特許第6956078号(P6956078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956078
(24)【登録日】2021年10月6日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】着色発光シート及び着色発光ガラス
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20211018BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20211018BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20211018BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20211018BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   C08J5/18CER
   C08J5/18CEZ
   C03C27/12 N
   B32B17/10
   B32B27/20 A
   E06B7/28 Z
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-518746(P2018-518746)
(86)(22)【出願日】2018年3月27日
(86)【国際出願番号】JP2018012445
(87)【国際公開番号】WO2018181318
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2020年8月27日
(31)【優先権主張番号】特願2017-66003(P2017-66003)
(32)【優先日】2017年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】伊豆 康之
(72)【発明者】
【氏名】中島 大輔
【審査官】 赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−196618(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/194224(WO,A1)
【文献】 特開2010−159319(JP,A)
【文献】 特開2010−159318(JP,A)
【文献】 特表2013−539741(JP,A)
【文献】 特表2013−538172(JP,A)
【文献】 特表2016−537480(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0182679(US,A1)
【文献】 米国特許第04452720(US,A)
【文献】 特開昭49−063424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00− 5/24
B32B 1/00− 43/00
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00− 13/08
E06B 7/00− 7/36
C03C 27/00− 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂、着色剤、及び、励起光により波長380〜750nmの可視光を発光する発光材料を含有し、
該着色剤は、炭酸カルシウムを含むことを特徴とする着色発光シート。
【請求項2】
着色剤100重量部に対する発光材料の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項記載の着色発光シート。
【請求項3】
透明板と、請求項1又は2記載の着色発光シートとの積層体構造を有することを特徴とする着色発光ガラス。
【請求項4】
一対の透明板の間に請求項1又は2記載の着色発光シートが積層されている構造を有することを特徴とする着色発光ガラス。
【請求項5】
励起光源と、請求項3又は4記載の着色発光ガラスとからなることを特徴とする窓ガラス。
【請求項6】
励起光源と、請求項3又は4記載の着色発光ガラスとからなることを特徴とするショーウインドー。
【請求項7】
励起光源と、請求項3又は4記載の着色発光ガラスとからなることを特徴とするパーティション。
【請求項8】
励起光源と、請求項3又は4記載の着色発光ガラスとからなることを特徴とする壁ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より優れた美観を呈する着色ガラスを得ることができる着色発光シート、及び、該着色発光シートを用いてなる着色発光ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両のフロントガラス、サイドガラス、リアガラスや、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。合わせガラスとして、少なくとも一対のガラス間に、例えば、液状可塑剤とポリビニルアセタール樹脂とを含む合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラス等が挙げられる。
【0003】
近年、ガラスに求められる性能も多様化してきており、美観、プライバシー保護性、遮光性等の観点から、ガラスの一部および全面に着色部を持つ着色ガラスのニーズが増大している。例えば、建築物の窓用のガラスとして、必要な部分を乳白色半透明とした着色ガラスを用いた場合、優れた美観を発揮しながら、プライバシー保護性を発揮することができる。また、例えば、自動車ルーフ用のガラスとして一部を着色した着色ガラスを用いた場合にも、優れた美観を発揮しながら、外部からの光を遮蔽して室内の光の状態を制御することができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、濃色部とグラデーション部と透明部とを備え、これらの部位がこの順に厚み方向と直行する方向に並んで配置された合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いた着色ガラスが開示されている。特許文献1に記載された着色ガラスもそれなりの美観を呈するが、より優れた美観を呈する着色ガラスを提供することが産業上の重要な課題となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2014/077328号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状に鑑み、より優れた美観を呈する着色ガラスを得ることができる着色発光シート、及び、該着色発光シートを用いてなる着色発光ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、熱可塑性樹脂、着色剤、及び、励起光により波長380〜750nmの可視光を発光する発光材料を含有する着色発光シートである。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明者らは、より優れた美観を呈する着色ガラスを求めて、合わせガラス用中間膜に配合する着色剤の種類や配合量を検討するとともに、着色剤に他の成分を併用することも検討した。その結果、着色剤に励起光により波長380〜750nmの可視光を発光する発光材料を併用し、該発光材料を発光させる励起光を照射したときには、着色剤だけでは到底実現できない、「暈し発光」とも表現できる極めて優れた美観を呈することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明の着色発光シートは、熱可塑性樹脂、着色剤及び発光材料を含有する。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。なかでも、ガラス等の透明板と積層したときに、可塑剤と併用して透明板に対して優れた接着性を発揮できることからポリビニルアセタール樹脂が好適である。
