(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像部は、診断に関する被検体の状態を観察する範囲を観察範囲とし、前記観察範囲のうち有効な診断を行う範囲を診断範囲とし、前記検知部で検知された前記生体情報の変化に基づいて、前記診断範囲を前記観察範囲内において移動させる、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、X線CT装置を例として、医用画像診断装置の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係るX線CT装置を示す構成例を示す図である。
図1のX線CT装置10は、スキャナ装置11と、コンソール装置12とを備える。
【0010】
スキャナ装置11は、通常は検査室に設置され、たとえば被検体Qに関するX線の透過データを生成する。一方、コンソール装置12は、通常は検査室に隣接する制御室に設置され、透過データに基づいて投影データを生成することで、再構成画像の生成および表示を行う。
【0011】
スキャナ装置11は、架台装置21と、寝台装置22と、スキャンコントローラ23と、操作パネル24とを備える。
【0012】
架台装置21は、ガントリとも呼ばれ、図示しない土台部に固定された固定架台31と、回転架台32とを備える。
【0013】
固定架台31は、回転コントローラ41を備える。回転コントローラ41は、スキャンコントローラ23からの指示に従って、回転架台32を固定架台31に対して回転させる。
【0014】
固定架台31および回転架台32は、スリップリング51およびデータ伝送装置52を備える。
【0015】
スリップリング51は、回転架台32内に同心円状に配置された環状の電路(金属製のリング)に対して、固定架台31側のカーボンブラシやワイヤーブラシなどのブラシを側面から押し当てることで、スリップさせながら電気伝導を確保する転接続用のコネクタである。
【0016】
データ伝送装置52は、回転架台32側の送信回路と、固定架台31側の受信回路とを備える。送信回路は、後述するデータ収集回路66によって生成された生データを非接触で受信回路に送信する。受信回路は、送信回路から送信された生データを、後述するスキャンコントローラ23に供給する。
【0017】
回転架台32は、高電圧発生装置61と、X線管62と、コリメータコントローラ63と、X線光学系64と、X線検出器65と、データ収集回路66とを備える。回転架台32は、回転フレームとも呼ばれる。回転架台32は、後述の高電圧発生装置61や、データ収集回路66などを一体として保持する。すなわち、回転架台32は、X線管62とX線検出器65とを対向させた状態で、一体として被検体Qの周りに回転できる。ここでは一例として、回転架台32の回転中心軸と平行な方向をz方向、鉛直方向をy軸と定義する。
【0018】
高電圧発生装置61は、スリップリング51を介したスキャンコントローラ23による制御信号によって、スキャンを実行するために必要な電力をX線管62に供給する。
【0019】
X線管62は、高電圧発生装置61から供給された管電圧に応じて金属製のターゲットに電子線を衝突させることでX線を発生させ、X線をX線検出器65に向かって照射する。X線管62から照射されるX線によって、ファンビームX線やコーンビームX線が形成される。X線管62には、スキャンコントローラ23による制御によって、X線の照射に必要な電力が供給される。
【0020】
コリメータコントローラ63は、スキャンコントローラ23による制御に従って、X線光学系64におけるX線のスライス方向の照射範囲を調整する。
【0021】
X線光学系64は、X線ビームの線量、照射範囲、形状、および、線質などの照射条件を制御する各種の器具を含む。具体的には、X線光学系64は、ウェッジフィルタおよびコリメータなどを含む。ウェッジフィルタは、X線管62で発生されたX線のX線量を調整する。コリメータは、コリメータコントローラ63による制御によって、線量が調整されたX線に対してX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
【0022】
X線検出器65は、たとえば、チャンネル方向に複数、および、列(スライス)方向に単数の検出素子を有する1次元アレイ型の検出器である。別の例としては、X線検出器65は、マトリクス状、すなわち、チャンネル方向に複数、および、スライス方向に複数の検出素子を有する2次元アレイ型の検出器でもよい。X線検出器65は、X線管62から照射されたX線を検出する。
【0023】
2次元アレイ型の検出器は、マルチスライス型検出器とも呼ばれる。X線検出器65がマルチスライス型検出器である場合、回転架台32の1回転(又は半回転+α)で列方向に幅を有する3次元領域のスキャンを実行することができる。このスキャンは、ボリュームスキャンと呼ばれる。
【0024】
データ収集回路66は、複数のDAS(Data Acquisition System:データ収集システム)を有する。各DASは、スキャンにおける管電圧の切り替えに同期してデータ収集を行う。各DASは、X線検出器65の各検出素子が検出する透過データの信号を増幅し、増幅された透過データの信号をデジタル信号である生データ(Raw Data)に変換する。各DASは、投影データを、データ伝送装置52を介してスキャンコントローラ23に送信する。
【0025】
n個の光学カメラ67
1〜67
nは、開口部Aのフレームに固定され、開口部Aの内側が撮像方向となるように設置される。なお、光学カメラ67
nのnは自然数とし、以下、単に光学カメラ67と記載した場合には、光学カメラ67
1〜67
n全体を意味するものとする。光学カメラ67は、天板71に載置された被検体Qを撮像できるように設置される。なお、光学カメラ67は架台内に設置されていなくてもよく、被検体Qを撮像可能であれば、たとえば、検査室の天井や床などに設置されていてもよい。
【0026】
光学カメラ67で取得されたデータは、スキャンコントローラ23を介してコンソール装置12で処理される。図示していないが、光学カメラ67で取得されたデータが、データ伝送装置52のように非接触でスキャンコントローラ23に伝送されるようにX線CT装置10を構成してもよい。
【0027】
なお、光学カメラ67には、可視光を検出するカメラに加えて、赤外線を検出するカメラを含めてもよい。赤外線を検出するカメラは、たとえば、体温や血圧、血糖値などを測定することができる。
【0028】
スキャナ装置11の寝台装置22は、天板71と、天板コントローラ72とを備える。天板71は、被検体Qを載置可能である。
【0029】
天板コントローラ72は、スキャンコントローラ23による制御に従って、天板71をy方向に沿って昇降動させると共に、被検体Qが載置された天板71を以下のようにz方向に沿って水平移動させる。すなわち、天板コントローラ72は、回転架台32の回転中心が含まれる開口部Aに向けて天板71被検体Qを挿入し、撮像終了後には開口部Aから天板71を退避させる。
【0030】
