(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の電極は、前記第1基板の基板端部に露出して設けられており、前記第1基板の前記液晶層と接する内部領域に設けられた画素電極、引き回し配線又はダミー電極の少なくとも1つと電気的に接続されている、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
特開2008−40307号公報(特許文献1)には、一方の透明基板にセグメント電極およびこのセグメント電極とは独立した導電膜部が設けられ、他方の透明基板にコモン電極およびこのコモン電極とは独立した導電膜部が設けられており、各透明基板の導電膜部同士が電気的に接続された液晶表示装置が開示されている。この液晶表示装置によれば、各透明基板の導電膜部同士が同電位になるので、静電気の帯電による表示不具合を防ぐことができる。
【0003】
ところで、上記した特許文献1に開示される液晶表装置は、各透明基板の導電膜部がそれぞれ1つにつながったものを前提としており、導電膜部同士の重なる領域から選んだ一カ所に導電材を設けるか、もしくは、導電粒子を含有するシール材を用いて両者間の電気的な接続が確保されている。
【0004】
しかし、所望形状の表示画像を得るためにセグメント電極やコモン電極をより複雑な形状とすることが必要になる場合もあり、それに伴って、同電位化のための導電膜部などを細分化する必要が生じる場合もある。この場合、例えば、細分化された各導電膜部同士を同電位にするためには、これらを全て電気的に接続する必要がある。このため、上記したような導電材を配置する手法では、その配置場所を確保するのが難しくなる。また、シール材を介在させる手法では、電気的な接続を確実に確保するためにシール材の幅をより広くする必要が生じ、その結果、液晶表示装置の狭額縁化という要請に応えることが難しくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の液晶表示装置の第1基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の液晶表示装置の第2基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の液晶表示装置の第1基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態の液晶表示装置の第2基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分平面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分断面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態の液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態の液晶表示装置の第1基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態の液晶表示装置の第2基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分平面図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態の液晶表示装置の構成を示す概念図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態の液晶表示装置の構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の構造を示す平面図である。
図2は、第1実施形態の液晶表示装置の第1基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
図3は、第1実施形態の液晶表示装置の第2基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
図4は、第1実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分断面図である。
図4は、
図1に示すa−a線における断面に対応している。各図に示す本実施形態の液晶表示装置1は、有効表示領域(内部領域)2内に、各々独立に点消灯可能な複数のセグメント表示部3を備え、これらセグメント表示部3に対して、ピン端子(導電端子)4を介して駆動電圧を与えてマルチプレックス駆動することによって画像(例えば、数字、英文字等)を表示するものである。
【0011】
図4に示すように、本実施形態の液晶表示装置は、対向配置される第1基板11および第2基板12と、これらの間に配置される液晶層13を備えている。第1基板11の一面側には、セグメント電極14等が設けられている。第2基板12の一面側には、コモン電極15等が設けられている。第1基板11および第2基板12の重なる領域には、その外縁に沿って、液晶層13を封止するためのシール材16が設けられている。このシール材16に囲まれた領域が有効表示領域(内部領域)2に相当する。なお、図示を省略するが、第1基板11の一面側、第2基板12の一面側には、それぞれ配向膜等が適宜設けられていてもよい。
【0012】
