(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記停止制御部により前記分散部移動機構が停止した状態において、前記回収部が前記下降位置に下降操作されると、前記停止制御部による前記分散部移動機構の停止及び前記第1制御部の停止を解除する停止解除部が備えられている請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、作物の回収部として、可撓性の回収袋が使用されており、収穫機の大型化に伴って、大きな容量を備えた回収袋を使用することが要望されている。このような回収袋に対して、金属製等の箱状の回収部を備えた収穫機があり、回収袋に比べて大きな容量の回収部に構成することが容易である。
収穫機において、前述のように大きな容量の回収部を備えた場合、作物を回収部の隅々に入れて、回収部を無理なく満杯にする必要がある。
【0005】
本発明は、収穫機において大きな容量の回収部を備えた場合、作物を回収部の隅々に入れて、回収部を無理なく満杯にすることができるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収穫機は、
圃場の作物を収穫する収穫部と、
前記収穫部により収穫された作物を搬送して、終端部から回収部に作物を投入する搬送部と、
前記搬送部の終端部に前記回収部の底部が接近した上昇位置と、前記上昇位置の下側の下降位置とに亘って前記回収部を昇降操作する昇降機構と、
前記搬送部の終端部の下側の作用位置において、前記搬送部の終端部からの作物が分散されて前記回収部に投入されるようにする分散部と、
前記分散部を前記作用位置と前記作用位置から離れた非作用位置とに移動操作する分散部移動機構と、
人為的に操作される第1操作部と、
前記回収部が前記上昇位置に位置している状態で、前記第1操作部が操作されると、前記分散部が前記作用位置に移動するまで、前記分散部移動機構を作動させる第1制御部
と、
前記分散部に設けられて、接触により他物の存在を検出する接触センサーと、
前記第1制御部が前記分散部移動機構を作動させてから、前記接触センサーが検出状態になると、前記第1制御部に優先して前記分散部移動機構を停止させ、且つ、前記第1制御部を停止させる停止制御部とが備えられている。
【0007】
本発明によると、圃場の作物が、収穫部によって収穫され、搬送部により搬送されて、搬送部の終端部から回収部に投入される。
この場合、搬送部の終端部から出た作物が、分散部により分散されながら回収部に投入されるので、作物が回収部の一部分に偏ることなく、回収部の各部に均等に投入され易くなるのであり、作物が回収部の隅々に無理なく入り込んでいく。
【0008】
この場合、例えば回収部が空の状態等において、搬送部の終端部と回収部の底部の落差が大きなものであると、作物が搬送部の終端部から回収部に投入されて、作物が回収部の底部に落下した際に、作物が回収部の底部に激しく衝突することによって損傷する可能性がある。
【0009】
本発明によると、例えば回収部が空の状態等では、回収部を上昇位置に操作して、搬送部の終端部と回収部の底部の落差を小さなものに抑えておくことにより、作物の損傷を抑えることができる。
収穫作業の進行により作物が回収部に投入されていくのに伴って、回収部を上昇位置から下降位置に徐々に下降させていけばよく、この間において、前述のように作物が分散部により分散されながら回収部に投入されて、作物が回収部の隅々に無理なく入り込んでいくのであり、回収部を下降位置にまで下降操作することにより、回収部を満杯にすることができる。
【0010】
前述のように、回収部が上昇位置と下降位置とに亘って昇降操作自在に構成されていると、回収部が上昇位置に位置していれば、回収部が空の状態であり、収穫作業を開始すべき状態と判断できる。回収部が上昇位置以外の位置(例えば上昇位置から少し下降した位置)に位置していれば、収穫作業の途中の状態(作物が回収部に投入されている状態)であると判断できる。
【0011】
本発明によると、分散部を、搬送部の終端部の下側の作用位置と、作用位置から離れた非作用位置とに移動操作する分散部移動機構が備えられ、分散部移動機構を作動させる為の第1操作部及び第1制御部が備えられている。
これにより、回収部が上昇位置に位置している状態(収穫作業を開始すべき状態)において、作業者が第1操作部を操作することにより、分散部が作用位置に移動するまで分散部移動機構が作動する。
【0012】
例えば分散部を作用位置に移動させていない状態で収穫作業を開始して、作物が回収部に投入されている状態において、分散部を作用位置に移動させると、投入される作物の流れの中に、分散部を入れるような状態となって、不具合の発生する可能性がある。
本発明によると、回収部が上昇位置以外の位置(例えば上昇位置から少し下降した位置)に位置している状態(収穫作業の途中の状態)において、作業者が第1操作部を操作しても分散部移動機構は作動しないので、投入される作物の流れの中に分散部を入れることによる不具合を避けることができる。
本発明によると、回収部が上昇位置に位置している状態で分散部を作用位置に移動させる場合に、分散部の接触センサーに他物が接触すると、分散部移動機構が自動的に停止する。
これにより、分散部の接触センサーに他物が接触している状態であるのに、分散部を作用位置に移動させてしまうことによる不具合を避けることができる。
前述のようにして分散部移動機構が停止した場合に、第1制御部も停止する。これにより、分散部移動機構が自動的に停止した後、作業者が第1操作部を操作しても、分散部移動機構は作動せずに停止した状態に維持される。
これにより、分散部移動機構が停止した後、作業者が再び第1操作部を操作して、分散部を作用位置に移動させてしまうことによる不具合を避けることができる。
