(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
流体の収集及び/又は移動促進のための物品及び方法が、提供される。いくつかの実施形態において、物品は、試料(例えば、血液試料)又は試薬のような流体を流体のシステムに取り込むための流体収集部を備える。ここに記載された物品及び方法は、マイクロ流体の装置のような、流体を有する比較的小さなチャネルの充填の促進に役立ち得る。物品及び方法は、例えば、患者試料(例えば、血液液滴)又はピペット若しくはシリンジのような巨視的な流体源と適合し得る。ある実施形態において、ここに記載された物品及び方法は、ある既存流体収集装置と比較して、患者から流体の試薬の収集しやすさを向上させ、流体の試料のこぼれを防ぎ若しくは減らし、流体の試料の汚染を減らし、及び/又は流体の試料若しくは装置の侵入から空気を防ぎ若しくは減らし得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、ここに記載されているような流体の収集及び/又は移動促進のための物品が、流体収集装置である。流体収集装置は、エッジ及び側壁を備える流体収集部を備え得る。例えば、
図1Aで実例的に示されるように、流体収集装置100は、エッジ110及び側壁120を備える流体収集部105を備える。いくつかの実施形態において、エッジ110及び側壁120は互いに(その必要性はないが)直接接触している。いくつかの場合において、エッジ及び側壁は、一つの材料(例えば、型成形されて)から作られてもよい。その他の実施形態において、エッジ及び側壁は、別々に作られ、それらが互いに(例えば、接着剤または同種のものを用いて)直接接触するように結合されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、側壁の少なくとも一部(例えば、底部)は、流体を受け、及び/又は保持するように構成及び配置される。
図1Bで実例的に示されるように、流体収集装置100は(流体収集装置の断面図として示されるように)、流体収集部105を備える。流体収集部105は、エッジ110及び側壁120を含んでもよく、そしてそこで側壁120は、底部125を含むか又は取り付けられる。ある実施形態において、底部は、流体試料又は試薬(例えば、血液)のような流体を受け、及び/又は保持するように構成及び配置される。エッジの少なくとも一部は、いくつかの実施形態において、下記でより詳細に説明されるように、先端を細くされても(テーパを付けても)よい。例えば、
図1Bで示されるように、エッジ110は、テーパ表面115を備えてもよい。
【0016】
ある実施形態において、流体収集装置はチャネルを含む。チャネルは、流体収集装置から他のチャネル、装置又は流体コネクタ(例えば、下記でより詳細に説明されるような流体のコネクタ)への流体の移動を促進し得る。いくつかの実施形態において、チャネルは、流体収集部と一体化して接続され、流体の伝達をする。例えば、再度
図1Bを参照すると、チャネル130は、流体収集部105(例えば、流体収集部の底部又は側部)と一体化して接続され、流体の伝達をし得る。
【0017】
流体収集部に接続されたチャネルは、任意の適切な形状及び/又は構造を有してもよい。いくつかの実施形態において、チャネルの少なくとも一部は、くぼんでいてもよい。例えば、
図1Cで実例的に示されるように、流体収集装置101は、エッジ110、側壁120及びチャネル130を含む流体収集部105を備える。いくつかのそのような実施形態において、チャネル130は、凹部132を備えてもよい。チャネルの凹部は、例えば、流体のチャネル及び/又は流体のコネクタのような第2のチャネルの、流体収集装置のチャネルへの挿入のガイドのために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、流体収集装置(及び/又は流体収集装置内のチャネル)は、第2のチャネルが流体収集装置のチャネルの少なくとも一部(又はチャネルの凹部)と可逆的に接続されるように構成される。不可逆の接続はまた、いくつかの実施形態において可能である。第2のチャネルが流体収集装置のチャネルに挿入された実施形態において、流体収集装置のチャネルは、受け取りチャネルとみなされてもよい。
【0018】
その他の実施形態において、流体収集装置のチャネルは、凸部、又は流体収集装置から外側へ伸びる部位を含んでもよい。そのようなチャネルは、例えば、第2のチャネル(例えば、流体コネクタ又は装置の受け取りチャネル)へ挿入されてもよい。流体収集装置でのチャネルのその他の構成はまた、可能である。
【0019】
いくつかの実施形態において、患者試料の収集のための方法が提供される。いくつかの分析/装置は、検査を行うために一定量の患者試料(例えば、血液)を要求する。例えば、装置に12.4マイクロリットルの血液を確保するには、15マイクロリットル以上の指の血液を必要とする。血液液滴が指の上にある場合、指上の15−25又は20−25マイクロリットルの液滴を保持するのは難しい。血液は、そのような量の場合、指からとても滴り落ちやすく、結果として、患者は、液滴が滴り落ちることを避けるために、血液をできるだけ少なく指ににじみ出させる傾向がある。少量の血液液滴で、ユーザは、装置に必要な12.4マイクロリットルの全てを手に入れるために、残った血液を得るために、毛細管の末端で血液にこすり付け得る。場合によっては、一部の血液は、既に凝固しているかもしれない。この工程中に、しかしながら、肌上の何らかの汚染物質が試料内に取り込まれる可能性がある。この工程は従って、場合によっては結果を不正確にし得る。例えば、小さな血液液滴からの収集と、正常に完了するための分析の失敗(例えば、装置の検出領域を通じた全血液の流動中の障害物発生に起因して)との間の正の相関を示す研究が行われてきた。
【0020】
ここに記載された方法は、そのような方法なしに可能だったであろう他の方法より大きな及び/又はより小さな汚染された試料を患者に収集させることによって、これらの問題に対処し得る。例えば、いくつかの実施形態において、装置の分析/使用を実施するための必要な試料の臨界容量が確保された後にのみ、装置又は装置の構成要素は、満たされる(又は試料が装置に取り込まれる)。例えば、方法は、一定量の流体(例えば、少なくとも約24マイクロリットル又はここで記載されたその他の適切な量)をここで記載された装置の流体収集部に取り込むこと、及び流体収集装置と流体伝達し、可逆的に接続された流体のチャネルへ流体収集装置から流体の少なくとも一部(及びいくつかの実施形態においては、全てではない)を移動すること、を含んでもよい。
【0021】
ここに記載されているように、いくつかの実施形態において、流体収集装置は、流体試料を収集するために使用されてもよい。流体収集のステップ中、流体収集装置の少なくとも一部(例えば、エッジ及び/又はテーパエッジの少なくとも一部)は、表面及び/又は表面に付着した流体(例えば、液滴)に接触してもよい。ある実施形態において、表面は、患者の人肌の表面の少なくとも一部(例えば、指又は耳たぶの皮膚のような、人肌に付着した血液液滴)を備える。いくつかの実施形態において、人肌の表面は、血液液滴が出るような孔を(例えば、ランセット、針などを用いて)開けられる。流体収集装置のエッジは、血液液滴が流体収集部の内部に取り込まれるように皮膚の表面に接触されてもよい(例えば、こすり付け)。典型的な実施形態において、孔を開けられた皮膚の表面は、そこの血液液滴を含んでもよい。血液液滴は、逆さに(例えば、血液液滴が皮膚の表面から垂れ下がるように)されてもよく、血液は、血液収集部の側壁に対して血液を垂れさせることで(例えば、血液が流体収集装置に重力で流れるように側壁に血液を接触させることで)、血液収集装置によって収集され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、方法は、指腹での採血(例えば、指の表面に血液液滴を作るために)を行うこと、指腹での採血部位を下に向けるように(例えば、血液液滴が皮膚の表面から垂れ下がるように)指を保持すること、そして12マイクロリットル以上、13マイクロリットル以上、14マイクロリットル以上、15マイクロリットル以上、16マイクロリットル以上、17マイクロリットル以上、18マイクロリットル以上、19マイクロリットル以上、20マイクロリットル以上、21マイクロリットル以上、22マイクロリットル以上、23マイクロリットル以上、24マイクロリットル以上、25マイクロリットル以上、26マイクロリットル以上、27マイクロリットル以上、28マイクロリットル以上、29マイクロリットル以上又は30マイクロリットル以上の容量を有するひとつの血液液滴を収集するために収集装置(ここに記載されているように)を使うこと、を含む。いくつかの実施形態において、液滴の容量は、35マイクロリットル以下、30マイクロリットル以下、25マイクロリットル以下、20マイクロリットル以下又は15マイクロリットル以下である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、15マイクロリットル以上かつ35マイクロリットル以下)。その他のレンジもまた可能である。いくつかの実施形態において、上記に説明された行為を行うために取扱説明書(例えば、書面の取扱説明書)がユーザに提供される。
【0023】
ひとつの例として、
図1Dで実例的に示されるように、流体収集装置100のエッジ110は、表面140及び/又は表面に付着した流体150(例えば、液滴)に接触してもよい。いくつかの実施形態において、エッジは表面に沿ってこすり付けられる。いくつかのそのような実施例において、表面にこすり付けることは、表面が流体収集装置に接触すること、及び表面に存在する流体の少なくとも一部が流体収集部に取り込まれるように流体収集装置が動くこと、を伴う。いくつかの実施形態において、流体の少なくとも一部は、接触及び/又はこすり付け後、流体収集装置の側壁(例えば、
図1Dの側壁120の内部表面)に沿って垂れる。流体は、例えば、流体が流体収集装置の底部125へ流れるように流体収集装置を回転することで、流体収集装置の側壁に沿って重力で流れ得る。いくつかの場合において、側壁は、側壁に対する流体流動を促進するために、コーティング(例えば、親水性被膜で)されてもよい。ある実施形態において、流体の少なくとも一部は、流体収集装置のチャネル(例えば、
図1Dのチャネル130)に接触する。流体の少なくとも一部は、チャネル(例えば、受け取りチャネル)に入り得る。
【0024】
ある実施形態において、流体は、こすり付けることなく流体収集部に取り込まれ(例えば、投入され)てもよい。例えば、
図1Eで実例的に示されるように、流体150は、流体収集装置100の流体収集部105に直接的に取り込まれてもよい。流体は、滴らせ、投入し(例えば、ピペットによって投入されて、注射器によって投入されて、毛細管によって投入されて)、注ぎ、液化し及び噴霧することを含むがそれらに限定されない、任意の適切な方法を使用して流体収集に取り込まれてもよい。いくつかの実施形態において、流体は、側壁の表面上に取り込まれる。
【0025】
