特許第6956073号(P6956073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956073
(24)【登録日】2021年10月6日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/30 20180101AFI20211018BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20211018BHJP
   B60H 3/00 20060101ALI20211018BHJP
   F21S 45/60 20180101ALI20211018BHJP
   F21V 31/03 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   F21S45/30
   B01D53/26 230
   B60H3/00 A
   F21S45/60
   F21V31/03 100
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-513251(P2018-513251)
(86)(22)【出願日】2016年5月20日
(65)【公表番号】特表2018-518034(P2018-518034A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】KR2016005394
(87)【国際公開番号】WO2016186477
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年5月15日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0070708
(32)【優先日】2015年5月21日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0096256
(32)【優先日】2015年7月7日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517407109
【氏名又は名称】パク、ヨン コク
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン コク
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第1818609(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0157514(US,A1)
【文献】 特開平08−167306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/00
F21V 31/03
B60H 3/00
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除湿対象体に設置され、外部と連結された内部連通部及び外部連通部を有するハウジングと、
前記ハウジング内に装着された除湿部材と、
前記ハウジングの外部連通部を開閉する外側弁と、を含み、
前記外側弁は、除湿対象体の上昇温度によって変位して外部連通部を開放する外側開閉体と、前記外部連通部が開放された状態で除湿対象体の冷却時に外部連通部を閉鎖する外側開閉体と外部連通部との間に配列された外側密閉体と、で構成され、
前記ハウジングの内部連通部を開閉する内側弁が備えられ、
前記内側弁は、除湿対象体の上昇温度によって変位して内部連通部を閉鎖する内側開閉体と、除湿対象体の冷却時に内部連通部を開放する内側開閉体と内部連通部との間に配列された内側密閉体とで構成され、
外側開閉体または内側開閉体、またはこれらの両方はバイメタル素材で構成されており、前記除湿対象体又は前記ハウジングにはヒーターがさらに備えられることを特徴とする除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿装置に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、除湿部材が内蔵されたハウジングを除湿対象体(街灯や車両用ランプなどの照明、配電、通信装備、保安装備、太陽光システムなどの屋外又は室内用電子筐体など)に適用し、ハウジングの外部連通部を開閉する外側弁を介して、除湿対象体が低温である場合には内部の湿気を除去(外側弁を閉鎖)し、除湿対象体が高温である場合には、ランプモジュール内の温度上昇と共に外側弁の開放により除湿部材の湿気が外部に排出され得るようにする。
