【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「ライフサポート型ロボット技術に関する研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロボットは、ユーザに対して出力する内容を生成する生成部、前記生成部によって生成された内容を手話動作に変換する変換部および前記変換部によって変換された手話動作を出力する手話出力部をさらに含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の誘導サービスシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の移動ロボットシステムでは、移動ロボットは、案内サービスを行うことが出来ない場所、つまりロビーの外に向かう来訪者に対して案内サービスを提供することが出来ない。たとえば、ロビーの中の来訪者がロビーの外に向かって移動する場合、移動ロボットシステムは来訪者がロビーの外に向かっていると判断することはできるかもしれないが、移動ロボットは、来訪者を出入り口までしか案内することが出来ない。そして、来訪者が、移動ロボットによる案内サービスを常に必要としている場合、ユーザはロビーの外に出た時点で案内サービスの提供を受けることが出来なくなってしまう。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、誘導サービスシステム、誘導サービスプログラム、誘導サービス方法および誘導サービス装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、ユーザを適切に誘導することが出来る、誘導サービスシステム、誘導サービスプログラム、誘導サービス方法および誘導サービス装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0008】
第1の発明は、案内サービスを行うことが可能なロボット
を利用する誘導サービスシステムであって、それぞれのロボット
の案内サービスを提供できるサービス提供可能範囲を含むサービス許容範囲情報を記憶する記憶部、
ユーザの操作に応じて目的地を設定する目的地設定部、目的地が設定されたとき、ユーザの現在位置から目的地までの経路を検索する検索部、検索部によって複数の経路が検索されたとき、複数の経路を選択可能にユーザに提示する経路提示部、ユーザによって複数の経路から経路が選択されたかどうか判断する第1判断部、第1判断部がユーザが経路を選択したことを判断したとき、選択された経路を、
所定の分割ルールに従って複数のサービス範囲に分割する分割部、およびサービス許容範囲情報
に含まれるサービス提供可能範囲に基づいて、分割部によって分割された
複数のサービス範囲
の各々に対して
、該当するサービス提供能範囲を有するロボットを予約する予約部を備える、誘導サービスシステムである。
【0009】
第1の発明では、誘導サービスシステム(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)のロボット(14,16a)には、たとえば携帯端末(14)や、人型または車いすのロボット(16a)などが含まれ、ユニバーサルデザイン・ロボットと言われることもある。また、たとえば複数のサービス範囲のそれぞれにはロボットが配置されており、ロボットはサービス範囲内のユーザに対して案内サービスを行うことが可能である。記憶部(26)は、たとえばサーバ(12)のメモリであり、各ロボットの
案内サービス
提供可能範囲を含むサービス許容範囲情報を記憶する。
目的地設定部(20,S1)は、たとえば携帯端末に対するユーザの操作に応じて目的地を設定する。たとえば、検索部(20,S5)
は、目的地
が設定されると、外部アプリケーションを利用してユーザの現在位置から目的地までの経路を検索する。検索部(20,S5)によって複数の経路が検索されたとき、経路提示部(20,S17)は、複数の経路をユーザによって選択可能にユーザに提示する。第1判断部(20,S19)は、ユーザによって複数の経路から経路が選択されたかどうか判断する。ユーザによってどれかの経路が選択されたとき、分割部(20,S25)は、選択された経路を、
所定の分割ルールに従って複数のサービス範囲に分割する。たとえば、予約部(20,S31)は、サービス許容範囲情報
に含まれるサービス提供可能範囲に基づいて、分割部によって分割された
複数のサービス範囲
の各々に対して
、該当するサービス提供能範囲を有するロボットを予約する。
【0010】
第1の発明によれば、
ユーザが選択した経路において、サービス範囲内でロボットがユーザを案内するため、ユーザを目的地まで適切に誘導することが出来る。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属し、複数の経路はそれぞれ異なる交通手段を含む。
【0015】
第2の発明では、
交通手段として、たとえば、鉄道、バス、タクシー、船舶および飛行機など
がある。
【0017】
第3の発明は、第2の発明に従属し、選択された経路の交通手段の手配が必要かを判断する
第2判断部、および
第2判断部によって交通手段の手配が必要だと判断されたとき、交通手段の手配を行う手配部をさらに備える。
【0018】
第3の発明では、
第2判断部(20,S27)は、たとえばタクシー、飛行機または鉄道における特急を利用した移動が、選択された経路に含まれているかを判断する。手配部(20,S29)は、たとえば外部アプリケーションを利用して、交通手段を事前に手配する。
【0019】
第3の発明によれば、ユーザは、誘導サービスを利用して目的地に向かう際には、交通手段を事前に手配する作業を行わなくても済む。
【0020】
第4の発明は、第1の発明ないし
第3の発明のいずれかに従属し、記憶部は、ユーザの属性を示すユーザ属性情報をさらに記憶し、サービス許容範囲情報は、ロボットが案内サービスを行うことが可能なユーザの属性を示す対象属性種別を含み、予約部は、目的地を入力したユーザのユーザ属性情報および対象属性種別を含むサービス許容範囲情報に基づいて、分割部によって分割されたサービス範囲に対してロボットを予約する。
【0021】
第4の発明では、ユーザの属性は、たとえば外国人、視覚障がい者、歩行弱者および高齢者などであり、ユーザは誘導サービスシステムに対して、このような属性を示すユーザ属性情報を登録する。また、ロボットが案内サービスを行うことが可能なユーザの属性を示す対象属性種別は、たとえば外国人、視覚障がい者、歩行弱者および高齢者などである。そして、予約部は、このようなユーザ情報およびサービス許容範囲情報に基づいて、分割された各サービス範囲に対してロボットを予約する。
【0022】
第4の発明によれば、たとえば外国人、視覚障がい者、歩行弱者および高齢者などのユーザの属性を考慮して、適切なロボットを予約することが出来る。
【0023】
第5の発明は、第1の発明ないし
第4の発明のいずれかに従属し、ロボットは、介助サービスをさらに行うことが可能であり、ロボットによる介助サービスが必要であるかを判断する介助判断部をさらに備え、介助判断部によって介助サービスが必要だと判断されたとき、ユーザに対して案内サービスを行うと共に介助サービスを行う。
【0024】
第5の発明では、ロボットは、案内サービスの他に、介助サービスをさらに行うことができる。介助判断部(20,S21)は、案内するユーザに対して、ロボットによる介助サービスが必要であるかを判断する。たとえば、ユーザが介助を希望し、介助サービスが必要だと判断された場合、ロボットは、ユーザに対して案内サービスと共に介助サービスを行う。
【0025】
第5の発明によれば、ユーザを誘導する際にロボットによって介助が行われるため、ユーザは安心して目的地に向かうことが出来る。
【0037】
第6の発明は、
第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、
