(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エピタキシャル結晶希土類酸化物層と前記基板との間の音響ミラー構造をさらに備え、前記音響ミラー構造は、少なくとも1つの結晶REO層および少なくとも1つのミラー材料層を備え、前記少なくとも1つの結晶REO層および前記少なくとも1つのミラー材料層は、交互に積層されている、請求項1に記載の層構造。
前記第2の電極層にわたる最終エピタキシャル層をさらに備え、前記最終エピタキシャル層は、金属珪化物、結晶REO、希土類ニクタイド、グラフェンのうちの1つ以上のものを含有する、請求項2に記載の層構造。
前記第1のエピタキシャル電極層は、層を備え、前記層は、前記層の厚さを通して第1の希土類含有材料から第2の希土類含有材料まで組成が変化する、請求項1に記載の層構造。
音響ミラー構造を前記エピタキシャル結晶希土類酸化物層と前記基板との間に堆積させることをさらに含み、前記音響ミラー構造は、少なくとも1つの結晶REO層および少なくとも1つのミラー材料層を備え、前記少なくとも1つの結晶REO層および前記少なくとも1つのミラー材料層は、交互に積層される、請求項27に記載の方法。
最終エピタキシャル層を前記第2の電極層にわたって堆積させることをさらに含み、前記最終エピタキシャル層は、金属珪化物、結晶REO、希土類ニクタイド、グラフェンのうちの1つ以上のものを含有する、請求項28に記載の方法。
前記第1のエピタキシャル電極層は、層を備え、前記層は、前記層の厚さを通して第1の希土類含有材料から第2の希土類含有材料まで組成が変化する、請求項27に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に説明されるシステム、素子、および方法は、とりわけ、RFフィルタのための改良された性能を達成し得るエピタキシャル層を有する、層構造を含む。RFフィルタスタック内の圧電層は、結晶質およびエピタキシャルであることができ、したがって、その厚さは、多結晶である場合より精密に制御されることができる。特に、層厚が減少するにつれて、エピタキシは、他の堆積方法と比較して、改良された厚さ制御をもたらす。加えて、エピタキシャル圧電層は、圧電層が多結晶である場合より高い品質の隣接層との界面を有する。高品質界面は、RFフィルタのための高Q値をもたらすことができる。高品質界面の特性は、低欠陥レベル、鋭的遷移、および低粗度を含む。本明細書に説明されるエピタキシャル圧電層は、エピタキシャルかつ結晶質であるため、バルク圧電材料の品質もまた、より高い。これは、増加したQおよびK
2値をもたらし、これは、RFフィルタの改良された性能をもたらす。加えて、RFフィルタスタックおよび接触層結晶の作製は、それらを上層素子内で使用され得るIII族窒化物層等の付加的層の後続エピタキシャル成長のためのテンプレートとして使用されることを可能にする。
【0019】
図1は、RFフィルタのための層を含む、層構造100を描写する。層構造100は、基板102と、基板102にわたるSiOx層104と、SiOx層104にわたる結晶REO層106とを含む。結晶REO層は、基板102に対してエピタキシャルであって、結晶REO層106の格子が、基板102の格子とほぼ格子合致またはほぼ格子一致することを意味する。結晶REO層106は、基板102と格子合致されることができ、2つの格子が実質的に同一またはほぼ同一格子パラメータを有することを意味する。結晶REO層106もまた、基板102と格子一致されることができ、結晶REO層106の1つまたはそれを上回る格子パラメータが基板102の対応する格子パラメータの約整数倍であることを意味する。
【0020】
層構造100はまた、結晶REO層106に対してエピタキシャルである、フィルタスタック126と、フィルタスタック126に対してエピタキシャルであり得る、接触層116とを含む。フィルタスタック126は、第1の電極層110と、エピタキシャル圧電層112と、第2の電極層114とを含有する。フィルタスタック126内の層はそれぞれ、エピタキシャルである。したがって、第1の電極層110は、結晶REO層106に対してエピタキシャルであって、エピタキシャル圧電層112は、第1の電極層110に対してエピタキシャルであって、第2の電極層114は、エピタキシャル圧電層112に対してエピタキシャルである。第2の電極層114は、随意であって、用途および/またはプロセスフローに応じて省略されてもよいことに留意されたい。1つまたはそれを上回る界面層(図示せず)が、
図1に描写されるように、層構造100内の層のいずれかの間に含まれてもよい。
【0021】
エピタキシャル圧電層112は、窒化アルミニウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、および窒化アルミニウムスカンジウム等、圧電応答を呈する、任意の材料であることができる。エピタキシャル圧電層112の厚さは、周波数、層を通した音速、および厚さ間の関係を与える方程式1に基づいて、選択されることができる。
f
r=v
s/(2
*t
f) [1]
式中、f
rは、周波数であって、v
sは、圧電層を通した音速であって、t
fは、圧電層厚である。
【0022】
周波数f
rは、約2.4GHz、約2.3〜2.7GHz、約2〜3GHz、および約1〜4GHzであることができる。厚さは、約1μm、約0.5〜1.5μm、および約1〜10Μμであることができる。
【0023】
エピタキシャル圧電層112は、結晶質かつエピタキシャルであるため、その厚さは、多結晶の場合より精密に制御されることができる。特に、層厚が減少するにつれて、エピタキシは、他の堆積方法と比較して、改良された厚さ制御をもたらす。
【0024】
エピタキシャル圧電層112は、圧電層が多結晶である場合より高い品質の隣接層との界面を有する。高品質界面は、RFフィルタのための高Q値をもたらすことができる。高品質界面の特性は、低欠陥レベル、鋭的遷移、および低粗度を含む。
【0025】
エピタキシャル圧電層112は、エピタキシャルかつ結晶質であるため、バルク圧電材料の品質は、より高い。これは、増加したQおよびK
2値をもたらし、これは、RFフィルタの改良された性能をもたらす。
【0026】
結晶REO層106は、そのより高い密度のため、シリコンより高い音響インピーダンスを有することができる。結晶REO材料の密度は、約5×10
3kg/m
3〜約15×10
3kg/m
3、約7×10
3kg/m
3〜約10×10
3kg/m
3、および約7.7×10
3kg/m
3〜約9.7×10
3kg/m
3であることができる。シリコンは、約2.6×10
3kg/m
3の密度を有する。したがって、結晶REO層106は、エピタキシャル圧電層112を基板102から音響的に隔離する役割を果たし、基板102への音響波伝送を実質的に軽減する。本隔離は、基板102に起因する挿入損失を低減させる。いくつかの実施例では、結晶REO層106によって提供される音響インピーダンスは、挿入損失を容認可能レベルに保つために十分である。しかしながら、いくつかの実施例では、音響ミラー構造が、
図2に示されるように、使用され、基板損失を低減および/または防止することができる。
【0027】
接触層116が結晶質である事例では、層スタック100全体が、上層素子において使用され得るIII族窒化物層等の付加的層の後続エピタキシャル成長のためのテンプレートとして使用されることができる。
【0028】
第1および第2の電極層110および114は、希土類珪化物、希土類ニクタイド、および金属のうちの1つまたはそれを上回るものを備えることができる。電極層110および114は、エピタキシャルであるため、それらは、同一材料の多結晶電極層より高い伝導性を有する。より低い抵抗率(より高い伝導性)は、RFフィルタの性能を向上させる。加えて、エピタキシャル電極層は、圧電層112のエピタキシャル成長を可能にする。エピタキシャル金属のより高い伝導性は、金属電極が、依然として、適正な伝導性を維持しながら、薄化されることを可能にする。周波数が増加し、圧電層の厚さが対応して減少するにつれて、金属電極の厚さは、システム全体のための達成可能周波数を限定し始める。したがって、電極が所与の伝導性のために可能な限り薄いことが望ましい。
【0029】
エピタキシャル金属は、より薄い電極を達成するための手段をもたらす。いくつかの実施例では、電極層110および114は、
図9−22を参照して説明されるようなエピタキシャル金属であることができる。
【0030】
