(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のチャネル壁が多孔質であり、さらに前記外皮バッチが、低温硬化セメント、および、焼成または焼結されたセラミック、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載のハニカム本体用の中間生成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の例示的な実施形態を示している添付の図面を参照して、本開示を以下でより十分に説明する。ただし、本開示は多くの異なる形で具現化され得るものであり、本書に明記される例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろこれらの実施形態は、本開示が徹底したものとなるように提供され、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるであろう。図面において、層および領域のサイズおよび相対的サイズは、明瞭にするため誇張されていることがある。
【0015】
要素または層が別の要素または層「上」にある、あるいはこれに「接続」、または「隣接」していると称される場合には、これが他の要素または層の直接上にある、あるいは他の要素または層に直接接続している、または直接隣接しているものでもよいし、あるいは介在する要素または層が存在しているものでもよいことを理解されたい。対照的に、要素または層が別の要素または層の「直接上」にある、あるいはこれに「直接接続」、または「直接隣接」していると称される場合には、介在する要素または層は存在しない。図面の同様の参照番号は、同様の要素を示す。本開示のために、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」とは、Xのみ、Yのみ、Zのみ、またはX、Y、およびZの2以上の項目の任意の組合せ(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZ)と解釈され得ることを理解されたい。
【0016】
これらの例示的な実施形態において、開示される物品、および物品を作製する開示される方法は、例えば以下で論じるようなものを含む、1以上の有利な特徴または態様を提供する。請求項のいずれかに列挙される特徴または態様は、本発明のあらゆる面に一般に適用可能である。任意の1つの請求項における任意の列挙される単一または複数の特徴または態様は、任意の他の請求項における任意の他の列挙される特徴または態様と、組み合わせてもよいし、あるいは置換してもよい。
【0017】
上部、下部、側部、上方、下方、鉛直、および水平などの用語が使用されるが、本開示はその例示的な実施形態に対し、そのように限定されるものではない。代わりに、「上部」、「下部」、「水平」、「鉛直」、「側部」、「真下」、「下」、「下方」、「上」、「上方」などの空間的に相対的な用語は、図面に示されているある要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するための記述を簡単にするために本書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて使用時または動作時の機器の様々な向きを包含するよう意図されていることを理解されたい。例えば、図面の機器が逆向きになった場合、他の要素または特徴の「下」または「真下」と説明された要素は、そのとき他の要素または特徴の「上」向きになる。従って、例示的な用語「下」は、上および下の両方の向きを包含し得る。機器は(90度または他の向きに回転された)それ以外の向きとすることもでき、本書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに従って解釈され得る。
【0018】
「含む」または同様の用語は、包含するが限定しないことを意味し、すなわち含むものであって排他的なものではない。
【0019】
本開示の実施形態の説明において採用される、例えば組成物における成分の量、濃度、容積、プロセス温度、プロセス時間、収量、流量、圧力、粘度、および同様の値、およびその範囲を修飾する「約」は、例えば、材料、組成物、合成物、濃縮物、または使用配合物、を用意するために使用される典型的な測定および取扱手順を通じて、これらの手順における不用意なエラーを通じて、方法を実行するために使用される出発材料または成分の、製造、ソース、または純度における違いを通じて、および同様の考慮事項を通じて、生じ得る数量の変動を称する。「約」という用語は、特定の初期の濃度または混合での組成物または配合物の、経年変化に起因して異なる量、および、特定の初期の濃度または混合での組成物または配合物の、混合または処理に起因して異なる量も含有する。
【0020】
本書で使用される名詞は、他に規定がなければ、少なくとも1つ、すなわち1以上の対象を指す。
【0021】
通常の当業者に周知の略記が使用され得る(例えば、時間に対して「h」または「hr」、グラムに対して「g」または「gm」、ミリリットルに対して「mL」、室温に対して「RT」、ナノメートルに対して「nm」、および類似の略記)。
【0022】
組成物、成分、添加物、時間、温度、圧力、および同様の点に対して開示された、具体的な値および好適な値、さらにその範囲は、説明のためのみのものであり、他の定義された値、または定義された範囲内の他の値を排除しない。本開示の装置および方法は、本書で説明される、任意の値または任意の値の組合せ、具体的な値、より具体的な値、および好適な値を含み得る。
