(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2の部分のうちの一方の上に配置され、リセット入力を受信して前記第1のRFID回路をリセットするように構成された、リセット装置を更に備える、請求項3に記載のシステム。
前記データ装置が、携帯型の装置の放送範囲内で、複数の保安装置に問い合わせ、前記複数の保安装置から帰還信号を受信するように構成された、前記携帯型の装置を備える、請求項1に記載のシステム。
前記データ装置に電気的に接続された複数のアンテナであって、各アンテナが、複数の前記保安装置に対して固定された場所に配置され、前記複数の保安装置のうちの少なくとも一部との間で信号を送受信するように構成された、複数のアンテナを更に備え、
前記データ装置が、前記アンテナに対して固定された場所に配置可能であり、前記複数の保安装置のうちの全ての状態に関する情報を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記第1及び第2の部分が、RFIDセンサ装置の対向する部分を備え、前記分離領域が、前記第1及び第2の部分の間の選択的に破壊可能な電気接続を備える、請求項8に記載のRFID装置。
前記第1及び第2のRFID回路が、パッシブRFID回路であり、前記データ装置を構成することが、伝送半径内にある場合に、RFID装置からの前記第1及び第2の帰還信号をスキャン及び受信するように、携帯型の計算装置を構成することを更に含む、請求項12に記載の方法。
前記データ装置を構成することが、開封された状態の信号が受信された後で、前記RFID装置をリセットすることとほぼ同時にリセットされるように、前記データ装置をプログラムすることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示が様々な変形例及び代替的な形態を許容する一方で、具体的な実施形態が、図面で例示的に示され、本明細書でより詳細に説明される。しかしながら、本開示は、開示される特定の形態に限定されることを意図しないことが理解されるべきである。むしろ、添付の特許請求の範囲で規定される開示の精神及び範囲内に含まれる全ての変形例、等価物、及び代替例をカバーすることが意図される。
【0015】
上述されたように、開封明示ストリップ又はシールは、しばしば、制限された品物又は場所の開封又はそれらへのアクセスを検出する助けとなるように使用される。しかしながら、現在知られている様々なタイプの開封明示ストリップ、シール、及びセンサは、審美的に望ましくない可能性があり、概して、それらの意図された機能を実行する検査官の知識及び注意力に依存し、そのことが、それらの使用を幾らか高価なものにし、それらの信頼性に影響を与える。
【0016】
有利なことには、本明細書で開示されるように、特定の安全が確保された品物及び場所の開封を検出することに含まれる時間及び人間の労力を低減させる一方で、精度を増加させることができるシステム及び方法が、開発されてきた。更に、このシステム及び方法は、実施及び維持することが比較的安価であり、頻繁にアクセスされるもののみならず、頻繁にはアクセスされない場所又は品物に対して、容易に適用可能であり経済的であると信じられている。このシステムは、RFID(無線識別)技術を開封明示ストリップ及びセンサに組み込む。このタイプのシステムは、幾つか挙げるとすれば、航空機、軍事ハードウェア、銀行の操業、病院、並びに化学産業、石油化学産業、及び薬剤産業などの、様々な用途で使用可能である。
【0017】
本開示による、RFID装置を使用する開封検出システム200の一実施形態の概略図が、
図2で示されている。システムは、概して、各々が少なくとも1つのRFID回路204を含む、複数のRFID保安装置202を含み、それらは、(
図2では図示されぬ)航空機のコンパートメントのオープニングマージンなどの、密封された物体の分離境界に関連付けられる(例えば、分離境界を横断して取り付けられる)。本明細書で使用されるように、「分離境界」という用語は、そこにおいて物体又は品物が開かれ又は分離され得るところのマージン又は領域を指すことが意図される。システム200は、保安装置202と相互作用するユーザインターフェース206を更に含む。ユーザインターフェース206は、アンテナ208及びRFIDリーダー210と併せて使用され、RFIDリーダー210は、RFID装置202との間で信号を送受信するためのトランシーバーを提供する。ユーザインターフェース206、アンテナ208、及びRFIDリーダー210は、それらが単一の装置内で共に物理的に組み合わされるか、又は共に使用される個別の要素であるかにかかわらず、併せてデータ装置211と呼ばれ得る。「データ装置」という用語は、したがって、本明細書において、固定されているか携帯型であるかにかかわらず、リーダー210及びアンテナ208と併せて使用され、RFID保安装置202に問い合わせRFID保安装置202から帰還信号を受信する、任意のユーザインターフェース206を包含するものとして使用される。
【0018】
データ装置211は、RFID保安装置202との間で無線周波数信号を送受信し、(
図2では図示されぬ)関連付けられた分離可能な物体の開封された状態を示す、保安装置202からの帰還信号と、分離可能な物体の開封されていない状態を示す、保安装置202からの帰還信号とを区別するように構成される。ユーザインターフェース206は、保安装置202に関する開封に関する情報を提供するディスプレイ212を含むことができ、ユーザ入力も可能である。
【0019】
図2で描かれているように、ユーザインターフェース206は、タブレットコンピュータ214などの携帯型の装置であり、マイクロプロセッサ及びシステムメモリを含み、適切なソフトウェアが提供され得る。一実施形態では、アンテナ208及びリーダー210が、タブレットコンピュータ214に取り付けられたUSB装置215の中へ組み込まれ、USB装置215と組み合わされた、汎用タブレットコンピュータ214などが、データ装置211の全ての構成要素を含み、データ装置211の全ての機能を実行することを可能にし得る。代替的には、データ装置211が、アンテナ208、リーダー210、及びユーザインターフェース206を共に含む、(図示せぬ)特定用途向け装置であり得る。別の一代替例として、ユーザインターフェース206(及び可能性としてはリーダー210及びアンテナ208)は、以下により詳細に議論される固定されたデータ装置の中に組み込まれ、それと関連付けられた1以上の固定された又は携帯型のアンテナを伴って、特定の場所に設置され得る。
【0020】
システム200が使用される場合に、密封された物体の分離境界に関連付けられた、各RFID保安装置202は、データ装置211を使用してスキャンされ、各RFID保安装置202からの帰還信号が、データ装置211によって受信され記憶される。RFID装置202の各々からの信号のスキャン、検出、収集は、概して、データ装置211を介して各RFID装置に問い合わせること、及びそれに応じて帰還信号を受信することを含む。各保安装置202からの帰還信号は、それぞれのRFID保安装置202の開封された又は開封されていない状態のいずれかを示す。データ装置211は、複数のそのようなRFID装置202から信号を収集し、ユーザインターフェース206が、各密封された物体の開封された又は開封されていない状態を示す出力を提供する。
【0021】
図2のシステムと共に使用され得るRFID保安装置は、様々な方法で構成され得る。
図3及び
図4を参照すると、本開示によるRFID保安装置300の一実施形態は、概して、航空機のオープン可能なコンパートメント又は他の部分などの、分離可能な物体306の分離境界304の第1の側に配置可能な第1の部分302a、及び分離境界304の第2の側に配置可能な第2の部分302bを含む。RFID保安装置300は、RFID回路308を含む。本明細書で使用されるように、「分離可能な物体」という用語は、一時的にであろうが又は永久的にであろうが、共に配置され又は閉じられ、且つ分離され得る部分を含む、任意の物体を含むことが意図される。これは、固定されていようが又は携帯可能であろうが、オープン可能なキャビネット、ハッチ、収納ケースなどの品物を含み、密封されたケース、キャビネット、ハッチなどの密封されたそのような品物を含み得る。この用語は、破くことが可能なスポーツチケット、破くことが可能な搭乗券、駐車券、バックステージパス、又は分離若しくは過去の使用の表示が望ましい任意の他の形態の一時的なアクセスパス若しくは任意の他の保安装置などの、他のタイプの分離可能な物体も含み得る。