サービス許容範囲情報は、各ロボットの問い合わせ先情報をさらに含み、検索部によってユーザの現在位置から目的地までの経路を検索することができないとき、問い合わせ先の情報を利用して経路の再検索を行う再検索部をさらに備える。
【0038】
第6の発明では、
たとえばロボットの問い合わせ先情報は、URLなどであり、再検索部(20,S9)は、経路を検索できなかった場合は、たとえば問い合わせ先として登録されているURLが示すサイトにアクセスし、対応可能なロボットの有無などを確認する。また、検索部は、たとえば対応可能なロボットが有る場合は、そのロボットを利用して目的地までの経路を再検索する。
【0039】
第6の発明によれば、経路の再検索を可能にすることで、ユーザを誘導できない状況を極力回避する。
【0040】
第7の発明は、第1の発明ないし
第6の発明のいずれかに従属し、ロボットは、複数の言語文化に対応しており、ロボットは、複数の言語文化のうち利用する言語文化を決める決定部、決定部で決められた言語文化による入力を受け付ける言語文化受付部、および決定部で決められた言語文化に基づいた出力を行う出力部を含む。
【0041】
第
7の発明では、ロボットは、様々な国、つまり複数の言語文化に対応している。決定部(30,50)は、たとえばプロセッサであり、たとえばユーザの操作に応じて、複数の言語文化のうち利用する言語文化を決める。言語文化受付部(36,52)は、たとえばマイクであり、決定部で決められた言語文化による入力を受け付ける。出力部(32,38,54)は、たとえばスピーカであり、決定部で決められた言語文化に基づいた出力を行う。
【0042】
第7の発明によれば、ロボットを複数の言語文化に対応させることで、様々な国や地域の人々をユーザとし、目的地まで誘導することが出来る。
【0050】
第8の発明は、第1の発明ないし
第7の発明のいずれかに従属し、ロボットは、ユーザに対して出力する内容を生成する生成部、生成部によって生成された内容を手話動作に変換する変換部および変換部によって変換された手話動作を出力する手話出力部をさらに含む。
【0051】
第8の発明では、生成部(30,50)は、たとえばユーザに対して出力するメッセージなどの内容を生成する。変換部(30,50)は、たとえば生成されたメッセージの内容を手話動作に変換する。手話出力部(32,58)は、変換された手話動作を出力する。
【0052】
第8の発明によれば、ロボットは、聴覚障がい者に対して適切にメッセージを伝えることが出来る。
【0061】
第9の発明は、案内サービスを行うことが可能なロボット
を利用する誘導サービスシステムであって、それぞれのロボット
(14,16a)の案内サービスを提供できるサービス提供可能範囲を含むサービス許容範囲情報を記憶する記憶部を有する、誘導サービスシステムのプロセッサ(20)を、
ユーザの操作に応じて目的地を設定する目的地設定部(S1)、目的地が設定されたとき、ユーザの現在位置から目的地までの経路を検索する検索部(S5)、検索部によって複数の経路が検索されたとき、複数の経路を選択可能にユーザに提示する経路提示部(S17)、ユーザによって複数の経路から経路が選択されたかどうか判断する第1判断部(S19)、第1判断部がユーザが経路を選択したことを判断したとき、選択された経路を、
所定の分割ルールに従って複数のサービス範囲に分割する分割部(S25)、およびサービス許容範囲情報
に含まれるサービス提供可能範囲に基づいて、分割部によって分割された
複数のサービス範囲
の各々に対して
、該当するサービス提供能範囲を有するロボットを予約する予約部(S31)として機能させる、誘導サービスプログラムである。
【0062】
第9の発明でも、第1の発明と同様、
ユーザが選択した経路において、サービス範囲内でロボットがユーザを案内するため、ユーザを目的地まで適切に誘導することが出来る。
【0063】
第10の発明は、案内サービスを行うことが可能なロボット
を利用する誘導サービスシステムであって、それぞれのロボット
(14,16a)の案内サービスを提供できるサービス提供可能範囲を含むサービス許容範囲情報を記憶する記憶部(26)を有する、誘導サービスシステム(10)
における誘導サービス方法であって、ユーザの操作に応じて目的地を設定する目的地設定ステップ(S1)、目的地が設定されたとき、ユーザの現在位置から目的地までの経路を検索する検索ステップ(S5)、検索ステップ
で複数の経路が検索されたとき、複数の経路を選択可能にユーザに提示する経路提示ステップ(S17)、ユーザによって複数の経路から経路が選択されたかどうか判断する第1判断ステップ(S19)、第1判断ステップでユーザが経路を選択したことを判断したとき、選択された経路を、
所定の分割ルールに従って複数のサービス範囲に分割する分割ステップ(S25)、およびサービス許容範囲情報
に含まれるサービス提供可能範囲に基づいて、分割
ステップで分割された
複数のサービス範囲
の各々に対して
、該当するサービス提供能範囲を有するロボットを予約する予約ステップ(S31)を実行する、誘導サービス方法である。
【0064】
第10の発明でも、第1の発明と同様、
ユーザが選択した経路において、サービス範囲内でロボットがユーザを案内するため、ユーザを目的地まで適切に誘導することが出来る。
【0065】
第11の発明は、案内サービスを行うことが可能なロボット
を利用する誘導サービス装置であって、それぞれのロボット
(14,16)の案内サービスを提供できるサービス提供可能範囲を含むサービス許容範囲情報を記憶する記憶部(26)、
ユーザの操作に応じて目的地を設定する目的地設定部(20,S1)、目的地が設定されたとき、ユーザの現在位置から目的地までの経路を検索する検索部(20,S5)、検索部によって複数の経路が検索されたとき、複数の経路を選択可能にユーザに提示する経路提示部(20,S17)、ユーザによって複数の経路から経路が選択されたかどうか判断する第1判断部(20,S19)、第1判断部がユーザが経路を選択したことを判断したとき、選択された経路を、
所定の分割ルールに従って複数のサービス範囲に分割する分割部(20,S25)、およびサービス許容範囲情報
に含まれるサービス提供可能範囲に基づいて、分割部によって分割された
複数のサービス範囲
の各々に対して
、該当するサービス提供能範囲を有するロボットを予約する予約部(20,S31)を備える、誘導サービス装置である。
【0066】
第11の発明でも、第1の発明と同様、
ユーザが選択した経路において、サービス範囲内でロボットがユーザを案内するため、ユーザを目的地まで適切に誘導することが出来る。
【発明の効果】
【0067】
この発明によれば、ユーザを目的地まで適切に誘導することが出来る。
【0068】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1を参照して、実施例の誘導サービスシステム10は、サーバ12を含み、サーバ12はネットワーク100を介して、携帯端末14、サービスロボット16aおよび環境センサ16bなどと接続される。また、サーバ12はネットワーク100を介して複数の交通手段管理サーバ102と通信を行うこともある。さらに、交通手段管理サーバ102は、交通手段と通信を行う。なお、交通手段には、タクシー、バス、鉄道、船舶および飛行機などの公共交通機関が含まれる。
【0071】
また、携帯端末14はユーザによって携帯され、サービスロボット16aおよび環境センサ16bは複数のサービス範囲(第1サービス範囲、第2サービス範囲、…第nサービス範囲)のそれぞれに配置される。
【0072】
本実施例では、駅や空港などの交通手段の施設およびテーマパークや遊園地などの周辺などが「サービス範囲」とされ、サービス範囲はノードとも言われることもある。また、タクシーなどの交通手段がサービス範囲とされることもある。そのため、各サービス範囲は、様々な種類の交通手段で結ばれたり、交通手段とされたサービス範囲によって接続されたりする。なお、隣接するサービス範囲は、徒歩によって移動することも可能である。
【0073】
