【文献】
Yi Jiang et al.,"An Asymmetric Double Sided Two-Way Ranging for Crystal Offset",2007 International Symposium on Signals, Systems and Electronics,2007年08月,DOI: 10.1109/ISSSE.2007.4294528
【文献】
Xiong Cai et al.,"Identification and Mitigation of NLOS Based on Channel State Information for Indoor WiFi Localization",2015 International Conference on Wireless Communications & Signal Processing (WCSP),2015年10月,DOI: 10.1109/WCSP.2015.7341172
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記結合されたチャネル応答が、前記第1測定値及び前記第2測定値を乗じて、前記第1基準クロック信号と前記第2基準クロック信号との間の位相差をキャンセルすることを含む、請求項4に記載の非同期システム。
前記第2パケットの前記チャネル応答の前記第1測定値及び前記第1パケットの前記チャネル応答の前記第2測定値から複数の経路の最小遅延を推定するために、行列束及びMUSICアルゴリズムのうちの少なくとも一方が使用される、請求項4に記載の非同期システム。
前記第1無線ノードと前記第2無線ノードとの間の前記距離が、アンカーノードに基づく三角測量又はアンカーノードに基づかない三角測量に基づいて、前記第1無線ノード及び前記第2無線ノードの相対位置又は絶対位置を決定するために使用される、請求項8に記載の非同期システム。
前記第1無線ノードと第2無線ノードとの間の前記距離が、複数の無線センサノードを有する無線センサネットワークにおけるコンステレーションメンバーシップを定義するために使用される位置推定情報を決定するために使用される、請求項8に記載の非同期システム。
1又はそれ以上の処理ユニットと、前記第1無線ノードからの第1RF情報信号及び前記第2無線ノードからの第2RF情報信号を含む前記無線ネットワークアーキテクチャにおける通信を送信及び受信するためのRF回路と、を備えた無線装置を有する第3無線ノードをさらに具備し、
前記第3無線ノードの1又はそれ以上の前記処理ユニットが、命令を実行して、
前記第1RF情報信号及び前記第2RF情報信号に基づく位置推定のための飛行時間推定を決定する、ように構成されている、請求項1に記載の非同期システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
複数の通信経路が存在する中での正確な無線周波数位置推定のためのシステムおよび方法が、本明細書において開示される。一例では、無線ネットワークアーキテクチャにおけるノードの位置推定のための非同期システムは、1つ以上の処理ユニットと、第1パケットを有する第1RF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するためのRF回路構成とを有する無線装置を有する第1無線ノードを含む。システムはまた、第2パケットを有する第2RF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の第1無線ノードとの双方向通信を可能にするための、送信機および受信機を有する無線装置を有する第2無線ノードも含む。第1無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1および第2パケットの往復飛行時間の時間推定に基づく位置推定のための飛行時間推定および第1および第2無線ノードのチャネル感知情報に基づく飛行時間の時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。
【0013】
無線センサネットワークの様々なアプリケーションにおいて、ネットワーク内のセンサノードの位置を決定することが望ましい場合がある。たとえば、このような情報は、セキュリティカメラ、モーションセンサ、温度センサ、および当業者にとって明らかであろう他のそのようなセンサなどのセンサの相対位置を推定するために使用されてもよい。この情報はその後、温度マップ、モーションパス、マルチビュー画像キャプチャなどの拡張情報を生成するために使用されてもよい。したがって、無線ネットワーク内、特に屋内環境で、ノードの正確な、低電力の、コンテクストアウェアな位置推定を可能にするための位置推定システムおよび方法が望まれている。この目的のために、屋内環境は、類似の問題(たとえば、近くの壁の存在など)が存在し得る、建物および他の構造物の周りの領域内などの屋内に近い環境を含むとも考えられる。
【0014】
家、アパート、オフィス、および商業ビルディングを含む屋内環境、ならびに駐車場、歩道、および庭園などの近くの屋外箇所で使用するための無線センサネットワークが記載されている。無線センサネットワークは、電力源を有するいずれのタイプの建物、構造、囲い、乗り物、ボートなどで使用されることも可能である。センサシステムは、長い通信距離を維持しながら、センサノードに良好な電池寿命を提供する。
【0015】
本発明の実施形態は、屋内環境における位置推定のためのシステム、機器、および方法を提供する。参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月19日に出願された米国特許出願第14/830,668号明細書は、RFベースの位置推定のための技術を開示している。具体的には、システム、機器、および方法は、位置推定が必要なときに経路長推定のための定期的なメッシュベースの特徴との通信のためにツリーネットワーク構造を主に使用する無線センサネットワーク内で位置推定を実装する。無線センサネットワークは、位置推定には高周波を使用し、通信には低周波を使用することによって、屋内通信の良好な品質を同時に提供しながら、位置推定の精度を改善した。
【0016】
ツリー状無線センサネットワークは、無線信号受信機能に関連付けられた所要電力が低減されているため、多くのアプリケーションにとって魅力的である。模範的なツリー状ネットワークアーキテクチャは、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,045号明細書、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,047号明細書、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,048号明細書、および2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,050号明細書に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
頻繁に使用される別のタイプの無線ネットワークは、メッシュネットワークである。このネットワークでは、1つ以上の隣接ノード間で通信が行われ、次いでマルチホップアーキテクチャを使用して、ネットワークに沿って情報が渡される。これは、より短い距離にわたって情報が送られるので、送信所要電力を低減するために使用され得る。一方、受信無線機がマルチホップ通信方式を可能にするために頻繁にオンである必要があるので、受信無線機所要電力は増加する可能性がある。
【0018】
無線ネットワーク内のノード間の信号の飛行時間の使用に基づいて、信号伝播の速度は比較的一定であるという事実を利用して、無線ネットワーク内のノードの個別ペアの間の距離を推定することが可能である。本ネットワークアーキテクチャの実施形態は、複数の経路長のペアを測定し、三角測量を実行してから三次元空間内の個別ノードの相対位置を推定することを、可能にする。
【0019】
図1は、一実施形態による無線ノードの模範システムを示す。この模範システム100は、無線ノード110から116を含む。ノードは、通信120〜130(たとえば、ノード識別情報、センサデータ、ノード状態情報、同期情報、位置推定情報、無線センサネットワークのための他のそのような情報、飛行時間(TOF)通信など)と双方向に通信する。飛行時間測定を使用することに基づいて、ノードの個別ペアの間の経路長が推定され得る。たとえば、ノード110と111との間の個別の飛行時間測定は、ノード110からノード111に既知の時間の信号を送信することによって実現可能である。ノード111は、信号を受信し、通信120の信号の受信のタイムスタンプを記録し、その後たとえば、戻り信号の送信のタイムスタンプとともに、戻り信号をAに返送することができる。ノード110は、信号を受信して受信のタイムスタンプを記録する。これら2つの送信および受信タイムスタンプに基づいて、ノード110と111との間の平均飛行時間が推定され得る。このプロセスは、精度を向上し、特定の周波数でのチャネル品質の低下による劣化を解消または低減するために、複数回にわたって複数の周波数で繰り返されることが可能である。一連の経路長は、様々なノードペアに対してこのプロセスを繰り返すことによって推定可能である。たとえば、