【0003】
さらに本発明は、ハウジングの除湿部材の外側に備えられた外側弁以外に、別途に除湿部材の内側の位置にも内側弁をさらに導入して、除湿対象体の温度が上昇する場合、外側弁の開放時に内側弁の閉鎖により除湿部材の湿気をより完全に除去できるようにし、特に、内外側弁をバイメタル素材で構成して無動力開閉及び除湿が行われるようにした汎用除湿装置に関する。
【背景技術】
【0004】
街灯や車両用ランプなどの照明、配電、通信装備、保安装備、太陽光システムなどの屋外又は室内用電子筐体などのような様々な除湿対象体は、内部回路や素子を保護するために筐体内の湿気を除去することが必要である。
【0005】
具体的に、制御盤(Control Panel)や配電盤などの電子筐体、特に、屋外に設置された電子筐体は、雨天時に備えた防水のために密閉構造を適用することが理想的であるが、電子筐体の内外の温度変化によって筐体内の空気の収縮及び膨張が発生するところ、内部圧力の変動によって電子筐体内の各種部品、素子などの破損を防止するために、圧力平衡のための換気部(vent)を導入することが一般的である。
【0006】
このような換気部(vent)の適用時に、電子筐体は空気の疎通がなされ、これによって、温度差による筐体内の結露可能性が常に存在することになる。
【0007】
例えば、電子筐体として分類できる車両ランプもまた、点灯時に内部温度の上昇と共に膨張する内部空気の圧力を解消するために、密閉構造ではなく、通気のための開放構造をとっており、これによって、必然的にランプの内外部の温度及び湿度の差の問題により結露現象が発生する場合がしばしばある。
【0008】
ランプの内部に結露が繰り返され、結露状態が解消されない場合には、ランプ本来の特性(照射角など)に問題が発生し得るため、安全に悪影響を及ぼし、電気的な絶縁を損なってしまい、追加的な問題を発生させることがある。
【0009】
これを解決するための方案としては、韓国特許出願公開第10−2006−0067597号公報(公開日:2006年06月20日)[湿気除去手段が形成された車両用ヘッドランプ]がある。
【0010】
この特許文献は、車両の前方の左右両側のヘッドランプハウジングに挿入設置されるヘッドランプの作動時に、前記ヘッドランプの前面に設置されたヘッドランプレンズカバーの内側面に発生する湿気を除去するための湿気除去手段が形成された車両用ヘッドランプに関し、具体的に、車両用ヘッドランプにおいて、前記ヘッドランプの前面に設置され、両端が高さの差を持って丸く形成されたヘッドランプレンズカバーの内側面に設置されており、前記ヘッドランプの作動時に湿気が発生する湿気発生領域に設置される湿気除去手段;及び前記湿気除去手段の作動時に流れる電流が過度に多いときに前記電流を遮断できる過熱防止手段を含んで構成される。
【0011】
しかし、熱線類のヒーターで構成された湿気除去手段のみでは、効果的にランプの内部空気を排出するには不足し、ランプの点灯時の温度以上に稼働されることにも安全性の問題があるため、実用性が不足する。
【0012】
また、韓国特許出願公開第10−2012−0050268号公報(公開日:2012年05月18日)[車両用ヘッドランプの除湿方法]がある。
【0013】
この特許文献の方法は、車両のヘッドランプに装着されたフォトダイオードセンサを介して、ライトから発光する光源の乱反射を測定する乱反射測定ステップと;前記乱反射測定ステップで測定された乱反射の結果値と最初に設定される基準値とを互いに比較する乱反射比較判断ステップと;前記乱反射比較判断ステップで測定された乱反射の結果値が基準値を超える場合、車両に備えられたECUと連動するコントローラを介して動力を駆動させる動力駆動ステップと;前記動力駆動ステップで動力の駆動時、前記コントローラと連動するファンを作動させて、前記ヘッドランプの内部を除湿する湿気除去ステップとで構成される。
【0014】
しかし、常時通気構造をとる車両ランプにおいてファンの稼働のみで除湿を行うことは、現実的な技術具現が、困難な技術と見なされる。
【0015】
次に、韓国登録特許第10−1366848号公報(登録日:2014年02月14日)[自動車用ヘッドランプ除湿装置]がある。
【0016】