スキャンコントローラ23は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリなどを備える。スキャンコントローラ23は、操作パネル24やコンソール装置12から入力される指令に従って、回転コントローラ41、高電圧発生装置61、コリメータコントローラ63や、寝台装置22の天板コントローラ72などの架台装置21の各部を制御する。また、スキャンコントローラ23は、コンソール装置12の処理回路81との通信に基づいて、データ収集回路66や光学カメラ67を制御しつつ、並行して投影データおよびカメラデータを収集し、それぞれのデータに対して収集時の時間情報を付与する。
【0031】
上記時間情報とは、データ収集回路66と光学カメラ67とが並行して被検体Qを撮像したときの撮像時刻または時相に関する同期情報である。データ収集回路66から取得される投影データと、光学カメラ67から取得されるカメラデータとに対して、同じ時間に撮像したことを示す時間情報がそれぞれ付与される。時間情報としては、たとえば、クロック情報、タイムスタンプ、カウンター情報など撮像時刻または時相に関する様々な情報が使用可能である。
【0032】
操作パネル24は、架台装置21の開口部Aの両脇や前後などに設けられる。操作者は操作パネル24から、被検体Qの様子を確認しながら各種指令や条件を入力する。具体的には、X線照射範囲を視認するための光を照射する図示しない投光器の消灯および点灯の指示や、天板71の移動、停止、および自動送りの指令が操作パネル24から入力される。
【0033】
X線CT装置10のコンソール装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して外部装置と相互通信可能である。コンソール装置12は、処理回路81、記憶回路82、入力回路83、および、ディスプレイ84などの基本的なハードウェアから構成される。処理回路81は、共通信号伝送路としてのバスを介して、コンソール装置12を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンソール装置12は、記憶媒体ドライブを具備する場合もある。
【0034】
処理回路81は、専用のハードウェアで構成してもよいし、内蔵のプロセッサによるソフトウェア処理で各種機能を実現するように構成してもよい。ここでは一例として、プロセッサによるソフトウェア処理によって処理回路81が各種機能を実現する場合について説明する。
【0035】
上記プロセッサとは、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイスおよびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、たとえば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。処理回路81は、記憶回路82に記憶されたプログラム、または、処理回路81のプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、後述する機能を実現する。
【0036】
また、処理回路81は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組合せによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶回路82が設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶回路82が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。
【0037】
記憶回路82は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクなどによって構成される。記憶回路82は、USB(Universal Serial Bus)メモリおよびDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアによって構成されてもよい。記憶回路82は、処理回路81において実行される各種プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)、プログラムの実行に必要なデータ、および、画像データを記憶する。また、OSを制御するための基礎的な操作を、入力回路83によって実現させるためのGUI(Graphical User Interface)を含めることもできる。
【0038】
入力回路83は、ポインティングデバイスなどの入力デバイスからの信号を入力する回路である。ここでは、入力デバイス自体も入力回路83に含まれるものとする。操作者により入力デバイスが操作されると、入力回路83はその操作に応じた入力信号を生成し、この入力信号を処理回路81に出力する。なお、コンソール装置12は、入力デバイスがディスプレイ84と一体的に構成されたタッチパネルを備えてもよい。
【0039】
ディスプレイ84は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルおよび有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。ディスプレイ84は、処理回路81の制御に従って画像を表示する。
【0040】
コンソール装置12には、スキャナ装置11から投影データおよびカメラデータが入力される。コンソール装置12は、これら投影データおよびカメラデータを記憶回路82に保存する。また、投影データを再構成したり、カメラデータを処理したりして、同期情報に基づいた表示を生成し、ディスプレイ84に表示させたりする。同期情報に基づいた表示の生成方法については、後述する。
【0041】
図2は、
図1におけるX線CT装置10の光学カメラ67の配置の一例を示す概略構成図である。
図2(a)は、架台装置21を
図1のz軸方向から観察した平面模式図である。
図2(a)の例では、開口部Aの内側を撮像方向として、開口部Aの周りに8個の光学カメラ67が取り付けられている。
【0042】
光学カメラ67は、たとえば架台装置21の内壁上において、すなわち、架台装置21の開口部Aの内面上において、x-y平面を1周するように所定間隔で環状に取り付けられている。すなわち、光学カメラ67は、被検体Qを全方向から撮像することが可能となるように取り付けられている。
図1で示した寝台装置22を含むX線CT装置10の場合、寝台より上の部分に光学カメラ67を取り付けてもよい。
【0043】
図2(b)は、
図2(a)内に一点鎖線で示すB−B間の断面模式図である。上述したように、光学カメラ67は、開口部Aの内側を撮像方向として、回転架台32のフレームに取り付けられている。なお、X線管62やX線検出器65は、回転架台32のフレーム内部に設置され、回転可能に設けられているのに対して、光学カメラ67は回転架台32のフレームに固定され、回転しないように設置されている。
【0044】
図2(b)に示すように、光学カメラ67は、回転架台32のZ軸方向に、前後にそれぞれ取り付けられている。すなわち、