【0022】
図3及び
図4で示される特定の実施形態では、RFID保安装置300が、ストリップ300内に埋め込まれるか又はさもなければストリップ300に取り付けられたRFID装置の集積回路を含む、粘着型の使い捨ての蝶型のストリップである。第1の部分すなわちローブ302aが、分離境界304の第1の側に接着によって取り付けられるように構成され、第2の部分すなわちローブ302bが、分離境界304の第2の側に接着によって取り付けられるように構成される。
【0023】
アクセスされた後の、開封され且つ破壊された証拠を示す、RFID開封明示ストリップ300の平面図が、
図4で提供される。ストリップ300の中央部分又は分離領域310は、概して、分離境界304に重なり又はそれをブリッジ(bridge)するように構成された、弱い分離引き裂き線又は破壊可能部分312を含む。RFID回路308の一部分は、破壊可能部分312に及び、それによって、分離可能な物体306が開かれた場合に、ストリップ300が、
図4で示されるように、破壊可能部分312を通る破壊線314に沿って破れ又は破壊し、したがって、RFID回路308の一部分を断ち切る。ストリップ300が、このプロセスで物理的に破壊され、RFID回路308の少なくとも一部分も破壊され、(
図2で示された)データ装置211を介してこの状態の無線検出を可能にする。無傷な場合に、回路308は、安全確保信号をデータ装置211に戻す。破壊された場合に、回路308は、以下でより詳細に説明されるように、開封確認信号をデータ装置211に戻す。
【0024】
RFID回路308はパッシブ(passive)であり、それはRFID回路が内部電源を含まないことを意味し、又はRFID回路308は、アクティブ(active)であり、内部蓄電池又は他の電源を有し得る。アクティブ及びパッシブRFID回路の両方の動作のモードは、当業者によく知られている。パッシブRFID回路は、蓄電池を必要とせず、それらの電源としてRFIDリーダーに完全に依存するので、この用途に対して特に望ましいと考えられる。すなわち、(
図2で示された)RFIDリーダー210は、問い合わせを有する信号を送信し、RFID回路308は、RFIDリーダー210から信号を受信するとともに電力を引き出す。RFID回路308は、その後、返信のために電力供給する受信された信号からの電気エネルギーを使用して、問い合わせに対する応答を送信する。有効な伝送範囲は、(
図2で示される)RFIDリーダー210の電力及びRFID回路308の構成の両方に依存する。20フィート(6メートル)離れた所まで信号が届き得るパッシブRFID回路は、本出願にとって適切であると考えられるが、異なる電力及び放送圏を有する組み合わせも使用され得る。有利なことには、パッシブRFID回路及び装置が、比較的低い製造費用を有し、単純で信頼性が高い。
【0025】
図3は、点検用パネルの内装端部、航空機の内装又はコンパートメントのライニング又はドアなどの、分離可能な物体306の分離境界に重なり又はそれをブリッジ(bridge)する無傷なRFIDストリップ300を示している。
図3及び
図4のRFIDストリップ300は、頻繁でないアクセスに晒される品物又は場所に対して特に有用であると考えられる。上述されたように、コンパートメント又は他の分離可能な物体306が開かれた場合に、RFIDストリップ300の破壊可能部分312は破壊し、したがって、RFID回路308の一部分を断ち切るように設計される。ストリップ300の物理的な破壊は、従来の開封明示ストリップが破壊及び開封の目に見える証拠を示すのと同じやり方でも見ることができ、すなわち、
図1Bの18で示された開封の証拠と同様に、ストリップ300は、目に見える破れ又は切り裂き314などの、破壊された場合の目に見える証拠を示し、潜在的に、人間がストリップを弄るか又は剥がすことを試みた場合にも、開封の証拠示す。
【0026】
有利なことには、開封の検出が目に見える検出だけに依存しない、RFID装置の使用を伴って、ストリップ300は、ほぼ透明な基板を有することができ、それによって、RFID装置が接着されるところの下部表面を透かして見ることができ、したがって、RFID保安装置300の可視的及び審美的影響を低減させることができる。ストリップ300が透明であり、RFID回路308が(例えば、銀色の)金属導体を含む所では、RFID回路308の導体のみがほとんどの用途でしっかりと見られ、それは非常に望ましいことである。代替的には、RFID回路308の少なくとも一部分(例えば、アンテナ部分)が、ストリップ基板内又は上に配置される透明な導体を使用して製造され、RFID保安装置300の視覚的影響を更に低減させる。
図3及び
図4は、透明な基板を有するRFIDストリップ300を示すことを意図している。
【0027】
図3及び
図4で示されるストリップ300などの、本明細書で開示される開封明示RFID保安装置は、1つのRFID回路308又は複数のRFID回路308を含み得ることが、理解されるべきである。単一のRFID回路308aを有するRFID開封明示ストリップの概略図が、
図5で示されている。上述のように、このストリップは、概して、分離可能な物体306の分離境界304を横断して配置されるように構成された分離領域310を介して連結された、第1の部分302a及び第2の部分302bを含む。第1及び第2の部分302a、bは、使い捨て用粘着ストリップ300の対向する部分であり、分離領域310は、ストリップ300の破壊可能部分312を備える。
【0028】
有利なことには、ストリップ300が、その基板に埋め込まれた第1のRFID回路308aを有する。パッシブRFID回路の一般的な特徴及び構成要素は、当業者によく知られており、様々なやり方で構成され得る。第1のRFID回路308aは、概して、RFIDプロセッサユニット320a及びアンテナ部分322aを含み、アンテナ部分322aは、RFIDプロセッサユニット320aに接続されている。当業者によって理解されるように、RFIDプロセッサユニット320aは、典型的には、小さい特定用途向けマイクロプロセッサ及びシステムメモリと、マイクロプロセッサの機能を実行し帰還信号を送信するための送信電力を受信し使用するための電力関連回路とを含む。信号がアンテナ322aによって受信される場合に、信号の受信は、RFIDプロセッサユニット320aによって使用されるエネルギーを生成する。受信された信号のデータコンテンツは、RFIDプロセッサ320aによって影響を受け、該RFIDプロセッサ320aが、そのメモリに記憶されたデータを記憶し、読み出し、又は操作し、受信された信号からのエネルギーを使用して、帰還信号がアンテナ322aを介して送信される。アンテナ部分322aなどのRFID回路308aの一部分は、分離領域310を通り又は横断して延在する。この構成を有することによって、ストリップ300aの第1及び第2の部分302a、bの分離は、RFID回路308aを断ち切り、RFID回路308aが伝送を受信すること及び信号を返すことを妨げる。
【0029】
図5の実施形態では、RFID保安装置300aの開封された状態を示す帰還信号が、破壊可能部分312を横断するRFID回路308aの切断によってもたらされる。
図5のRFID回路308aは、したがって、本質的に、2つの帰還信号の解釈のうちの1つを提供し得るバイナリデバイスである。問い合わされたときにRFID装置300aが第1の信号を返す場合に、これは、RFID回路308aが無傷であることを示し、したがって、RFID保安装置300a及び関連付けられた分離可能な物体306は、安全が確保されている。信号が返されない場合に、これは、RFID保安装置300aが開封確認されたこと、及びRFID回路308aが破壊されたこと、又は特定のRFID回路308aが(
図2で示された)データ装置211の範囲外にあること、又はRFID回路308aが誤動作したことのいずれかを示している。
【0030】
したがって、第1の信号の帰還送信は、分離可能な物体の開封されていない状態を示し、第1の信号の送信の失敗は、分離可能な物体の開封された状態、又はRFID回路装置300aが範囲外にあるか若しくは適正に機能していないことを示す。後者の状態は、システムのユーザが、帰還信号を受信するために、特定のRFID保安装置300aにより接近することを促し得る。RFID保安装置300a及びデータ装置(