図1では、経路長はTOF150〜160である。次に、幾何モデルを使用することによって、三角測量のようなプロセスに基づいて個別ノードの相対位置が推定され得る。
【0020】
この三角測量プロセスは、いずれかのノードとハブとの間の経路長のみが測定可能なので、ツリー状ネットワークでは実現不可能である。この場合、これはツリーネットワークの位置推定能力を制限する。位置推定を可能にしながらツリーネットワークのエネルギー利益を確保するために、この発明の一実施形態では、通信のためのツリーネットワークは、位置推定のためのメッシュ状ネットワーク機能と組み合わせられる。メッシュ状ネットワーク機能を用いて位置推定が完了すると、ネットワークはツリー状の通信に戻り、ノードとハブとの間の飛行時間のみが定期的に測定される。これらの飛行時間が比較的一定に保たれると、ネットワークは、ノードが移動していないと考えてエネルギーを浪費せず、メッシュベースの位置推定を再実行しようとしている。一方、ツリーネットワーク内の経路長の変化が検出されると、ネットワークはメッシュベースのシステムに切り替わり、ネットワーク内の各ノードの位置を決定するために再度三角測量する。
【0021】
図2は、一実施形態による通信のための複数のハブを有する非対称ツリーおよびメッシュアーキテクチャを有するシステムを示す。システム700は、無線制御装置711を有する中央ハブ710と、無線制御装置721を有するハブ720と、無線制御装置783を有するハブ782と、無線制御装置nを有するハブnを含む追加ハブとを含む。図示されない追加ハブは、中央ハブ710、その他のハブと通信することができ、または追加中央ハブであってもよい。各ハブは、他のハブおよび1つ以上のセンサノードと双方向に通信する。ハブはまた、装置780(たとえば、クライアントデバイス、モバイルデバイス、タブレットデバイス、計算装置、スマート家電、スマートテレビなど)を含む他の装置と双方向に通信するように設計されている。
【0022】
センサノード730、740、750、760、770、788、792、n、およびn+1(または終端ノード)は各々、無線装置731、741、751、761、771、789、793、758、および753をそれぞれ含む。センサノードは、上位のハブまたはノードとの上り通信のみを有して別のハブまたはノードとの下り通信がない場合、終端ノードである。各無線装置は、ハブまたは他のセンサノードとの双方向通信を可能にするための送信機および受信機(またはトランシーバ)を有するRF回路構成を含む。
【0023】
一実施形態では、中央ハブ710は、ハブ720、782、ハブn、装置780、およびノード760および770と通信する。これらの通信は、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の通信722、724、774、772、764、762、781、784、786、714、および712を含む。無線制御装置711を有する中央ハブは、ノードの割り当てグループおよび各グループに対して保証された時間信号を含む無線非対称ネットワークアーキテクチャを制御および監視するために、他のハブに通信を送信して他のハブから通信を受信するように構成されている。
【0024】
ハブ720は、中央ハブ710と、ならびにセンサノード730、740、および750とも通信する。これらのセンサノードとの通信は、通信732、734、742、744、752、および754を含む。たとえば、ハブ720の観点からは、通信732はハブによって受信され、通信734はセンサノードに送信される。センサノード730の観点からは、通信732はハブ720に送信され、通信734はハブから受信される。
【0025】
一実施形態では、中央ハブ(またはその他のハブ)は、ノード760および770をグループ716に、ノード730、740、および750をグループ715に、ノード788および792をグループ717に、ノードnおよびノードn+1をグループnに割り当てる。別の例では、グループ716および715は1つのグループにまとめられる。
【0026】
図1から
図2に示されるアーキテクチャを使用することで、長い電池寿命を必要とするノードは、通信に費やされるエネルギーを最小化し、ツリー階層内の上位ノードは、利用可能なエネルギー源を使用して実装されるか、あるいはより高い容量を提供するかまたは短い電池寿命をもたらす電池を使用してもよい。電池で動作する終端ノードでの長い電池寿命の実現を容易にするために、最下位ハブと終端ノードとの間に最小限の送信および受信トラフィックが生じるように、これらのノードとその上位の対応物(以下、最下位ハブと称される)との間の通信が確立されてもよい。
【0027】
一実施形態では、ノードは、低エネルギーの非コミュニケーション状態でそれらの時間のほとんど(たとえば、それらの時間の90%超、それらの時間の95%超、それらの時間のおよそ98%または99%超)を費やす。ノードが目覚めてコミュニケーション状態になると、ノードは最下位ハブにデータを送信する働きをする。このデータは、ノード識別情報、センサデータ、ノード状態情報、同期情報、位置推定情報、および無線センサネットワークのための他のそのような情報を含んでもよい。
【0028】
RFに基づいて2つの物体間の距離を決定するために、距離測定が行われる(すなわち、物体のペア間の距離を推定するためにRF通信が使用される)。これを実現するために、ある装置から別の装置にRF信号が送られる。
図3は、一実施形態による飛行時間測定システムを示す。
図3に示されるように、送信装置310はRF信号312を送信し、受信装置320はRF信号312を受信する。ここで、例示的な無線ネットワークでは、装置310はハブまたはノードであってもよく、装置320もまたハブまたはノードであってもよい。
【0029】
図4は、一実施形態による飛行時間測定システムのブロック図を示す。受信装置(たとえば、装置320)は、送信装置(たとえば、装置310)からの送信を受信して、粗分解能推定器440を使用して少なくとも1つの粗推定442を生成するとともに、精分解能推定器450を使用して無線での2つの装置間の伝播遅延の少なくとも1つの精推定452を生成するために、RF信号412を処理する。次いでシステムおよび方法400は、正確な飛行時間測定値470を生成するために粗時間推定442および精時間推定452を組み合わせるため、コンバイナ460を利用する。この飛行時間測定値470にはその後、
図4に示されるように、距離を計算するために光の速度が乗じられてもよい。
【0030】
飛行時間測定は、本質的にネットワーク内の動作のタイミングに敏感であり、したがって、測定を実行する装置のクロッキングが重要である。
図5は、一実施形態による距離推定のために使用される完全同期システムを示す。完全同期システム500では、すなわち両方の装置が同じクロック基準を共有する場合、装置510はまず、時刻T1において装置520にRF信号512(たとえば、パケットを有するRF信号)を送信する。パケットは、時刻T2に装置520に到着し、この時刻T2を登録するために装置520内のパケット検出アルゴリズムを起動する。これは同期システムなので、飛行時間の粗推定はT2−T1として計算され得る。しかしながら、この測定の分解能はサンプリングクロックの時間分解能によって制限されており、その周波数はf
s、時間分解能はTsとなる。時間分解能は
図6に示される。ここで、サンプリングクロックは、システムの時間推定の最大精度を表し、例示的なシステムでは、送信および受信のタイミングを検出するために使用される回路構成を制御するために使用されるクロックの周波数によって設定されてもよい。たとえば、サンプリングクロックが100MHzの場合、この測定の分解能は10ナノ秒(ns)となり、これはおおむね10フィートの精度に相当する。
【0031】
この精度を改善するために、RF信号512が記録され、装置520で分析されてもよい。
図6は、一実施形態による、記録されたRF信号のパケットが装置510から送信された信号のタイムシフトバージョンである様子を示す。サンプルクロック時間間隔(Ts)で、RF信号512のパケット514がT2において検出される。受信したパケット514の真の開始は、T2より早いサンプリングクロック周期の部分周期(たとえば、ΔT)である。
【0032】
この部分的な周期(たとえば、ΔT)を推定するために、複数の方法が使用可能である。たとえば、時間領域信号は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して周波数領域に変換され、次いで元の信号のスペクトルによって除されて、チャネルの周波数応答を得ることが可能である。直交周波数分割多重(OFDM)ベースのシステムでは、この情報はチャネル感知情報(CSI)から取得されることも可能である。無線での理想チャネルでは、周波数領域でのチャネル応答は、