この特許文献の装置は、自動車のヘッドランプハウジングに設置され、ヘッドランプの内部の空気を循環させて湿気を除去するヘッドランプ除湿装置において、前記ランプハウジングの内部空気を吐出するために穿孔された吐出孔に設置され、外部から水滴の流入を防ぎ、内部の湿った熱い空気を外部に送出するための通風部、ヘッドランプの内部の空気に含まれた湿気を吸収又は吸着する吸湿部、及びヘッドランプ内の空気を強制循環させるための送風部を含むことを特徴とする。
【0017】
しかし、この特許文献もまた、常時通気構造をとる車両ランプの構造の特性上、ランプの内部の湿気だけでなく外部の湿気まで吸湿部が捕捉してしまうという問題に対する解決方案を提示していないため、現実性が不足する。
【0018】
さらに、韓国登録特許第10−0836307号公報(登録日:2008年06月02日)[ベントナイト天然粘土パックを用いた車両用ヘッドランプの除湿構造]があり、
【0019】
この登録特許は、ベントナイト天然粘土パックを用いた車両用ヘッドランプの除湿構造に関し、
【0020】
特に、ベントナイト天然粘土パックを防湿剤として使用して、50℃以下では水分を吸湿し、50℃〜100℃では水分を蒸発させる作用を通じてヘッドランプの除湿を可能にしたもので、より具体的には、車両用ヘッドランプの除湿構造として、所定の温度範囲以下では水分を吸湿し、所定の温度範囲では水分を蒸発させ、これを繰り返して再生性を有するベントナイト天然粘土パックと、ヘッドランプベゼル(bezel)のヘッドバルブ(bulb)側の側面下部に前記ベントナイト天然粘土パックが収容可能なベントナイト天然粘土パック収容空間と、前記ベントナイト天然粘土パックがヘッドランプベゼルに位置固定されるように固定ブラケット(bracket)とを備えることを特徴とする。
【0021】
しかし、この登録特許もまた、ベントナイト天然粘土パックで構成された除湿部材という特異性を除外すれば、上述した2つの先行技術と同様のランプの内部に循環する外気に含まれた湿気の吸収時の問題点に対する解決方案を提示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
そこで、本発明は、街灯や車両用ランプなどの照明、配電、通信装備、保安装備、太陽光システムなどの屋外又は室内用電子筐体などのような様々な除湿対象体に適用することができ、より具体的に、換気部(vent)が導入された各種電子筐体のような除湿対象体の必然的な結露現象による内部部品や素子の腐食や損傷を防止できるようにした汎用除湿装置を提供することを目的とする。
【0023】
具体的に、本発明は、除湿部材が内蔵されたハウジングを除湿対象体に設置し、また、ハウジングの外部連通部を開閉する外側弁を導入して、吸湿時には除湿対象体の内部の湿気のみを吸収できるようにして、除湿部材の除湿機能の保障、除湿部材の繰り返し使用特性の保障を可能にした除湿装置を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は、除湿部材を介在してハウジングの外部連通部の反対側に備えられた内部連通部にも別途に内側弁が備えられることによって、除湿部材の吸湿時には開放され、除湿対象体の高温時には閉鎖される形態で外側弁と反対に作動して、除湿及び除湿部材の再生特性の効率性を極大化した除湿装置を提供することを目的とする。
【0025】
さらに、本発明は、内外側弁の開閉方式で開閉体をバイメタル(bi−metal)で構成して、除湿対象体の上昇温度によって形状が変化して開閉を行ったり、別途の開閉体駆動手段を導入して作動するようにするなど、様々な構成を通じて除湿効率性及び繰り返し除湿機能を確保した除湿装置を導入することを目的とする。
【0026】
なお、本発明は、除湿対象体の昇温により除湿部材に吸収された湿気を外部に放出する過程の代わりに、別途に備えられたヒーターを通じた除湿部材の乾燥及び再生が可能なようにした除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記のような目的を達成するために、本発明に係る除湿装置は、除湿対象体に設置され、外部と連結された内部連通部及び外部連通部を有するハウジングと、前記ハウジング内に装着された除湿部材と、前記ハウジングの外部連通部を開閉する外側弁とを含んでなる。
【0028】