図2の211)が、十分に接近していると考えられる場合に、帰還信号が受信されなければ、これは、開封確認された表示が恐らく正しいこと、又はRFID保安装置300aが誤動作したことを示す。これらの後者の状況のいずれかでは、RFID保安装置300aの直接的な検査及び修正又は交換が示唆される。
【0031】
ストリップ基板に埋め込まれた一組のRFID回路308a、bを有するRFID開封明示ストリップ300bの概略図が、
図6で示されている。ストリップ300bは、概して、分離可能な物体306の分離境界304を横断して配置されるように構成された分離領域310内の破壊可能部分312を横断して連結された、第1の部分302a及び第2の部分302bを有する基板を含む。一組のRFID回路308a、bは、ストリップ300bの第1及び第2の部分302a、bの両方の上に横たわる第1のRFID回路308aを含んで、ストリップ300b内に埋め込まれる。この第1のRFID回路308aは、ストリップの第1の部分302a上に全体が配置されたそのプロセッサ320aを有し、一方、第1のRFID回路308aの一部分、この場合はアンテナ部分322aが、RFIDストリップ300の破壊可能部分312に及ぶ。第2のRFID回路308bは、RFIDストリップ300bの第2の部分302b上に全体が配置される。
【0032】
上述されたように、これらのRFID回路308は、パッシブ又はアクティブであり得るが、本明細書の議論は、特に、パッシブRFID装置の用途及び使用について説明する。RFID回路308a、bの両方は、概して、
図5に関して上述されたRFID回路308aのように構成される。具体的には、第1のRFID回路308aは、RFIDプロセッサユニット320a及びアンテナ部分322aを含む。第1のプロセッサ320aは、RFIDストリップ300bの第1の部分すなわちローブ302a上に全体が配置されるが、第1のRFID回路308aのアンテナ部分322aは、RFIDストリップ300bの破壊可能部分312に及び、そこで、アンテナ部分322aは、ストリップ300bの使用の際に、分離可能な物体306の分離境界304を横断して横たわる。第2のRFID回路308bも、RFIDプロセッサユニット320b及びアンテナ部分322bを含み、ストリップ300bの第2の部分すなわちローブ302b上に全体が含まれる。第1のRFID回路308aは、第1の信号を送信するように構成され、第2のRFID回路308bは、第2の信号を送信するように構成される。第1のRFID回路308aのみの一部分が、破壊可能部分312に及ぶので、破壊可能部分312に沿ったストリップ300bの破壊は、第1のRFID回路308aのみを断ち切り、第2のRFID回路308bは断ち切らない。
【0033】
図6の実施形態では、開封されていない状態を示す信号が、第1及び第2のRFID回路308a、bの両方の動作に依存する。2つのRFID回路308を有するRFID装置を使用する開封検出システムの一般的な動作が、
図7A及び
図7Bのブロック図で示されている。これらの図面は、異なる帰還信号の状態に対する、ユーザインターフェース206上に提供され得る表示のタイプも示している。2つのRFID回路308a、bがデータ装置211によって問い合わせされ、RFID保安装置300bが無傷である場合に、RFID回路308a、bの両方が、
図7Aでそれぞれ324a、bにおいて示される回帰信号を提供する。この信号がデータ装置211に送信され、データ装置211は、集合的に、アンテナ208、リーダー210、及びユーザインターフェース206を含む。第1及び第2のRFID回路308a、bからの第1及び第2の信号の、データ装置211によるほぼ同時の受信は、分離可能な物体(
図3及び
図4の306)の開封されていない状態すなわち安全確保状態を示すと、データ装置211によって解釈され、
図7Aで示されるように、ユーザインターフェース206のディスプレイ212上の緑のチェック226又は他の適切なしるしによって示され得る。一方、RFID保安装置300bが破壊可能部分312において破壊された場合に、RFID回路308の一方だけ(例えば、第2の回路308b)が、無傷のままであり、
図7Bの324bにおいて示されるように、データ装置211に信号を返すことができる。したがって、第1の信号の未受信とほぼ同時である第2の信号の受信は、分離可能な物体306の開封された状態すなわち開封確認状態を示し、
図7Bで示されるように、ユーザインターフェースのディスプレイ212上の赤い「X」228又は他の適切なしるしによって示され得る。最後に、第1及び第2の信号のいずれもの受信失敗(すなわち、RFID回路308a、bの両方から帰還信号が未受信)は、RFID装置300bが恐らくリーダーの無線伝送範囲から外れていることを示す。
【0034】
この説明から、このやり方で構成された複数のRFID回路を有することの1つの利点は、RFID保安装置が、バイナリのオンオフだけでなくそれ以上の能力を有する帰還信号324を提供し、開封確認と範囲外状態との間の論理的な区別を可能にすることであることが、理解できる。RFID保安装置300bが断ち切られた場合であっても、RFID回路308のうちの一方は、信号324を返すことができるので、RFID保安装置300bからいずれの帰還信号324もないとすれば、保安装置は伝送範囲外にあるか又は誤動作しているかのいずれかであるが、開封確認を示すものではないと解釈される。いずれの場合でも、受信の可能性がより高い別の場所へリーダーを移動させることが、システムの使用における次の論理的なステップである。この構成によって、ユーザが、開封確認状態をより確かなものとすることができる。
【0035】
RFID保安装置300b及びデータ装置211が十分に接近していると考えられる場合に、帰還信号が受信されなければ、これは、RFID保安装置300bが何らかのやり方で誤動作したことを示す。この後者の状況では、特定のRFID保安装置300bの直接的な検査及び修正(例えば、交換)が示唆される。RFIDストリップ300の場合では、
図3及び
図4で示されたものと同様に、開封確認表示が受信され又は誤動作が確認された場合に、破壊された、開封された、又は誤動作したRFIDストリップ300が新しいものと交換される。
【0036】
図2に再び戻ると、データ装置211のユーザは、開封確認信号を返したか又は全く信号を返さないRFID保安装置202の状態を素早くリビューすることができ、開封されたか又は誤動作した可能性がある分離可能な物体のみを調査することができる。有利なことには、データ装置211は、携帯型の装置であり得、伝送半径(transmission radius)の範囲内で全てのRFID装置202と送受信するように構成され得る。携帯型のデータ装置211は、ユーザが、検査の間に飛行機内を歩きながらディスプレイ212を見ることを可能にし、ユーザが、1つの見易いディスプレイ212でRFID保安装置の大きなグループの状態を素早くリビューすることを可能にする。ユーザインターフェース206のコンピュータシステムは、ユーザが全てのRFID保安装置202から信号を受信することが予期される通路を歩いている際に、全てのRFID保安装置202から信号を集めるようにプログラムされ得る。集められた帰還信号はディスプレイ212上で示され、それは、ユーザが安全確保信号の完全なスレート(slate)を受信するまで続き、そのポイントで、ユーザは、受け入れの完了及び結果の収集を示す入力を提供することができる。
【0037】
航空機の用途では、ディスプレイ212が、航空機の平面図(
図2及び
図13〜
図15の230)及び特定することが容易なシンボルを有し得る。例えば、緑のチェックマーク(
図2、
図7A、
図13の226)が、ディスプレイ上に提供され、安全確保信号が所与のRFID保安装置202、300から受信されたこと、及びユーザ又は検査官によって更なる動作が必要とされないことを示す。赤い「X」(
図2、
図7B、
図13の228)は、開封確認信号が所与のRFID保安装置202、300から受信されたこと、及びRFID保安装置202、300の場所の特定の検査が必要とされることを示すために、使用され得る。最後に、オレンジ色のクエスチョンマーク(
図2、
図13の232)などの別のシンボルが、ディスプレイ上に提供され、特定のRFID保安装置202から信号が受信されなかったことを示し得る。これは、ユーザが、検査されている領域に近づくことを必要とし、又は特定のRFID装置202が働いていないことを示すと解釈され得る。
【0038】
図2及び
図5〜
図7Bを参照すると、開封確認された又はそれ以外の損傷を受けた、誤動作した、若しくは弄られたRFID保安装置300が検出された場合に、