本実施例の誘導サービスシステム10は、ユーザが居るサービス範囲内ではサービスロボット16aなどによってユーザを案内し、ユーザがいる現在のサービス範囲(第1サービス範囲)から目的地を含む他のサービス範囲(第nサービス範囲)まで、ユーザを誘導する。したがって、ユーザは、誘導サービスシステム10によって、現在位置から目的地まで誘導される。
【0074】
サーバ12は誘導サービス装置と言われることもあり、誘導サービスシステム10全体の動作を制御する。また、サーバ12は、必要に応じて誘導サービスシステム10の管理者(以下、単に管理者と言う。)によって操作されることもある。
【0075】
携帯端末14は、GPS衛星(図示せず)からの信号に基づき自己(つまりユーザ)の現在位置を検出したり、ユーザの脈拍や運動量を検出したり、仮想空間内のバーチャルロボット(図示せず)を通じてユーザと対話したりすることができる。
【0076】
サービスロボット16aは、人型ロボットおよび車いすロボットを含み、後述する案内サービスおよび介助サービスを、自身が配置されたサービス範囲内で行う。人型ロボットは、頭部、腕(手を含む)および車輪などを有し、ユーザとジェスチャを交えて対話しながらサービス範囲内を自律的に移動できる。車いすロボットは、椅子および車輪を有し、ユーザを乗せた状態で、ユーザと対話しながらサービス範囲内を自律的に移動できる。つまり、人型ロボットはユーザと伴走する機能を有しており、車いすロボットはユーザを搬送する機能を有している。
【0077】
環境センサ16bは、レーザレンジファインダ、赤外線センサ、イメージセンサなどで構成され、サービス範囲内の所定位置(たとえば入口、通路沿いなど)に固定されたインビジブルロボットとして、ユーザに意識されることなくユーザを検出(顔を認識して位置を特定)できる。
【0078】
なお、交通手段がサービス範囲とされた場合は、サービスロボット16aおよび環境センサ16bがサービス範囲内に配置されない場合もある。
【0079】
また、本実施例では、携帯端末14、サービスロボット16a、環境センサ16bおよび交通手段をまとめて、「ユニバーサルデザイン・ロボット」と言うことがある。そして、本実施例における「ユニバーサルデザイン・ロボット」とは、人間(ユーザ)が行動するときに利用されるものを指し、タクシーや鉄道などもユニバーサルデザイン・ロボットに含まれる。また、以下の説明では、ユニバーサルデザイン・ロボットのことを単に「ロボット」と言うこともある。
【0080】
図2には、サーバ12の構成例が示される。
図2を参照して、サーバ12は、プロセッサ20、入力装置22、出力装置24、メモリ26および通信回路28を備える。入力装置22はキーボードおよびマウスなどを含む。そのため、入力装置22は、オペレータ(または管理者)によって操作され、プロセッサ20に命令を入力して情報処理を実行させる。そして、出力装置24は、表示装置などを含み、プロセッサ20による情報処理の結果を出力する。メモリ26は、プロセッサ20に情報処理を行わせるためのプログラムやデータを記憶する。通信回路28は、プロセッサ20をネットワーク100に通信可能に接続する。なお、オペレータは、各サービス範囲に配置されるサービスロボット16aを遠隔操作することもできる。
【0081】
図3には、携帯端末14の構成例が示される。
図3を参照して、携帯端末14は、プロセッサ30、表示装置32、タッチパネル34、マイク36、スピーカ38、センサ40
、メモリ42、無線通信回路44およびGPS回路46を備える。表示装置32およびタッチパネル34でタッチ画面が構成され、プロセッサ30は、タッチ画面を通じてユーザに情報を提示したり入力(選択)させたりする。また、プロセッサ30は、表示装置32にバーチャルロボットを表示して、マイク36およびスピーカ38を通じユーザと対話する。センサ40は加速度センサやジャイロスコープなどを含み、プロセッサ30は、センサ40の出力に基づきユーザの脈拍や運動量を検出する。
【0082】
メモリ42は、プロセッサ30に上記のような処理を行わせるためのプログラムやデータを記憶する。無線通信回路44は、プロセッサ30をネットワーク100に無線通信可能に接続する。GPS回路46は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、携帯端末14(ユーザ)の現在位置を受信信号に基づき検出し、検出結果を示す現在位置情報を出力する。
【0083】
なお、携帯端末14のプロセッサ30には、テンキーなどを含むキー入力部(または入力装置)がさらに接続されてもよい。
【0084】
図4には、サービスロボット16aの構成例が示される。
図4を参照して、サービスロボット16aは、プロセッサ50、マイク52、スピーカ54、センサ56、モータ58、メモリ60および無線通信回路62を備える。プロセッサ50は、マイク52およびスピーカ54を通じてユーザと対話する。センサ56はイメージセンサや赤外線センサなどを含み、プロセッサ50は、センサ56の出力に基づき、モータ58を制御したり、ユーザを検出したりする。モータ58は、プロセッサ50の制御下で車輪(人型ロボットの場合はさらに腕/頭部)を駆動する。
【0085】
メモリ60は、プロセッサ50に上記のような処理を行わせるためのプログラムやデータを記憶する。無線通信回路62は、プロセッサ50をネットワーク100に無線通信可能に接続する。
【0086】
ここで、本実施例の携帯端末14およびサービスロボット16aは、複数の言語文化に対応しており、たとえばユーザの操作に応じて利用する言語文化が決定される。そして、本実施例の携帯端末14およびサービスロボット16aは、マイク36またはマイク52によってユーザからの言語(言語文化)入力を受け付け、スピーカ38またはスピーカ54によって言語(言語文化)を出力する。また、言語の出力には、携帯端末14の表示装置32が利用されることもある。このように、携帯端末14およびサービスロボット16aなどを含むユニバーサルデザイン・ロボットを複数の言語文化に対応させることで、様々な国や地域の人々をユーザとして目的地まで誘導することが出来る。このような場合、携帯端末14のプロセッサ30およびサービスロボット16aのプロセッサ50は決定部として機能し、マイク36およびマイク52は言語文化受付部として機能し、表示装置32、スピーカ38およびスピーカ54は出力部として機能する。
【0087】
また、携帯端末14およびサービスロボット16aは、周囲で開催されているイベントのイベント情報を無線通信回路44または無線通信回路62を利用する通信によって取得(受信)することが可能である。そして、携帯端末14およびサービスロボット16aは、受信したイベント情報に基づいて言語文化を決定してもよい。このような場合、無線通信回路44および無線通信回路62は通信部として機能する。
【0088】
さらに、携帯端末14およびサービスロボット16aは、センサ40またはセンサ56にカメラが含まれていてもよい。この場合、ユーザの顔の画像を撮影(取得)し、その画像を解析することで、利用する言語文化を決定することができる。このような場合、センサ40およびセンサ56は画像取得部として機能し、プロセッサ30およびプロセッサ5
0は画像処理部として機能する。
【0089】
そして、携帯端末14およびサービスロボット16aは、マイク36またはマイク52によって周囲またはユーザの音声を集音し、集音した音声を解析することで、利用する言語文化を決定してもよい。このような場合、マイク36およびマイク52は集音部として機能し、プロセッサ30およびプロセッサ50は音声処理部として機能する。
【0090】
このように、携帯端末14およびサービスロボット16aを含む本実施例のユニバーサルデザイン・ロボットは、周囲のイベント情報、ユーザの画像および音声など、様々なものに基づいて、利用する言語文化を決めることが出来る。
【0091】
