特許第6956419号(P6956419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956419
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】バッグ用ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   A47G29/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-113073(P2019-113073)
(22)【出願日】2019年6月18日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3206127号
【原出願日】2016年6月20日
(65)【公開番号】特開2019-166409(P2019-166409A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2019年6月21日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】516183886
【氏名又は名称】清水 一広
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 一広
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−348759(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0339386(US,A1)
【文献】 特開平11−018910(JP,A)
【文献】 特開昭64−076980(JP,A)
【文献】 実開昭57−133377(JP,U)
【文献】 実開平01−126415(JP,U)
【文献】 実開平07−039662(JP,U)
【文献】 実開昭62−106583(JP,U)
【文献】 特開昭59−090518(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3116890(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグを吊り下げるためのバッグ用ハンガーであって、
バッグの持ち手を掛けるハンガー本体と、
前記ハンガー本体の上部に接続され、前記ハンガー本体を吊り下げるフックと、を備え、
前記ハンガー本体の一端には背板が鉛直面に沿って立設し、
前記ハンガー本体の頂面は、半円状の他端から半円状の一端に向けて曲率半径が徐々に小さくなるように窄まる形状であり、
前記背板が、前記半円状一端のみに半円状かつ平面状に、前記半円状の一端の曲率半径よりも大きく設けられており、
前記バッグ用ハンガーの重心は、前記フックを掛けて前記ハンガー本体を自然に吊り下げた状態で、側面視において、前記頂面の最頂部が水平面に対して傾斜する位置に設定されることを特徴とするバッグ用ハンガー。
【請求項2】
前記頂面は、一端側の第1傾斜面と、前記第1傾斜面に連なる他端側の第2傾斜面とを備え、前記第1傾斜面から前記第2傾斜面にかけて凹状に屈折する形状であり、前記第1傾斜面は前記第2傾斜面に比べて、一端に向けて緩やかに窄まる形状であることを特徴とする請求項1に記載のバッグ用ハンガー。
【請求項3】
前記ハンガー本体は、前記ハンガー本体の一端側に前記フックに接続する接続部が設けられ、前記接続部は、鉛直軸に対して前記ハンガー本体の他端側に傾斜することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバッグ用ハンガー。
【請求項4】
前記フックは、C字状の棒部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバッグ用ハンガー。
【請求項5】
前記フックは、前記ハンガー本体に対して回転自在に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバッグ用ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグ用ハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バッグを床の上に置くことがあったが、これではバッグが汚れ、変形してしまう。
また、S字フック等の棒状のハンガーにバッグの持ち手を掛けて、バッグを吊り下げることにより、バッグが汚れることはなくなるが、この場合、バッグの持ち手が変形し、傷んでしまうという問題がある。
特許文献1は、バッグの持ち手である紐が変形しないように、両側壁の間に円曲する幅広な溝を設けたハンガーを開示する。
しかしながら、特許文献1に開示されたハンガーは、両側壁が鉛直に切り立っているので、バッグの紐を溝に出し入れする際にバッグの紐が側壁に干渉し、不便であるという問題がある。