H(f)=Ae
j2πfΔT
である。
【0033】
ここで、Aはチャネルの損失、ΔTはチャネルの遅延である。
図7Aは、一実施形態による理想チャネルの位相応答を示す。縦軸の位相202および横軸の周波数204のプロットは、2π*ΔTに対応する勾配を有する直線としての理想チャネル210を示す。
【0034】
ΔTとT2−T1とを組み合わせることにより、正確な距離推定が以下のように確立可能である。
【0035】
距離=(T2−T1−勾配/(2π))×C
ここで、Cは光の速度である。
【0036】
非理想チャネルの場合には、環境からの多くの反射があり、全体的なチャネル応答は
H(f)=ΣA
ke
j2πfΔTk
で表されることが可能であり、ここでA
kは各経路の振幅であり、ΔT
kは各経路の遅延である。その結果、チャネル応答は、位相の直線とは異なる。
図7Bは、一実施形態による非理想チャネルの位相応答を示す。縦軸の位相252および横軸の周波数254のプロットは、非理想チャネル260を示す。
【0037】
行列束、MUSICなどの先進アルゴリズムは、複数経路の最小遅延(ΔT
k)を推定するために使用可能であり、距離はこの抽出された最小遅延から計算されることが可能である。
【0038】
距離=(T2−T1−S{H(f)})×C
ここでS{H(f)}は、チャネル応答測定からの最小遅延抽出の結果であり、すなわちこれはmin{ΔT
k}に等しい。
【0039】
システムを粗推定および精推定に分離することにより、高効率と高性能が同時に実現可能である。粗時間推定器は、精度は低いものの、長距離をカバーすることができる。このような低精度要件により、この推定器は干渉および多重経路に対する感度が低下するが、これは飛行時間測定にとって重要な誤差原因である。粗時間推定を決定するために使用可能な方法は複数ある。たとえば、信号が送信されたときおよび信号が受信されたときの時間を示すタイムスタンプから、粗時間が抽出されることが可能である。あるいは、粗遅延を推定するために、中国剰余定理を使用して複数の搬送波周波数で受信された信号の位相の測定が解除されることも可能である。粗遅延を推定するために、特定のセットの不均一な搬送波周波数を使用する不均一な離散フーリエ変換が使用されることもまた可能である。
【0040】
一方、精分解能推定器は比較的短い距離をカバーするだけでよいので、システムによって必要とされる計算資源を低減する。精推定は、1つの粗サンプル周期の最大遅延をカバーするためにのみ必要とされる。干渉および多重経路環境での性能を改善するために、この推定器に先進アルゴリズムが適用されることも可能である。この精推定は、多くの方法を使用して導出されることも可能である。たとえば、これは、受信した信号と信号の理想バージョンとの相互相関から導出されることが可能である。これは、受信した信号を使用するチャネル推定から導出されることもまた可能である。チャネル推定は、位相の勾配、逆FFT、行列束、MUSIC、または他の方法を使用することによって、精遅延推定に変換されることが可能である。
【0041】
線形代数では、行列束は、複素変数λを有する行列値関数として定義される。
【0042】
L(λ)=Σλ
iA
i
距離測定のコンテクストでは、チャネル応答は類似の形式
H(f)=H(n*fsub)=ΣA
ke
j2πfΔTk=ΣA
k(e
j2πfsubΔTk)
n=ΣA
k(λ)
n
を有し、ここで周波数領域測定は、fsub(副搬送波周波数)によって均一に離間した周波数で実行される。
【0043】
したがって、このようなシステムの極(λ)を抽出するために、行列束方法が使用可能である。全ての可能な極(λ
k)が測定から抽出されると、各時間遅延は以下のように計算され得る。
【0044】
ΔT
k=log(λ
k)/(j2πf
sub)
別の実施形態では、多重信号分類(MUSIC)アルゴリズムが使用されてもよい。MUSICは、高調波信号の和からなる信号モデリングに基づく。
【0045】
X(n)=ΣA
ke
j*wk*n
行列束の場合と同様に、チャネル応答は以下のように記述され得る。
【0046】
H(f)=H(n*fsub)=ΣA
ke
j*2πf*ΔTk=ΣA
ke
j*2π*fsub*ΔTk*n
次に、アルゴリズムは測定結果X(n)に基づいてA
kおよびw
kを抽出し、遅延要素は以下のように計算され得る。
【0047】
ΔT
k=w
k/(2πf
sub))
本明細書に記載されるシステムでは、雑音、数値誤差、およびその他のこのような制限により、誤った遅延が推定される可能性がある。実際よりも長い時間遅延が推定された場合、距離関連の遅延計算には最短の遅延しか使用されないので、時間遅延結果は影響を受けない。一方、短い飛行時間遅延が推定された場合には、実際の飛行時間遅延として誤認される可能性がある。したがって、時間遅延精度を改善するために、誤った短経路を排除することが重要である。したがって、一実施形態では、この誤差を修正するためのシステムが実装される。
【0048】
無線環境では、信号の振幅は、自由空間経路損失によって説明されるように、距離とともに二次的に減少する。したがって、遅延推定アルゴリズムから抽出された短い方の経路は、より高い振幅を有することが期待される。するとこの予測は、誤った短経路推定を排除するために使用される。受信信号の振幅は、推定された距離の二乗に推定された振幅を乗じることによって正規化されることが可能である。この正規化された振幅が特定の閾値よりも低い場合、この経路の推定は雑音またはアルゴリズム制限のいずれかによることを示すので、排除されてもよい。
【0049】
実際には、実際の信号強度は、壁、窓、反射などを含む経路上で被る付加的な損失にも依存する。前述の閾値は、これらの要因によって期待される損失に応じて設定されるか、または経験的データに応じて設定されることが可能である。
【0050】
一例では、経路推定アルゴリズムは5つの経路を生成することができる。これらの経路のうちの1つは雑音によって生成された可能性があり、実際の視線(LOS)遅延が40nsであるときのToF遅延推定は20nsである。これは
図8Aおよび
図8Bに示されている。
図8Aは、一実施形態によるプロット830の5つの例示的な経路に関連付けられた遅延の関数としての測定信号振幅を示す。プロット830は、横軸に5つの経路のToF遅延(ns)842および縦軸に測定信号振幅(dB)840を示す。データ点851から855は、5つの経路の異なるToF遅延の測定信号振幅を表す。データ点851は、40nsの実際のLOS遅延よりも短い20nsのToF遅延を有することによる、誤りの可能性のある短経路を表す。LOS振幅は1であり、データ点851に関連する誤った短経路の振幅は0.1であり得る。振幅は、距離の二乗によって正規化され得るので、LOS振幅は1であり、誤った経路の正規化された振幅は0.025である。ToF遅延に対する振幅のこのような正規化は、一実施形態による
図8Bのプロット860に示されている。プロット860は、横軸に5つの経路のToF遅延(ns)862および縦軸に信号振幅(dB)864の正規化を示す。データ点871から875は、5つの経路の異なるToF遅延の測定振幅の正規化を表す。データ点871は、40nsの実際のLOS遅延よりも短い20nsのToF遅延を有することによる、誤りの可能性のある短経路を表す。データ点871に関連付けられた誤った経路の正規化された振幅は、LOS振幅よりも32dB低い。一例では、環境要因から最大30dBの損失(経路損失を除く)が期待される場合には、データ点871に関連付けられた20nsの経路が誤った短経路推定として排除され得る。
【0051】
閾値自体は、短距離対長距離で期待される環境的損失の量の主な原因となる経路長の関数であってもよい。他の実装はまた、閾値の設定に、物理ハードウェアのダイナミックレンジ(たとえば、ハブ、センサノードなどのRF受信機の信号レベルのダイナミック動作レンジ)も組み込むことができる。
【0052】
別の実施形態では、飛行時間推定に非同期システムが使用される。2つの装置が非同期である場合、装置間のタイミングオフセットは、遅延推定に大きな誤差を導入する可能性がある。上記の設定は、この問題を緩和するために双方向システムに及ぶことができる。
図8Cは、別の実施形態による、飛行時間推定のために使用される非同期システムを示す。装置810は、まず、時刻T1においてパケットを有するRF信号812を装置820に送信する。パケットは、時刻T2に装置820に到着し、この時刻を記録するために装置820内のパケット検出アルゴリズムを起動する。次に、装置820は、時刻T3にパケットを有する信号822を送り返し、これは時刻T4に装置810に到着し、時刻を登録して波形を処理するために装置810を起動する。完全同期システムの場合とは異なり、T1およびT4は装置810に記録された時刻なので、その基準クロックとして参照されることに留意されたい。T2およびT3は、装置820の時刻基準に基づいて記録される。粗時間推定は、以下のように行われる。