1つの特定の実施例では、結晶希土類酸化物(REO)層は、基板または半導体にわたってエピタキシャルに成長されることができ、金属層は、結晶REO層にわたってエピタキシャルに成長されることができる。REO層は、1つまたはそれを上回る希土類(RE)種と、酸素とを含有する、層である。希土類種は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)、およびイットリウム(Y)を含む。
【0031】
希土類酸化物は、蛍石型構造を呈することが公知である。これらの構造は、任意の他の要因の中でもとりわけ、酸化物中に存在する希土類カチオンの原子重量の関数として形態差異を呈する。
【0032】
特に、より軽い希土類を備える酸化物は、+2および/または+3ならびに/もしくは+4の可能性として考えられるイオン化状態の結果として、立方CaF
2型結晶構造を形成する。本結晶構造を有する酸化物は、可能性として考えられる酸化状態の多重度に起因して、有意な正味荷電欠陥を呈する(希土類酸化物に関して)。一方、より重い希土類から形成される酸化物(例えば、RE
2O
3等)は、RE<3+>のイオン化状態に起因して、アニオン空孔を含む、歪曲されたCaF
2型結晶構造を呈する。より重い希土類の希土類酸化物と関連付けられた結晶構造は、「ビクスビ鉱」としても知られる。
【0033】
式RE
2O
3を有する、希土類酸化物の例証的実施例は、Er
2O
3である。Er
2O
3の単位胞の結晶構造は、酸素空孔誘導蛍石誘導体(すなわち、ビクスビ鉱構造)である。REO誘電層は、これらの単位胞の集合を備えることができる。
【0034】
アニオン空孔の数および位置は、RE
2O
3単位胞の結晶形状を判定する。本胞の結晶形状は、好適な合致を下層半導体基板の格子定数に提供するようにエンジニアリングされることができる。体対角線および/または面対角線に沿った酸素空孔は、C型立方構造につながる。例えば、蛍石単位胞あたり2つのアニオン空孔は、Er
2O
3の単位胞をSiの単位胞サイズのほぼ2倍まで増加させる。これは、ひいては、低歪み単相Er
2O
3が、直接、シリコン基板上にエピタキシャルに成長されることを可能にする。
【0035】
さらに、アニオン空孔の数および位置は、所望の歪み(引張または圧縮)を誘電層および/または過成長層内に誘発するようにエンジニアリングされることができる。例えば、いくつかの実施形態では、半導体層内の歪みが、キャリア移動度に影響を及ぼすために所望される。
【0036】
各蛍石単位胞は、2つの酸素空孔を有し、これは、体対角線に沿ってある。これらの2つの酸素空孔の存在は、Er
2O
3単位胞のサイズを2倍にさせ、それによって、その格子定数を2倍にし、これは、好適な合致を<100>シリコンの格子定数に提供する。
【0037】
いくつかの実施例では、酸素空孔は、面対角線の端部にある。ある他の実施例では、酸素空孔は、面対角線および体対角線の端部間に分散される。
【0038】
結晶REO層106は、エピタキシャルかつ結晶質であるため、上層のエピタキシャル成長のためのテンプレートを提供する。加えて、結晶REO層は、シリコン基板上に成長されることができるため、上層エピタキシャル層がシリコン上に成長されることを可能にする。
【0039】
SiOx層104は、シリコンの非晶質酸化物である。SiOx層104は、化学式SiO
2を有してもよい、または異なる化学量論を有してもよい。SiOx層104は、結晶REO層106と基板層102との間に適応性を提供する。したがって、SiOx層104は、歪みを隣接層間に伝達するのではなく、それを吸収する。これは、層の全ての堆積後、層構造100内の凹面または凸面を低減させる。SiOx層104は、随意であって、いくつかの実施例では、層構造100の一部ではない。SiOx層104は、シリコンと、酸素前駆体とを使用して堆積されることができる、または基板102の上部層がシリコンを含有する場合、基板102の酸化を通して形成することができる。SiOx層104が非晶質であるという事実にもかかわらず、結晶REO層106は、依然として、エピタキシャルであって、基板102の格子に位置合わせされることができる。したがって、SiOx層104は、適応性を提供し、上層のエピタキシャル成長を妨害せずに、層構造100内の歪みを低減させる。
【0040】
基板102は、シリコン<111>基板、シリコン<100>基板、別の配向のシリコン基板、ゲルマニウム基板、炭化硅素基板、サファイア基板、絶縁体上シリコン(SOI)基板、または別の半導体もしくは絶縁基板であることができる。基板102は、ミスカット基板であることができる、またはその配向は、結晶格子ベクトルと整合されることができる。
【0041】
層構造100は、RFフィルタ内に含まれることができる。特に、フィルタスタック126は、層構造100の活性部分としての役割を果たし、RF電圧が電極110と114との間に印加されると、エピタキシャル圧電層112は、音響的に共鳴し、電極間に所望の周波数を選択的に通過させ、帯域通過フィルタをもたらす。
【0042】
図2は、RFフィルタのための層ならびに音響ミラーを含む、層構造200を描写する。層構造200は、エピタキシャル構造であって、基板202と、基板202にわたるSiOx層204と、SiOx層204にわたる結晶REO層206と、結晶REO層206にわたる音響ミラースタック208と、音響ミラースタック208にわたるフィルタスタック226と、フィルタスタック226にわたる接触層216とを備える。
【0043】
基板202は、シリコン<111>基板、シリコン<100>基板、別の配向のシリコン基板、ゲルマニウム基板、炭化硅素基板、サファイア基板、絶縁体上シリコン(SOI)基板、または別の半導体もしくは絶縁基板であることができる。基板202は、ミスカット基板であることができる、またはその配向は、結晶格子ベクトルと整合されることができる。
【0044】
SiOx層204は、シリコンの非晶質酸化物である。SiOx層204は、化学式SiO
2を有してもよい、または異なる化学量論を有してもよい。SiOx層204は、結晶REO層206と基板層202との間に適応性を提供する。したがって、SiOx層204は、歪みを隣接層間に伝達するのではなく、それを吸収する。これは、層の全ての堆積後、層構造200内の凹面または凸面を低減させる。SiOx層204は、随意であって、いくつかの実施例では、層構造200の一部ではない。含まれる場合、SiOx層204は、REO堆積プロセスを中断し、非晶質Si(a−Si)を上側REO表面上に堆積させることによって形成される。本層が終了すると、REO堆積プロセスは、次いで、再開される。SiOxは、米国出願第15/031,504号(その全体が参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるようなプロセスにおいて、本段階においてOアニールを導入することによって、または後に高温によってのいずれかでa−Siから形成される。結晶位置合わせが、REOと下層シリコン基板との間に確立される。いくつかの実施例では、初期REO層は、SiOxの形成によって消費され、希土類珪酸塩である、ある非晶質RESiOxを含有する、非晶質層につながるであろうことに留意されたい。したがって、SiOx層204は、適応性を提供し、上層のエピタキシャル成長を妨害せずに、層構造200内の歪みを低減させる。
【0045】
層構造200はまた、音響ミラースタック208に対してエピタキシャルである、フィルタスタック226と、フィルタスタック226に対してエピタキシャルであり得る、接触層216とを含む。フィルタスタック226は、第1の電極層210と、エピタキシャル圧電層212と、第2の電極層214とを含有する。フィルタスタック226内の層はそれぞれ、エピタキシャルである。したがって、第1の電極層210は、第2の結晶REOミラー層224に対してエピタキシャルであって、エピタキシャル圧電層212は、第1の電極層210に対してエピタキシャルであって、第2の電極層214は、エピタキシャル圧電層212に対してエピタキシャルである。接触層216が、フィルタスタック226に対してエピタキシャルであるとき、接触層216は、第2の電極214に対してエピタキシャルである。
【0046】
