特許第6956537号(P6956537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

特許6956537住宅設備機器のメンテナンスシステム及びメンテナンス方法
<>
  • 特許6956537-住宅設備機器のメンテナンスシステム及びメンテナンス方法 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956537
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】住宅設備機器のメンテナンスシステム及びメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20211021BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20211021BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G16Y10/80
   F24H1/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-125791(P2017-125791)
(22)【出願日】2017年6月28日
(65)【公開番号】特開2019-8685(P2019-8685A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2020年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 純一
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−138397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16Y 10/00−40/60
F24H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅設備機器と外部ネットワークを介して通信可能であり、該住宅設備機器との通信によって、該住宅設備機器の運転履歴情報を含む機器情報を該住宅設備機器から取得して保存する機能を有するように構成されたサーバと、
前記サーバと前記外部ネットワークを介して通信可能であり、該サーバとの通信によって、該サーバから前記機器情報を取得して表示する機能が、あらかじめインストールされたメンテナンス用アプリケーションにより付加された携帯端末とを備えており、
前記住宅設備機器は、該住宅設備機器の操作部で、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作が行われたときに、当該入力されたパスワードを前記サーバに前記認証コードの発行を要求する発行要求情報として送信し、その後、該認証コードを前記サーバから受信したときに、該認証コードを該住宅設備機器の報知部から報知する機能を有するように構成され、
前記携帯端末は、該携帯端末に前記報知部から報知された認証コードを入力する操作がなされたときに、該認証コードを前記サーバに送信する機能が前記メンテナンス用アプリケーションにより付加されており、
前記サーバは、前記住宅設備機器から前記発行要求情報として送信されたパスワードを受信したとき、当該受信したパスワードが該サーバに登録されているパスワードに一致するか否かを確認し、当該登録されているパスワードに一致する場合に、当該受信したパスワードを送信した前記住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、当該発行した認証コードに対応する前記住宅設備機器の機器情報を該携帯端末に送信する機能を有するように構成されていることを特徴とする住宅設備機器のメンテナンスシステム。
【請求項2】
請求項1記載の住宅設備機器のメンテナンスシステムにおいて、
前記サーバは、前記登録されているパスワードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信する都度、当該受信したパスワードを送信した前記住宅設備機器に対応づけられた認証コードを新規に発行して該住宅設備機器に送信するように構成されていると共に、該認証コードの発行後、所定の有効期間が終了すると、該認証コードを無効にするように構成されていることを特徴とする住宅設備機器のメンテナンスシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の住宅設備機器のメンテナンスシステムにおいて、
前記住宅設備機器は、複数の機器を含んでおり、
前記サーバが、該住宅設備機器から前記登録されているパスードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信したときに発行する前記認証コードは、該住宅設備機器に含まれる前記複数の機器に対して共通の認証コードであり、
前記サーバは、前記発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、前記住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちのいずれかの機器を該携帯端末で選択させる機器選択情報を該携帯端末に送信し、その後、該複数の機器のうちから選択された機器を示す情報を該携帯端末から受信したときに、当該選択された機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されていることを特徴とする住宅設備機器のメンテナンスシステム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の住宅設備機器のメンテナンスシステムにおいて、
前記住宅設備機器は、複数の機器を含んでおり、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作と該複数の機器のうちのいずれかの機器を選択する操作とが前記操作部で行われたとき、当該入力されたパスワードを前記発行要求情報として前記サーバに送信する共に、当該選択された機器を示す機器選択情報を前記サーバに送信するように構成されており、
前記サーバは、前記住宅設備機器から前記登録されているパスードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信すると共に前記機器選択情報を受信したとき、前記住宅設備機器のうちの当該受信した機器選択情報により示される機器だけに対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、前記住宅設備機器のうち、当該発行した認証コードに対応する機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されていることを特徴とする住宅設備機器のメンテナンスシステム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の住宅設備機器のメンテナンスシステムにおいて、
前記住宅設備機器は、複数の機器を含んでおり、
前記サーバは、該住宅設備機器から前記登録されているパスワードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信したとき、該住宅設備機器に含まれる前記複数の機器のそれぞれに対応づけられた複数の認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した複数の認証コードのいずれかに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、該住宅設備機器のうち、当該一致する認証コードに対応する機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されていることを特徴とする住宅設備機器のメンテナンスシステム。
【請求項6】
住宅設備機器と外部ネットワークを介して通信可能であり、該住宅設備機器の運転履歴情報を含む機器情報を該住宅設備機器から取得して保存したサーバと、メンテナンス用のアプリケーションがあらかじめインストールされたメンテナンス業者の携帯端末であって、該アプリケーションを起動した状態で、前記サーバと前記外部ネットワークを介して通信可能な携帯端末とを用いて該住宅設備機器のメンテナンス作業を行う方法であって、
前記住宅設備機器のメンテナンス作業を開始するとき、該住宅設備機器の操作部で、該住宅設備機器のメンテナンス用の認証コードを前記サーバに発行させるための所定のパスワードを入力する操作を行うことによって、当該入力されたパスワードを前記認証コードの発行を要求する発行要求情報として該住宅設備機器から前記外部ネットワークを介して前記サーバに送信する工程と、
前記サーバが前記住宅設備機器から前記発行要求情報として送信されたパスワードを受信したとき、該サーバが、当該受信したパスワードが該サーバに登録されているパスワードに一致するか否かを確認し、当該登録されているパスワードに一致する場合に、当該受信したパスワードを送信した前記該住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行し、当該発行した認証コードを該サーバから前記外部ネットワークを介して該住宅設備機器に送信する工程と、