【0053】
2×ToF=(T4−T1)−(T3−T2)
T4およびT1は同じクロックでサンプリングされるので、T4とT1との間には任意の位相がない。したがって、T4−T1は正確な時間であり、T3−T2にも同じ原理が適用される。したがって、この測定は、このシステムの非同期性に起因する2つの装置間の位相ふらつきの影響を受けない。先の実施形態と同様に、この測定は、T1/T2/T3/T4のサンプリングクロック周期の分解能によって制限される。この精度を改善するために、両方の装置で周波数応答測定が実行されることが可能である。装置820は装置810からのパケットを使用してチャネル応答を測定し、装置810は装置820からのパケットを使用してチャネル応答を測定する。2つの装置は同期していないので、2つのクロック間には位相の不確実性があり、ここではT
offsetで表される。クロックのこの位相オフセットは、両側のチャネル応答測定の余分な位相として現れるが、両側からのチャネル応答を乗じることによって排除されることが可能である。チャネル応答が以前と同じであると仮定すると、装置820からの測定は、以下の通りである。
【0054】
H
820(f)=H(f)e
−j2πfToffset
装置#1からの測定は、以下の通りである。
【0055】
H
810(f)=H(f)e
+j2πfToffset
したがって、結合されたチャネル応答は、
H
810(f)H
820(f)=H(f)
2=(ΣA
ke
−j2πfΔTk)
2
となり、2つのクロック間の位相差を相殺する。先の実施形態と同様に、2min{ΔT
k}となるH
810(f)H
820(f)からの遅延を推定するために、行列束、MUSICなどのアルゴリズムが使用可能であり、距離測定は下記によって与えられる。
【0056】
距離=[(T4−T1)/2−(T3−T2)/2−S{H
810(f)H
820(f)}/2]×C
あるいは、T
offsetは下記から推定可能である。
【0057】
H
810(f)/H
820(f)=e
+2j2πfToffset
T
offsetは、除されたチャネル応答の位相勾配の半分である。いずれの方向のチャネル応答も、計算されたオフセットによって修正可能である。すると距離推定は、以下のように計算可能である。
【0058】
距離=[(T4−T1)/2−(T3−T2)/2−S{H
810(f)}−T
offset]×C
または
距離=[(T4−T1)/2−(T3−T2)/2−S{H
820(f)}+T
offset]×C
この方法は、乗算方法に対する利点を有する。H(f)
2チャネル応答は、各経路の振幅および距離の2倍の項と、2経路置換ごとの交差項とを含む。これは2経路の場合、A
8102e
j2πf2ΔT1、A
8202e
j2πf2ΔT2、およびA
810A
820e
j2πf(ΔT1+ΔT2)である。精推定方法は、ダイナミックレンジを識別および低減する経路が少ないので、一方向チャネル応答H(f)に適用されたときにはより効果的で雑音に強い。
【0059】
上述の短経路排除アルゴリズムは、上記で開示されたものなどの非同期システムで使用されることも可能である。
【0060】
上記の実施形態から明らかなように、タイミングの測定は、距離推定の確立にとって重要である。タイミングの誤差は、距離測定の精度を低下させる可能性がある。タイミング誤差はしばしば無線システム内に存在する。たとえば、様々な信号強度の信号に対する堅牢な受信機動作を保証するために、自動利得制御(AGC)が一般的に使用される。動作中、AGC段は、利得に基づいて変動する遅延を有する可能性がある。したがって、これらの遅延の変動は、TOF推定の不確実性を増加させる可能性がある。一実施形態では、この誤差は、較正を通じて最小限に抑えられることが可能である。AGC段利得の関数としての遅延は、予め測定され、基準遅延からこのような偏差を減じることによって、実際のTOF測定中のタイミングを修正するために使用されてもよい。
図9は、一実施形態による自動利得制御を有するRF回路構成を示す。RF回路構成900(たとえば、1550、1670、1692、1770、1870など)は、本開示の実施形態に記載されるように、いずれの無線ノード(たとえば、ハブ、センサノード)に含まれることも可能である。RF回路構成900は、RF信号を受信し、RF信号を所望の中間周波数にダウンコンバートするために同相直交(I/Q)ダウンコンバージョンユニット920に送られる増幅信号を生成するための、低雑音増幅器を含む。可変利得増幅器930が中間周波数信号を増幅し、次いでアナログ−デジタル変換器(ADC)が増幅信号をベースバンド信号に変換する。AGC950は、その入力942の振幅の変化にもかかわらずその出力952において制御された信号振幅を提供する、閉ループフィードバック調整回路である。上述のように、AGC段利得(たとえば、AGC950)の関数としての遅延は、予め測定され、基準の予め測定された遅延からこのような偏差を減じることによって、実際のTOF測定中のタイミングを修正するために使用されてもよい。同様に、フィルタ遅延などのその他の較正済みシステム構成もまた、予め測定されて差し引かれてもよい。
【0061】
上記で示されたように、非同期システムでは、計算のために2つの装置からの情報が組み合わせられる必要がある。これを行うために、一実施形態では、装置のうちの1つは、先に述べられた同じRF信号(たとえば、812、822、1022、1023)を使用するか、または2ウェイToF測定システム1000の一実施形態で
図10に示されるように、独立したRF信号経路1024を使用して、他の装置に情報を送ることができる。
【0062】
図11は、代替実施形態による非同期システム1100を示す。装置1110および1120は、同じRF信号1112および1113または独立したRF信号1122および1123を通じて、それらの情報を第3の装置1130に送ることができ、第3の装置1130は、飛行時間を計算するために情報を処理して組み合わせることができる。
【0063】
ネットワーク上の様々なペアの間の距離が確立されると、情報は、ネットワークの様々な構成要素の相対および/または絶対位置の推定のため、ネットワーク内の1つ以上の構成要素に、またはネットワーク外のシステムにさえ、渡されることが可能である。これは、様々な技術を使用して実行され得る。たとえば、当業者に周知のように、三角測量手法が使用されてもよい。精度を改善して位置推定の誤差を低減するために、最小二乗手法などの誤差最小化技術が使用されてもよい。このような手法は、様々なペアの距離推定において生成された冗長情報を利用することによって、上記実施形態における距離推定に関連付けられた任意の誤差を低減するために使用されてもよい。決定された距離データに基づいて位置推定を実行するために使用される他の技術は、多次元尺度構成法、自己位置決めアルゴリズム、地形アルゴリズム、協調マルチラテレーション、分散最大尤度、双曲位置固定、移動地理的分散位置推定、弾性位置推定アルゴリズム、および他のそのようなアンカーフリーおよびアンカーベースの位置推定アルゴリズムを含む。
【0064】
本明細書において決定される位置推定情報は、無線センサネットワークの動作を容易にするためまたは改善するために使用されてもよい。例示的な無線センサネットワークは、参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月19日に出願された米国特許出願14/925,889号明細書に開示されている。位置推定は、ネットワーク内の論理的および/または機能的関係を確立するために使用されてもよい。一例示的実施形態において、位置推定情報は、
図2に示されるような、通常はツリー状のネットワークのコンステレーションとのノード間通信を可能にするセンサネットワーク内のコンステレーションメンバーシップを定義するために、使用されてもよい。この実施形態では、位置推定は、同じコンステレーション内に割り当てられるべきノードを識別するために使用される。これらはその後、ハブを経由することなく互いに直接通信してもよい。この手法の利点は、三角測量で残った距離推定の誤差がネットワークの致命的な故障を引き起こさないことである。むしろ、これらの誤差はせいぜいコンステレーションの誤った割り当てをもたらすだけである。重複するコンステレーション割り当てまたは緩いコンステレーション割り当てルールの使用は、これが望ましくない方法でネットワーク性能に影響を及ぼすのを防止するために、さらに使用されてもよい。
【0065】
一実施形態では、位置アルゴリズムはアンカーベースの三角測量を含む。アンカーベースのシステムでは、アンカーノード(たとえば、ハブ、センサ、装置など)の位置がわかっている。他の装置の未知の位置は、アンカーの既知の位置、ならびに各装置と各アンカーとの間の測定距離に基づいて計算される。これらの未知の装置の位置は、同じ手順で1つずつ計算される。装置の各々について、アンカーとの測定距離は、
