定のサービスを受けるのに要する金額が費消予算である。
費消設定部150に係る処理は、発行端末310からの要求に応じて行われる他、所定の処理権限が与えられた社員端末320や一般端末330からの要求に応じても行われる。
【0025】
経験値管理部160は、電子クーポンを利用した取引が成約した場合については、該電子クーポンが譲渡されたものであるか否か(未譲渡のものであるか)に関わらず、該電子クーポンを利用したユーザ端末300に対して経験値を付与する機能を有する。また、経験値管理部160は、譲渡された電子クーポンを利用した取引が成約した場合に、該電子クーポンを譲渡したユーザ端末300に対して経験値を付与する機能を有する。
経験値管理部160によって付与される経験値は、発行権限が与えられているユーザ端末(例えば、発行端末310)からの要求又は電子クーポンを所有しているユーザ端末からの要求のうち少なくとも一方に基づいて変動することを特徴とする。
【0026】
ここで経験値とは、電子クーポンシステム10において各ユーザ端末300に付与されるインセンティブ(特典)であって、電子クーポンの利用や譲渡を繰り返すことによって蓄積されるポイント(定量的に示される値)である。また、経験値の累積が所定値を超えることによって、そのユーザ端末のレベルが上がるインセンティブがあってもよい。
本実施形態において、ユーザ端末300に付与されている経験値が増える(レベルアップする)ほど、該ユーザ端末300に対して所有可能な電子クーポンの数が増えたり、又は該ユーザ端末300に管理サーバ100が与える処理権限の種類が増えたりする。これにより、各ユーザ端末300を使用するユーザは、ゲーム感覚で電子クーポンを利用したり譲渡したりすることができ、その結果として電子クーポンを拡散させるモチベーションが向上する。
【0027】
経験値管理部160によって付与される経験値は、以下に挙げた条件のいずれか一つ、又は複数の組み合わせに基づいて定められる。
(i)譲渡した又は利用した電子クーポンに設定されている費消予算
(ii)譲渡した又は利用した電子クーポンが、発行端末310が要求した特定の電子クーポンに該当するか否か
なお、ここで特定の電子クーポンとは、電子クーポン発行部120によって発行された電子クーポンのいずれかであり、例えば電子クーポンの識別情報(クーポンID)、電子クーポンの名前、電子クーポンのジャンル等によって特定されてもよい。
(iii)電子クーポンを譲渡した又は利用したユーザ端末300に係る属性情報に、発行端末310が要求した特定の属性情報が含まれているか否か
なお、ここで特定の属性情報とは、ユーザ端末300に係る属性情報に含まれるものであれば特に制限されず、例えばユーザ端末300のユーザの性別、年齢、現住所等が該当しうる。
(iv)発行端末310が要求した特定期間に電子クーポンを譲渡したか否か、又は該特定期間に電子クーポンを利用したか否か
なお、ここで特定期間とは、発行端末310の要求によって電子クーポンに設定されている有効期限の一部である。
【0028】
データベース110は、電子クーポン発行部120、アカウント登録部130、所有管理部140、費消設定部150及び経験値管理部160によって処理された情報を蓄積する。例えば、電子クーポン発行部120によって発行された電子クーポンの識別情報(クーポンID)及び属性情報、アカウント登録部130によって登録されたユーザ端末300の識別情報(アカウントID)及び属性情報、所有管理部140によって管理されている電子クーポンの所有者や譲渡履歴等がデータベース110に蓄積される。なお、費消設定部150によって電子クーポンに設定される費消予算は該電子クーポンに係る属性情報の一部であり、経験値管理部160によってユーザ端末に付与された経験値は該ユーザ端末に係る属性情報の一部である。
なお、データベース110の構造の詳細については、後に述べる。
【0029】
通信ネットワーク200は、例えばインターネット、携帯電話通信網、LAN(Local Area Network)またはこれらの複数が組み合わされたコンピュータネットワーク等が挙げられる。なお、通信ネットワーク200と管理サーバ100、又は通信ネットワーク200と各ユーザ端末300の間における通信は有線であっても無線であってもよい。
【0030】
<電子クーポンシステム10を活用した販促活動の具体例について>
上述した電子クーポンシステム10を活用した販促活動の具体例について、販促予算が50万円として与えられている場合を想定して説明する。
図2は、或る販促活動における電子クーポンの流れについて示した流れ図である。
【0031】
或る販促活動に係る発行権限が与えられている発行端末310は、50万円分の費消予算を要する電子クーポンの発行要求が入力されることに応じて、その発行要求を管理サーバ100(電子クーポン発行部120)に通知する。ここで発行端末310を使用するユーザとしては、その販促活動を推進する部署の責任者等が想定される。
【0032】
発行端末310は、電子クーポンの発行要求を入力する際に、その発行要求に基づいて発行する電子クーポンに設定可能な費消予算の上限を設定することをユーザに促し、設定された費消予算の上限を管理サーバ100(費消設定部150)に通知することが好ましい。なぜならば、上述したように、本実施形態における電子クーポンシステム10では、発行端末310からの要求に限らず、所定の処理権限が与えられた社員端末320や一般端末330からの要求に応じても費消予算が設定されるため、設定可能な費消予算の上限を定めなくては、販促予算内で発行される電子クーポンの発行数が限定的になって十分な販促効果が得られないこと、又は過度に高い費消予算(例えば商品の販売価格を超える費消予算)が設定されて電子クーポンが利用される現場(店舗等)が混乱すること等が懸念されるからである。