また、本実施例の携帯端末14およびサービスロボット16aは、手話動作を出力することも可能である。具体的には、携帯端末14のプロセッサ30およびサービスロボット16aのプロセッサ50は、出力する内容を生成すると手話動作に変換し、モータ58によって動作する腕または携帯端末14の表示装置32などによって手話動作を出力する。このように、携帯端末14およびサービスロボット16aを含むユニバーサルデザイン・ロボットは、聴覚障がい者に対して適切にメッセージを伝えることが出来る。このような場合、プロセッサ30およびプロセッサ50は生成部または変化部として機能し、表示装置32およびモータ58は手話出力部として機能する。また、サービスロボット16aのモータ58は動作部として機能する。
【0092】
なお、携帯端末14の表示装置32によって手話動作を出力する際には、変換された手話動作を示す動画が生成され、その動画が表示装置32によって表示される。この場合、携帯端末14のプロセッサ50は動画生成部として機能し、表示装置32は表示部として機能する。
【0093】
このように、携帯端末14およびサービスロボット16aを含む本実施例のユニバーサルデザイン・ロボットは、動画やモータ58によって動作する腕などの様々なものを利用して、手話動作を出力することが出来る。
【0094】
また、人型ロボットによって手話動作を出力する場合、人型ロボットの腕、手および顔を通常の体型比とは異なる大きさにしてもよい。この場合、通常の体型比の人型ロボットに対して、手話動作を強調して出力することが出来る。
【0095】
図5には、交通手段管理サーバ102の構成例が示される。
図5を参照して、交通手段管理サーバ102は、サーバ12と同様、プロセッサ80、入力装置82、出力装置84、メモリ86および通信回路88を備えると共に、無線通信回路90も備える。なお、プロセッサ80、入力装置82、出力装置84、メモリ86および通信回路88は、サーバ12のものと略同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
無線通信回路90は、対応する交通手段と無線通信可能に接続する。そして、このような交通手段管理サーバ102は、対応する交通手段の運行状況を把握したり、交通手段の配車や交通手段の席を予約したりすることに利用される。
【0097】
以上のように構成された誘導サービスシステム10上では、各種のサービスを提供するアプリケーションソフトウェア(以下“アプリ”)が実行される。実行されるアプリの一例としては、誘導サービスアプリおよび案内サービスアプリなどである。また、誘導サービスアプリおよび案内サービスアプリと対応するプログラムには、連携情報が付加されている。
【0098】
すなわち、誘導サービスアプリは、上述したようにユーザを目的地まで誘導するためのアプリであって、案内サービスアプリと連携可能である。また、誘導サービスアプリは、必要に応じて外部アプリケーションを利用することもある。案内サービスアプリは、たとえばサービスロボット16aを利用してサービス範囲内でユーザを案内するアプリあって、誘導サービスアプリと連携可能である。たとえば、誘導サービスアプリによってサービスロボット16aが予約されると、案内サービスアプリが実行される。
【0099】
なお、他の実施例では、連携可能な買物支援アプリ、回遊支援アプリ、健康見守りアプリと対応するプログラムが、誘導サービスシステム10上で実行されてもよい。また、上記の「買物」とは、既に買いたいものが決まっていて、その売り場に直行するような購買行動をいい、「回遊」とは、未だ買いたいものが決まっておらず、ショッピングセンタ(サービス範囲)内を巡回しながら買いたいものを見つけるような購買行動をいう。
【0100】
誘導サービスシステム10では、主としてサーバ12のプロセッサ20が、メモリ26に記憶された
図6−
図10、
図12、
図14、
図16に示すようなプログラムおよびデータに基づいて、
図17に示すような機能を持つロボットサービス連携プラットフォーム(適宜“PF”のように略記)を実現して、
図18−
図20のフローに従う処理を実行することにより、複数のアプリがそれぞれ提供する複数のサービスを、ユーザに対し連携させて提供することができる。
【0101】
図6には、メモリ26の内容が示される。
図6を参照して、メモリ26はプログラムエリア300、遷移データエリア310および非遷移データエリア330を含み、プログラムエリア300にはアプリケーションプログラム302、サービス連携プログラム304および交通手段管理プログラム306が記憶される。
【0102】
アプリケーションプログラム302は、誘導サービスシステム10のハードウェアを制御して各種サービスをユーザに提供するためのプログラムである。また、アプリケーションプログラム302は、誘導サービスアプリに対応する誘導サービスプログラム302aおよび案内サービスアプリに対応する案内サービスプログラム302bなどが含まれる。サービス連携プログラム304は、アプリケーションプログラム302に基づく複数のサービスを互いに連携させるためのプログラムである。交通手段管理プログラム306は、交通手段を手配するためのプログラムである。
【0103】
遷移データエリア310には、現在位置情報312、ロボット状態情報314、サービス状態情報316、イベントキュー情報318、外部アプリケーション情報320、出力情報322、サービス範囲情報324および予約情報326が記憶される。
【0104】
現在位置情報312は、携帯端末14つまりユーザの現在位置を示す情報であり、主として携帯端末14自身のGPS回路46から出力される現在位置情報を用いる(環境センサ16bから得られる現在位置情報で代用してもよいし、両者を併用してもよい)。
【0105】
ロボット状態情報314は、
図1に示した各種のロボット(14,16a)の状態(たとえば利用可能な状態(待機)か、いずれかのサービスに利用されている状態(対応中)か等)を示す情報であり、当該ロボット自身から提供される情報を用いる。
【0106】
サービス状態情報316は、アプリが提供する複数のサービスの状態を示す情報であり、当該アプリ自身から提供されるイベント情報に基づきサービス連携プログラム304によって制御される。
【0107】
イベントキュー情報318は、アプリが提供する複数のサービスを連携させるために、
サービス連携プログラム304によって制御される情報であり、たとえば
図7に示すような内容を有する。
【0108】
図7のイベントキュー情報318は、誘導サービスおよび案内サービスを連携させるものである。誘導サービスの開始条件として「ユーザの入力」が登録され、さらに案内サービスの開始条件として「ロボットの予約」が登録されている。このように、誘導サービスおよび案内サービスを連携させる場合、誘導サービスによるロボットの予約を関連付けて登録する。
【0109】
図6に戻って、外部アプリケーション情報320は、誘導サービスプログラム302aが外部アプリケーションを利用したときに得られた情報である。出力情報322は、後述するユーザ・インターフェースUIが、ユーザに対して出力する情報である。たとえば、本実施例では、外部アプリケーション情報320に基づいて出力情報322が作成され、この出力情報322に基づいて
図11に示す経路選択画面が表示される。
【0110】
サービス範囲情報324は、
図11に示す経路選択画面で選択された経路をサービス範囲に分割した結果を示す情報であり、その内容はたとえば
図12(A)−
図12(C)に示すものである。予約情報326は、サービス範囲情報324によって示される各サービス範囲に対して予約されたサービスロボット16aを示す情報であり、たとえば
図14、
図16に示すものである。
【0111】
非遷移データエリア330には、ユーザ属性情報332、ロボット情報334、サービス許容範囲情報336および地図情報338が記憶される。
【0112】
ユーザ属性情報332は、ユーザの属性を示す情報であり、たとえば
図8に示すように、ユーザ(携帯端末)ID(AAA,BBB,…)および属性(外国人、高齢者、視覚障がい者、歩行弱者、…)が互いに関連付けて登録されている。
【0113】
ロボット情報334は、
図1に示す誘導サービスシステム10に含まれる各種サービスロボット16aの属性、機能および移動範囲を示す情報であり、たとえば
