(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1部分(32)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組を備え、薄肉部(34)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組の半径方向外側にあり、第2部分(36)が薄肉部(34)の半径方向外側の軸線方向に延在する突起(50)の第2の組を備える、請求項1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20)。
円周方向に延在する溝(42)が、半径方向外側の面(38)において、第2部分(36)の略全体に延在している、請求項1または2に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20)。
逃がし溝(44)が、少なくとも部分的に、円周方向に延在する溝(42)を取り囲む、請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の図面は、必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様を示すことのみが意図されており、したがって、本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。図面では、同様の番号は図面間で同様の要素を表す。
【0012】
本明細書に開示される主題は、蒸気タービンに関する。詳細には、本明細書に開示される主題は、蒸気タービンのノズルに関する。
【0013】
本開示の様々な実施形態によれば、蒸気タービン用ドラムノズルは、ノズルのダブテール部の円周方向に面する側面に、1以上の逃がし溝を含む。様々な実施形態では、逃がし溝は、ダブテール部の半径方向外側の面で、円周方向に延在する溝に当接する。いくつかの実施形態では、逃がし溝は、少なくとも部分的に、円周方向に延在する溝を取り囲む。いくつかの実施形態では、逃がし溝は、円周方向に延在する溝から、ダブテール部の、軸線方向に面する側面まで延在している。いくつかの実施形態では、逃がし溝は、ノズルのダブテール部の円周方向に面する側面からダブテール部内に、約0°超5°未満の角度(例えば、いくつかの場合では1〜5°)で延在していてもよい。様々な実施形態では、この逃がし溝は、逃がし溝がドラムノズルリングの水平継手表面と略同一平面上にあるように、円周方向に面する側面から、角度をなして延在している。逃がし溝により、通常のノズル及び組立体と比較して、蒸気タービン用ドラムノズルの位置合わせ及び/又は取り付けを改善することができる。
【0014】
これらの図面に示されているように、「A」軸は、(タービンロータの軸に沿っており、タービンの中心線と呼ばれる場合もある)軸線方向を示す。本明細書で使用する、「軸線方向の」及び/又は「軸線方向に」という語は、ターボ機械(特にロータ部)の回転軸と略平行な軸線Aに沿った、物体の相対的位置/方向を指す。さらに、本明細書で使用する「半径方向の」及び/又は「半径方向に」という語は、軸Aに略垂直であり、かつ軸Aと1か所だけで交差する、軸(r)に沿った、物体の相対位置/方向を指す。さらに、「円周方向の」及び/又は「円周方向に」という語は、軸Aを取り囲むが、いずれの位置でも軸Aと交差しない円周(c)に沿った、物体の相対的な位置/方向を指す。図面で、同一の番号が付記された要素は、略同等の(例えば、同一の)構成要素を示す。
【0015】
図1を参照すると、蒸気タービン2(例えば、高圧/中圧蒸気タービン)の部分断面概略図が示されている。蒸気タービン2は、例えば、低圧(LP)部4及び高圧(HP)部6を含んでいてもよい(当技術分野で知られているように、LP部4又はHP部6のいずれも、中間圧力(IP)部を含むことができることは、理解されよう)。LP部4及びHP部6は、少なくとも部分的に、ケーシング7内に入れられている。蒸気は、ケーシング7の1つ以上の入口8を通ってHP部6及びLP部4に入ることができ、入口8から軸線方向の下流に向かって流れることができる。いくつかの実施形態では、HP部6及びLP部4は、軸受12と接触してもよい共通のシャフト10によって連結されており、これにより、LP部4及びHP部6の各々の中で作動流体(蒸気)がブレードの回転を強制する際、シャフト10の回転を可能にする。LP部4及びHP部6内で、ブレードに機械的に作用した後、作動流体(例えば、蒸気)は、ケーシング7の出口14を通って出ることができる。HP部6及びLP部4の中心線(CL)16は、基準点として示されている。LP部4及びHP部6はいずれも、ダイヤフラム組立体を含むことができ、ダイヤフラム組立体はケーシング7の区分内に収容されている。
【0016】