本実施形態では、販促活動の計画上において、発行端末310に費消予算の上限が1万円として設定され、少なくとも50枚の電子クーポンが配布されることを想定したものとする。
【0033】
発行端末310は、電子クーポンの発行要求を入力する際に、その発行要求に基づいて発行する電子クーポンに係る経験値の付与条件を設定することをユーザに促し、設定された経験値の付与条件を管理サーバ100(経験値管理部160)に通知することが好ましい。なぜならば、本実施形態の電子クーポンシステム10において、経験値を付与されることがユーザに対するインセンティブであって、電子クーポンの配布に関するユーザのモチベーションを向上させる観点から重大な要素であるため、発行権限を持たないユーザ端末300(社員端末320や一般端末330)からの要求によって任意に経験値の付与条件が変更されると販促効果を十分に得られない虞があるからである。
本実施形態では、発行端末310は、4通りのクーポンパターンと、各々に対して異なる経験値と、を要求したものとする。ここで4通りのクーポンパターンとは、具体的には以下の通りである。
(i)上限である1万円を費消予算として設定した電子クーポンを利用した取引が成約した場合に経験値を10ポイント付与する。
(ii)5千円を費消予算として設定した電子クーポンを利用した取引が成約した場合に経験値を20ポイント付与する。
(iii)1千円を費消予算として設定した電子クーポンを利用した取引が成約した場合に経験値を100ポイント付与する。
(iv)零円を費消予算として設定した電子クーポン、即ち利用しても取引上は何も金銭面では恩恵を受けられない電子クーポンを利用した取引が成約した場合に経験値を1000ポイント付与する。
【0034】
上述した経験値の付与条件は、本発明の実施に係る一具体例であって、本発明の実施はこれに限られない。しかしながら、電子クーポンを利用した取引が成約した場合に付与される経験値は、該電子クーポンに設定された費消予算が少ないほど増えることが望ましい。なぜならば、電子クーポンに設定された費消予算が少ないほど、該電子クーポンを利用した取引において得られる利益が大きく、販促活動を計画した店舗や企業等にとって好ましい状況になるからである。また、電子クーポンに設定された費消予算が少ないほど、該電子クーポンを利用する者にとっては金銭面だけ鑑みれば不利であるため、該電子クーポンを譲渡して利用させるのは困難であり、その困難性を超えて他のユーザに利用させたユーザに対してより優れたインセンティブを与えるためである。
但し、経験値の付与条件が費消予算ではない場合については、各付与条件に応じて上記とは異なる傾向性が生じうる。
例えば、譲渡した又は利用した電子クーポンが、発行端末310が要求した特定の電子クーポンに該当するか否かが付与条件であるとき、特定の電子クーポンを譲渡した場合については他の電子クーポンを譲渡した場合に比べて、又は譲渡された特定の電子クーポンを利用した取引が成約した場合については譲渡された他の電子クーポンを利用した取引が成約した場合に比べて、特定の電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して付与される経験値が増えることが好ましい。
また、電子クーポンを譲渡した又は利用したユーザ端末300に係る属性情報に、発行端末310が要求した特定の属性情報が含まれているか否かが付与条件であるとき、発行端末310の要求に応じて発行された電子クーポンを譲渡した場合又は発行端末310の要求に応じて発行された電子クーポンを利用した取引が成約した場合、電子クーポンを譲渡したユーザ端末に係る属性情報に特定の属性情報が含まれていると、特定の属性情報が含まれない場合に比べて付与される経験値が増えることが好ましい。
或いは、発行端末310が要求した特定期間に電子クーポンを譲渡したか否か、又は該特定期間に電子クーポンを利用したか否かが付与条件であるとき、発行端末310の要求に応じて発行された電子クーポンを特定期間に譲渡した場合については特定期間以外の有効期限に譲渡した場合に比べて、又は発行端末310の要求に応じて発行された電子クーポンを利用した取引が特定期間に成約した場合については特定期間以外の有効期限に成約した場合に比べて、電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して付与される経験値が増えることが好ましい。
【0035】
管理サーバ100(電子クーポン発行部120と費消設定部150と経験値管理部160)は、発行端末310から受け付けた上記の発行要求に基づいて50枚の電子クーポンを発行し、費消予算の上限と経験値の付与条件を各々の電子クーポンに設定した上でデータベース110に格納する。
【0036】
続いて、その販促活動において発行権限を有さない第1の社員端末321が、自機に与えられている権限(例えば、費消予算10万円)の範囲内で管理サーバ100に格納されている電子クーポンを取得したものとする。ここで社員端末321を使用するユーザとしては、例えばその販促活動を推進する部署に所属する社員等が想定される。
なお、社員端末321によって行われる電子クーポンの取得は、発行端末310からの要求によって指定されることを条件として実行されてもよいし(プッシュ型)、社員端末321が自ら要求することを条件として実行されてもよい(プル型)。
また、社員端末321によって行われる電子クーポンの取得は、電子クーポンの譲渡として処理されてもよいし、電子クーポンの譲渡として処理されなくてもよい。「電子クーポンの譲渡」として処理される場合には、その処理を契機として該電子クーポンに係る譲渡可能回数が減算されることが好ましい。
【0037】