前記住宅設備機器が前記サーバから認証コードを受信したとき、該認証コードを、該住宅設備機器の報知部から報知する工程と、
当該報知後に前記携帯端末に当該報知された認証コードが入力されたとき、当該入力された認証コードを該携帯端末から前記外部ネットワークを介して前記サーバに送信する工程と、
前記サーバが前記携帯端末から認証コードを受信したとき、当該受信した認証コードが該サーバが発行した認証コードに一致することを必要条件として、該サーバが発行した認証コードに対応する前記住宅設備機器の機器情報を前記サーバから前記外部ネットワークを介して該携帯端末に送信する工程と、
前記携帯端末が前記サーバから受信した前記住宅設備機器の機器情報を該携帯端末で表示する工程とを備えることを特徴とする住宅設備機器のメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置等の住宅設備機器のメンテナンス作業を行うためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、給湯器の運転等に関するイベント情報を、給湯器からインターネット等のグローバルネットワークを介して外部サーバに送信して、該外部サーバに蓄積し、該イベント情報を、携帯電話により外部サーバから取得し得るよにしたシステムが知られている。
【0003】
また、例えば特許文献2に見られるように、種々様々なガス機器の故障診断を専用の故障診断装置を用いて行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−279118号公報
【特許文献2】特開2002−150423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
種々様々な住宅設備機器の点検、修理等のメンテナンスを行う場合、メンテナンスの対象の住宅設備機器の運転履歴等の機器情報を、メンテナンス業者が簡易に取得できることが望まれる。
【0006】
この場合、前記特許文献2に見られる如き専用の端末装置(故障診断装置)を使用することが考えられる。しかるに、この種の専用の端末装置は、高価なものとなりやすく、また、メンテナンス業者が該端末装置の利用方法を習熟するまでに時間がかかりやすい。ひいては、メンテナンス作業のコスト増、もしくは効率低下を招きやすい。
【0007】
そこで、メンテナンス業者が自身のスマートフォン等の携帯端末に、メンテナンス用のアプリケーションを適宜、インターネットサーバ等からダウンロードしてインストールしておき、該携帯端末をメンテナンス用の端末装置として利用することが考えられる。
【0008】
しかるに、この場合、メンテナンス業者でない第3者が、自身の携帯端末に上記アプリケーションをダウンロードしてインストールするだけで、該携帯端末にメンテナンス用の端末装置としての機能が付加されてしまう。
【0009】
このため、住宅設備機器の情報が、メンテナンス業者でない第3者に漏洩したり、あるいは、該第3者による住宅設備機器の不正操作等が発生する虞がある。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、セキュリティを確保しつつ、住宅設備機器のメンテナンス作業の利便性を高めることを可能とするシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の住宅設備機器のメンテナンスシステムは、上記の目的を達成するために、住宅設備機器と外部ネットワークを介して通信可能であり、該住宅設備機器との通信によって、該住宅設備機器の運転履歴情報を含む機器情報を該住宅設備機器から取得して保存する機能を有するように構成されたサーバと、
前記サーバと前記外部ネットワークを介して通信可能であり、該サーバとの通信によって、該サーバから前記機器情報を取得して表示する機能が、あらかじめインストールされたメンテナンス用アプリケーションにより付加された携帯端末とを備えており、
前記住宅設備機器は、該住宅設備機器の操作部での所定の操作が行われたときに、前記サーバにメンテナンス用の認証コードの発行を要求する発行要求情報を送信し、その後、該認証コードを前記サーバから受信したときに、該認証コードを該住宅設備機器の報知部から報知する機能を有するように構成され、
前記携帯端末は、該携帯端末に前記認証コードを入力する操作がなされたときに、該認証コードを前記サーバに送信する機能が前記メンテナンス用アプリケーションにより付加されており、
前記サーバは、前記発行要求情報を受信したときに、該発行要求情報を送信した前記住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、当該発行した認証コードに対応する前記住宅設備機器の機器情報を該携帯端末に送信する機能を有するように構成されていることを特徴とする(第発明)
より具体的には、本発明の住宅設備機器のメンテナンスシステムは、住宅設備機器と外部ネットワークを介して通信可能であり、該住宅設備機器との通信によって、該住宅設備機器の運転履歴情報を含む機器情報を該住宅設備機器から取得して保存する機能を有するように構成されたサーバと、
前記サーバと前記外部ネットワークを介して通信可能であり、該サーバとの通信によって、該サーバから前記機器情報を取得して表示する機能が、あらかじめインストールされたメンテナンス用アプリケーションにより付加された携帯端末とを備えており、
前記住宅設備機器は、該住宅設備機器の操作部で、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作が行われたときに、当該入力されたパスワードを前記サーバに前記認証コードの発行を要求する発行要求情報として送信し、その後、該認証コードを前記サーバから受信したときに、該認証コードを該住宅設備機器の報知部から報知する機能を有するように構成され、
前記携帯端末は、該携帯端末に前記報知部から報知された認証コードを入力する操作がなされたときに、該認証コードを前記サーバに送信する機能が前記メンテナンス用アプリケーションにより付加されており、
前記サーバは、前記住宅設備機器から前記発行要求情報として送信されたパスワードを受信したとき、当該受信したパスワードが該サーバに登録されているパスワードに一致するか否かを確認し、当該登録されているパスワードに一致する場合に、当該受信したパスワードを送信した前記住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、当該発行した認証コードに対応する前記住宅設備機器の機器情報を該携帯端末に送信する機能を有するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
【0012】
かかる本発明によれば、メンテナンス業者が、前記メンテナンス用アプリケーションがインストールされた携帯端末により、前記住宅設備機器の機器情報を前記サーバから取得する場合には、まず、前記住宅設備機器の操作部の所定の操作を行う。より具体的には、住宅設備機器の操作部で、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作が行われる。
【0013】
これに応じて、住宅設備機器から前記発行要求情報が前記サーバに送信され、さらに、該サーバが、該発行要求情報の受信に応じて発行した認証コード(発行要求情報の送信元の住宅設備機器に対応づけられた認証コード)が、該サーバから住宅設備機器に送信されて、該住宅設備機器で受信される。より具体的には、入力されたパスワードが前記サーバに認証コードの発行を要求する発行要求情報として住宅設備機器から送信される。さらに、該サーバは、受信したパスワードが該サーバに登録されているパスワードに一致するか否かを確認し、当該登録されているパスワードに一致する場合に、当該受信したパスワードを送信した住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、当該送信された認証コードが該住宅設備機器で受信される。そして、該認証コードが住宅設備機器の報知部から報知される。従って、メンテナンス業者は、メンテナンス対象の住宅設備機器の操作部の所定の操作を行うことで、前記サーバで発行された認証コード(該住宅設備機器に対応づけられた認証コード)を、該住宅設備機器の報知部を介して認識することができる。
【0014】
次に、メンテナンス業者は、認識した認証コードを、前記メンテナンス用アプリケーションの機能が付加された前記携帯端末に入力する。このとき、当該入力された認証コードが該携帯端末から前記サーバに送信されて、該サーバで受信される。そして、前記携帯端末で入力された認証コードが、前記住宅設備機器に対して発行した認証コード(該住宅設備機器の報知部から報知された認証コード)に一致するという必要条件が成立する場合に限って、該認証コードに対応する住宅設備機器の運転履歴情報等の機器情報が、前記サーバから携帯端末に送信されて、該携帯端末で表示される。
【0015】
これにより、メンテナンス業者は、メンテナンスの対象の住宅設備機器の運転履歴情報等の機器情報を取得することができる。ひいては、メンテナンス業者は、該機器情報を参照することで、住宅設備機器のメンテナンスを的確に行うことが可能となる。
【0016】