図2では、8個の光学カメラ67が開口部Aに環状に、Z軸方向に前後に取り付けられ、合計で16個の光学カメラ67が設置された例を示している。なお、X線CT装置10が被検体Qを広域に撮像可能である限り、光学カメラ67の個数および設置方法については、
図2の態様に限定されるものではない。
【0045】
図3は、実施形態に係るX線CT装置10の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図3のX線CT装置10のコンソール装置12は、投影データ記憶回路821と、再構成画像記憶回路823と、カメラデータ記憶回路825と、処理データ記憶回路827とを備える。投影データ記憶回路821、再構成画像記憶回路823、カメラデータ記憶回路825および処理データ記憶回路827は、記憶回路82における記憶領域としてそれぞれ構成されてもよいし、記憶回路82とは別の記憶回路により構成されてもよい。
【0046】
一方、コンソール装置12の処理回路は、画像再構成機能811と、データ処理機能813と、インデックス管理機能815とを有する。画像再構成機能811、データ処理機能813およびインデックス管理機能815は、記憶回路82に格納されているプログラムを処理回路81のプロセッサが実行することによって実現される機能である。
【0047】
投影データ記憶回路821は、データ収集回路66により収集された投影データを記憶する。投影データはカメラデータと並行して収集され、それぞれ同じ時間情報が付与される。したがって、投影データ記憶回路821は、カメラデータと同じ時間情報を備えた投影データを記憶する。なお、投影データはDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)形式に準拠したデータであり、同期情報はDICOM規格における付帯情報として保持されていてもよい。
【0048】
再構成画像記憶回路823は、投影データを再構成した再構成画像を記憶する。投影データが再構成される場合、投影データに含まれる時間情報は、再構成画像の画像データにも残される。
【0049】
カメラデータ記憶回路825は、光学カメラ67により収集されたカメラデータを記憶する。カメラデータは投影データと並行して収集され、投影データと同じ時間情報が付与される。カメラデータ記憶回路825は、投影データと同じ時間情報を備えたカメラデータを記憶する。
【0050】
処理データ記憶回路827は、カメラデータに角度情報が付与された処理データを記憶する。また、処理データ記憶回路827は、複数のカメラデータに対して結合処理または分割処理を実行することで生成された処理データを記憶する。なお、カメラデータに含まれる時間情報や角度情報は、結合処理または分割処理が実行された処理データにも含まれる。角度情報については後述する。
【0051】
画像再構成機能811は、投影データを再構成して再構成データ(医用画像データ)を生成する。投影データがボリュームデータの場合、3次元データが再構成される。3次元の再構成データには、カメラデータに付与される角度情報に対応する角度情報が含まれてもよい。
【0052】
データ処理機能813は、カメラデータに角度情報を付与する。また、複数のカメラデータに対して結合処理または分割処理を行う。
【0053】
インデックス管理機能815は、再構成データおよびカメラデータのうち、選択された一方のデータに付与された同期情報に基づいて、同期情報が一致する他方のデータの表示画像を生成する。たとえば、カメラデータが選択された場合、インデックス管理機能815は、複数の方向で取得されたカメラデータのうち、一時相における画像をインデックス画像とし、インデックス画像を表示画像として生成する。インデックス画像の生成方法については後述する。
【0054】
以下の説明では、同期情報として時間情報または角度情報を使用する例を説明する。同期情報が一致する再構成画像とカメラデータとを表示する方法を第1の実施形態とする。また、第1の実施形態と同じ構成を備え、光学カメラ67とX線とが異なる撮像範囲を撮像する場合を第2の実施形態とする。第1の実施形態の構成と同じ構成を備え、光学カメラ67の撮像範囲をX線の撮像範囲が移動して撮像する場合を第3の実施形態とする。さらに、被検体が装着したセンサにより被検体の運動を検知し、運動中の部位を撮像する場合を第4の実施形態とする。
【0055】
(第1の実施形態)
図4は、第1の実施形態に係るX線CT装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、適宜
図5および
図6を参照しつつ、
図4のフローチャートのステップ番号に従って、第1の実施形態に係るX線CT装置10の動作を説明する。
【0056】
ステップST101では、スキャナ装置11は、投影データとカメラデータとを並行して収集する。
【0057】
ステップST103では、収集された投影データとカメラデータとに対してそれぞれ、撮像された時相またはタイミングに対応する時間情報が同期情報として付与される。投影データに対しては、たとえば、データ収集回路66により時間情報が付与されてもよいし、スキャンコントローラ23により時間情報が付与されてもよい。また、カメラデータには、たとえば、スキャンコントローラ23の制御の下、それぞれの光学カメラ67により時間情報が付与されてもよいし、スキャンコントローラ23により時間情報が付与されてもよい。時間情報が付与された投影データは、投影データ記憶回路821に格納される。同様に、時間情報が付与されたカメラデータは、カメラデータ記憶回路825に保存される。
【0058】
ステップST105では、画像再構成機能811は、時間情報が付与された投影データを再構成し、再構成データを生成する。なお、投影データがボリュームデータの場合、3次元画像の再構成データが生成される。この場合、画像再構成機能811は、3次元画像の再構成データに対して、さらに角度情報を同期情報として付与してもよい。
【0059】
ステップST107において、データ処理機能813は、カメラデータに光学カメラ67の撮像方向を示す角度情報を付与する。
【0060】
図5は、第1の実施形態に係るX線CT装置の光学カメラの角度情報を説明する概念図である。
図5(a)は、被検体Qの周りに光学カメラ67がx−y平面において45°の間隔で設置された例を示す平面模式図である。光学カメラ67は、たとえば、被検体Qの正面であるy軸方向、すなわち、鉛直方向を0°として、回転架台32のフレームにX-Y平面に沿って1周するように取り付けられている。なお、
図2で示すように、光学カメラ67は等間隔に複数設置されているが、煩雑となるので
図5(a)では2つのみ示す。
【0061】
図5(a)の例では、カメラ番号1の光学カメラ67
1の設置された角度は0°、カメラ番号2の光学カメラ67
2の設置された角度は45°である。このように45°間隔で、z方向に手前側、すなわちガントリの挿入口側に8個、ガントリ奥側に8個の光学カメラ67が設置された場合、
図5(b)が示す角度情報により、それぞれの光学カメラ67の位置を特定できる。
【0062】