いくつかの実施形態において、流体収集部は、存在する流体が流体収集装置(又は毛細管のような、チャネル内に挿入された流体経路)のチャネルを満たす前に、特定の容量(又は容量のレンジ)を保持するように構成されて配置される。例えば、いくつかの実施形態において、流体収集部は、流体がチャネル(又は流体経路入口のような流体経路)を満たさずに、流体収集部(例えば、流体収集部の底又は側面のチャネル)と流体の伝達をして流体の特定の容量を保持してもよい。そのようないくつかの実施形態において、流体は、流体が特定の臨界容量以上の容量に達したとき、チャネル(又はチャネルにある流体経路)にようやく入り得る。流体は、チャネル又は流体収集部に、圧力(正圧又は負圧)を加えなくても、重力でチャネル(又はチャネルに挿入された流体経路)に入り得る。好適には、特定の容量が流体収集部にたまるまで流体を保持することは、例えば、流体の収集中にチャネル(又は流体経路)内で気泡が発生するのを避け得る。例えば、試料の収集中(例えば、指を刺した傷による、指の表面からの血液収集中)、もし試料が5マイクロリットルずつ計30マイクロリットル収集されるとき、チャネルに流し始めるために必要とされる臨界容量を26マイクロリットルと仮定すると、試料は流体収集部に30マイクロリットルたまるまでチャネル(又は流体経路)に流れない。一方、流体収集部の形状によって、流動が生じる前に特定の容量が到達されるまで流体を溜めることができなければ、各5マイクロリットルの試料は、流体収集部に入ったときチャネル(又はチャネルに挿入された流体経路)を満たすことになる。この状況において、気泡はチャネルの各5マイクロリットルの容量の間に存在し得る。
【0026】
特定の流体収集装置の臨界容量、すなわち、流体収集部が流体収集部に接続されたチャネル(又はチャネルにある/挿入された流体経路)を満たすより前に保持できる流体の容量は、流体収集部で制御流体(例えば、純水、水性染料溶液又は総前立腺特異抗原(TPSA)External Control Matrixのような関連材料)を収集すること、及び流体収集部と流体の伝達をし、そして接続されたチャネル(又はチャネルにある流体経路)に流体を満たすために要求される最小容量を測定することによって判断されてもよい。例えば、
図1Hを参照すると、流体収集部の臨界容量は、流体経路入口129(例えば、下記でより詳細に説明される毛細管のようなチューブ)のチャネル130(例えば、受け取りチャネル)への挿入、流体が最初に流体収集部105に入り、底部125(例えば、流体が最初にチャネル130に接触せずに)に接触するが流体経路入口を満たさないような流体150(例えば、制御流体)の収集、そして流体経路入口が満たされるために必要な流体150の最小容量の測定、によって判断され得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、臨界容量を判断するために、流体収集装置の側壁の少なくとも一部に流れ落ちるような方法で流体は追加される。流体経路入口129は、流体経路入口の終端が(例えば、流体収集部の底部125から伸びる流体経路の最大高さ又は距離131であってもよく)、流体収集部の底部から少なくとも50ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも150ミクロン、少なくとも200ミクロン、少なくとも250ミクロン、少なくとも290ミクロン、少なくとも300ミクロン、少なくとも400ミクロン、少なくとも500ミクロン、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm又は少なくとも9mm(例えば、底部125のチャネル130への入口の上側へ)、及び/又は10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500ミクロン以下、400ミクロン以下、300ミクロン以下、290ミクロン以下、200ミクロン以下、100ミクロン以下又は50ミクロン以下(例えば、底部125のチャネル130への入口の上側へ)、に位置されるように、チャネル130内(例えば、受け取りチャネル)に挿入されてもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である。
【0028】
いくつかの実施形態において、流体経路入口の終端は、受け取り経路の中に位置されてもよく、流体収集部の底部に達していなくてもよい。例えば、流体経路入口の終端は、少なくとも50ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも150ミクロン、少なくとも200ミクロン、少なくとも250ミクロン、少なくとも290ミクロン、少なくとも300ミクロン、少なくとも400ミクロン、少なくとも500ミクロン、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm又は少なくとも9mm、及び/又は10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500ミクロン以下、400ミクロン以下、300ミクロン以下、290ミクロン以下、200ミクロン以下、100ミクロン以下又は50ミクロン以下である、流体収集部の底部から少し離れた受け取り経路の中に位置されてもよい(例えば、終端はチャネル130の中に位置される)。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である。
【0029】
ある実施形態において、流体経路入口の外側断面寸法及び流体収集装置のチャネル130(例えば、開口134で測定され得る受け取りチャネル)の内側断面寸法の比は、約1:1.01から約1:1.25までの間、又はここに記載されているような他の適切な比である。当業者は、もし制御流体が流体経路入口に直接追加されたとき、制御流体は直ちに流体経路入口を満たし得、追加された制御流体の量は流体収集装置の臨界容量とみなされないだろうと、理解するだろう。
【0030】
流体収集部は、任意の適切な臨界容量を有するよう設計されてもよい。すなわち、流体収集部は、流体収集部に接続されたチャネル(又はチャネル内に配置された第2のチャネル)を満たさずに、特定の容量を有する制御流体を保持するように構成されて配置されてもよい。いくつかの実施形態において、制御流体の臨界保持容量は、30マイクロリットル以下、25マイクロリットル以下、22マイクロリットル以下、20マイクロリットル以下、18マイクロリットル以下、16マイクロリットル以下、14マイクロリットル以下、12マイクロリットル以下、10マイクロリットル以下、5マイクロリットル以下、2マイクロリットル以下又は1マイクロリットル以下であってもよい。ある実施形態において、制御流体の臨界保持容量は、少なくとも0.1マイクロリットル、少なくとも0.5マイクロリットル、少なくとも1マイクロリットル、少なくとも2マイクロリットル、少なくとも5マイクロリットル、少なくとも10マイクロリットル、少なくとも12マイクロリットル、少なくともマイクロ14リットル、少なくとも16マイクロリットル又は少なくとも18マイクロリットルであってもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも0.1マイクロリットルかつ20マイクロリットル以下)。その他のレンジもまた可能である。いくつかの実施形態において、制御流体(例えば、20マイクロリットル未満の容量を有する)は、チャネルを満たさずに制御流体の少なくとも一部がチャネル(又はそこに配置された流体のチャネル)に接触するようにここに記載されているような流体収集部に取り込まれてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、流体収集装置を使って収集された流体の臨界容量は、30マイクロリットル以下、25マイクロリットル以下、22マイクロリットル以下、20マイクロリットル以下、18マイクロリットル以下、16マイクロリットル以下、14マイクロリットル以下、12マイクロリットル以下、10マイクロリットル以下、5マイクロリットル以下、2マイクロリットル以下又は1マイクロリットル以下であってもよい。ある実施形態において、流体収集装置を使って収集された流体の臨界保持容量は、少なくとも0.1マイクロリットル、少なくとも0.5マイクロリットル、少なくとも1マイクロリットル、少なくとも2マイクロリットル、少なくとも5マイクロリットル、少なくとも10マイクロリットル、少なくとも12マイクロリットル、少なくとも14マイクロリットル、少なくとも16マイクロリットル又は少なくとも18マイクロリットルであってもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも0.1マイクロリットルかつ20マイクロリットル以下)。
【0032】
いくつかの実施形態において、制御流体の容量が、流体収集部の臨界容量よりも少なくとも容量が大きなとき、制御流体はチャネル(又はここに記載された第2のチャネルのような、そこに配置された流体のチャネル)に流され、満たされる。例えば、20マイクロリットルの臨界容量を有する流体収集部のために、制御流体の少なくとも一部がチャネルに接触し、取り込まれた制御流体の容量が20マイクロリットルより大きくなるまでチャネルを満たさないように、制御流体は流体収集部に取り込まれてもよい。ここに記載された実施形態において、臨界容量の測定に使われた制御流体は、純水、水性染料溶液又はここに記載されているようなexternal controlであってもよい。臨界容量はまた、血液試料(制御されていない流体)で評価された。
【0033】
いくつかの実施形態において、流体収集装置の流体収集部は、流体を含有または保持するための特定の総容量、すなわち、保持容量、を有する。保持容量は、流体の少なくとも一部が側壁120の最上部に達する、又はチャネル130を通じて出る前に、側壁に対して実質的に垂直な部位で保持される、流体収集装置の流体収集部への流体の増分を増やすための追加(25度の温度かつ1気圧下で)によって、測定され得る。そのような場合には、流体収集部と流体の伝達をする任意のチャネルの入口及び/又は出口は、閉じられる。したがって、保持容量は、流体収集装置の任意のチャネル内に含まれる流体のあらゆる容量を含まない。当業者は、保持容量が流体収集装置から水がこぼれ出るより先に形成する、メニスカスの容量を含み得ることを理解するだろう。理論に縛られることを望むものではないが、メニスカスは、側壁及び/又はチャネルの底での流体表面張力の結果として形成され得る。
【0034】
ある実施形態において、流体収集部は、5mL以下、4mL以下、3mL以下、2mL以下、1mL以下、750マイクロリットル以下、500マイクロリットル以下、250マイクロリットル以下、200マイクロリットル以下、100マイクロリットル以下、50マイクロリットル以下、25マイクロリットル以下、12マイクロリットル以下、10マイクロリットル以下又は5マイクロリットル以下の保持容量を有してもよい。いくつかの実施形態において、流体収集部は、1マイクロリットル以上、5マイクロリットル以上、10マイクロリットル以上、12マイクロリットル以上、25マイクロリットル以上、50マイクロリットル以上、100マイクロリットル以上、200マイクロリットル以上、250マイクロリットル以上、500マイクロリットル以上、500マイクロリットル以上、750マイクロリットル以上、1mL以上、2mL以上、3mL以上又は4mL以上の保持容量を有してもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、1マイクロリットル以上かつ5mL以下、1マイクロリットル以上かつ200マイクロリットル以下、12マイクロリットル以上かつ50マイクロリットル以下)。その他のレンジもまた可能である。
【0035】
流体収集部は、任意の適切な寸法を有してもよい。いくつかの実施形態において、流体収集部は、特定レンジ中の最長断面寸法を有する。流体収集部の最長断面寸法は、ここに記載されているように、一つ以上のエッジ(例えば、テーパエッジ)、底部及び/又は流体収集部の側壁(例えば、流体収集部と一体化して接続され、流体の伝達をする側壁)の二つの内部点間の最長線形(例えば、直線)距離を決定することによって測定される。例えば、
図1Fで示されるように、いくつかの実施形態において、最長断面寸法180は、流体収集装置101の側壁(例えば、
図1Eの側壁120)の内部点からエッジの最遠の内部点の間の線形距離を決定することによって測定される。ある実施形態において、最長断面寸法は、底及び/又はエッジの2点間の最遠距離である。例えば、いくつかの実施形態において、底部125は曲げられ、流体収集部の最長寸法は、エッジ(例えば、