図8に示すように、ロボットID(R1,R2,…)、属性(車いす、人型、モノレール、タクシー、バーチャル、インビジブル、…)、機能(「案内、車いす、対話」、「案内、荷物持ち、対話」、「移動」、「案内、対話」、「人検出」、…)および移動範囲(「O空港」、「遊園地」、「モノレール」、「携帯端末の通信可能範囲内」、「サービス範囲内の所定位置に固定」、…)が互いに関連付けて登録されている。
【0114】
サービス許容範囲情報336は、各種サービスロボット16aの伴走/搬送可能範囲、伴走/搬送可能人数、伴走/搬送対象属性種別および問い合わせ先などを含む情報である。たとえば、
図10に示すように、ロボット(大阪空港南Aロボット(R1)、大阪空港南Bロボット(R2)、…)、伴走/搬送可能範囲(O空港南ターミナル、遊園地ゲート、…)、伴走/搬送可能人数(1人、1人−2人、1−4人、…)、伴走/搬送対象属性種別(外国人、歩行弱者、車いす、視覚障がい者、高齢者、…)および問い合わせ先(URL:「http://www.a…」、「http://www.b…」、…)が互いに関連付けて登録されている。
【0115】
地図情報338は、ユーザの行動範囲(少なくとも全てのサービス範囲を含む範囲)をカバーする広域地図情報と、サービスロボット16aの伴走/搬送可能範囲(つまりサービス範囲)に関する詳細地図情報とを含む。詳細地図情報には、サービス範囲内での店舗や売り場の配置に加え、サービスロボット16aの移動を妨げる段差および障害物なども記述される。
【0116】
ここで、O空港から遊園地に向かおうとしているユーザによって誘導サービスシステム10が利用されたときの例を挙げて、誘導サービスシステム10の動作を説明する。たとえば、ユーザは、O空港の南ターミナルで携帯端末14を利用し、誘導サービスシステム10に対して目的地として遊園地を入力する。このとき、誘導サービスシステム10では、ユーザの入力に応じて誘導サービスアプリが実行される。そして、誘導サービスアプリは、現在位置情報312と入力された目的地とを、経路検索を行うことが可能な外部アプリケーションに入力して、経路の検索結果を得る。
【0117】
経路検索を行うことが可能な外部アプリケーションは、一例として「駅探(登録商標)」が提供するサイト上で動作する経路検索のアプリケーションや、「google(登録商標)」が提供するweb上の地図で利用可能な「ルート・乗換案内」のアプリケーションなどである。
【0118】
外部アプリケーションによって検索された経路の結果は、外部アプリケーション情報320として遷移データエリア310に記憶される。そして、経路の検索結果を表示するための出力情報322が作成される。このとき、出力ルールに従って出力情報322が作成される。
【0119】
実施例の出力ルールには、「出力ルール1:乗換駅には鉄道名を追加して2つの駅に分割する。」、「出力ルール2:乗換ポイント(駅)間はサービスロボット16aによる伴走または搬送の介助を示す「介助歩行」を追加する。」、「出力ルール3:「徒歩」による移動はサービスロボット16aによる介助を示す「介助歩行」を追加する。」および「出力ルール4:駅には翻訳または通訳の介助を示す「(介助)」を追加する。」が含まれる。
【0120】
このように、ユーザを誘導する際にロボットによって介助を行うようにすることで、ユーザは安心して目的地に向かうことが出来る。たとえば、交通手段を使って移動している際に、翻訳または通訳の介助をユーザに提供することで、ユーザはユニバーサルデザイン・ロボットによる誘導が適切であるかを判断することが出来る。また、徒歩による移動が必要な場合には、サービスロボット16aは伴走または搬送の介助を行うことで、ユーザを安全に誘導することが出来る。
【0121】
たとえば、O空港の南ターミナルから遊園地に向かう場合の経路は3種類であり、それぞれの経路を含む経路選択画面を
図11に示す。
図11を参照して、この経路選択画面は、出力ルールに従って作成した出力情報322に基づいて表示される。また、各経路には、その経路を選択するための選択キーと、「介助歩行」および「(介助)」をそれぞれ選択するための介助キーと、経路に含まれる「介助歩行」および「(介助)」を一括で選択する一括選択キーとが対応付けられている。
【0122】
経路1は交通手段としてバスを利用したときの経路を示す。経路1では、O空港の南ターミナルからそのターミナルにあるバス停までと、遊園地の近隣にあるバス停から遊園地ゲートまでとが「徒歩」による移動である。そのため、経路1には、「介助歩行」と対応する介助キーが対応付けて表示される。
【0123】
経路2は交通手段としてタクシーを利用したときの経路を示す。経路2では、O空港の南ターミナルからそのターミナルタクシー乗り場までと、遊園地の近隣にあるタクシー降り場から遊園地ゲートまでとが「徒歩」による移動である。そのため、経路2には、「介助歩行」と対応する介助キーが対応付けて表示される。
【0124】
経路3は交通手段として鉄道を利用したときの経路を示す。経路3では乗換駅が2つ分割され、各駅の間および徒歩による移動が「介助歩行」とされ、駅には「(介助)」が付与される。そのため、経路3には、複数の「介助歩行」および複数の「(介助)」と対応する介助キーが対応付けて表示される。
【0125】
そして、ユーザは、介助キーまたは一括選択キーによって誘導中の介助サービスの要否を選んだ後に、任意の経路と対応する選択キーに操作することで、任意の経路による誘導サービスを受けることが出来る。なお、各キーが操作されるとキーの色が反転し、キーが操作されたことを示す。
【0126】
続いて、経路が選択されると、選択された経路がサービス範囲に分割され、サービス範囲情報324が作成される。このとき、経路は分割ルールに従ってサービス範囲に分割される。
【0127】
実施例の分割ルールには、「分割ルール1:交通手段の前後で分割する。」、「分割ルール2:乗換駅は改札口と、改札口からホームまでとに分割する。」、「分割ルール3:サービス範囲は乗換ポイントの冒頭部からとする」および「分割ルール4:タクシーの移動を1つのサービス範囲とする。」が含まれる。
【0128】
また、経路がサービス範囲に分割されると、交通手段を事前に手配する必要があるか否かが判断される。つまり、タクシー、飛行機または鉄道における特急を利用した移動が、選択された経路に含まれているかが判断される。そして、これらが経路に含まれている場合は、交通手段と対応する交通手段管理サーバ102が提供する外部アプリケーションを利用して、その交通手段を事前に手配する。したがって、ユーザは、誘導サービスを利用して目的地に向かう際には、交通手段を事前に手配する作業を行わなくても済む。なお、交通手段を手配するときには、ユーザの属性が参照され、その属性に対応するものが選ばれる。
【0129】
交通手段の手配の要否の確認が済むと、ロボットが予約される。このとき、目的地を入力したユーザの属性がユーザ属性情報332から読み出される。そして、ユーザの属性と同じ属性を示す対象属性種別のロボットが、サービス許容範囲情報336に基づいて選択され、各サービス範囲に対して予約される。
【0130】
たとえば、一括選択キーが選択された後に経路1が選択されると
図12(A)に示すサービス範囲情報324が作成される。
図12(A)を参照して、経路1は、2個のノード、つまり2個のサービス範囲に分割される。具体的には、O空港南ターミナルを示すノード11と、遊園地を示すノード12とに分割される。そして、経路1の2個のサービス範囲に対してユニバーサルデザイン・ロボットを予約する場合、現在のユーザ(AAA)の属性に「外国人」が含まれているため、同じ属性を示す対象属性種別のロボットである必要がある。そのため、対象属性種別が「外国人」である「O空港南Aロボット(R1)」がノード11に対して予約され、同じく対象属性種別が「外国人」である「遊園地Bロボット(R4)」がノード12に対して予約される。つまり、ノード11に対してR1のサービスロボット16aが予約され、ノード12に対してR4のサービスロボット16aが予約され、予約情報326は
図14に示すようになる。
【0131】
また、一括選択キーが選択された後に経路2が選択されると