第1および第2の電極層210および214は、希土類珪化物、希土類ニクタイド、および金属のうちの1つまたはそれを上回るものを備えることができる。電極層210および214は、エピタキシャルであるため、それらは、同一材料の多結晶電極層より高い伝導性を有する。より低い抵抗率(より高い伝導性)は、RFフィルタの性能を向上させる。加えて、エピタキシャル電極層は、圧電層212のエピタキシャル成長を可能にする。エピタキシャル金属のより高い伝導性は、金属電極が、依然として、適正な伝導性を維持しながら、薄化されることを可能にする。周波数が増加し、圧電層の厚さが対応して減少するにつれて、金属電極の厚さは、システム全体のための達成可能周波数を限定し始める。したがって、電極が所与の伝導性のために可能な限り薄いことが望ましい。いくつかの実施例では、電極層210および214は、
図9−22を参照して説明されるようなエピタキシャル金属であることができる。
【0047】
層構造200は、RFフィルタ内に含まれることができる。特に、フィルタスタック226は、層構造200の活性部分としての役割を果たし、RF電圧が、電極210と214との間に印加されると、エピタキシャル圧電層212は、音響的に共鳴し、電極間に所望の周波数を選択的に通過させ、帯域通過フィルタをもたらす。
【0048】
結晶REO層は、基板202に対してエピタキシャルであって、結晶REO層206の格子が基板202の格子と格子合致または格子一致されることを意味する。結晶REO層206は、基板202と格子合致またはほぼ格子合致されることができ、2つの格子が実質的に同一格子パラメータを有することを意味する。結晶REO層206はまた、基板202と格子一致またはほぼ格子一致されることができ、結晶REO層206の1つまたはそれを上回る格子パラメータが基板202の対応する格子パラメータの整数倍であることを意味する。
【0049】
音響ミラースタックは、高音響インピーダンスを有し、その厚さを横断して音響波の伝搬を防止または実質的に低減させる。音響ミラースタック208は、高音響インピーダンスを有し、エピタキシャル圧電層212から基板202の中への音響波の伝搬を防止または実質的に低減させる。音響ミラースタック208は、第1のミラー材料層218と、第1の結晶REOミラー層220と、第2のミラー材料層222と、第2の結晶REOミラー層224とを備える。第1および第2のミラー材料層218および222は、隣接する結晶REO層と有意に異なる密度を伴う任意の材料であることができる。ミラー材料層218および222のために使用され得る材料のいくつかの実施例は、シリコンおよび金属である。結晶REO材料の密度は、約5×10
3kg/m
3〜約15×10
3kg/m
3、約7×10
3kg/m
3〜約10×10
3kg/m
3、および約7.7×10
3kg/m
3〜約9.7×10
3kg/m
3であることができる。シリコンは、約2.6×10
3kg/m
3の密度を有する。したがって、結晶REOミラー層220および224は、ミラー材料層218および222より少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、および少なくとも5倍大きい密度を有することができる。
【0050】
結晶REOミラー層220および224は、同一材料を備えることができる、またはそれらは、異なる材料を備えることができる。加えて、結晶REOミラー層220および224は、結晶REO層206と同一材料を備えることができる、またはそれらは、異なる材料を備えることができる。ミラー材料層218および222は、同一ミラー材料を備えることができる、またはそれらは、異なるミラー材料を備えることができる。音響ミラー208は、2つの結晶REOミラー層と、2つのミラー材料層とを備えるが、音響ミラースタック208は、
図2に描写されるものと異なる数の層を備えることができる。加えて、音響ミラースタック208は、
図2に描写されるものと異なる順序で層を備えることができる。例えば、結晶REO層は、音響ミラースタック208の最下層であってもよい、および/またはミラー材料層は、音響ミラースタック208の最上層であることができる。加えて、1つまたはそれを上回る界面層が、結晶REO層206と音響ミラースタック208との間、音響ミラースタック208とフィルタスタック226との間、およびフィルタスタック226と接触層216との間に含まれてもよい。音響ミラースタック208は、異なる密度を伴う交互層を含むため、フィルタスタック226から基板202への音響波の伝搬は、実質的に低減または防止される。これは、層構造200の挿入損失を低減させる。音響ミラースタック208は、光学ミラーおよび/またはブラッグ反射体として作用することができる。
【0051】
図3は、RFフィルタのための層を含む、層構造300を描写する。層構造300は、基板302と、基板302にわたる結晶REO層306と、結晶REO層306にわたるフィルタスタック326とを含む。層構造300は、
図3に描写される層のいずれかの間に1つまたはそれを上回る随意の介在層(図示せず)を含むことができる。そのような随意の介在層の実施例は、結晶REO層306と基板302との間の非晶質酸化物(例えば、SiOx)層である。フィルタスタック326は、結晶REO層306にわたる第1の電極層310と、第1の電極層310にわたるエピタキシャル圧電層312と、エピタキシャル圧電層312にわたる第2の電極層314とを備える。
【0052】
基板302は、シリコン<111>基板、シリコン<100>基板、別の配向のシリコン基板、ゲルマニウム基板、炭化硅素基板、サファイア基板、絶縁体上シリコン(SOI)基板、または別の半導体もしくは絶縁基板であることができる。基板302は、ミスカット基板であることができる、またはその配向は、結晶格子ベクトルと整合されることができる。
【0053】
層構造300は、RFフィルタ内に含まれることができる。特に、フィルタスタック326は、層構造300の活性部分としての役割を果たし、RF電圧が、電極310と314との間に印加されると、エピタキシャル圧電層312は、音響的に共鳴し、電極間に所望の周波数を選択的に通過させ、帯域通過フィルタをもたらす。
【0054】
結晶REO層は、基板302に対してエピタキシャルであって、結晶REO層306の格子が基板302の格子と格子合致(もしくはほぼ格子合致)または格子一致(もしくはほぼ格子一致)されることを意味する。結晶REO層306は、基板302と格子合致またはほぼ格子合致されることができ、2つの格子が実質的に同一格子パラメータを有することを意味する。結晶REO層306はまた、基板302と格子一致またはほぼ格子一致されることができ、結晶REO層306の1つまたはそれを上回る格子パラメータが基板302の対応する格子パラメータの整数倍であることを意味する。
【0055】
層構造300はまた、結晶REO層306に対してエピタキシャルである、フィルタスタック326を含む。フィルタスタック326は、第1の電極層310と、エピタキシャル圧電層312とを含有する。いくつかの実施例では、フィルタスタック326は、随意の第2の電極層314を含有することができる。フィルタスタック326内の層はそれぞれ、エピタキシャルである。したがって、第1の電極層310は、結晶REO層306に対してエピタキシャルであって、エピタキシャル圧電層312は、第1の電極層310に対してエピタキシャルである。随意の第2の電極層314は、エピタキシャル圧電層312に対してエピタキシャルであってもよい、またはエピタキシャルではなくてもよい。
【0056】
図4は、RFフィルタ層を覆う素子層を含む、層構造400を描写する。層構造400は、基板402と、基板402にわたる結晶REO層406と、結晶REO層406にわたるRFフィルタ層構造426とを含む。層構造400はまた、RFフィルタ層構造426にわたる結晶RE含有層428と、結晶RE含有層428にわたる素子層430とを含む。素子層430は、1つまたはそれを上回るサブ層(図示せず)を含むことができる。素子層430は、1つまたはそれを上回るIII族窒化物層、1つまたはそれを上回る窒化ガリウム系高電子移動度トランジスタ(HEMT)層、1つまたはそれを上回るIII−V系ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)層、および/または1つもしくはそれを上回るIII−V系擬似格子整合HEMT(pHEMT)層を含むことができる。層構造400は、RFフィルタ層構造426にわたる1つまたはそれを上回る素子層430を含むため、RFフィルタおよび上記に説明されるもの等の他の素子を有する、統合されたシステムの全体的占有面積は、有意に低減されることができる。
【0057】
層構造400はまた、適応性を提供するための結晶REO層406と基板402との間の随意のSiOx層(図示せず)および/または結晶REO層406とRFフィルタ層構造426との間の音響ミラースタックを含むことができる。加えて、1つまたはそれを上回る界面層(図示せず)が、