また、本発明に係る除湿装置は、前記ハウジングの内部連通部を開閉する内側弁をさらに含み、 前記外側弁は、除湿対象体の上昇温度によって変位して外部連通部を開放する外側開閉体、及び除湿対象体の冷却時に外部連通部を閉鎖する外側開閉体と外部連通部との間に配列された外側密閉体で構成され、前記ハウジングの内部連通部を開閉する内側弁が備えられた場合、前記内側弁は、除湿対象体の上昇温度によって変位して内部連通部を閉鎖する内側開閉体、及び除湿対象体の冷却時に内部連通部を開放する内側開閉体と内部連通部との間に配列された内側密閉体で構成され、外側開閉体または内側開閉体、またはこれらの両方はバイメタル素材で構成され、その他に、別途のヒーターがさらに備えられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る除湿装置は、街灯や車両用ランプなどの照明、配電、通信装備、保安装備、太陽光システムなどの屋外又は室内用電子筐体などのような様々な除湿対象体に適用することができ、より具体的に、換気部(vent)が導入された各種電子筐体のような除湿対象体の必然的な結露現象による内部部品や素子の腐食や損傷を防止することができ、具体的に、除湿部材が内蔵されたハウジングを除湿対象体に設置し、また、ハウジングの外部連通部を開閉する外側弁を導入して、吸湿時には除湿対象体の内部の湿気のみを吸収できるようにして、除湿部材の除湿機能の保障、除湿部材の繰り返し使用特性の保障を可能にし、また、除湿部材を介在してハウジングの外部連通部の反対側に備えられた内部連通部にも別途に内側弁が備えられることによって、除湿部材の吸湿時には開放され、除湿対象体の高温時には閉鎖される形態で外側弁と反対に作動して、除湿及び除湿部材の再生特性の効率性を極大化することができ、さらに、内外側弁の開閉方式で開閉体をバイメタル(bi−metal)で構成して、除湿対象体の上昇温度によって形状が変化して開閉を行ったり、別途の開閉体駆動手段を導入して作動するようにするなど、様々な構成を通じて除湿効率性及び繰り返し除湿機能を確保し、なお、除湿対象体の昇温により除湿部材に吸収された湿気を外部に放出する過程の代わりに、別途に備えられたヒーターを通じた除湿部材の乾燥及び再生が可能なようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る除湿装置の分解斜視図である。
図2】本発明に係る除湿装置の動作状態図である。
図3】本発明に係る除湿装置の車両ランプへの設置状態に対する概略図である。
図4】本発明に係る除湿装置の設置状態に対する概略的な断面図である。
図5】本発明に係る除湿装置の湿気移動経路と関連する図である。
図6】本発明に係る除湿装置の変形例に対する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0032】
本発明は、様々な変更が可能であり、様々な形態を有することができるところ、実施例(態様、aspect)(又は実施例)を以下詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定するためのものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。
【0033】
各図において同一の参照符号、特に十の桁及び一の桁、又は十の桁、一の桁及びアルファベットが同じ参照符号は、同一又は類似の機能を有する部材を示し、特に言及がない場合、図面の各参照符号が指し示す部材は、このような基準に準ずる部材として把握すればよい。
【0034】
また、各図において、構成要素は、理解の便宜などを考慮して、大きさや厚さを誇張して大きく(又は厚く)又は小さく(又は薄く)表現するか、または単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0035】
本明細書で使用した用語は、単に特定の具現例(態様、aspect)(又は実施例)を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。本出願において、「〜含む」又は「〜からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0036】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0037】
本明細書において、公知の機能及び構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合には、それについての説明は省略できる。
【0038】