従って、メンテナンス業者は、メンテナンスの対象の住宅設備機器の操作部の所定の操作(具体的には、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作)を行うことで、サーバにより発行された認証コード(該住宅設備機器に対応づけられた認証コード)を認識し、さらに、該認証コードを、前記メンテナンス用アプリケーションによる機能が付加された携帯端末に入力するという作業を行うことで、メンテナンスの対象の住宅設備機器の運転履歴情報等の機器情報を容易に携帯端末で取得することができる。
【0017】
また、前記携帯端末で入力された認証コードが、前記サーバが発行した認証コードに一致しない場合は、該携帯端末には、住宅設備機器の機器情報は、前記サーバから送信されないこととなる。このため、前記サーバで発行された認証コードを知らない第3者は、前記メンテナンス用アプリケーションがインストールされた携帯端末を所持していても、住宅設備機器の機器情報を取得することはできない。
【0018】
さらに、住宅設備機器の機器情報を取得するための認証コードは、該住宅設備機器の操作部の所定の操作(具体的には、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作)が行われた場合に前記サーバにより発行されて、該住宅設備機器の報知部から報知されるものであるので、第3者が該認証コードを容易に取得することは困難である。
【0019】
よって、本発明のメンテナンスシステムによれば、セキュリティを確保しつつ、住宅設備機器のメンテナンス作業の利便性を高めることが可能となる。
【0020】
上記第発明では、前記サーバは、前記発行要求情報を受信する都度、該発行要求情報を送信した前記住宅設備機器に対応づけられた認証コードを新規に発行して該住宅設備機器に送信するように構成されていると共に、該認証コードの発行後、所定の有効期間が終了すると、該認証コードを無効にするように構成されていることが好ましい(第発明)
より具体的には、上記第1発明では、前記サーバは、前記登録されているパスワードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信する都度、当該受信したパスワードを送信した前記住宅設備機器に対応づけられた認証コードを新規に発行して該住宅設備機器に送信するように構成されていると共に、該認証コードの発行後、所定の有効期間が終了すると、該認証コードを無効にするように構成されていることが好ましい(第2発明)。
【0021】
これによれば、住宅設備機器のメンテナンスを行う際に、前記サーバにより発行されてメンテナンス業者が取得した認証コードは、その後、上記有効期間が終了すると、住宅設備機器の機器情報を前記サーバから取得するための認証コードとしての機能をもたないものとなる。このため、該有効期間の終了後に、該認証コードを認識しているメンテナンス業者、あるいは該認証コードをメンテナンス業者から知らされた第3者が、前記メンテナンス用アプリケーションがインストールされた携帯端末で該認証コードを使用しても、住宅設備機器の機器情報が前記サーバから該携帯端末に送信されることはない。
【0022】
また、住宅設備機器の機器情報を前記サーバから取得するための認証コードは、前記サーバが前記発行要求情報を受信する都度、新規に発行されるので、正規の認証コードを第3者等が予測することは困難なものとなる。
【0023】
従って、住宅設備機器の機器情報を前記サーバから取得することのセキュリティ性をより一層高めることができる。
【0024】
なお、有効期間は、種々様々な形態を採用し得る。例えば、該有効期間としては、認証コードの発行後、所定時間が経過するまでの期間、あるいは、該認証コードの発行後、前記サーバが該認証コードに一致する認証コードを携帯端末から受信するまでの期間、あるいは、該認証コードの発行後、前記サーバがメンテナンス作業の終了を示す情報を前記携帯端末から受信するまでの期間等を採用し得る。
【0025】
上記第発明又は第発明では、前記住宅設備機器が、複数の機器を含んでいる場合には、前記サーバが、該住宅設備機器から前記発行要求情報を受信したときに発行する前記認証コードは、該住宅設備機器に含まれる前記複数の機器に対して共通の認証コードであり、前記サーバは、前記発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、前記住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちのいずれかの機器を該携帯端末で選択させる機器選択情報を該携帯端末に送信し、その後、該複数の機器のうちから選択された機器を示す情報を該携帯端末から受信したときに、当該選択された機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されているという態様を採用し得る(第発明)
より具体的には、上記第1発明又は第2発明では、前記住宅設備機器が、複数の機器を含んでいる場合には、前記サーバが、該住宅設備機器から前記登録されているパスードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信したときに発行する前記認証コードは、該住宅設備機器に含まれる前記複数の機器に対して共通の認証コードであり、前記サーバは、前記発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、前記住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちのいずれかの機器を該携帯端末で選択させる機器選択情報を該携帯端末に送信し、その後、該複数の機器のうちから選択された機器を示す情報を該携帯端末から受信したときに、当該選択された機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されているという態様を採用し得る(第3発明)。
【0026】
これによれば、メンテナンス業者は、前記サーバで発行された認証コードを携帯端末に入力した後、該サーバから携帯端末が受信する前記機器選択情報に応じて、前記住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちのいずれかの機器を該携帯端末で任意に選択し、当該選択した機器のみに関する機器情報を前記サーバから携帯端末に受信して表示させることができる。このため、メンテナンス業者が、住宅設備機器に含まれる複数の機器のうち、所望の機器に関する機器情報だけを携帯端末により取得することができる。ひいては、メンテナンス作業を効率よく遂行することが可能となる。
【0027】
また、メンテナンス業者は単一の認証コードを使用して、住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちの任意の機器の機器情報を前記サーバから取得できるので、メンテナンス作業の利便性を高めることができる。
【0028】
さらに、前記携帯端末で前記サーバから取得される機器情報が、メンテナンス業者が携帯端末で選択した機器に関する機器情報であるので、前記複数の機器のそれぞれの機器情報が、互いに類似する内容の情報(同一のエラーコード等)を含んでいても、携帯端末で取得した機器情報が、どの機器に関するものであるかをメンテナンス業者が混同してしまうようなことが発生するのを防止できる。
【0029】
上記第発明又は第発明では、前記住宅設備機器が、複数の機器を含んでいる場合に、該住宅設備機器は、該複数の機器のうちのいずれかの機器を選択する操作を含む前記所定の操作が前記操作部で行われたとき、当該選択された機器に対応する認証コードの発行を要求する前記発行要求情報を前記サーバに送信するように構成されており、前記サーバは、当該選択された機器に対応する認証コードの発行を要求する前記発行要求情報を受信したとき、前記住宅設備機器のうちの当該選択された機器だけに対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、前記住宅設備機器のうち、当該発行した認証コードに対応する機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されているという態様を採用することもできる(第発明)
より具体的には、上記第1発明又は第2発明では、前記住宅設備機器が、複数の機器を含んでいる場合に、前記サーバにメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力する操作と該複数の機器のうちのいずれかの機器を選択する操作とが前記操作部で行われたとき、当該入力されたパスワードを前記発行要求情報として前記サーバに送信する共に、当該選択された機器を示す機器選択情報を前記サーバに送信するように構成されており、前記サーバは、前記住宅設備機器から前記登録されているパスードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信すると共に前記機器選択情報を受信したとき、前記住宅設備機器のうちの当該受信した機器選択情報により示される機器だけに対応づけられた認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した認証コードに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、前記住宅設備機器のうち、当該発行した認証コードに対応する機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されているという態様を採用することもできる(第4発明)。