続いて、社員端末321が第1の一般端末331に1万円分の費消予算が設定された電子クーポンを譲渡する場合について説明する。ここで一般端末331を使用するユーザとしては、社員端末321のユーザの社外の友人等が想定される。
図3は、社員端末321から一般端末331に電子クーポンを譲渡する場合に、社員端末321に表示される表示画面の具体例を示す図である。
まず、社員端末321は譲渡したい電子クーポンを読み出す(
図3(a)参照)。このとき、社員端末321には、電子クーポンの詳細内容として、電子クーポンの名称、電子クーポンの内容に関連する画像、電子クーポンの利用条件(例えば、販売価格から1万円割引等)、キャンペーン期間、電子クーポンの有効期限、電子クーポンに係る譲渡可能回数が表示される。また、社員端末321には、電子クーポンを分割する権限(以下、分割権限と称する)、電子クーポンを利用する権限(以下、利用権限と称する)、電子クーポンを譲渡する権限(以下、譲渡権限と称する)が与えられており、表示画面には各処理に係る操作アイコンが表示される。なお、本実施形態においてキャンペーンとは、販促活動と同義とする。
次に、社員端末321のユーザが譲渡に係る操作アイコンをタッチすると、譲渡経路を指定する画面が
図3(a)に示した表示画面に重畳して表示される(
図3(b)参照)。本実施形態における譲渡経路には、専用のアプリケーションソフトを用いる経路及びウェブを経由する経路の2通りが存在する。専用のアプリケーションソフトを用いる場合には、そのアプリケーションソフトをインストールする必要があり、インストール時にはアカウント登録が要求されるため、そのアプリケーションソフトをインストールしたコンピュータ端末はアカウント登録部130に登録される。一方で、ウェブを経由する場合には、専用のアプリケーションソフトを必要としないため、アカウント登録の必要がなく、未登録のコンピュータ端末であっても電子クーポンを受け取ることができる。
ここで、社員端末321のユーザが専用のアプリケーションソフトを用いて一般端末331に電子クーポンを譲渡することを選択したものとする。この場合、社員端末321には、該電子クーポンに係る識別情報や属性情報を含むQRコード(登録商標)を表示する(
図3(c)参照)。このQRコードを一般端末331に読み取らせることによって、社員端末321から一般端末331への譲渡処理が実行される。社員端末321から一般端末331への譲渡処理が実行された場合、管理サーバ100(所有管理部140)は、データベース110に格納されている対象の電子クーポンの属性情報を変更して、該電子クーポンの所有者を社員端末321から一般端末331に変更すると共に、該電子クーポンの譲渡可能回数を1減算する。
【0038】
仮に、社員端末321のユーザがウェブを経由して電子クーポンを譲渡することを選択した場合、電子メール機能によって所定のアクセス先を指定するアドレスを、社員端末321から一般端末331に伝送し、一般端末331がそのアドレスによって指定される所定のアクセス先を参照することによって、社員端末321から一般端末331への譲渡処理が実行されてもよい。
【0039】
続いて、一般端末331が、譲渡された1万円分の費消予算が設定された電子クーポンを分割する場合について説明する。
図4は、一般端末331が電子クーポンを分割する場合に、一般端末331に表示される表示画面の具体例を示す図である。
まず、一般端末331は分割したい電子クーポンを読み出す(
図4(a)参照)。このとき、一般端末331には、電子クーポンの詳細内容が表示される。また、一般端末331には、分割権限、利用権限及び譲渡権限が与えられており、表示画面には各処理に係る操作アイコンが表示される。
次に、一般端末331のユーザが分割に係る操作アイコンをタッチすると、分割パターンを指定する画面が
図4(a)に示した表示画面に重畳して表示される(
図4(b)参照)。分割パターンは、発行端末310によって設定されたクーポンパターンによって定められるものであり、本実施形態においては分割を要しないクーポンパターン(費消予算が上限に設定されるパターン)を除いた3通りのクーポンパターンを反映された表示がなされる。なお、
図4(b)において「紹介クーポン(割引無し)」と表示されている分割パターンは、零円を費消予算として設定した電子クーポンに係るクーポンパターンを反映した表示である。
ここで、一般端末331のユーザが「1000円クーポン(10分割)」の分割パターンを選択したものとする。この場合、管理サーバ100(費消設定部150)は、データベース110に格納されている対象の電子クーポンの属性情報を変更して、該電子クーポンに設定されている費消予算を1万円から1千円に変更する。即ち、管理サーバ100は、電子クーポンを所有している一般端末331からの要求に基づいて費消予算を設定する場合、該電子クーポンに対して予め定められている複数通りの分割パターンのいずれかから選択的に費消予算を設定しうる。更に、一般端末331には、分割した後の電子クーポンに係る詳細内容が表示される(
図4(c)参照)。
【0040】
仮に、一般端末331のユーザが「紹介クーポン(割引無し)」の分割パターンを選択した場合、管理サーバ100(電子クーポン発行部120と所有管理部140と費消設定部150)は、対象の電子クーポンとは別に、費消予算が零である新たな電子クーポンを発行して一般端末331に所有させてもよい。この場合に発行される新たな電子クーポンの属性情報は、対象の電子クーポンから分割されたものであることを、ユーザが認識可能な程度に共通している(例えば、電子クーポンの名称、キャンペーン期間、電子クーポンの有効期限又は電子クーポンに係る譲渡可能回数のうち少なくとも一つが同じである)ことが好ましい。
【0041】
なお、