まず、図2及び図3に示したように、本発明に係る除湿装置Aは、街灯や車両用ランプなどの照明、電子制御、配電、通信装備、保安装備、太陽光システムなどの屋外又は室内用電子筐体などのような様々な除湿対象体に適用され、図3及び図4では、車両ランプ、特にヘッドランプに装着されて除湿機能を行う用途に対する具体例を示している。しかし、このような例示的な図示により、本発明の除湿装置が適用される除湿対象体の範囲が制限されるものではなく、具体的な例示を通じて本発明の概念に対する理解を高めようとするだけである。
【0039】
図3は、車両ランプモジュールLに対する概略的な斜視図であって、(A)は、透光カバーL3が省略された概略的な正面観察斜視図が示されており、(B)はンプモジュールの背面観察斜視図が示されている。
【0040】
車両ランプモジュールLは、ベースL1と、前記ベースに設置されたランプL2と、ベースの前面に結合された透光カバーL3とで構成される。
【0041】
本発明に係る除湿装置Aは、同図において、車両ランプモジュールの外観を損なわないようにベースL1側の後面、特にランプL2の近傍に配列された形態で示されているが、必要に応じて、ランプモジュールの様々な位置に装着されてもよい。
【0042】
図3(A)および図3(B)と、図3(B)の右側の一点鎖線円内の断面図から確認できるように、車両ランプモジュールLは、ランプの点灯時に内部温度の上昇と共に膨張する内部空気の圧力を解消するために導入された通気構造を確認することができる。
【0043】
すなわち、ランプモジュールベースL1に形成された通気孔Lhと連結され、外部水気の侵入の防止のために下向きに折り曲げられたアルファベット‘U‘字状の通気チューブ70(一種の換気部(vent))が、必要時に導入され得るところ、この通気チューブを介してランプモジュールの内外部の空気の疎通のみが行われ、湿気又は水気の侵入防止効果をさらに強化するために、ランプモジュールのベースL1は、通気チューブ70の周りにリセスLrを形成するようにフランジが取り囲む構造をとっている。
【0044】
このような車両ランプモジュールL、特に、ベースL1に設置される本発明の除湿装置Aは、ハウジング10、このハウジング10に内蔵された除湿部材20、及び外側弁30を含んで構成され、追加で内側弁40をさらに含む。
【0045】
本明細書及び特許請求の範囲において、「内部」、「外部」、「内側」、「外側」などは、ケースやハウジングで取り囲まれた除湿対象体の除湿対象空間を指し示すものに該当する(具体的には、車両ランプモジュールLの透光カバーL3とベースL1との間の空間内にあるか否かに対する相対的な区分である)。
【0046】
車両ランプモジュールLの透光カバーL3とベースL1との間の空間の湿気を除去するために、除湿装置Aのハウジング10は、この車両ランプモジュール、すなわち、前記空間と連結された内部連通部、及び外部(特に、ベースL1の後面外側)と連結された外部連通部を有する。
【0047】
本発明に係る除湿装置Aは、図3及び図4から確認できるように、相対的にハウジング10のほとんどが除湿対象体、具体的に電子外筐、より具体的にランプモジュールL内に配列されており、外部連通部、特に外側キャップ50程度のみが露出して外部に配列された形態である。
【0048】
しかし、車両ランプモジュールの外観特性や除湿機能などを考慮して、様々な配列形態を有することができる。
【0049】
前記除湿部材20は、シリカゲルやその他の公知の様々な除湿剤を使用することができ、生産性、組立性、価格競争力などを考慮して選択し、円筒などの形状のために通気性被覆などに内蔵されてもよい。
【0050】
次に、内蔵された除湿部材20を挟んでハウジング10の外部連通部を開閉する外側弁は、ランプの消灯時にはハウジングの外部連通部を閉鎖して、除湿部材20がランプモジュール内の湿気を吸収するようにし、除湿対象体の昇温時(除湿対象体内の温度上昇の原因要素による昇温時、前記除湿対象体又は前記ハウジングにヒーターがさらに備えられた場合にはそのヒーターの稼動時、または車両ランプの点灯時)には開放されて、ランプによる温度上昇で吸収した湿気を外部連通部を介して外部に発散、除去、再生する形態で作動することが好ましい。
【0051】
また、内部連通部を開閉する内側弁を導入する場合には、外側弁と連動して、除湿対象体の冷却時(除湿対象体内の温度低下の原因要素による温度低下時、前記除湿対象体又は前記ハウジングにヒーターがさらに備えられた場合にはそのヒーターの非稼働時、または車両ランプの消灯時)にはハウジングの内部連通部を開放して、除湿部材のランプモジュール内の湿気の除去を可能にし、除湿対象体の昇温時(ランプの点灯時など)には閉鎖されて、除湿部材から気化排出される湿気が除湿対象体(例えば:ランプモジュール)内に逆流しないようにする機能を果たす。