図5(b)は、左から順に、カメラ番号、カメラ角度、位置が示されている。カメラ番号が「1」のカメラ角度は「0°」、位置は「前」である。同様に、カメラ番号が「2」のカメラ角度は「45°」、位置は「前」であり、カメラ番号が「16」のカメラ角度は「315°」、位置は「後」である。このように、カメラデータには、対応するカメラ番号のカメラ角度と、前後の位置とを示す角度情報が同期情報として含まれる。
【0063】
このように角度情報は、光学カメラ67の方向を示す同期情報である。この角度情報に対応する同期情報を3次元の再構成データに含めてもよい。3次元の再構成画像は360°の角度で画像を表示できる。一方、カメラ角度は、
図5の例では45°間隔である。カメラ角度と3次元の再構成画像の回転角度とを同期させるために、たとえば、カメラ角度が45°のカメラデータに対して、再構成データの45°から90°の回転角度を対応させてもよい。なお、角度情報には、カメラ角度以外にも、たとえば光学カメラ67の視野角などの情報が含まれていてもよく、視野角を同期情報として再構成データに包含させてもよい。
【0064】
以上が角度情報の説明であり、
図4のフローチャートに戻って説明を続ける。
【0065】
ステップST109において、インデックス管理機能815は、指定された同期情報に対応するカメラデータのインデックス画像を生成する。具体的には、カメラデータの時間情報と角度情報のいずれかの同期情報が選択され、撮像時刻または撮像方向のいずれか一方に基づくカメラデータのインデックス画像が生成される。インデックス画像は、カメラデータおよび再構成データの時間または方向のいずれかにおける代表画像である。
図4のフローチャートでは、カメラデータのインデックス画像に基づいて、再構成画像、すなわち、CT画像が表示される例について説明する。
【0066】
図6は、第1の実施形態に係るX線CT装置10のインデックス画像を説明する図である。カメラデータには、カメラ番号ごとに同期情報として、角度情報と時間情報とが含まれる。
図6は、
図5の説明と同様に、全部で16個の光学カメラが設置されている場合の例を示している。
図6の上部には、方向を示す矢印の下にカメラ番号が示されており、左からカメラ番号1、カメラ番号2、・・・カメラ番号16のカメラデータが示されている。それぞれのカメラデータには、角度情報としてカメラ角度とカメラ位置とが含まれており、左から、「カメラ角度0°、位置 前」、「カメラ角度45°、位置 前」、・・・および「カメラ角度315°、位置 後」を示している。
【0067】
同様に、
図6の左部に示した矢印は、たとえば撮像開始からの経過時間あるいは時相を示しており、それぞれのカメラデータの経過時間がt0、t1・・・と示されている。たとえば、同期情報としてt1が選択された場合、それぞれのカメラデータの時相t1の画像がインデックス画像として、インデックス管理機能815により生成される。一方、同期情報として、カメラ番号2が選択された場合、カメラ番号2のカメラデータt0、t1・・・がそれぞれインデックス画像として生成される。時間軸方向のインデックス画像は、たとえば、動画であってもよいし、所定の時間間隔でサンプリングされた画像であってもよい。
【0068】
以上がインデックス画像の説明である。
図4のフローチャートに戻って説明を続ける。
【0069】
ステップST111において、ディスプレイ84は、インデックス画像を表示する。
【0070】
ステップST113において、ユーザは、ディスプレイ84に表示されたインデックス画像を選択する。
【0071】
ステップST115において、インデックス管理機能815は、ステップS113で選択されたインデックス画像に基づいて、このインデックス画像に対応するCT画像を表示する。
【0072】
図7は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の第1の表示例を説明する図である。
図7は、同期情報として、カメラ番号、すなわち、角度情報が選択され、角度情報に基づくインデックス画像により、ある時間のCT画像が選択される場合を例としている。
図7の上部には、選択方向として「カメラ番号1 カメラ角度0°」が示されている。このように、カメラ番号1、カメラ角度0°の角度情報が選択されたことを示している。この選択された角度情報に基づいて、各時相のインデックス画像が生成される。
図7のインデックス画像表示領域に示すように、時相t0、t1、t2、t3、…tmのインデックス画像ID1〜IDmが表示されている。たとえば、表示されたインデックス画像から、時相t1のインデックス画像ID2を選択すると、時相t1に対応するCT画像V1が表示される。
【0073】
選択された時相に対応するCT画像は、再構成データの同期情報に基づいてインデックス管理機能815により検索される。すなわち、インデックス管理機能815は、選択されたインデックス画像ID2から角度情報と時間情報とを取得し、取得した時間情報により示される時相に対応するCT画像を再構成データの中から選択する。
【0074】
具体的には、
図7のインデックス画像は角度情報「カメラ角度0°」に基づき生成されており、その中からインデックス画像ID2が選択されると、選択されたインデックス画像ID2には時間情報として「時相t1」という同期情報が含まれる。したがって、インデックス管理機能815は、選択されたインデックス画像ID2から、「カメラ角度0°」および「t1」という同期情報を抽出し、再構成データの中から、「カメラ角度0°」および「t1」という同期情報に対応するCT画像を検索する。
【0075】
なお、
図7の例では、それぞれのインデックス画像は静止画として示されているが、動画であってもよい。また、動画で取得されたカメラデータから、所定の時間間隔で静止画を抽出し、コマ送り動画として表示してもよい。
【0076】
また、
図7の例では、カメラデータおよび再構成データの撮像範囲がほぼ同じ例を示したが、X線の撮像範囲は光学カメラ67の撮像範囲より狭い範囲であってもよい。
【0077】
図7では、角度情報に基づいたカメラデータのインデックス画像から、CT画像を検索する例を説明した。以下で、時間情報の選択によりカメラデータから生成されたインデックス画像に基づいて、ある方向から撮像されたCT画像を検索する例を説明する。
【0078】
図8は、第1の実施形態に係るX線CT装置の第2の表示例を説明する図である。
図8の上部のインデックス画像表示領域には、ある時相、たとえば、時相t2における、カメラデータごとのインデックス画像が、カメラ番号順に表示されている。このインデックス画像から、たとえば、
図8の右下に示すようにインデックス画像ID3に対応するCT画像V3が表示されてもよい。
図7と同様に、
図8上部で選択されたインデックス画像ID3に含まれる時間情報「t2」と、角度情報「カメラ角度90°」という同期情報に基づいて、再構成データの中から同期情報が一致するCT画像V3が検索されて表示される。すなわち、インデックス管理機能815は、再構成データの中から、「カメラ角度90°」および「t2」という同期情報に該当する再構成データを検索し、検索された再構成データからCT画像を生成する。
【0079】