【0023】
本書では生材料とは、無機材料および/または有機材料の混合物を含む、未焼成材料である。生材料は、種々の無機充填材、無機および/または有機バインダ材料、および液体ビヒクルを含み得る。生材料を乾燥して、流動性内容物(例えば、水)を除去することができる。乾燥は、部品を周囲雰囲気に一晩露出させて置くことにより達成されることが多いが、熱風、強制空気、マイクロ波、無線周波(RF)、または赤外線放射(IR)を使用して、乾燥を増強してもよい。乾燥は、湿気制御空気内で達成され得る。生材料は、低温硬化セメントを含み得る。乾燥された生材料を焼成して、多孔質の、または非多孔質の、セラミック物品を形成することができる。
【0024】
本書では「上乗せ添加(super addition)」とは、混合物の無機成分の100質量パーセントに基づいた、これに対する、例えば有機バインダ、液体ビヒクル、添加剤、または細孔形成剤などの成分の、質量パーセントを称する。
【0025】
基材およびフィルタ物品が、ガソリンおよびディーゼルの軽量自動車および大型車において、環境規制を満たす後処理排出制御のために使用されている。こういった基材およびフィルタの製造におけるステップの1つは、基材およびフィルタの外周の軸方向表面上に、セメントベースの外皮または外壁を塗布するものである。
【0026】
多孔質セラミックフィルタ物品などの部品上の外皮は、その部品と周囲との間の境界面である。外皮はいくつかの有利な機能を果たすものであり、例えば外皮は、その部品の見た目の美しさを増大させ、品質の指標として顧客に評価され、製造時および使用時の部品のハンドリングおよび輸送などの際に、欠け損傷などの構造的劣化や部品の周囲の他の危険から部品の機能的なフィルタ部分を保護し、さらに、現代の部品に対する重要な性能測定基準である、部品のアイソスタティック強度を増大させる。
【0027】
図1Aは、複数の交差壁110を含むハニカム本体100を示したものであり、交差壁110は、対向する端面114、116間に軸方向に延在する、相互に隣接したセルチャネル112を形成する。
図1Bは、
図1Aのハニカム本体100の概略断面図を示している。
図1Cは、
図1Aのハニカム本体100の概略上面図を示している。「セル」は本書において、ハニカム本体の断面における交差壁を称する際に一般に使用され、「チャネル」は、端面114、116間に延在するセルを称する際に一般に使用される。「セルチャネル」並びにセルおよびチャネルは、同じ意味で使用され得る。「部分セル」または「部分セルチャネル」120とは、本書で使用される場合、輪郭形成されたハニカム本体100(ハニカムコア104)の外周118の位置で、交差壁110が間隙122を有しているセルまたはチャネルを称する。
図1Aの位置付けのハニカム本体100に関し、上面114は第1の端面を称し、底面116は第2の端面を称するが、それ以外にこれらの端面は、ハニカム本体100の向きによって限定されるものではない。上面114がハニカム本体100の入口面かつ底面116がその出口面でもよいし、あるいは上面114がハニカム本体100の出口面かつ底面116がその入口面でもよい。
【0028】
セル密度は、1平方インチ(6.45cm
2)当たり約100から900セル(cpsi)(約15.5から約140セル/cm
2)の間とすることができる。典型的なセル壁の厚さは、約0.025mmから約1.5mm(約1から60ミル)の範囲とすることができる。例えばハニカム本体100の幾何学的形状は、400cpsi(約62セル/cm
2)で、壁の厚さが約8ミル(0.2mm)(400/8)または壁の厚さが約6ミル(0.15mm)(400/6)のものでもよい。他の幾何学的形状としては、例えば、100/17、200/12、200/19、270/19、600/4、400/4、600/3、および900/2が挙げられる。本書では、ハニカム本体100は一般的にハニカム構造体を含むと意図されているが、正方形の構造に厳密に限定されたものではなく、例えば、六角形、八角形、三角形、長方形、または任意の他の適切なセル形状を使用することができる。さらに、セルで構成されるハニカム本体100の断面は円形であるが、これに限定されるものではなく、例えばその断面は、楕円形、正方形、長方形、または他の所望の形状とすることができる。
【0029】
ハニカム本体100は概して、外周118を有するハニカムコア104と、外皮124とを備えている。外皮124は共押出しされたものでもよいし、または輪郭形成作業の後に塗布されたものでもよい。
図2は、輪郭形成後かつ外皮形成前のハニカムコア104の例示的な実施形態の斜視図を示している。ハニカムコア104は、生の、輪郭形成および外皮形成の前に乾燥させたものでもよいし、あるいは焼成したものでもよい。輪郭形成されたハニカムコア104の最外部の外周118に位置する壁110は、部分セル120並びにセル112を形成し得る。この部分セル120は一般に、セル112の外側に空間を設ける。ただしセル112を形成している壁110が外周118で合流する場合には、セル112が最外部になり得る。部分セル120の壁110の最外部分と、いくつかのセル112の最外角部126が、輪郭形成されたハニカムコア104の外周118を形成する。
【0030】
本開示の例示的な実施形態は、単一のモノリスから形成され得る、またはモノリスを形成するよう一緒にセメント接合されたセグメントから形成され得る、