図5で示された単一のRFIDのタイプのもの300aであれ、又は
図6で示された複数のRFID回路のタイプのストリップ300bであれ、開封されたRFIDストリップ300は、新しいものと交換され得る。安全性の目的で、RFID保安装置300の交換は、新しいストリップ300が交換される時に、データ装置211の状態をリセットすることを含み得る。具体的には、RFID保安装置202の状態をリセットすることが、損傷を受けた又は開封されたRFIDストリップ300を、密封された物体306の分離境界を横断する新しい使い捨て用粘着RFID安全ストリップ300と交換すること、及びデータ装置211をリセットすることを含む。
【0039】
交換の時に、ユーザは、新しいRFIDストリップ300をスキャンし、例えば、ストリップ300に対する場所を特定する情報、及び交換を示しているデータ装置211に対する他のインプットをほぼ同時に入力する。これは、データ装置211をリセットし、新しいRFID安全ストリップ300を認識し、新しいRFID安全ストリップと問い合わせ信号を送受信する。この文脈では、「ほぼ同時」が、保安装置300の状態(例えば、その場所、タイプなど)に依存して、30秒未満などの何らかの適切な短い時間を意味し得る。この時間制限は、データ装置211にプログラムされ得る。データ装置211が、携帯型の装置、例えば、
図2のタブレットコンピュータ214であり、新しいRFID安全ストリップ300の場所においてユーザによって手で握られ得る所では、この時間制限がより短くなり得る。以下により詳細に説明されるように、データ装置が固定された装置である所では、この時間制限がより長く成り得る。なぜならば、新しいストリップ300を配置した後で、幾らかの時間間隔が、ストリップ300の場所から固定されたデータ装置211及びそのディスプレイ212へ移動して戻り、データ装置211をリセットするユーザの移動によって占められるからである。例えば、航空機の用途では、固定されたデータ装置を使用するための「ほぼ同時」の時間間隔は、それぞれの航空機の一方の端部から他方の端部へユーザが歩くことに含まれる、典型的な時間を包含するように選択され得る。RFID保安装置300の交換及びデータ装置211のリセットの後で、全てのRFID保安装置が最後にスキャンされ安全確保表示を返す場合に、安全点検完了表示が、ユーザインターフェース206へ入力され、航空機の動作のための前提条件として、データ装置211から(図示せぬ)航空機の飛行コンピュータ又は他のシステムへ送信され得る。
【0040】
有利なことには、データ装置211が、固定されているか又は携帯型であるかにかかわらず、パスワードで保護され又は他の安全性の特徴を含み、それによって、許可された者だけが、RFID保安装置300を交換及びリセットすることができる。上述したように、データ装置211のプログラミングは、許可されていない者がシステムを制圧することができる可能性を更に低減させる、動作時間制限などの様々な更なる特徴を提供するように構成され得る。
【0041】
図3〜
図6で示された開封明示ストリップ300は、幅広い様々な用途で使用され得る。本明細書で示されるRFID開封明示ストリップ300に対する1つの用途は、航空機の座席に関連付けられた安全救命胴衣の貯蔵容器である。救命胴衣の開封及び盗難は、航空会社のオペレーターにとっての主要な懸念事項として認識されてきた。盗まれた救命胴衣を交換することは、全ての救命胴衣が存在し正常に使えるか否かを判定するために、各フライトの前に航空機を検査する際に行われるので、費用がかかる。航空機の座席802に関連付けられた航空機の救命胴衣の貯蔵容器800の斜視図が、
図8Aで示されている。この特定の構成では、救命胴衣804が、オープン可能な蓋806の後ろの容器800内に貯蔵されている。有利なことには、本開示によるRFID安全ストリップ300が、全ての救命胴衣の容器又は救命胴衣の袋/ポーチ800の蓋開口部808にわたって設置され、それによって、特定の救命胴衣804が開封されたか又は盗まれたか否かを追跡することができる。具体的には、
図3で示されたものと同様な開封明示RFIDストリップ300が、蓋806の開口部808を覆って配置され、その状態は、上述されたやり方で検出され得る。問い合わせされた場合に、RFIDストリップ300が安全確保信号を提供する限りは、航空機のオペレーター又はメカニックが、各救命胴衣の容器を個別に視覚検査することなく、所与の救命胴衣が開封されていないことを知ることができる。
【0042】
この容器800から救命胴衣804を取り出す乗客810の図が、
図8Bで示されている。救命胴衣の容器800が開けられた後で(又は何らかの理由でRFIDストリップ300が誤動作した場合に)、RFID保安装置300の任意の次の問い合わせが、開封確認信号を生み出し、救命胴衣804が取り出された又は開封されたこと、及び関連付けられたRFID安全ストリップ300が交換されるべきであることを示す。本明細書で開示されたシステムは、したがって、検査の効率を高めることによって検査プロセスを合理化し、盗難が減少する助けともなり、また航空機の動作費用を劇的に低減させる。
【0043】
図3〜
図6で示された開封明示ストリップ300は、頻繁でないアクセスが望ましい又は予期される用途に対して使用され得る。より頻繁に開けられる航空機のキャビネット又はコンパートメントなどの、頻繁にアクセスされるが安全を保証されることが企図される用途に対しては、本開示によるRFIDセンサが使用され得る。コンパートメントが閉じた状態の、オープン可能なコンパートメント906に関連付けられるRFID開封明示センサ900の拡大平面図が、
図9で提供されている。
図10は、コンパートメントが開いた状態の同じ図である。
【0044】
上述されたRFIDストリップ300のように、RFID安全センサ900は、各々が1以上のRFID回路908の少なくとも一部分を含む、対向する部分902a、bを含む。これらのセンサ900は、オープン可能なコンパートメントのドア907などに関連付けられるように構成され、分離可能な物体906の分離境界904に対応する分離領域910を横断して連結された、第1の部分902a及び第2の部分902bを含むように構成され、分離境界904は、理論的な分割ライン912を有する。これらのセンサ900は、コンパートメントのドア907の内側に設置され、それによって、第1及び第2の部分902a、bは、コンパートメントの外側から見え得ない。一実施例では、第1の部分902aが、ドアフレーム909の内側の特定の位置に設置され、第2の部分902bが、第1の部分902aの位置に隣接する、対応するドア907の内側に設置され得る。
図9及び
図10で示されているように、第2の部分902bなどの部分のうちの一方は、以下で議論されるやり方でRFID保安装置900をリセットする際に使用されるリセットボタン934を含み得る。
【0045】
上述されたRFIDストリップ300と同様に、RFID安全センサ900も、1つのRFID回路(概して、
図11及び
図12の908)又は複数のRFID回路を含み得る。単一のRFID回路908aを有するRFID開封明示センサ900aの一実施形態の概略図が、
図11で示されている。
図3〜
図6で示された実施形態のように、この開封明示RFIDセンサ900aは、マルチパート(multi‐part)RFIDセンサであり、それは、概して、この場合にはコンパートメントのドア907の端部である、分離可能な物体906の分離境界904の第1及び第2の側のそれぞれに配置された、第1の部分902a及び第2の部分902bを含む。第1及び第2の部分902a、bは、コンパートメントのドア907の内側などの、物体が閉じた状態にある場合に分離可能な物体906の外側のユーザから隠れて見えない場所に配置され、分離境界904の分離領域910を横断して電気的に接続され得る。単一のRFID回路908aは、RFIDプロセッサユニット920aを含み、第1及び第2の部分902a、bの間の一組の選択的に破壊可能な電気接続936、938を介して、分離領域910を横断して電気的に接続されたアンテナ部分922aを含む。RFID回路908aは、RFIDプロセッサユニット920aに電気的に接続されたリセットボタン934も含み得る。リセットボタン934は、センサ900に関連付けられ得る様々なリセット装置の一実施例であり、以下でより詳細に議論されるように、押下された場合にRFID回路908aにリセット入力又は信号を送信するように構成される。
【0046】