図2に示すように、第1基板11の一面側には、複数のセグメント電極14と、複数のパッド電極14aと、複数のパッド電極15aと、複数の引き回し配線14bと、複数のダミー電極14cが設けられている。第1基板11の一面側は、これら各電極および引き回し配線によって有効表示領域2に対応する領域のほぼ全体が覆われている。同様に、
図3に示すように、第2基板12の一面側には、複数のコモン電極15と、複数の引き回し配線15bと、複数のダミー電極15cが設けられている。第2基板12の一面側は、これら各電極および引き回し配線によって有効表示領域2に対応する領域のほぼ全体が覆われている。
【0013】
ここで、本実施形態のシール材16は、例えば多数の導電粒子を含有した異方性導電体であり、各電極および引き回し配線と部分的に重なるように配置されている。このため、第1基板11側に設けられた各電極または引き回し配線と、第2基板12側に設けられた各電極または引き回し配線が重なった領域においては、シール材16を介して電気的な接続が確保される。それにより、第1基板11と第2基板12の間の同電位化が実現される。例えば、第1基板11の各パッド電極15aは、シール材16を介して、第2基板12の各ダミー電極15cまたは引き回し配線15bとの間で電気的な接続が確保されている。
【0014】
また、本実施形態では、第1基板11の他面(裏面)側に、複数(本例では3つ)のパッド電極15aに対応付けてジャンプ配線17が設けられている。このジャンプ配線17は、
図2に示すように、対応付けられた各パッド電極15aのそれぞれと第1基板11を挟んで相対する電極部分(第1部位)と、それら電極部分の間を繋ぐ渡り配線(第2部位)とを含んでいる。そして、
図4に示すように、第1基板11の一面側の各パッド電極15aと他面側のジャンプ配線17のそれぞれと接するようにしてピン端子4が設けられている。これにより、ピン端子4を介して、各パッド電極15aとジャンプ配線17とが電気的に接続され、その結果として3つのパッド電極15aの間も電気的に接続される。このため、各パッド電極15aと直接的に接続されている第1基板11上の各電極や引き回し配線、およびシール材16を介して各パッド電極15aと接続されている第2電極12上の各電極や引き回し配線が同電位化される。
【0015】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の液晶表示装置の構造を示す平面図である。
図6は、第2実施形態の液晶表示装置の第1基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
図7は、第2実施形態の液晶表示装置の第2基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
図8は、第2実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分平面図である。
図9は、第2実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分断面図である。
図9は、
図8に示すb−b線における断面に対応している。各図に示す本実施形態の液晶表示装置1aは、第1実施形態と同様に、有効表示領域2内に、各々独立に点消灯可能な複数のセグメント表示部3を備え、これらセグメント表示部3に対して、ピン端子4を介して駆動電圧を与えてマルチプレックス駆動することによって画像(例えば、数字、英文字等)を表示するものである。第2実施形態の液晶表示装置1aは、6つのピン端子4を備えている。
【0016】
図6に示すように、第1基板11の一面側には、複数のセグメント電極14と、複数のパッド電極14aと、複数のパッド電極15aと、複数の引き回し配線14bと、複数のダミー電極14cが設けられている。第1基板11の一面側は、これら各電極および引き回し配線によって有効表示領域2に対応する領域のほぼ全体が覆われている。第1実施形態との違いは、パッド電極14a、15aの形状および配置と、ジャンプ配線18の追加である。具体的には、第2実施形態の各パッド電極15aは、図中右上側に2つ並べて配置されている。また、これら2つのパッド電極15aのうち、相対的に左側に配置されている1つのパッド電極15aには、ジャンプ配線18が接続されている。また、ジャンプ配線18に囲われた各パッド電極14aは、他のパッド電極14aないしパッド電極15aに比べて相対的に長さが短く、かつ第1基板11の上側エッジからの距離がより大きい。
【0017】
同様に、
図7に示すように、第2基板12の一面側には、複数のコモン電極15と、複数の引き回し配線15bと、複数のダミー電極15cが設けられている。第2基板12の一面側は、これら各電極および引き回し配線によって有効表示領域2に対応する領域のほぼ全体が覆われている。
【0018】
図8に示すように、ジャンプ配線18は、パッド電極14aのうち相対的に長さが短いものの上端部と基板端部との隙間に配置された直線状の配線部分(第1部位)と、隣り合うパッド電極14aの隙間に配置された直線状の配線部分(第2部位)を有しており、かつ、
図6に示すようにダミー電極14cと接続されている。
図9に示すように、ジャンプ配線18のうち、パッド電極14aの上端部と基板端部との間に配置された直線状の配線部分は、ピン端子4の広がった隙間の部分に配置されている。このため、ピン端子4は、パッド電極14aとは接触するがジャンプ配線18とは接触しない状態となる。これにより、パッド電極15a、ジャンプ配線18およびシール材16を介して、各ダミー電極14c、15cと、1つのコモン電極15(およびこれに接続した引き回し配線15b)との間の電気的な接続が確保される。それにより、第1基板11と第2基板12の間の同電位化が実現される。