【0030】
これによれば、メンテナンス業者は、サーバが発行した認証コードを前記携帯端末に入力することで、前記住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちの所望の機器(前記住宅設備機器の操作部の操作により選択した機器)に関する機器情報だけを取得することができる。ひいては、メンテナンス作業を効率よく遂行することが可能となる。
【0031】
また、前記携帯端末で前記サーバから取得される機器情報が、メンテナンス業者が、前記住宅設備機器の操作部の操作により選択した機器に関する機器情報であるので、前記複数の機器のそれぞれの機器情報が、互いに類似する内容の情報(同一のエラーコード等)を含んでいても、携帯端末で取得した機器情報が、どの機器に関するものであるかをメンテナンス業者が混同してしまうようなことが発生するのを防止できる。
【0032】
上記第発明又は第発明では、前記住宅設備機器が、複数の機器を含んでいる場合に、前記サーバは、該住宅設備機器から前記発行要求情報を受信したとき、該住宅設備機器に含まれる前記複数の機器のそれぞれに対応づけられた複数の認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した複数の認証コードのいずれかに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、該住宅設備機器のうち、当該一致する認証コードに対応する機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されているという態様を採用することもできる(第発明)
より具体的には、上記第!発明又は第2発明では、前記住宅設備機器が、複数の機器を含んでいる場合に、前記サーバは、該住宅設備機器から前記登録されているパスワードに一致するパスワードを前記発行要求情報として受信したとき、該住宅設備機器に含まれる前記複数の機器のそれぞれに対応づけられた複数の認証コードを発行して該住宅設備機器に送信し、その後、当該発行した複数の認証コードのいずれかに一致する認証コードを前記携帯端末から受信したときに、該住宅設備機器のうち、当該一致する認証コードに対応する機器のみに関する機器情報を該携帯端末に送信するように構成されているという態様を採用することもできる(第5発明)。
【0033】
これによれば、メンテナンス業者は、サーバが発行した複数の認証コードから選択した一つの認証コードを前記携帯端末に入力することで、前記住宅設備機器に含まれる複数の機器のうちの所望の機器(選択した認証コードに対応する機器)に関する機器情報だけを取得することができる。ひいては、メンテナンス作業を効率よく遂行することが可能となる。
【0034】
また、前記携帯端末で前記サーバから取得される機器情報が、メンテナンス業者が選択した認証コードに対応する機器に関する機器情報であるので、前記複数の機器のそれぞれの機器情報が、互いに類似する内容の情報(同一のエラーコード等)を含んでいても、携帯端末で取得した機器情報が、どの機器に関するものであるかをメンテナンス業者が混同してしまうようなことが発生するのを防止できる。
【0035】
また、メンテナンス業者は、前記複数の機器のそれぞれに対応する複数の認識コードを一括して取得することができるので、例えば、該複数の認識コードを順番に使用して、前記複数の機器のそれぞれのメンテナンスを順番に行うことを効率よく遂行することが可能となる。
【0036】
次に、本発明の住宅設備機器のメンテナンス方法は、住宅設備機器と外部ネットワークを介して通信可能であり、該住宅設備機器の運転履歴情報を含む機器情報を該住宅設備機器から取得して保存したサーバと、メンテナンス用のアプリケーションがあらかじめインストールされたメンテナンス業者の携帯端末であって、該アプリケーションを起動した状態で、前記サーバと前記外部ネットワークを介して通信可能な携帯端末とを用いて該住宅設備機器のメンテナンス作業を行う方法であって、
前記住宅設備機器のメンテナンス作業を開始するとき、該住宅設備機器の操作部の所定の操作を行うことによって、該住宅設備機器のメンテナンス用の認証コードの発行を要求する発行要求情報を該住宅設備機器から前記外部ネットワークを介して前記サーバに送信する工程と、
前記サーバが前記住宅設備機器から前記発行要求情報を受信したとき、該サーバが、該住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行し、当該発行した認証コードを該サーバから前記外部ネットワークを介して該住宅設備機器に送信する工程と、
前記住宅設備機器が前記サーバから認証コードを受信したとき、該認証コードを、該住宅設備機器の報知部から報知する工程と、
当該報知後に前記携帯端末に認証コードが入力されたとき、当該入力された認証コードを該携帯端末から前記外部ネットワークを介して前記サーバに送信する工程と、
前記サーバが前記携帯端末から認証コードを受信したとき、当該受信した認証コードが該サーバが発行した認証コードに一致することを必要条件として、該サーバが発行した認証コードに対応する前記住宅設備機器の機器情報を前記サーバから前記外部ネットワークを介して該携帯端末に送信する工程と、
前記携帯端末が前記サーバから受信した前記住宅設備機器の機器情報を該携帯端末で表示する工程とを備えることを特徴とする(第発明)
より具体的には、本発明の住宅設備機器のメンテナンス方法は、住宅設備機器と外部ネットワークを介して通信可能であり、該住宅設備機器の運転履歴情報を含む機器情報を該住宅設備機器から取得して保存したサーバと、メンテナンス用のアプリケーションがあらかじめインストールされたメンテナンス業者の携帯端末であって、該アプリケーションを起動した状態で、前記サーバと前記外部ネットワークを介して通信可能な携帯端末とを用いて該住宅設備機器のメンテナンス作業を行う方法であって、
前記住宅設備機器のメンテナンス作業を開始するとき、該住宅設備機器の操作部で、該住宅設備機器のメンテナンス用の認証コードを前記サーバに発行させるための所定のパスワードを入力する操作を行うことによって、当該入力されたパスワードを前記認証コードの発行を要求する発行要求情報として該住宅設備機器から前記外部ネットワークを介して前記サーバに送信する工程と、
前記サーバが前記住宅設備機器から前記発行要求情報として送信されたパスワードを受信したとき、該サーバが、当該受信したパスワードが該サーバに登録されているパスワードに一致するか否かを確認し、当該登録されているパスワードに一致する場合に、当該受信したパスワードを送信した前記該住宅設備機器に対応づけられた認証コードを発行し、当該発行した認証コードを該サーバから前記外部ネットワークを介して該住宅設備機器に送信する工程と、
前記住宅設備機器が前記サーバから認証コードを受信したとき、該認証コードを、該住宅設備機器の報知部から報知する工程と、
当該報知後に前記携帯端末に当該報知された認証コードが入力されたとき、当該入力された認証コードを該携帯端末から前記外部ネットワークを介して前記サーバに送信する工程と、
前記サーバが前記携帯端末から認証コードを受信したとき、当該受信した認証コードが該サーバが発行した認証コードに一致することを必要条件として、該サーバが発行した認証コードに対応する前記住宅設備機器の機器情報を前記サーバから前記外部ネットワークを介して該携帯端末に送信する工程と、
前記携帯端末が前記サーバから受信した前記住宅設備機器の機器情報を該携帯端末で表示する工程とを備えることを特徴とする(第6発明)。
【0037】
これによれば、第A発明又は第1発明と同様に、メンテナンス業者は、メンテナンスの対象の住宅設備機器の運転履歴情報等の機器情報を容易に携帯端末で取得することができる。
【0038】
また、第A発明又は第1発明と同様に、前記サーバで発行された認証コードを知らない第3者は、前記メンテナンス用アプリケーションがインストールされた携帯端末を所持していても、住宅設備機器の機器情報を取得することはできないと共に、該住宅設備機器の機器情報を取得するための認証コードを容易に取得することは困難である。
【0039】
よって、本発明のメンテナンス方法によれば、第A発明又は第1発明と同様に、セキュリティを確保しつつ、住宅設備機器のメンテナンス作業の利便性を高めることが可能となる。
【0040】
なお、本発明のメンテナンス方法は、前記第B〜第E発明又は前記第2〜第5発明と同様の態様を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態を適用するシステムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1を参照して以下に説明する。図1に示すように、本実施形態のメンテナンスシステムでメンテナンスの対象とする住宅設備機器1は、例えば住戸Hに配置された複数(例えば3つ)の機器1A,1B,1Cを含む。図示例では、機器1Aは給湯装置、機器1Bは加熱調理器の一例としてのコンロ装置、機器1Cは温風暖房器である。
【0043】
給湯装置1Aは、例えばガス給湯装置であり、図示を省略するバーナ(燃焼式加熱源)及び熱交換器等が搭載された熱源機2と、給湯装置1Aの運転操作用のリモコン3とを備える。なお、本実施形態では、リモコン3が本発明における操作部及び報知部としての機能を持つ。
【0044】