また、バッグの紐を幅広な溝に掛けると、バッグの紐が溝の中で自由に移動するので、安定しないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3116890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、バッグの持ち手を出し入れしやすく、安定して掛けられるバッグ用ハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明のバッグ用ハンガーは、
バッグを吊り下げるためのバッグ用ハンガーであって、バッグの持ち手を掛けるハンガー本体と、前記ハンガー本体の上部に接続され、前記ハンガー本体を吊り下げるフックと、を備え、前記ハンガー本体の一端には背板が鉛直面に沿って立設し、前記ハンガー本体の頂面は、半円状の他端から半円状の一端に向けて曲率半径が徐々に小さくなるように窄まる形状である。
【0006】
(2)上記(1)の構成において、
前記頂面は、一端側の第1傾斜面と、前記第1傾斜面に連なる他端側の第2傾斜面とを備え、前記第1傾斜面から前記第2傾斜面にかけて凹状に屈折する形状であり、前記第1傾斜面は前記第2傾斜面に比べて、一端に向けて緩やかに窄まる形状である。
【0007】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、
前記ハンガー本体は、前記ハンガー本体の一端側に前記フックに接続する接続部が設けられ、前記接続部は、鉛直軸に対して前記ハンガー本体の他端側に傾斜する。
【0008】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの構成において、
前記バッグ用ハンガーの重心は、前記フックを掛けて前記ハンガー本体を自然に吊り下げた状態で、側面視において、前記頂面の最頂部が水平面に対して傾斜する位置に設定される。
【0009】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、
前記フックは、前記ハンガー本体に対して回転自在に接続されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バッグの持ち手を出し入れしやすく、安定して掛けられるバッグ用ハンガーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】バッグ用ハンガーの斜視図である。
図2】同上正面図である。
図3】同上側面図である。
図4】同上平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以下、特に説明のない限り、図3の右側を一端側又は手前とし、左側を他端側又は奥と呼ぶ。
【0013】
(実施形態)
図1はバッグ用ハンガーの斜視図、図2はバッグ用ハンガーの正面図、図3はバッグ用ハンガーの側面図、図4はバッグ用ハンガーの平面図である。
図1に示すように、バッグ用ハンガー1は、バッグを吊るすためのバッグ用ハンガーであって、バッグの持ち手Mを掛けるハンガー本体10と、ハンガー本体10の上部に接続され、ハンガー本体10を吊り下げるフック20と、を備える。
そして、フック20をテーブルT等に掛けてハンガー本体10をフック20から吊り下げた状態で、バッグの持ち手Mをハンガー本体10に掛けて、バッグを床から離れた状態で保持できる。
以下、ハンガー本体10及びフック20について順番に説明する。
【0014】
(ハンガー本体)
図3に示すように、ハンガー本体10は、一端12pに背板11が鉛直面に沿って立設し、ハンガー本体の頂面12が、半円状の他端12qから半円状の一端12pに向けて曲率半径Rが徐々に小さくなるように窄まる形状となっている。
具体的には、頂面12が半円の中心軸ahに対して成す角度θ及び角度θを、バッグの持ち手Mと頂面12との摩擦角以上にしている。
これにより、持ち手Mを頂面12上に掛けてバッグの重さをハンガー本体10が受けるようにすると、重力によって持ち手Mが頂面12上を他端12qから一端12pに向けて滑り、背板11に当たって止まるようになる。
よって、持ち手Mを頂面12の手前に掛けても、自然に頂面12の最も奥に移動してその位置に留まって安定するので、持ち手Mを掛け易く、掛けた後のバッグの位置が安定する。
【0015】
また、図3に示すように、頂面12は、一端12p側の第1傾斜面12Aと、第1傾斜面12Aに連なる他端12q側の第2傾斜面12Bとを備え、第1傾斜面12Aから第2傾斜面12Bにかけて凹状に屈折する形状であり、第1傾斜面12Aは第2傾斜面12Bに比べて、一端12pに向けて緩やかに窄まる形状である。
これにより、バッグに何らかの外力が作用してバッグが奥から手前に移動しても、第2傾斜面12Bが持ち手Mに干渉してそれ以上の移動を阻むので、持ち手Mが頂面12上から脱落することがない。
しかも、第2傾斜面12Bは、半円状の他端12qから半円状の一端12pに向けて曲率半径Rが徐々に小さくなるように窄まる形状となっているので、持ち手Mを頂面12から離脱する際に、持ち手Mが第2傾斜面12Bに引っ掛かることがなくスムーズに離脱させることができ、バッグ用ハンガー1から持ち手Mを簡単に取り出すことができる。
【0016】