【0010】
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタールであれば特に限定されないが、ポリビニルブチラールが好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
【0011】
上記ポリビニルアセタールは、水酸基量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が35モル%である。水酸基量が15モル%以上であると、着色発光シートの成形が容易になる。水酸基量が35モル%以下であると、得られる着色発光シートの取り扱いが容易になる。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0012】
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度70〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が500以上であると、得られる着色発光シートを用いた合わせガラスの耐貫通性が高くなる。上記ポリビニルアルコールの重合度が4000以下であると、着色発光シートの成形が容易になる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
【0013】
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
上記着色剤は、シートを着色し、上記発光材料と併用することにより優れた美観を呈する役割を有する。
上記着色剤としては特に限定されず、例えば、顔料、染料、着色トナー等が挙げられる。これらの着色剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に優れた美観を呈することができることから、顔料が好適である。
【0015】
上記顔料としては特に限定されず、従来公知の無機顔料、有機顔料等を用いることができる。なかでも、安定性に優れることから無機顔料が好適である。
上記無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉等の白色顔料や、鉛丹、酸化鉄赤等の赤色顔料や、黄鉛、亜鉛黄等の黄色顔料や、ウルトラマリン青、プロシア青等の青色顔料や、カーボンブラック等の黒色顔料が挙げられる。これらの無機顔料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、乳白色に着色することができ、特に優れた美観を呈することから、白色顔料が好適であり、なかでも炭酸カルシウムが特に好適である。
【0016】
上記染料としては特に限定されず、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料等が挙げられる。これらの染料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記着色トナーとしては特に限定されず、例えば、グリーン、ブラック、ブルー、レッド等のカラートナーが挙げられる。これらの着色トナーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
上記着色発光シート中における上記着色剤の配合量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は15重量部である。上記着色剤の配合量がこの範囲内であると、上記発光材料と併用することにより優れた美観を呈することができる。上記着色剤の配合量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
【0018】
上記発光材料は、励起光により波長380〜750nmの可視光を発光する発光材料である。このような発光材料を着色剤と併用することにより、励起光を照射したときに、着色剤だけでは到底実現できない、「暈し発光」とも表現できる極めて優れた美観を呈することができる。
【0019】
上記発光材料としては励起光により波長380〜750nmの可視光を発光するものであれば特に限定されず、従来公知の発光材料を用いることができる。発光材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、高い輝度で発光させることができることから、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体や、テレフタル酸エステル構造を有する発光材料が好適である。
【0020】
ランタノイド錯体のなかでも、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体は光線を照射することにより高い発光強度で発光する。上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体としては、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体等が挙げられる。また、ハロゲン原子を含む四座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む五座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む六座配位子を有するランタノイド錯体等が挙げられる。
【0021】
なかでも、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、300〜410nmの波長の光を照射することにより、580〜780nmの波長の光を極めて高い発光強度で発光する。この発光は極めて高強度であることから、これを含有する着色発光シートは、ごく弱い励起光でも充分に発光して、「暈し発光」による極めて優れた美観を呈することができる。
しかも、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、耐熱性にも優れる。従って、着色発光シートを太陽光の赤外線が照射される屋外で使用したときにも、高温によって発光材料が劣化してしまうのを防止することができる。
【0022】
本明細書においてランタノイドとは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテチウムを含む。より一層高い発光強度が得られることから、ランタノイドは、ネオジム、ユーロピウム又はテルビウムが好ましく、ユーロピウム又はテルビウムがより好ましく、ユーロピウムが更に好ましい。