図4(b)には図示しないが、一般端末331に分割パターンを表示する場合に、その分割パターンで設定される費消予算の電子クーポンを利用した取引が成約した場合に得られる経験値を併せて表示してもよい。
【0042】
続いて、一般端末331が分割して得られた1千円の電子クーポンを第2の一般端末332に譲渡したものとする。ここで一般端末332を使用するユーザとしては、一般端末331のユーザの友人等が想定される。
この譲渡については、一般端末331に表示される利用条件(費消予算)が異なる以外は、社員端末321から一般端末331に電子クーポンを譲渡する処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
続いて、一般端末332が、譲渡された1千円分の費消予算が設定された電子クーポンを利用し、第2の社員端末322がその利用を処理する場合について説明する。ここで社員端末322を使用するユーザとしては、その電子クーポンを利用した取引が可能な店舗で働いている店員等が想定される。
図5は、一般端末332が電子クーポンを利用する場合に、一般端末332に表示される表示画面の具体例を示す図である。
図6は、一般端末332に提示された電子クーポンを社員端末322が処理する場合に、社員端末322に表示される表示画面の具体例を示す図である。
まず、一般端末332は利用したい電子クーポンを読み出す(
図5(a)参照)。このとき、一般端末332には、電子クーポンの詳細内容が表示される。また、一般端末332には、利用権限及び譲渡権限が与えられており、表示画面には各処理に係る操作アイコンが表示される。
次に、一般端末331のユーザが利用に係る操作アイコンをタッチすると、一般端末332には、利用する電子クーポンに係る識別情報や属性情報を含むQRコードが表示される(
図5(b)参照)。
一方で、社員端末322は、ユーザの操作に応じてQRコードの読取機能を起動し、且つ社員端末322に付設されているカメラ(図示せず)によって一般端末332に表示されているQRコードを撮影することによって、該QRコードを読み取ることができる(
図6(a)参照)。
このようにして読み取ったQRコードに基づいて、社員端末322はデータベース110から対象の電子クーポンを読み出して表示することができる(
図6(b)参照)。この場合、社員端末322には、該電子クーポンの詳細内容と共に、利用済みにするための操作アイコンが表示され、ユーザが該操作アイコンをタッチすると、社員端末322から管理サーバ100に該電子クーポンを利用した取引が成約した旨が通知される。
この通知を受け付けた管理サーバ100(所有管理部140と経験値管理部160)は、データベース110に格納されている対象の電子クーポンの属性情報を変更して、該電子クーポンの所有者を該電子クーポンの利用者に変更すると共に、該電子クーポンを譲渡した一般端末331と利用した社員端末322に1千円の費消予算に応じた経験値(100ポイント)を付与し、該電子クーポンの分割前の電子クーポンを譲渡した社員端末321に1万円の費消予算に応じた経験値(10ポイント)を付与する。
【0044】
以上のような流れで、本実施形態に係る電子クーポンシステム10は、発行した電子クーポンを多数のユーザ端末300に拡散させることができる。
また、電子クーポンの拡散に伴って、管理サーバ100(経験値管理部160)は、各ユーザ端末300にインセンティブとして経験値を付与するため、電子クーポンの拡散に関する動機付けを各ユーザに与えることができ、販促効果を高めることができる。
【0045】
なお、
図2は、単独の販促活動が電子クーポンシステム10を活用する事例を挙げて説明したが、電子クーポンシステム10を活用すれば複数の販促活動を並行して展開させることができる。
例えば、
図7は、A企業及びB企業が別々に電子クーポンシステム10を活用して販促活動を展開した場合における電子クーポンの譲渡経路を示す図である。
図7において「クーポンA」と表記される電子クーポンはA企業が展開する販促活動に関するものであり、「クーポンB」と表記される電子クーポンはB企業が展開する販促活動に関するものである。また、
図7において、クーポンAに関する流れを示す矢印と、クーポンBに関する流れを示す矢印と、はアローヘッドの形態を変えて表記する。
【0046】
A企業が展開する販促活動において、その販促活動の電子クーポンに係る発行権限を有する発行端末311は、予算の範囲内でクーポンAを発行し、A企業の社員が使用する社員端末323及び社員端末324に発行したクーポンAを分配して割り当てる。
この場合において、A企業内には、社外の一般端末333にクーポンAを譲渡する社員端末324も存在すれば、社内でクーポンAを譲渡する社員端末323も存在する。
また、A企業内には、発行されたクーポンAが分配されず、専らクーポンAが利用された取引において、利用されたクーポンAを利用済みとして処理する社員端末325も存在する。
更には、A企業内には、A企業の社員であるが、クーポンBの譲渡を受けている社員端末324も存在する。
このように同じ企業内の社内端末でありながら、社員端末323、社員端末324及び社員端末325は、A企業の販促活動に対する関わり方が異なる。
【0047】
B企業が展開する販促活動において、その販促活動の電子クーポンに係る発行権限を有する発行端末312は、予算の範囲内でクーポンBを発行し、B企業の社員が使用する社員端末326に発行したクーポンBを一括で割り当てる。
この場合において、社員端末326は、自らクーポンBを利用して、社員端末327に利用済みとして処理してもらう場合がある。
また、社員端末326は、社外の一般端末334に対してクーポンBを譲渡し、一般端末334を介してクーポンBを所有した一般端末337や一般端末339にクーポンBを利用してもらい、社員端末327に利用済みとして処理してもらう場合がある。なお、一般端末337と一般端末339とでは、クーポンBを所有するまでに行われた譲渡回数が異なる。