また、インデックス画像は、「時相t0」、すなわち、動画の始めの時相の画像に基づいて生成されてもよい。別の例として、表示されたインデックス画像から、カメラ角度が90°のインデックス画像が選択された場合に、カメラ角度が90°のカメラデータがカメラ画像V2に動画として表示されるように、X線CT装置10を構成してもよい。さらに別の例として、カメラ画像V2に表示された動画に基づいて、ユーザが時相を再度選択した場合に、選択された時間に基づいてCT画像V3が表示されるように、X線CT装置10を構成してもよい。
【0080】
図7および
図8では、カメラデータをインデックス画像とする例を示したが、再構成データをインデックス画像とすることもできる。
【0081】
図9は、第1の実施形態に係るX線CT装置10の第3の表示例を説明する図である。
図9は、インデックス画像としてCT画像を用いる例を示している。
図9の左下のCT画像V4は、「選択時間t2」のインデックス画像である。
図9の左下のCT画像V4は、3次元画像であり、操作により任意の角度で回転可能である。
図9の例では、CT画像V4を反時計回りに45°回転した場合を示している。すなわち、CT画像V4をインデックス画像とした場合、時間情報として時相t2、角度情報として45°の同期情報がインデックス管理機能815に送信される。インデックス管理機能815は、受信した同期情報に対応するカメラ画像V5を複数のカメラデータの中から検索する。
【0082】
なお、インデックス画像として表示されるCT画像V4を時相t0の画像とし、角度情報に対応するカメラ画像が選択されたのちに、CT画像V4とカメラ画像V5とを動画として同時に再生してもよい。すなわち、CT画像V4とカメラ画像V5とは、それぞれ同じ時相で撮像されたデータであるから、X線CT装置10は、並行して収集された体内の様子と体外の様子とを、画面上で並列表示することができる。
【0083】
また、
図9の例では、説明を簡単にするために、CT画像の角度情報を45°としたが、それ以外の角度であってもよい。たとえば、45°から90°のCT画像をカメラ角度が45°のカメラデータに対応するように、再構成データの角度情報を設定してもよい。したがって、CT画像を60°に回転させた場合も同様にカメラ角度が45°のカメラデータが表示されるようにしてもよい。また、再構成画像の角度情報をカメラの視野角に応じて設定してもよい。たとえば、カメラ番号1の視野角が-45°から+45°のような場合、CT画像の315°(-45°)から45°をカメラ番号1に対応する角度情報として設定してもよい。すなわち、CT画像で315°(-45°)から45°の間が選択されると、カメラ番号1のカメラデータが表示されるようにX線CT装置10の各部を構成してもよい。
【0084】
上述の例では、同期情報としてカメラ位置を使用せず説明したが、検索された前後のカメラデータを同時に表示してもよいし、一方のみを表示してもよい。また、カメラデータを合成した結合画像に基づいて、インデックス画像を生成してもよい。
【0085】
図10は、第1の実施形態に係るX線CT装置のカメラ画像の結合を説明する概念図である。
図10(a)左図は、z軸方向で前側にあるカメラAおよびz軸方向で後側にあるカメラBの撮像範囲をそれぞれ示している。
図10(a)右図は、それぞれのカメラで取得される画像を示している。データ処理機能813は、
図10(a)右図に示すカメラAとカメラBの画像を結合して
図10(b)に示すような1つの結合画像を生成することができる。なお、合成される画像に対して、たとえば、歪み補正や座標変換などの画像処理が実行されることで、2つの画像が連続的に結合された1画像が生成される。ここでの「連続的に結合」とは、たとえば、2つの画像により示される被検体の同一領域が重複しないように、且つ、2つの画像に含まれる被検体領域の画像情報が全く欠落しないように2画像を合成する意味である。
【0086】
図10の例では、前後のカメラ画像を結合する例を示したが、本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。たとえば、
図5におけるカメラ番号1とカメラ番号2のように、隣接する2つの光学カメラ67で取得されたカメラデータを結合して、1つの画像が生成されるようにX線CT装置10を構成してもよい。また、1つのカメラデータを分割して2つ以上のカメラデータが生成されるように、X線CT装置10を構成してもよい。さらに、3つのカメラデータから2つのカメラデータを生成するといった画像処理も可能である。なお、結合処理または分割処理されたカメラデータの角度情報は、処理前のカメラデータの角度情報をそのまま備えていてもよいし、新たに更新されてもよい。
【0087】
図10の例では、2つ以上のカメラデータを結合して1つの2次元画像データを生成する場合を説明したが、生成される画像データは、2次元画像データには限定されない。たとえば、2つ以上のカメラデータを結合して生成される画像データは、3次元画像データであってもよい。具体的には、2つのカメラ間の設置角度が被検体Pを中心として互いに90°であるカメラで取得されたカメラデータを用いれば、3次元画像データが生成できる。カメラデータから生成した3次元画像データを用いることで、光学カメラの撮像対象部位の回転運動やねじれといった3次元的な運動情報を取得することができる。
【0088】
上述の通り、第1の実施形態に係るX線CT装置10によれば、X線撮像による投影データの生成と並行して、光学的な撮像によりカメラデータを生成することで、互いに同じ時相に該当する再構成データとカメラデータとを、多時相に亘って生成できる。すなわち、X線CT装置10は、時相が同じ再構成画像とカメラ画像とを並列して表示することができる。
【0089】
また、光学カメラ67はX線での撮像範囲より広い範囲を容易に撮像できるため、被ばく量を低減しつつ広域の情報を得ることができる。加えて、X線CT装置10は、複数の光学カメラ67を備えたことで、時間方向の画像検索に加えて、回転方向の画像検索が可能となる。たとえば、時間方向の画像検索は、カメラデータの動画を用いて行ったほうが簡便である。それに対して、回転方向に関しては、3次元の再構成画像を用いたほうが扱いやすい。第1の実施形態では、これらを兼ね備えた表示を可能とし、ユーザが検索しやすい方法で表示したい時間および方向のカメラ画像および再構成画像を検索することができる。
【0090】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態と同じ構成を備え、光学カメラ67とX線とが異なる撮像範囲を撮像する場合に関する。
【0091】
以下、第2の実施形態について、腕の撮像を例として説明する。肘関節をX線撮像する場合、指や手首を屈曲させたり、拳を握ったり開いたりする動作を被検体Qにさせることがある。関節を構成する骨には様々な筋肉が腱を介して接続しており、関節と離れた部位を動作させることで、異常部位を診断できる場合がある。このように、関節を診断する場合は、診断部位とは異なる部位を並行して観察する必要が生じる。
【0092】
図11は、第2の実施形態に係るX線CT装置における撮像を説明する第1の図である。