【0013】
本発明において、
前記第1制御部は、
前記第1操作部の操作に基づいて前記分散部移動機構を作動させてから、前記分散部が前記作用位置に移動するまでに、前記第1操作部の操作が止められても、前記分散部が前記作用位置に移動するまで、前記分散部移動機構を作動させると好適である。
【0014】
本発明によると、回収部が上昇位置に位置している状態で分散部を作用位置に移動させる場合、作業者が第1操作部を操作すれば、作業者が第1操作部の操作を止めても(操作し続けなくても)、分散部が作用位置に移動するまで分散部移動機構が作動するので、操作性の良いものとなる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
本発明において、
前記第1操作部とは別の人為的に操作される第2操作部と、
前記停止制御部により前記分散部移動機構が停止した状態において、前記第2操作部の操作に基づいて、前記第1制御部及び前記停止制御部に優先して、前記分散部移動機構を前記作用位置側及び前記非作用位置側に作動させる第2制御部とが備えられていると好適である。
【0019】
本発明によると、前述のように分散部移動機構及び第1制御部が停止した場合、作業者が第2操作部を操作することにより、分散部移動機構を作用位置側及び非作用位置側に作動させることができる。
この場合、第1操作部とは別の第2操作部であるので、作業者は回収部や分散部の付近の状態を確認してから、第2操作部を操作することにより、分散部移動機構を作用位置側及び非作用位置側に作動させて、分散部を適切な位置に移動させることができる。
【0020】
本発明において、
前記第2操作部は、
出作動位置、退作動位置及び停止位置に操作自在で、且つ、前記停止位置に付勢され、
前記第2制御部は、
前記第2操作部が前記出作動位置に操作されていると、前記分散部移動機構を前記作用位置側に作動させ、前記第2操作部が前記退作動位置に操作されていると、前記分散部移動機構を前記非作用位置側に作動させ、前記第2操作部が前記停止位置に操作されていると、前記分散部移動機構を停止させると好適である。
【0021】
本発明によると、前述のように第2操作部を操作することにより、分散部移動機構を作用位置側及び非作用位置側に作動させる場合、作業者が第2操作部が出作動位置(退作動位置)に操作していると、分散部移動機構が作用位置側(非作用位置側)に作動する。作業者が第2操作部から手を離すと、第2操作部は停止位置に戻り、分散部移動機構が停止する。
これにより、分散部移動機構の作用位置側及び非作用位置側への作動を、第2操作部の操作により慎重に行うことができるようになって、操作性の良いものとなる。
【0022】
本発明において、
前記停止制御部により前記分散部移動機構が停止した状態において、前記回収部が前記下降位置に下降操作されると、前記停止制御部による前記分散部移動機構の停止及び前記第1制御部の停止を解除する停止解除部が備えられていると好適である。
【0023】
本発明によると、前述のように分散部移動機構及び第1制御部が停止した場合、回収部を下降位置に下降操作すると、停止制御部による分散部移動機構の停止及び第1制御部の停止が解除される。
これによって、この後に回収部を上昇位置に上昇操作すれば、作業者が第1操作部を操作することにより、分散部が作用位置に移動するまで分散部移動機構を作動させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜
図14に、収穫機の一例である玉ねぎ用の収穫機が示されている。
玉ねぎA(作物に相当)の収穫においては、掘り取り機(図示せず)により、圃場Gに埋まっている玉ねぎAを掘り出して、玉ねぎAを掘り出した位置に置き、この後、玉ねぎAを圃場Gに数日間置いて乾燥させる。本発明の収穫機は、乾燥の終了後、圃場Gに置かれた玉ねぎAを拾い上げて収穫するものである。
【0026】
図1〜
図14において、Fは「前方向」を示し、Bは「後方向」を示し、Uは「上方向」を示し、Dは「下方向」を示している。Rは「右方向」を示し、Lは「左方向」を示している。
【0027】
(収穫機の全体構成)
図1に示すように、右及び左のクローラ型式の走行装置1により、機体10が支持されており、機体10の前部に収穫部2が支持され、収穫部2の後側に搬送部3及び分散部4が機体10に支持されて、機体10の後部に回収部5が支持されている。機体10の右の前部に、運転部6が備えられており、搬送部3の右及び左の横側に、作業デッキ7が備えられている。
【0028】
機体10の前進に伴って、圃場Gの玉ねぎAが収穫部2により拾い上げられ、玉ねぎAが収穫部2により上側に持ち上げられて、搬送部3に受け渡される。玉ねぎAは、搬送部3により後側に搬送されて、搬送部3の終端部3aから分散部4を介して、回収部5に投入されて回収される。
【0029】
(収穫部の構成)
図1に示すように、収穫部2において、拾い上げ装置8と、掻き込み装置9とが備えられている。
【0030】
拾い上げ装置8は、機体10の前部に上下方向に沿って連結されており、拾い上げ装置8の下端部は圃場Gに略接する位置に配置され、拾い上げ装置8の上端部は搬送部3の始端部の上側に配置されている。
【0031】
拾い上げ装置8において、機体10の左右幅に近い左右幅を備えた幅広の無端の回転体11が、拾い上げ装置8の下端部と上端部とに亘って架設されており、多数の拾い上げ部材12が回転体11に連結されている。
【0032】
回転体11が
図1の反時計方向に回転駆動されることにより、拾い上げ装置8の下端部において、圃場Gの玉ねぎAが、拾い上げ部材12により拾い上げられ、回転体11に沿って上側に持ち上げられて、拾い上げ装置8の上端部から搬送部3の始端部に受け渡される。
【0033】