【数1】
【0066】
ここで、x
i、y
i、およびz
iはi番目のアンカーの座標であり、d
iは未知の装置とi番目のアンカーとの間の測定距離であり、x、y、およびzは未知の装置の座標であって、これが推定の目標である。推定のために異なる誤差関数を設定することにより、未知の装置の位置(x、y、z)を計算するために線形最小二乗法を使用することができる。
【0067】
別の実施形態では、アンカーなしの三角測量設定で、いずれの装置についても既知の位置がない。アルゴリズムは、各装置の相対位置を決定するために、装置のペア間の距離測定を使用しなければならない。距離測定の全体的な誤差を最小化するために、全ての装置の相対位置を見つけることを目標とする。増分アルゴリズムおよび並列処理アルゴリズムを含む、多くのタイプのアルゴリズムがある。増分アルゴリズムは、少数の装置のセットから始まり、距離測定に基づいてこれらの位置を計算する。少数の装置のセットはその後、他の装置のためのアンカーノードとして使用される。これは単純なアルゴリズムであるが、初期のノードの位置を更新する先進アルゴリズムを使用したとしても、初期に計算されたノードの誤差が後のノードに容易に伝播するという不都合がある。
【0068】
並列処理アルゴリズムは増分アルゴリズムよりも低い誤差で大域的最適解を達成するために全ての位置を同時に推定するため、並列処理アルゴリズムは増分アルゴリズムの問題を解決する。これは通常、装置の位置を更新するために反復プロセスを使用するので、より多くの計算能力およびメモリを使用しながら収束するまでにより多くの時間がかかる。
【0069】
一実施形態による飛行時間技術を使用してノードの位置推定を決定するための方法を示す図である。方法1200の動作は、処理回路構成または処理論理回路を含む、無線装置、ハブの無線制御装置(たとえば、機器)、またはシステムによって実行されてもよい。処理論理回路は、ハードウェア(回路構成、専用論理回路など)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用機械または装置上で動作するものなど)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、ハブが方法1200の動作を実行する。
【0070】
無線ネットワークアーキテクチャの初期化時に、動作1201において、処理論理回路は、遅延を有する少なくとも1つの構成要素(たとえば、RF回路構成の自動利得制御(AGC)段、RF回路構成のフィルタ段など)を較正する。少なくとも1つの構成要素の較正は、少なくとも1つの構成要素(たとえば、利得の関数としてのAGC段、フィルタ段)の遅延を測定するステップと、測定遅延と少なくとも1つの構成要素の基準遅延との間に偏差が存在するか否かを決定するステップと、偏差が存在する場合に決定された飛行時間推定のタイミングを修正するステップとを含んでもよい。較正は通常、無線ネットワークアーキテクチャの初期化の間に行われる。あるいは、較正は、方法1200の後の時点で行われてもよい。
【0071】
動作1202において、無線周波数(RF)回路構成および少なくとも1つのアンテナを有するハブは、無線ネットワークアーキテクチャ(たとえば、無線非対称ネットワークアーキテクチャ)内の複数のセンサノードに通信を送信する。動作1203において、ハブのRF回路構成および少なくとも1つのアンテナは、無線ネットワークアーキテクチャ内のハブのRF回路構成との双方向通信を可能にするために、送信機および受信機を有する無線装置を各々有する複数のセンサノードから、通信を受信する。動作1205において、無線制御装置を有するハブの処理論理回路は、まず、センサノードの無線ネットワークを、ある期間(たとえば、所定の期間、位置推定に十分な期間など)にわたってメッシュベースのネットワークアーキテクチャとして構成させる。
【0072】
動作1206において、ハブの処理論理回路は、少なくとも1つの飛行時間技術、および場合により本明細書で開示される様々な実施形態で論じられたような信号強度技術を使用して、少なくとも2つのノード(または全てのノード)の位置推定を決定する。
【0073】
動作1208において、少なくとも2つのネットワークセンサノードの位置推定が完了すると、ハブの処理論理回路は、いずれかの飛行時間測定が行われていれば飛行時間測定を終了し、少なくとも2つのノードとの通信の信号強度を監視し続ける。同様に、少なくとも2つのノードは、ハブとの通信の信号強度を監視してもよい。動作1210において、ハブの処理論理回路は、位置推定の完了時に無線ネットワークをツリーベースまたはツリー状ネットワークアーキテクチャ(またはメッシュベースの特徴を持たないツリーアーキテクチャ)で構成する。
【0074】
本明細書で開示されるようなハブとノードとの間の通信は、無線周波数を使用する直接無線通信、家、アパート、商業ビルディングなどの中の電気配線上に信号を変調することによって実現される電力線通信、802.11a、802.11b、802.11n、802.11acなどの標準WiFi通信プロトコルおよび当業者にとって明らかな他のこのようなWiFi通信プロトコルを使用するWiFi通信、GPRS、EDGE、3G、HSPDA、LTE、および当業者にとって明らかな他の移動体通信プロトコルなどの移動体通信、Bluetooth通信、Zigbeeなどの公知の無線センサネットワークを使用する通信、ならびに当業者にとって明らかな他の有線ベースまたは無線の通信方式を含むがこれらに限定されない、様々な手段を使用して実現されてよい。
【0075】
終端ノードとハブとの間の無線周波数通信の実装は、狭帯域、チャネル重複、チャネルステッピング、マルチチャネル広帯域、および超広帯域通信を含む、様々な方法で実装されてよい。
【0076】
ハブは、本発明の実施形態にしたがって、多くの方法で物理的に実装されてよい。
図13Aは、一実施形態による電源コンセントのためのオーバーレイ1500として実装されたハブの例示的実施形態を示す。オーバーレイ1500(たとえば、フェースプレート)は、ハブ1510と、ハブを電気コンセント1502に結合する接続部1512(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)とを含む。あるいは(またはこれに加えて)、ハブはコンセント1504に結合されている。オーバーレイ1500は、安全性および美的目的のため、電気コンセント1502および1504を被覆または包囲する。
【0077】
図13Bは、一実施形態による電源コンセントのためのオーバーレイとして実装されたハブ1520のブロック図の分解図の例示的実施形態を示す。ハブ1520は、周期的に方向転換する交流電流(AC)を一方向のみに流れる直流電流(DC)に変換する、電源整流器1530を含む。電源整流器1530は、接続部1512(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコンセント1502からACを受け取り、接続部1532(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1540に電力を供給するため、ならびに接続部1534(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してRF回路構成1550に電力を供給するため、ACをDCに変換する。コントローラ回路1540は、メモリ1542を含むか、または本明細書で論じられたような無線非対称ネットワークの位置推定を形成、監視、および実行するようにハブの動作を制御するためにコントローラ回路1540の処理論理回路1544(たとえば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合されている。RF回路構成1550は、(1または複数の)アンテナ1552を介した無線センサノードとの双方向通信を送信および受信するための、トランシーバまたは別個の送信機1554および受信機1556機能を含んでもよい。RF回路構成1550は、接続部1534(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1540と双方向に通信する。ハブ1520は、無線制御装置1520またはコントローラ回路1540であってもよく、RF回路構成1550と(1または複数の)アンテナ1552の組み合わせは本明細書で開示される無線制御装置を形成してもよい。
【0078】
図14Aは、一実施形態による、コンピュータシステム、家電、または通信ハブ内で展開するためのカードとして実装されるハブの例示的実施形態を示す。カード1662は、矢印1663で示されるように、システム1660(たとえば、コンピュータシステム、家電、または通信ハブ)に挿入されることが可能である。
【0079】