この給湯装置1Aは、熱源機2に供給される水道水等の水を該熱源機2で加熱してなる湯を台所、浴室等の給湯箇所に供給する給湯運転、熱源機2に供給される水道水等の水を該熱源機2で加熱してなる湯を浴槽BTに供給する湯はり運転もしくは足し湯運転、浴槽BT内の湯水を熱源機2との間で循環させつつ、該熱源機2で加熱する追い焚き運転などをリモコン3の操作に応じて実行することが可能である。
【0045】
熱源機2には、給湯装置1Aの運転制御と異常発生の有無等の状態監視とを行う機能を有する制御装置4が搭載されている。該制御装置4は、CPU、メモリ、インターフェース回路、通信機等を含む電子回路ユニットにより構成される。
【0046】
リモコン3は、例えば台所等に設置されるリモコンである。該リモコン3は、上記制御装置4と有線通信又は無線通信を行い得るように構成されており、リモコン3の操作情報(給湯装置1Aの運転指令、給湯温度もしくは湯はり温度の設定情報等)を制御装置4に送信したり、給湯装置1Aの運転状態を示す情報を制御装置4から受信することが可能である。そして、リモコン3は、各種情報を報知する報知部として、表示部3a及び発音部3bを備える。
【0047】
なお、図1では台所等に設置される主たるリモコン3だけを代表的に図示しているが、給湯装置1Aは、リモコン3以外の他のリモコン(浴室リモコン等)も含み得る。
【0048】
補足すると、給湯装置1Aには、熱源機2との間で温水を循環させ得る床暖房装置もしくは浴室暖房装置等が付加されていてもよい。また、熱源機2は、バーナの代わりに、もしくはバーナに加えて、電気式の加熱源を備えるものであってもよい。また、熱源機2のバーナは、ガスバーナに限らず、灯油等の液体燃料を燃焼させるバーナであってもよい。
【0049】
コンロ装置1Bは、例えばガスコンロであり、複数(図示例では3つ)のコンロバーナ10と、図示を省略するグリルバーナと、各バーナの点火及び消火、並びに火力調整を行うための操作部11とを備える。また、コンロ装置1Bには、該コンロ装置1Bの運転制御と異常発生の有無等の状態監視とを行う機能を有する制御装置12が搭載されている。
【0050】
なお、コンロ装置1Bは、バーナの代わりに、もしくはバーナに加えて、IHヒータ等の電気式熱源を備えるものであってもよい。
【0051】
温風暖房器1Cは、例えばガスファンヒータであり、その筐体内に図示を省略するバーナ及び送風機が搭載され、該筐体の上面に温風暖房器1Cの運転操作部(図示省略)が備えられている。さらに、温風暖房器1Cの筐体内には、該温風暖房器1Cの運転制御や、状態監視等を行う制御装置15が搭載されている。
【0052】
また、本実施形態では、給湯装置1Aのリモコン3は、住戸Hにおける住宅設備機器1用のローカルエリアネットワークのアクセスポインとしての機能と、インターネット、公衆通信網等により構成される広域ネットワークである外部ネットワークNW側との通信を行う対外通信部としての機能とを有し、外部ネットワークNWに接続可能に住戸Hに設置されたルータ7と、Wi-Fi(登録商標)もしくはBluetooth(登録商標)等の通信方式で無線通信を行い得るように構成されている。これにより、リモコン3は、ルータ7を介して外部ネットワークNW側と通信を行うことが可能となっている。
【0053】
そして、コンロ装置1Bの制御装置12及び温風暖房器1Cの制御装置15のそれぞれは、アクセスポイントとしてのリモコン3と有線通信又は無線通信を行い得るように構成されており、その通信によって、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのそれぞれの運転情報等をリモコン3に適宜送信することが可能である。
【0054】
なお、リモコン3は、LANケーブル等を介してルータ7と有線通信を行い得るように構成されていてもよい。また、リモコン3は、ルータとしての機能を併せもつように構成されていてもよい。この場合には、ルータ7は不要である。また、ルータ7と外部ネットワークNWとの間の通信は、無線通信及び有線通信のいずれでもよい。
【0055】
補足すると、本実施形態のメンテナンスシステムでメンテナンスの対象とする住宅設備機器は、上記の如き構成の住宅設備機器1に限られない。例えば、住宅設備機器は、対外通信部としての機能を有する単一の機器(例えば給湯装置1A)だけにより構成されるものであってもよい。また、住宅設備機器は、例えば冷房機能を有する空調システムであってもよい。また、住宅設備機器は、例えば対外通信部としての機能を有する複数の機器を含み、それらの複数の機器がハブ等を介してルータ7に接続されていてもよい。
【0056】
本実施形態のメンテナンスシステムは、図1に示す住戸Hの住宅設備機器1を含む複数の住戸の住宅設備機器の作動等に関する機器情報を保存・管理する機能を有する機器データ管理サーバ20と、図1に示す住戸Hの住宅設備機器1を含む複数の住戸の住宅設備機器のメンテナンスを行うメンテナンス業者が所持するスマートフォン、タブレット端末、フィーチャーフォン等の携帯端末25とを含む。これらの機器データ管理サーバ20及び携帯端末25は、外部ネットワークNWに通信接続することが可能である。
【0057】
機器データ管理サーバ20は、例えば住宅設備機器1のメーカ、もしくはサービス事業者等により運営されるサーバであり、本発明におけるサーバに相当する。この機器データ管理サーバ20は、各住戸の住宅設備機器の対外通信部(住宅設備機器1ではリモコン3)と外部ネットワークNWを介して通信を行うことで、各住戸毎に、住宅設備機器の作動等に関する機器情報(例えば、各住戸の各住宅設備機器で実行された運転、あるいは、各住戸の各住宅設備機器で発生した異常もしくは故障の内容を時系列的に示す運転履歴情報等)を取得して保存することが可能である。
【0058】
メンテナンス業者が所持する携帯端末25は、機器データ管理サーバ20との通信を行うことを可能とするメンテナンス用アプリケーションがあらかじめインストールされている。該メンテナンス用アプリケーションは、機器データ管理サーバ20の運営業者等により外部ネットワークNW上のサーバ(機器データ管理サーバ20又は他のサーバ)で公開されたアプリーケションであり、メンテナンス業者が自身の携帯端末25に随時、ダウンロードしてインストールすることが可能である。
【0059】
次に、各住戸の住宅設備機器の運転履歴情報等の機器情報を機器データ管理サーバ20で収集する処理に関して説明する。
【0060】
機器データ管理サーバ20には、各住戸毎の住宅設備機器の代表識別コードと、各住戸の住宅設備機器を構成する各機器の機種情報とがあらかじめ登録される。例えば図1に示す住戸Hの住宅設備機器1に関しては、機器データ管理サーバ20には、給湯装置1Aの熱源機2もしくはリモコン3の製造番号、あるいは、これらの製造番号の合成データ等、該給湯装置1Aに固有のデータが、住戸Hの住宅設備機器1の代表識別コードとし登録されると共に、給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのそれぞれの機種情報が代表識別コードに対応づけて登録される。これらの登録は、例えば、各住戸の住宅設備機器の対外通信部と機器データ管理サーバ20との初回の通信接続時等に行われる。
【0061】
なお、各住戸毎の住宅設備機器の代表識別コードは、上記の態様に限られない。例えば、給湯装置1A以外の他の機器(コンロ装置1B、温風暖房器1C等)に固有のデータを代表識別コードとして使用することも可能である。あるいは、例えば、各住戸の住所、電話番号等を所定の規則で加工してなるコード等を代表識別コードとして使用することも可能である。
【0062】
上記の登録がなされた後、各住戸の住宅設備機器の対外通信部から、定期的に、あるいは、該住宅設備機器の異常発生等の所定のイベントの発生毎に、各住戸の住宅設備機器を構成する各機器の運転履歴情報を含む機器情報が外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信される。
【0063】
そして、機器データ管理サーバ20は、各住戸の住宅設備機器の対外通信部から受信した機器情報を、該住戸の住宅設備機器の代表識別コードと、該機器情報が対応する住宅設備機器の機種とに対応づけて時系列的に保存する。
【0064】
例えば図1に示す住戸Hの住宅設備機器1に関しては、対外通信部としてのリモコン3は、定期的に、前記制御装置4,12,15のそれぞれから、給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのそれぞれの運転履歴情報等の機器情報を取得し、これらの機器情報をルータ7及び外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信する。
【0065】
あるいは、リモコン3は、給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのいずれかの機器で異常もしくは故障等の所定のイベントの発生した場合に、該機器で発生したイベントの種別を示す情報(エラーコード等)や、該イベントの発生時もしくはその近辺の時間帯における該機器の運転状態を示す情報を含む機器情報を該機器に対応する制御装置4又は12又は15から取得し、該機器情報をルータ7及び外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信する。
【0066】
