(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956572
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】ガスタービンのバーナ用のバーナアセンブリ及び、ガスタービンのバーナアセンブリに燃料ランスを設置する方法
(51)【国際特許分類】
F23R 3/34 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
F23R3/34
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-171708(P2017-171708)
(22)【出願日】2017年9月7日
(65)【公開番号】特開2018-71961(P2018-71961A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2020年9月1日
(31)【優先権主張番号】16189669.1
(32)【優先日】2016年9月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジョスト・イムフェルド
(72)【発明者】
【氏名】アレン・マルコヴィク
(72)【発明者】
【氏名】イゴール・ビジック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェドラン・ドルザク
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカルロ・ルッギエリ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・アラン・ドゥ・ジョンジュ
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0227157(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0128002(US,A1)
【文献】
実開昭49−042361(JP,U)
【文献】
米国特許第4466240(US,A)
【文献】
特開2001−208350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
F02C 7/00
F23R 3/34
F23R 3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンのバーナアセンブリ(9;90;900)であって、
前記ガスタービンの動作中の燃焼の高温ガスのための流路(G)を画定する管状本体(9A)と、
燃料ランス(13)用の開口部(4)であって、前記開口部(4)が縁部(4E)により画定され、前記縁部(4E)が、前記管状本体(9A)の上面を通って延在し、前記管状本体(9A)の前記上面から外向きに延びる突出部分を含む、前記開口部(4)と、
犠牲材料により作成されたウェアリング(15)であって、
前記ウェアリング(15)が、
i)前記縁部(4E)の前記突出部分の上に載置されるリム(15D)と、
ii)前記リム(15D)から前記開口部(4)に延在し、前記開口部(4)の前記縁部(4E)に対応するように形成されたセクション(15C)と、
を備える前記ウェアリング(15)と、
前記リム(15D)から前記管状本体(9A)に沿って延びる少なくとも1つの接触脚部(15A,15B)と、
前記管状本体(9A)に対して前記ウェアリング(15)にプレテンション力(F)を与えるために前記少なくとも1つの接触脚部(15A,15B)に接触するように構成されたプレテンションシステム(19,21;119,121;219,221)とを備え、
前記少なくとも1つの接触脚部(15A,15B)が第1の接触脚部(15A)と第2の接触脚部(15B)とを備え、
前記第1および第2の接触脚部(15A,15B)の各々は、前記高温ガスの前記流路(G)に平行に延びるように、前記第1および第2の接触脚部(15A,15B)は、前記管状本体(9A)に沿って前記リム(15D)から外向きに反対方向に延び、
前記プレテンションシステム(19,21;119,121;219,221)はさらに、前記第1および第2の接触脚部(15A,15B)に接触するように構成される、バーナアセンブリ(9;90;900)。
【請求項2】
前記プレテンションシステム(19;21)が、前記プレテンションシステム(19;21)と前記管状本体(9A)との間にギャップ(P)が画定されるように前記管状本体(9A)に固定されるプレテンションブロック(19A,21A;119A,121A;219A,221A)を備え、前記ギャップ(P)は、その中に前記少なくとも1つの接触脚部(15A,15B)を受け入れるようなサイズである、請求項1に記載のバーナアセンブリ(9;90;900)。
【請求項3】