図1Fのエッジ110)の最遠の内部点と底部(例えば、
図1Fの底部125)の最下点間の線形距離を決定することによって測定され得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、流体収集部の最長断面寸法は、5cm以下、2cm以下、1.5cm以下、1cm以下、0.5cm以下、0.2cm以下又は0.1cm以下である。ある実施形態において、流体収集部の最長断面寸法は、0.05cm以上、0.1cm以上、0.2cm以上、0.5cm以上、1cm以上又は1.5cm以上である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、0.05cm以上かつ2cm以下)。ここに記載されているように、流体収集部は、エッジ、すなわち、流体収集部の最外部、を含んでもよい。エッジは、例えばエッジが流体の液滴が付着された表面にこすり付けられるようなとき、流体の収集を促進し得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、エッジは特定の形状を有してもよい。ある実施形態において、エッジは丸められても又は曲げられてもよい。例えば、
図2Aから
図2Cで実例的に示されるように、流体収集装置200は、流体収集部202を備える。流体収集部202は、エッジ210、側壁220、底部225及びチャネル230を備えてもよい。いくつかのそのような実施形態において、エッジ210は、曲げられてもよく、特定の曲率半径を有してもよい。ある実施形態において、エッジの曲率半径は、1mm以上、2mm以上、3mm以上、5mm以上、6mm以上、7mm以上、8mm以上又は9mm以上であってもよい。いくつかの実施形態において、エッジの曲率半径は、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、3mm以下又は2mm以下である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、1mm以上かつ10mm以下、5mm以上かつ10mm以下)。その他のレンジもまた可能である。ある実施形態において、エッジは、形が実質的に線形である。その他のエッジの形状もまた可能であり、V字形状、U字形状、長方形、n辺の多角形(例えば、大きなnを有すれば、多角形状は円形状に近似され得る)、楕円形及び複合曲線を含むがそれらに限定されない。エッジは、側壁の形状と実質的に似ている形状を有してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、エッジの少なくとも一部は、垂直(流体収集装置のチャネルの方向に対して)45度以内、40度以内、35度以内、30度以内、25度以内、20度以内、15度以内、10度以内、5度以内、2度以内又は1度以内に向けられている。その他の角度もまた可能である。例えば、
図1Gで実例的に示されるように、流体収集装置102は、エッジ112、及び垂直45度以内に向けられた側壁の一部を備える。いくつかの実施形態において、エッジの全て又は一部は、実質的に垂直である。ある実施形態において、エッジの全て又は一部は、流体収集装置のチャネルの方向に対して、上記に記された角度の少なくとも一つ以内である。例えば、再度
図2Aから
図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、流体収集装置200は、実質的に垂直であるエッジ210を備える。
【0039】
ある実施形態において、エッジはテーパを付けている。テーパエッジは、流体収集部の表面からの流体の移動を促進し得る。いくつかの場合において、テーパエッジは、収集された流体内の気泡の存在を減らし、若しくは防ぎ、及び/又は収集された流体の汚染を防ぎ得る。
図1Bで示されるように、テーパエッジ115は、流体収集部に対して内側に配置されてもよい。また一方、テーパ表面は、流体収集部に対して外側に配置されてもよい。ある実施形態において、エッジの内側と外側の両方にテーパを付けてもよい。再度
図2Aから
図2Cを参照すると、流体収集部202は、直接エッジ210に接するテーパエッジ215を備えてもよい。いくつかの実施形態において、テーパエッジは、流体収集装置のチャネルの方法に対して測定された、任意の適切なテーパ角を有してもよい。ある実施形態において、テーパエッジのテーパ角は、少なくとも0度、少なくとも1度、少なくとも5度、少なくとも10度、少なくとも20度、少なくとも30度、少なくとも45度、少なくとも60度、少なくとも70度又は少なくとも80度である。いくつかの実施形態において、テーパエッジのテーパ角は、90度以下、80度以下、70度以下、60度以下、45度以下、30度以下、20度以下、10度以下、5度以下又は1度以下であってもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも1度かつ90度以下)。その他のレンジもまた可能である。
【0040】
流体収集部のエッジは、任意の適切な最大厚みを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、エッジの最大厚みは、2mm未満、1.5mm未満、1mm未満、0.5mm未満、0.25mm未満又は0.1mm以下である。ある実施形態において、エッジの最大厚みは、0.05mm以上、0.1mm以上、0.25mm以上、0.5mm以上、1mm以上又は1.5mm以上である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、0.1mm以上かつ2mm未満)。その他のレンジもまた可能である。いくつかの実施形態において、エッジは、均一の厚みを有してもよい。
【0041】
ここに記載されているように、流体収集部は、側壁を含んでもよい。側壁は、収集される流体の容量の保持を促進し得る。いくつかの実施形態において、側壁は、ここに記載されているような一つ以上のチャネル(例えば、流体を移動するため)を含んでもよい。側壁は、いくつかの場合において、上記に記載されるように、最小保持容量が流体収集部で超過されるまで、一つ以上のチャネルを満たさずに流体収集部内に流体の特定容量の収集を可能とし得る。好適には、側壁は、いくつかの実施形態において、流体のコネクタ及び/又は流体のシステムへの流体の移動より前の、収集される流体のこぼれ及び/又は汚染を防ぎ得る。
【0042】
側壁は、任意の適切な形状を有してもよい。例えば、ある実施形態において、側壁は、正方形、長方形、多角形、楕円形、円形又は三角形のような形状を有する、垂直方向に対して測定された、少なくとも一つの断面を有してもよい。例えば、再度
図2Aから
図2Cを参照すると、側壁220は、円形状を有する、垂直方向に対して測定された、少なくとも一つの断面を備える。その他の形状もまた可能である。
【0043】
流体収集部の側壁は、任意の適切な最大厚みを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、側壁の最大厚みは、5mm未満、3mm未満、2mm未満、1.5mm未満、1mm未満、0.5mm未満又は0.25mm未満である。ある実施形態において、側壁の最大厚みは、0.1mm以上、0.25mm以上、0.5mm以上、1mm以上又は1.5mm以上である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、0.1mm以上かつ2mm未満)。その他のレンジもまた可能である。いくつかの実施形態において、側壁は、変化する厚み(例えば、側壁の長さ、幅又は外周にわたって)を有してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、側壁(又は側壁で形成された流体収集部)は、特定の最大断面寸法を有する。最大断面寸法は、側壁の一部位から側壁の反対位置にかけて測定された線形寸法、例えば、
図2Aの寸法231、であってもよい。いくつかの実施形態において、最大断面寸法は、側壁で形成された流体収集部の幅又は直径であってもよい。いくつかの実施形態において、側壁(又は側壁で形成された流体収集部)の最大断面寸法は、2cm以下、1.5cm以下、1cm以下、0.5cm以下、0.2cm以下、0.1cm以下、0.05cm以下又は0.02cm以下である。ある実施形態において、側壁(又は側壁で形成された流体収集部)の最大断面寸法は、0.01cm以上、0.02cm以上、0.05cm以上、0.1cm以上、0.2cm以上、0.5cm以上、1cm以上又は1.5cm以上である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、0.01cm以上かつ2cm以下)。
【0045】
ここに記載されているように、いくつかの実施形態において、流体収集装置は、底部を備える。底部は、流体を受け取るための任意の適切な形状を有してもよい。いくつかの実施形態において、底部は、凹形状を有する。例えば、
図2Aから
図2Cで示されるように、底部225は、くぼみ又は丸められている。いくつかの実施形態において、底部の形状は、丸められ、四角くされ、斜めにされ又は漏斗様(例えば、少なくとも部分的に円錐状の)であってもよい。その他の形状もまた可能である。底部は、ここに記載されているような一つ以上のチャネル(例えば流体を移動するための)を含んでもよい。
【0046】
ここに記載されているように、流体収集装置は、そこに接続される一つ以上のチャネル(例えば、マイクロ流体のチャネル)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、チャネルは、流体収集部と一体化して接続され、流体の伝達をする。チャネルは、例えば、流体収集装置から第2のチャネル又は装置への流体の移動を促進し得る。ある実施形態において、ここに記載されたチャネルは、流体移動用の第2のチャネルを受け得る受け取りチャネルである。
【0047】
いくつかの実施形態において、再度
図1Hを参照すると、流体収集部105は、流体経路入口129(又は流体経路そのもの)の容量よりも大きな臨界容量を有するように設計されてもよい。例えば、流体収集部105は、流体150の少なくとも一部が流体収集部から一つよりも多くの(例えば、二つ以上、三つ以上、四つ以上、五つ以上)流体経路入口に移動され得るように、多数の流体経路入口が挿入及び取り外され得る(例えば、連続して)ように構成及び配置されてもよい。典型的な実施形態において、流体は、流体収集部105に取り込まれ、そして十分な流体容量(例えば、流体収集部105の容量よりも大きな容量)に達したとき、流体の少なくとも一部が第1の流体経路入口(例えば、チャネル130に挿入された第1の流体経路入口)へ流れる。第1の流体経路入口は、受け取りチャネル(例えば、流体の少なくとも一部を有する第1の流体経路入口の充填後)から取り外されてもよく、いくつかの実施形態において、第2の流体経路入口は、流体収集部105に残っている流体(例えば、流体150)の少なくとも一部が第2の流体経路入口へ移動されるように、受け取りチャネルに挿入されてもよい。いくつかの実施形態において、チャネル130及び/又は流体収集部105は、第1の流体経路入口の取り外し後、流体150が流体収集部から及び/又は受け取りチャネルへ実質的にリークしないように(例えば、チャネル内に存在する流体経路入口がない場合に流体がチャネル130へリークしないように)構成及び配置される。第1及び第2の流体経路入口は、流体をここに記載された流体の装置(例えば、マイクロ流体の装置)又は多数の流体の装置に取り込むために使われてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、流体収集装置のチャネル(例えば、流体収集部と流体の伝達をする)は、特定の長さを有する。ある実施形態において、チャネルの長さは、凹部(例えば、