掻き込み装置9は、拾い上げ装置8の下端部の左右方向の軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持されており、掻き込み装置9を揺動操作する油圧シリンダ13が、拾い上げ装置8と掻き込み装置9とに亘って接続されている。
【0034】
掻き込み装置9において、拾い上げ装置8の左右幅と略同じ左右間隔を置いて右及び左の回転チェーン14が配置され、ゴム板製の多数の掻き込み部材15が右及び左の回転チェーン14に亘って接続されており、右及び左の回転チェーン14の前側の位置に、右及び左の接地輪16が支持されている。
【0035】
圃場Gにおいて、玉ねぎAが置かれている部分(畝)の右側及び左側に接地輪16を位置させた状態で、機体10を前進させるのであり、回転チェーン14が
図1の時計方向に回転駆動される。
これにより、圃場Gの玉ねぎAに対して、掻き込み部材15が圃場Gの上側から接触しながら、玉ねぎAを後側(拾い上げ装置8側)に扱き込むのであり、拾い上げ装置8(拾い上げ部材12)の下端部からの玉ねぎAの拾い上げが補助される。
【0036】
(搬送部の構成)
図1に示すように、搬送部3に、前側の第1搬送装置17と、後側の第2搬送装置18とが備えられている。
【0037】
第1搬送装置17は、拾い上げ装置8の左右幅と略同じ左右幅を備えて、拾い上げ装置8の上端部の下側に配置されており、側面視で斜め前上向きに配置されている。
第2搬送装置18は、第1搬送装置17及び拾い上げ装置8の左右幅と略同じ左右幅を備えて、第1搬送装置17の後側に配置されており、側面視で斜め後上向きに配置されている。
【0038】
正面視でアーチ状(チャンネル状)のフレーム19が備えられており、第2搬送装置18の右の横側部にフレーム19の右脚部が連結され、第2搬送装置18の左の横側部にフレーム19の左脚部が連結されている。
【0039】
拾い上げ装置8により圃場Gの玉ねぎAが拾い上げられ上側に持ち上げられて、玉ねぎAが拾い上げ装置8の上端部から第1搬送装置17(搬送部3の始端部)に受け渡される(前述の(収穫部の構成)参照)。
玉ねぎAは第1搬送装置17によって後側に搬送され、第2搬送装置18に受け渡されて、第2搬送装置18により後側に搬送される。
【0040】
右及び左の作業デッキ7に立つ補助作業者は、第2搬送装置18(搬送部3)を搬送される玉ねぎAから不良の玉ねぎAを取り出したり、第2搬送装置18(搬送部3)において玉ねぎAの滞留等が発生したりすると、玉ねぎAの滞留等に対処する。この場合、補助作業者はフレーム19を持つことにより、身体を安定させることができる。
【0041】
玉ねぎAは、第2搬送装置18によって後側に搬送され、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から落下して分散部4に当たり、分散部4から回収部5に投入されて回収される。
【0042】
(分散部の構成)
図1に示すように、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)の下側に、分散部4が備えられている。分散部4は、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)の下側の作用位置B1(
図6参照)、及び、作用位置B1から離れた非作用位置B2(
図1参照)に亘って移動操作される。
【0043】
図7に示すように、分散部4は、作用位置B1において、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から出た玉ねぎAを分散させて、玉ねぎAが回収部5の各部に均等に投入されるようにする。
【0044】
図2及び
図3に示すように、分散部4は、平板部20、案内部21、平板部20の下面部に連結されたフレーム22,23及び連結部24が備えられている、平板部20は、平板が折り曲げられて形成されており、中央部20a、右及び左の横側部20b、後側部20cを備えている。
【0045】
図6に示すように、分散部4が作用位置B1に位置した状態で、平板部20の中央部20aが斜め後下向きとなり、平板部20の右及び左の横側部20bが斜め右下向き及び斜め左下向きとなり、平板部20の後側部20cが斜め前下向きとなる。
【0046】
図2及び
図3に示すように、案内部21は、断面が半円状のゴム材により細長形状に形成されており、平板部20の中央部20a、右及び左の横側部20bの上面に取り付けられて、前後方向に対して後広がり状に斜めに配置されている。
【0047】
フレーム22は、板材を平面視でチャンネル状に折り曲げて形成されており、平板部20の下面の前部に連結されている。細長い板材のフレーム23が、平板部20の下面の前後中央付近を左右方向に沿って連結されている。平板状の右及び左の連結部24が、平板部20の下面の後部に前後方向に沿って連結されている。
【0048】
フレーム22の右部及び左部にブラケット22aが連結されており、フレーム22の右及び左のブラケット22aに、右及び左の接触センサー37が取り付けられている。接触センサー37にロッド状の接触部37aが備えられており、接触センサー37が平板部20の下側に配置され、接触センサー37の接触部37aが平板部20から後側に突出する状態となっている。分散部4が作用位置B1に位置した状態において、接触センサー37の接触部37aが側面視で斜め後下向きに延出された状態となる。
【0049】
(分散部の支持構造及び移動操作構造)
図2,3,4に示すように、板材が折り曲げられて箱状に形成された連結部38が備えられており、連結部38の前部に支持軸38aが左右方向に沿って連結され、支持軸38aの右及び左の端部に、右及び左のアーム38bが連結されて前側に延出されている。連結部38に2組の連結孔38c,38dが開口されており、分散部4の連結部24が、連結部38の連結孔38cにボルト連結されている。