図11は、被検体Qに手を握ったり開いたりする動作を行わせながら、肘関節をX線で撮像する場合を例示している。
図11に示すように、肘関節を有効な診断を行う「診断範囲」としてX線撮像の対象とする一方、診断に関する被検体Qの状態を観察する「観察範囲」を光学カメラ67の撮像対象とする例を示している。このように、X線での撮像範囲と光学カメラ67とで撮像範囲とが異なる状態で、X線での投影データの収集と光学カメラ67でのカメラデータの収集とを並行して行ってもよい。
【0093】
図12は、第2の実施形態に係るX線CT装置における撮像を説明する第2の図である。
図11と同様に、X線での撮像範囲と光学カメラ67での撮像範囲とが異なるが、光学カメラ67での撮像範囲が、X線での撮像範囲を包含するように設定される例を示している。たとえば、腕の屈伸動作をさせながら肘関節の撮像を行う場合、腕全体を光学カメラ67の撮像範囲とし、肘関節部分が有効な診断を行うためのX線による撮像範囲となる。
【0094】
上述の説明は、肘関節を例として説明したが、その他の関節の撮像においても同様である。また、関節以外にも、動作に伴って症状が生じる診断、たとえば、頭部を動かしたときに生じるめまいの原因を特定する場合など、特定の動作を行ったときに症状が起こるような場合に、第2の実施形態の撮像方法が有効である。
【0095】
このように、第2の実施形態に係るX線CT装置10によれば、被ばく量を低減しつつ、診断に必要な情報を容易に得ることができる。たとえば、撮像時において、被検体Qが無理な姿勢を維持したり、長時間痛みを我慢したりして撮像することを回避できる。光学カメラ67で被検体Qの様子を観察しているので、たとえば、従来のように、撮像中に有効な診断が行える可能性のある姿勢を特定し、その姿勢のための動作を何度も被検体Qに行ってもらう必要がない。医師等は、読影時に再構成画像とカメラ画像とを同じ時間で停止させたり、スロー再生したりして、その前後の動きを動画で観察することで、被検体Qの体位を特定し、動作に異常がある箇所を集中して読影できる。
【0096】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態と同じ構成を備え、光学カメラ67の撮像範囲をX線の撮像範囲が移動して撮像する場合に関する。第2の実施形態では、X線での撮像範囲を固定した状態で撮像する例を示したが、光学カメラ67の撮像範囲内を、X線の撮像範囲を移動させるように、X線CT装置10を構成してもよい。
【0097】
たとえば、嚥下障害などの病態を評価する場合、造影剤が含まれる食べ物等が、口腔内から咽頭を通り、食道を経て胃に移動するすべての様子を観察する必要がある。従来、このような観察を行う場合は、口から胃までの広範囲を連続してX線撮像を行う必要があり、被ばく量が問題となっていた。
【0098】
図13は、第3の実施形態に係るX線CT装置における撮像を説明する図である。
図13の観察範囲が示すように、光学カメラ67での撮像範囲を、口を含む上半身全体とし、その観察範囲内をX線での撮像範囲である診断範囲が移動するように撮像を行ってもよい。
【0099】
上述の通り、嚥下を観察するためには、口腔、咽頭、食道、そして胃に至る範囲をすべて観察する必要がある。一方、造影された食べ物は口腔から咽頭、食道を伝い胃へと移動してく。X線撮像により観察すべき対象は、口腔から咽頭への食べ物の送り込みや、鼻腔への逆流の有無、食道の入口に食べ物が到達した際の食道の大きさなどである。すなわち、造影された食べ物が存在するタイミングで、食べ物が存在する部位をX線撮像で撮像できればよい。したがって、
図13に示すように、造影された食べ物の移動に応じてX線の撮像範囲である診断範囲を、光学カメラ67での撮像範囲である観察範囲内を移動させて撮像することで、被ばく量を低減しつつ、嚥下における全体の様子を並行して観察することができる。
【0100】
図13の例では、嚥下を例として説明したが、小腸のX線造影撮像などにおいても適用可能である。小腸のX線造影撮像においても、蠕動運動により造影剤が十二指腸、空腸、回腸へ移動する様子を観察する撮像である。したがって、
図13の場合と同様に、光学カメラ67で撮像しつつ、X線の撮像の範囲を限定し、造影剤の移動に応じて撮像範囲を移動させて撮像できる。
【0101】
第3の実施形態に係るX線CT装置によれば、診断する部位が移動するような場合に、移動する範囲全体を観察しつつ、診断する部位をX線撮像できるため、被ばく量を低減した検査ができる。
【0102】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1の実施形態と同じ構成を備え、被検体Pに装着されたセンサにより収集される生体情報に基づいて、診断部位の撮像を実行する場合に関する。
【0103】
図14は、第4の実施形態に係るX線CT装置10の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図14では、第1の実施形態に係るX線CT装置10の機能構成例を示す
図3とは異なる構成のみを説明し、重複する構成についての説明は省略する。
図14のX線CT装置10は、
図3の構成に加えてセンサ68を有する。
【0104】
センサ68は、被検体Pに装着され、被検体Pの随意運動に関係する生体情報を収集する。ここで、随意運動とは、被検体Pの意思または意図に基づく運動のことである。また、ここでの被検体Pの意思又は意図に基づく運動とは、被検体Pの大脳皮質を介した骨格筋の制御による運動のことである。具体的には、四肢、腰や首の曲げ伸ばし、咀嚼や嚥下、跳躍、発声が随意運動に含まれる。なおここで、呼吸運動は、随意運動には含めないものとする。したがって、以下の説明において運動とは、呼吸運動を含めない随意運動のことである。
【0105】
被検体Pに装着されるセンサ68には、筋電計、加速度センサ、ジャイロセンサ、モーションセンサ、圧力、振動、音を検知するセンサなどのセンサ種別が含まれる。また、被検体Pには装着されないが、光学カメラ67を被検体Pの随意運動を検出するセンサとして利用してもよい。たとえば、カメラデータに基づいて生成された3D画像データに基づいて、被検体Pの運動を検出してもよい。
【0106】
コンソール装置12の処理回路81は、
図3の構成に加えて、設定機能817および撮像タイミング決定機能819を有する。設定機能817および撮像タイミング決定機能819の各機能は記憶
回路82に格納されたプログラムを処理回路81が実行することによって実現される機能である。
【0107】
設定機能817は、ユーザによる撮像対象部位の入力を受け付け、入力された撮像対象部位に対応付けされた検知対象部位を特定する。ここで、撮像対象部位とは、X線撮像の対象となる部位のことであり、検知対象部位とは、センサ68による生体情報の収集対象となる撮像対象部位とは異なる部位のことである。以下の説明では、撮像対象部位のことを「第1部位」、検知対象部位のことを「第2部位」と称する。なお、第2部位は、第1部位とは異なる部位には限定されない。たとえば、第1部位と第2部位とは領域が一部重なっている状態、あるいは、包含関係にあってもよい。
【0108】