【0052】
さらに、前記ランプモジュールベースL1の通気孔Lhや通気チューブ70のような常時開放型通気部は省略され、図4及び図1から確認できるように、別途に圧力弁60を導入して、車両ランプの点灯時に内部温度の上昇と共に膨張する内部空気の圧力を解消するために、膨張空気圧力自体によって、または圧力センシングや温度センシングなどによって開放されるようにする方案をとることができる。このような圧力弁は、各種電子外筐のような除湿対象体にも導入することができる。
【0053】
単純に前記圧力弁60は、ゴムやその他の合成樹脂素材で構成され、膨張空気によって変形して開放され、圧力の解除時に再び元の状態に復帰して閉鎖(外気流入防止及び水分などの異物流入防止の機能も果たすことになる)される放射状の切開部を形成した、図3の[B]の上部の一点鎖線円内の拡大図のような圧力弁60であってもよい。
【0054】
また、必要に応じて、この圧力弁は、通気孔Lhや通気チューブ70に導入され、常時通気構造を非常時通気構造に改善することができる。
【0055】
このように、本発明に係る除湿装置Aは、基本的に、圧力弁が導入された半密閉構造(ランプの内部圧力の上昇時にのみ開放)の除湿対象体(例えば:車両ランプなどの電子外筐)に適用され、必要に応じて、常時外気疎通構造の除湿対象体にも様々な変形モデルを適用することができる。
【0056】
一方、図4図1及び図2から確認できるように、外側弁30の外側開閉体31または内側弁40の内側開閉体41、またはこれらの両方はバイメタル素材で構成されて、除湿対象体の昇温時(ランプの点灯時など)の温度変化によって変形することで、上述した除湿部材20の吸湿及び湿気排出機能が円滑に実現されるようにすることができる。
【0057】
バイメタルは、温度に応じて曲がる性質を用いるものであり、膨張が起こりにくい金属としてニッケル(Ni)と鉄(Fe)の合金などの金属板と、膨張が起こりやすい金属であるニッケル(Ni)・マンガン(Mn)・鉄(Fe)の合金、ニッケル(Ni)・モリブデン(Mo)・鉄(Fe)の合金、ニッケル(Ni)・マンガン(Mn)・銅(Cu)の合金などの金属板とを結合して使用する。
【0058】
図4図1及び図2において、内・外側開閉体41,31は、ドーム(dome)タイプの構造を有するバイメタルを導入している。
【0059】
本発明に係る除湿装置Aは、組立特性の保障のために、ハウジング10の外側端部にフランジ11を有し、また、圧力弁60の導入のために、フランジの一側に取付突起13が備えられている。
【0060】
除湿対象体、すなわち、車両ランプモジュールLのベースL1の取付孔に組立済みの除湿装置Aを嵌めると、ハウジングのフランジ11がベースに係止され、この状態で、スクリュー、接着剤などを用いて固定したり、フック結合構造、ボルト結合構造(フランジ11の内側のハウジングの外周面に雄ねじを形成し、ランプモジュールLの内側で大口径のナットを結合して、ナットとフランジとの間にベースの取付孔の周縁部が挟まる形態)などを用いて多様に固定することができる。
【0061】
本発明に係る除湿装置Aは、バイメタル素材のドームタイプの外側弁30の外側開閉体31または内側弁40の内側開閉体41の組立性の保証などのために、ハウジングの内外部連通部の両側にキャップ50を導入した。
【0062】
このキャップ50は、ハウジングに内蔵された除湿部材20を固定する内蔵体51及び外装体53で構成され、内・外装体51,53は、通気孔51a,53aを有することで、除湿部材20がランプの内部の湿気を吸収し、再び外部に吸収した湿気を排出して再生が可能なように、疎通構造をとっている。
【0063】
キャップ50の内装体51と外装体53との間には、バイメタル素材の内・外側開閉体41,31の変形空間50sが形成される。
【0064】
内・外装体51,53は、締結部51b(係止孔タイプ)は対応締結部53b(フックタイプ)を介して互いに結合され、内蔵体51とハウジング10はねじ結合などの方式で結合されてもよく、その他の様々な結合構造を導入することができる。
【0065】