【0050】
機体10に連結されたブラケット25の左右方向の軸芯P6周りに、右及び左の操作アーム39が揺動自在に支持されており、操作アーム39の上端部が、連結部38のアーム38bの前端部に、左右方向の軸芯P7周りに揺動自在に接続されている。機体10と操作アーム39の下部39aとに亘って、復動型の油圧シリンダ40(分散部移動機構に相当)が接続されている。
【0051】
機体10に連結された支持部材26の左右方向の軸芯P8周りに、右及び左の操作アーム41が揺動自在に支持されており、操作アーム41の上端部が、連結部38の支持軸38aに、左右方向の軸芯P5周りに揺動自在に接続されている。
【0052】
図2及び
図3に示す状態は、油圧シリンダ40が収縮作動し、操作アーム39,41が後側に揺動操作された状態であり、分散部4が第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)の下側の作用位置B1に位置している状態である。
【0053】
図4及び
図6に示すように、作用位置B1において、分散部4の後端部(接触センサー37)が、平面視及び側面視で第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)、及び軸芯P3(後述の(回収部の構成)参照)よりも後側に突出している。分散部4及び連結部38が、平面視で第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)と重複している。
【0054】
図2及び
図3に示す状態において、操作アーム39,41の上端部により、分散部4及び連結部38が側面視で前後の2点で支持された状態となっており、分散部4が作用位置B1で固定されている。分散部4の連結部24を、連結部38の連結孔38dにボルト連結しておくと、作用位置B1での分散部4の位置を
図6に示す位置よりも少し後側に設定することができる。
【0055】
図2及び
図3に示す状態から、油圧シリンダ40を伸長作動させると、
図4及び
図5に示すように、操作アーム39,41が前側に揺動操作されるのであり、分散部4及び連結部38が第2搬送装置18(搬送部3)の下側に沿って前側に移動して、非作用位置B2に移動操作される。
【0056】
非作用位置B2は、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から、第2搬送装置18の中央側(搬送部3の中央側)に離れ、且つ、第2搬送装置18(搬送部3)の下側の位置である。非作用位置B2において、分散部4及び連結部38は、平面視で第2搬送装置18(搬送部3)と重複している。
非作用位置B2において、分散部4の後端部(接触センサー37)が、平面視及び側面視で軸芯P3(後述の(回収部の構成)参照)の直上に位置している。
【0057】
(回収部の構成)
図1及び
図4に示すように、回収部5は、支持フレーム29、支持アーム30、フレーム33及び案内カバー34等が備えられており、回収容器42が回収部5に設置される。
【0058】
機体10の後部の左右方向の軸芯P3周りに、支持フレーム29が上下に揺動自在に支持されて、支持フレーム29を揺動操作する油圧シリンダ31(昇降機構に相当)が、機体10の後部と支持フレーム29とに亘って接続されている。油圧シリンダ31を伸縮作動させることによって、支持フレーム29を、上昇位置E1及び下降位置E6に亘って昇降操作することができる。
【0059】
軸芯P3の付近に、ポテンショメータ型式の位置センサー35が取り付けられており、上昇位置E1と下降位置E6との間において、位置センサー35により支持フレーム29の位置が検出される。
【0060】
支持フレーム29の下部の左右方向の軸芯P4周りに、フォーク状の支持アーム30が上下に揺動自在に支持されて後側に延出されており、支持アーム30を揺動操作する油圧シリンダ32が、支持フレーム29と支持アーム30とに亘って接続されている。油圧シリンダ32を伸縮作動させることにより、支持アーム30を支持位置C1及び離脱位置C2に揺動操作することができる。
【0061】
正面視でアーチ状(チャンネル状)のフレーム33が備えられている。フレーム33の右の横側部が、支持フレーム29の上端部の右端部に、左右方向の軸芯周りに揺動自在に支持され、フレーム33の左の横側部が、支持フレーム29の上端部の左端部に、左右方向の軸芯周りに揺動自在に支持されている。
【0062】
フレーム33の上側部、右及び左の横側部に、案内カバー34が取り付けられており、案内カバー34の中央部に開口部が形成されている。案内カバー34は、合成繊維の布や合成樹脂のビニールシート等のように、可撓性を備えたシート状である。
【0063】
(回収容器の構成)
図1及び
図5に示すように、回収容器42が用意されている。回収容器42は、金属製のフレームにより箱状の枠組みが形成されて、枠組みの底部42bや横側部42cに板材や金網が取り付けられており、上部42aが開放されている。
【0064】
回収容器42を、支持フレーム29及び支持アーム30に後側から設置することができるのであり、支持フレーム29及び支持アーム30から後側に抜き出すことができる。回収容器42を支持フレーム29及び支持アーム30に設置した状態において、後述するように、玉ねぎAが回収容器42の上部42aから投入される。
【0065】
(分散部及び回収部の制御系の構成)
図4に示すように、機体10に制御装置36が備えられている。接触センサー37の検出信号が制御装置36に入力され、位置センサー35の検出値が制御装置36に入力されている。
【0066】
油圧シリンダ31,32,40に作動油を給排操作して、油圧シリンダ31,32,40を伸縮作動させる電磁操作型式の制御弁46,47,48が備えられている。