図2は、本開示の様々な実施形態に係る、蒸気タービン用ドラムノズル(又は単に、ドラムノズル又はノズル)20の概略的な3次元描写を示している。ドラムノズル20は、翼形部22と、翼形部22の第1端部26に連結された半径方向内側の側壁24と、翼形部22の第2端部30に連結された半径方向外側の側壁28とを含むことができ、第2端部30は第1端部26に対向している。様々な実施形態によれば、半径方向外側の側壁28は、翼形部22の半径方向外側の第1部分32、第1部分32に連結された(第1部分32と比べ薄い、軸線方向の厚さを有する)薄肉部34、及び、薄肉部34に連結されており、かつ翼形部22の半径方向外側に配置された、(薄肉部34よりも、軸線方向で厚い)第2部分36を含む。第2部分36は、半径方向外側の面38と、半径方向外側の面38に当接する、円周方向に面する側面40とを有することができる。様々な実施形態によれば、第2部分36は、円周方向に延在する溝42と、円周方向に面する側面40から第2部分36内に(第2部分36の本体46内に)延在する逃がし溝44とを含む。様々な実施形態によれば、第1部分32は軸線方向に延在する突起48の第1の組を備え、薄肉部34は第1部分32の半径方向外側に配置され、第2部分36は薄肉部34の半径方向外側に配置された軸線方向に延在する突起50の第2の組を備える。様々な実施形態では、円周方向に延在する溝42は、半径方向外側の面38において、第2部分36の(円周方向の)略全体に延在している。
【0017】
図3は、様々な実施形態によるドラムノズル20(
図2)の部分の、拡大斜視図を示す。いくつかの場合では、ドラムノズル20は、円周方向に面する側面40の軸線方向の略中間点52から、第2部分36の軸線方向に面する側面54まで延在する、逃がし溝44を含む。本明細書で説明するように、逃がし溝44は、逃がし溝44が、第2部分36の軸線方向、円周方向、及び半径方向の輪郭内に適合するように、第2部分36の本体46内に延在している。さらに様々な実施形態では、逃がし溝44は半径方向に、第2部分36を超えて薄肉部34内まで延在して、薄肉部34における、半径方向に面する壁58を露出させてもよい。様々な実施形態によれば、逃がし溝44は、例えば円周方向に面する側面40に近接する、円周方向に延在する溝42に、当接(例えば、接触又は略接触)してもよい。逃がし溝44は、約5°未満の角度(例えば、0°超約5°以下の角度で、いくつかの場合では、1〜5°の角度)で、円周方向に面する側面40から第2部分36(第2部分の本体46)内まで、延在していてもよい。
【0018】
いくつかの場合では、ドラムノズル20は、ドラムノズル組立体60に配置された、初めの、すなわち最初のドラムノズル20を含んでいてもよく、ドラムノズル組立体60はその一部が、
図4の概略斜視図に示されている。すなわち、ドラムノズル20は、内面に円周方向に延在する溝64を有するドラムノズルリング62内に、最初のノズルとして配置することができる。図示されているように、逃がし溝44を有するドラムノズル20は、ドラムノズルリング62の水平継手表面66に近接する、ドラムノズルリング62内に、嵌合することができる。当技術分野で知られているように、水平継手表面66は、ロータの周りにドラムノズルリング62を形成する半体の各円周端部の、外面の位置(又は平面)である。各々の水平継手表面66は、ドラムノズルリング62の対応する他方の半体の、対向する水平継手表面と接合するように設計されている。ドラムノズル20がドラムノズルリング62内の最初のノズルを含む場合、ドラムノズル20は、ピン68を用いて溝64内に保持することができ、ピン68は、溝64の内壁と円周方向に延在する溝42との間に圧入(例えば、押し込む、ハンマーで打ち込む、又はその他の方法で物理的に動かす)されてもよい。様々な実施形態によれば、逃がし溝44は、ノズル20と水平継手表面66との間、及びノズル20と、もう片方のドラムノズルリング62の半体にある相手のノズル20との間の、位置合わせと、間隔を空けることとを可能にする。
【0019】
図5はドラムノズル120の代替的な実施形態を示しており、ドラムノズル120は、複数の追加的ノズル220を含むドラムノズル組立体122(
図6)内に、閉鎖する、すなわち最後の、ドラムノズルを含んでいてもよい。図面間の同様の符号は、実質的に同様の構成要素を表すことができ、描写を明確にするために、重複する説明は省略されることは理解されよう。これらの実施形態では、ドラムノズル120は、軸線方向の略中間点52から、第2部分36の軸線方向に面する表面(側面)54(この図では隠れている)の軸線方向内側の位置124まで延在する、逃がし溝44を含む。いくつかの場合では、逃がし溝44は、少なくとも部分的に、円周方向に延在する溝42を(例えば、軸平面に沿って)取り囲み、様々な実施形態では、(ドラムノズル20におけるような)逃がし溝44は、円周方向に延在する溝42に当接する。いくつかの実施形態では、逃がし溝44は半径方向に、薄肉部34内まで延在していてもよく、様々な場合において、逃がし溝44は、約5°未満の角度(例えば、0°超約5°以下の角度で、いくつかの場合では、1〜5°の角度)で、円周方向に面する側面40から第2部分36(第2部分36の本体46)内まで、延在していてもよい。いくつかの場合では、
図6のドラムノズル組立体122に示されているように、ドラムノズル120を、キー部材126によって円周方向に延在する溝64内に少なくとも部分的に保持することができる。その際、キー部材126は、円周方向に延在する溝64内でドラムノズル120の回転を、少なくとも部分的に制限することができる。ドラムノズル20,120(
図2〜6)は、いくつかの方法で形成することができる。一実施形態では、ドラムノズル20,120は、鋳造、鍛造、溶接、及び/又は機械加工によって形成することができる。しかしながら、一実施形態では、ドラムノズル20,120(