図2Bと
図2Cの凹部232)のような任意の成形された部位を含む。いくつかの実施形態において、チャネルの長さは、1mm以上、2mm以上、3mm以上、5mm以上、7mm以上又は9mm以上である。ある実施形態において、チャネルの長さは、10mm以下、9mm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下又は2mm以下である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、1mm以上かつ10mm以下)。その他のレンジもまた可能である。流体収集装置と関連する一つより多いチャネルの実施形態において、各チャネルは各自、上記の言及されたレンジの一つ以上の、長さを有してもよい。
【0049】
流体収集装置のチャネル(例えば、流体収集部と一体化して接続され、及び/又は流体の伝達をするチャネル)は任意の適切な平均内側断面寸法を有してもよい。チャネルの内側断面寸法(例えば、内径)は、流体の流動の方向と垂直に測定される。いくつかの実施形態において、チャネルの平均内側断面寸法は、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下又は0.2mm以下である。ある実施形態において、チャネルの平均内側断面寸法は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm又は少なくとも4mmである。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも0.1mmかつ5mm以下)。その他のレンジもまた可能である。流体収集装置と関連する一つより多いチャネルの実施形態において、各チャネルは各自、上記の言及されたレンジの一つ以上の、平均内側断面寸法を有してもよい。
【0050】
ここに記載されているように、いくつかの実施形態において、流体収集装置のチャネル(例えば、受け取りチャネル)は、凹部を含む。例えば、再度
図1Cを参照すると、チャネル130は、凹部132を備える。いくつかの実施形態において、チャネル(受け取りチャネル)の少なくとも一部は、流体のコネクタ又はその他の流体の装置の、流体のチャネルのような第2のチャネルを受けるように構成及び配置される。凹部は、いくつかの場合において、調整、及び/又は流体のコネクタの流体のチャネルのような第2のチャネルの受けることに役立ち得る。例えば、ある実施形態において、流体のコネクタの流体のチャネルの表面の少なくとも一部は、凹部が流体のチャネルを流体収集装置のチャネルに導くように凹部の表面に接してもよい。凹部は、任意の適切な断面形状(例えば、丸められ、四角くされ、斜めにされ、円錐状にされて)を有してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、側壁の底部(例えば、
図1Cの側壁120の底部125)は、チャネル130に流体的に接続された第1の開口134を備え、チャネルは、第1の開口の直径より大きな直径を有する第2の開口136を有する。ある実施形態において、第1の開口の直径と第2の開口の直径は、同じであり、その他の比もまた可能である。例えば、いくつかの実施形態において、第1の開口に対する第2の開口の直径の比は、1以上、1.25以上、1.5以上、1.75以上、2以上、2.5以上、3以上、4以上又は5以上である。ある実施形態において、第1の開口に対する第2の開口の直径の比は、10以下、5以下、4以下、3以下、2.5以下、2以下、1.75以下、1.5以下又は1.25以下である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、1以上かつ10以下)。その他のレンジもまた可能である。いくつかの実施形態において、第2の開口(例えば、凹部の一部を備える)は、流体のコネクタの流体のチャネルのような第2のチャネルを受けるように構成及び配置される。
【0052】
流体収集装置又は流体収集装置の任意の部分(例えば、流体収集部、エッジ、テーパエッジ、側壁、底部)は、任意の適切な材料から作られてもよい。適切な材料の非限定的な例は、ポリカーボネート、スチレンとブタジエンの共重合体、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ乳酸、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキサイド及びポリエチレンテレフタレートを含む。その他の材料もまた可能である。いくつかの場合において、材料は、生体適合性があってもよい。ある実施形態において、材料は、一つ以上の添加物を備えてもよい。いくつかの実施形態において、添加物は、添加物を有さない材料の表面エネルギと比較して、材料の表面エネルギ(例えば、材料が疎水性となるような、材料が親水性となるような)を変更し得る。添加物は、いくらかの適切な量(例えば、材料の総重量の0.1重量%から20重量%までの間)で存在してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、流体収集装置の一部(例えば、エッジ(例えば、テーパエッジ)、側壁、底部及び又は受け取りチャネルの少なくとも一部)は、処理された表面を有してもよい。例えば、表面全体又は一部は、表面の物理的及び/又は化学的特性を変更するために処理され得る。いくつかの実施形態において、流体収集装置の少なくとも一部は、科学的又は生物学的試薬(例えば、小分子又は生体分子)でコーティングされる。適切な小分子の非限定的な例は、抗凝固剤(例えば、EDTA、クエン酸塩)、洗浄剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、Tween(商標)−20、Tween(商標)−40、Tween(商標)−80、Capstone(登録商標) FS−50及びFS−51のようなフッ素化洗浄剤、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロオクタン酸)、可溶化剤(例えば、β−シクロデキストリンや、メチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基などの官能基で誘導体化されたβ−シクロデキストリン)及びpH緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、ACES、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、炭酸緩衝剤)を含む。適切な生体分子の非限定的な例は、(抗)凝固剤(例えば、ヘパリン、凝固因子)及びタンパク質(例えば、マウスIgG、抗体、タンパク質複合体、ウシ血清アルブミン)を含む。いくつかの実施形態において、流体収集装置の少なくとも一部は、流体収集装置の一部が親水性又は疎水性となるようにコーティングされる。当業者は、化学的機能付与を含むがそれらに限定されない、表面を親水性又は疎水性にするための適切な方法を選択できるだろう。いくつかの実施形態において、流体収集装置の少なくとも一部は、コロナ/プラズマ処理で処理、及び/又は特定の分子若しくは官能基(例えば、アミン、カルボン酸、シラン)でコーティングされる。
【0054】
流体収集装置の少なくとも一部(例えば、エッジ、テーパエッジ、側壁、底部及び/又は受け取りチャネルの少なくとも一部)は、特定の二乗平均平方根(RMS)表面粗さを有してもよい。ある実施例において、RMS表面粗さは、例えば、約5ミクロン以下、約3ミクロン以下、約1ミクロン以下、約0.8ミクロン以下、約0.5ミクロン以下、約0.3ミクロン以下、約0.1ミクロン以下、約0.08ミクロン以下、約0.05ミクロン以下、約0.08ミクロン以下、約0.01ミクロン以下又は約0.005ミクロン以下であってもよい。場合によっては、RMS表面粗さは、約0.005ミクロン以上、約0.01ミクロン以上、約0.05ミクロン以上、約0.1ミクロン以上、約0.5ミクロン以上、約1ミクロン以上又は約3ミクロン以上であってもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、約0.05ミクロン以上かつ約5ミクロン以下、約0.05ミクロン以上かつ約1ミクロン以下)。いくつかの実施形態において、接触が流体に接するように構成される表面(例えば、流体収集部の表面)は、約0.05から0.1ミクロンまでの間のレンジの表面粗さを有してもよい。RMS表面粗さは、当業者には知られている用語であり、
【0055】
【数1】
のように表現され得、ここでAは分析される表面であり、|z−z
m|は平均値からの局所的高さの偏差である。RMS表面粗さは、ここに記載されているように、形状測定を使用して測定されてもよい。
【0056】
一般的に、表面の粗さは、製造中又は任意の適切な方法による修正後に形成され得る。表面粗さの製造又は修正の典型的な方法は、化学エッチング(例えば、酸、アルカリ、腐食性溶剤)、プラズマエッチング(例えば、低圧、大気圧、フレイム、不活性及び/又は反応性ガスのプラズマエッチング)、電気化学エッチング、コロナ放射、機械的方法(例えば、機械加工、レーザ加工、機械研磨、機械研削、ビードブラスティング、グリットブラスティング、ショットピーニング)、超音波加工、電気的方法(例えば、電気化学研磨、放電加工、電鋳)、コーティング(例えば、吹き付けコーティング、物理的蒸着、化学的蒸着、塗装によって)及びそれらの組み合わせを含む。場合によっては、表面粗さは、成形手法の使用によって製造されてもよい。型の表面粗さは、上記方法のいずれか及び/又は型表面のコーティング若しくはメッキの使用によって修正され得る。望ましい表面粗さを製造するその他の方法もまた可能である。
【0057】
いくつかの実施形態において、流体収集装置の少なくとも一部は、特定の湿潤性(例えば、少なくとも約20dyn/cmかつ約60dyn/cm以下の)を有してもよい。いくつかの実施形態において、流体収集装置の少なくとも一部は、少なくとも20dyn/cm、少なくとも25dyn/cm、少なくとも30dyn/cm、少なくとも35dyn/cm、少なくとも40dyn/cm、少なくとも42dyn/cm、少なくとも45dyn/cm、少なくとも50dyn/cm、少なくとも55dyn/cm又は少なくとも56dyn/cmの湿潤性を有してもよい。ある実施形態において、流体収集装置の少なくとも一部は、60dyn/cm以下、56dyn/cm以下、55dyn/cm以下、50dyn/cm以下、45dyn/cm以下、42dyn/cm以下、40dyn/cm以下、35dyn/cm以下、30dyn/cm以下又は25dyn/cm以下の湿潤性を有してもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも20dyn/cmかつ60dyn/cm以下、少なくとも35dyn/cmかつ42dyn/cm以下、少なくとも20dyn/cmかつ56dyn/cm以下)。その他のレンジもまた可能である。湿潤性は、ここに記載されているように、接触角角度測定法によって測定されてもよい。
【0058】
ここに記載されているように、いくつかの実施形態において、流体収集部を備える流体収集装置は、装置、アダプタ、チャネル、入れ物又は流体のコネクタのような、流体の少なくとも一部を含むための第2の容器への流体の取り込みを促進し得る。例えば、