また、ハンガー本体10は、ハンガー本体10の一端12pにフック20に接続する接続部13が設けられ、接続部13は、鉛直軸avに対してハンガー本体10の他端12q側に角度αだけ傾斜する。
これにより、持ち手Mを頂面12上に掛ける際に、接続部13が持ち手Mを頂面12の方向にガイドするので、持ち手Mをハンガー本体10にスムーズに掛けられるとともに、傾斜の角度αを変えることで重心を調節できる。
【0017】
(フック)
フック20は、全体がC字状の棒部材であり、テーブルT等の水平面や水平に配置された棒状部材Pに掛けられるフック本体22と、フック本体22の下部に設けられる軸21とを備える。
フック20は、ハンガー本体10に対して少なくとも水平方向に回転自在に接続されている。
具体的には、ハンガー本体10の接続部13の上部に鉛直方向の穴13hが設けられ、その穴13hに、フック20の下部に設けられた軸21が挿通されている。
そして、軸21の下部にある大径のストッパ23により、穴13hから軸21が抜け出さないように支持された状態で、ハンガー本体10がフック20に軸支されている。
これにより、フック20をテーブルT等に掛けた状態で、ハンガー本体10を水平方向に回転することができるので、バッグ用ハンガー1からバッグの持ち手Mを出し入れしやすくなる。
また、フック20の先端には滑り止め24が設けられている。これにより、フック20の先端をテーブルT等の水平な面上に掛けてハンガー本体10を吊り下げた状態でバッグ用ハンガー1を用いることができ、ハンガー本体10にバッグを掛けても滑ることがなく安定した状態を保てる。
【0018】
さらに、バッグ用ハンガー1の重心は、フック20をテーブルT等に掛けてハンガー本体10を自然に吊り下げた状態(図3に示す状態)で、側面視において、頂面12の最頂部が水平面に対して傾斜する位置に設定されており、多少揺れても第2傾斜面12Bの最頂部が水平面に対して傾斜するようになっている。
つまり、フック20を棒状部材Pに掛けた状態とテーブルTの上面に掛けた状態のいずれの状態においても、ハンガー本体10を自然に吊り下げた状態で、頂面12の最頂部が水平面に対して傾斜し、さらに多少揺れても第2傾斜面12Bの最頂部が水平面に対して傾斜した状態を保つように、バッグ用ハンガー1の重心が調節されている。
例えば、フック20を棒状部材Pに掛けた状態で、ハンガー本体10の±10度の揺れを許容するため、θを15度とし、θを10度とする。
これにより、バッグ用ハンガー1は、バッグを掛けていない状態で、ハンガー本体10の頂面12が半円状の他端12qから半円状の一端12pに向けて曲率半径Rが徐々に小さくなるように窄まる形状となるので、バッグの持ち手Mをハンガー本体10の手前から奥に向けて斜め下に一直線に移動させることができ、バッグの持ち手Mをハンガー本体10に掛けやすくなる。
そして、バッグの持ち手Mがハンガー本体10に掛けられた状態でハンガー本体10が多少揺れても、第2傾斜面12Bの最頂部が水平面に対して傾斜した状態を保ち、揺れに勢いがあってもバッグの持ち手Mが第2傾斜面12Bに干渉するので、持ち手Mが脱落することがない。
【0019】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係るバッグ用ハンガーは上述した実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。
【0020】
本発明によれば、ハンガー本体10の頂面12が、半円状の他端12qから半円状の一端12pに向けて曲率半径Rが徐々に小さくなるように窄まる形状であるので、バッグの持ち手Mを頂面12の手前の傾斜面上に掛けるだけで、自然に奥の傾斜面である第1傾斜面12Aに滑って移動するため、持ち手Mをハンガー本体10の奥に挿入しやすく、また、持ち手Mを奥の傾斜面から手前の傾斜面に向けて滑らせても引っ掛かることなく、持ち手Mを取り出しやすい。
本発明によれば、ハンガー本体10の頂面12が、半円状の他端12qから半円状の一端12pに向けて曲率半径Rが徐々に小さくなるように窄まる形状であるのに加え、一端12pに背板11が設けられるので、バッグの持ち手Mが頂面12と背板11の間に嵌って留まり、安定して掛けられる。
本発明によれば、頂面12が第1傾斜面12Aから第2傾斜面12Bにかけて凹状に屈曲しているので、バッグの持ち手Mを挿入しやすく、バッグを吊り下ろした状態で持ち手Mが滑り落ち難く、持ち手Mがハンガー本体10に引っ掛からずに取り出せる。
本発明によれば、ハンガー本体10の手前に掛けたバッグの持ち手Mが奥に移動し、手前の頂面12にスペースができるので、複数のバッグを掛けても、持ち手Mが重なりにくく、取り出しやすい。
【符号の説明】
【0021】
1 バッグ用ハンガー
10 ハンガー本体
11 背板
12 頂面
12A 第1傾斜面
12B 第2傾斜面
12p 一端
12q 他端
13 接続部
13h 穴
20 フック
21 軸
22 フック本体
23 ストッパ
ah 中心軸
av 鉛直軸
P 棒状部材
R 曲率半径
T テーブル
α 角度
θ1 角度
θ2 角度
図1
図2
図3
図4