【0023】
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)フェナントロリンユーロピウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ビス(トリフェニルホスフィン)ユーロピウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンユーロピウム等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、ターピリジントリフルオロアセチルアセトンユーロピウム、ターピリジンヘキサフルオロアセチルアセトンユーロピウム等が挙げられる。
【0024】
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。なかでも、配位子の構造を安定化させることから、フッ素原子が好適である。
【0025】
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体のなかでも、特に初期発光性に優れることから、ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体が好適である。
上記ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、Eu(TFA)phen、Eu(TFA)dpphen、Eu(HFA)phen、[Eu(FOD)]bpy、[Eu(TFA)]tmphen、[Eu(FOD)]phen等が挙げられる。これらのハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体の構造を示す。
【0026】
【化1】
【0027】
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体を着色発光シート中に微分散させることがより容易となる。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体が粒子状である場合、ランタノイド錯体の平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は10μmであり、より好ましい下限は0.03μm、より好ましい上限は1μmである。
【0028】
上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料は、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物や下記一般式(2)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0029】
【化2】
【0030】
上記一般式(1)中、Rは有機基を表し、xは1、2、3又は4である。
着色発光シートの透明性がより一層高くなることから、xは1又は2であることが好ましく、ベンゼン環の2位又は5位に水酸基を有することがより好ましく、ベンゼン環の2位及び5位に水酸基を有することが更に好ましい。
上記Rの有機基は炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。
上記炭化水素基の炭素数が10以下であると、上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料を着色発光シートに容易に分散させることができる。
上記炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
【0031】
上記一般式(1)で表される構造を有する化合物として、例えば、ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレート、ジメチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレート等が挙げられる。
なかでも、コントラストがより一層高い画像を表示できることから、上記一般式(1)で表される構造を有する化合物はジエチル−2,5−ジヒドロキシルテレフタレート(Aldrich社製「2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル」)であることが好ましい。
【0032】
上記一般式(2)中、Rは有機基を表し、R及びRは水素原子又は有機基を表し、yは1、2、3又は4である。
上記Rの有機基は炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。
上記炭化水素基の炭素数が上記上限以下であると、上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料を着色発光シートに容易に分散させることができる。
上記炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(2)中、NRはアミノ基である。
及びRは、水素原子であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される構造を有する化合物のベンゼン環の水素原子のうち、一つの水素原子が上記アミノ基であってもよく、二つの水素原子が上記アミノ基であってもよく、三つの水素原子が上記アミノ基であってもよく、四つの水素原子が上記アミノ基であってもよい。
【0033】
上記一般式(2)で表される構造を有する化合物として、コントラストがより一層高い画像を表示できることから、ジエチル−2,5−ジアミノテレフタレート(Aldrich社製)が好ましい。
【0034】
本発明の着色発光シートにおける上記発光材料の含有量は、発光材料の種類に応じて適宜調整すればよいが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限は0.001重量部、好ましい上限は10重量部である。上記発光材料の含有量がこの範囲内であると、上記着色剤と併用することにより優れた美観を呈することができる。上記発光材料の含有量のより好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は8重量部、更に好ましい下限は0.1重量部、更に好ましい上限は5重量部である。
【0035】
本発明の着色発光シートにおける、上記着色剤と上記発光材料の含有量の比は、着色剤及び発光材料の種類に応じて適宜調整すればよいが、発光材料の含有量の方が少ないことが好ましい。発光材料の含有量の方を少なくすることにより、「暈し発光」とも表現できる極めて優れた美観を、より容易に呈することができる。より具体的には、上記着色剤100重量部に対する上記発光材料の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は50重量部であり、より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は25重量部である。
【0036】
本発明の着色発光シートは、更に、可塑剤を含有してもよい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
【0037】