図3Aを参照すると、システム300は、エッジ310及び側壁320を備える流体収集装置を備える。流体収集装置は、容器360への流体の移動を促進し得る。いくつかの実施形態において、容器は、小瓶のような入れ物である。容器は、流体収集装置(例えば、流体収集装置の受け取りチャネルで)と接しても又は接続されてもよい。そのような接触は、可逆又は不可逆であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、容器は、流体のコネクタ(すなわち、流体のチャネルを備える流体の装置)である。いくつかの実施形態において、流体のコネクタは、ここに記載されているように、流体のシステムのためのアダプタとして機能してもよい。ある実施形態において、流体のコネクタは、流体経路入口及び流体経路出口を有する流体経路を含む。いくつかのそのような実施形態において、流体のチャネル(又は流体経路)は、流体収集装置(例えば、受け取りチャネルで)と接続するように構成されて配置される。
図3Bを参照すると、いくつかの実施形態において、システム300は、エッジ310(任意選択的にテーパを付けた、エッジ表面315を有する)、側壁320、底部325及び受け取りチャネル330を備える流体収集装置を備える。いくつかのそのような実施形態において、システム300はさらに、流体のチャネル365を備える流体のコネクタ360(例えば、第2の流体の装置)を備える。ある実施形態において、流体収集装置の受け取りチャネル(受け取りチャネル330)は、流体のコネクタの流体のチャネル(流体のチャネル365)を受けるように構成される。例えば、流体のコネクタの流体のチャネルは、流体のチャネルから伸びるチューブ又はチャネルであってもよい。いくつかのそのような実施形態において、流体のコネクタの流体のチャネルは、少なくとも部分的に流体収集装置の受け取りチャネル内に配置され、そして受け取りチャネルと流体の接続をしてもよい。いくつかの実施形態において、流体収集装置と流体のコネクタの接続時、流体のコネクタの流体のチャネルは、流体収集装置の底部(例えば、底部325)を越えて伸びる。例えば、流体の接続の流体のチャネルは、受け取りチャネルの全長を越え、そして上側へ向かって流体収集部に突き出るように流体収集装置の受け取りチャネル及び底部を越えて伸びてもよい。ある実施形態において、流体のチャネルは、受け取りチャネルに可逆的に接続されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、流体収集装置に取り込まれた流体(例えば、試料又は試薬)は、受け取りチャネル及び/又は受け取りチャネル内に配置された流体のチャネルへ移動(例えば、上記に記載されるような一定量に達したとき)してもよい。
【0061】
流体のコネクタの流体のチャネルは、流体経路入口及び流体経路出口を備えてもよい。例えば、
図4Aで実例的に示されるように、流体のコネクタ460は、流体経路入口475及び流体経路出口480を有する流体のチャネル465を備える。ある実施形態において、流体経路入口は、流体収集装置の受け取りチャネルに接続する。いくつかのそのような実施形態において、流体収集装置と流体のコネクタの接続時、流体のコネクタの流体経路入口は、流体のコネクタと流体収集装置間で流体の伝達をさせるために、流体収集装置の受け取りチャネルに接続する。いくつかの実施形態において、流体収集装置と流体のコネクタの接続時、流体のコネクタの流体経路入口は、流体収集装置の底部を越えて伸びる。例えば、流体の接続の流体のチャネルは、受け取りチャネルの全長を越え、そして上側へ向かって流体収集部に突き出るように流体収集装置の受け取りチャネル及び底部を越えて伸びてもよい。ある実施形態において、流体のチャネルは毛細管である。
【0062】
流体のコネクタ及びその構成要素は、例えば、2012年6月19日に発行された(2008年5月1日に出願された)、「Fluidic Connectors and Microfluidic Systems」という名称の米国特許第8,202,492号にてより詳しく記載されており、本明細書の一部を構成するものとしてその全体を本件明細書に援用する。
【0063】
流体のコネクタの流体のチャネルは、任意の適切な平均内側断面寸法(例えば、流体経路の平均内径)を有してもよい。いくつかの実施形態において、流体のチャネルの平均内側断面寸法は、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下又は0.2mm以下である。ある実施形態において、流体のチャネルの平均内側断面寸法は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm又は少なくとも4mmである。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも0.1mmかつ5mm以下)。その他のレンジもまた可能である。
【0064】
いくつかの実施形態において、流体のチャネルの平均内側断面寸法と受け取りチャネルの平均内側断面寸法の比は、100未満、50未満、25未満、20未満、10未満、5未満、4未満、2未満、1.5未満又は1.2未満である。ある実施形態において、流体のチャネルの平均内側断面寸法と受け取りチャネルの平均内側断面寸法の比は、1.1以上、1.2以上、1.5以上、2以上、4以上、5以上、10以上、20以上、25以上又は50以上である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、1.1以上かつ100未満、1.1以上かつ25未満)。その他のレンジもまた可能である。
【0065】
ある実施形態において、流体のコネクタの流体経路入口の外側断面寸法と流体収集装置の受け取りチャネル(例えば、
図1Cで示される開口134で測定される)の内側断面寸法の比は、約1:1.01から約1:1.25までの間である。例えば、再度
図3Bを参照すると、受け取りチャネル330の内側断面寸法と流体のチャネル365(流体のチャネル365の流体経路入口367で測定される)の外側断面寸法の比は、約1:1.01から約1:1.25までの間であってもよい。いくつかの実施形態において、流体経路入口の外側断面寸法と受け取りチャネルの内側断面寸法の比は、約1:1.01以下、約1:1.02以下、約1:1.05以下、約1:1.07以下、約1:1.09以下、約1:1.1以下、約1:1.25以下又は約1:1.5以下である。ある実施形態において、流体経路入口の外側断面寸法と受け取りチャネルの内側断面寸法の比は、少なくとも約1:1.5、少なくとも約1:1.25、少なくとも約1:1.1、少なくとも約1:1.09、少なくとも約1:1.07、少なくとも約1:1.05又は少なくとも約1:1.02である。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも約1:1.1かつ約1:1.01以下)。その他のレンジもまた可能である。
【0066】
流体のコネクタの(又は容器の)流体のチャネルは、任意の適切な容量を有してもよい。ある実施形態において、流体のチャネルの容量は、50マイクロリットル以下、40マイクロリットル以下、30マイクロリットル以下、20マイクロリットル以下、18マイクロリットル以下、16マイクロリットル以下、14マイクロリットル以下、12マイクロリットル以下、10マイクロリットル以下、5マイクロリットル以下、2マイクロリットル以下又は1マイクロリットル以下である。ある実施形態において、流体のチャネルの容量は、少なくとも0.1マイクロリットル、少なくとも0.5マイクロリットル、少なくとも1マイクロリットル、少なくとも2マイクロリットル、少なくとも5マイクロリットル、少なくとも10マイクロリットル、少なくとも12マイクロリットル、少なくとも14マイクロリットル、少なくとも16マイクロリットル、少なくとも18マイクロリットル、少なくとも20マイクロリットル、少なくとも30マイクロリットル又は少なくとも40マイクロリットルである。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも0.1マイクロリットルかつ20マイクロリットル以下)。その他のレンジもまた可能である。
【0067】
いくつかの実施形態において、流体収集装置は、流体収集装置が接続する(例えば、流体のコネクタ)、流体収集装置と容器の間の一つ以上のさらなる接続又は取り付け箇所を形成する一つ以上のさらなる構成要素(例えば、流動的機構又は非流動的機構)を備えてもよい。ある実施形態において、流体収集装置は、接続時に流体経路出口と流体収集装置の間で流動的接続を形成するために、流体のコネクタの流体経路出口を補う少なくとも一つの流動的機構を備える。
【0068】
いくつかの実施形態において、流体収集装置は、流体収集装置が接続する(例えば、流体のコネクタ)容器の流体のチャネルの少なくとも第2の部分(例えば、流体経路出口)を受けるように構成された部位を備える。再度
図4Bと
図4Cを参照すると、流体収集装置401は、流体のチャネルの少なくとも第2の部分(
図4Aで示される、流体のコネクタ460の流体のチャネル465の流体経路出口480のような)を受けるように構成された領域440を備える。領域440は、任意の適切な形状を有してもよく、いくつかの実施形態において、流体のチャネルの第2の部分を覆うように(例えば、キャップ)構成されてもよい。いくつかのそのような実施形態において、領域440は、流体のチャネルの第2の部分を、例えば、汚染から保護し得る。その他の実施形態において、領域は開口を備える。
【0069】
ある実施形態において、流体収集装置は、流体収集装置が接続する(例えば、流体のコネクタ)容器の非流動的機構を補う少なくとも一つの非流動的機構を備える。いくつかのそのような実施形態において、流体収集装置の非流動的機構及び容器(例えば、流体のコネクタ)の補完非流動的機構は、接続時に流体のコネクタと容器の間で非流動的接続を形成してもよい。いくつかの場合において、流体収集装置の、及び/又は容器(例えば流体のコネクタ)の非流動的機構は、使用中に容器への流体収集装置の挿入を導き得る。さらに又はその代わりに、流体収集装置の非流動的機構は、流体収集装置から流体のコネクタへの流体の移動中、流体収集装置の容器への取り付けを促進し得る。
【0070】
ここで
図4Bと
図4Cを参照すると、流体収集装置401は、流体のコネクタ460での非流動的機構の形状と構造を補う形状と構造を有する非流動的機構455を備える。例えば、
図4Cで実例的に示されるように、流体のコネクタ460は、流体収集装置での機構455の形状及び寸法を補うための形状及び寸法にされたレール462を備える。いくつかの実施形態において、レールは盛り上がった機構である。ある実施例において、レールは埋め込まれた機構である。レールは、任意の適切な形状を有してもよく、いくつかの場合において、伸長され、曲げられ、四角くされてもよい。その他の形状及び構造もまた可能である。
【0071】
図4Bと
図4Cは、特定の場所に配置された非流動的機構を示すが、その他の実施形態において、機構は流体のコネクタ及び/又は流体収集装置の任意の適切な場所に配置され得る。さらに、
図4Bと
図4Cは、二つの構成要素の形状(例えば、レール462)の非流動的機構を示すが、いくつかの実施形態において、非流動的機構は、一つの構成要素の形状をしてもよい。その他の実施形態において、非流動的機構は、二つより多い構成要素の形状である。
【0072】
いくつかの実施形態において、流体収集装置及び/又は流体のコネクタは、取り付け機構を有する。ある実施形態において、取り付け機構は、流体のコネクタを受けるように構成された開口を備える。再度
図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、流体収集装置200は、取り付け機構250を備える。ある実施形態において、取り付け機構は、流体のコネクタの補完機構に接続されてもよい。例えば、
図4Cを参照すると、流体収集装置401は、取り付け機構450を備え、流体のコネクタ460は、補完取り付け機構452を備える。適切な取り付け機構の非限定的な例は、クリップ(及び受け取り部位)、磁石、摩擦による嵌合又はそれらに類するものを含む。その他の取り付け機構もまた可能である。ある実施形態において、流体収集装置は、ヒンジを備える取り付け機構を備える。取り付け機構は、流体収集装置から容器への流体の移動中、流体収集装置の容器(例えば、流体のコネクタ)への取り付けを容易にする。取り付け機構は、流体収集装置と容器間を逆向きに取り付けさせるためにリバーシブルであってもよく、流体収集装置と容器間を逆向きに取り付けさせないために非リバーシブルであってもよい。