図2に示されているようなハニカムコア104を備えた、セラミック物品に関する。ハニカムコア104は、入口面114と出口面116との間にセルチャネル112および部分セルチャネル120を画成して入口面114から出口面116まで延在する、複数のチャネル壁110と、入口面114から出口面116まで延在する外周118とを含み、この部分セルチャネル120は、ハニカムコア104の外周118に隣接している。外皮124が、部分セルチャネルの全容積の大部分が
図1A、1B、および1Cに示されているように入口面114から出口面116まで開口するようにハニカムコア104の外周118上に配置されて、ハニカム本体100を形成する。本開示は事後塗布の外皮に関するが、この事後塗布の外皮を、共押出しされた外皮上に配置してもよい。
【0031】
これらの例示的な実施形態において、ハニカムコア104は、コージライトなどのセラミック材料から形成され得、あるいは他の事例では、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム、アルミナ、および/またはムライト、またはこれらの組合せなどの、他のセラミック材料から作製され得る。
【0032】
ハニカム本体は、ハニカムモノリス体を形成するのに適した任意の従来のプロセスに従って形成され得る。例えば、可塑化セラミック形成バッチ組成物を、押出成形、射出成形、鋳込み成形、遠心鋳造法、加圧鋳込成形、乾式成形などの、任意の既知の従来のセラミック成形プロセスによって生素地へと成形してもよい。典型的には、ハニカム構造体は押出成形プロセスによって形成され、このときセラミック材料が生の状態に押出しされ、その後この生の状態のものを焼成して最終的なセラミック構造体が形成される。例示的な実施形態において押出成形は、排出端に取り付けられたダイアセンブリを備えている、水圧ラム押出プレス、2段階脱気単一オージェ押出機、または2軸スクリューミキサーを用いて行うことができる。押出しされた材料を切断して、エンジン製造業者の要望にあった形状およびサイズのフィルタ本体など、ハニカム構造体を生成することができる。押出しされた材料は、ハニカム構造体を形成するよう一緒に接続または接合される、ハニカムセグメントでもよい。これらの押出しされた生素地は、任意のサイズまたは形状とすることができる。
【0033】
一般に、セラミックハニカム構造体が押出しされると、構造体の長さに沿って固体の外部表面が提供される。しかしながら特定の状況下では、この外部表面を除去することが必要になり得る。例えば生の押出しされたハニカム構造体は、押出しされた外部表面を除去することによって所望の形状およびサイズに成形され得る。あるいは生のハニカム構造体を焼成し、次いで研削して、外部押出表面と、所望の形状およびサイズを得るために必要な多孔質壁構造の任意の部分とを除去することによって、所望の形状およびサイズとしてもよい。成形は、所望の形状およびサイズを達成するためにハニカム構造体の外側押出表面を、切断、研磨、または研削するなど、当技術において既知の任意の手段で達成することができる。
【0034】
同様にハニカムセグメントは、ハニカム構造体に一体化される前に、押出しされた外部表面を除去することによって所望の形状およびサイズに成形され得る。あるいはハニカムセグメントを一体化してハニカム構造体を形成し、この形成されたハニカム構造体を所望の形状およびサイズに成形してもよい。
【0035】
一旦所望の形状およびサイズが得られると、このサイズに合わせて成形された本体の外周に外皮材料を塗布して、本体上に新たな外部表面、すなわち外皮を形成することができる。典型的には、ハニカム本体の端部は外皮材料でカバーされないが、所望であれば特定の通路を塞いでもよい。一旦外皮組成物がハニカム構造体に塗布されると、外皮組成物を乾燥および/またはか焼してもよい。いくつかの実施形態では、低温硬化セメント組成物をハニカム構造体に塗布してもよい。いくつかの実施形態において、それを覆うようにセメントが塗布されるハニカムコアは、焼成されたセラミック材料を含む。他の実施形態においてハニカムコアは、生素地またはか焼体を含む。いくつかの事例では、か焼されたハニカム構造体の最終的な焼成を触媒化プロセスの際に行ってもよい。
【0036】
これらの例示的な実施形態では、ハニカムコアの所望の形状およびサイズが一旦得られると、ハニカムコア上にシートを配置し、シート上に外皮バッチを配置する。
図3Aは、外周118上に配置されたシート130を備えた、ハニカムコア104の概略端面図である。このシートは内側表面132および外側表面134を有している。内側表面132は、巻き付ける作業などによって外周118上に配置され、この作業においてシートの内側表面132は、シートの外側表面134に重複部分136で重なり得る。あるいはシート130は、重複部分を含まないスリーブの形を成したものでもよい。シート130がスリーブの形を成している場合、シート130のハニカムコア104への適用は、シート130をハニカムコア104の端面114、116を越えて滑らせて、外周118上に配置し得る作業を含み得る。
【0037】
シート130は、輪郭形成されたハニカムコア104の外周118を形成する、部分セル120の壁110の最外部分とセル112の最外角部126との上に配置され得る。シート130は、外皮バッチが部分セル120を充填するのを防ぐよう障壁を提供する。
図3Bは、外周118上に配置されたシート130と、シート130の外側表面134上に配置された外皮バッチ層140とを備えている、ハニカムコア104の概略端面図を示している。外皮バッチ層140は、シート130の外側表面134に接触している内側表面142と、ハニカム本体100の外周を形成する外側表面144とを有している。
【0038】