図14Bは、一実施形態による、コンピュータシステム、家電、または通信ハブ内で展開するためのカードとして実装されるハブ1664のブロック図の例示的実施形態を示す。ハブ1664は、接続部1674(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1668に電力(たとえば、DC電源)を供給し、接続部1676(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してRF回路構成1670に電力を供給する、電源1666を含む。コントローラ回路1668は、メモリ1661を含むか、または本明細書で論じられたような無線非対称ネットワークの位置推定を形成、監視、および実行するようにハブの動作を制御するためにコントローラ回路1668の処理論理回路1663(たとえば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合されている。RF回路構成1670は、(1または複数の)アンテナ1678を介した無線センサノードとの双方向通信を送信および受信するための、トランシーバまたは別個の送信機1675および受信機1677機能を含んでもよい。RF回路構成1670は、接続部1672(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1668と双方向に通信する。ハブ1664は、無線制御装置1664またはコントローラ回路1668であってもよく、RF回路構成1670と(1または複数の)アンテナ1678の組み合わせは本明細書で開示される無線制御装置を形成してもよい。
【0080】
図14Cは、一実施形態による、家電(たとえば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、その他のスマート家電など)内で実装されたハブの例示的実施形態を示す。家電1680(たとえば、スマート洗濯機)は、ハブ1682を含む。
【0081】
図14Dは、一実施形態による、家電(たとえば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、その他のスマート家電など)内で実装されたハブ1684のブロック図の分解図の例示的実施形態を示す。ハブは、接続部1696(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1690に電力(たとえば、DC電源)を供給し、接続部1698(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してRF回路構成1692に電力を供給する、電源1686を含む。コントローラ回路1690は、メモリ1691を含むか、または本明細書で論じられたような無線非対称ネットワークの位置推定を形成、監視、および実行するようにハブの動作を制御するためにコントローラ回路1690の処理論理回路1688(たとえば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合されている。RF回路構成1692は、(1または複数の)アンテナ1699を介した無線センサノードとの双方向通信を送信および受信するための、トランシーバまたは別個の送信機1694および受信機1695機能を含んでもよい。RF回路構成1692は、接続部1689(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1690と双方向に通信する。ハブ1684は、無線制御装置1684またはコントローラ回路1690であってもよく、RF回路構成1692と(1または複数の)アンテナ1699の組み合わせは本明細書で開示される無線制御装置を形成してもよい。
【0082】
一実施形態では、無線非対称ネットワークアーキテクチャを提供するための機器(たとえば、ハブ)は、命令を格納するためのメモリと、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の通信を確立および制御するための命令を実行するためのハブの処理論理回路(たとえば、1つ以上の処理ユニット、処理論理回路1544、処理論理回路1663、処理論理回路1688、処理論理回路1763、処理論理回路1888)と、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するための複数のアンテナ(たとえば、(1または複数の)アンテナ1552、(1または複数の)アンテナ1678、(1または複数の)アンテナ1699、アンテナ1311、1312、および1313など)を含む無線周波数(RF)回路構成(たとえば、RF回路構成1550、RF回路構成1670、RF回路構成1692、RF回路構成1890)とを含む。無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の機器のRF回路構成との双方向通信を可能にするために送信機および受信機(またはトランシーバの送信機および受信機機能)を有する無線装置を各々有する複数のセンサノード(たとえば、ノード1、ノード2)に通信を送信するための、RF回路構成および複数のアンテナ。
【0083】
一例では、第1無線ノードは、1つ以上の処理ユニットと、第1パケットを有する第1RF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するためのRF回路構成とを有する無線装置を含む。第2無線ノードは、第2パケットを有する第2RF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の第1無線ノードとの双方向通信を可能にするための、送信機および受信機を有する無線装置を含む。第1無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1および第2パケットの往復飛行時間の時間推定に基づく位置推定のための飛行時間推定および第1および第2無線ノードのチャネル感知情報に基づく飛行時間の時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。
【0084】
一例では、機器は主電源によって電力供給され、複数のセンサノードは、無線ネットワークアーキテクチャを形成するために電池電源によって各々電力供給される。
【0085】
無線センサノードでは、リチウムイオン、リチウムポリマー、リン酸リチウム、および当業者にとって明らかな他のこのような化学物質などのリチウムベースの化学物質を含む、様々な電池が使用可能である。使用可能な追加の化学物質は、ニッケル金属水素化物、標準アルカリ電池化学物質、銀亜鉛および亜鉛空気電池化学物質、標準炭素亜鉛電池化学物質、鉛酸電池化学物質、または当業者にとって明白ないずれか他の化学物質を含む。
【0086】
本発明はまた、本明細書に記載される動作を実行するための機器にも関する。この機器は、必要とされる目的のために特別に構築されてもよく、またはコンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または再構成された汎用コンピュータを備えてもよい。このようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD−ROM、および光磁気ディスクを含むいずれかのタイプのディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、または電子命令を格納するのに適したいずれかのタイプの媒体などの、ただしこれらに限定されない、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0087】
本発明で提示されたアルゴリズムおよびディスプレイは、本質的にいずれか特定のコンピュータまたはその他の機器に関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書の教示によるプログラムとともに使用されてもよく、または必要とされる方法動作を実行するためのより専門的な機器を構築することが好都合であるとわかるかも知れない。
【0088】