【0073】
ここに記載されているように、いくつかの実施形態において、一旦流体が流体収集装置を使って収集されると、流体の少なくとも一部は、容器(例えば、流体のコネクタ)に移動され得る。いくつかの実施形態において、収集された流体の少なくとも一部は、流体のコネクタに移動され、そこは分析装置に接続され得、及び/又は分析装置の一部である。流体のコネクタからの流体の少なくとも一部はそして、分析装置に移動され得る。その他の実施形態において、収集された流体の少なくとも一部は、分析装置に直接移動される(例えば、流体のコネクタは直接分析装置の一部であってもよい)。
【0074】
容器(流体のコネクタ)又は流体収集装置が接続し得る分析装置は、流体のシステムを備えてもよい。いくつかの実施形態において、流体のシステムは、入口及び出口を有する少なくとも一つのチャネルを備える。ある実施形態において、流体(例えば、試料又は試薬)を含む流体のコネクタは、流体収集装置によって流体のコネクタに移動された流体のように、流体のシステムに接続する。ある実施形態において、流体のコネクタは、流体のシステムで閉じるように、流体のシステムと流体のコネクタ間で流体の伝達をさせるように構成されて配置される。ある実施形態において、流体のコネクタの流体のシステムへの接続時、流体のコネクタの流体経路入口は、流体のシステムの出口と接続する。いくつかの実施形態において、流体のコネクタの流体のシステムへの接続時、流体のコネクタの流体経路出口は、流体のシステムの入口と接続する。
【0075】
図5Aと
図5Bに図示された実施形態にて実例的に示されるように、装置500は、基板966、流体のコネクタ968及び整列要素980(例えば、誘導する構成要素)を含んでもよい。基板966は、マイクロ流体のシステムを含んでもよい。マイクロ流体のシステムは、例えば、少なくとも入口及び出口を含む第1のマイクロ流体のチャネルと入口及び出口を含む第2のマイクロ流体のチャネル(図示なし)を備えてもよい。流体のコネクタ968は、ここに記載されているような構造を有してもよく、基板との接続を適合するために構成される。流体のコネクタは、流体経路入口972及び流体経路出口974を有する流体経路970を含んでもよい。流体のコネクタの基板への接続時、流体経路入口は、基板の第1のマイクロ流体のチャネルの出口と接続してもよく、流体経路出口974は、基板の第2のマイクロ流体のチャネルの入口と接続してもよい。この接続は、基板の第1と第2のマイクロ流体のチャネル間を流体伝達し得る。
【0076】
図5Aと
図5Bの具体的な実施形態に示されるように、装置は、基板に結合され、基板に対してほぼ垂直に伸びる整列要素980を含んでもよい。例えば、基板966(第1及び第2のマイクロ流体のチャネルと同様に)は全体的に、矢印975と矢印977とで定義される平面内にあるが一方、整列要素980は全体的に、矢印975と矢印976で定義される平面内で基板に対して垂直に伸びる。その他の実施形態において、整列要素は、基板に対してほぼ平行に伸びてもよい。
【0077】
図示されるように、整列要素980は、流体のコネクタを受け、嵌合し、それによってコネクタを基板に対して構造を設定された所定の位置へ配置するように構成され、配置されるキャビティ981含む。キャビティは、例えば、少なくとも0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm又は少なくとも4cmの深さ(例えば、流体のコネクタと整列要素の嵌合時、流体経路入口及び/又は流体経路出口の部位から測定されたとして)を有してもよい。いくつかの実施形態において、キャビティは、5cm以下、4cm以下、3cm以下、2cm以下、1.5cm以下又は1cm以下の深さを有してもよい。上記の言及されたレンジの組み合わせもまた可能である(例えば、少なくとも0.5cmかつ5cm以下)。その他のレンジもまた可能である。キャビティは、流体のコネクタの高さと似た又は同じ深さを有してもよい。キャビティは、流体のコネクタを受け、嵌合し、それによってコネクタを基板に対して構造を設定された所定の位置へ配置するように構成され、配置されている限り、流体のコネクタの全周を囲う必要はない。
【0078】
いくつかの実施形態において、キャビティの構造及び/又は整列要素の嵌合表面は、流体のコネクタの流体経路を基板に対してほぼ垂直に(従って、基板内のマイクロ流体のチャネルに対してほぼ垂直に)させる。例えば、
図5Aと
図5Bに図示されるように、流体経路970は、矢印975と矢印976とで定義される平面内で基板に対してほぼ垂直である。その他の実施形態において、流体のコネクタ流体のコネクタの流体経路は、基板に対して90度から180度の間又は0度から90度の間の角度にある。
【0079】
図5Aと
図5Bは、基板の一端に配置された整列要素980を示すが、その他の実施形態において、整列要素は基板の長さLに沿って、例えば、基板の反対側の端へ向かって伸び得る。例えば、整列要素は、基板に似た長さと幅を有するブロックであってもよく、流体のコネクタが挿入されるキャビティを含んでもよい。さらに、
図5Aと
図5Bは、二つの構成要素の形状で整列要素980を示すが、いくつかの実施形態において、整列要素は、一つの構成要素の形状であってもよい。その他の実施形態において、整列要素は、二つより多い構成要素の形状である。
【0080】
流体のコネクタ及び/又は流体のシステムは、チャネルの形成に適している任意の材料で製造され得る。材料の非限定的な例は、ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(ジメチルシロキサン)及びシクロオレフィン共重合体(COC))、ガラス、クオーツ及びシリコンを含む。当業者は、例えば、その剛性、そこを通される流体へのその不活性(例えば、その材料による分解がないこと)、特定の装置が使用される温度でのそのロバスト性、及び/又は光(紫外領域及び可視領域)に対するその透明性/不透明性、に基づいて適切な材料を容易に選択できる。いくつかの実施形態において、基板の材料及び寸法(例えば、厚み)は、基板が実質的に水蒸気に対して不浸透性であるように選ばれる。
【0081】
場合によっては、流体のコネクタ及び/又は流体のシステムは、上記のような二つ以上の材料の組み合わせでできている。例えば、装置のチャネルは、第1の材料(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン))で形成され得、第2の材料(例えば、ポリスチレン)で形成されるカバーは、チャネルをシールするために使用され得る。別の実施形態において、装置のチャネルは、ポリスチレン又はその他のポリマー(例えば、インジェクション成形による)で形成され得、生体適合テープは、チャネルをシールするために使用され得る。接着、粘着、ボンディング、溶接又は機械的手法(例えば、クランピング)の使用を含むがそれらに限定されない、いろいろな方法が、マイクロ流体のチャネル又はチャネルの一部をシールするために使用され得る。
【0082】
ここに記載されている物品、構成要素、システム及び方法は、
2004年12月20日に出願された「Assay Device and Method」という名称の国際公開第2005/066613号(国際出願番号第PCT/US2004/043585号)、
2005年1月26日に出願された「Fluid Delivery System and Method」という名称の国際公開第2005/072858号(国際出願番号第PCT/US2005/003514号)、
2006年4月19日に出願された「Fluidic Structures Including Meandering and Wide Channels」という名称の国際公開第2006/113727号(国際出願番号第PCT/US06/14583号)、
2012年6月19日に発行された(2008年5月1日に出願された)「Fluidic Connectors and Microfluidic Systems」という名称の米国特許第8,202,492号、
2008年8月22日に出願された「Liquid Containment for Integrated Assays」という名称の米国特許公開第2009/0075390号、
2012年7月17日に発行された(2008年4月25日に出願された)「Flow Control in Microfluidic Systems」という名称の米国特許第8,222,049号、
2012年7月17日に発行された(2010年2月2日に出願された)「Structures for Controlling Light Interaction with Microfluidic Devices」という名称の米国特許第8,221,700号、
2009年12月17日に出願された「Reagent Storage in Microfluidic Systems and Related Articles and Methods」という名称の米国特許公開第2010/0158756号、
2010年11月24日に出願された「Fluid Mixing and Delivery in Microfluidic Systems」という名称の米国特許公開第2011/0120562号、
2011年4月15日に出願された「Feedback Control in Microfluidic Systems」という名称の米国特許公開第2011/0253224号、
2011年4月15日に出願された「Systems and Devices for Analysis of Samples」という名称の米国特許公開第2011/0256551号、
2014年2月7日に出願された「Mixing of Fluids in Fluidic Systems」という名称の米国特許公開第2014/0272935号、
2013年3月5日に出願された「Methods and Apparatuses for Predicting Risk of Prostate Cancer and Prostate Gland Volume」という名称の米国特許公開第2013/0273643号、
に記載されている内容と組み合わされ得、本明細書の一部を構成するものとしてその全体を本件明細書に援用する。
【0083】
ここに記載されているように、いくつかの実施形態において流体収集装置は、被験者又は患者から流体試料を収集するために使用されてもよい。「被験者」又は「患者」とは、任意の哺乳類(例えば、人間)、例えば、病気又は身体状態の影響を受けやすくてもよい哺乳類を指す。被験者又は患者の例は、人間、人間以外の霊長類、牛、馬、豚、羊、山羊、犬、猫、又はマウス、ラット、ハムスター若しくはモルモットのような齧歯類を含む。全体的に、本発明は、人間に使うために行われている。患者は、特定の病気若しくは身体状態であると診断されている被験者、又は特定の病気若しくは身体状態を有すると知られている被験者であってもよい。いくつかの実施形態において、患者は、病気又は身体状態を発症する危険性があるとして診断され又は知られていてもよい。その他の実施形態において、患者は、例えば、さまざまな臨床的要素及び/又はその他のデータに基づいて、病気又は身体状態を有し又は発症する疑いがあってもよい。
【実施例】
【0084】
下記実施例は、ここに記載された、本発明の特定の実施態様を含むが発明の全範囲の実例を示すものではない、特定の実施形態を説明することを目的としている。
【0085】
実施例1
下記実施例は、ここに記載されたいくつかの実施形態に記載の、流体収集装置の使用方法を明示する。
【0086】
A.