図12(B)に示すサービス範囲情報324が作成される。
図12(B)を参照して、経路2は、3個のノード、つまり3個のサービス範囲に分割される。また、経路にタクシーの移動が含まれているため、ユニバーサルデザイン・ロボットとしてタクシーが手配される。このとき、現在のユーザ(AAA)の属性に「外国人」が含まれているため、対象属性種別に「外国人」が含ま
れるタクシーが手配される。また、経路2の3個のサービス範囲に対してユニバーサルデザイン・ロボットを予約する場合、現在のユーザ(AAA)の属性に「外国人」が含まれているため、同じ属性を示す対象属性種別のロボットである必要がある。そのため、象種別が「外国人」である「O空港南Aロボット(R1)」がノード21に対して予約され、同じく対象属性種別が「外国人」である「遊園地Bロボット(R4)」がノード23に対して予約される。そして、既に手配されている「タクシーA」がノード22に対して予約される。つまり、経路2が選択された場合、ノード21に対してR1のサービスロボット16aが予約され、ノード22に対してタクシーAのユニバーサルデザイン・ロボットが予約され、ノード23に対してR4のサービスロボット16aが予約され、予約情報326は
図16に示すようになる。
【0132】
また、一括選択キーが選択された後に経路3が選択されると
図12(C)に示すサービス範囲情報324が作成される。
図12(C)を参照して、経路3は、11個のノード、つまり11個のサービス範囲に分割される。そして、図示は省略するが、経路3の11個のサービス範囲にユニバーサルデザイン・ロボットが予約されると、予約情報326には11個のノードに対応して11台のユニバーサルデザイン・ロボットが記録される。
【0133】
なお、上述の説明から分かるように、
図12(A)−
図12(C)に示すサービス範囲情報324は、複数のノードから構成される。ただし、他の実施例では、サービス範囲情報324を構成するノードは1個であってもよい。
【0134】
このようにして、経路が選択され、経路の各サービス範囲に対してユニバーサルデザイン・ロボットが予約されると、案内サービスアプリが実行される。案内サービスアプリが実行されると、予約された各ユニバーサルデザイン・ロボットに対してユーザの情報および経路情報が送信され、予約した各ユニバーサルデザイン・ロボットの状態が「対応中」に変更される。
【0135】
また、ユーザ情報および経路情報を受け取ったユニバーサルデザイン・ロボットは、自身のサービス範囲において案内情報を作成し、ユーザを確認するまで所定の場所でユーザを待つ。たとえば、人型ロボットであれば、ユーザ情報と対応するユーザが所定範囲に入ったときにユーザを確認し、自身のサービス範囲内でユーザを案内(伴走)する。また、車いすロボットであれば、ユーザが座ったときにユーザを確認し、自身のサービス範囲においてユーザを案内(搬送)する。このように、ユニバーサルデザイン・ロボットは、ユーザに対する案内サービスを、適切なタイミングで開始することが出来る。
【0136】
そして、案内サービスを開始したユニバーサルデザイン・ロボットは、自身が配置されたサービス範囲から次のサービス範囲へユーザを案内する。このように、各サービス範囲内でユニバーサルデザイン・ロボットがユーザを案内するため、ユーザを目的地まで適切に誘導することが出来る。
【0137】
特に、本実施例では、公共交通機関などの交通手段を利用した経路が検索によって得られるため、様々な場所を目的地としてユーザを誘導することが可能となる。
【0138】
また、本実施例では、たとえば高齢者や、外国人などのユーザの属性を考慮して、適切なニバーサルデザイン・ロボットを予約することができる。
【0139】
ここで、誘導経路の検索の際に検索結果を得ることが出来なかった場合は、サービス許容範囲情報336に含まれる各ユニバーサルデザイン・ロボットの問い合わせ先を利用して、経路の再検索を行う。具体的には、問い合わせ先として登録されているURLが示すサイトにアクセスし、対応可能なロボットの有無などが確認される。対応可能なロボット
が有る場合は、そのロボットを利用して目的地までの経路を再検索する。その結果、経路の検索結果が得られれば、通常の検索結果が得られた場合と同様、その検索結果を利用して出力情報322が作成される。このように、経路の再検索を可能にすることで、ユーザを誘導できない状況を極力回避する。
【0140】
なお、再検索でも検索結果を得られなかった場合や、問い合わせた結果動作可能なロボットが無かった場合は、経路を検索できなかったとして、エラー画面を携帯端末14の表示装置32に表示するか、サービスロボット16aのマイク52から音声を出力することで、ユーザに対してエラーを通知する。
【0141】
また、ユーザ属性情報332は、ユーザが誘導サービスを利用する前に登録してもよいし、ユーザが誘導サービスを利用するときに登録してもよい。また、ユーザが持つ携帯端末14に記録されている個人情報や、パスポートなどの個人情報を元に、ユーザ属性情報332が自動的に登録されてもよい。
【0142】
また、上記の実施例では、誘導するユーザが1人である場合について説明したが、本実施例の誘導サービスシステム10は、複数のユーザを同時に誘導することも可能である。そして、複数のユーザを同時に誘導する場合には、サービス許容範囲情報336の伴走/搬送可能人数の列の情報に基づいて、適切なロボットが予約される。つまり、本実施例では、誘導するユーザの人数に適したユニバーサルデザイン・ロボットが予約される。
【0143】
図17には、
図1−
図5のハードウェア(特にサーバ12のプロセッサ20およびメモリ26)および
図6−
図10、
図12、
図14、
図16のソフトウェアによって実現されるサービス連携プラットフォーム(PF)の機能的な構成が示される。
図17を参照して、このPFは、誘導サービスアプリケーション、案内サービスアプリケーション、…が属するアプリケーション層L1と、コンポーネントC1(車いすロボットの搬送機能)、コンポーネントC2(人型ロボットの伴走機能)、コンポーネントC3(環境センサ16bの検出機能)、…が属するコンポーネント層L2との間に形成され、状態管理機能F1、位置検出機能F2、サービス連携機能F3、データベースDB、イベントキューICおよびユーザ・インターフェースUIを備える。
【0144】
ただし、ユーザ・インターフェースUIは、携帯端末14またはロボット16とユーザとの間のUIコンポーネントとして、コンポーネント層L2に属してよい。また、アプリケーション層L1には新たなアプリが、コンポーネント層L2にも新たなコンポーネントが、それぞれ追加されてよい。
【0145】
状態管理機能F1は、各ロボットの状態および各サービスの状態などを管理する機能であり、ロボット状態情報314、サービス状態情報316、サービス範囲情報324および予約情報326を制御する。位置検出機能F2は、ユーザの現在位置を検出する機能であり、現在位置情報312を制御する。データベースDBは、サービス連携機能F3が必要とする各種の情報、ここではユーザ属性情報332、ロボット情報334、サービス許容範囲情報336および地図情報338を記憶する。
【0146】
イベントキューICは、所定のイベントを開始条件としてサービスを登録するためのものであり、イベントキュー情報318に対応する。ユーザ・インターフェースUIは、ユーザに連携可能なサービスの組み合わせを提示して必要な組み合わせを選択させるためのものであり、出力情報322を制御する。そして、サービス連携機能F3は、データベースDBを参照しつつ状態管理機能F1および位置検出機能F2を利用してイベントキューICへのサービスの登録を行うことで、上述したような誘導サービスを実現する。
【0147】
上述では本実施例の特徴を概説した。以下では、
図18−
図20に示すフロー図を用いてサーバ12のプロセッサ20の動作によって実現されるPFの処理について詳細に説明する。
【0148】
サーバ12のプロセッサ20は、Linux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、