外皮バッチは、ドクターブレード工程、軸方向外皮形成(axial skinning)工程、スプレー鋳造工程、またはテープ成形工程などによって、シート130に包まれたハニカムコア104に塗布され得る。シート130は、外皮バッチ層140が部分セル120を充填するのを防ぐが、しかしながら外皮バッチはシート130を浸透して、輪郭形成されたハニカムコア104の外周118を形成する、部分セル120の壁110の最外部分およびいくつかのセル112の最外角部126に接触し得る。こういった意味でシート130は、外皮バッチをハニカムコアの壁110に接触させることができる多孔質のものでもよい。ハニカムコアの壁110に接触した外皮バッチは、外皮バッチが硬化されると外皮バッチ層140をハニカムコア104に接合させ、ハニカム本体を形成する。外皮バッチの硬化は、シート130の犠牲を含み得る。例えば外側外皮を形成するために外皮バッチを焼成またはか焼して、シート130を焼き尽くすと、入口面114から出口面116まで開口した外皮形成された部分セルチャネル120の部分を残すことができる。
【0039】
シート130は、例えば水で濡らしたものでもよく、またはシート130は外皮124の構成成分を含み得る。シート130を濡らすと、ハニカムコア104上にシート130を配置するのを助けることができる。シート130を濡らしかつ乾燥させると、シート130をハニカムコア104に対して収縮させることができ、続く外皮形成作業をさらに助けることができる。外皮124または外皮層140の、1以上の構成成分を含浸させたシート130は、外皮124のハニカムコア104への接合を高めることができると同時に亀裂などの欠陥を防ぐことができる。1つのこの構成成分は、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナなどの無機バインダ、およびこれらの組合せとすることができる。
【0040】
例示的な実施形態においてシート130は、多孔質織布シート、多孔質不織布シート、非多孔質織布シート、および非多孔質不織布シート、のうちの少なくとも1つとすることができる。このシートは特に限定されるものではなく、天然材料および合成材料を含み得、シートは裏に接着剤を有するものでも、あるいは有していないものでもよい。シート材料の例としては、ガラス繊維テープ、ガラス繊維クロス、セルロース繊維、さらにポリエチレン繊維クロス、ナイロン繊維クロス、およびポリエステル繊維クロスなどのポリマーが挙げられ、シート材料の他の例としては、炭素繊維織物、紙、キムワイプ(Kimwipe)(登録商標)などのペーパーティッシュ、網、さらに綿、絹、ヘンプ、またはリネンなどの天然繊維クロスが挙げられる。多孔率は、ナノメートルスケールからミリメートルスケールの範囲でもよい。シートの厚さは同様の範囲、例えば数μmから数ミリメートルでもよい。例えばシートの厚さは約50から1500μmでもよく、また孔の開口は約1μmから約1500μmでもよい。シート130が多孔質である場合、外皮バッチの構成成分がシート130に浸透して、外皮層140をハニカムコア104に接合させることができる。シート130が非多孔質である場合には、か焼または硬化の際に外皮層の構成成分がシート130に浸透することによって、外皮材料層140はハニカムコア104の外周118に接合することができる。シート130が非多孔質である場合、か焼、焼成、または硬化の際にシート130が反応し得ることにより、外皮材料層140はハニカムコア104の外周118に接合することができる。
【0041】
シートのパラメータを特徴付ける別の非限定的方法として、シートの密度を使用することができる。例えばシートの密度は、約0.1オンス/平方ヤード(3.4g/m
2)から約50オンス/平方ヤード(1695.3g/m
2)でもよい。例えばシート材料は、約0.7オンス/平方ヤード(23.7g/m
2)、約1.5オンス/平方ヤード(50.9g/m
2)、約2オンス/平方ヤード(67.8g/m
2)、約2.7オンス/平方ヤード(91.5g/m
2)、またはさらには約3.2オンス/平方ヤード(108.5g/m
2)でもよい。
【0042】
代わりの例示的な実施形態において、外皮バッチ層140は、シート130をハニカムコア104上に配置する作業の前にシート130上に配置され得る。こういった事例では、バッチ層140を外側表面134上に配置して備えたシート130を、上述したようにハニカムコア104に適用してもよい。
【0043】
シート130は、外周118上にシート130を配置する前に、外皮バッチ層をシートの内側表面132上に配置して備えたものでもよい。シート130は、内側表面132上に配置された外皮バッチ層が部分セル120を充填するのを防ぐ。外皮バッチが硬化すると、ハニカムコアの壁110に接触している内側表面132上の外皮バッチが、外皮バッチ層140をハニカムコア104に接合させて、ハニカム本体100を形成する。この例示的な実施形態では、硬化、焼成、またはか焼の際にシート130を犠牲にし、または変形させて、外側外皮124を形成する。外皮バッチセメントが内側表面132および外側表面134上に配置される場合、バッチセメントはシート130の内側および外側で同じ組成を有してもよいし、あるいはバッチセメントはシートの内側および外側で異なる組成を有していてもよい。例えば、ハニカムコア104の所望の物理的性質(弾性係数(EMOD)、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)など)に合った外皮124のために、第1の組成物を内側表面132に塗布してもよく、また異なるMOR、EMOD、CTEなど、外皮124の外側表面の所望の物理的性質のために、第2の組成物を外側表面134に適用してもよい。
【0044】