患者からの直接血液収集
指腹での採血試料からの血液収集は、流体の収集装置及び流体のコネクタで行われ、
図4Bと
図4C(流体収集装置401及び流体のコネクタ460)で概略的に示されるように、下記手順を使用する。
【0087】
1.指腹での採血を行い、患者から血液液滴を生じさせる(指腹での採血を行うより前に、患者の血液収集部位はワイプ(例えば、イソプロパノールワイプ、洗剤ベースのワイプ)で任意選択的に消毒され/殺菌されてもよい)。
2.患者の手を反転させ、血液液滴を地面に向ける。
3.液滴が十分に大きくなったとき(例えば、約20マイクロリットル)、流体収集装置の流体収集部が、血液液滴に移動される。
4.流体収集装置のエッジを皮膚に接触させたまま、液滴を横切って流体収集装置をこすり付ける。
a.血液の臨界容量が流体収集装置に収集されたとき、流体のコネクタのチャネル(例えば、毛細管)は、自動的に満たされる。
b.流体収集装置の流体収集部は、流体のコネクタのチャネルが試料を測るように、血液の過剰容量で満たされ得る。
5.チャネルが満たされたとき、ユーザは流体のコネクタから流体袖手装置を取り外す。
a.流体収集装置を取り外すために、ユーザはクリップ機構を押し込み、流体のコネクタから流体収集装置を引き抜く。
b.過剰血液は受け取りチャネルを通じてリークしない。
c.取り外し時、流体収集装置は廃棄されてもよい。
6.流体のコネクタはそして、カセット(マイクロ流体の装置)と接続され、試料を分析するために分析機(例えば、Claros 1 Analyzer)に挿入され得る。例えば、流体のコネクタは、Sangia(商標)tPSAカセットのような、本明細書の一部を構成するものとしてその全体を本件明細書に援用する、2011年4月15日に出願された「Systems and Devices for Analysis of Samples」という名称の米国特許公開第2011/0256551号(例えば、
図22及び実施例1参照)、及び2004年12月20日に出願された「Assay Device and Method」という名称の国際公開第2005/066613号(国際出願番号第PCT/US2004/043585号)、に記載されているものに類似のカセットに取り付けられてもよい。
【0088】
A.
ピペットからの試料又は試薬収集
試料/試薬の移動のための操作は、下記であってもよい。
【0089】
1.(あらゆる種類の)ピペットを用いて、過剰な試料又は試薬を収集する。
2.試料又は試薬を流体収集装置の流体収集部に直接取り込む。
3.試料の臨界容量が流体収集装置内に収集されたとき、流体のコネクタのチャネル(例えば、毛細管)は、自動的に満たされる。
4.チャネルが満たされたとき、ユーザは流体のコネクタから流体収集装置を取り外す。
a.流体収集装置を取り外すために、ユーザはクリップ機構を押し込み、流体のコネクタから流体収集装置を引き抜く。
b.取り外し時、流体収集装置は廃棄されてもよい。
5.流体のコネクタはそして、カセットと接続され、上記のように試料を分析するために分析機に挿入され得る。
【0090】
実施例2
下記実施例は、いくつかの実施例に記載の、臨界容量を有する流体収集装置の流体収集部の充填を明示する。
【0091】
流体収集装置及び流体のコネクタは、
図4Bと
図4C(流体収集装置401及び流体のコネクタ460)で概略的に示されるように、流体のコネクタのチャネルを充填する流体収集部の臨界容量を測定するために使用された。加えて、二つの異なるヘマトクリットパーセンテージの血液試料は、赤血球含有量に起因する臨界容量への何らかの影響を測定するために使用された。
【0092】
二人の被験者からの血液が、これらの実験のために使用された。二つの血液の試料は異なるヘマトクリットパーセンテージ(血液試料の赤血球の容量パーセンテージ)を含む。例えば、人間(男性及び女性)のヘマトクリットの通常のレンジは、35%(一般的に、女性の下限)から50%(一般的に、男性の上限)までの幅がある。血液がどのような挙動をするか、異なるヘマトクリットパーセンテージの影響を分析するために、流体収集装置に投入されたとき、ヘマトクリットの低い一つの試料とヘマトクリットの高い一つの試料が選択される。ヘマトクリットの低い血液は、39.2%の赤血球パーセンテージを有し、ヘマトクリットの高い血液は、50.6%の赤血球である。
【0093】
第1の実験は、ピペットを使用した流体収集部の側壁に対する増分10μLの血液液滴の投入を伴った。各試料について、液滴は血液が流体のコネクタのチャネル(毛細管)に至るまで投入され、チャネルを充填した。結果が表1A及び表1Bに示されている。ヘマトクリットの低い血液と高い血液の両方について、臨界容量は、10μLから30μLの間であった。「リーク」は、収集された試料の過剰な量に起因して、血液試料が流体収集部から流れ出たとき、及び制御されていない方法で試料収集装置に投入されたときに生じた。
【0094】
【表1A】
【0095】
【表1B】
【0096】
流体収集部の臨界容量に至っておらず、従って流体のコネクタのチャネルを充填していないことを明示する図が、
図6Aと
図6Bで示されている。流体収集部が臨界保持容量より大きな試料の容量で満たされ、流体のコネクタのチャネルを充填し得ることを明示する図が、
図6Cで示されている。
【0097】
第2の実験は、流体収集装置内でどの大きさの血液液滴が挙動するのか正確に測定するために、特定容量の全液の投入を伴った。前実験に基づいて、20μLから30μLの間のレンジが選択された。実験は、流体収集装置の流体収集部の側壁に対して、一つの、全容量の液滴(例えば、20μL、30μL)を投入することで実施された。
【0098】
ヘマトクリットの低い血液と高い血液の両方に関して、22μLの液滴が、着実に毛細管に流れ、満たすために必要である最低容量(すなわち、臨界容量)であった。両方の種類の血液(すなわち、ヘマトクリットの低い血液試料と高い血液試料)のための22μL、23μL及び25μLの血液容量は、毛細管を完全に充填したが、これらの試料が流れ、完全にチャネルの開口を覆う時間が変化した。
一旦チューブの開口が血液試料で完全に覆われると、毛細管が満たされるのが観測され、毛細管が一部又は大部分が覆われたときは流れなかった。28μLの液滴容量は、毛細管に至ったとき、直ちにチューブに流れ、直ちに満たした。
【0099】
第3の実験は、毛細管を満たすために十分な容量を有していない(前実験に基づいて)一つの液滴が投入された状況を模倣するため、流動を引き起こすにはどの程度の追加容量が要求されるのか測定するために実施された。18μLの血液液滴が最初に投入されたとき、血液の両方の種類は、流動を引き起こすために2.5μlの追加容量を必要とした(すなわち、20.5μLの臨界容量)。16μLの血液液滴が両方の種類に投入されたとき、5μLの追加容量(すなわち、二つの2.5μLの液滴)が流動を引き起こすために必要とされた(すなわち、20.5μLの臨界容量よりも大きい)。十分な追加容量が追加されると、血液試料は直ちに毛細管の開口を覆い、チューブを完全に満たした。その結果が表2に示されている。
【0100】
【表2】
【0101】
これらの実験から、ヘマトクリットは、流体収集装置の流体収集部と作用するとき、液体試料の挙動に関しておそらく重要な要素ではないと推定され得る。第2の実験は、試料が血液コレクタアダプタに取り込まれた後、28μLの液滴容量は毛細管を直ちに満たし始めるのに十分であると示す。第3の実験から、十分でない容量が取り込まれた場合、容量が満たし始めるのに十分であれば(すなわち、臨界保持容量に至れば)、毛細管は完全に満たされることが分かり得る。
【0102】
実施例3
下記実施例は、いくつかの実施形態に記載の、制御された液体での臨界容量を有する流体収集装置の流体収集部の充填を明示する。
【0103】
実施例2は、血液コレクタアダプタにさまざまな量を投入されたときの異なる種類の血液の挙動を特徴とする。血液は、全ての試料が異なるという点で制御自在でない流体であるため、流体収集部の臨界容量を確認するために制御された流体が使用された。これらの試験で使用された二つの流体は、TPSA External Control − Level 2 (Lot 4131)及び純水である。血液コレクタアダプタに投入されたときに液体が見やすいように、色を変更するために染料が純水に追加された。実験用に純水を準備するために、メチレンブルー溶液5μlが純水30mlに追加されており、メチレンブルー溶液は、純水1mlあたりメチレンブルー20mgの濃度を有している。
【0104】
第1の実験は、流体収集部の側壁に対して液体液滴10μlの投入を伴った。各試料について、液滴は、液体が受け取りチャネルに挿入された毛細管(すなわち、流体経路入口)に至り、毛細管を充填するまで投入された。その結果が表3に示されており、TPSA external control及び純水の両方について、30μlの合計容量が投入されると3試料が満たされ、20μlの合計容量が投入されると2試料が満たされた。
【0105】
【表3】
【0106】
第2の実験は、流体収集部内でどの大きさの両方の液体液滴が挙動するのか正確に測定するために、特定容量の全液の投入を伴った。この実験は、全容量の液滴を投入チップの側面に投入し、そして流体収集部の側壁に対して解放することによって実施された。TPSA External Controlに関して、20マイクロリットルの容量は毛細管を充填するために十分な量であり、24マイクロリットル以上の容量は速やかに充填した。純水の場合、充填状況を発生させるために21マイクロリットルが必要であった。20マイクロリットル以下の量の純水は、充填状況にしなかった。結果が表4に示されている。
【0107】
【表4】
【0108】