また、設定機能817は、第2の部位に基づいて被検体Pに取り付けるセンサ種別を特定する。設定機能817におけるセンサ種別の特定は、ユーザによる検知対象部位(第2部位)の入力に基づいて実行されてもよいし、ユーザが入力した撮像対象部位に基づいて特定された第2部位に基づいて特定されてもよい。
【0109】
なお、設定機能817における第1部位、第2部位およびセンサ種別は、後述の設定情報記憶回路829に記憶された部位組合せ情報およびセンサ種別情報に基づいて特定される。また、設定機能817は、第2部位に取り付けるセンサ種別やセンサの取付け位置をディスプレイ84に表示し、検査技師等のユーザに提示してもよい。
【0110】
撮像タイミング決定機能819は、センサ68からの生体情報を解析し、当該生体情報の変化に基づいて被検体Pの運動を検知し、検知した運動のタイミングに応じて第1部位の撮像タイミングを決定する。撮像タイミング決定機能819は、決定された撮像タイミングでスキャンコントローラ23に撮像指示を送信する。
【0111】
なお、センサ68で検出される生体情報には、第1の実施形態と同様に、時間情報が付与され、同じ時間に撮像されたCT画像データと光学画像データと関連付けされて記憶回路82に記憶されてもよい。
【0112】
コンソール装置12の記憶回路82は、
図3の構成に加えて、設定情報記憶回路829を有する。設定情報記憶回路829は、記憶回路82における記憶領域としてそれぞれ構成されてもよいし、記憶回路82とは別の記憶回路により構成されてもよい。
【0113】
設定情報記憶回路829は、部位組合せ情報およびセンサ種別情報を有する。部位組合せ情報は、第1部位と第2部位との組をデータ単位とするテーブルである。即ち、部位組合せ情報は、撮像対象部位である第1部位と検知対象部位である第2部位との組合せを規定している。部位組合せ情報については後述の
図16で詳細に説明する。
【0114】
センサ種別情報は、第2部位と第2部位における生体情報を検知するセンサ種別とを関連付けた情報である。また、センサ種別情報は、センサの取付け位置やセンサにより検知される運動の種類、センサが運動を検知する際の閾値情報(タイミング情報)を含んでもよい。センサ種別情報については後述の
図17で詳細に説明する。
【0115】
図15は、第4の実施形態に係るX線CT装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図16および
図17を参照しつつ、
図15に示すフローチャートのステップ番号に従って第4の実施形態のX線CT装置10の動作を説明する。
【0116】
ステップST401において、ユーザは、入力回路83を介して、撮像対象部位(第1部位)を入力する。
【0117】
ステップST403において、設定機能817は、撮像対象部位(第1部位)の入力を受け付け、設定情報記憶回路829に記憶された部位組合せ情報を参照し、第1部位に対応する検知対象部位(第2部位)を特定する。なお、第1部位に対応する第2部位が複数ある場合、設定機能817は、第2部位の候補をディスプレイ84に表示し、第2部位をユーザに選択させてもよい。
【0118】
図16は、部位組合せ情報を説明する表である。部位組合せ情報は、第1部位と第2部位との組合せを規定している。
図16の表の左側の列は、第1部位に該当する部位を示し、表の右側の列は、第2部位に該当する部位を示している。たとえば、表の第2行目において、左側の第1部位は、「肘関節」、右側の第2部位は、「上腕部」である。第3行目において、左側の第1部位は、「股関節」、右側の第2部位は、「大腿部」である。第4行目において、左側の第1部位は、「食道」、右側の第2部位は、「咽頭部」である。
【0119】
たとえば、ユーザが第1部位として「肘関節」を入力した場合、設定機能817は、「上腕部」が第2部位であることを特定する。
【0120】
以上が、部位組合せ情報の説明である。
図15に戻って、フローチャートの説明を続ける。
【0121】
ステップST405において、設定機能817は、設定情報記憶回路829に記憶されたセンサ種別情報を参照し検知対象部位(第2部位)におけるセンサ種別を特定する。なお、設定機能817は、ユーザが入力した第2部位に基づいてセンサ種別を特定してもよい。
【0122】
ステップST407において、設定機能817は、センサ種別および検知対象部位(第2部位)におけるセンサ取付け位置を表示する。
【0123】
図17は、センサ種別情報を説明する表である。センサ種別情報は、第2部位と第2部位におけるセンサ種別との対応関係を規定している。
図17に示すセンサ種別テーブルの第1列目は、左から順に、第2部位(検知対象部位)、センサ種別、取付け位置、検知する運動、タイミング情報を示す。
【0124】
センサ種別は、光学カメラ67を含むセンサ68の種類のことである。取付け位置は、センサ68を取り付ける被検体Pの部位のことである。なお、センサ取付け位置は、第2部位と同じであってもよいし、第2部位の一部であってもよい。検知する運動は、センサ68が検出した生体情報に基づいて撮像タイミング決定機能819が判定可能な運動の種類のことである。タイミング情報は、運動の開始や運動中を示す生体情報の変化のことであり、たとえば、センサ68の出力信号における閾値情報である。
【0125】
たとえば、センサ種別テーブルの第2列目において、第2部位が「上腕部」である場合、センサ種別は、「筋電計」、取付け位置は「上腕二頭筋」、検知する運動は、「肘関節の屈曲」、タイミング情報は、筋電計の数値が「XμV(マイクロボルト)/sec(秒)以上」である。タイミング情報は、生体情報である筋電計の数値がXμV/sec以上となるタイミングで、肘関節の屈曲という運動が開始されることを示している。
【0126】
また、センサ種別テーブルの第3列目において、第2部位が「上腕部」である場合、センサ種別は、「筋電計」、取付け位置は「上腕三頭筋」、検知する運動は、「肘関節の伸展」、タイミング情報は、筋電計の数値が「YμV/sec以上」である。タイミング情報は、生体情報である筋電計の数値がYμV/sec以上となるタイミングで、肘関節の伸展という運動が開始されることを示している。
【0127】
このように、第2部位やセンサ種別が同じであっても、検知する運動に応じてセンサの取付け位置が異なる場合がある。たとえば、検知する運動が「肘関節の屈曲」の場合は、センサの取付け位置は「上腕二頭筋」だが、検知する運動が「肘関節の伸展」の場合は、「上腕三頭筋」である。したがって、第2部位に関連付けされたセンサ種別、取付け位置および検知する運動を一覧でディスプレイ84に表示し、ユーザが被検体Pの検査に適合する組合せを選択できるようにX線CT装置10の各部を構成してもよい。
【0128】
なお、ユーザは、複数のセンサ種別またはセンサの取付け位置を選択してもよい。また、設定機能817は、被検体Pの撮像に関連する検査情報やカルテ情報などの他の被検体情報に基づいて、センサ種別、取付け位置および検知する運動を特定してもよい。
【0129】