前記プレテンションブロック(19A,21A)が、前記少なくとも1つの接触脚部(15A;15B)に接触して前記プレテンション力(F)を与えるように配向されたプレテンション面(19S;21S)を備える、請求項2に記載のバーナアセンブリ(9;90;900)。
【請求項4】
第1の中間要素(19E,21E)が、前記プレテンションブロック(19A;21B)と前記少なくとも1つの接触脚部(15A,15B)との間に位置する、請求項3に記載のバーナアセンブリ(9;90;900)。
【請求項5】
前記プレテンションブロック(119A,121A;219A,221A)が、前記少なくとも1つの接触脚部(15A;15B)に接触して前記プレテンション力(F)を与えるように構成されたプレテンション構成要素(119T,121T;219T,221T;319T;419T;519T;619T)を備える、請求項2乃至4のいずれかに記載のバーナアセンブリ(9;90;900)。
【請求項6】
前記プレテンション構成要素(119T,121T;219T,221T;319T;419T;519T;619T)が、前記プレテンションブロック(219A,221A)にねじ込まれたプレテンションボルト(219T,221T;319T;419T;519T;619T)であり、ロック要素(219L;221L)が、前記プレテンションブロック(219A,221A)に追加的に取り付けられ、前記プレテンションボルト(219T,221T;319T;419T;519T;619T)が、前記ロック要素(219L;221L)と係合することができる成形ヘッド(219H)を備える、請求項5に記載のバーナアセンブリ(9;90;900)。
【請求項7】
ガスタービンのバーナアセンブリ(9;90;900)に燃料ランス(13)を設置するための方法であって、
前記ガスタービン内の高温ガス流路(G)の少なくとも一部を画定する管状本体(9A)を作成するステップであって、前記管状本体(9A)が縁部(4E)により画定される開口部(4)を含み、前記縁部(4E)が、前記管状本体(9A)の上面を通って延在し、前記管状本体(9A)の前記上面から外向きに延びる突出部分を含み、前記ステップと、
前記開口部(4)内にウェアリング(15)を配置するステップであって、前記ウェアリング(15)がリム(15D)とセクション(15C)とを備え、前記ウェアリング(15)の前記リム(15D)が前記縁部(4E)の前記突出部分の上に載置され、前記セクション(15C)が、前記開口部(4)の前記縁部(4E)に対応するように前記開口部(4)に延在し、前記ウェアリング(15)が犠牲材料により作成される、前記ステップと、
前記管状本体(9A)にプレテンションシステム(19,21;119,121;219,221)を配置するステップであって、前記プレテンションシステム(19,21;119,121;219,221)は、接触脚部(15A;15B)の組の各々に接触するように構成され、前記接触脚部(15A;15B)の組は、前記ウェアリング(15)にプレテンション力(F)を与えるように前記管状本体(9A)に沿って前記ウェアリング(15)の前記リム(15D)から反対方向に延び、前記接触脚部(15A;15B)の組は、前記高温ガスの前記流路(G)に平行に配向される、前記ステップと、および
前記開口部(4)の内側に燃料ランス(13)を挿入するステップであって、前記燃料ランス(13)が前記ウェアリング(15)に接触し、前記燃料ランス(13)が前記高温ガス流路(G)内に配置される、前記ステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの接触脚部(15A;15B)に接触するように配向されたプレテンション面(19S;21S)を有するプレテンションブロック(19A,21A;119A,221A;219A,221A)を設けるステップを含み、前記プレテンションブロック(19A,21A;119A,221A;219A,221A)と前記管状本体(9A)との間にギャップ(P)が画定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プレテンション面(19S;21S)が前記脚部(15A,15B)の組に接触して前記脚部(15A,15B)の組に前記プレテンション力(F)を与えるように前記プレテンション面(19S;21S)と前記管状本体(9A)との間の公差を調整するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プレテンション力(F)を調整するように前記脚部(15A;15B)の組の各々に接触するように構成された前記プレテンションブロック(119A;121A)にプレテンション要素(119T,121T;219T,221T)を設けるステップをさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガスタービンの燃焼技術の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばEP0620362に記載され、