図4に描写されるように、層構造400内の層のいずれか間に含まれてもよい。
【0058】
結晶RE含有層428は、RFフィルタ層構造426に対してエピタキシャルである。結晶RE含有層428は、希土類酸化物、希土類ニクタイド(REとV族元素−N、P、As、Sb、またはBiの組み合わせ)、もしくは希土類種を含有する別の材料のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。いくつかの実施例を挙げると、結晶RE含有層428は、窒化スカンジウム、窒化エルビウム、酸化エルビウム、酸化スカンジウム、ヒ化エルビウム、リン化エルビウム、ヒ化スカンジウム、リン化スカンジウム、および/または希土類種を含有する他の材料等、1つまたはそれを上回るRE含有材料を備えることができる。結晶RE含有層428は、1つまたはそれを上回るサブ層を備えることができる、もしくはその厚さを通して組成的に傾斜されることができる。「組成的に傾斜した」とは、結晶RE含有層428が1つのRE含有材料から別のRE含有材料へとその厚さを通して組成を変化させることを意味する。本組成傾斜は、素子層430およびRFフィルタ層構造426のための異なる格子定数間に架橋することができる。特に、結晶RE含有層428の上部表面は、その格子定数が窒化ガリウムの格子定数とほぼ同一であるため、窒化スカンジウムであってもよい。本実施例では、素子層430は、1つまたはそれを上回る窒化ガリウム層を備えることができる。結晶RE含有層428の底部表面は、RFフィルタ層構造426の上部表面と格子合致または格子一致される、材料から成ることができる。したがって、結晶RE含有層428は、RFフィルタ層構造426の上部表面および素子層430の底部表面の格子構造ならびにパラメータ間の遷移を提供する。いくつかの実施例では、結晶RE含有層は、複数の離散層を含有することができる、および/または超格子もしくは他の多層構造を含有することができる。多層構造は、多くの場合、材料の繰り返しセットを伴う、複数の層を含有する、層構造である。
【0059】
基板402は、シリコン<111>基板、シリコン<100>基板、別の配向のシリコン基板、ゲルマニウム基板、炭化硅素基板、サファイア基板、絶縁体上シリコン(SOI)基板、または別の半導体もしくは絶縁基板であることができる。基板402は、ミスカット基板であることができる、またはその配向は、結晶格子ベクトルと整合されることができる。
【0060】
結晶REO層406は、基板402に対してエピタキシャルであって、結晶REO層406の格子が基板402の格子と格子合致(もしくはほぼ格子合致)または格子一致(もしくはほぼ格子と一致)されることを意味する。結晶REO層406は、基板402と格子合致またはほぼ格子合致されることができ、2つの格子が実質的に同一格子パラメータを有することを意味する。結晶REO層406はまた、基板402と格子一致またはほぼ格子一致されることができ、結晶REO層406の1つまたはそれを上回る格子パラメータが基板402の対応する格子パラメータの整数倍であることを意味する。
【0061】
フィルタスタック426は、第1の電極層(図示せず)と、エピタキシャル圧電層(図示せず)と、第2の電極層(図示せず)とを含むことができる。フィルタスタック426内の層はそれぞれ、エピタキシャルである。したがって、第1の電極層は、結晶REO層406に対してエピタキシャルであって、エピタキシャル圧電層は、第1の電極層に対してエピタキシャルであって、第2の電極層は、エピタキシャル圧電層に対してエピタキシャルである。フィルタスタック426は、フィルタスタック126、226、および326のいずれかと同一であることができる。
【0062】
フィルタスタック426は、RFフィルタ内に含まれることができる。特に、フィルタスタック426は、RFフィルタの活性部分としての役割を果たし、RF電圧が第1および第2の電極層間に印加されると、エピタキシャル圧電層は、音響的に共鳴し、電極間に所望の周波数を選択的に通過させ、帯域通過フィルタをもたらす。
【0063】
素子層430は、結晶RE含有層428に対してエピタキシャルである。結晶RE含有層428、RFフィルタ層構造426、および結晶REO層406は、エピタキシャルであるため、それらは、素子層430等の後続層のエピタキシャル成長のためのテンプレートとしての役割を果たす。したがって、結晶素子層は、結晶度または材料品質の任意の低減を被らずに、RFフィルタ層にわたって成長されることができる。下層RFフィルタ層構造426にわたる上層エピタキシャル素子層430を組み合わせることによって、層構造400は、所与の占有面積内にさらなる素子機能性を可能にする。
【0064】
図5は、両電極に接触するためのパターン化後の層構造500(RFフィルタスタックを含む)を描写する。層構造500は、基板502と、基板502にわたる随意のSiOx層504と、SiOx層504にわたる結晶REO層506とを含む。層構造500はまた、結晶REO層506にわたるフィルタスタック526を含む。フィルタスタック526は、結晶REO層506にわたる第1の電極層510と、第1の電極層510にわたるエピタキシャル圧電層512と、エピタキシャル圧電層512にわたる第2の電極層514とを含む。層514は、随意であって、構造の一部であってもよい、またはそうではなくてもよい。加えて、層構造500は、第2の電極514にわたる上側接触層516を含む。層構造500はまた、第1の電極510の一部にわたる下側接触層532と、下側接触層532にわたる相互接続部534とを含む。
【0065】
フィルタスタック526は、結晶REO層506に対してエピタキシャルであって、層510、512、および514は、エピタキシャルである。層516は、エピタキシャルであってもよい、またはそうではなくてもよい。したがって、第1の電極層510は、結晶REO層506に対してエピタキシャルであって、エピタキシャル圧電層512は、第1の電極層510に対してエピタキシャルであって、第2の電極層514は、エピタキシャル圧電層512に対してエピタキシャルである。
【0066】
基板502は、シリコン<111>基板、シリコン<100>基板、別の配向のシリコン基板、ゲルマニウム基板、炭化硅素基板、サファイア基板、絶縁体上シリコン(SOI)基板、または別の半導体もしくは絶縁基板であることができる。基板502は、ミスカット基板であることができる、またはその配向は、結晶格子ベクトルと整合されることができる。
【0067】
SiOx層504は、シリコンの非晶質酸化物である。SiOx層504は、化学式SiO
2を有してもよく、または異なる化学量論を有してもよい。SiOx層504は、結晶REO層506と基板層502との間に適応性を提供する。したがって、SiOx層504は、歪みを隣接層間に伝達するのではなく、それを吸収する。これは、全ての層の堆積後、層構造500内の凹面または凸面を低減させる。SiOx層504は、随意であって、いくつかの実施例では、層構造500の一部ではない。含まれる場合、SiOx層504は、REO堆積プロセスを中断し、a−Siを上側REO表面上に堆積させることによって形成される。本層が終了すると、REO堆積プロセスは、次いで、再開される。SiOxは、米国出願第15/031,504号(その全体が参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるようなプロセスにおいて、本段階においてOアニールを導入することによって、または後に高温によってのいずれかでa−Siから形成される。結晶位置合わせが、REOと下層シリコン基板との間に確立される。いくつかの実施例では、初期REO層は、SiOxの形成によって消費され、希土類珪酸塩である、ある非晶質RESiOxを含有する、非晶質層につながるであろうことに留意されたい。したがって、SiOx層504は、適応性を提供し、上層のエピタキシャル成長を妨害せずに、層構造500内の歪みを低減させる。
【0068】
層構造500は、RFフィルタ内に含まれることができる。特に、フィルタスタック526は、層構造500の活性部分としての役割を果たし、RF電圧が、電極510と514との間に印加されると、エピタキシャル圧電層512は、音響的に共鳴し、電極間に所望の周波数を選択的に通過させ、帯域通過フィルタをもたらす。
【0069】