そして、機器データ管理サーバ20は、住戸Hのリモコン3から受信した機器情報を、該住戸Hの住宅設備機器1の代表識別コードと、該機器情報が対応する機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)の機種とに対応づけて時系列的に保存する。
【0067】
なお、各住戸の住宅設備機器の対外通信部から機器データ管理サーバ20への機器情報の送信は、例えば、機器データ管理サーバ20から各住戸の住宅設備機器の対外通信部に対する要求に応じて行ったり、あるいは、各住戸の住宅設備機器での所定の操作に応じて行うようにしてもよい。また、各住戸の住宅設備機器の対外通信部から機器データ管理サーバ20への機器情報の送信は、暗号化通信により行うようにしてもよい。
【0068】
次に、メンテナンス業者が、いずれかの住戸の住宅設備機器のメンテナンス(点検、修理等)を行う場合の処理を説明する。この場合、メンテナンスの対象の住宅設備機器が、図1に示す住戸Hの住宅設備機器1(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのうちの一つ以上の機器)である場合を代表例として以下に説明する。
【0069】
メンテナンス業者が、住戸Hの住宅設備機器1のメンテナンスを行う場合、該メンテナンス業者は、メンテナンス用アプリケーションを事前にインストールした自身の携帯端末25により、機器データ管理サーバ20にアクセスし、該機器データ管理サーバ20からメンテナンスの対象の住宅設備機器1の機器情報(運転履歴情報等)を取得する。この場合、機器データ管理サーバ20へのアクセスは、次のように実行される。
【0070】
(ステップ1)
メンテナンス業者は、まず、住宅設備機器1の対外通信部としてのリモコン3がルータ7を介して外部ネットワークNW側と通信を行い得る状態で、該リモコン3の所定の操作を行うことで、メンテナンス作業用のリモコン3の動作モードであるメンテナンスモードを起動する。
【0071】
このとき、該メンテナンスモードが起動したリモコン3は、機器データ管理サーバ20にメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワードを入力すべき旨を、表示部3aによる表示(又は発音部3bからの音声報知)によって、メンテナンス業者に要求する。
【0072】
ここで、上記認証コードは、メンテナンス業者が、機器データ管理サーバ20に保存された住宅設備機器1に関する機器情報を取得するために必要な認証コードである。また、上記パスワードは、機器データ監視サーバ20の運営業者等からメンテナンス業者に、事前に通知されたメンテナンス業者専用のパスワードであり、機器データ管理サーバ20に登録されている。なお、上記パスワードは適宜、更新され得る。また、上記パスワードは、本発明における発行要求情報に相当する。
【0073】
(ステップ2)
次に、メンテナンス業者が、上記の要求に応じて、リモコン3に対して所定のパスワードを入力すると、リモコン3は、入力されたパスワード(発行要求情報)を、住戸Hの住宅設備機器1の代表識別コードと共に、外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信する。この場合、機器データ管理サーバ20のアドレスは、例えば、リモコン3あるいは熱源機2の制御装置4のメモリにあらかじめ保存されている。
【0074】
(ステップ3)
リモコン3から送信されたパスワート゛及び代表識別コードは、機器データ管理サーバ20で受信される。このとき、機器データ管理サーバ20は、受信したパスワードが、メンテナンス業者に事前に通知した所定のパスワード(機器データ管理サーバ20に登録されたパスワード)に一致するか否かを確認する。そして、機器データ管理サーバ20は、受信したパスワードが所定のパスワードに一致する場合には、リモコン3でのパスワードの入力が正規のメンテナンス業者により実行されたとみなし得るため、上記認証コードを発行し、該認証コードを外部ネットワークNWを介してリモコン3に送信する。
【0075】
なお、機器データ管理サーバ20が発行する認証コードは、該認証コードの発行の要求の都度(上記パスワードの受信の都度)、該機器データ管理サーバ20が、パスワードと共に受信した代表識別コードに対応づけて、新規に生成するワンタイムの認証コードである。
【0076】
また、機器データ管理サーバ20は、リモコン3から受信したパスワードが、機器データ管理サーバ20に登録された前記所定のパスワードに一致しない場合には、リモコン3で入力されたパスワードが間違っている旨を該リモコン3に送信し、該リモコン3との通信接続を遮断する。
【0077】
(ステップ4)
機器データ管理サーバ20から認証コードがリモコン3に送信された場合、該認証コードは、該リモコン3で受信される。このとき、該リモコン3は、受信した認証コードを、該リモコン3の表示部3aに表示する(又は発音部3bから音声報知を行う)。この報知により、メンテナンス業者は、該認証コードを認識する。
【0078】
(ステップ5)
次に、メンテンナンス業者は、自身の携帯端末25にインストール済のメンテナンス用アプリケーションを起動した状態で、リモコン3から報知された認証コードを該携帯端末25に対して入力する。
【0079】
なお、メンテナンス用アプリケーションを起動した直後の状態では、機器データ管理サーバ20により発行された認証コードを携帯端末25に入力すべき旨の初期表示が該携帯端末25で行われる。
【0080】
(ステップ6)
メンテナンス業者により認証コードが入力された携帯端末25は、実行中のメンテナンス用アプリケーションの機能によって、該認証コードが入力された日時を示す日時情報(以降、認証コード入力日時情報)と共に、該認証コードを、外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信することを実行する。この場合、機器データ管理サーバ20のアドレスは、メンテナンス用アプリケーションのインストール時に、携帯端末25のメモリにあらかじめ保存されている。
【0081】
(ステップ7)
携帯端末25から送信された認証コード及び認証コード入力日時情報は、機器データ管理サーバ20で受信される。このとき、該機器データ管理サーバ20は、受信した認証コードを、前記ステップ3で発行した認証コードと照合し、当該両方の認証コードが一致するか否かを判断する。そして、当該両方の認証コードが一致しない場合には、機器データ管理サーバ20は、携帯端末25で入力された認証コードが間違っている旨を該携帯端末25に送信し、該携帯端末25との通信接続を遮断する。
【0082】
一方、当該両方の認証コードが一致する場合には、機器データ管理サーバ20は、該認証コードの送信元の携帯端末25が正規のメンテナンス業者のものであるとみなして、該携帯端末25が、前記ステップ2で受信した代表識別コードに対応する住戸Hの住宅設備機器1に関する機器情報を取得することを許可する。これにより、機器データ管理サーバ20は、携帯端末25からの要求に応じて、住戸Hの住宅設備機器1に関する機器情報を該携帯端末25に送信可能な状態(以降、機器情報送信許可状態という)となる。
【0083】
なお、本実施形態では、機器データ管理サーバ20は、前記ステップ3で発行した認証コードの有効期間を設定し、該有効期間の終了後に、携帯端末25又は他の携帯端末から該認証コードを受信した場合には、該認証コードを無効として、前記機器情報送信許可状態にならない。
【0084】
ここで、上記有効期間としては、例えば、ステップ3での認証コードの発行後、所定の上限時間が経過するまでの期間、又は、該上限時間が経過する前に、所定のイベントが発生するまでの期間等を採用し得る。この場合、当該所定のイベントとしては、例えば、携帯端末25で入力された認証コード(ステップ3で発行した認証コードに一致する認証コード)を機器データ管理サーバ20で受信するというイベント、あるいは、メンテナンス業者が、作業の終了時に、携帯端末25の所定の操作を行うことで該携帯端末25から送信される作業終了情報を機器データ管理サーバ20で受信するというイベント等を採用し得る。
【0085】
(ステップ8)
前記機器情報送信許可状態の開始当初(開始時又はその直後)において、機器データ管理サーバ20は、住戸Hの住宅設備機器1(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1C)のリストを外部ネットワークNWを介して携帯端末25に送信する。このとき、該携帯端末25では、受信したリストが表示される。
【0086】
さらに、機器データ管理サーバ20は、前記ステップ6で携帯端末25から受信した認証コード入力日時情報を、前記ステップ2で受信した代表識別コードに対応する住戸Hの住宅設備機器1のリモコン3(対外通信部)に送信する。このとき、該リモコン3は、受信した認証コード入力日時情報を該リモコン3のメモリに保存し、あるいは、該認証コード入力日時情報を制御装置4に転送して、該制御装置4のメモリに保存させる。
【0087】
(ステップ9)
次に、メンテナンス業者は、携帯端末25を操作することで、該携帯端末25で表示されている前記リストから機器情報の取得対象の住宅設備機器1(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのうちの一つ以上の機器)を選択する。このとき、選択された機器に関する機器情報の送信要求が携帯端末25から外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信される。