図1に示されている連続燃焼ガスタービン(1)では、第1の燃料/空気混合物がEV(環境)バーナ(5)によってEV燃焼チャンバ(3)で燃焼され、次に高圧タービン(7)で膨張する(
図1参照)ことは周知である。その後、第1のタービン(7)からの部分的に膨張した高温混合物は、SEV(連続環境)バーナ(8)に送られ、次にSEV燃焼チャンバ(10)で燃焼し、最後に第2の低圧タービン(11)を通って膨張する。
【0003】
燃料ランス(13)が、このバーナ(8)に入る部分的に膨張した高温ガスの燃料濃縮度のために、SEVバーナ(8)を流れる高温ガス経路に直接設けられる。
【0004】
図1には示されていないが、EVランスが燃焼のタイプに応じてEVバーナ(5)に存在してもよい。
【0005】
通常、EVおよびSEV燃焼チャンバ(3;10)の両方は、複数のそれぞれのEVおよびSEVバーナを備えた環状配置を有する。
【0006】
連続燃焼は、タービン入口温度を上昇させることなく、ガスタービンプロセスサイクルの効率を高めることができる。
【0007】
さらに、第2の低圧タービン後の排気温度は、その後の水蒸気サイクルにとって理想的な条件で、広い部分負荷動作範囲にわたって600〜700°Cまで維持することができる。
【0008】
SEV燃料ランス(13)は、アセンブリ目的のために数ミリメートルのクリアランス(通常、約10分の1ミリメートル)でSEVバーナ(8)に取り付ける必要があることは周知である。したがって、振動がタービンの作動段階中に発生することがあり、バーナとランスとの間で摩耗が生じて冷気漏れを増加させてしまい、エンジンの動作および排出量に強く影響を与えてしまう。
【0009】
さらに、これらの漏れは、作動段階中のバーナとランスとの間の温度差に起因するクリープ変形によって増加する可能性がある。
【0010】
欠点は、漏れがSEVバーナの作動温度を100°Cほど局所的に低下させることがあり、制御システムの通常のセットアップを使用して燃焼パラメータを正確に制御することを非常に困難にしてしまうことである。
【0011】
別の欠点は、漏れが燃焼温度を低下させることがあり、タービンのCOまたはNOx排出量に有害な影響を与えることである。
【0012】
通常、上述の欠点は、連続燃焼ガスタービンとは異なる他のタイプのガスタービンにも共通する。
【0013】
したがって、環境規制を満たし、サービス作業間隔を延ばすために、バーナをさらに最適化してガスタービンの燃焼動作および排出量をより良好に制御する必要がある。
【0014】
標準的なアプローチの1つは、修理目的のためにSEVバーナより硬度の低い合金によって燃料ランスの外面を作成すること、および/またはランスに硬質コーティングを追加することであるが、これらのアプローチは高価であり、修復に時間がかかる。
【0015】
米国特許第7937950号は、連続燃焼ガスタービンのSEVバーナに燃料ランスを締結するためのレール状設計の締結構造を記載している。
【0016】
この解決策は、カラーがその位置から持ち上げられることができるために漏れが起こる可能性があり、摺動力によるキャリアプレートとカラーとの間の起こり得る摩耗が生じる可能性があるために、特に効率的ではない。
【0017】
別の欠点は、正確な公差を有する複数の異なる構成要素が必要とされ、製造コストを増加させ、締結構造の構造剛性を減少させることである。
【発明の概要】
【0018】
本発明の一態様は、独立請求項1に実質的に定義されたようなガスタービン用のバーナアセンブリを提供することによって、上記の技術的問題を解決することである。
【0019】
本発明の別の態様は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の接触脚部を備えるウェアリングを提供することである。
【0020】
別の態様は、独立請求項9に定義されたようなガスタービンを提供することである。
【0021】
さらなる態様は、請求項11に定義されたようなバーナアセンブリに燃料ランスを設置するための方法を提供することである。
【0022】
本発明の一態様によれば、ガスタービンのバーナアセンブリは、
タービン動作中の燃焼の高温ガスのための流路を画定する管状本体と、
縁部(4E)を有する燃料ランス用の開口部と、
開口部の縁部に対応するように構成された犠牲材料のウェアリングと、
ウェアリングから管状本体に沿って延びる接触脚部と、
管状本体に対してリングにプレテンション力を与えるために接触脚部に接触するように構成されたプレテンションシステムとを備える。
【0023】
リングの犠牲材料は、周囲の構成要素の材料より軟質の材料である。
【0024】
たとえば、リングの犠牲材料は、燃料ランスの材料より軟質の材料であってもよい。