結晶REO層506は、基板502に対してエピタキシャルであって、結晶REO層506の格子が基板502の格子と格子合致(もしくはほぼ格子合致)または格子一致(もしくはほぼ格子一致)されることを意味する。結晶REO層506は、基板502と格子合致またはほぼ格子合致されることができ、2つの格子が実質的に同一格子パラメータを有することを意味する。結晶REO層506はまた、基板502と格子一致またはほぼ格子一致されることができ、結晶REO層506の1つまたはそれを上回る格子パラメータが基板502の対応する格子パラメータの整数倍であることを意味する。
【0070】
接触層516は、フィルタスタック526に対してエピタキシャルであるとき、接触層516は、第2の電極514に対してエピタキシャルである。
【0071】
図6は、RFフィルタとして使用するための層構造を堆積させるための方法600のフローチャートを描写する。602では、基板が、調製される。基板の調製は、基板を事前に清掃するステップと、基板を脱気するステップと、基板をエッチングステップと、基板を堆積システムの中に装填するステップと、基板を熱的に処置するステップとのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。基板は、基板102、202、302、402、および502のいずれかであることができる。606では、結晶REO層が、堆積される。結晶REO層は、随意のSiOx層に隣接することができる、基板に隣接することができる、および/または別の介在層に隣接することができる。結晶REO層は、結晶REO層106、206、306、406、および506のいずれかであることができる。SiOx層が含まれるべき場合、ステップ606(REOプロセス)は、中断され、方法は、随意のステップ604に進み、a−Siが、上側REO表面上に堆積される。ステップ604は、いくつかの実施例では、層構造がSiOx層を含まず、他の実施例では、SiOx層が他の手段によって形成されるため、随意である。SiOx層は、SiOx層104、204、および504のいずれかであることができる。次いで、ステップ606(REO堆積プロセス)は、再開される。いくつかの実施例では、方法600は、随意の方法607に進み、音響ミラー層構造が、堆積される。方法607はさらに、
図7を参照して説明される。
【0072】
ステップ606、または含まれる場合、随意の方法607後、方法600は、ステップ608に進む。608では、第1の電極層が、堆積される。610では、エピタキシャル圧電層が、堆積される。随意のステップ612では、第2の電極層が、堆積される。614では、上側接触層が、第2の電極層にわたって堆積される。
【0073】
ステップ614後、方法600は、随意に、方法615に進むことができ、上層素子が、堆積される。方法615はさらに、
図8を参照して説明される。
【0074】
ステップ614、または含まれる場合、方法615後、方法600は、616に進む。616では、選択された領域は、エッチングされ、第1の電極層を暴露させる。しかしながら、選択されない他の領域では、エピタキシャル圧電層、第2の電極層、および上側接触層は、エッチングされず、メサとして残る。618では、616においてエッチングされた体積は、誘電材料で充填される。本誘電材料は、メサを相互から隔離する高誘電定数を伴う、材料である。620では、誘電体の選択された領域は、エッチングされ、再び、第1の電極層を暴露させる。これは、誘電体を通してビアを開放する効果を有する。622では、下側接触層が、第1の電極層におよびステップ620においてエッチングされた暴露された領域にわたって堆積される。624では、相互接続部が、下側接触層にわたって堆積される。ステップ626では、さらなる処理が、行われてもよい。さらなる処理は、キャッピング層、さらなる堆積、さらなるエッチング、パッケージング、および他の処理ステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0075】
示されるもの以外のステップも、方法600の一部として行われることができる。例えば、介在層が、
図6に説明される層のいずれか間に堆積されることができる。600の方法におけるステップは、
図6に描写される順序以外の異なる順序で行われることができる。また、方法600のステップの全てが、行われる必要があるわけではない。例えば、層構造100は、ステップ602、604、606、608、610、612、および614を使用して加工されることができる。別の実施例として、層構造200は、ステップ602、604、606、607、608、610、612、および614を使用して加工されることができる。さらに、層構造300は、ステップ602、606、608、610、および随意に、612を使用して堆積されることができる。層構造400は、ステップ602、606、608、610、612、および615を使用して加工されることができる。層構造500は、ステップ602、604、606、608、610、612、614、616、618、620、622、624、および626を使用して堆積されることができる。
【0076】
図7は、音響ミラー層構造を加工するための方法607を描写する。702では、ミラー材料層が、堆積される。704では、結晶REO層が、ミラー材料層にわたって堆積される。706において、所望の数のミラー層が堆積された場合、方法607は、方法600のステップ608に進む。706において、所望の数のミラー層に到達しない場合、方法600は、ステップ702に戻り、付加的層を堆積させる。
図7は、結晶REO層の前に堆積されるミラー材料層を描写するが、層の順序は、逆転されることができ、結晶REO層は、ミラー材料層の前に堆積されることができる。
【0077】
図8は、上層素子層を堆積させるための方法615のフローチャートを描写する。802では、1つまたはそれを上回る結晶希土類含有層が、堆積される。804では、1つまたはそれを上回る素子層が、1つまたはそれを上回る結晶希土類含有層にわたって堆積される。ステップ804後、方法は、方法600のステップ616に進む。
【0078】
埋められた金属接触層が、半導体層にわたる金属のエピタキシャル堆積を使用して成長されることができる。エピタキシャル金属層は、直接半導体層および/または直接基板上に成長されることができる。いくつかの実施例では、随意の遷移層が、エピタキシャル金属層と下層半導体層との間および/またはエピタキシャル金属層と下層基板との間にあることができる。電気的利点だけではなく、埋められた接触層は、多くの場合、金属と利用され得る上層半導体との間の相互作用をもたらすであろう。RFフィルタにおけるようなこれらの相互作用は、金属と半導体(および任意の介在界面)との間の界面が欠陥が殆どない高品質であるとき、より有用である。加えて、エピタキシャル金属は、高膜品質を保存しながら、スパッタリングされた金属より薄くされることができる。これは、部分的に、エピタキシャル界面がより高い品質であって、層が薄化されるにつれて、界面が全体的材料のより大きい割合となるためである。したがって、厚膜は、低品質界面によって殆ど影響されず、その性質は、バルク材料性質によって左右されるが、薄膜の性質は、界面性質によってより左右される。したがって、高品質界面は、薄膜を堆積させるときに重要である。
【0079】
結晶希土類酸化物(REO)エピタキシャル層は、シリコン等の半導体基板上のエピタキシャル金属のためのテンプレートとして使用されることができる。シリコン以外の基板も、使用されることができ、実施例は、ゲルマニウム、Si−Ge合金、サファイア、二酸化硅素、絶縁体上シリコン(SOI)、および半導体上のシリコン(SOS)、前述のうちの1つの最上層を伴う基板、ならびに任意の半導体基板を含む。金属エピタキシの目的のために、結晶REOは、YSZと比較してより優れた材料である。まず第一に、結晶REOと基板との間の界面が、エピタキシャルプロセスの一部として設定される。希土類酸化物の適切な選択肢を用いることで、結晶REOテンプレートが、二次相を伴わずに、100%(またはほぼ100%)立方である、エピタキシャルに成長されることができる。全体的エピタキシャルスタックに有益である、結晶REOの他のパラメータおよびプロセス特性は、任意の寄生電荷がない酸化物−シリコン界面、YSZより高い密度(8.6〜6.1g/cm
3)、およびYSZより5倍も優れた熱伝導性である。エピタキシャル金属成長のためのテンプレートとしての役割を果たすことに加え、結晶REO層はまた、エピタキシャル金属層と下方の任意の基板との間の相互拡散を防止することができる。本結晶REO層902は、例えば、望ましくない金属珪化物の形成を防止する(基板がシリコンである場合)。