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等が好適である。
【0038】
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
【0039】
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステル等が挙げられる。
【0040】
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0041】
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0042】
更に、上記可塑剤として、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)を含有することが好ましい。テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を含有することがより好ましい。特にトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含有することがより好ましい。
【0043】
上記着色発光シートにおける上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限が30重量部、好ましい上限が100重量部である。上記可塑剤の含有量がこの範囲内であると、着色発光シートの美観を損ねることなく、成形を容易にすることができる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は80重量部、更に好ましい下限は45重量部、更に好ましい上限は70重量部、特に好ましい下限は50重量部、特に好ましい上限は63重量部である。
【0044】
本発明の着色発光シートは接着力調整剤を含有することが好ましい。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記接着力調整剤として、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
上記塩を構成する酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、2−エチル酪酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
【0045】
なお、上記着色発光シートには、上記接着力調整剤の他に、熱可塑性樹脂製造時に用いた中和剤等の原料に由来するカリウム、ナトリウム、マグネシウムが含まれ得る。これらの金属の含有量が多い場合には、発光材料の発光性が低下することがある。このような発光性の低下は、発光材料が上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体である場合に特に顕著である。
そこで、着色発光シートに含まれるカリウム、ナトリウム及びマグネシウムの合計の含有量は50ppm以下であることが好ましい。カリウム、ナトリウム及びマグネシウムの合計の含有量を50ppm以下とすることにより、発光材料の発光性が低下するのを防止することができる。
【0046】
本発明の着色発光シートは、更に分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、上記発光材料の凝集を抑制できる。
上記分散剤は、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸構造を有する化合物や、ジエステル化合物、リシノール酸アルキルエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸エステル等のエステル構造を有する化合物や、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールやアルキルフェニル−ポリオキシエチレン−エーテル等のエーテル構造を有する化合物や、ポリカルボン酸等のカルボン酸構造を有する化合物や、ラウリルアミン、ジメチルラウリルアミン、オレイルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンの2級アミン、ポリオキシエチレンの3級アミン、ポリオキシエチレンのジアミン等のアミン構造を有する化合物や、ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド等のポリアミン構造を有する化合物や、オレイン酸ジエタノールアミド、アルカノール脂肪酸アミド等のアミド構造を有する化合物や、ポリビニルピロリドン、ポリエステル酸アマイドアミン塩等の高分子量型アミド構造を有する化合物等の分散剤を用いることができる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(塩)や高分子ポリカルボン酸、縮合リシノール酸エステル等の高分子量分散剤を用いてもよい。なお、高分子量分散剤とは、その分子量が1万以上である分散剤と定義される。
【0047】
上記発光材料が上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体である場合、上記着色発光シート中における発光材料100重量部に対する上記分散剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記分散剤の含有量がこの範囲内であると、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体を発光シート中に均一に分散させることができる。上記分散剤の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部であり、更に好ましい下限は5重量部、更に好ましい上限は25重量部である。
【0048】
本発明の着色発光シートは、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。
【0049】
本発明の着色発光シートは、上記発光材料を発光させる励起光を照射したときに、着色剤だけでは到底実現できない、「暈し発光」とも表現できる極めて優れた美観を呈する。本発明の着色発光シートを用いれば、より優れた美観を呈する着色発光ガラスを得ることができる。
着色発光ガラスの態様は特に限定されないが、透明板と本発明の着色発光シートとの積層体構造を採ることが好ましい。上記積層体構造とすることにより取り扱い性が向上し、種々の用途への適用が可能となる。なかでも、一対の透明板の間に本発明の着色発光シートが積層されている構造(合わせガラス構造)を採ることが好ましい。
透明板と、本発明の着色発光シートとの積層体構造を有する着色発光ガラスもまた、本発明の1つである。
一対の透明板の間に本発明の着色発光シートが積層されている構造を有する着色発光ガラスもまた、本発明の1つである。
【0050】
上記透明板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができるが、特定の波長の光線を照射する側とは反対のガラス板として用いることが好ましい。更に、上記透明板としてポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記透明板として、2種類以上の透明板を用いてもよい。また、上記透明板として、2種以上の厚さの異なる透明板を用いてもよい。