【0088】
(ステップ10)
住宅設備機器1のうちの選択された機器(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1Cのうちの一つ以上の機器)に関する機器情報の送信要求は、機器データ管理サーバ20で受信される。このとき、機器データ管理サーバ20は、当該送信要求に対応する機器の運転履歴情報等の機器情報を、外部ネットワークNWを介して携帯端末25に送信する。
【0089】
なお、前記ステップ9では、メンテナンス業者が、機器情報の取得対象の住宅設備機器1を選択することに加えて、取得対象の機器情報の項目もしくは種別を選択し得るようにして、該項目もしくは種別に対応する機器情報の送信要求を携帯端末25から機器データ管理サーバ20に送信するようにしてもよい。そして、ステップ10では、選択された住宅設備機器1に関する機器情報のうち、選択された項目もしくは種別に対応する機器情報だけを機器データ管理サーバ20から携帯端末25に送信するようにしてもよい。
【0090】
(ステップ11)
機器データ管理サーバ20から送信された住宅設備機器1の機器情報は、携帯端末25で受信される。このとき、携帯端末25では、受信した機器情報が表示される。これにより、メンテナンス業者は、住戸Hの住宅設備機器1に関する所要の機器情報を認識することができる。例えば、メンテナンス業者は、住宅設備機器1(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1C)のうち、携帯端末25で選択した機器において、過去にどのような異常もしくは故障が発生したか、該機器のどのような運転が行われているか等の運転履歴情報を確認することができる。
【0091】
これにより、メンテナンス業者は、住宅設備機器1(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1C)のうちの選択した機器に関して、的確なメンテナンスを遂行できる。
【0092】
以上説明したメンテナンス作業に関する処理は、住戸Hの住宅設備機器1以外の他の住戸の住宅設備機器のメンテナンス作業においても同様である。なお、メンテナンス作業における機器データ管理サーバ20と、携帯端末25との間の通信は、暗号化通信により行うようにしてもよい。
【0093】
以上説明した実施形態によれば、メンテナンス業者が、メンテナンス用アプリケーションをインストールした自身の携帯端末25に、機器データ管理サーバ20が発行してメンテンナンスの対象の住宅設備機器の対外通信部(住宅設備機器1ではリモコン3)に送信した認証コードを入力することを必要条件として、該メンテナンス業者が、メンテンナンスの対象の住宅設備機器に関する機器情報を、自身の携帯端末25で機器データ管理サーバ20から取得することが可能となる。
【0094】
このため、メンテナンス業者でない第3者が、自身の携帯端末にメンテナンス用アプリケーションをダウンロードしてインストールしても、該メンテナンス用アプリケーションを利用して、ある住戸の住宅設備機器の機器情報を取得することは極めて困難である。
【0095】
そして、メンテナンス業者は、自身の携帯端末25でのメンテナンス用アプリケーションの起動後に、正規の認証コードを入力すれば、以後は、メンテナンス対象の住宅設備機器の必要な機器情報を該携帯端末25で容易に取得して確認することができる。
【0096】
このため、セキュリティを確保しつつ、住宅設備機器のメンテナンス作業の利便性を高めることができる。
【0097】
また、メンテナンス業者は、住宅設備機器のうちのどの機器の機器情報を機器データ管理サーバ20から取得するかを、携帯端末25で選択することができるので、必要な機器情報だけを機器データ管理サーバ20から取得できる。この場合、各住戸の住宅設備機器を構成する複数の機器のそれぞれに関する機器情報が、例えば、同種のもしくは類似する名称のエラーコードを使用している場合であっても、メンテナンス業者が、携帯端末25で表示される機器情報が、どの機器に対応するものであるかを混同してしまうことを防止できる。
【0098】
また、機器データ管理サーバ20が発行する認証コードは、その発行の都度、新規に発行されるワンタイムの認証コードであると共に、有効期間が設定されているので、メンテナンス業者が過去に発行された認証コードを覚えていたり、あるいは、該認証コードが第3者に漏洩しても、該メンテナンス業者もしくは第3者が、メンテナンス作業外で、過去に発行された認証コードを使用して、機器データ管理サーバ20から住宅設備機器の機器情報を不正に取得するのを防止することができる。
【0099】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態の説明では、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0100】
本実施形態では、メンテナンス作業時の一部の処理が第1実施形態と相違する。具体的には、ステップ1では、メンテナンス業者がリモコン3のメンテナンスモードを起動すると、リモコン3は、機器データ管理サーバ20にメンテナンス用の認証コードを発行させるための所定のパスワード(認証コードの発行要求情報)を入力すべき旨と、住宅設備機器1のうち、メンテナンスの対象とする機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)を選択すべき旨と、表示部3aによる表示(又は発音部3bからの音声報知)によって、メンテナンス業者に要求する。
【0101】
次のステップ2では、メンテナンス業者は、リモコン3の所定の操作を行うことで、所定のパスワードと、メンテナンスの対象として選択した機器を示す情報(以降、機器選択情報という)とをリモコン3に入力する。このとき、リモコン3は、入力されたパスワード(発行要求情報)と機器選択情報とを、住戸Hの住宅設備機器1の代表識別コードと共に、外部ネットワークNWを介して機器データ管理サーバ20に送信する。
【0102】
次のステップ3では、機器データ管理サーバ20は、リモコン3から送信されたパスワート゛、機器選択情報及び代表識別コードを受信する。このとき、機器データ管理サーバ20は、第1実施形態と同様に、受信したパスワードが、メンテナンス業者に事前に通知した所定のパスワードに一致するか否かを確認し、一致する場合には、認証コードを発行して、リモコン3に送信する。
【0103】
ただし、本実施形態では、機器データ管理サーバ20がステップ3で発行する認証コードは、住宅設備機器1のうち、受信した機器選択情報により指定された機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に関する機器情報だけを取得することを有効とするための認証コードである。
【0104】
なお、機器データ管理サーバ20が発行する認証コードは、第1実施形態と同様に、有効期限が設定されたワンタイムの認証コードである。また、リモコン3から受信したパスワードが、前記所定のパスワードに一致しない場合の処理は、第1実施形態と同じである。
【0105】
次に、ステップ4〜6の処理が第1実施形態と同様に行われる。次に、前記ステップ7〜11の処理の代わりに、以下に説明するステップ7a,8aの処理が行われる。
【0106】
(ステップ7a)
ステップ6で携帯端末25から送信された認証コード及び認証コード入力日時情報は、機器データ管理サーバ20で受信される。このとき、該機器データ管理サーバ20は、受信した認証コードを、ステップ3で発行した認証コード(機器選択情報により指定された機器に対応する認証コード)と照合し、当該両方の認証コードが一致するか否かを判断する。
【0107】
そして、当該両方の認証コードが一致する場合には、機器データ管理サーバ20は、住宅設備機器1のうち、ステップ3で受信した機器選択情報により指定された機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に関する機器情報(運転履歴情報等)を外部ネットワークNWを介して携帯端末25に送信する。
【0108】
なお、この場合、機器選択情報により指定された機器の機器情報の項目もしくは種別を、メンテナンス業者が携帯端末25で選択して、機器データ管理サーバ20に送信し得るようにして、機器選択情報により指定された機器の機器情報のうち、選択された項目もしくは種別に対応する機器情報だけを機器データ管理サーバ20から携帯端末25に送信するようにしてもよい。
【0109】
また、上記照合において、当該両方の認証コードが一致しない場合には、機器データ管理サーバ20は、携帯端末25で入力された認証コードが間違っている旨を該携帯端末25に送信し、該携帯端末25との通信接続を遮断する。
【0110】
(ステップ8a)
機器データ管理サーバ20から送信された機器情報(機器選択情報により指定された機器に関する機器情報)は、携帯端末25で受信される。このとき、携帯端末25では、受信した機器情報が表示される。これにより、メンテナンス業者は、住戸Hの住宅設備機器1のうち、機器選択情報で指定した機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に関する機器情報(運転履歴情報等)を認識することができる。
【0111】