図2〜6)の製造には付加製造が特に適している。本明細書で使用する付加製造(AM)は、通常のプロセスのような材料の除去によるのではなく、材料の連続的な積層によって、物体を製造する任意のプロセスを含んでいてもよい。付加製造は、あらゆる種類の工具、鋳型、又は取り付け具を使用することなく、かつ廃棄材料をほとんど又は全く出さずに、複雑な幾何形状を作り出すことができる。固体ビレットの多くが切り取られて廃棄される、プラスチックの固体ビレットからの部品の機械加工と異なり、付加製造では、使用される材料は、部品を成形するために必要な材料だけである。付加製造プロセスは、3Dプリンティング、ラピッドプロトタイピング(RP)、ダイレクトデジタルマニュファクチャリング(DDM)、選択的レーザ溶融(SLM)、及び直接金属レーザ溶融(DMLM)を含むことができるが、これらに限定されない。本発明の場合、DMLMが有利であることが分かっている。
【0020】
付加製造プロセスの例を説明するため、
図7は、物体902を生成するための、例示的な、コンピュータ化された付加製造システム900の概略図/ブロック図を示している。この例では、システム900はDMLM用に構成されている。本開示の一般的な教示は、他の形態の付加製造にも等しく適用可能であることは、理解されよう。物体902は、二重壁のタービン要素として示されているが、付加製造プロセスは、ドラムノズル20,120(
図2〜6)を製造するために、容易に適合させることができることは、理解されよう。AMシステム900は、一般に、コンピュータ化された付加製造(AM)制御システム904及びAMプリンタ906を含む。AMシステム900は、後述するように、AMプリンタ906を用いて物体を物理的に生成するための、ドラムノズル20,120(
図2〜6)を画成する、コンピュータで実行可能な命令の組を含むコード920を、実行する。各々のAMプロセスは、例えば、微粒子粉末、液体(例えば、ポリマー)、シート等の形態の、異なる原材料を使用することができ、原材料の蓄えは、AMプリンタ906のチャンバ910に保持することができる。本発明の場合、ドラムノズル20,120(
図2〜6)は、プラスチック/ポリマー又は同様の材料で作ることができる。図示されているように、アプリケータ912は、空白のキャンバスとして広げられた、原材料914の薄層を作成することができ、この薄層から、最終物体の連続する各々の薄片が作成される。別の場合では、アプリケータ912は、例えば、材料がポリマーである場合には、前の層の上に直接、コード920によって画成される次の層を塗工又はプリントしてもよい。図示した例では、コード920によって画成される各々の薄片について、レーザ又は電子ビーム916が粒子を融着するが、これは急結性の液体プラスチック/急結性の液状ポリマーを使用する場合は、必要ない場合もある。AMプリンタ906の様々な部分は、例えば、各々の層の後に、ビルドプラットフォーム918を下げることができる、並びに/又は、チャンバ910及び/もしくはアプリケータ912を上げることができる等、各々の新しい層の付加に対応するために動かすことができる。
【0021】
AM制御システム904は、コンピュータ930に、コンピュータプログラムコードとして実装されて示されている。この場合、コンピュータ930は、メモリ932、プロセッサ934、I/Oインターフェース936、及びバス938を含んで示されている。さらに、コンピュータ930は、外部I/O装置/リソース940及び記憶システム942と通信して示されている。一般に、プロセッサ934は、本明細書に記載するドラムノズル20,120(
図2〜6)を表すコード920からの命令に基づいて、メモリ932及び/又は記憶システム942に格納された、AM制御システム904等のコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードを実行する間、プロセッサ934は、メモリ932、記憶システム942、I/O装置940、及び/又はAMプリンタ906との間で、データの読み取り、及び/又はデータの書き込みを行うことができる。バス938は、コンピュータ930内の各々の構成要素間の通信リンクを提供し、I/O装置940は、ユーザがコンピュータ930と対話することを可能にする任意の装置(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ等)を備えていてもよい。コンピュータ930は、ハードウェア及びソフトウェアの、可能な様々な組合せを代表しているに過ぎない。例えば、プロセッサ934は、単一の処理ユニットを備えるか、又は、例えば、クライアント及びサーバ上の、1つ以上の場所の1つ以上の処理ユニットにわたって、分散していてもよい。同様に、メモリ932及び/又は記憶システム942は、1つ以上の物理的位置に存在していてもよい。メモリ932及び/又は記憶システム942は、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)等を含む、様々な種類の、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の任意の組合せを含むことができる。コンピュータ930は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯用デバイス、携帯電話、ページャ、パーソナルデータアシスタント等の任意の種類のコンピューティング装置を含むことができる。