代わりの実施形態では、充填材138をハニカムコア104の外周118上に配置して、外皮バッチ材料を塗布する前に部分セル120を充填してもよい(
図3C)。充填材138を部分セル120内に適用し、さらに、輪郭形成されたハニカムコア104の外周118を形成する部分セル120の壁110の最外部分といくつかのセル112の最外角部126とを露出するように、充填材138を取り除いてもよい。このように充填材138を含むハニカム構造体104に外皮バッチを塗布すると、外皮バッチは、輪郭形成されたハニカムコア104の外周118を形成する部分セル120の壁110の最外部分といくつかのセル112の最外角部126とに接触し得る。外皮バッチが硬化すると、ハニカムコアの壁110に接触している外皮バッチが、外皮バッチ層をハニカムコア104に接合させて、ハニカム本体100を形成する。外皮バッチの硬化は、充填材138の犠牲を含み得る。例えば外側外皮124を形成するために外皮バッチを焼成またはか焼して、充填材138を焼き尽くすと、入口面114から出口面116まで開口した外皮形成された部分セルチャネル120の部分を残すことができる。
【0045】
充填材138は、ワックス、ナフタレンなどを含み得る。充填材138は、室温でペーストであり、乾燥、硬化、か焼、または焼成温度などの高温で、揮発するものでもよい。
【0046】
本書で説明したようなやり方で、シート130またはハニカム構造体上の充填材138に、外皮材料が塗布されると、外皮材料は随意的に乾燥および/または焼成され得る。随意的な乾燥ステップは、外皮材料内に存在し得る任意の液体ビヒクルを少なくとも実質的に除去するのに十分な温度および時間で、外皮材料を湿度制御雰囲気内で最初に加熱するステップを含み得る。本書では、任意の液体ビヒクルを少なくとも実質的に除去するとは、焼成前に外皮材料内に存在している液体ビヒクルの、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはさらには少なくとも99.9%の除去を含む。液体ビヒクルの除去に適した例示的な非限定的乾燥条件は、外皮材料を少なくとも50℃、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも110℃、少なくとも120℃、少なくとも130℃、少なくとも140℃、少なくとも150℃、少なくとも160℃、少なくとも170℃、少なくとも180℃、少なくとも190℃、またはさらには少なくとも200℃の温度で加熱するものを含む。一実施の形態において、液体ビヒクルを少なくとも実質的に除去するのに有効な条件は、外皮材料を湿度制御された空気などの雰囲気内で、60℃から120℃の範囲の温度で加熱するものを含む。さらに加熱は、例えば、湿度制御雰囲気内での、熱風乾燥、RFおよび/またはマイクロ波乾燥など、任意の従来の既知の方法によって実現することができる。
【0047】
随意的な焼成ステップは、外皮材料を主結晶相セラミック組成物へと変換するのに適した条件を含むものでもよく、塗布された外皮材料を備えたハニカムの、800℃超、900℃、さらには1000℃超ものピーク温度までの加熱を含み得る。加熱中、約120℃/hrの傾斜率を使用してもよく、その後ピーク温度で約3時間保持し、次いで約240℃/hrで冷却する。
【0048】
本書で開示される外皮材料は、「低温硬化」外皮を採用する外皮形成プロセスにおいて使用され得るセメント材料など、例えば100℃未満の温度、さらには50℃未満の温度など、200℃未満の温度で硬化するものを含み得る。低温硬化外皮形成では、ハニカムのチャネル壁のシールを形成するために、外皮形成混合物の乾燥のみが必要とされる。低温硬化外皮形成プロセスが採用される場合、外皮形成されたハニカムを35〜110℃の範囲の温度まで加熱すると、乾燥を速めるのに有用になり得る。いくつかの低温硬化外皮形成プロセスでは、続く処理ステップの過程で(例えば、触媒化またはキャニングの過程で)、あるいは最初の使用時に(例えば、排気系で)、シート130などの残存する一時的なバインダの副生成物の除去およびシールの強化など、最終的な外皮の強化が起こり得ると予想される。
【0049】
例えば、低温硬化外皮形成を採用することができる例示的な組成物としては、チタン酸アルミニウム、コージライト、溶融シリカ、ムライト、およびアルミナのうちの少なくとも1つなど、少なくとも1つの無機粉末を含む耐火充填材、および、ゲル状のコロイド状シリカなどゲル状無機バインダ、を含むものが挙げられ、この無機粉末のバイモーダルまたはモノサイズの中央粒径(D
50)は、例えばモノサイズに対しては30から40μmなど、15から50μmであり、さらにバイモーダルなサイズ構成における第2の粒径に対しては、約150μmから約250μmなど、約150μmから約300μmの範囲である。無機バインダをゲル化するために、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、および酢酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、およびトリエタノールアミン(以下「TEA」)、のうちの少なくとも1つなど、少なくとも1つのゲル化剤を、バッチ処理の前に(例えば、ゲル状無機バインダを含む予混合物として)あるいはバッチ処理の際に、加えてもよい。あるいは、ゲル化されていない組成物を使用してもよい。このような組成物は、例えば100℃未満、さらには約25℃を含む50℃未満など、200℃未満の温度で、多孔質セラミックハニカム本体において硬化する(かつそれにより、チャネル壁に恒久的にシールされる)外皮を提供し得る。外皮形成に使用されるセメント組成物のさらなる非限定的な例示的実施形態を以下で論じる。