なお、本実施形態では、メンテナンス業者は、住宅設備機器1のうちの一つの機器についてメンテナンス作業を行った後、他の機器に住宅設備機器1のうちの他の機器についてメンテナンス作業を行う場合には、ステップ1からの処理を改めて実行する。
【0112】
本実施形態は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。また、本実施形態において、以上説明したメンテナンス作業に関する処理は、住戸Hの住宅設備機器1以外の他の住の住宅設備機器のメンテナンス作業においても同様である。
【0113】
かかる本実施形態でも第1実施形態と同様に、セキュリティを確保しつつ、住宅設備機器のメンテナンス作業の利便性を高めることができる。
【0114】
また、メンテナンス業者は、各住戸の住宅設備機器のうち、機器選択情報により指定した一つの機器に関する機器情報だけを、機器データ管理サーバ20から携帯端末25に取得することができる。このため、各住戸の住宅設備機器を構成する複数の機器のそれぞれに関する機器情報が、例えば、同じ名称のエラーコードを使用している場合であっても、メンテナンス業者が、携帯端末25で表示される機器情報が、どの機器に対応するものであるかを混同してしまうことを防止できる。
【0115】
また、機器データ管理サーバ20が発行する認証コードは、その発行の都度、新規に発行されるものであると共に、有効期間が設定されているので、第1実施形態と同様に、メンテナンス業者もしくは第3者が、メンテナンス作業外で、過去に発行された認証コードを使用して、機器データ管理サーバ20から住宅設備機器の機器情報を不正に取得するのを防止することができる。
【0116】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。なお、本実施形態の説明では、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0117】
本実施形態では、メンテナンス作業時の一部の処理が第1実施形態又は第2実施形態と相違する。具体的には、ステップ1及びステップ2の処理が第1実施形態と同様に行われる。
【0118】
次のステップ3では、機器データ管理サーバ20は、リモコン3から送信されたパスワート゛及び代表識別コードを受信する。このとき、機器データ管理サーバ20は、第1実施形態と同様に、受信したパスワードが、メンテナンス業者に事前に通知した所定のパスワードに一致するか否かを確認し、一致する場合には、認証コードを発行して、リモコン3に送信する。
【0119】
ただし、本実施形態では、ステップ3において、機器データ管理サーバ20は、住宅設備機器1に含まれる複数の機器(給湯装置1A、コンロ装置1B及び温風暖房器1C)のそれぞれ毎に各別の認証コードを一括して発行し、これらの複数の認証コードを、それぞれに対応する機器を示す情報と共に、住宅設備機器1のリモコン3(対外通信部)に送信する。この場合、各認証コードは、それに対応する機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に関する機器情報だけを取得することを有効とするための認証コードである。
【0120】
なお、機器データ管理サーバ20が発行する各機器毎の認証コードは、第1実施形態と同様に、有効期限が設定されたワンタイムの認証コードである。また、リモコン3から受信したパスワードが、前記所定のパスワードに一致しない場合の処理は、第1実施形態と同じである。
【0121】
次のステップ4では、機器データ管理サーバ20から複数の認証コードを受信したリモコン3(対外通信部)は、受信した複数の認証コードを、それぞれに対応する機器を示す情報と共に、該リモコン3の表示部3aに表示する(又は発音部3bから音声報知を行う)ことで、該複数の認証コードを、それぞれに対応する機器を示す情報と共にメンテナンス業者に報知する。
【0122】
次のステップ5では、メンテンナンス業者は、自身の携帯端末25にインストール済のメンテナンス用アプリケーションを起動した状態で、リモコン3から報知された複数の認証コードのうち、メンテナンスの対象とする一つの機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に対応する一つの認証コードを選択し、該認証コードを該携帯端末25に対して入力する。
【0123】
次に、ステップ6の処理が第1実施形態と同様に行われた後、前記ステップ7〜11の処理の代わりに、以下に説明するステップ7b,8bの処理が行われる。
【0124】
(ステップ7b)
ステップ6で携帯端末25から送信された認証コード及び認証コード入力日時情報は、機器データ管理サーバ20で受信される。このとき、該機器データ管理サーバ20は、受信した認証コードを、ステップ3で発行した複数の認証コードと照合し、受信した認証コードが、ステップ3で発行した複数の認証コードのうちのいずれかに一致するか否かを判断する。
【0125】
そして、受信した認証コードが、ステップ3で発行した複数の認証コードのうちのいずれかに一致する場合には、機器データ管理サーバ20は、住宅設備機器1のうち、受信した認証コードに対応する機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に関する機器情報(運転履歴情報等)を外部ネットワークNWを介して携帯端末25に送信する。
【0126】
なお、この場合、機器データ管理サーバ20が受信した認証コード(携帯端末25で入力された認証コード)に対応する機器の機器情報の項目もしくは種別を、メンテナンス業者が携帯端末25で選択して、機器データ管理サーバ20に送信し得るようにして、携帯端末25で入力された認証コードに対応する機器の機器情報のうち、選択された項目もしくは種別に対応する機器情報だけを機器データ管理サーバ20から携帯端末25に送信するようにしてもよい。
【0127】
また、機器データ管理サーバ20は、受信した認証コードが、ステップ3で発行した複数の認証コードのうちのいずれにも一致しない場合には、携帯端末25で入力された認証コードが間違っている旨を該携帯端末25に送信し、該携帯端末25との通信接続を遮断する。
【0128】
(ステップ8b)
機器データ管理サーバ20から送信された機器情報(ステップ5で携帯端末25に入力された認証コードに対応する機器に関する機器情報)は、携帯端末25で受信される。このとき、携帯端末25では、受信した機器情報が表示される。これにより、メンテナンス業者は、住戸Hの住宅設備機器1のうち、ステップ5で選択した認証コードに対応する機器(給湯装置1A又はコンロ装置1B又は温風暖房器1C)に関する機器情報(運転履歴情報等)を認識することができる。
【0129】
なお、本実施携帯では、メンテナンス業者は、住宅設備機器1のうちの一つの機器についてメンテナンス作業を行った後、他の機器に住宅設備機器1のうちの他の機器についてメンテナンス作業を行う場合には、当該他の機器に対応する認証コードを改めて携帯端末25に入力する。その後、当該他の機器に関して上記ステップ7b,8bの処理が上記と同様に行われる。
【0130】
本実施形態は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。また、本実施形態において、以上説明したメンテナンス作業に関する処理は、住戸Hの住宅設備機器1以外の他の住の住宅設備機器のメンテナンス作業においても同様である。
【0131】
かかる本実施形態でも第1実施形態と同様に、セキュリティを確保しつつ、住宅設備機器のメンテナンス作業の利便性を高めることができる。
【0132】
また、メンテナンス業者は、各住戸の住宅設備機器のうち、携帯端末25で入力した認証コードに対応する一つの機器に関する機器情報だけを、機器データ管理サーバ20から携帯端末25に取得することができる。このため、第2実施携帯と同様に、各住戸の住宅設備機器を構成する複数の機器のそれぞれに関する機器情報が、同じ名称のエラーコードを使用している場合であっても、メンテナンス業者が、携帯端末25で表示される機器情報が、どの機器に対応するものであるかを混同してしまうことを防止できる。
【0133】
また、機器データ管理サーバ20が発行する認証コードは、その発行の都度、新規に発行されるものであると共に、有効期間が設定されているので、第1実施形態と同様に、メンテナンス業者もしくは第3者が、メンテナンス作業外で、過去に発行された認証コードを使用して、機器データ管理サーバ20から住宅設備機器の機器情報を不正に取得するのを防止することができる。
【0134】
また、メンテナンス業者は、各住戸の住宅設備機器を構成する複数の機器のそれぞれに対応する複数の認識コードを一括して取得することができるので、例えば、該複数の認識コードを順番に使用して、複数の機器のそれぞれのメンテナンスを順番に行うことを効率よく遂行することが可能となる。
【0135】
なお、以上説明した各実施形態では、給湯装置1Aのリモコン3が本発明における操作部及び報知部としての機能を有するものであるが、本発明における操作部及び報知部はリモコンとは別のものであってもよく、又は操作部と報知部とは、互いに別体の構成要素であってもよい。
【符号の説明】
【0136】
1(1A,1B,1C)…住宅設備機器、3…リモコン(操作部)、3a…表示部(報知部)、3b…発音部(報知部)、20…機器データ管理サーバ(サーバ)、25…携帯端末、NW…外部ネットワーク。
図1