【0025】
一態様では、リングは、単一の部品で作られる。
【0026】
本発明のプレテンション力は、摺動、打撃および他のタイプの摩耗を回避することができ、それによりタービン動作中のバーナアセンブリのウェアリングと管状本体との間の振動および漏れを減少させ、バーナアセンブリの全体的な堅牢性も改良される。
【0027】
バーナの温度は安定して維持されて漏れを低減し、したがってCOおよびNOx排出量ならびに他の燃焼パラメータの正確な制御を可能にする。
【0028】
ウェアリングと燃料ランスとの間のクリープまたは温度変形による漏れは、ウェアリングのための適切な材料を選択することによってさらに減少され得、これによりサービス間隔が増加し、サービスコストを削減する。
【0029】
さらに、リングに変形が起こった場合、リングはランスを交換する必要なく容易かつ迅速に交換することができ、サービス作業のコストおよび時間を削減する。
【0030】
タービン動作中のウェアリングの熱負荷は、プレテンション力を増加させ、これは振動および摩耗を低減するのに有益である。
【0031】
さらに、低温アセンブリ状態では、プレテンション力を加えて、ランスまたはバーナのあらゆる可能な負荷状態およびクリープを克服することができる。
【0032】
ウェアリングの材料または燃料ランスの材料によって、バーナの材料を独立して選択することが可能である。
【0033】
プレテンションシステムは、プレテンション力を与えるために接触脚部に接触するように配置されたプレテンション面を有するプレテンションブロックを備える。
【0034】
このプレテンション面とバーナとの間の製造公差は、前記プレテンション力を脚部に与える。
【0035】
追加の構成要素は必要とされず、したがって、サービスに対して低コストおよび低時間のバーナアセンブリの高い堅牢性を提供する。
【0036】
プレテンションシステムは、プレテンション力を与えるように脚部に接触するように構成されたプレテンション構成要素を備える。
【0037】
このプレテンション構成要素は、サービス目的のために、あらゆる他の構成要素を交換する必要なく容易に交換することができる。
【0038】
プレテンション構成要素は、プレテンションシステムにねじ込まれたプレテンションボルトである。ロック要素もまた、プレテンションシステムに取り付けられ、プレテンションボルトは、このロック要素と係合することができる成形ヘッドを備え、ロック要素は、有利にはボルト、ピンまたは同様の構成要素である。
【0039】
このようにして、プレテンションボルトは、プレテンション力の正確な調整を可能にするために、旋回によってカウンターホールと共にロック要素に対するその相対位置を変更する。
【0040】
安定したプレテンション力を維持しながら、温度膨張によるボルトの回転を回避することが可能である。
【0041】
プレテンションの再調整は、あらゆる構成要素を交換することなく迅速かつ容易に行うことができ、サービスコストを削減する。
【0042】
一実施形態では、バーナアセンブリは、リングから高温ガス流路に反対方向かつ実質的に平行に延びる2つの接触脚部を備え、この場合、プレテンションシステムは、以下により詳細に説明するように、各脚部に関連付けられる。
【0043】
2つの対向する接触脚部を有するリングは、標準的なバーナに既に存在する既存の要素の使用を可能にすることができる。
【0044】
しかし、説明された解決策が最も費用効果が高く効率的であるように見える場合であっても、これらの接触脚部の異なる数または異なる形状もしくは方向を、関連するプレテンションシステムに提供することを排除するものではない。
【0045】
別の態様によれば、ウェアリングは、燃料ランス用のバーナアセンブリの開口部の縁部に対応するように構成され、このリングは、好ましくは犠牲材料からなり、リングから延びる少なくとも1つの接触脚部を備える。
【0046】
さらなる態様によれば、ガスタービンは、上記のようなバーナアセンブリを備える。
【0047】
さらなる態様によれば、バーナアセンブリに燃料ランスを設置するための方法が、以下に説明される。
【0048】
本発明の態様および他の特徴は、同様の参照番号が同様の要素を指すために使用される添付の図面を参照して、例示のみの目的のために与えられたその好ましい実施形態の以下の非限定的な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】従来技術の連続燃焼ガスタービンを示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態によるウェアリングを示す図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態によるバーナアセンブリを示す図である。
【
図4】燃料ランスおよびセンサを有する