【0051】
本発明の着色発光ガラスは、励起光源と組み合わせることにより、窓ガラス、ショーウインドー、パーティション、壁ガラス等の種々の用途に用いることができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、より優れた美観を呈する着色ガラスを得ることができる着色発光シート、及び、該着色発光シートを用いてなる着色発光ガラスを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
(1)Eu(TFA)phenの調製
酢酸ユーロピウム(Eu(CHCOO))12.5mmolを50mLの蒸留水へ溶かし、トリフルオロアセチルアセトン(TFA、CHCOCHCOCF)33.6mmolを加え、室温で3時間撹拌した。沈殿した固体を濾過、水洗後、メタノールと蒸留水で再結晶を行なってEu(TFA)(HO)を得た。得られた錯体Eu(TFA)(HO)5.77gと1,10−フェナントロリン(phen)2.5gを100mLのメタノールに溶かし、12時間加熱還流を行なった。12時間後、メタノールを減圧留去により取り除き、白色生成物を得た。この粉末をトルエンで洗浄し、未反応の原料を吸引濾過により取り除いた後、トルエンを減圧留去し、紛体を得た。トルエン、ヘキサンの混合溶媒により再結晶を行なうことにより、Eu(TFA)phenを得た。
【0055】
(2)着色発光シートの調整
可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部に、発光材料としてEu(TFA)phen0.2重量部と、顔料として炭酸カルシウム3.2重量部と、接着力調整剤として最終的な濃度が0.036phrとなるようにアセチルアセトンマグネシウムを加え、着色発光性の可塑剤溶液を調製した。得られた可塑剤溶液の全量と、ポリビニルブチラール(PVB、重合度1700)100重量部とをミキシングロールで充分に混練して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、押出機を用いて押出し、厚み760μmの着色発光シートを得た。
【0056】
(3)着色発光ガラスの製造
得られた着色発光シートを、縦30cm×横30cmの一対のクリアガラス(厚み2.5mm)の間に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、真空ラミネーターにて90℃下、30分保持しつつ真空プレスを行い圧着した。圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラス構造の着色発光ガラスを得た。
【0057】
(実施例2)
酢酸テリビウム(Tb(CHCOO))12.5mmolを50mLの蒸留水へ溶かし、トリフルオロアセチルアセトン(TFA、CHCOCHCOCF)33.6mmolを加え、室温で3時間撹拌した。沈殿した固体を濾過、水洗後、メタノールと蒸留水で再結晶を行なってTb(TFA)(HO)を得た。得られた錯体Tb(TFA)(HO)5.77gと1,10−フェナントロリン(phen)2.5gを100mLのメタノールに溶かし、12時間加熱還流を行なった。12時間後、メタノールを減圧留去により取り除き、白色生成物を得た。この粉末をトルエンで洗浄し、未反応の原料を吸引濾過により取り除いた後、トルエンを減圧留去し、紛体を得た。トルエン、ヘキサンの混合溶媒により再結晶を行なうことにより、Tb(TFA)phenを得た。
Eu(TFA)phenに代えてTb(TFA)phenを用いた以外は実施例1と同様にして着色発光シート、着色発光ガラスを製造した。
【0058】
(実施例3)
Eu(TFA)phenに代えてジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレート(アルドリッチ社製、「2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル」)を用いた以外は実施例1と同様にして着色発光シート、着色発光ガラスを製造した。
【0059】
(実施例4、5)
Eu(TFA)phenの配合量を0.05重量部、0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして着色発光シート、着色発光ガラスを製造した。
【0060】
(実施例6)
炭酸カルシウムに代えて、青色顔料としてPigment Blue 15を3.2重量部配合した以外は実施例1と同様にして着色発光シート、着色発光ガラスを製造した。
【0061】
(実施例7)
炭酸カルシウムに代えて、緑色顔料としてPigment Green 7を3.2重量部配合した以外は実施例1と同様にして着色発光シート、着色発光ガラスを製造した。
【0062】
(比較例1〜3)
炭酸カルシウムを配合しなかった以外は実施例1〜3と同様にして発光シート、発光ガラスを製造した。
【0063】
(比較例4〜8)
発光材料を配合しなかった以外は実施例1〜3、6、7と同様にして着色シート、着色ガラスを製造した。
【0064】
(評価)
実施例及び比較例で得られた着色発光ガラスについて、以下の方法で評価を行った。
結果を表1、2に示した。
【0065】
実施例及び比較例で得られた着色発光ガラスに対して、励起光源として日亜化学工業社製「NDV4B16」を用いて波長405nm、出力300mWの光を照射した。
励起光を照射することにより、実施例の着色発光ガラスは、「暈し発光」とも表現できる優れた美観を呈した(暈し発光性評価が〇又は〇〇)。特に着色剤として炭酸カルシウムを用いた実施例1〜5の着色発光ガラスは、極めて優れた美観を呈した(暈し発光性評価が〇〇)。一方、比較例1〜3の発光ガラスでは、発光材料による発光は認められたものの、「暈し発光」は認められなかった(暈し発光性評価が×)。比較例4〜6の着色ガラスでは、励起光を照射しても発光することはなかった(暈し発光性評価が×)。
【0066】
励起光を照射した状態で、20人の観察者が着色剤の有無による美観の違いを比較した。即ち、実施例1、4、5と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3とを比較した。20人の観察者のうち、着色剤が含まれる着色発光ガラスの発光が美しいと感じた者が16人以上であった場合を「○」、着色剤が含まれる合わせガラスの発光が美しいと感じた者が15人以下の場合を「×」と評価した。
同様に、励起光を照射した状態で、20人の観察者が発光材料の有無による美観の違いを比較した。即ち、実施例1と比較例4、実施例2と比較例5、実施例3と比較例6、実施例6と比較例7、実施例7と比較例8とを比較した。20人の観察者のうち、発光材料が含まれる着色発光ガラスの発光が美しいと感じた者が16人以上であった場合を「○」、発光材料が含まれる合わせガラスの発光が美しいと感じた者が15人以下の場合を「×」と評価した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、より優れた美観を呈する着色ガラスを得ることができる着色発光シート、及び、該着色発光シートを用いてなる着色発光ガラスを提供できる。