図15は、一実施形態によるセンサノードのブロック図を示す。センサノード1700は、接続部1774(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1720に電力(たとえば、DC電源)を供給し、接続部1776(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してRF回路構成1770に電力を供給し、接続部1746(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介して検知回路構成1740に電力を供給する、電力源1710(たとえば、エネルギー源、電池電源、一次セル、充電式セルなど)を含む。コントローラ回路1720は、本明細書で論じられたような無線非対称ネットワークを形成および監視するためのセンサノードの動作を制御するためのコントローラ回路1720の処理論理回路1763(たとえば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリ1761を含むか、またはメモリに結合されている。RF回路構成1770(たとえば、通信回路構成)は、(1または複数の)アンテナ1778を介した(1または複数の)ハブおよび任意選択的な無線センサノードとの双方向通信を送信および受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1775および受信機1777機能を含んでもよい。RF回路構成1770は、接続部1772(たとえば、電気接続部)を介してコントローラ回路1720と双方向に通信する。検知回路構成1740は、(1または複数の)画像センサおよび回路構成1742、(1または複数の)水分センサおよび回路構成1743、(1または複数の)温度センサおよび回路構成、(1または複数の)湿度センサおよび回路構成、(1または複数の)空気質センサおよび回路構成、(1または複数の)光センサおよび回路構成、(1または複数の)モーションセンサおよび回路構成1744、(1または複数の)オーディオセンサおよび回路構成1745、(1または複数の)磁気センサおよび回路構成1746、ならびに(1または複数の)センサおよび回路構成nなどを含む、様々なタイプの検知回路構成および(1または複数の)センサを含む。
【0089】
本明細書で開示される無線位置推定技術は、ネットワーク全体の位置推定精度を改善するために、他の検知情報と組み合わせられてもよい。たとえば、ノードのうちの1つ以上がカメラを含む無線センサでは、監視対象のセンサノードが同じシーンを見ているか否か、および同様に同じ部屋の中でありそうか否かを判断するために、画像処理および機械学習技術とともに撮影画像が使用され得る。周期的な照明および光検出器を使用することによって類似の利益が実現され得る。照明をストロボして光検出器を用いて検出することによって光路が検出可能であり、多分ストロボと検出器との間に不透明な壁が存在することを示すことができる。他の実施形態では、監視対象のセンサノードの配向を検出するために、磁気センサがセンサノードに組み込まれ、コンパスとして使用されることが可能である。この情報はその後、センサが壁、床、天井、または他の位置にあるかどうかを判断するために、位置推定情報とともに使用されることが可能である。
【0090】
一例では、各センサノードは画像センサを含んでもよく、家の各外壁は1つ以上のセンサノードを含む。ハブは、各センサノードの絶対位置を決定するために、位置推定情報とともに画像データおよび任意選択的に配向データを含むセンサデータを分析する。次いでハブは、ユーザのために建物の各部屋の三次元画像を作成することができる。間取図は、壁、窓、ドアなどの位置を用いて生成され得る。画像センサは、家の完全性の問題(たとえば、水、雨漏りなど)を示す反射の変化を示す画像を撮影することができる。
【0091】
図16は、一実施形態によるハブを有するシステム1800のブロック図を示す。システム1800は、無線非対称ネットワークアーキテクチャのハブ1882または中央ハブを含むか、またはこれと統合されている。システム1800(たとえば、計算装置、スマートテレビ、スマート家電、通信システムなど)は、無線通信を送信および受信するためのいずれかのタイプの無線装置(たとえば、携帯電話、無線電話、タブレット、計算装置、スマートテレビ、スマート家電など)と通信してもよい。システム1800は、コントローラ1820および処理ユニット1814を含む処理システム1810を含む。処理システム1810は、それぞれ1つ以上の双方向通信リンクまたは信号線1898、1818、1815、1816、1817、1813、1819、1811を介して、ハブ1882、入出力(I/O)ユニット1830、無線周波数(RF)回路構成1870、オーディオ回路構成1860、1つ以上の画像または動画を撮影するための光学装置1880、システム1800のためのモーションデータ(たとえば、三次元)を決定するための任意選択によるモーションユニット1844(たとえば、加速度計、ジャイロスコープなど)、電力管理システム1840、および機械アクセス可能な非一時的媒体1850と通信する。
【0092】
ハブ1882は、接続部1885(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1884に電力(たとえば、DC電源)を供給し、かつ接続部1887(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してRF回路構成1890に電力を供給する、電源1891を含む。コントローラ回路1884は、本明細書で論じられたような無線非対称ネットワークを形成および監視するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1884の処理論理回路1888(たとえば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリ1886を含むか、またはメモリに結合されている。RF回路構成1890は、(1または複数の)アンテナ1896を介した無線センサノードまたは他のハブとの双方向通信を送信および受信するための、トランシーバまたは別個の送信機(TX)1892および受信機(RX)1894機能を含んでもよい。RF回路構成1890は、接続部1889(たとえば、通信リンク、信号線、電気接続部など)を介してコントローラ回路1884と双方向に通信する。ハブ1882は、無線制御装置1884またはコントローラ回路1884であってもよく、RF回路構成1890と(1または複数の)アンテナ1896の組み合わせは本明細書で開示される無線制御装置を形成してもよい。
【0093】
システムのRF回路構成1870および(1または複数の)アンテナ1871またはハブ1882のRF回路構成1890および(1または複数の)アンテナ1896は、無線リンクを通じて本明細書で論じられたハブまたはセンサノードの1つ以上の他の無線装置に情報を送信および受信するために使用される。オーディオ回路構成1860は、オーディオスピーカ1862およびマイクロフォン1064に結合されており、音声信号を処理するための既知の回路構成を含む。1つ以上の処理ユニット1814は、コントローラ1820を介して1つ以上の機械アクセス可能な非一時的媒体1850(たとえば、コンピュータ可読媒体)と通信する。媒体1850は、1つ以上の処理ユニット1814による使用のためのコードおよび/またはデータを格納することができる、いずれの装置または媒体(たとえば、記憶装置、記憶媒体)であってもよい。媒体1850は、キャッシュ、メインメモリ、および二次メモリを含むがこれらに限定されない、メモリ階層を含むことができる。
【0094】
媒体1850またはメモリ1886は、本明細書に記載される方法または機能のいずれか1つ以上を実現する、1つ以上の命令セット(またはソフトウェア)を格納する。ソフトウェアは、オペレーティングシステム1852、無線非対称ネットワークアーキテクチャを確立、監視、および制御するためのネットワークサービスソフトウェア1856、通信モジュール1854、およびアプリケーション1858(たとえば、家または建物のセキュリティアプリケーション、家または建物の統合性アプリケーション、デベロッパアプリケーションなど)を含んでもよい。ソフトウェアはまた、媒体1850、メモリ1886、処理論理回路1888の中に、または装置1800によるその実行の間は処理ユニット1814の中に、完全にまたは少なくとも部分的に存在してもよい。
図18に示される構成要素は、1つ以上の信号処理および/または特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらのいずれかの組み合わせにおいて実装されてもよい。
【0095】
通信モジュール1854は、他の装置との通信を可能にする。I/Oユニット1830は、異なるタイプの入出力(I/O)装置1834(たとえば、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)、タッチディスプレイ装置、またはユーザ入力を受け付けて出力を表示するためのタッチスクリーン、任意選択的な英数字入力装置)と通信する。
【0096】
一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置推定のための非同期システムは、1つ以上の処理ユニットと、第1パケットを有する第1RF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するためのRF回路構成とを有する無線装置を有する第1無線ノードと、第2パケットを有する第2RF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の第1無線ノードとの双方向通信を可能にするための送信機および受信機を有する無線装置を有する第2無線ノードとを備える。第1無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1および第2パケットの往復飛行時間の時間推定に基づく位置推定のための飛行時間推定および第1および第2無線ノードのチャネル感知情報に基づく飛行時間の時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。