【0050】
外皮組成物は、その内容がその全体を参照することにより本書に組み込まれる、米国仮特許出願第61/602,883号明細書および米国特許出願第13/302,262号明細書に記載されている。例示的な実施形態によれば、外皮組成物は、低熱膨張充填材としてのガラス粉末と、バインダと、ガラスベースのセメントの固体成分を保持するための溶剤またはビヒクルとを含むセメントなど、単一のガラス粉末組成物でもよい。ガラス粉末充填材のガラスは、非晶質溶融シリカ(SiO
2)、粉砕コージライト、ATグロッグ、またはシリカスートでもよい。ガラス粉末充填材の中央粒径(D
50)は10から20μmの間でもよく、最小粒径は7μmから75μmの間、および最大粒径は50μmから70μmの間でもよい。粒径は、質量に基づく球相当径として決定した。ガラス粉末充填材は、例えば、セメントの全無機成分の60〜80質量%を構成し得る。適切なシリカ粉末充填材は、例えば商標名Teco−Silで市販されており、米国テネシー州所在のCE Minerals of Tennessee Electro Minerals Incorporatedから入手可能である。本書における全ての粒径の測定は、他に示されていなければ、Microtrac Inc.の粒径分析器で行われた。
【0051】
例示的な実施形態によれば、外皮組成物は、低熱膨張充填材として第1の(細かい)ガラス粉末、低熱膨張充填材として第2の(粗い)ガラス粉末、バインダ、およびガラスベースのセメントの固体成分を保持するための溶剤またはビヒクル、を含む、二元的ガラス粉末組成物から形成された、非晶質ガラスベースのセメントを含み得る。第1のガラス粉末充填材および第2のガラス粉末充填材のガラスは両方とも、約1μmを超える粒径を有する非晶質溶融シリカでもよい。ガラス粉末充填材の粒径の分布は、ガラス粉末充填材の約1μmを超える粒径に対する分布が粒径の複数の最頻値(極大)を呈することから、マルチモーダルとなり得る。一実施の形態において、非晶質ガラスベースのセメントは、約1μmを超える粒径に対し非晶質ガラス粒子のバイモーダル粒径分布を有する。ガラスベースのセメントは第1のガラス粉末充填材を含み得、第1のガラス粉末充填材の中央(D
50)粒径は、約10から約50μm、約15μmから約50μm、約20μmから約45μm、または約30μmから約45μmの範囲でもよく、D
10は約1μmから約10μmの範囲、およびD
90は約25μmから約125μmの範囲でもよい。第2のガラス粉末充填材の中央(D
50)粒径は、約150μmから約300μmの範囲、約150μmから約250μmの範囲、約170μmから約230μmの範囲、約180μmから約220μmの範囲でもよく、D
10は約100μmから約150μmの範囲、およびD
90は約250μmから約350μmの範囲でもよい。粒径は、質量に基づく球相当径として決定した。本書では、D
50という用語は粒径の分布の中央値を表し、D
10は、分布の10%がこの粒径よりも小さいことを示す粒径をμmで表したものであり、D
90は、分布の90%がこの粒径よりも小さいことを示す粒径をμmで表したものである。二元的なガラスベースのセメントは、例えば、セメントの無機固体成分の全質量の、約20から約60質量%の範囲、約25質量%から約50質量%の範囲、約25質量%から約40質量%の範囲、または約25質量%から約35質量%の範囲の量の、第1のガラス粉末充填材を含有し得る。このガラスベースのセメントは、例えば、セメントの無機固体成分の全質量の、約10質量%から約40質量%の範囲、約15質量%から約40質量%の範囲、約20質量%から約35質量%の範囲の量の、第2のガラス粉末充填材を含有し得る。
【0052】
1つの例示的な実施形態において、第1のガラス粉末充填材のD
50は、約34μmから約40μmの範囲でもよく、また第2のガラス粉末充填材の中央粒径は、約190μmから約280μmの範囲である。一例において、第1のガラス粉末充填材のD
10は約6.0μm、D
50は約34.9μm、さらにD
90は約99μmである。別の例において、第1のガラス粉末充填材のD
10は約6.7μm、D
50は約39.8μm、さらにD
90は約110.9μmである。さらに別の例において、第1のガラス粉末充填材のD
10は約2.7μm、D
50は約13.8μm、さらにD
90は約37.8μmであり、さらに別の例として第1のガラス粉末充填材のD
10は約2.8μm、D50は約17.2μm、さらにD
90は約47.9μmである。
【0053】
第2のガラス粉末充填材と第1のガラス粉末充填材との比は、約1:3.5から約1:1、約1:3から約1:1、約1:2.5から約1:1、約1:2から約1:1、または約1:1.5から約1:1など、約1:4から約1:1の範囲でもよい。例示的な実施形態において、第2のガラス粉末充填材と第1のガラス粉末充填材との比率は1:1である。
【0054】