図3の垂直断面図である。
【
図5】本開示の第2の実施形態によるバーナアセンブリを示す図である。
【
図6】本開示の第3の実施形態によるバーナアセンブリを示す図である。
【
図9】
図6の実施形態によるプレテンションボルトを示す図である。
【
図10】
図6の実施形態によるプレテンションボルトの可能な位置を示す図である。
【
図11】プレテンションボルトの異なる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
例示的な好ましい実施形態を、上記の図面を参照して以下に説明する。
【0051】
図2は、本実施形態によるウェアリング(15)を示している。
【0052】
ウェアリング(15)は、円形部分(15C)から突出する反対方向に延びる2つの接触脚部(15A,15B)を備える。
【0053】
円形部分(15C)は、突出リム(15D)を有し、その幾何学的形状は、バーナ(9)の開口部(4)の縁部(4E)と接触するように構成される(
図3〜
図6参照)。
【0054】
リング(15)は、好ましくはHAYNES188のようなニッケル基合金のような犠牲合金によって作られる。
【0055】
犠牲合金は、周囲の構成要素の材料より軟質の合金であってもよい。
【0056】
たとえば、リングの犠牲合金は、ランスが合金で作られている場合、燃料ランスの合金より軟質である。
【0057】
脚部(15A,15B)の数および位置は変更可能であり、ここでは1つの解決策としてのみ示されている。
【0058】
図3は、実質的に軸方向に高温ガス流路(矢印G)を画定する管状本体(9A)を備えるバーナアセンブリ(9)を示している。
【0059】
高温ガス流(G)は、高圧タービン(図示せず)からバーナアセンブリ(9)に入り、バーナアセンブリ(9)から出て燃焼チャンバ(10)に入る。
【0060】
アセンブリ(9)はまた、内部に燃料ランス(図示せず)を載置することができる開口部(4)を備える。アセンブリはさらに、一対のプレテンションシステム(19;21)を備える。
【0061】
一実施形態では、各プレテンションシステム(19;21)は、管状本体(9A)に固定されて本体(9A)自体との間にギャップ(P)を形成するプレテンションブロック(19A;21A)を備える。
【0062】
ブロック(19A;21A)を管状本体(9A)、たとえばボルト、ピンまたは成形締結具に関連付けるために、異なる固定手段(9H;9K)を設けることができる。
【0063】
これらのブロック(19A;21A)は、標準的なバーナの設計に既に含まれているが、特定のニーズに応じて異なる幾何学的形状または位置のブロックを提供することを排除するものではない。
【0064】
リング(15)の円形部分(15C)は、開口部(4)に関連付けられて対応しており、その脚部(15A、15B)は、高温ガス流路(G)に対して実質的に平行な方向にそれぞれのギャップ(P)の内側に延びる。
【0065】
本発明の別の実施形態では、プレテンションブロック(19A;21A)は、脚部(15A,15B)に接触するシムまたはピルを備える。
【0066】
図4は、
図3のブロック(19)の1つの垂直断面図を示している。
【0067】
図4はまた、高温ガス流路(G)と位置合わせされた開口部(4)に載置された燃料ランス(13)を示している。センサ(16)は、ランス(13)に近接して載置され、燃焼状態を監視する。
【0068】
一実施形態では、センサ(16)は、エンジンの燃焼の動作を制御するために使用される熱電対である。
【0069】
リング(15)は、その円形部分(15C)が開口部(4)の突出縁部(4E)と接触するように開口部(4)に載置される。
【0070】
簡単な組み立てを可能にするために、燃料ランス(13)とリング(15)との間に数ミリメートルのクリアランス(図示せず)を設けることができる。
【0071】
各プレテンションブロック(19A;21A)は、開口部4の縁部(4E)のリング(15)を塞ぐために、脚部(15A,15B)に接触して脚部(15A,15B)にプレテンション力(F)を与えるように配置されたプレテンション面(19S;21S)を備える。プレテンション面(19S;21S)と管状本体(9A)との間の製造公差は、この目的のために調整される。
【0072】
したがって、ギャップ(P)が、プレテンション面(19S;21S)と管状本体(9A)との間に形成される。
【0073】
プレテンション力(F)は、高温ガス経路(G)に対して実質的に半径方向に作用する。
【0074】
別の実施形態では、第1の中間要素(19E,21E)が、ブロック(19A;21B)と脚部(15A,15B)との間に位置する。第1の中間要素(19E,21E)は、フック、ホルダ、シール、またはコーティングとして構成することができる。
【0075】