このように同じ社員端末326を起点として拡散されたクーポンBであるにも関わらず、利用されるまでの経路は多様である。
【0048】
A企業及びB企業に所属しない一般端末(一般端末333、一般端末334、一般端末335、一般端末336、一般端末337、一般端末338及び一般端末339)についても十人十色である。
例えば、クーポンAのみを所有する一般端末335及び一般端末338、クーポンBのみを所有する一般端末334、一般端末337及び一般端末339、クーポンAとクーポンBの双方を所有する一般端末333及び一般端末336がそれぞれ存在する。
また、所有しても利用しない一般端末333、一般端末334及び一般端末336が存在すれば、利用するのみで譲渡しない一般端末335、一般端末337、一般端末338及び一般端末339が存在する。
【0049】
図7に示すように、電子クーポンシステム10を活用して複数の販促活動を展開すれば、クーポンAの譲渡経路とクーポンBの譲渡経路とが相互に組み合わさる結果として、より広い範囲にクーポンAとクーポンBとが拡散され、販促効果を高めることになる。
また、このように複数の販促活動を並行した結果として構築された電子クーポンの譲渡経路を、共通化された評価指標(例えば、経験値やレベル)に基づいて解析すれば、例えば販促予算をどのユーザ端末に投下すればメリットが大きいか、即ちより大きな販促効果を如何に生じさせるかを検討可能である。
【0050】
<経験値の付与とレベルアップについて>
続いて、経験値の付与とレベルアップについて、具体例を挙げて説明する。
上述したように、管理サーバ100は、電子クーポンを利用した取引の成約時に、該電子クーポンを利用したユーザ端末(例えば
図2に図示する一般端末332)又は該電子クーポンの譲渡に関わったユーザ端末(例えば
図2に図示する社員端末321及び一般端末331)に経験値を付与する。
また、管理サーバ100は、各ユーザ端末に対して、付与された経験値に応じてレベルを与え、経験値が所定値を超えるごとにレベルアップさせる。
【0051】
図8は、各レベルと、そのレベルに到達するために必要な経験値(exp)、そのレベルに応じた報酬、そのレベルで所有可能な電子クーポンの数、及びそのレベルに到達するとできること(可能な処理)を表記したものである。ここで「そのレベルに到達するために必要な経験値」とは、そのユーザ端末のアカウントに対して付与された経験値の累計値である。
なお、
図8に図示した内容は一具体例であり、本発明の実施はこれに限られず、本発明の目的が達成される限りにおいて適宜変更可能である。
【0052】
例えば、レベル0(零)は、未だアカウントを登録していないユーザ端末が該当するレベルである。従って、レベル0に到達するために経験値は不要であり、レベルに応じた報酬も存在しない。レベル0のユーザ端末は、他のユーザ端末から電子クーポンを受け取ることができるが、その数は1枚に限られる。
レベル0からレベル1にレベルアップするために必要な経験値は10ポイントであり、レベル1に到達したユーザ端末は、その報酬として電子クーポンを利用することができるようになり(利用権限が与えられ)、所有可能な電子クーポンの数が4枚増えて5枚になる。なお、
図8において「クーポン利用OPEN」とは、利用権限が与えられることを意味する表記である。
レベル1からレベル2にレベルアップするために必要な経験値は50ポイントであり、レベル2に到達したユーザ端末は、その報酬として所有可能な電子クーポンの数が5枚増えて10枚になる。
レベル2からレベル3にレベルアップするために必要な経験値は100ポイントであり、レベル3に到達したユーザ端末は、その報酬として電子クーポンを譲渡することができるようになり(譲渡権限が与えられ)、所有可能な電子クーポンの数が5枚増えて15枚になる。なお、
図8において「クーポン譲渡OPEN」とは、譲渡権限が与えられることを意味する表記である。
レベル3からレベル4にレベルアップするために必要な経験値は200ポイントであり、レベル4に到達したユーザ端末は、その報酬として所有可能な電子クーポンの数が5枚増えて20枚になる。
レベル4からレベル5にレベルアップするために必要な経験値は400ポイントであり、レベル5に到達したユーザ端末は、その報酬として所有可能な電子クーポンの数が5枚増えて25枚になる。
なお、レベル6からレベル18に関して、そのレベルに到達するごとに所有可能な電子クーポンの数が5枚増える報酬が与えられるが、その他の説明についてはここでは省略する。
【0053】
レベル18からレベル19にレベルアップするために必要な経験値は9100ポイントであり、レベル19に到達したユーザ端末は、その報酬として所有可能な電子クーポンの数が5枚増えて95枚になる。
レベル19からレベル20にレベルアップするために必要な経験値は10000ポイントであり、レベル20に到達したユーザ端末は、その報酬として電子クーポンを分割することができるようになり(分割権限が与えられ)、所有可能な電子クーポンの数が5枚増えて100枚になる。なお、
図8において「クーポン分割OPEN」とは、分割権限が与えられることを意味する表記である。
なお、レベル20を超えるレベルに関する説明は、ここでは省略する。
【0054】
他に、管理サーバ100がユーザ端末に経験値を付与する契機としては、ミッションを達成した場合が挙げられる。ここでミッションとは、電子クーポンシステム10の特典として扱われる経験値を付与する契機になる特定の条件であり、
図9に図示するものが例示される。
なお、
図9に図示した内容は一具体例であり、本発明の実施はこれに限られず、本発明の目的が達成される限りにおいて適宜変更可能である。
【0055】