【0019】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態の液晶表示装置の構造を示す平面図である。
図11は、第3実施形態の液晶表示装置の第1基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
図12は、第3実施形態の液晶表示装置の第2基板に設けられる電極の構造を示す平面図である。
図13は、第3実施形態の液晶表示装置の構造を示す部分平面図である。各図に示す本実施形態の液晶表示装置1bは、第1実施形態と同様に、有効表示領域2内に、各々独立に点消灯可能な複数のセグメント表示部3を備え、これらセグメント表示部3に対して、基板上に配置された駆動用回路チップ19を用いて駆動電圧を与えてマルチプレックス駆動することによって画像(例えば、数字、英文字等)を表示するものである。駆動用回路チップ19は、第1基板11上にCOG(Chip On Glass)実装されている。
【0020】
図11および
図13に示すように、第1基板11の一面側には、複数のセグメント電極14と、複数のパッド電極24aと、複数のパッド電極25aと、複数の引き回し配線14bと、複数のダミー電極14cが設けられている。第1基板11の一面側は、これら各電極および引き回し配線によって有効表示領域2に対応する領域のほぼ全体が覆われている。
【0021】
同様に、
図12に示すように、第2基板12の一面側には、複数のコモン電極15と、複数の引き回し配線15bと、複数のダミー電極15cが設けられている。第2基板12の一面側は、これら各電極および引き回し配線によって有効表示領域2に対応する領域のほぼ全体が覆われている。
【0022】
第1実施形態との違いは、パッド電極24a、25aの形状および配置と、ジャンプ配線20の追加である。
図13に示すように、本実施形態の各パッド電極25aは、駆動用回路チップ19の実装に適した形状、大きさに設けられている。4つのパッド電極25aのうち、相対的に左側に配置されている3つのパッド電極25aの間はジャンプ配線20によって相互に接続されている。ジャンプ配線20は、パッド電極25aの相互間を繋ぐように図中左右方向へ延びる直線状の配線部位と、隣り合うパッド電極24aの間に配置された図中上下方向に延びる直線状の配線部位を有しており、3つのパッド電極25aの相互間を電気的に接続する。各パッド電極24a、25aは、導電粒子を含有する導電材(図示略)を介して、駆動用回路チップ19に設けられたバンプと電気的に接続する。換言すれば、駆動用回路チップ19は、各パッド電極24a、25aを覆って配置されており、それらと電気的に接続されている。また、ジャンプ配線20は、駆動用回路チップ19と平面視で重なる領域内に設けられている。これにより、パッド電極24a、25a、ジャンプ配線20およびシール材16を介して、各ダミー電極14c、15cと1つのコモン電極15(およびこれに接続した引き回し配線15b)との間の電気的な接続が確保される。それにより、第1基板11と第2基板12の間の同電位化が実現される。
【0023】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態の液晶表示装置の構成を示す概念図である。図示の液晶表示装置1dは、上記した第1実施形態の液晶表示装置1と同様の構成を備えており、各ピン端子4を介して、プリント基板22上の駆動用回路チップ21と接続されている。プリント基板22上には、各ピン端子4と駆動用回路チップ21とを接続するための配線部23が設けられている。この配線部23において、同電位化したい電極に繋がっている3つの配線が相互接続されている。また、一部の配線は、上記した相互接続するための共通配線をジャンプして設けられている。このようにプリント基板22上でジャンプ配線を行うことによっても、第1基板11と第2基板12の間の同電位化が実現される。
【0024】
(第5実施形態)
図15は、第5実施形態の液晶表示装置の構成を示す概念図である。図示の液晶表示装置1eは、上記した第1実施形態の液晶表示装置1と同様の構成を備えており、フレキシブルプリント基板26を介して図示しない駆動用回路チップと接続されている。フレキシブルプリント基板26には、配線部27が設けられており、この配線部27において、同電位化したい電極に繋がっている4つの配線が相互接続されている。これら配線を接続するためのジャンプ配線を設けるには、フレキシブルプリント基板26として両面型のものを用いるか、あるいは2層配線型のフレキシブルプリント基板を用いればよい。このようにフレキシブルプリント基板26上でジャンプ配線を行うことによっても、第1基板11と第2基板12の間の同電位化が実現される。
【0025】
以上のような各実施形態によれば、液晶表示装置の基板間の同電位化を図るための新規な技術が提供される。
【0026】
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、各実施形態において、パッド電極と電気的に接続されるものは画素電極(セグメント電極またはコモン電極)、引き回し配線又はダミー電極のいずれであってもよい。