図18、
図19に示す誘導サービス処理および
図20に示す案内サービス処理などを含む、複数のタスクを処理する。
【0149】
図18、
図19は誘導サービス処理のフロー図である。たとえば、ユーザが携帯端末14に対して入力を行うと、誘導サービス処理が実行される。誘導サービス処理が実行されると、プロセッサ20はステップS1で、目的地が設定されたか否かを判断する。たとえば、携帯端末14のタッチ画面に対するタッチ操作や、携帯端末14のマイク36を利用した音声操作によって、目的地が入力されたかが判断される。ステップS1で“NO”であれば、つまり目的地が入力されなければ、ステップS3でプロセッサ20は、終了操作か否かを判断する。たとえば、携帯端末14を待機状態にする操作がされたかが判断される。ステップS3で“YES”であれば、たとえばユーザが目的地を入力せずに携帯端末14を待機状態にする操作をすると、プロセッサ20は誘導サービス処理を終了する。また、ステップS3で“NO”であれば、たとえば携帯端末14を待機状態にする操作がされなければ、プロセッサ20はステップS1の処理に戻る。
【0150】
ステップS1で“YES”であれば、たとえばユーザが携帯端末14に対して目的地を入力すると、ステップS5でプロセッサ20は、目的地までの経路を検索する。つまり、外部アプリケーションを使用して、ユーザの現在位置と目的地とに基づく経路が検索される。なお、ステップS5の処理を実行するプロセッサ20は検索部として機能する。
【0151】
続いて、ステップS7でプロセッサ20は、検索結果が得られたか否かを判断する。たとえば、検索結果として外部アプリケーション情報320が記憶されたかが判断される。ステップS7で“NO”であれば、つまり経路の検索結果が得られなければ、ステップS9でプロセッサ20は、問い合わせ先を利用して再検索する。たとえば、プロセッサ20は、サービス許容範囲情報336の問い合わせの列に記憶されている各URLが示すサイトにアクセスし、対応可能なロボットの有無を確認する。続いて、ステップS11でプロセッサ20は、検索結果を得られたか否かを判断する。たとえば、再検索によって経路の検索結果が得られ、外部アプリケーション情報320として記憶されたかが判断される。ステップS11で“NO”であれば、たとえば経路の再検索を行っても検索結果が得られなければ、ステップS13でプロセッサ20は、エラーを通知する。たとえば、経路の検索結果を得ることが出来なかったことを伝えるエラー画面が、携帯端末14の表示装置32に表示される。そして、ステップ13の処理が終了すると、プロセッサ20は誘導サービス処理を終了する。一方、ステップS11で“YES”であれば、たとえば経路の検索結果として外部アプリケーション情報320が記憶されていれば、プロセッサ20はステップS15の処理に進む。なお、ステップS9の処理を実行するプロセッサ20は再検索部として機能する。
【0152】
また、ステップS7で“YES”であれば、つまり経路の検索結果が得られると、ステップS15でプロセッサ20は、検索結果に基づいて出力情報322を作成する。たとえば、上述した出力ルールに従って検索結果から出力情報322が作成される。続いて、ステップS17でプロセッサ20は、選択可能な経路を提示する。たとえば、作成された出力情報322に基づいて、
図11に示す経路選択画面が携帯端末14の表示装置32に表示される。
【0153】
続いて、ステップS19でプロセッサ20は、経路が選択されたか否かを判断する。た
とえば、経路選択画面において、経路と対応する選択キーが操作されたかが判断される。ステップS19で“NO”であれば、つまり選択キーが操作されていなければ、ステップS21でプロセッサ20は、介助の要否判断処理を実行する。たとえば、要否判断処理が実行されると、各経路に対応する介助キーおよび一括選択キーのいずれかが操作されたかが判断される。そして、介助キーが操作された場合は、対応するキーの表示態様が変更される。続いて、ステップS23でプロセッサ20は、ステップS3と同様終了操作か否かを判断する。ステップS3で“YES”であれば、つまり終了操作がされると、プロセッサ20は誘導サービス処理を終了する。一方、ステップS23で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、プロセッサ20はステップS19の処理に戻る。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ20は介助判断部として機能する。
【0154】
ステップS19で“YES”であれば、つまり経路が選択されると、ステップS25でプロセッサ20は、選択された経路をサービス範囲に分割する。たとえば、上述した分割ルールに従って、選択された経路が分割され、サービス範囲情報324が作成される。なお、ステップS25の処理を実行するプロセッサ20は分割部として機能する。
【0155】
続いて、ステップS27でプロセッサ20は、交通手段の手配が必要か否かを判断する。つまり、選択された経路に、タクシー、飛行機または鉄道における特急の移動が含まれているかが判断される。ステップS27で“NO”であれば、つまり交通手段の手配が不要であれば、プロセッサ20はステップS31の処理に進む。一方、ステップS27で“YES”であれば、たとえば選択された経路にタクシーによる移動が含まれていれば、ステップS29でプロセッサ20は、交通手段管理処理を実行する。たとえば、交通手段管理処理が実行されると、タクシーと対応する交通手段管理サーバ102にアクセスすることで、ユーザの属性が参照され、その属性と対応するタクシーが手配される。なお、ステップS27の処理を実行するプロセッサ20は判断部として機能し、ステップS29の処理を実行するプロセッサ20は手配部として機能する。
【0156】
続いて、ステップS31でプロセッサ20は、各サービス範囲に対してロボットを予約する。たとえば、経路2が選択されていた場合、
図16の予約情報326が示すように、ノード21が示すサービス範囲にはロボットIDが「R1」のサービスロボット16aが予約され、ノード22が示すサービス範囲にはタクシーA(ユニバーサルデザイン・ロボット)が予約され、ノード23が示すサービス範囲にはロボットIDが「R4」のサービスロボット16aが予約される。そして、ロボットが予約されると、案内サービスアプリと対応する案内サービス処理(
図20参照)が実行される。なお、ステップS31の処理を実行するプロセッサ20は予約部として機能する。
【0157】
続いて、ステップS33でプロセッサ20は、ユーザの誘導を開始する。たとえば、携帯端末14の表示装置32に、誘導を開始することを伝えるメッセージなどが表示される。そして、ステップS33の処理が終了すれば、プロセッサ20は誘導サービス処理を終了する。
【0158】
図20は案内サービス処理のフロー図である。誘導サービス処理でロボットが予約されると、案内サービス処理が実行される。案内サービス処理が実行されると、プロセッサ20はステップS51で、予約した各ロボットに対して、ユーザの情報およびサービス範囲情報324を送信する。たとえば、ユーザ(AAA)が誘導サービスを利用している場合、そのユーザのユーザID(AAA)および属性(外国人)がユーザの情報とされる。そして、そのユーザが選択した経路と対応するサービス範囲情報324と、上記ユーザの情報とが、予約情報326に記載されている各ロボットに送信される。また、ユーザによって経路1が選択されていた場合、ロボットIDが「R1」および「R4」のサービスロボット16aに対して、
図12(A)に示すサービス範囲情報324が送信される。なお、
これらの情報を受信したロボットは、自身のサービス範囲においてユーザを案内する。
【0159】
続いて、ステップS53でプロセッサ20は、予約した各ロボットの状態を「対応中」に変更する。たとえば、ロボット状態情報314において、上述したロボットIDが「R1」および「R4」のサービスロボット16aの状態が「対応中」に変更される。
【0160】