【0022】
付加製造プロセスは、ドラムノズル20,120(
図2〜6)を表すコード920を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ932、記憶システム942等)から始まる。上述したように、コード920は、システム900がコードを実行すると、先端を物理的に生成するのに使うことができる外部電極を画成する、コンピュータで実行可能な命令の組を含む。例えば、コード920は、精密に画成された、外部電極の3Dモデルを含むことができ、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Max等の幅広い様々なよく知られている任意のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムから生成することができる。これに関して、コード920は、現在知られているか今後開発される任意のファイルフォーマットをとることができる。例えば、コード920は、3D Systems社のステレオリソグラフィCADプログラム用に作成された標準テッセレーション言語(TSL)であるか、又は、任意のCADソフトウェアが、任意のAMプリンタで成形する任意の3次元物体の、形状及び構成を記載できるように設計された、拡張可能マークアップ言語(XML)に基づくフォーマットである、米国機械学会(ASME)の規格である付加製造ファイル(AMF)でもよい。コード920は、必要に応じて、異なるフォーマット間で変換され、データ信号の組に変換されて送信され、データ信号の組として受信され、コードに変換され、格納される等してもよい。コード920は、システム900への入力であってもよく、部品設計者、知的財産(IP)提供者、設計会社、システム900の管理者もしくは所有者、又は他の供給源から来てもよい。いずれにしても、AM制御システム904はコード920を実行して、ドラムノズル20,120(
図2〜6)を、AM制御システム904がAMプリンタ906を用いて液体、粉末、シート、又は他の材料の連続層で組み立てる、一連の薄片に分割する。DMLMの例では、各々の層がコード920によって画成された正確な幾何形状に溶融され、前の層に融着される。その後、ドラムノズル20,120(
図2〜6)に、例えば、軽微な機械加工、密封、研磨、点火器先端の他の部分に対する組み付け等、任意の様々な仕上げのプロセスを行ってもよい。
【0023】
様々な実施形態では、互いに「連結」されていると記載された構成要素は、1つ以上のインターフェースに沿って結合することができる。いくつかの実施形態では、これらのインターフェースは別個の構成要素間の接合部を含んでいてもよく、別の場合には、これらのインターフェースは、堅固に、及び/又は完全に形成された相互接続部を含んでいてもよい。すなわち、いくつかの場合では、互いに「連結された」構成要素を同時に形成して、単一の連続的な部材を画成することができる。しかし、他の実施形態では、これらの連結された構成要素は、別個の部材として形成し、その後、公知のプロセス(例えば、はんだ付け、締め付け、超音波溶接、接着等)によって結合してもよい。様々な実施形態では、「連結されて」いると記載された電子構成要素は、これらの電子構成要素が相互にデータを通信できるように、通常の有線及び/又は無線手段を介して接続することができる。
【0024】
本明細書で使用する用語は、特定の例示的な実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図するものではない。本明細書で使用した、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段の明確な表示をしている場合を除き、複数形も同様に含むことを意図し得る。「備える」、「備えている」、「含む」、及び「有する」という語は、包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの、存在又は追加を排除しない。本明細書に記載する方法ステップ、プロセス、及び動作は、実施の順序として具体的に特定されていない限り、必ずしも、説明又は図示された特定の順序で実施することを要求するものと解釈されるべきではない。付加的な、又は代替的なステップを用いてもよいことも、理解されるべきである。
【0025】
ある要素又は層が、別の要素又は層に「接している」、「係合している」、「接続されている」又は「連結されている」と記載されている場合、その要素又は層は、直接、他の要素又は層に、接している、係合している、接続されている、もしくは連結されているか、又は、介在する要素もしくは層があってもよい。これに対し、ある要素が、別の要素又は層に「直接接している」、「直接係合している」、「直接接続されている」又は「直接連結されている」と記載されている場合は、介在する要素もしくは層はあってはならない。要素間の関係を説明するのに使用されている他の用語も、同様に(例えば、「間に」に対する「間に直接的に」、「隣接して」に対する「直接隣接して」等)解釈されるべきである。本明細書で使用されている「及び/又は」という語は、1つ以上の関連して列挙された項目の、任意のすべての組合せを含む。
【0026】