制御弁48を操作する第1制御部61及び第2制御部62、停止制御部63及び停止解除部66が、ソフトウェアとして制御装置36に備えられている。制御弁46を操作する昇降操作部64、制御弁47を操作する離脱操作部65、満杯検出部67が、ソフトウェアとして制御装置36に備えられている。
【0067】
押しボタン型式で復帰側に付勢された第1操作部51が、運転部6の後部(右の作業デッキ7の前部)に備えられており、第1操作部51の操作信号が制御装置36に入力されている。
【0068】
手動レバー型式の第2操作部52が、運転部6の後部(右の作業デッキ7の前部)に備えられており、第2操作部52の操作信号が制御装置36に入力されている。第2操作部52は停止位置、出作動位置及び退作動位置に操作自在に構成されて、停止位置に付勢されている。
【0069】
手動レバー型式の昇降スイッチ49が、運転部6の後部(右の作業デッキ7の前部)に備えられており、昇降スイッチ49の操作信号が制御装置36に入力されている。昇降スイッチ49は停止位置、上昇位置及び下降位置に操作自在に構成されて、停止位置に付勢されている。
【0070】
離脱スイッチ50及び自動降下スイッチ43が、運転部6の後部(右の作業デッキ7の前部)に備えられており、離脱スイッチ50及び自動降下スイッチ43の操作信号が制御装置36に入力されている。警報ブザー27が運転部6及び作業デッキ7の両方に備えられており、警報ランプ28が運転部6のメータパネル(図示せず)に備えられている。
【0071】
第1操作部51、第2操作部52、昇降スイッチ49、離脱スイッチ50、自動降下スイッチ43の操作信号、位置センサー35及び接触センサー37の検出信号に基づいて、以下の説明及び
図5〜
図14に示すように、制御装置36(第1制御部61、第2制御部62、停止制御部63、停止解除部66、昇降操作部64、離脱操作部65及び満杯検出部67)により、制御弁46,47,48が操作されて、油圧シリンダ31,32,40が伸縮作動する。
【0072】
(収穫作業の開始時における回収容器の設置の作業の流れ)
図5に示すように、機体10の停止状態において、支持フレーム29が下降位置E6に位置し、支持アーム30が支持位置C1に位置し、分散部4が非作用位置B2に位置した状態において、別の作業車(図示せず)により、空の回収容器42を支持フレーム29及び支持アーム30に後側から設置する。
【0073】
第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)が、側面視で軸芯P3よりも後側に突出して、案内カバー34の開口部に入り込んでおり、回収容器42の上部42aの上側に位置している。
【0074】
図5示す状態で、昇降スイッチ49を上昇位置に操作して、昇降操作部64により油圧シリンダ31を伸長作動させて、支持フレーム29を上昇操作するのであり、
図6に示すように、支持フレーム29が上昇位置E1に達すると、昇降スイッチ49を停止位置に操作して、昇降操作部64により油圧シリンダ31を停止させる。
【0075】
支持フレーム29が下降位置E6から上昇操作されると、これに伴って案内カバー34及びフレーム33が前側に倒れようとするのであるが、案内カバー34及びフレーム33がフレーム19に当たることにより、案内カバー34及びフレーム33が回収容器42の上部42aに沿う状態となる。
【0076】
支持フレーム29が上昇位置E1に位置した状態で、回収容器42は、回収容器42の上部42aが前(横)に向いた横倒れ姿勢となるのであり、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)が、回収容器42の上部42aに入り込み、回収容器42の内部に入り込んでいる。
【0077】
(回収容器の設置後において第1操作部による分散部の操作の流れ)
支持フレーム29が上昇位置E1に位置した状態(ステップS2)、且つ、第1制御部61が停止解除となっている状態(ステップS3)において、第1操作部51を押し操作すると(ステップS1)、
図6に示すように、第1制御部61により油圧シリンダ40が作用位置B1側に作動して、分散部4が作用位置B1側に移動操作される(ステップS4)。
【0078】
この場合、第1操作部51を押し操作してから押し操作を止めても、第1制御部61により油圧シリンダ40が作用位置B1側に作動するのであり、分散部4が非作用位置B2から案内カバー34の開口部を通って、作用位置B1側に移動操作される。
【0079】
油圧シリンダ40が作用位置B1側に作動し始めると、タイマー(図示せず)による設定時間のカウントが開始される(ステップS5)。設定時間が経過すると(ステップS7)、
図6に示すように、分散部4が作用位置B1に移動操作されたと判断されて、停止制御部63が作動し、第1制御部61に優先して油圧シリンダ40が停止操作され(ステップS9),第1制御部61が停止される(ステップS10)。
【0080】
分散部4が作用位置B1に移動操作される前(設定時間が経過する前)において、接触センサー37が検出状態になると(ステップS6)、分散部4(接触センサー37)に他物が接触したと判断されて、ステップS8に移行する。これにより、停止制御部63が作動し、第1制御部61に優先して油圧シリンダ40が停止操作され(ステップS9)、第1制御部61が停止される(ステップS10)。
【0081】
前述のように、停止制御部63が作動して、油圧シリンダ40が停止操作され(ステップS9)、第1制御部61が停止された場合(ステップS10)、この後に第1操作部51を押し操作しても、第1制御部61が停止していることによって、油圧シリンダ40は作動しない。
【0082】
(第2操作部による分散部の操作の流れ)