「クーポンをn枚もらう」(nは任意の数値)は、他のユーザ端末からn枚の電子クーポンを受け取ることによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。
「クーポンをn枚渡す」(nは任意の数値)は、他のユーザ端末にn枚の電子クーポンを譲渡することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。
「クーポンをn枚使う」(nは任意の数値)は、n枚の電子クーポンを利用することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。
「ミッションをn個達成する」(nは任意の数値)は、n個のミッションを達成することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。
「会員登録する」は、管理サーバ100(アカウント登録部130)に一般端末のアカウントを登録することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。ここで付与される所定の経験値は、例えばレベル1に到達するために必要な経験値(10ポイント)以上であることが好ましい。なぜならば、その一般端末はレベル1に到達しないと受け取った電子クーポンを利用できないからである。
「社員登録する」は、管理サーバ100(アカウント登録部130)に社員端末のアカウントを登録することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共に所有数が追加される。ここで付与される所定の経験値は、例えばレベル3に到達するために必要な経験値(100ポイント)以上であることが好ましく、レベル20に到達するために必要な経験値(10000ポイント)以上であってもよい。なぜならば、その社員端末は、レベル3に到達しないと受け取った電子クーポンを一般端末に譲渡できないからであり、レベル20に到達して受け取った電子クーポンを分割できた方がより戦略的に電子クーポンを拡散することができるからである。
なお、これらの6つのミッションは、「基本動作」のカテゴリに分類される。ここで基本動作とは、電子クーポンシステム10を活用するいずれの販促活動においても共通に定められるミッションのカテゴリをいう。
【0056】
「クーポンを所定期間内に利用する」は、所定期間に電子クーポンを利用することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。
「クーポンを所定期間内に譲渡する」は、所定期間に電子クーポンを譲渡することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与される。
なお、これらの2つのミッションは、「期間限定」のカテゴリに分類される。ここで期間限定とは、電子クーポンシステム10を活用する所定期間に対して限定的に定められるミッションのカテゴリをいう。ここで所定期間とは、利用又は譲渡される電子クーポンが関連する販促活動のキャンペーン期間、又は該キャンペーン期間の一部の期間である。
【0057】
「○○ジャンルのクーポンをn枚使う」(○○ジャンルは任意のジャンル、nは任意の数値)は、特定のジャンルの電子クーポンをn枚利用することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共にスペシャルクーポンを受け取ることができる。
「○○ジャンルのクーポンをn枚渡す」(○○ジャンルは任意のジャンル、nは任意の数値)は、特定のジャンルの電子クーポンを他のユーザ端末にn枚譲渡することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共にスペシャルクーポンを受け取ることができる。
なお、これらの2つのミッションは、「クーポンジャンル」のカテゴリに分類される。ここでクーポンジャンルには、その電子クーポンを利用した取引の種別(例えばグルメ、ファッション等)、その電子クーポンが利用できる店舗等の属性(例えば地域名や業務形態等)又はその電子クーポンを利用した取引の価格帯のうち少なくとも一つが含まれてもよい。ここでスペシャルクーポンとは、特別な電子クーポンであり、上記のミッションにおいて利用又は譲渡される電子クーポンよりユーザ端末が受ける恩恵が大きいものが好ましい。
【0058】
「○○社のクーポンをn枚使う」(○○社は任意の企業名、nは任意の数値)は、特定の企業が発行した電子クーポンをn枚利用することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共にスペシャルクーポンを受け取ることができる。
「○○社のクーポンをn枚渡す」(○○社は任意の企業名、nは任意の数値)は、特定の企業が発行した電子クーポンを他のユーザ端末にn枚譲渡することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共にスペシャルクーポンを受け取ることができる。
「○○クーポンをn枚使う」(○○社は任意のクーポン名、nは任意の数値)は、特定の電子クーポンをn枚利用することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共にスペシャルクーポンを受け取ることができる。
「○○クーポンをn枚渡す」(○○社は任意のクーポン名、nは任意の数値)は、特定の電子クーポンを他のユーザ端末にn枚譲渡することによって達成するミッションであり、達成すると所定の経験値が付与されると共にスペシャルクーポンを受け取ることができる。