選択的に破壊可能な電気接続936、938は、分離領域910内の分割ライン912を横断するRFID回路908aの部分の非接触電磁近傍接続(non‐contact electromagnetic proximity connection)であり得る。例えば、
図11で示されるように、RFID回路908aのアンテナ部分922aは、2つの分断936、938を含む。各分断において、対応するアンテナ回路配線は、第1の電磁近傍要素940a、及び第2の電磁近傍要素940bを含む。そのような近傍要素940は、当業者によく知られている。例えば、
図9〜
図12で示されるセンサと共に使用され得る電磁近傍要素は、英国ノーフォーク州DissのHamlin,Inc.から購入可能な磁気センサ59135‐010番、ドイツのマンハイムのPepperl+Fuchsから購入可能な40FY36‐33近傍センサ、及び日本の京都のOmron Industrial Automationから購入可能なGLS1、GLS‐S1、及びGLS‐M1磁気近傍センサを含む。2つの近傍要素のうちの1つ940aはコイルを含み、一方、各ギャップ936、938において対向する要素940bは金属パッドを含み得る。電気信号が分断936、938の第1の端部940aに到達した場合に、要素940a内のコイルは、電磁場を生成し、電磁場は要素940b内の対向する金属パッド内に電流を誘導し、したがって、2つの要素の間のギャップを横断して信号を送信する。電磁場は、ギャップを橋渡しし、それによって、無傷のRFIDストリップ内のものとちょうど同じように、回路の連続性を維持する。
【0047】
近傍要素940a及び940bの両方が、コイルを含み得ることは、理解されるべきである。更に、当業者は、コンパートメントのドア907が閉じられている場合には物理的に接続され、ドア907が開かれている場合には接触が破られる電気的な接触などの、選択的に破壊可能な電気接続のための他のタイプの装置も使用され得ることを、認識するだろう。
【0048】
図9で示されるように、ドア907が閉じられている場合に、近傍要素940は、信号がギャップ904を横断して送信され得るのに十分な程に近い。許容され得るギャップ904のサイズすなわち大きさは、使用される特定の近傍要素940及び信号の強度に依存する。しかしながら、電気接続を維持するためのこれらのタイプの装置に対する適切なギャップ904は、0インチ(すなわち、接触状態)から0.25インチまでの範囲内に含まれることが予想される。ドア907が閉じられ、近傍要素940が電気接続間隔のそれらの範囲内にある場合に、RFID回路908aは完全であり、それによって、RFID装置900が問い合わせされた場合に、安全確保信号がデータ装置211に返され得る。しかしながら、
図10で示されるように、ドア907が開かれていた場合に、対応する近傍要素940の分離は、近傍要素940のための最大伝送ギャップ904を超え、したがって、帰還信号の伝送を妨げる。この状態では、RFID回路908aから信号は返されず、したがって、開封確認状態がデータ装置211によって認識される。
【0049】
開封確認状態が検出された後で、対応する表示は、コンパートメント907が検査されるまで、ユーザインターフェース206上で維持され、以下で説明されるように、センサ900及びユーザインターフェース206(携帯型の装置であるか又は固定されたディスプレイの部分であるかにかかわらず)は、リセット及び安全確保される。RFIDセンサ900aのリセットは、リセットボタン934又はRFIDセンサ900の他のリセット装置を押下することによって完了され、ほぼ同時に、許可された者によってユーザインターフェース206にリセット情報が入力され得る。上述されたように、この文脈では、「ほぼ同時」は、30秒未満、又はセンサ900及びデータ装置211の状態に適切な何らかの他の短い時間を意味し得る。データ装置をリセットするためのこの時間制限は、データ装置211にプログラムされ得る。データ装置211が、携帯型の装置であり、センサ900の場所においてユーザによって手で握られ得る所では、この時間制限がより短くなり得る。以下で議論されるように、データ装置211が固定された装置である所では、この時間制限がより長く成り得る。なぜならば、リセットボタンを押下した後で、幾らかの時間間隔が、固定されたデータ装置及びディスプレイへ移動して戻り、データ装置211をリセットするユーザにとって予期されるからである。例えば、航空機の用途では、固定されたデータ装置211を伴って使用するための選択されたリセット時間制限は、それぞれの航空機の一方の端部から他方の端部へユーザが歩くことにかかる典型的な時間を包含し得る。
【0050】
安全性の更なる積み重ねのために、RFID回路908aをリセットすることは、ただ単にリセットボタン934を押下する以上のことを含み得る。すなわち、様々な種々のリセット装置を含んで、様々な更なる安全性の特徴がリセットプロセスと併せて追加され得る。例えば、センサ900は、許可された者のみに知られているパスワードを受け入れる物理的なキーロック又はキーパッドを含み得る。代替的には、センサ900が、特定の順序で押下されるべき一連のリセットボタンを含み、又は単一のリセットボタンが何らかの特定の回数だけ押下され得、又は「モールス信号」アプローチのような、長い継続時間及び短い継続時間の押下の組み合わせが採用される。別の一代替例では、小さい目立たないボタンの孔がセンサ900上又はそれに隣接して提供され、その孔を介して、センサ900が、特定のリセットピン又は小さいツールを使用してリセットされ得る。別の一代替例として、キーカードリーダー又はメモリカードリーダーが、センサ900に関連付けられ、バーコード、磁気ストリップ、埋め込まれたコンピュータチップ、又は何らかの他の情報記憶装置を有するカードから読み取る。これらのカードは、スマートカード、チップカード、SIM(加入者識別モジュール)カード、ICC(集積回路カード)、スマートキー、遠隔キーホブ、近傍カード(proximity card)、ブルートゥース装置、又はリセットを可能にする他のタイプのメモリカード若しくは装置含み得る。更に別の一代替例として、様々な形態の生体認証装置が、指紋、虹彩、手形、及び音声認識装置などのセンサ900に関連付けられ得る。これらの更なる安全対策のいずれか及びリセット装置は、それ自身で又は共に使用され、センサ900に対するリセット入力を提供するために、センサリセットプロセスと関連付けられ得る。
【0051】
安全性の理由で、本明細書で開示されるRFID開封検出システム及び方法は、リセットが、センサ900及びデータ装置211(携帯型の装置であるか又は固定されたディスプレイであるかにかかわらず)の両方においてのみ生じ、センサそれ自身だけにおいて起きないように、構成され得る。上述したように、データ装置211は、パスワードで保護され、それによって、許可されたユーザだけがセンサ900をチェック及びリセットし得る。データ装置211は、センサ900のリセットに関する履歴データベースをも含み、又はそれに通信可能に接続され得る。このデータベースは、センサの場所、及び検査/リセット動作を実行したユーザのユーザプロファイルと相互に関係付けられた時間ログを含み、したがって、責任の所在確認を提供し得る。
【0052】
一組のRFID回路908a、bを有するRFID開封明示センサ900bの概略図が、
図12で示されている。
図11の実施形態のように、この開封明示RFIDセンサ900bは、概して、分離可能な物体906の分離境界904における分割ライン912を横断して配置された分離領域910にわたり連結された、第1の部分902a及び第2の部分902bを含む。しかしながら、
図12で示されるように、この装置900bは、第1及び第2の部分902a、bの両方に及ぶ第1のRFID回路908a、並びにRFIDセンサ900bの第2の部分902b上に全体が配置された第2のRFID回路908bを含む。第1のRFID回路908aのプロセッサ920aは、第1の部分902a上に全体が配置され、一方、第1のRFID回路908aの一部分、この場合ではアンテナ部分922aが、第1及び第2の部分902a、bの間の一組の選択的に破壊可能な電気接続936、938を介して、分離領域910を横断して電気的に接続されている。選択的に破壊可能な電気接続936、938は、
図11に関して上述されたように、分離された回路要素の対応する部分上の対向する近傍要素940a、bを伴って構成され得る。
【0053】
上述されたように、2つのRFID回路908a、bは、パッシブ又はアクティブであり得るが、パッシブRFID装置が、この用途に対して望ましい特性を有すると考えられる。RFID回路908a、bの両方は、概して、