前述の(回収容器の設置後において第1操作部による分散部の操作の流れ)に記載のように、停止制御部63が作動して第1制御部61が停止した状態(ステップS8,S9,S10)、第2操作部52を操作することにより、第2制御部62によって第1制御部61及び停止制御部63に優先して、油圧シリンダ40を作動させることができる。
【0083】
第2操作部52を出作動位置に操作していると(ステップS21,S22)、第2制御部62により油圧シリンダ40が作用位置B1側に作動する(ステップS23)。
第2操作部52から手を離すと、第2操作部52が停止位置に戻り(ステップS21,S24)、第2制御部62により油圧シリンダ40が停止する(ステップS25)。
【0084】
第2操作部52を退作動位置に操作していると(ステップS21,S26)、第2制御部62により油圧シリンダ40が非作用位置B2側に作動する(ステップS27)。
第2操作部52から手を離すと、第2操作部52が停止位置に戻り(ステップS21,S24)、第2制御部62により油圧シリンダ40が停止する(ステップS25)。
以上のように、第2操作部52を操作して、分散部4を作用位置B1に移動操作する。
【0085】
(収穫作業の前半の流れ)
図6に示すように、支持フレーム29が上昇位置E1に位置した状態で、自動降下スイッチ43をON位置に操作しておく。この後、機体10を前進させて、収穫作業を開始する。
【0086】
図7に示すように、支持フレーム29が上昇位置E1に位置した状態において、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)及び分散部4の下側に、回収容器42の底部42b及び横側部42cが位置しており、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)及び分散部4と、回収容器42の底部42b及び横側部42cとの落差は小さなものとなっている。
【0087】
これにより、玉ねぎAが第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から回収容器42に投入されると、玉ねぎAは回収容器42の底部42b及び横側部42cに落下する。
【0088】
第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)及び分散部4と、回収容器42の底部42b及び横側部42cとの落差が小さいことにより、玉ねぎAが第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から回収容器42に投入された際の玉ねぎAの損傷を抑えることができる。
【0089】
第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から出た玉ねぎAが、分散部4に当たることによって、分散部4により分散されながら回収容器42に投入されるので、玉ねぎAが回収容器42の一部分に偏ることなく、回収容器42の各部に均等に投入され易くなるのであり、玉ねぎAが回収容器42の隅々に無理なく入り込んでいく。
【0090】
玉ねぎAが回収容器42の横側部42cに落下した場合、玉ねぎAは回収容器42の横側部42cから回収容器42の底部42b側に転がっていくことが多いので、玉ねぎAが第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)の下側に滞留することなく回収容器42に投入されていく。
【0091】
(収穫作業の中半の流れ)
収穫作業の進行に伴って、回収容器42に玉ねぎAが積み上げられていくのであり、玉ねぎAは接触センサー37の位置に達する。
【0092】
回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが、接触センサー37の接触部37aを下側から押し上げるのであり、接触センサー37の接触部37aが下側から押し上げられた状態が、設定時間(例えば数秒)に亘って維持されると、接触センサー37が玉ねぎAを検出する状態となる。
【0093】
接触センサー37により回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが検出されると、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)の近傍(分散部4の近傍)に、玉ねぎAが存在すると判断される。
【0094】
図4及び
図7に示すように、自動降下スイッチ43がON位置に操作されていると、上昇位置E1と下降位置E6との間に、複数個の中間位置E2,E3,E4,E5が設定されている。
【0095】
回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが接触センサー37により検出されると、
図8に示すように、昇降操作部64により油圧シリンダ31が収縮作動して、支持フレーム29が上昇位置E1から下降操作され、支持フレーム29が中間位置E2に達すると、位置センサー35の検出値に基づいて油圧シリンダ31が停止する。
支持フレーム29が中間位置E2に下降操作されることにより、回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが、接触センサー37から下側に離れる。
【0096】
支持フレーム29が中間位置E2に位置した状態において、収穫作業の進行に伴って、回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが接触センサー37により検出されると、昇降操作部64により油圧シリンダ31が収縮作動して、支持フレーム29が中間位置E2から下降操作され、支持フレーム29が中間位置E3に達すると、位置センサー35の検出値に基づいて油圧シリンダ31が停止する。