続いて、ステップS55でプロセッサ20は、完了通知を受信したか否かを判断する。ロボットはサービス範囲での案内を終えると完了通知をサーバ12に送信する。つまり、ステップS55では、ロボットが案内サービスを終了したかが判断される。ステップS55で“NO”であれば、つまり案内通知を受信していなければ、プロセッサ20はステップS55の処理を繰り返す。一方、ステップS55で“YES”であれば、つまり案内サービスを終えたロボットから完了通知を受信すれば、ステップS57でプロセッサ20は、案内通知を送信したロボットの状態を「待機」に変更する。つまり、案内を終えたロボットの状態が、ロボット状態情報314において「待機」に変更される。
【0161】
続いて、ステップS59でプロセッサ20は、全てのロボットの状態が「待機」となったか否かを判断する。つまり、予約された全てのロボットが案内サービスを終えた、つまりユーザが目的地に到着したかが判断される。ステップS59で“NO”であれば、つまりユーザが目的地に到着していなければ、プロセッサ20はステップS55の処理に戻る。一方、ステップS59で“YES”であれば、つまりユーザが目的地に到着していれば、プロセッサ20は案内サービス処理を終了する。
【0162】
サービスロボット16aのプロセッサ50は、Linux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、
図21に示す案内処理などを含む、複数のタスクを処理する。
【0163】
図21は案内処理のフロー図である。たとえば、案内サービス処理が実行され、ロボットに対してユーザの情報とサービス範囲情報324とが送信されると、案内処理が実行される。案内処理が実行されると、ステップS71でプロセッサ50は、サービス範囲内の移動経路を作成する。つまり、サービスロボット16aが移動可能なサービス範囲内において、ユーザを案内する経路が、受信したサービス範囲情報324に基づいて作成される。たとえば、ロボットIDが「R4」のサービスロボット16aが
図12(A)に示すサービス範囲情報324を受信した場合は、遊園地交通広場から遊園地ゲートまでの移動経路が作成される。なお、移動経路の作成が終わると、サービスロボット16aは移動経路の開始位置に移動してユーザの到着を待つ。
【0164】
続いて、ステップS73でプロセッサ50は、ユーザを確認したか否かを判断する。たとえば、ステップS73では、受信したユーザの情報と対応するユーザが、サービスロボット16aを中心とする所定範囲(たとえば、1メートル)以内に入ったかが判断される。ステップS73で“NO”であれば、たとえばサービスロボット16aの所定範囲にユーザが入っていなければ、プロセッサ50はステップS73の処理を繰り返す。一方、ステップS73で“YES”であれば、たとえばサービスロボット16aの所定範囲にユーザが入ると、ステップS75でプロセッサ50は、移動経路に基づいてユーザを案内する。たとえば、上述したロボットIDが「R4」のサービスロボット16aであれば、ユーザを遊園地ゲートまで案内する。このとき、サービスロボット16aが人型ロボットであれば、ユーザを先導するような状態で、ユーザと遊園地ゲートまで伴走する。また、サービスロボット16aが車いすロボットであれば、ユーザを乗せた状態で、ユーザを遊園地ゲートまで搬送する。
【0165】
続いて、ステップS77でプロセッサ50は、終了位置に到着したか否かを判断する。
つまり、作成した移動経路の終了位置までユーザを案内したかが判断される。ステップS77で“NO”であれば、つまり案内の途中であれば、プロセッサ50はステップS75の処理に戻る。一方、ステップS77で“YES”であれば、たとえば、上述したロボットIDが「R4」のサービスロボット16aが遊園地ゲートまでユーザを案内すれば、ステップS79でプロセッサ50は、完了通知を送信する。つまり、案内を終えたことがサーバ12に報告される。なお、案内を終えたサービスロボット16aは所定の待機場所に移動する。そして、ステップS79の処理が終了すると、プロセッサ50は案内処理を終了する。
【0166】
なお、ユーザが介助を希望していない場合などは、携帯端末14、つまりインビジブルロボットによって、ユーザが案内されてもよい。具体的には、各サービス範囲に対して、ユーザが利用している携帯端末14が予約される。つまり、各サービス範囲内に配置されたサービスロボット16aは利用されない。ただし、タクシーなどの交通手段で移動する場合は、そのサービス範囲では携帯端末14は予約されない。
【0167】
そして、上述の案内処理は携帯端末14のプロセッサ30によって実行される。この場合、ステップ73の処理では、対応するサービス範囲内で携帯端末14が操作されたときに、ユーザを確認したと判断される。また、ステップS75でユーザを案内する際には、表示装置32に周囲の地図と移動経路とを表示すると共に、スピーカ38から移動経路を説明するメッセージ音声が出力される。
【0168】
このように、ユーザが介助を希望していない場合は、ユーザが持つ携帯端末14がユーザを目的地まで誘導することが出来る。
【0169】
また、他の実施例では、1つのサービス範囲内で複数のロボットによってユーザが案内されてもよい。たとえば、携帯端末14が翻訳機能および通訳機能を有している場合は、携帯端末14が誘導中の翻訳および通訳を介助するロボットとして動作する。そして、ユーザの歩行が人型または車いすのサービスロボット16aによって介助される。この場合、ユーザの移動の介助を行うロボットには、翻訳および通訳の機能が不要になるため、ロボットを予約するときの選択肢が増える。
【0170】
また、その他の実施例では、たとえば携帯端末14を持っていないユーザは、待機しているサービスロボット16aとコミュニケーションを行い、目的地を音声で入力してもよい。
【0171】
また、さらにその他の実施例では、ユーザは、現在いるサービス範囲内の施設などを目的地として入力してもよい。
【0172】
また、他の実施例では、サーバ12が経路を検索する機能を有していてもよい。この場合、経路の検索結果を得るまでの時間を、外部アプリケーションを利用する場合に比べて短くすることが出来る。
【0173】
また、その他の実施例では、ユーザの誘導が開始されてから一定時間が経過してもユーザが目的地に到着しない場合は、サーバ12の管理者などに対して通知するようにしてもよい。
【0174】
また、さらにその他の実施例では、誘導中のユーザは、誘導サービスを中断して、目的地を変更できてもよい。また、誘導中のユーザは、異なる経路を選択するために経路を改めて検索できてもよい。
【0175】
また、他の実施例では、ユニバーサルデザイン・ロボットには、介護ロボットなどが含まれていてもよい。
【0176】
また、その他の実施例では、タクシーや鉄道などの公共交通機関は、自動運転で管理されたものであってもよい。たとえば、自動運転で管理された公共交通機関としては、自動運転の自動車を利用したタクシーや、自動運転の車両を有する鉄道などが考えられる。また、自動運転の自動車や自動運転の車両などは輸送ロボットなどと言われることがある。そして、このような輸送ロボットも、本実施例のユニバーサルデザイン・ロボットに含まれることは言うまでもない。
【0177】
また、本実施例で説明した複数のプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶さ
れ、ネットワークを介して本実施例と同等の構成のシステムまたは装置に配信されてもよい。また、CD, DVD, BD (Blu-ray(登録商標) Disc)などの光学ディスク、USBメモリお
よびメモリカードなどの記憶媒体にこれらのプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、上記複数のプログラムが、本実施例と同等の構成のシステムに適用された場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0178】
なお、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。