図11に関して上述されたRFID回路908aのように構成される。具体的には、第1のRFID回路908aは、RFIDプロセッサユニット920a及びアンテナ部分922aを含み、RFIDセンサ900bの第1及び第2の部分すなわちローブ902a、bの両方と関連付けられる。第2のRFID回路908bも、RFIDプロセッサユニット920b及びアンテナ部分922bを含み、センサ900bの第2の部分902bのみと関連付けられる。第1のRFID回路908aは、第1の信号を送信するように構成され、第2のRFID回路908bは、第2の信号を送信するように構成される。しかしながら、2つのRFID回路のうちの一方のみの一部分(例えば、第1のRFID回路908aのアンテナ部分922a)が、選択的に破壊可能な電気接続936、938に及び、そこで、その一部分が、センサ900bが使用される際に、キャビネット又は他の分離可能な物体906の分離境界910を横断して横たわる。
【0054】
この構成では、キャビネット907を開くことが、第1のRFID回路908aのみの一部分を断ち切り、第2の回路908bは断ち切らないので、データ装置211から問い合わせがあった場合に、RFID回路908のうちの一方のみが信号を返すことを可能にする。第1のRFID回路908aは、キャビネットのドア907を開くことによって破壊可能であり、リセットボタン934を含み、それは、第1のRFIDプロセッサユニット920aに電気的に接続され、以下に説明されるリセット機能のために使用される。
【0055】
センサ900bに対する選択的に破壊可能な電気接続は、
図11に関して上述されたように、非接触電磁近傍接続装置940を使用して生成され得る。
図9で示されるように、ドア907が閉じられた場合に、近傍要素940は、信号がギャップ940を横断して伝送され得るのに十分な程に近く、RFIDセンサ900bが問い合わせされた場合に、安全確保信号がデータ装置211に戻され得る。しかしながら、
図10で示されるように、ドア907が開かれた後で、対応する近傍要素940の分離は、信号が返されないことをもたらし、開封確認状態が、データ装置211によって認識され、ユーザインターフェース206上に表示される。RFIDストリップの実施形態に関して上述されたように、RFID回路908a、bのいずれからも信号が受信されない場合に、これは、RFIDセンサ900bが伝送範囲外にあること、又は全体としてセンサ装置が損傷を受け又は誤動作していることを示し得る。開封確認状態が判定された場合に、関連付けられたコンパートメント又は物体906が検査され、センサ900b及びデータ装置211がリセット及び安全確保され得る。
【0056】
図11又は
図12のいずれの実施形態であっても、センサ900のリセットは、データ装置211及びRFIDセンサ900の状態をほぼ同時にリセットすることを含む。具体的には、これは、ユーザが特定のセンサ900上のリセットボタン934を押下して、関連付けられたRFID回路908の状態をリセットすること、関連付けられたコンパートメント906のドア907を閉じること、及び、その後、ユーザインターフェース206に安全コード又は他の情報を入力することなどによって、データ装置211にほぼ同時にリセット入力を提供し、開封された場所が検査され安全確保されたことを示すことを含み得る。上述のように、更なる安全性のために、センサ900をリセットすることは、ただ単にリセットボタン934を押下する以上のことを含み得る。
【0057】
RFID回路908aが破壊された(すなわち、ドア又はコンパートメントが開かれた)場合に、ただ単にリセットボタンを押下することが、回路が再び閉じられることを可能にしないように、RFIDプロセッサユニット920aがプログラムされ得る。代わりに、RFIDプロセッサユニット920aは、データ装置がリセットされた後で、データ装置211と「応答確認」又は同様なデータの交換も行うことを必要とする。一旦、これが行われると、その後、リセットが認められ、回路が閉じられ、安全確保表示がユーザインターフェース206上に表示されることを可能にする。この機能は、人間が、ドア/コンパートメントに入り込み、その後、ユーザインターフェース206が範囲外になっている間にリセットボタンを押下するという状況に対処する助けとなる。応答確認は、データ装置211がRFIDセンサ900の放送近傍内にある間に実行され、それによって、データ装置211は信号を検出することができる。
【0058】
上述のように、データ装置211は、携帯型の装置又は固定された装置を含み得る。RFID開封明示ストリップ300又はセンサ900に問い合わせし、それらから帰還信号を受信するように構成された、携帯型のユーザインターフェース装置206a、この場合にはタブレットコンピュータ214の平面図が、
図13で示されている。この図面は、航空機の用途で使用される携帯型の装置214のためのユーザインターフェースディスプレイ212の一実施形態を示している。このディスプレイ212は、航空機230の平面図を含み、航空機の座席に関連付けられた品物(例えば、救命胴衣のコンパートメント)の安全性の状態の特定の表示を示し、更なる表234が、貯蔵用コンパートメント又は航空機の洗面所の場所などの、他の品物又は場所の安全性の状態を示している。有利なことには、ユーザが、この手で握ることができる装置214を放送モードで航空機内を通して運ぶことができ、それによって、携帯型の装置214が、その航空機内の全てのRFID保安装置(
図2の202)へ向けられた信号を送信し、その後、ユーザがそれらに十分近い所を通過する際に、RFID保安装置の全てから安全性の帰還信号を受信する。ユーザは、その後、全てのRFID安全タグの場所を検査する必要なしに、特に、開封確認信号を返した任意のRFID保安装置の場所を調査し検査することができる。
【0059】
図13の携帯型の装置に対する一代替例として、本開示による、RFID開封検出システムを有する航空機内で使用される固定されたデータ装置1400が、
図14で示されている。本開示によるRFID開封検出システムを有する航空機1404のキャビンの平面
図230が、
図15で示されている。この航空機の用途では、固定されたデータ装置1400が、(
図15で示される)航空機1404の入口1406又は調理領域1408の近くなどの、航空機1404の乗務員領域内の内装パイロン1402に取り付けられ(すなわち、固定され)ている。
図15で示されるように、複数の固定されたアンテナ208bが、航空機1404の主要なキャビン1412の全体を通して配置されている。これらは、固定されたデータ装置1400に電気的に接続され、それに対してデータを供給する。
【0060】
複数のアンテナ208bは、固定されたデータ装置1400のトランシーバーに電気的に接続され、各アンテナが、複数のRFID保安装置に対して固定された場所内に配置されている。各アンテナ208bは、複数の保安装置のうちの少なくとも一部と信号を送受信し、それによって、全てのそのような装置がカバーされ、データ装置1400の移動が不必要である。代替的な一実施形態では、
図15で示される固定されたアンテナ208bが、航空機1404上のWiFiシステムの構成要素であり得る。同様に、他の用途(すなわち、航空機に追加して)では、本開示によるRFID開封検出システムが、既に設置場所の部分である、WiFi又は他の無線周波数伝送システムを利用し得る。データ装置1400は、したがって、トランシーバーを有する固定された計算装置であり、アンテナ208bに対して固定された場所に配置され、ユーザに、航空機内のRFID保安装置の全ての状態に関する情報を提供することができる。同様な固定されたデータ装置は、本明細書で開示されるシステム及び方法の他の用途に対して使用され得る。例えば、銀行の用途では、データ装置が、銀行の建造物の全体を通して配置された複数のアンテナを伴って、壁に取り付けられ、複数のRFID保安装置からの安全性のフィードバックを提供する。
【0061】
図14で示されるように、データ装置1400は、ディスプレイ212を有するユーザインターフェース206bを含み、それは、上述のように、航空機のキャビンの平面
図230を含み、航空機の全体を通して様々な開封明示RFID保安装置の状態を表示するための表234を含み得る。航空機のキャビンの平面
図230のより大きい図面が、