【0080】
図9は、結晶REO層902にわたるエピタキシャル金属層904と、エピタキシャル金属層904にわたる半導体層906とを含む、層構造900を描写する。酸化物の厚さは、t
oxとして定義され、典型的には、酸化物の厚さは、0<=t
ox<=500nmとして定義されることができる。
図9に描写される層構造900は、MBE、MOCVD、または他の周知のエピタキシャル堆積技法のいずれかによって、単一エピタキシャルプロセスにおいて製造されることができる。要求に応じて、ツールは、単一チャンバ、またはプロセスの具体的部分が異なる相互接続されたチャンバ内で行われる、周知のクラスタツールフォーマットのいずれかの使用のいずれかであることができる、もしくは複数の堆積ツールが、使用されることができる。結晶REO層902は、1つまたはそれを上回る成分エピタキシャル金属層を備えることができる、エピタキシャル金属層904のためのテンプレートである。半導体層906は、III族窒化物材料、III−V材料、およびIV族材料のうちの1つまたはそれを上回るものを備えることができる。III−V材料は、周期表のIII族からの1つまたはそれを上回る種(B、Al、Ga、In、およびTl等)と、周期表のV族からの1つまたはそれを上回る種(N、P、As、Sb、およびBi等)とを含む。III族窒化物は、III−V材料であって、III族からの種と、窒素とを含む。III族窒化物材料の実施例は、GaN、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x、y≦1)、および/またはAlNを含む。他のIII−V材料の実施例は、GaAs、InP、InAs、InSb、InGaAs、GaAsP、InGaAsP、および同等物のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。
【0081】
図9に描写される層構造900は、高周波(RF)フィルタ内に含まれることができる。半導体層906は、結合された電気機械的共振器として作用する、圧電材料であることができる。エピタキシャル金属層904は、RFフィルタのための第1の電極であることができ、随意の第2の金属層(
図9には図示せず)は、RFフィルタのための第2の電極であることができる。エピタキシャル金属層は、特に、それらが、金属層にわたる単結晶層(例えば、半導体層)の後続成長のためのテンプレートとしての役割を果たす単結晶構造を伴う、高伝導性の金属を提供するため、RFフィルタ内の電極のために有用である。高伝導性に起因して、金属層は、多結晶類似物と比較して、より薄くなることができる。圧電層の厚さが低減され、より高い周波数素子を生産するにつれて、金属接点は、素子の性能を限定し始める。したがって、適正な伝導性を維持しながら、金属層を可能な限り薄くすることが望ましい。単結晶金属は、厚さを低減させるための手段をもたらし、それによって、素子性能を改良する。単結晶半導体層は、それらが、より高い圧電係数、より狭い帯域幅、およびより低い損失を提供するため、RFフィルタ内の半導体材料として有用である。部分的に、増加される性能は、エピタキシャル金属電極の品質および結晶位置合わせに起因し、これは、後続膜のより高い品質をもたらす。
図9の層構造900は、シリコン基板等の基板にわたってエピタキシャルに成長されることができる。フィルタ内の半導体材料が、エピタキシャルである場合、フィルタの上方に成長され得る、付加的半導体要素の統合に役立つ(必ずしも、直接、フィルタに電気的に接続されるわけではない)。例えば、トランジスタ(その実施例は、電界効果トランジスタ、高電子移動度トランジスタ、およびヘテロ接合バイポーラトランジスタを含む)が、フィルタにわたって成長され、したがって、所与のシステムのために要求されるチップ面積を低減させることができる。
【0082】
図10は、
図9に描写される層構造900を加工するための単一エピタキシャルプロセスを図示する、プロセス概略1000を描写する。1004では、結晶REO層が、基板にわたってエピタキシャルに成長される。1006では、金属層が、結晶REO層にわたってエピタキシャルに成長される。1008では、半導体層が、金属層にわたってエピタキシャルに成長される。いくつかの実施例では、付加的金属層が、1010に描写されるように、半導体層にわたってエピタキシャルに成長されることができる。
図1000に描写される層はそれぞれ、1つまたはそれを上回るサブ層を含むことができる。
【0083】
使用されるエピタキシャル金属は、ルテニウムもしくはモリブデン等の希土類金属もしくは金属または以下の表1に列挙された他の代表的金属であり得る。考慮すべき重要な属性は、抵抗率であるが、また、層の光学および音響性質を判定する、密度、ヤング係数、ならびに屈折率も挙げられる。表1に列挙されない他の金属もまた、使用されることができる。
【表1】
【0084】
図11は、結晶REOテンプレートにわたる複数のエピタキシャル金属層を含む、層構造1100、1130、および1160を描写する。
図9および10におけるエピタキシャル金属層は、複数の金属層を含むことができる。複数の金属層は、層構造1100におけるように、層構造1130等の超格子または多層構造におけるように、スタックされた構造として、または層構造1160におけるような傾斜合金のいずれかとして成長されることができる。層構造1100は、結晶REO層1102と、結晶REO層1102にわたるエピタキシャル金属1層1104と、エピタキシャル金属1層1104にわたるエピタキシャル金属2層1106とを含む。層構造1130は、結晶REO層1132と、結晶REO層1132にわたるエピタキシャル金属1層1134と、エピタキシャル金属1層1134にわたるエピタキシャル金属2層1136とを含む。層構造1130はまた、エピタキシャル金属2層1136にわたるエピタキシャル金属1層1138と、エピタキシャル金属1層1138にわたるエピタキシャル金属2層1140とを含む。層構造1130は、2つの対のエピタキシャル金属1および2層を含むが、層構造1130は、2つ以外の数の対のエピタキシャル金属1および2層を含むことができる。層構造1160は、結晶REO層1162と、結晶REO層1162にわたる傾斜合金1168とを含む。傾斜合金1168は、エピタキシャル金属1 1164とエピタキシャル金属2 1166の合金である。
【0085】
傾斜合金1168内の傾斜は、線形(例えば、金属1 1164から金属2 1166までの組成における線形変化)、超線形(例えば、より高次の多項式)、劣線形、または段階的(例えば、材料組成における離散変化)であることができる。結晶REO1102、1132、および1162ならびに/またはIII族窒化物に隣接して使用される、金属1104、1134、および1164は、同一であることができる、またはそれらは、異なることができる。例えば、超格子構成は、異なる金属の交互層を含むことができる。金属のそれぞれの層の厚さは、同一であることができる、またはそれらは、異なることができる。
【0086】
金属層は、エピタキシャルであるため、粒界と関連付けられた損失は存在せず、加えて、金属層と半導体との間の界面は、無傷かつ離散しており、その両方とも、多結晶/スパッタリングされたDBR構造と比較して、半導体、すなわち、金属DBRの損失を低減させる。
【0087】
図12は、エピタキシャル金属層にわたる半導体層の直接成長を伴う、層構造1200と、半導体層がIII族窒化物層である、代表的例示的層構造1250とを描写する。層構造1200は、基板1202にわたってエピタキシャルに成長された結晶REO層1204と、結晶REO層1204にわたってエピタキシャルに成長された金属層1206と、金属層1206にわたってエピタキシャルに成長された半導体層1208とを含む。層構造1250は、層構造1200の代表的実施例であって、半導体層1208は、III族窒化物層、特に、Al
1−xSc
xN(0≦x≦1)層1258であって、金属層1206は、Mo層1256であって、結晶REO層1204は、Er
2O
3層1254であって、基板1202は、Si<111>基板1252である。構造1200の他の実施例も、可能性として考えられ、層はそれぞれ、1つまたはそれを上回るサブ層を含むことができる。
【0088】
内層が、層間の界面の品質を改良するために使用されることができる。