本明細書においては、「内側の」、「外側の」、「下の」、「下」、「下方の」、「上」、「上方の」等の空間的に相対的な語が、図面に示されている、ある要素又はある特徴の、別の要素又は別の特徴との関係を説明するための、説明を容易にするために使用されている場合がある。空間的に相対的な語は、図面に示されている向きに加え、使用中又は操作中の装置の異なる向きを包含することを、意図する場合がある。例えば、図面中の装置の上下が逆にされた場合、他の要素又は特徴の「下」にある、又は「下の」、と説明されている要素は、その後は、他の要素又は特徴の「上」方向に向けられるだろう。したがって、例えば「下」という語は、上及び下の両方の方向を含むことができる。装置は他の方向を向いていてもよく(90度回転されていても、他の方向を向いていてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記載語は、それに応じて解釈される。
【0027】
本明細書は、最良の態様を含む例を用いて本発明を開示し、かつ、当業者であれば、任意の装置又はシステムを製造及び使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を実行することを含む本発明の実施を可能にしている。・本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含んでもよい。・そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的には異ならない均等の構造的要素を有する場合は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
[実施態様1]
翼形部(22)と、
翼形部(22)の第1端部(26)に連結された半径方向内側の側壁(24)と、
翼形部(22)の第2端部(30)に連結され、かつ第2端部(30)が第1端部(26)と対向している、半径方向外側の側壁(28)と
を備える蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)であって、半径方向外側の側壁(28)は、
翼形部(22)の半径方向外側の第1部分(32)と、
第1部分(32)に連結された薄肉部(34)と、
翼形部(22)の半径方向外側の薄肉部(34)に連結され、かつ半径方向外側の面(38)、及び半径方向外側の面(38)に当接する円周方向に面する側面(40)を有する第2部分(36)と
を有し、第2部分(36)は、円周方向に延在する溝(42)を有しているとともに、円周方向に面する側面(40)から第2部分(36)の本体(46)内に延在する逃がし溝(44)を有する、蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様2]
第1部分(32)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組を備え、薄肉部(34)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組の半径方向外側にあり、第2部分(36)が薄肉部(34)の半径方向外側の軸線方向に延在する突起(50)の第2の組を備える、実施態様1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様3]
逃がし溝(44)が、円周方向に面する側面(40)の、軸線方向の略中間点(52)から、第2部分(36)の軸線方向に面する側面(54)に延在している、実施態様1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様4]
円周方向に延在する溝(42)が、半径方向外側の面(38)において、第2部分(36)の略全体に延在している、実施態様1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様5]
逃がし溝(44)が、円周方向に面する側面(40)の軸線方向の略中間点(52)から、第2部分(36)の、軸線方向に面する表面(54)の軸線方向内側の位置(124)まで延在している、実施態様1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様6]
逃がし溝(44)が、少なくとも部分的に、円周方向に延在する溝(42)を取り囲む、実施態様5に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様7]
逃がし溝(44)が、円周方向に延在する溝(42)に当接する、実施態様1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様8]
逃がし溝(44)が、約1〜5°の角度で、円周方向に面する側面(40)から、第2部分(36)内まで延在している、実施態様1に記載の蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)。
[実施態様9]
内面に円周方向に延在する溝(64)を有するドラムノズルリング(62)と、
円周方向に延在する溝(64)の中で位置合わせされた複数のドラムノズル(20,120)と
を備える蒸気タービン(2)であって、複数のドラムノズル(20,120)のうち少なくとも1つが、
翼形部(22)と、
翼形部(22)の第1端部(26)に連結された半径方向内側の側壁(24)と、
翼形部(22)の第2端部(30)に連結され、かつ第2端部(30)が第1端部(26)と対向している、半径方向外側の側壁(28)と