なお、これらの4つのミッションは、「クライアント指定」のカテゴリに分類される。ここでクライアント指定とは、電子クーポンを発行する企業(発行端末)の要求に応じて任意に設けられるミッションであり、その企業の意図が最も反映された内容にすることができる。
【0059】
図10は、一般端末332に表示される表示画面の具体例である。なお、
図10(b)と
図10(c)に図示する表示画面は一般端末332の表示領域に収まるサイズである。一方で、
図10(a)と
図10(d)に図示する表示画面は一般端末332の表示領域に収まらず、上下方向にスクロールしないと全体を視認できないサイズであるため、
図10(b)と
図10(c)より縦長に図示される。
なお、
図10に図示した内容は一具体例であり、本発明の実施はこれに限られず、本発明の目的が達成される限りにおいて適宜変更可能である。
【0060】
例えば、
図2に示した電子クーポンの流れにおいて、一般端末332が電子クーポンを利用することによってミッションが達成されるケースを想定する。
まず、電子クーポンを利用する前において、一般端末332のアカウント情報に関する表示画面(
図10(a)参照)には、所有している電子クーポンやチャレンジ条件を満足しているミッションが表示される。
図10(a)によれば、一般端末332に付与された経験値の累計は9800ポイントであり、一般端末332が所有している電子クーポンの総数は30枚であり、チャレンジ条件を満足しているミッションの総数は8つである。
ここで一般端末332のユーザがミッション3をタッチすると、ミッション3の詳細内容として、その達成条件や達成した場合の報酬が表示される(
図10(b)参照)。
【0061】
続いて、一般端末332のユーザが電子クーポンを利用してミッション3の達成条件を満足すると、ミッション3を達成したことを表す表示画面が表示される(
図10(c)参照)。
また、電子クーポンを利用した取引が成約したことによって得られる経験値(100ポイント)と、ミッション3を達成した報酬として得られる経験値(100ポイント)と、が追加されることにより、一般端末332に付与された経験値の累計が10000ポイントとなり、一般端末332はレベル20にレベルアップする(
図10(d)参照)。
【0062】
上記のように、電子クーポンの利用や譲渡を経験値の付与条件にするだけではなく、ミッション達成も経験値の付与条件とすることによって、より電子クーポンシステム10を活用する販促活動のゲーム化を図ることができ(ゲーミフィケーション)、その販促効果を高めることができる。
【0063】
<本発明に係る実施形態の変形例について>
本発明の実施は上述の具体例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0064】
上述の実施形態において、管理サーバ100(経験値管理部160)によって付与される経験値又は経験値に基づいて向上するレベルが電子クーポンシステム10におけるインセンティブ(特典)に該当し、経験値やレベルが増えることによって所有可能な電子クーポンの費消予算や与えられる処理権限が増える旨を述べたが、本発明の実施においてユーザ端末に付与される特典はこれに限られない。
例えば、付与される特典が現金や換金可能なポイントであってもよいし、現実の取引に利用できるポイントであってもよいし、譲渡又は利用された電子クーポンとは別の商品やサービスに係るクーポンであってもよいし、対象の販促活動内で有利に扱われる権利の付与であってもよい。
【0065】
上述の実施形態において、電子クーポンを利用した取引の成約を契機として付与される特典(経験値)は、該電子クーポンを利用したユーザ端末に対しても、該電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対しても、同じ特典を付与するものとして説明したが、異なる特典を付与してもよい。
【0066】
上述の実施形態において、管理サーバは、電子クーポンを利用した取引が成約した場合に、該電子クーポンの譲渡に関わったユーザ端末に対して特典(経験値)を付与する態様を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、管理サーバは、電子クーポンを譲渡した場合に該電子クーポンの譲渡に関わったユーザ端末(譲り手側と受け手側の双方)に特典を付与してもよいし、或いは電子クーポンを譲渡した場合及び電子クーポンを利用した取引が成約した場合の双方について該電子クーポンの譲渡に関わったユーザ端末に特典を付与してもよい。
【0067】
上述の実施形態において、管理サーバは、電子クーポンを所有しているユーザ端末からの要求に基づいて費消予算を設定する場合、該電子クーポンに対して予め定められている複数通りの分割パターンのいずれかから選択的に費消予算を設定しうる旨を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、管理サーバは、電子クーポンを所有している一般端末からの要求に基づいて費消予算を設定する場合、該一般端末において任意に入力された費消予算を該電子クーポンに対して設定してもよい。ただし、該一般端末において入力可能な費消予算は、発行端末によって設定された費消予算の上限の範囲内に制限されることが望ましい。
【0068】
上述の実施形態において説明したミッションの具体例の他に、例えば、予め定められた複数の電子クーポンの全てを利用又は譲渡することを達成条件とするミッション(カテゴリを「コンプリート」とするミッション)、或いは所定期間内に利用又は譲渡した電子クーポンの数を集計し、その集計結果が他のユーザ端末に比べて優れていることを達成条件とするミッション(カテゴリを「ランキング」とするミッション)が含まれてもよい。
【0069】