支持フレーム29が中間位置E3に下降操作されることにより、回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが、接触センサー37から下側に離れる。
【0097】
(収穫作業の後半の流れ)
前項の(収穫作業の中半の流れ)に記載の操作が繰り返されることにより、支持フレーム29は、上昇位置E1から中間位置E2、中間位置E2から中間位置E3、中間位置E3から中間位置E4、中間位置E4から中間位置E5、中間位置E5から下降位置E6に段階的に自動的に下降操作される。
【0098】
自動降下スイッチ43がON位置に操作されていると、前述のような支持フレーム29の自動的な下降操作が行われるのであり、自動降下スイッチ43がOFF位置に操作されていると、前述のような支持フレーム29の自動的な下降操作は行われない。
【0099】
自動降下スイッチ43がOFF位置に操作されている場合、昇降スイッチ49を下降位置及び停止位置に操作することにより、上昇位置E1から下降位置E6までにおいて、支持フレーム29を任意の位置に下降させて停止させることができる。
【0100】
支持フレーム29が上昇位置E1から、中間位置E2〜E5を通って下降位置E6に下降操作されることにより、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)及び分散部4が、回収容器42の上部42aから次第に引き抜かれる状態となる。
【0101】
これに伴って回収容器42が上昇位置E1での横倒れ姿勢から、回収容器42の上部42aが上側に向く起立した姿勢となっていくのであり、この間の回収容器42の姿勢の変化によって、玉ねぎAが回収容器42の隅々に入り込んでいく。
【0102】
案内カバー34及びフレーム33が、支持フレーム29と一緒に下降操作されていくのであり、案内カバー34が回収容器42の上部42aの周囲に位置している。これによって、回収容器42の上部42aからの玉ねぎAのこぼれ落ちが、案内カバー34によって防止される。
【0103】
図9に示すように、支持フレーム29が下降位置E6に位置した状態において、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)及び分散部4の下側に、回収容器42の上部42aが位置し、回収容器42の底部42bが回収容器42の上部42aの下側に位置するように、回収容器42が起立する状態となる。
【0104】
これにより、玉ねぎAが第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から、こぼれ落ちることなく回収容器42に投入されるのであり、回収容器42を無理なく満杯にすることができる。
【0105】
(収穫作業の終了の流れ)
図9に示すように、位置センサー35により支持フレーム29が下降位置E6に位置することが検出された状態において、回収容器42に積み上げられた玉ねぎAが接触センサー37により検出されると、満杯検出部67により回収容器42が充分に満杯であると判断される。
【0106】
これにより、警報ブザー27が作動して、警報ランプ28が点灯する。警報ブザー27が作動し、警報ランプ28が点灯してから、所定時間(例えば数秒)が経過すると、警報ブザー27が停止し、警報ランプ28が消灯する。
【0107】
この後、前述の(第2操作部による分散部の操作の流れ)の記載、及び
図10に示すように、第2操作部52を操作することによって、分散部4を作用位置B1から非作用位置B2に移動操作する。
【0108】
図10に示す状態において、収穫作業を少しだけ続行することによって、分散部4が非作用位置B2に位置した状態で、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)から、玉ねぎAを回収容器42の隅々に入れることができる。
【0109】
この場合、機体10を前進させながら収穫作業を続行する状態とは別に、機体10を停止させた状態で、収穫部2や搬送部3を作動させて、拾い上げ装置8、第1搬送装置17及び第2搬送装置18に残る玉ねぎAを回収容器42に投入する作業を行うこともある。
【0110】
(回収容器の入れ換え作業の流れ)
前項の(収穫作業の終了の流れ)に記載のように、回収容器42が満杯になると、機体10を停止させて、収穫作業を中断し、以下の説明のように回収容器42の入れ換え作業を行う。
【0111】
図11に示すように、機体10を少し後進させて停止させるのであり、案内カバー34及びフレーム33を起立状態に操作する。
回収容器42の底部42bの前後長が、支持アーム30の前後長よりも少し長いものに設定されて、回収容器42の底部42bの後端部が、支持アーム30の後端部よりも後側に突出している。
【0112】
前述の状態で離脱スイッチ50を操作すると、
図12に示すように、油圧シリンダ32が収縮作動して、支持アーム30が離脱位置C2に操作されるのであり、回収容器42が後傾姿勢となり、回収容器42の底部42bの後端部が圃場Gに接地する。
【0113】
図12に示す状態で機体10を前進させると、
図13に示すように、回収容器42の底部42bの後端部と圃場Gとの接地による抵抗により、支持アーム30が回収容器42の底部42bから前側に引き抜かれる状態(回収容器42が支持アーム30から後側に抜き出される状態)となるのであり、満杯の回収容器42が支持フレーム29及び支持アーム30から取り外されて圃場Gに置かれる。
【0114】
図13に示すように、満杯の回収容器42が支持フレーム29及び支持アーム30から取り外されると、油圧シリンダ32が自動的に伸長作動し、支持アーム30が支持位置C1に操作されて、
図5に示す状態に戻る。
【0115】