図15で示されている。この図面は、解釈することが容易でユーザフレンドリーなグラフィカルインターフェース内での、航空機1404の各座席1416(例えば、乗客の救命胴衣用容器)と関連付けられたRFID開封明示装置のための特定の表示を含み得る。このディスプレイでは、各座席1416に対する各乗客の救命胴衣用容器の状態が、座席のアイコンを満たした特定の色によって示される。乗客の救命胴衣用容器が安全確保されている所では、それぞれの座席が、青又は緑などの特定の色で現れ得る。乗客の救命胴衣用容器が開封された所では、座席のシンボルが、赤又は何らかの他の警告を示す色で表示され得る。同様な図像のシステムは、航空機の洗面所1418及び/又は他のオープン可能なコンパートメントなどに対する航空機のキャビン画像230内で使用され得る。
【0062】
本明細書で開示されるRFID開封検出システムのためのデータ装置211が、携帯型のデータ装置214を使用するか又は固定されたデータ装置1400を使用するかにかかわらず、データ装置は、トランシーバーを組み込み、又は少なくともトランシーバーに接続され、RFID保安装置(
図2の202)との間で無線周波数信号を送受信するように構成される。データ装置は、分離可能な物体の開封確認すなわち開封された状態を示す帰還信号と、分離可能な物体の安全確保すなわち開封されていない状態を示す帰還信号とを区別するようにプログラムされている。各開封確認信号は、RFID粘着ストリップ(
図3〜
図6の300)を交換すること、又はRFIDセンサ(
図9〜
図12の900)をリセットすることのいずれかによって、リセット動作が実行されるまで、データ装置211のユーザインターフェース206上に残る。このシステムを使用して、ユーザは、複数のストリップ及び/又はセンサの状態を素早くリビューすることができ、各保安装置の場所を物理的に検査することを必要とせずに、開封された領域のみを調査することができる。
【0063】
航空機の用途では、本開示によるRFID装置を使用する開封検出システムが、
図16のブロック図内で示されるように、概念的に見られ得る。開封明示システム1600は、概して、1以上のRFIDストリップ(すなわち、ストリップ)又はセンサ1602を含み、それらは、RFIDリーダー1606に関連付けられたアンテナ1604との間で信号を送受信する。今度は、RFIDリーダー1606が、手で握ることができる(すなわち、携帯型の)装置又は固定された装置であり得るユーザインターフェース1608に接続され、ユーザ1610のためのインターフェースを提供する。ユーザインターフェース1608、リーダー1606、及びアンテナ1604は、集合的に、データ装置を備えると考えられ、単一の物理的なユニットに組み込まれ得るか、又は組み合わされたシステムの個別の要素として提供され得る。代替的には、ユーザインターフェース1608が、関連したコンピュータプロセッサ及びシステムメモリを含み、本明細書で開示された機能に対してプログラムされ、それ自身で又はただ一つの若しくは他のリーダー1606及びアンテナ1604と併せて、データ装置を作り上げると考えられ得る。
【0064】
開封明示システム1600は、航空機の内装1614に含まれる航空機システム1612の部分であり、航空機の内装1614は、航空機1618の機体1616の範囲内に配置される。代替的には、本開示によるRFID開封明示システムが、貨物ドア又は貨物コンパートメント内の領域及び航空機の外装のハッチなどの、航空機の内装を超えたシステムと関連しても使用され得る。このタイプの開封明示システムは、閉じることができ日常的に検査される航空機の任意の部分で使用され得る。
【0065】
本開示による2以上のRFID回路を有するRFID装置を使用する開封検出方法の一実施形態の動作のステップを示すフローチャート1700が、
図17で示されている。プロセスの開始において、ユーザは、先ず、RFIDデータ装置又はその関連付けられたアンテナの範囲内にある全てのRFIDストリップ又はセンサに問い合わせる(1704)。データ装置が固定されたディスプレイ及び制御装置に関連付けられている所では、システムが、推定上、関連付けられたアンテナの全てを介して全ての関連付けられたRFID装置に問い合わせ信号を送信し、これらの装置から来る全ての帰還信号を受信する。RFIDデータ装置が携帯型の装置である所では、RFID保安装置に問い合わせることが、全ての潜在的なRFIDに問い合わせ信号を送信すること、及びユーザが様々なRFID保安装置に対して移動する際に、放送範囲内にあるそれらからの帰還信号を受信することを含み得る。
【0066】
このプロセスにおける簡明さのために、各RFID回路は、ユニークなデジタルアドレスを有し、それによって、各RFIDが、正しいアドレスを搬送する信号のみを認識しそれに応答する。このことは、データ装置が、携帯型であれ又は固定式であれ、連続して複数のRFID装置に問い合わせすることを可能にし、それによって、複数の帰還信号は、全てが同時に受信されるわけではないが、次から次へと受信される。各RFID保安装置のデジタルアドレスは、RFID保安装置の実際の物理的な場所に対応し得る。各RFIDストリップ及びセンサは、それに印刷されたそのデジタルアドレスを有し得る。RFIDセンサでは、デジタルアドレスが、センサ装置の裏に印刷され得る。RFIDストリップに対しては、ストリップがほぼ透明であり得る一方で、各ストリップが、ストリップ上に目立たないように印刷された識別番号を含み、識別番号は、そのRFID回路のデジタルアドレスに対応し得る。所与のストリップ(又はセンサ)が交換される場合に、識別番号が、場所を特定する情報と共にデータ装置211に入力され、それによって、新しいデジタルアドレスが、RFID保安装置に問い合わせるために使用され得る。
【0067】
最初の問い合わせ信号が送信された(ブロック1704)後で、それらから安全確保帰還信号が受信された(ブロック1706)ところの全てのRFID装置が、無傷のRFID保安装置を有していると認識される。この状態は、ユーザディスプレイ上で緑のチェックマーク又は「Yes」の表示(
図13の226)によって表され得る。これらのRFID装置に対しては、更なる動作が示されず(ブロック1708)、プロセスが終了する(ブロック1710)。
【0068】
それらから帰還信号が受信されなかった(ブロック1712)ところのRFID装置に対しては、これが、特定のRFID装置が範囲外であるか又は誤動作している(ブロック1714)ことを示すと解釈され、システムは、ユーザディスプレイ上にオレンジ色のクエスチョンマーク(
図13の232)又は他の適切なシンボルを提供することができる。携帯型のデータ装置(
図2、
図13の214)が使用されている所では、信号未受信の結果に応じてユーザが取るべき推定上の動作が、検査されている領域へ近づく(ブロック1716)こと、及びブロック1704に戻って問い合わせ信号を再び送信することである。特定のRFID装置から信号が受信されるべき任意の又は全ての場所へ移動し、繰り返し問い合わせを送信した後で、未だ信号の応答が受信されない場合に、これは、RFID装置が誤動作していることを示し、RFID装置は修理されるか又は交換されるべきである。固定されたリーダー及びディスプレイ装置(
図14の1400)に対して、信号の応答の未受信は、推定上、RFID装置が誤動作していることを示し、RFID装置は修理又は交換されるべきである。
【0069】
それらから開封確認の帰還信号が受信された(ブロック1718)ところのRFID装置に対して、これは、特定のRFID装置のコンパートメント又は領域が検査されるべき(ブロック1720)ことを示すと解釈され、システムは、ユーザディスプレイ上に赤い「X」又は他の適切なシンボル(
図13の228)を提供することができる。この状況では、コンパートメント又は場所を検査した後で、問題のRFID保安装置が粘着ストリップタイプの装置である(ブロック1722)場合に、ユーザが、ストリップを交換する(ブロック1724)ことができ、データ装置が携帯型の装置であるか又は固定されたアンテナを有する固定された装置であるかかかわらず、上述したやり方で、データ装置をリセットする(ブロック1726)ことができ、ブロック1704に戻って、問い合わせプロセスを繰り返す。開封確認信号を返したRFID保安装置が、センサタイプの装置である(ブロック1728)場合に、ユーザは、コンパートメント又は場所を検査した後で、上述のやりかたで、センサ(すなわち、リセットボタンを使用して)及びデータ装置の両方をリセットする(ブロック1730)。上述されたように、センサ及びそれに関連付けられたデータ装置をリセットすることは、データ装置が携帯型の装置であるか固定された装置であるかにかかわらず、ほぼ同時に、センサ上のリセットボタンを押下し、データ装置へコードを入力する(ブロック1732)ことを含むプロセスである。リセットの後に、ユーザは、第1の問い合わせステップ(ブロック1704)に戻り、再び全てのRFID装置に問い合わせをし、今や、全てのRFID装置が安全確保状態を示していることを確かめる。この問い合わせステップ(ブロック1704)は、全てのRFID保安装置に対して、安全確保状態(ブロック1706)が返されるまで繰り返され得る。