を備えており、半径方向外側の側壁(28)は、
翼形部(22)の半径方向外側の第1部分(32)と、
第1部分(32)に連結された薄肉部(34)と、
翼形部(22)の半径方向外側の薄肉部(34)に連結され、かつ半径方向外側の面(38)、及び半径方向外側の面(38)に当接する円周方向に面する側面(40)を有する第2部分(36)と
を有し、第2部分(36)は、円周方向に延在する溝(42)を有しているとともに、円周方向に面する側面(40)から第2部分(36)の本体(46)内に延在する逃がし溝(44)を有する、複数のドラムノズル(20,120)とを備える蒸気タービン(2)。
[実施態様10]
第1部分(32)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組を備え、薄肉部(34)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組の半径方向外側にあり、第2部分(36)が薄肉部(34)の半径方向外側の軸線方向に延在する突起(50)の第2の組を備える、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様11]
逃がし溝(44)が、円周方向に面する側面(40)の、軸線方向の略中間点(52)から、第2部分(36)の軸線方向に面する側面(54)に延在している、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様12]
円周方向に延在する溝(42)が、半径方向外側の面(38)において、第2部分(36)の略全体に延在している、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様13]
逃がし溝(44)が、円周方向に面する側面(40)の軸線方向の略中間点(52)から、第2部分(36)の、軸線方向に面する表面(54)の軸線方向内側の位置(124)まで延在している、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様14]
逃がし溝(44)が、少なくとも部分的に、円周方向に延在する溝(42)を取り囲む、実施態様13に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様15]
逃がし溝(44)が、円周方向に延在する溝(42)に当接する、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様16]
逃がし溝(44)が、約1〜5°の角度で、円周方向に面する側面(40)から、第2部分(36)内まで延在している、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様17]
ドラムノズルリング(62)が、少なくとも部分的にステータ部内に収容されている、実施態様9に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様18]
少なくとも部分的にステータ部に取り囲まれたロータ部をさらに備える、実施態様17に記載の蒸気タービン(2)。
[実施態様19]
蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)を表すコード(920)を格納し、コンピュータ化された付加製造システム(900)によってコード(920)が実行されると蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)が物理的に生成される、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コード(920)は、蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)を表すコード(920)を含み、蒸気タービン(2)用ドラムノズル(20,120)が、
翼形部(22)と、
翼形部(22)の第1端部(26)に連結された半径方向内側の側壁(24)と、
翼形部(22)の第2端部(30)に連結され、かつ第2端部(30)が第1端部(26)と対向している、半径方向外側の側壁(28)と
を備え、半径方向外側の側壁(28)は、
翼形部(22)の半径方向外側の第1部分(32)と、
第1部分(32)に連結された薄肉部(34)と、
翼形部(22)の半径方向外側の薄肉部(34)に連結され、かつ半径方向外側の面(38)、及び半径方向外側の面(38)に当接する円周方向に面する側面(40)を有する第2部分(36)と
を有し、第2部分(36)が、円周方向に延在する溝(42)を有し、かつ第2部分(36)が、円周方向に面する側面(40)から第2部分(36)の本体(46)内に延在する逃がし溝(44)を有する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
[実施態様20]
第1部分(32)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組を備え、薄肉部(34)が軸線方向に延在する突起(48)の第1の組の半径方向外側にあり、第2部分(36)が薄肉部(34)の半径方向外側の軸線方向に延在する突起(50)の第2の組を備える、実施態様19に記載のコンピュータ可読記憶媒体。