上述の実施形態において、電子クーポンを譲渡する処理や利用する処理にQRコードの読取を用いる態様を述べたが、この態様は実地(オフライン上)で一のユーザ端末と他のユーザ端末とが互いに対応している処理を実行することを契機としてオンライン上で処理を行う態様(いわゆる、O2O(Online to Offline))の一具体例であって、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、上述の実施形態におけるQRコードの読取を、QRコード以外の二次元コードや一次元コード(バーコード)の読取に代えてもよいし、一のユーザ端末と他のユーザ端末との間でBluetooth(登録商標)や赤外線通信等の近距離無線通信による伝送に代えてもよい。
【0070】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)管理サーバと、前記管理サーバと通信可能な複数のユーザ端末と、を含む電子クーポンシステムであって、前記管理サーバは、電子クーポンを発行する発行手段と、前記発行手段によって発行された電子クーポンをユーザ端末のいずれかに対して所有させ、且つ、電子クーポンを所有しているユーザ端末からの要求に基づいて、該電子クーポンを他のユーザ端末に譲渡させる所有管理手段と、電子クーポンを譲渡した場合又は譲渡された電子クーポンを利用した取引が成約した場合のうち少なくとも一方において、該電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して特典を付与する特典管理手段と、を備え、前記管理サーバは、複数のユーザ端末の一部に対して新たな電子クーポンを発行する発行権限を与えており、前記発行権限が与えられているユーザ端末からの要求又は電子クーポンを所有しているユーザ端末からの要求に基づいて、前記特典管理手段によって付与される前記特典が変動する電子クーポンシステム。
(2)前記管理サーバは、前記発行権限が与えられているユーザ端末からの要求又は電子クーポンを所有しているユーザ端末からの要求に基づいて該電子クーポンを利用した取引における費消予算を該電子クーポンに対して設定しうる費消設定手段を備え、電子クーポンを譲渡した場合又は譲渡された電子クーポンを利用した取引が成約した場合のうち少なくとも一方において、前記特典管理手段は、該電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して、前記費消予算に基づいて定められる前記特典を付与する請求項1に記載の電子クーポンシステム。
(3)前記発行権限が与えられているユーザ端末からの要求に応じて前記発行手段が電子クーポンを発行する場合、前記費消設定手段は、発行される電子クーポンに設定可能な前記費消予算の上限を該ユーザ端末からの要求に基づいて設定し、前記費消予算が設定された電子クーポンを所有しているユーザ端末は、前記上限の範囲内で前記費消予算を選択し、選択した前記費消予算を該電子クーポンに設定することを前記費消設定手段に要求できる請求項2に記載の電子クーポンシステム。
(4)電子クーポンを譲渡した場合又は譲渡された電子クーポンを利用した取引が成約した場合、該電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して付与される前記特典が、設定された前記費消予算が少ないほど増える請求項2又は3に記載の電子クーポンシステム。
(5)前記発行権限が与えられているユーザ端末は、発行を要求した複数の電子クーポンのうち特定の電子クーポンを要求し、前記特定の電子クーポンを譲渡した場合については他の電子クーポンを譲渡した場合に比べて、又は譲渡された前記特定の電子クーポンを利用した取引が成約した場合については譲渡された他の電子クーポンを利用した取引が成約した場合に比べて、前記特定の電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して付与される前記特典が増える請求項1から4のいずれか一項に記載の電子クーポンシステム。
(6)前記管理サーバは、ユーザ端末と該ユーザ端末に係る属性情報を登録する登録手段を備え、前記発行権限が与えられているユーザ端末は、特定の属性情報を要求し、該ユーザ端末の要求に応じて発行された電子クーポンを譲渡した場合又は該ユーザ端末の要求に応じて発行された電子クーポンを利用した取引が成約した場合、電子クーポンを譲渡したユーザ端末に係る属性情報に前記特定の属性情報が含まれていると、前記特定の属性情報が含まれない場合に比べて付与される前記特典が増える請求項1から5のいずれか一項に記載の電子クーポンシステム。
(7)前記発行権限が与えられているユーザ端末は、発行を要求した電子クーポンに対して有効期限を設定することができ、且つ、前記有効期限の一部である特定期間を要求することができ、該ユーザ端末の要求に応じて発行された電子クーポンを前記特定期間に譲渡した場合については前記特定期間以外の前記有効期限に譲渡した場合に比べて、又は該ユーザ端末の要求に応じて発行された電子クーポンを利用した取引が前記特定期間に成約した場合については前記特定期間以外の前記有効期限に成約した場合に比べて、電子クーポンを譲渡したユーザ端末に対して付与される前記特典が増える請求項1から6のいずれか一項に記載の電子クーポンシステム。
(8)前記特典管理手段によってユーザ端末に付与される前記特典は定量的に示される値であり、ユーザ端末に付与されている前記特典が増えるほど、該ユーザ端末に対して所有可能な電子クーポンの数が増える、又は該ユーザ端末に前記管理サーバが与える処理権限の種類が増える請求項1から7のいずれか一項に記載の電子クーポンシステム。
(9)譲渡された電子クーポンを利用した取引が成約した場合に、前記特典管理手段は、該電子クーポンを利用したユーザ端末にも前記特典を付与する請求項1から8のいずれか一項に記載の電子クーポンシステム。