このように、設定機能817において特定されたセンサ種別および取付け位置は、ディスプレイ84に表示される。センサ68は、X線CT装置10に予め設置されている装置ではなく、検査ごとに検査技師等のユーザが準備しなければならない。また、同じセンサ68を利用する場合であっても、検出する運動に応じてセンサ68の取付け位置は様々であるため、センサ種別および取付け位置が検査技師等のユーザに提示されることで、ユーザは、センサ68の準備や被検体Pへのセンサ68の取付けを容易に行うことができる。
【0130】
以上が、センサ種別情報の説明である。
図15に戻って、フローチャートの説明を続ける。
【0131】
ステップST409において、被検体Pに装着されたセンサ68において生体情報の収集が開始される。
【0132】
ステップST411において、撮像タイミング決定機能819は、センサ68で収集された生体情報を解析し、検知する運動に応じたタイミング情報に基づいて生体情報の変化を判定し、被検体Pの運動を特定する。撮像タイミング決定機能819は、生体情報の変化に基づいて被検体Pの運動の開始タイミングを特定すると、スキャンコントローラ23に撮像指示を送信する。
【0133】
ステップST413において、スキャンコントローラ23は、被検体Pの第1部位の撮像を実行し、第1部位のCT画像を取得する。
【0134】
以上が第4の実施形態におけるフローチャートの説明である。以下、
図18を用いて、被検体Pの運動の開始タイミングの判定方法を説明する。
【0135】
図18は、生体情報に基づく運動の開始タイミングの判定方法の一例を説明する模式図である。
図18の左側は、被検体Pにおける様々なセンサ68の取付け位置を示している。
図18の右側は、被検体Pの膝関節に取り付けられた加速度センサ68gに基づいて、膝関節の稼働タイミングを特定する方法を説明する場合を示している。
【0136】
図18の左側に示す被検体Pには、68a〜68hの8個の取付け位置が示されている。センサ68aは、被検体Pの頸部に取り付けられたセンサである。たとえば、被検体Pの嚥下を検知する場合、センサ68aは、音や振動を検知するセンサや集音マイクである。撮像タイミング決定機能819は、被検体Pが物を飲み込んだ時の振動や音を特定の周波数又は音の大きさに基づいて特定する。第3の実施形態で説明したように、撮像タイミング決定機能819が特定したタイミングをトリガとして、食べ物の移動に合わせて撮像部位を移動させてもよい。
【0137】
また、センサ68b、68d、68e、68f、68g、68hは、腕部や脚部に取り付けられ、腕や足の運動を検知する筋電計やジャイロセンサまたは加速度センサなどのモーションセンサである。また、センサ68cは、腰部に取り付けられ、腰部の屈曲を検知する筋電計である。
【0138】
なお、センサ68の取付け位置は、
図18の態様には限定されない。たとえば、頸部の動きを観察する場合は、頭部にジャイロセンサや加速度センサなどのモーションセンサを取り付けてもよい。また、1つの第2部位に対して複数種類のセンサ68を取り付けてもよいし、同一種別のセンサ68を複数の異なる位置に取り付けてもよい。
【0139】
図18の左側は、被検体Pの膝に取り付けられた加速度センサによって得られる生体情報の変化に基づいて被検体Pの膝の運動の開始タイミングを特定する場合を例示している。
図18の左側のグラフは、センサ68gのセンサ出力を示している。たとえば、被検体Pが足を着地した時の膝関節の状態を撮像する場合、生体情報のグラフに示す矢印の位置が膝関節に一番加重がかかるタイミングとなる。撮像タイミング決定機能819は、センサ68gで検知される生体情報を解析し、このタイミングを膝関節の稼働タイミングとして検出し、スキャンコントローラ23に撮像指示を送信する。
【0140】
なお、足を着地した時の膝関節の状態を撮像する場合のセンサ68の取付け位置は、膝関節には限定されない。第1の部位である膝関節とは異なる位置、例えば、足首に加速度センサなどのセンサ68を取付けてもよい。
【0141】
また、撮像期間は、膝関節の稼働タイミングを中心とした所定の期間であってもよい。また、撮像タイミング決定機能819は、センサ68の出力が所定の閾値以上である期間中、撮像を実行するようにスキャンコントローラ23を制御してもよい。ここで、所定の閾値とは、たとえば、センサ種別テーブルのタイミング情報に規定されている閾値情報である。
【0142】
第4の実施形態では、センサ68で検知された生体情報がX線CT装置10に入力され、撮像タイミング決定機能819が生体情報を解析し、運動を検出する場合を説明した。しかしながら、撮像タイミング決定機能819が生体情報を解析し、運動を検出する態様には限定されない。たとえば、プロセッサやメモリを備えたセンサ68が生体情報を解析して運動を検出し、検出された運動を通知する信号をX線CT装置10に入力してもよい。
【0143】
このように、第4の実施形態では、被検体Pの医用画像に加えて被検体Pの生体情報を併せて収集でき、被検体Pの運動を多角的に解析することができる。また、生体情報の変化に基づいて撮像の開始タイミングを決定することができるため、撮像を自動化することができ、運動を検知してから撮像の実行までのタイムラグを減らすことができる。さらに、生体情報に基づいて撮像タイミングを決定することは、撮像時間の短縮にもつながり、被ばく量を低減することができる。
【0144】
また、第4の実施形態は、第1乃至第3の実施形態と組合せることもできる。即ち、光学カメラ67で被検体Pの外観画像を収集しつつ、センサ68で生体情報を取得し、所望の運動を撮像したCT画像が取得されるよう、X線CT装置10の各部を構成してもよい。また、この場合、CT画像データ、カメラデータおよび生体情報は、夫々同一の時間情報に基づいて関連付けされて記憶回路82に保存される。
【0145】
上述の実施形態は、医用画像診断装置としてX線CT装置を用いる例を示したが、これに限定されるものではない。医用画像診断装置として、たとえば、MRI装置も適用できる。X線CT装置に替えて、MRI装置を適用する場合は、X線による撮像範囲に替えて、磁気共鳴信号による撮像範囲となる。また、医用画像診断装置として、CアームやΩアームを備えたX線アンギオ装置や歯科用X線CT装置などにも適用可能である。
【0146】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の医用画像診断装置によれば、広域性およびリアルタイム性を担保しつつ、被ばく量が低減された撮像をすることが可能となる。
【0147】
請求項の用語と実施形態との対応関係は、たとえば以下の通りである。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
【0148】
処理回路81のインデックス管理機能815は、請求項記載の選択部の一例である。処理回路81の設定機能817は、請求項記載の設定部の一例である。また、センサ68及び光学カメラ67は、請求項記載の検知部の一例である。記憶回路82は、請求項記載の記憶部の一例である。スキャナ装置11は、請求項記載の撮像部の一例である。ディスプレイ84は、請求項記載の表示部の一例である。
【0149】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。