本開示のセメント組成物を提供するために、上記無機粉末のいずれかを含む無機粉末と任意の随意的な無機添加剤成分とを、適切な有機および/または無機バインダ材料と一緒に混合してもよい。有機バインダ材料は、セルロースエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどの1以上の有機材料、またはいくつかの実施形態では、Actigum(登録商標)などのゴム状材料、キサンタンガム、またはラテックスを含み得る。例えば、A4メトセルは適切な有機バインダである。メトセルA4は、ダウケミカルから入手可能な水溶性メチルセルロースポリマーバインダである。適切な無機バインダは、水などの適切な液体中に懸濁されたナノメートルスケールのシリカまたはアルミナ粒子を含む、コロイド状シリカまたはアルミナを含み得る。無機バインダ材料は、セメント組成物内に、セメント内に存在している無機固体の全質量の約10%未満の量で存在し得、いくつかの例示的な実施形態では、無機バインダは約5質量%以下の量で存在し、また特定の他の例示的な実施形態では、有機バインダの流体部分を考慮して約2質量%から約4質量%の範囲で存在する(このとき流体部分の質量への寄与は除かれる)。適切なコロイド状シリカバインダ材料は、W.R.グレース社製のLudox HS40である。典型的なコロイド状バインダ材料は、脱イオン水ビヒクルにおける懸濁剤として、質量でおよそ40%の固体材料を含み得る。
【0055】
いくつかの例示的な実施形態において、上述した単一のおよび二元的なガラス粉末セメントは、無機繊維補強材料をさらに含んでもよい。例えばアルミノケイ酸塩繊維をセメント混合物に加えて、外皮塗布後にハニカム構造体を強化することができる。例えばセメントは無機繊維材料を、セメントの無機固体成分の全質量の約25から約50質量%、約30から約50質量%、またいくつかの実施形態ではセメントの無機固体成分の全質量の約35から約45質量%含んでもよい。特定の他の実施形態において、無機繊維補強材料は、セメント組成物の無機固体の全質量の割合として、約36質量%から約43質量%の量で存在し得る。適切な無機繊維補強材料は、ユニフラックスから入手可能なFiberfrax QF180であるが、任意の高アスペクト比の耐火性粒子を使用することもできる。
【0056】
典型的には、流動可能なまたはペースト状の一貫性を実現するための液体ビヒクルまたは溶剤として、脱イオン(DI)水などの水を挙げたが、他の材料を使用することもできる。液体ビヒクルの内容物は、上乗せ添加として、セメント混合物の無機成分の約30質量%以下の量で存在し得、セメント混合物の無機成分の約10質量%から約25質量%の範囲でもよい。しかしながら液体ビヒクルは、典型的には、セメントを塗布し易いものにするのに適した粘度を得るように調節される。
【0057】
いくつかの実施形態においてセメントは、随意的に、セメントとハニカム本体との間の付着を高めるための付着促進剤などの有機改質剤をさらに含有し得る。例えばMichem4983は、この目的に適していることが見出された。
【0058】
特定の例示的な実施形態において、セメント混合物は、例えば800℃未満、さらには600℃未満など、またさらには400℃未満など、さらには200℃未満など、1000℃未満の温度で硬化する。特定の例示的な実施形態において、セメント混合物は、室温(すなわち、約23℃)で硬化することができる。
【0059】
本書で説明されるセメント組成物は、ハニカムコア上のシートを覆って外皮を形成するのによく適した粘度を呈し得る。例えば、本書の実施形態による組成物は、約12パスカル秒(Pa・s)以下、約5Pa・s以下、または約4Pa・s以下の、無限せん断粘度を有し得る。せん断速度10s
-1で、せん断粘度は例えば、約400Pa・s以下、約350Pa・s以下、または約300Pa・s以下でもよい。粘度は平行平板粘度計を用いて測定した。
【0060】
本書で開示されるセメント組成物のか焼は、箱形炉内で、3時間で600℃まで直線的に上昇させ、その後600℃で3時間保持し、次いで3時間に亘って室温まで下降させることによって行われ得る。商業的用途では、セラミック物品を触媒でウォッシュコートし、続いて加熱処理して有機材料を除去してもよい。このセラミック物品を、同様に加熱処理して有機材料を除去することを必要とし得るマット材料で、さらにキャニングしてもよい。か焼プロセスは、セラミック物品が受けたサービス条件を模倣する。
【0061】
外皮セメントの組成物は、特に限定するものではないが、例えば、単一のガラス粉末組成物の外皮セメント、二元的ガラス粉末組成物、繊維補強材料組成物を含む単一のガラス粉末、繊維補強材料組成物を含む二元的ガラス粉末、無機充填材および結晶質無機繊維材料組成物、および二元的ガラス粉末および結晶質無機繊維材料組成物を挙げることができる。
【実施例】
【0062】
本開示の例示的な実施形態を、単なる実例であり限定することを意図していない、その特定の例示的な具体的実施形態を参照して以下でさらに説明する。いくつかの実施形態によれば、200cpsi(約31セル/cm
2)かつ12ミル(0.3mm)の壁(200/12)の形状を有する、直径2インチ(5cm)のコージライトハニカムコアを準備した。この2インチ(5cm)のハニカムコアは、5.7インチ(14.5cm)×6インチ(15.3cm)の部品から輪郭形成した。このコージライトハニカムコアは
図4に示されている。部分チャネルが、輪郭形成の結果として開口すなわち間隙を有する外周に見られる。
【0063】
実施例において使用される外皮セメントの化学組成を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
比較例
図5は、比較サンプルに従って塗布された外皮を有する、
図4と同様5.7インチ(14.5cm)×6インチ(15.3cm)の部品から輪郭形成された、2インチ(5cm)のハニカムコアの写真を示している。シートを使用しないこの比較プロセスにおける外皮形成プロセスでは、部分セルのほぼ全てを充填する。従って、ハニカム本体の開口前面面積が減少する。部分セルの遮断は、圧力降下性能に悪影響を与え得る。
【0066】
例示的な実施形態
図6Aは、本開示の例示的な実施形態に従って適用されたシートを備えている、