【0097】
別の例では、第1無線ノードは第1基準クロック信号を有し、第2無線ノードは第2基準クロック信号を有する。
【0098】
別の例では、第1および第2パケットの往復飛行時間の時間推定は、第1無線ノードが第1パケットを送信する第1の時間、第2無線ノードが第1パケットを受信する第2の時間、第2無線ノードが第2パケットを送信する第3の時間、および第1無線ノードが第2パケットを受信する第4の時間に基づく。
【0099】
別の例では、第1無線ノードのチャネル感知情報は、第2パケットのチャネル応答の第1測定値を備え、第2無線装置のチャネル感知情報は、第1パケットのチャネル応答の第2測定値を備える。
【0100】
別の例では、結合されたチャネル応答は、第1および第2基準クロック信号間の位相差を相殺するために、第1測定値および第2測定値を乗じるステップを備える。
【0101】
別の例では、除されたチャネル応答は、第1および第2基準クロック信号間の位相差を推定するために、第1測定値を第2測定値で除するステップを備える。
【0102】
別の例では、第2パケットのチャネル応答の第1測定値および第1パケットのチャネル応答の第2測定値から複数経路の最小遅延を推定するために、行列束およびMUSICアルゴリズムのうちの少なくとも1つが使用される。
【0103】
別の例では、位置推定のための飛行時間推定は、第1および第2パケットの往復飛行時間の時間推定および複数経路の最小遅延に基づいて第1および第2無線ノード間の距離を決定するステップを備える。
【0104】
別の例では、第1および第2無線ノード間の距離は、アンカーノードベースの三角測量またはアンカーノードなしの三角測量に基づいて第1および第2無線ノードの相対位置または絶対位置を決定するために使用される。
【0105】
別の例では、第1および第2無線ノード間の距離は、複数の無線センサノードを有する無線センサネットワーク内のコンステレーションメンバーシップを定義するために使用される位置推定情報を決定するために使用される。
【0106】
別の例では、1つ以上の処理ユニットと、無線ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するためのRF回路構成とを有する無線装置を有する第3無線ノードは、第1無線ノードからの第1RF情報信号および第2無線ノードからの第2RF情報信号を含む。第3無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1および第2RF情報信号に基づいて位置推定のための飛行時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。
【0107】
一例では、無線ネットワークアーキテクチャにおけるノードの位置推定のための同期システムは、1つ以上の処理ユニットと、パケットを有するRF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するためのRF回路構成とを有する無線装置を有する第1無線ノードを備える。第2無線ノードは、1つ以上の処理ユニットと、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1無線ノードとの双方向通信を可能にするためのRF回路構成とを有する無線装置を含む。第2無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、パケットの飛行時間の時間推定に基づく位置推定のための飛行時間推定およびチャネル感知情報に基づく飛行時間の時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。第1および第2無線ノードは、この例では同じ基準クロック信号を有する。
【0108】
別の例では、パケットの飛行時間の時間推定は、第1無線ノードがパケットを送信するときは第1の時間、第2無線ノードがパケットを受信するときは第2の時間に基づく。
【0109】
別の例では、チャネル感知情報は、第1および第2無線ノード間の複数経路の遅延およびチャネルの位相応答を含む、パケットのチャネル応答の測定値を備える。
【0110】
別の例では、第1および第2無線ノード間の複数経路の最小遅延を推定するために、行列束およびMUSICアルゴリズムのうちの少なくとも1つが使用される。
【0111】
別の例では、位置推定のための飛行時間推定は、パケットの飛行時間の時間推定および複数経路の最小遅延に基づいて第1および第2無線ノード間の距離を決定するステップを備える。
【0112】
別の例では、第1および第2無線ノード間の距離は、アンカーノードベースの三角測量またはアンカーノードなしの三角測量に基づいて第1および第2無線ノードの相対位置または絶対位置を決定するために使用される。
【0113】
別の例では、第1および第2無線ノード間の距離は、複数の無線センサノードを有する無線センサネットワーク内のコンステレーションメンバーシップを定義するために使用される位置推定情報を決定するために使用される。
【0114】
別の実施形態では、機器は、命令を格納するためのメモリと、無線ネットワークアーキテクチャ内の複数のセンサノードを制御し、複数のセンサノードの位置を決定するための命令を実行するための1つ以上の処理ユニットと、無線ネットワークアーキテクチャ内の機器のRF回路構成との双方向通信を可能にするための送信機および受信機を有する無線装置を各々が有する複数のセンサノードに通信を送信し、そこから通信を受信するための無線周波数(RF)回路構成とを備える。機器の1つ以上の処理ユニットは、RF回路構成の自動利得制御(AGC)段を較正し、AGC段の較正に基づいて機器とセンサノードとの間の通信のための飛行時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。
【0115】
一例では、機器の1つ以上の処理ユニットは、飛行時間推定の決定の前または最中に利得の関数としてのAGC段の遅延を測定し、測定遅延とAGC段の基準遅延との間に偏差が存在するか否かを決定し、偏差が存在する場合には決定された飛行時間推定のタイミングを修正することによって、AGC段を較正するための命令を実行するように構成されている。
【0116】
別の例では、機器の1つ以上の処理ユニットは、飛行時間推定の前または最中にフィルタ段の遅延を測定し、測定フィルタ遅延と基準フィルタ遅延との間に偏差が存在するか否かを決定し、偏差が存在する場合には決定された飛行時間推定のタイミングを修正することによって、フィルタ段を較正するための命令を実行するように構成されている。
【0117】
別の実施形態では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置推定のためのシステムは、1つ以上の処理ユニットと、無線ネットワークアーキテクチャ内の通信を送信および受信するためのRF回路構成とを有する無線装置を有する第1無線ノードと、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1無線ノードとの双方向通信を可能にするための送信機および受信機を有する無線装置を有する第2無線ノードとを備える。第1無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第2無線ノードから受信した通信について第1および第2無線ノード間の複数経路の受信信号の信号振幅を決定し、複数経路の受信信号の信号振幅を閾値と比較し、誤った短経路の信号振幅が所定の方法で閾値と比較するときに複数経路の誤った短経路を排除する、経路推定アルゴリズムの実装に基づいて位置推定のための飛行時間推定を決定するための命令を実行するように構成されている。
【0118】
一例では、誤った短経路の信号振幅が閾値未満であるときに、誤った短経路の信号振幅は所定の方法で閾値と比較する。
【0119】
一例では、閾値は、環境要因、経験的データ、および経路長による複数経路の期待される損失のうちの少なくとも1つに基づいて設定される。
【0120】
上記の明細書では、本発明は、その特定の例示的実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、本発明の広範な精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がなされてもよいことは、明らかであろう。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものと見なされるべきである。