さらに、内・外側弁40,30の内・外側開閉体41,31の除湿対象体の温度変化(すなわち、ランプの点灯・消灯)による変化時、特にハウジングの内・外部連通部の閉鎖時、図2の動作状態図、すなわち、図2(A)の除湿対象体の冷却時、すなわち、ランプL2の消灯時に、外側弁30の開閉体31のみが外部連通部を閉鎖した状態の図、図2(B)の除湿対象体の昇温時、すなわち、ランプL2の点灯時に、内側弁40の開閉体41のみが内部連通部を閉鎖した状態の図から確認できるように、より完全な閉鎖特性の確保のために、内・外部連通部の開閉のための内・外側開閉体41,31と内・外部連通部との間、特にキャップ50の内蔵体51には内・外側密閉体43,33が備えられていることが好ましい。このような内・外側密閉体43,33は、クッション特性を有する通常のパッキングリングであってもよい。
【0066】
一方、キャップ50の内蔵体51の外周面の露出部には通気スリット50h(図1及び図5参照)(図5(A)は側面図、図5(B)は、(A)の“C−C”線に沿って切断した断面図)が形成されることによって、内蔵体51の通気孔51aを通過して、除湿対象体の冷却時(すなわち、ランプの消灯時)に、除湿対象体(すなわち、ランプモジュール)の内部の湿気を含む空気が除湿部材20に流入し、除湿対象体の昇温時(ランプの点灯時、ヒーターの稼働時など)に、除湿部材に捕集された湿気が外部に排出され得る通路の役割を果たすようになっている。
【0067】
次に、図6には、他の変形した除湿装置Aが示されており、図6(A)は、ドームタイプのバイメタル素材の内・外側開閉体41,31の代わりに、平板状の内・外側開閉体41m,31mを導入した変形例であって、内側開閉体41mの場合、除湿対象体の冷却時(ランプの消灯時)に内部連通部を開放(点線で表示)し、除湿対象体の昇温時(ランプの点灯時)に内部連通部を閉鎖するように、ハウジングの下部に固定ピンを用いた装着固定構造を有する。
【0068】
これに比べて、図6(B)には、別途の電動弁変位手段(例えば:モータ)を用いた内・外側弁40M,30Mの内・外側開閉体41M,31Mを導入し、具体的に、弁変位手段はアクチュエータ41A,31Aであってもよい。
【0069】
また、図6(B)において、内・外側開閉体41M,31Mのためのアクチュエータは、両開閉体で共用で使用される一つのモータ及び直線運動連結軸で構成されることが好ましい。
【0070】
内側開閉体41Mの場合、除湿対象体の冷却時(ランプの消灯時)に内部連通部を開放(実線で表示)し、除湿対象体の加熱時(ランプの点灯時)に内部連通部を閉鎖(点線で表示)し、外側開閉体31Mの場合、内側開閉体41Mと反対に、除湿対象体の冷却時(ランプの消灯時)に外部連通部を閉鎖(実線で表示)し、除湿対象体の加熱時(ランプの点灯時)に外部連通部を開放(点線で表示)する。
【0071】
なお、本発明は、図6(B)に示したように、除湿対象体の加熱、例えば、ランプの点灯で除湿部材に吸収された湿気を外部に放出する過程の代わりに、別途に前記除湿対象体又は前記ハウジングに備えられたヒーターHを通じた除湿部材の乾燥及び再生が可能なように構成することができる。
【0072】
このヒーターは、除湿装置Aと分離された形態で除湿対象体、すなわち、ランプモジュールLのベースL1に配列されるか、または除湿装置のハウジング10と接触する形態で配列されてもよい。また、様々なフレキシブルヒーターや電熱線を用いて除湿装置のハウジングの外周面や内部にヒーターを導入する形態に変形可能である。
【0073】
必要に応じて、ヒーターは、一定の時間間隔で作動するか、または入力された特定の条件を満たすとき(湿度又は温度感知など)に作動することができ、除湿部材の乾燥に十分な時間の間作動するようにすることが好ましい。
【0074】
以上の説明において、除湿部材の具体的な仕様及び種類、除湿装置の具体的な大きさ(例えば:量産適用時に、外径12〜20ファイ(φ)に約50mmの長さに設計可能)などの仕様、車両ランプの仕様などに関連する通常の公知の技術は省略されているが、当業者であれば、これを容易に推測及び推論し、再現することができる。
【0075】
また、以上で本発明を説明するにおいて、添付の図面を参照して、特定の形状及び構造を有する除湿装置を中心に説明したが、本発明は当業者によって様々な修正、変更及び置換が可能であり、このような修正、変更及び置換は、本発明の保護範囲に属するものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0076】
A 除湿装置
10 ハウジング
20 除湿部材
30,40 弁
50 キャップ
60 圧力弁
図1
図2(A)】
図2(B)】
図3(A)】
図3(B)】
図4
図5(A)】
図5(B)】
図6(A)】
図6(B)】