【0070】
本開示による単一のRFID回路を有するRFID装置を使用する開封検出方法の一実施形態の動作のステップを示すフローチャー1800が、
図18で示されている。プロセスの開始において、ユーザは、
図17に関して上述されたやり方で、先ず、RFIDデータ装置又はその関連付けられたアンテナの範囲内にある全てのRFIDストリップ又はセンサに問い合わせる(ブロック1804)。上述されたように、各RFID回路は、ユニークなデジタルアドレスを有し、それによって、各RFIDが、正しいアドレスを搬送する信号のみを認識しそれに応答し得る。
【0071】
最初の問い合わせ信号が送信された(ブロック1804)後で、それらから安全確保帰還信号が受信された(ブロック1806)ところの全てのRFID装置が、無傷のRFID保安装置を有していると認識される。この状態は、ユーザディスプレイ上で緑のチェックマーク又は「Yes」の表示(
図13の226)によって表され得る。これらのRFID装置に対しては、更なる動作が示されず(ブロック1808)、プロセスが終了する(ブロック1810)。
【0072】
それらから帰還信号が受信されなかった(ブロック1812)ところのRFID装置に対しては、これが、特定のRFID装置が範囲外であるか若しくは誤動作していること、又は特定のRFID装置が開封確認された(ブロック1814)ことを示すと解釈され、システムは、ユーザディスプレイ上にオレンジ色のクエスチョンマーク(
図13の232)若しくは赤い「X」(
図13の228)又は他の適切なシンボルを提供することができる。携帯型のデータ装置(
図2、
図13の214)が使用されている所では、信号の未受信の結果に応じてユーザが取るべき推定上の動作が、検査されている領域へ近づく(ブロック1816)こと、及びブロック1804に戻って問い合わせ信号を再び送信することである。
【0073】
特定のRFID装置から信号が受信されるべき任意の又は全ての場所へ移動し、繰り返し問い合わせを送信した後で、信号の応答が未だ受信されない場合に、領域又はコンパートメントは、そのとき、直接的に検査されるべきである(ブロック1820)。この状況では、コンパートメント又は場所を検査した後で、問題のRFID保安装置が粘着ストリップタイプの装置である(ブロック1822)場合に、ユーザが、ストリップを交換する(ブロック1824)ことができ、データ装置が携帯型の装置であるか又は固定されたアンテナを有する固定された装置であるかかかわらず、上述したやり方で、データ装置をリセットする(ブロック1826)ことができ、ブロック1804に戻って、問い合わせプロセスを繰り返す。信号を返さなかったRFID保安装置が、センサタイプの装置である(ブロック1828)場合に、ユーザは、コンパートメント又は場所を検査した後で、上述のやりかたで、センサ(例えば、リセットボタンを使用して)及びデータ装置の両方をリセットする(ブロック1830)。上述されたように、センサ及びそれに関連付けられたデータ装置をリセットすることは、データ装置が携帯型の装置であるか固定された装置であるかにかかわらず、ほぼ同時に、センサ上のリセットボタンを押下し、データ装置へコードを入力する(ブロック1832)ことを含むプロセスである。リセットの後に、ユーザは、第1の問い合わせステップ(ブロック1804)に戻り、再び全てのRFID装置に問い合わせをし、今や、全てのRFID装置が安全確保状態を示していることを確かめる。この問い合わせステップ(ブロック1804)は、全てのRFID保安装置に対して、安全確保状態(ブロック1806)が返されるまで繰り返され得る。
【0074】
本明細書で開示されたシステム及び方法は、したがって、単に検査官の知識及び注意力に依存するのではなく、安全確保された場所及び物体の比較的安価な開封防止密封を提供するやり方を提供する。それは、状態を示す意図的に破壊可能なRFIDタグを使用する、安全確保されたセクターの安価な密封のための方法を提供する。このシステムの下で、安全確保されたセクターのより効率的な検査が可能になる。なぜなら、安全確保された場所又は物体の更なる検査は、開封確認信号が受信された場合にのみ必要とされるからである。センサから安全確保又は開封確認信号のいずれかを収集することにおいて、システムは、安全確保されたセクターへの不正なエントリーの明瞭な表示を提供し、これらの安全確認されたセクターに対するアクセスのより優れたデータ収集を提供する。このシステムは、したがって、検査に含まれる時間を合理化し且つ低減させて、エラーを低減させることができる。航空機の用途に対して、これは、航空機の警備及び安全性を改良する助けとなり、一方で、費用も低減させ得る。例えば、このシステムは、検査官による各開封明示ストリップ又はセンサの目視検査を含まないので、飛行機が安全点検のために地上に待機している時間を大幅に低減させることができ、したがって、飛行機のオペレーターの費用を大幅に倹約する。
【0075】
このシステム及び方法は、開封明示ストリップなどの視覚的及び審美的影響も低減させる。本明細書で開示されたシステム及び方法は、使用することが容易でもあり、1つの読み易いディスプレイ内で、任意の開封された領域を特定し、それは、飛行機のオペレーターからの重大な懸念に対処する。最後に、この種のシステム及び方法は、元々の装備としてか、又は後付けされるシステムとして、任意の航空機に適用することができ、内装建造物製造業者などの航空機の製造業者及びそれらの供給業者によって実行されることができる。
【0076】
本明細書で開示されるシステム及び方法が、様々な分野で使用され得ることも理解されるべきである。航空機が、本開示に対する航空宇宙用途の一実施例として与えられたが、これは、航空宇宙用途のただ1つだけの実施例であることが理解されるべきである。更に、航空宇宙の実施例が示された一方で、本開示の原理は、品物又は場所の安全性が望ましい任意の分野を含む他の産業に適用され得る。例えば、上述されたように、本明細書で開示された開封検出のためのシステム及び方法は、固定されているか移動可能であるかにかかわらず、オープン可能なキャビネット、ハッチ、収納ケースなどの品物、及び密封されている品物に適用され得る。それは、破くことが可能なスポーツチケット、破くことが可能な搭乗券、駐車券、バックステージパス、及び分離又は過去の使用の表示が望ましい任意の形態の一時的なアクセスパス又は任意の他の保安装置にも適用され得る。例えば、この技術を使用する航空機の搭乗券は、搭乗券が完全である場合には第1の信号を送信し、関連付けられた乗客が未だ搭乗していないことを示す。しかしながら、乗客が輸送体に入ると、搭乗券は破られ、RFID保安装置が変化し、乗客が搭乗したことを示す第2の信号を送信する。同様のプロセスが、スポーツチケットに対して使用され得る。一時的なアクセスパスなどを伴う使用に対しては、安全な環境で、パスが無傷である場合に、それは第1の信号を送信する。人が安全な場所から出る場合に、パスは、警備担当者によって破かれ、その後、第2の信号のみを送信し、その再使用を不可能にする。同じ構成が、駐車券、バックステージパスなどの多数の用途で機能し得る。
【0077】
本明細書で開示されたシステム及び方法は、幾つかの例を挙げれば、軍事(例えば、武器、兵器、機密機器などの安全を確保する)、銀行業界(例えば、貨幣用容器、金庫などの安全を確保する)、製薬及び化学産業(例えば、薬品又は有害な化学物質などの安全を確保する)、病院(例えば、薬及び高価な医療用品の安全を確保する)、製造作業(例えば、ツールなどの安全を確保する)、及び石油化学産業などの様々な産業で容易に使用され得る。例えば、ほとんどの自動車用燃料ポンプは、クレジットカードの機構の改変及びクレジットカードのスキミングを抑止するために、クレジットカードのリーダーを取り囲んで、ポンプユニットの前パネルを横断する開封明示ステッカーを有する。多くの他の用途も可能である。
【0078】
様々な実施形態が示され説明されたが、本開示は、限定的なものではなく、当業者にとって明らかな全てのそのような修正例及び変形例を含むと理解されるべきである。