図9に示されるような基本単位は、金属904と半導体906との間または酸化物902とエピタキシャル金属904との間のいずれかに内層を含むように修正されることができる。そのような内層の目的は、酸化物から金属または金属から半導体への遷移の化学的もしくは結晶学的エンジニアリングを可能にすることである。化学的エンジニアリングは、半導体906または金属層904の初期エピタキシャル堆積の間、半導体または金属原子の核生成もしくは遷移を促すことを含むことができる。結晶学的エンジニアリングは、金属904と半導体906層との間の結晶構造または格子定数における遷移を補助することを含むことができる。結晶構造内の遷移の実施例は、六方型結晶構造から立方型結晶構造への遷移である。
【0089】
図13は、それ自体が結晶REO層1302にわたってエピタキシャルに成長される、内層1304にわたるエピタキシャル金属1306を含む、層構造1300を描写する。
図14および15は、本内層の実施例を描写する。
図14は、希土類珪化物を示す一方、
図15は、希土類ニクタイドの実施例である。
【0090】
図14は、基板1402と、基板1402にわたる結晶REO層1404と、結晶REO層1404にわたる希土類珪化物層1406とを含む、層構造1400を描写する。希土類珪化物層1406は、内層1304の実施例である。層構造1400はまた、希土類珪化物層1406にわたるエピタキシャル金属層1408と、エピタキシャル金属層1404にわたる半導体層1410とを含む。
【0091】
図15は、基板1502と、基板1502にわたる結晶REO層1504と、結晶REO層1504にわたる希土類ニクタイド層1506とを含む、層構造1500を描写する。希土類ニクタイド層1506は、内層1304の実施例である。層構造1500はまた、希土類ニクタイド層1506にわたるエピタキシャル金属層1508と、エピタキシャル金属層1508にわたる半導体層1510とを含む。
【0092】
図16は、結晶REO層1602と、結晶REO層1602にわたるエピタキシャル金属層1604と、エピタキシャル金属層1604にわたる内層1606と、内層1606にわたる半導体1608とを含む、層構造1600を描写する。
図16に描写されるように、内層1606は、エピタキシャル金属層1604の上方にあることができる。
【0093】
図17−19は、内層の成長を描写する。可能性として考えられる内層の実施例は、(同様に限定ではないが)
図17に示されるような金属珪化物、
図18に示されるような金属窒化物、希土類窒化物、希土類ヒ化物、希土類リン化物、希土類アンチモン化物、および希土類ビスマス化物を含む。これらの最後の5つは、一般に、希土類ニクタイドと称され、
図19に示される。
【0094】
図17は、金属珪化物内層を含む、層構造1700を描写する。層構造1700は、基板1702と、基板1702にわたる結晶REO層1704と、結晶REO層1704にわたるエピタキシャル金属層1706と、エピタキシャル金属層1706にわたる金属珪化物層1708と、金属珪化物層1708にわたる半導体層1710とを含む。金属珪化物層1708は、内層1606の実施例である。
【0095】
図18は、金属窒化物内層を含む、層構造1800を描写する。層構造1800は、基板1802と、基板1802にわたる結晶REO層と、結晶REO層1804にわたるエピタキシャル金属層1806と、エピタキシャル金属層1806にわたるエピタキシャル金属層窒化物層1808と、エピタキシャル金属窒化物1808にわたるエピタキシャル半導体層1810とを含む。エピタキシャル金属窒化物層1808は、内層1606の実施例である。
【0096】
図19は、希土類ニクタイド内層を含む、層構造1900を描写する。層構造1900は、基板1902と、基板1902にわたる結晶REO層1904と、結晶REO層1904にわたるエピタキシャル金属層1906と、エピタキシャル金属層1906にわたるエピタキシャル希土類ニクタイド層1908と、エピタキシャル希土類ニクタイド層1908にわたるエピタキシャル半導体層1910とを含む。エピタキシャル希土類ニクタイド層1908は、内層1606の実施例である。
【0097】
エピタキシャルプロセスの本時点において、第1の半導体材料が、完全に成長され、層が、完成する。いくつかの用途に関して、これは、プロセスの終了となり得、その他に関しては、異なる組成/タイプのより多くの半導体が、他の層にわたってエピタキシャルに成長され得る。他の用途では、第2の金属が、有利となり得る。本実施例に関して、前述の金属エピタキシスキームのいずれかが、本目的のために利用されることができる。同様に、金属と半導体との間にエピタキシャルに成長される前述の内層のいずれかが、最終エピタキシャルスタックの要求される特徴に応じて、全体的エピタキシャルプロセスの本時点で使用され得る(
図16参照)。半導体の上方の層は、その下方のものに合致する必要はない、すなわち、対称設計のための要件はない。
【0098】
図20は、半導体層にわたるエピタキシャル金属層と、エピタキシャル内層を伴う層構造2030、2060、および2090の3つの実施例、すなわち、それぞれ、金属珪化物、金属窒化物、および希土類ニクタイドとを伴う、層構造2000を描写する。層構造2000は、半導体層2002にわたるエピタキシャル金属層2006を含む。層構造2030は、半導体層2032と、半導体層2032にわたるエピタキシャル金属珪化物層2034と、エピタキシャル金属珪化物層2034にわたるエピタキシャル金属層2036とを含む。エピタキシャル金属珪化物層2034は、金属と半導体層との間の内層である。層構造2060は、半導体層2062と、半導体層2062にわたるエピタキシャル金属窒化物層2064と、エピタキシャル金属窒化物層2064にわたるエピタキシャル金属層2066とを含む。エピタキシャル金属窒化物層2064は、金属と半導体層との間の内層の実施例である。層構造2090は、半導体層2092と、半導体2092にわたるエピタキシャル希土類ニクタイド層2094と、エピタキシャル希土類ニクタイド層2094にわたるエピタキシャル金属層2096とを含む。
【0099】
エピタキシャル希土類ニクタイド2094は、金属と半導体層との間の内層の実施例である。
図20に示されるように、金属を成長させる選択が行われる場合、前述の実施例のいずれかまたは全てが、別の半導体層を金属にわたってエピタキシャルに成長させる目的のために繰り返され得る。
図20は、エピタキシャル内層の3つの実施例を描写するが、他のエピタキシャル内層も、代わりに、または組み合わせて、使用されることができる。
【0100】
図21は、随意の内層を伴う繰り返される金属/半導体構造を有する、例示的層構造2100を描写する。層構造2100は、3つの単位2102、2104、および2106を含む。層構造2100は、他の数の単位も含有することができるが、3つが、例証目的のためにここでは示される。各単位は、同一であることができる、または層スタック内の単位のうちの1つまたはそれを上回るものは、異なることができる。
図21はまた、層構造2100内の例示的単位2050を描写する。本例示的単位2050は、第1のエピタキシャル金属層2052にわたってエピタキシャルに成長された第1の内層2054と、第1の内層2054にわたってエピタキシャルに成長された半導体層2056と、半導体層2056にわたってエピタキシャルに成長された第2の内層2058と、第2の内層2058にわたってエピタキシャルに成長された第2のエピタキシャル金属層2060とを含有する。層構造内の単位のいずれかは、第1および第2の内層2054ならびに2058のいずれも含まない、そのうちの1つを含む、または両方を含むことができる。加えて、1つの単位内の第2のエピタキシャル金属層2058は、上方の単位内の第1のエピタキシャル金属層2092と同一であることができる。単位内のエピタキシャル金属層2052および2060の一方または両方は、単一金属、傾斜金属層、複数のサブ層を伴う金属層、および/または複数の金属層を伴う超格子であることができる。
【0101】
図22は、下方の層を現場外処理および/または素子操作に合致させるための最終エピタキシャル層を有する、例示的層構造2200、2230、および2260を描写する。これらは、限定ではないが、層構造2200内におけるように上側金属層を酸化から保護するための金属珪化物の使用、層構造2230内におけるように伝導性を向上させるためのグラフェンまたは他の2D構造の追加、希土類ニクタイド層、および層構造2260におけるように下層エピタキシャルスタックを電気的に隔離するための誘電または絶縁体のいずれかとしての結晶REO層の追加を含む。これらの3つの最上層は、単一層実体として示されるが、そのような層の提供は、ここに示されない付加的層を要求し得ることが予期されることに留意されたい。