図5に示すように、別の作業車(図示せず)により、空の回収容器42を支持フレーム29及び支持アーム30に後側から設置し、圃場Gに置かれた満杯の回収容器42を回収する。
【0116】
支持フレーム29が下降位置E6に下降操作されると(ステップS11)、停止解除部66により、停止制御部63に優先して、油圧シリンダ40の停止が解除され、第1制御部61の停止が解除される(ステップS12)。
【0117】
これによって、前述の(回収容器の設置後において第1操作部による分散部の操作の流れ)に記載のように、支持フレーム29を上昇位置E1に上昇操作した後(ステップS2)、第1操作部51を押し操作することにより(ステップS1)、第1制御部61により油圧シリンダ40が作用位置B1側に作動させて、分散部4が作用位置B1側に移動操作することができる(ステップS4)。
この後、前述の(収穫作業の前半の流れ)の記載
のように、
図5に示す状態から収穫作業を再開する。
【0118】
例えば、支持フレーム29が下降位置E6に下降操作される前の状態(中間位置E2〜E5の状態)で、収穫作業を終了して、回収容器42の入れ換え作業を行う場合が生じても、支持フレーム29を下降位置E6に下降操作しなければ、
図12及び
図13に示すように、支持アーム30を回収容器42の底部42bから前側に引き抜く作業(回収容器42を支持アーム30から後側に抜き出す作業)を行うことは困難である。
【0119】
以上のように、回収容器42の入れ換え作業を行う場合、支持フレーム29は下降位置E6に下降操作されるのであり、停止解除部66により、停止制御部63に優先して、油圧シリンダ40の停止が解除され、第1制御部61の停止が解除される(ステップS12)。
【0120】
(発明の実施の第1別形態)
図14のステップS2,S3に加えて、支持フレーム29の昇降系(制御弁46や油圧シリンダ31等)の異常の条件を加えてもよい。
【0121】
この構成によると、支持フレーム29が上昇位置E1に位置した状態(ステップS2)と、第1制御部61が停止解除となっている状態(ステップS3)と、支持フレーム29の昇降系に異常が無い状態との3つが成立している場合に、第1操作部51を押し操作すると(ステップS1)、第1制御部61により油圧シリンダ40が作用位置B1側に作動して、分散部4が作用位置B1側に移動操作されることになる。
【0122】
(発明の実施の第2別形態)
図14のステップS8,S9,S10において、第1制御部61が停止された場合、機体10のエンジン(図示せず)が停止操作されて再び始動操作されても、第1制御部61の停止が維持されるように構成してもよい。
【0123】
この構成によると、第1制御部61が停止された状態で、エンジンが停止操作された場合、この後にエンジンを始動操作し、支持フレーム29を下降位置E6に下降操作することによって、第1制御部61の停止が解除される(ステップS11,S12)。
【0124】
(発明の実施の第3別形態)
分散部4において、
図2,3,4に示す油圧シリンダ40の伸縮位置や操作アーム39の揺動角度を検出するポテンショメータ(図示せず)や、リミットスイッチ(図示せず)を設けてもよい。
【0125】
この構成によると、
図14のステップS5,S7において、設定時間の経過ではなく、ポテンショメータやリミットスイッチの検出に基づいて、分散部4が作用位置B1及び非作用位置B2に位置することを判断することができる。
【0126】
(発明の実施の第4別形態)
第1操作部51及び第1制御部61に、分散部4を作用位置B1から非作用位置B2に移動操作する機能を加えてもよい。
この構成によると、分散部4が非作用位置B2に位置した状態において、第1操作部51を押し操作すると、分散部4が非作用位置B2から作用位置B1に移動操作されるように構成すればよく、分散部4が作用位置B1に位置した状態において、第1操作部51を押し操作すると、分散部4が作用位置B1から非作用位置B2に移動操作されるように構成すればよい。
【0127】
(発明の実施の第5別形態)
回収容器42を備えずに、回収容器42に相当する形状を備えたものや、大きな回収袋(図示せず)を、支持フレーム29に連結して、回収部5を構成してもよい。
【0128】
このように構成すると、回収部5が満杯になった場合、回収部5を後側に向けて横倒れ姿勢に操作したり、回収部の後部や底部を開き操作することによって、玉ねぎAを回収部5から出して他の運搬車(図示せず)に移すように構成すればよい。回収部5の玉ねぎAを他の運搬車(図示せず)に移す別のコンベア型式の搬送装置(図示せず)を備えてもよい。
【0129】
(発明の実施の第6別形態)
上昇位置E1と下降位置E6との間の中間位置E2〜E5を、
図4に示す状態よりも多く設定してもよく、
図4に示す状態よりも少なく設定してもよい。
【0130】
上昇位置E1と下降位置E6との間の複数個の中間位置E2〜E5を廃止して、支持フレーム29を、上昇位置E1から下降位置E6に向けて、少しずつ連続的に下降操作するように構成してもよい。
【0131】
(発明の実施の第7別形態)
箱状の回収容器42に代えて、可撓性を備えた布製等の回収袋(図示せず)を使用してもよい。
この構成によると、回収袋の上部の位置を、第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)の付近に固定し、回収袋の底部を下側から受け止める支持台(図示せず)を昇降操作するように構成すればよい。
【0132】
支持台を上昇位置E1に上昇操作すると、回収袋の底部が第2搬送装置18の終端部(搬送部3の終端部3a)に、最も接近するように持ち上げられた状態となるのであり、回収部5が上昇位置E1に上昇操作された状態となる。
支持台を下降位置E6に下降操作すると、回収袋が下側に伸びた状態となるのであり、回収部5が下降位置E6に下降操作された状態となる。