図5は、ブロック(19A;21A)と同様のプレテンションブロック(119A;121A)を各々備える一対のプレテンションシステム(119;121)を備えるバーナアセンブリ(90)を示しており、プレテンション要素(119T;121T)は、それぞれのブロック(119A;121A)に載置される。
【0076】
これらのプレテンション要素(119T;121T)は、ばねまたはベローズの形態であり、プレテンション力(F)を調整するためにそれぞれの脚部(15A,15B)に接触するように構成される。
【0077】
このようにして、
図3および
図4を参照して説明したようなギャップ(P)の製造公差は、調整する必要はない。
【0078】
図6は、前述の実施形態のブロック(19A,21A;119A,121A)と同様のプレテンションブロック(219A;221A)を各々がさらに備える、一対のプレテンションシステム(219;221)を備えるバーナアセンブリ(900)を示しており、
図5を参照して説明したプレテンション要素(119T;121T)は、ここではそれぞれのブロック(219A;221A)にねじ込まれたプレテンションボルト(219T;221T)によって作られている。
【0079】
これらのプレテンションボルト(219T;221T)の各々は、プレテンション力(F)を調整するためにそれぞれの脚部(15A,15B)に接触するように構成される。
【0080】
この実施形態では、ギャップ(P)の製造公差は、きわめて正確である必要はない。
【0081】
本発明の一実施形態では、ロック要素(219L;221L)が、プレテンションブロック(219A;221A)の各々にねじ込まれ、ボルト(219T;221T)は、それぞれのロック要素(219L;221L)と係合することができる成形ヘッド(219H;221H)を備える(
図7および
図8も参照)。
【0082】
ロック要素(219L;221L)は、ボルト、ピン、内側六角頭を有するボルトまたは同様の構造とすることができる。
【0083】
ボルト(219T;221T)は、プレテンション力(F)の調整を可能にするために、旋回によってカウンターホールと共にロック要素(219L;221L)に対するその相対位置を変更することができる。
【0084】
図7は、プレテンションブロック(219A)の断面図であり、特に、ボルト(219T)が脚部(15B)に接触してプレテンション力(F)を与え、また、突出リム(15D)および円形部分(15C)が開口部(4)の縁部(4E)に接触していることを見ることができる。
【0085】
図8は、
図7のA−Aによる断面図であり、特に、設置後または動作中にボルト(219T)の回転を回避するために、成形ヘッド(219H)がブロック(219A)にねじ込まれたロック要素(219L)と係合していることを見ることができ、ボルト(219T)は、脚部(15B)に接触してプレテンション力(F)を与える。
【0086】
一実施形態では、耐摩耗性コーティング、耐摩耗性シム、球面継手のような圧力均質化継手などのような第2の中間要素(219E)が、ボルト(219T;221T)と脚部(15A,15B)との間に位置する。
【0087】
図9は、ねじ部(219P)およびねじ込み要素(219D)、たとえばピンレンチまたは追加の六角頭もしくは内側六角ソケットまたは同様のもののための二重孔を備える成形ヘッド(219H)を有するプレテンションボルト(219T)の図を示しており、これによりボルト(219T)のブロック(219A)へのねじ込みを容易に可能にする。
【0088】
図9に示す実施形態では、成形ヘッド(219H)は、ボルト(219T)の回転を防止するために、ロック要素(219L)の形状と一致するように構成された円形セグメント(219F)を備える。
【0089】
図10は、調整の増分ステップサイズを減少させるために、ロック要素(219L)と成形ヘッド(219H)との間の所定のピッチ比で円周上に設けられた、ロック位置(実線)および追加の2つの可能なロック位置(点線)におけるボルト(219T)およびロック要素(219L)によって構成されたアセンブリの上面図を示しており、したがって可能な調整精度を高め、プレテンション力(F)を調節する。
【0090】
図11において、プレテンションボルト(219T)は、他の可能な代替案(319T;419T;519T;619T)に従って示されている。
【0091】
別の態様によれば、本発明は、バーナアセンブリ(9;90;900)に燃料ランス(13)を設置するための方法に関し、以下のステップを含む:
a)タービン動作中に高温ガス流路(G)を画定するバーナアセンブリ(9;90;900)の管状本体(9A)を設けること、
b)高温ガス流路(G)に燃料ランス(13)を配置するために管状本体(9A)に開口部(4)を設けること、
c)開口部(4)の縁部(4E)に犠牲材料のウェアリング(15)を関連付けることであって、前記リング(15)は、管状本体(9A)に沿って延びる脚部(15A;15B)を備える関連付けること、