第3の実験は、毛細管を満たすために十分な容量を有していない(前実験に基づいて)大きな液滴が投入された状況を模倣するため、流動を引き起こすにはどの程度の追加容量が要求されるのか測定するために実施された。液体の両方の種類は、16μlの液体が最初に投入されたとき、液体の両方の種類は、流動を引き起こすために2.5μlの追加容量を必要とした。14μlのTPSA external controlは、充填状況を開始するために3回の液滴(7.5μl)を必要とし、12μlの純水は3回の液滴を必要とした。十分な追加容量が追加されると、血液試料は直ちに毛細管開口を覆い、チューブを完全に満たした。結果が表5に示されている。
【0109】
【表5】
【0110】
本発明のいくつかの実施形態がここで記載され、図示されているが、当業者は、機能を実施するための、並びに/又はここで記載されている結果及び/若しくは利点のうちの一つ以上を得るための様々なその他の手段及び/又は構造を容易に想定し、それぞれのそのような変更及び/又は改変は、本発明の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者は、ここで記載されている全てのパラメータ、寸法、材料及び構造は例として意図しており、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構造は、本発明の教示が使用される特定の活用によって決まるであろうことを容易に理解するであろう。当業者は、ただのルーチン実験を使用して、ここで記載された発明の特定の実施形態に対する多くの同等物を認識し、又は確認できるであろう。従って、前述の実施形態はほんの一例として提示されていること、添付の特許請求の範囲及びそれと同等物の範囲内で、本発明は具体的に記載され、特許請求されている以外のものによって実施されてもよいことを理解すべきである。本発明は、ここで記載されている個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象としている。加えて、二つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しない場合、本発明の範囲に含まれる。
【0111】
本明細書及び特許請求の範囲内で使用されているような、不定冠詞「a」及び「an」は、明確な反対の指示がない限り、「少なくとも一つ(at least one)」を意味すると理解されるべきである。
【0112】
本明細書及び特許請求の範囲内で使用されているような、フレーズ「及び/又は(and/or)」は、そのように結合された要素の「いずれか又は両方(either or both)」を意味すると理解されるべきであり、すなわち、要素は、いくつかの場合では結合的に存在し、その他の場合では非結合的に存在する。その他の要素は、明確な反対の指示がない限り、具体的に特定された要素が関連しているか否かに関わらず、「及び/又は(and/or)」節によって具体的に特定された要素以外に任意選択的に存在してもよい。従って、非限定的な例として、「A及び/又はB(A and/or B)」への言及は、「comprising」のようなオープンエンドの言語とともに使用される場合、一つの実施形態では、Bを除いたA(B以外の要素を任意選択的に含む)、別の実施形態では、Aを除いたB(A以外の要素を任意選択的に含む)、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(他の要素を任意選択的に含む)などに言及できる。
【0113】
本明細書及び特許請求の範囲内で使用されているような、「又は(or)」は、上記で定義した「及び/又は(and/or)」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リストの項目を分けるとき、「又は(or)」又は「及び/又は(and/or)」は、包括的である、すなわち、少なくとも一つを含むが、一つより多くの、多数の要素又は要素のリスト、及び任意選択的に、追加のリストにない項目もまた含むと解釈されるものとする。「のうちの一つのみ(only one of)」若しくは「のうちの厳密に一つ(exactly one of)」又は特許請求の範囲内で使用される場合の「から成る(consisting of)」のような明確な反対の指示がされた用語のみが、多数の要素又は要素のリストの厳密に一つの要素を含むと言及する。一般的に、ここで使用されているような、用語「又は(or)」は、「いずれか(either)」、「のうちのひとつ(one of)」、「のうちの一つのみ(only one of)」又は「のうちの厳密に一つ(exactly one of)」排他的な用語が前にある場合、排他的な選択肢(すなわち、「いずれか一方だが両方ではない」)を指示するとのみ解釈されるものとする。「から本質的に成る(consisting essentially of)」が特許請求の範囲内で使用される場合、特許法の分野で使用されるような通常の意味を有するものとする。
【0114】
本明細書又は特許請求の範囲内で使用されているような、一つ以上の要素のリストに関するフレーズ「少なくとも一つ(at least one)」は、要素のリスト内の要素のうちの任意の一つ以上から選択された少なくとも一つの要素を意味するが、要素のリスト内の具体的にリストされたそれぞれの及び全ての要素の少なくとも一つを含む必要はなく、要素のリスト内の任意の組み合わせを排除する必要はないと理解されるべきである。この定義はまた、フレーズ「少なくとも一つ(at least one)」が言及する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、この具体的に特定されている要素に関係しているか否かにかかわらず任意選択的に存在して得ることも許容する。従って、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも一つ(at least one of A and B)」(又は、同じように「A又はBのうちの少なくとも一つ(at least one of A or B)」又は「A及び/又はBのうちの少なくとも一つ(at least one of A and/or B)」)は、一つの実施形態では、Bが存在しない(及び任意選択的にB以外の要素を含む)少なくとも一つの(任意選択的に一つより多くも含む)Aを、別の実施形態では、Aが存在しない(及び任意選択的にA以外の要素を含む)少なくとも一つの(任意選択的に一つより多くも含む)Bを、さらに別の実施形態では、少なくとも一つの(任意選択的に一つより多くも含む)A及び少なくとも一つの(任意選択的に一つより多くも含む)B(及び任意選択的にその他の要素を含む)などに言及できる。
【0115】
特許請求の範囲及び上記明細書内では、「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」及びその同類のような全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むがそれらに限定されないことを意味すると理解されるべきである。移行句「から成る(consisting of)」及び「から本質的に成る(consisting essentially of)」のみが,それぞれ、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03で規定されているように、クローズ又は半クローズの移行句であるものとする。
【0116】
ここで使用されているような、例えば、一つ以上の物品、構造、力、分野、流動、方向/軌道、及び/若しくはそれらの従属部品、及び/若しくはそれらの組み合わせ、及び/若しくは上記にリストされていないその他の任意の有形若しくは無形の要素の、若しくはその間の、形状、配向、調整並びに/又は幾何学的関係に関する任意の用語は、定義され、又は指示されない限り、そのような用語の数学的定義と完全に一致する必要としないと理解されるものとし、むしろ、そのような主題に最も密接に関連する当業者によって理解されるであろう特徴付けられた主題の可能な範囲まで、そのような用語の数学的定義と一致するよう示すと理解されるものとする。形状、配向、調整及び/又は幾何学的関係に関するような用語の例は、輪、正方形、円形の/円形、長方形の/長方形、三角形の/三角形、円柱状の/円柱、楕円形の/楕円、(n)多角形の/(n)多角形、などのような形状、直角の、直交の、平行の、垂直の、水平の、同一直線の、などのような角度配向、平面/平面の、同一平面上の、半球状の、半半球状の、直線/直線の、双曲線の、放物線の、平らな、曲線状の、一直線の、アーチ形の、正弦曲線の、正接/正接の、などのような輪郭及び/又は軌道、北、南、東、西などのような方向、滑らかな、反射する、透明な、鮮やかな、不透明な、固い、不浸透性の、均一の(均一に)、不活性の、非湿潤性の、不溶性の、固定された、不変の、一定の、均質の、などのような表面、及び/又は体積材料特性、及び/又は空間/時間分解能、及び/又は分布、並びにその他の多くの、関連する当業者には明らかであろうものを記述する用語を含むがそれらに限定されない。一つの例として、「正方形(square)」であるとしてここで記載された製造物は、完璧に平行又は直線であり、厳密に90度の角度で交差する面又は辺を有するような物品(実際には、そのような物品は数学的な抽象的概念としてのみ存在し得る)を必要としないであろうし、むしろ、そのような物質の形状は、当業者によって理解されるであろうように又は具体的に記載されているように、列挙された製造技術で達成され、通常に達成できる範囲まで、数学的に定義された「正方形(square)」に近似するものとして解釈すべきである。他の例として、「整列した(aligned)」ものであるとしてここで記載された二つ以上の製造物は、完璧に整列された面又は辺を有する物品(実際には、そのような物品は数学的な抽象的概念としてのみ存在し得る)を必要としないであろうし、むしろ、そのような物質の配置は、当業者によって理解されるであろうように又は具体的に記載されているように、列挙された製造技術で達成され、通常に達成できる範囲まで、数学的に定義された「整列した(aligned)」ものに近似するものとして解釈すべきである。