【0102】
層構造2200は、半導体層2202と、半導体層2202にわたるエピタキシャル金属層2204と、エピタキシャル金属層2204にわたるエピタキシャル金属珪化物層2206とを含む。層構造2230は、半導体層2232と、半導体層2232にわたるエピタキシャル金属層2234と、エピタキシャル金属層2234にわたるグラフェン層2236とを含む。描写されないが、2230では、スタックは、それを機械的および化学的に保護するために、グラフェン層にわたる付加的半導体、金属、または絶縁体を含んでもよい。層構造2260は、半導体層2262と、半導体層2262にわたるエピタキシャル金属層2264と、エピタキシャル金属層2264にわたる結晶REO層2266とを含む。
【0103】
本明細書に説明される成長および/または堆積は、化学蒸着法(CVD)、有機金属化学蒸着法(MOCVD)、有機金属気相成長法(OMVPE)、原子層堆積法(ALD)、分子線成長法(MBE)、水素化物気相成長法(HVPE)、パルスレーザ堆積法(PLD)、および/または物理蒸着法(PVD)のうちの1つまたはそれを上回るものを使用して行われることができる。
【0104】
本明細書に説明されるように、層は、表面を被覆する実質的に均一厚の材料を意味する。層は、連続または断続(すなわち、材料の領域間に間隙を有する)のいずれかであることができる。例えば、層は、表面を完全に被覆する、または集合的に層を画定する、離散領域(すなわち、選択的面積エピタキシを使用して形成される領域)に区画化されることができる。層基板は、層のセットを意味し、独立型構造またはより大きい構造の一部であることができる。
【0105】
「モノリシックに統合される」とは、典型的には、表面上に配置される層を堆積させることによって、基板の表面上に形成されることを意味する。
【0106】
「配置される」とは、下層材料または層の「上に存在する」ことを意味する。本層は、好適な表面を確実にするために必要な遷移層等の中間層を備えてもよい。例えば、材料が「基板上に配置される」ように説明される場合、これは、(1)材料が基板と直に接触すること、または(2)材料が基板上に常駐する1つまたはそれを上回る遷移層と接触することのいずれかを意味することができる。
【0107】
「単結晶」とは、実質的に1つのみのタイプの単位胞を備える、結晶構造を意味する。しかしながら、単結晶層は、積層欠陥、転位、または他の一般に生じる結晶欠陥等、いくつかの結晶欠陥を呈し得る。
【0108】
「単分域」とは、単位胞の実質的に1つのみの構造と、その単位胞の実質的に1つのみの配向とを備える、結晶構造を意味する。言い換えると、単分域結晶は、双晶形成または逆相分域を呈さない。
【0109】
「単相」とは、単結晶および単分域の両方である、結晶構造を意味する。
【0110】
「結晶質」とは、実質的に単結晶および実質的に単分域である、結晶構造を意味する。結晶度は、結晶構造が単結晶かつ単分域である程度を意味する。高結晶構造は、ほぼ完全または完全に単結晶かつ単分域となるであろう。
【0111】
「非晶質」とは、長距離規則度を伴わない材料を意味する。
【0112】
「基板」とは、堆積される層が形成される材料を意味する。例示的基板は、限定ではないが、ウエハが単結晶シリコンの均質厚を備える、バルクシリコンウエハ、バルクシリコンハンドルウエハ上に配置される二酸化硅素層の上に配置されるシリコンの層を備える、絶縁体上シリコンウエハ等の複合ウエハ、またはその上もしくはその中に素子が形成される基層としての役割を果たす、任意の他の材料を含む。用途に応じて、基板層およびバルク基板として使用するために好適なそのような他の材料の実施例は、限定ではないが、ゲルマニウム、アルミナ、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、シリカ、二酸化硅素、硼珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、およびサファイアを含む。
【0113】
「ミスカット基板」とは、基板の結晶構造と関連付けられた、それに対してある角度で配向される表面結晶構造を備える、基板を意味する。例えば、6°ミスカット<100>シリコンウエハは、<110>等の別の主要結晶配向に向かって6°だけ<100>結晶配向に対してある角度で切断された<100>シリコンウエハを備える。典型的には、必ずしもではないが、ミスカットは、最大約20°となるであろう。具体的に記載されない限り、語句「ミスカット基板」は、任意の主要結晶配向を有するミスカットウエハを含む。すなわち、<011>方向に向かってミスカットされた<111>ウエハ、<110>方向に向かってミスカットされた<100>ウエハ、および<001>方向に向かってミスカットされた<011>ウエハである。
【0114】
「絶縁体上半導体」とは、単結晶半導体層と、単相誘電層と、基板とを備え、誘電層が半導体層と基板との間に介在される、組成物を意味する。本構造は、典型的には、単結晶シリコン基板と、非単相誘電層(例えば、非晶質二酸化硅素等)と、単結晶シリコン半導体層とを含む、先行技術の絶縁体上シリコン(「SOI」)組成物を連想させる。先行技術のSOIウエハと本発明の絶縁体上半導体組成物との間のいくつかの重要な区別は、以下である。
【0115】
絶縁体上半導体組成物は、単相形態を有する、誘電層を含む一方、SOIウエハは、含まない。実際、典型的SOIウエハの絶縁体層は、単結晶ですらない。
【0116】
絶縁体上半導体組成物は、シリコン、ゲルマニウム、またはシリコン−ゲルマニウム「活性」層を含む一方、従来技術のSOIウエハは、シリコン活性層を使用する。言い換えると、例示的絶縁体上半導体組成物は、限定ではないが、絶縁体上シリコン、絶縁体上ゲルマニウム、および絶縁体上シリコン−ゲルマニウムを含む。
【0117】
「電極」とは、回路の一部と接触するために使用される、伝導性材料を意味する。電極は、金属、半金属、半導体、珪化物、窒化物、および非金属から作製されることができるが、それらが接触する回路の一部より伝導性である。
【0118】
第2の層の「上にある」またはそれ「にわたる」ように本明細書に説明および/または描写される第1の層は、第2の層に直に隣接することができる、もしくは1つまたはそれを上回る介在層が、第1および第2の層間に存在することができる。第2の層または基板の「直接上にある」もしくはそれ「に直接わたる」ように本明細書に説明および/または描写される、第1の層は、可能性として、第1の層と第2の層または基板の混合に起因して形成され得る、介在合金層以外に、介在層が存在せずに、第2の層または基板に直に隣接する。加えて、第2の層または基板の「上にある」、それ「にわたる」、その「直接上にある」、またはそれ「に直接わたる」ように本明細書に説明および/または描写される、第1の層は、第2の層もしくは基板全体または第2の層もしくは基板の一部を被覆してもよい。
【0119】
基板は、層成長の間、基板ホルダ上に設置され、したがって、上部表面または上側表面は、基板ホルダから最も遠い基板または層の表面である一方、底部表面または下側表面は、基板ホルダに最も近い基板または層の表面である。本明細書に描写および説明される構造のいずれかは、描写されるものの上方および/または下方に付加的層を伴う、より大きい構造の一部であることができる。明確にするために、本明細書における図は、これらの付加的層を省略し得るが、これらの付加的層は、開示される構造の一部であることができる。加えて、描写される構造は、本繰り返しが図に描写されない場合でも、単位として繰り返されることができる。
【0120】
前述の説明から、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される概念を実装するための種々の技法が使用されてもよいことが明らかである。説明される実施形態は、あらゆる点において、例証であって、制限ではないと見なされるものとする。また、本明細書に説明される技法および構造は、本明細書に説明される特定の実施例に限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施例においても実装されることができることを理解されたい。同様に、動作が、特定の順序で図面に描写されるが、これは、そのような動作が示される特定の順序または順次順序で行われること、または全ての図示される動作が望ましい結果を達成するために行われることを要求するものと理解されるべきではない。