d)管状本体(9A)にプレテンションシステム(19,21;119,121;219,221)を関連付けることであって、前記システム(19,21;119,121;219,221)は、リング(15)にプレテンション力(F)を与えるために前記脚部(15A,15B)に接触するように構成された関連付けること、および
e)ウェアリング(15)に位置するように開口部(4)の内側に燃料ランス(13)を載置すること。
【0092】
一実施形態によれば、上述のステップd)は、以下のサブステップd1)をさらに含む:
接触脚部(15A;15B)に接触するように配置されたプレテンション面(19S;21S)を有するプレテンションブロック(19A,21A;119A,221A;219A,221A)を管状本体(9A)との間にギャップ(P)を形成するよう設けること。
【0093】
有利には、サブステップd1)は、
脚部(15A,15B)に接触してプレテンション力(F)を与えるようにプレテンション面(19S;21S)と管状本体(9A)との間の製造公差を調整することをさらに含む。
【0094】
代替の実施形態によれば、上記サブステップd1)は、
プレテンション力(F)を与えるために、脚部(15A,15B)に接触するように構成されたプレテンションブロック(119A,121A;219A,221A)にプレテンション要素(119T,121T;219T,221T)を設けることを含む。
【0095】
この最後のサブステップは、
脚部(15A,15B)に所望のプレテンション力(F)を与えるようにプレテンションブロック(219A;221A)に成形ヘッド(219H;221H)を備えるプレテンションボルト(219T;221T)を設けること、および
プレテンションボルト(219T;221T)のあらゆる可能な回転を回避するために、成形ヘッド(219H;221H)と係合するようにプレテンションブロック(219A;221A)にロック要素(219L;221L)をねじ込むことをさらに含んでもよい。
【0096】
追加のステップは、調整の増分ステップサイズを減少させるために、成形ヘッド(219H;221H)の周りの円周上にロック要素(219L;221L)の複数のロック位置を設けることをさらに含んでもよく、したがって可能な調整精度を高め、プレテンション力(F)を調節する。
【0097】
連続燃焼ガスタービンに関連して詳細に説明してきたが、実施形態は、他のタイプのガスタービンに適用してもよく、本発明はこのような連続燃焼ガスタービンに限定されない。
【0098】
さらに、限られた数の実施形態のみを詳細な説明で説明したが、本説明はこのような開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されよう。むしろ、本説明はこれまで説明されていないいくつもの変形例、代替例、置換物または等価配置を包含するように修正することができる。また、様々な実施形態を説明したが、態様は説明した実施形態のうちの一部のみを含んでもよいことが理解されよう。したがって、本明細書および特許請求される実施形態は、前述の説明によって限定されるとみなされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0099】
1 連続燃焼ガスタービン
3 EV燃焼チャンバ
4 開口部
4E 突出縁部
5 EVバーナ
7 第1のタービン、高圧タービン
8 SEVバーナ
9 バーナアセンブリ
9A 管状本体
9H 固定手段
9K 固定手段
10 SEV燃焼チャンバ
11 第2の低圧タービン
13 燃料ランス
15 ウェアリング
15A 接触脚部
15B 接触脚部
15C 円形部分
15D 突出リム
19 プレテンションシステム
19A プレテンションブロック
19E 第1の中間要素
19S プリテンション面
21 プレテンションシステム
21A プレテンションブロック
21E 第1の中間要素
21S プリテンション面
90 バーナアセンブリ
119 プレテンションシステム
119A プレテンションブロック
119T プレテンション要素
121 プレテンションシステム
121A プレテンションブロック
121T プレテンション要素
219 プレテンションシステム
219A プレテンションブロック
219D ねじ込み要素
219E 第2の中間要素
219F 円形セグメント
219H 成形ヘッド
219L ロック要素
219P ねじ部
219T プレテンションボルト
221 プレテンションシステム
221A プレテンションブロック
221H 成形ヘッド
221L ロック要素
221T プレテンションボルト
319T プレテンションボルト
419T プレテンションボルト
519T プレテンションボルト
619T プレテンションボルト
900 バーナアセンブリ
F プレテンション力
G 高温ガス流路、高温ガス経路
P ギャップ