図4と同様5.7インチ(14.5cm)×6インチ(15.3cm)の部品から輪郭形成された、2インチ(5cm)のハニカムコアの写真を示している。このシートは、コロイド状アルミナスラリーで処理されたフィルタクロスを含む。このフィルタクロスは、外皮セメント材料が部分セル内に入るのを防ぐことができ、またコロイド状アルミナスラリーがハニカムコア上で外皮セメントペーストの結合剤として作用して、ハニカム本体を形成することができる。フィルタクロスは多孔質材料を含む。
【0067】
図6Bは、
図6Aの5.7インチ(14.5cm)×6インチ(15.3cm)の部品から輪郭形成された2インチ(5cm)のハニカムコアの、巻き付けられたフィルタクロスの上に塗布された外皮セメント材料を備え、さらに100℃で120分乾燥させた後の写真である。外皮セメントペーストは、フィルタクロスによく付着した。
図6Cは、550℃で60分焼成した後の
図6Bの例示的なサンプルを示している。巻き付けられたフィルタクロスは焼き尽くされ、外皮セメントはハニカムコアによく付着した。
図6Dは、前面をトリミングした後の
図6Cの例示的なサンプルを示し、外皮を塗布した後の部分セルチャネルの維持を示している。
【0068】
図7Aは、本開示の例示的な実施形態による、外周上に外皮を備え、その部分セルが充填されていない、
図6Cのハニカム本体の写真である。
図7Bは、
図7Aに示されている、外周上に外皮を備え部分セルが充填されていないハニカム本体の、より高倍率の写真である。
【0069】
図8は、本開示の例示的な実施形態による外皮形成方法において使用される、本開示の例示的な実施形態による種々の組成、メッシュサイズ、および厚さのシートの写真である。例「AA」は、厚さ約360μmを有する、約1020から1100μm間隔の小さいストランドのガラス繊維スクリーンである。例「BB」は、厚さ約550μmを有する、約920から1020μm間隔の中間のストランドのガラス繊維スクリーンである。例「CC」は、厚さが約190〜200μmおよび孔開口サイズが約190〜335μmの、ガラス繊維クロスである。例「DD」は、厚さ約80μmを有する、約3150μmの大きい六角形開口のナイロン繊維クロスである。例「EE」は、厚さ約180μmを有する、約544μmの小さい六角形開口のナイロン繊維クロスである。例「FF」は、厚さが約250μmから約275μmの綿繊維クロスであり、また例「GG」は、厚さが約450〜500μmのポリエステルクロスワイプである。これらの厚さの測定は、光学顕微鏡のマイクロメータによって行われた。
【0070】
本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。従って、本開示の改変および変形が添付の請求項およびその同等物の範囲内であるならば、添付の請求項はこの改変および変形を含むと意図されている。
【0071】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0072】
実施形態1
ハニカム本体において、
輪郭形成されたハニカムコアであって、
入口面から出口面まで延在し、該入口面と出口面との間にセルチャネルを画成する、複数のチャネル壁と、
前記入口面から前記出口面まで延在する、外周と、
前記ハニカムコアの前記外周に隣接した部分セルチャネルであって、該部分セルチャネルの夫々のチャネル壁が、前記ハニカムコアの前記外周の位置に間隙を有し、さらに前記部分セルチャネルの夫々が、前記入口面から前記出口面まで、前記チャネル壁と前記ハニカムコアの前記外周に位置する前記間隙とにより囲まれた容積を有している、部分セルチャネルと、
を備えている、ハニカムコア、および、
前記部分セルチャネルの全容積の大部分が前記入口面から前記出口面まで開口するように前記間隙にわたって前記ハニカムコアの前記外周上に配置された、外皮、
を備えていることを特徴とするハニカム本体。
【0073】
実施形態2
前記複数のチャネル壁が多孔質であることを特徴とする実施形態1記載のハニカム本体。
【0074】
実施形態3
前記外皮が、低温硬化セメントを含むことを特徴とする実施形態1または2記載のハニカム本体。
【0075】
実施形態4
前記外皮が、焼成または焼結されたセラミックを含むことを特徴とする実施形態1から3いずれか1項記載のハニカム本体。
【0076】
実施形態5
ハニカム本体を形成する方法において、
ハニカムコアの第1の端面から第2の端面まで延在する該ハニカムコアの外周表面上に、シートを配置するステップ、
前記シート上に外皮バッチを配置するステップ、および、
前記外皮バッチを硬化させるステップであって、硬化した外皮を前記ハニカムコアに接合させて、前記ハニカム本体を形成する、ステップ、
を含み、前記硬化した外皮が、前記第1の端面から前記第2の端面まで開口した、周縁の部分セルチャネルの部分の外壁を形成することを特徴とする方法。
【0077】
実施形態6
前記硬化した外皮が、前記シートの少なくとも一部分または構成成分を含むことを特徴とする実施形態5記載の方法。
【0078】
実施形態7
前記シート上に前記外皮バッチを配置するステップが、前記シート上に前記外皮バッチを配置する前に、前記ハニカムコアの前記外周表面上に前記シートを配置するステップを含むことを特徴とする実施形態5または6記載の方法。
【0079】
実施形態8
前記シート上に前記外皮バッチを配置するステップが、前記ハニカムコアの前記外周表面上に前記シートを配置する前に、前記シート上に前記外皮バッチを配置するステップを含むことを特徴とする実施形態5または6記載の方法。
【0080】
実施形態9
前記外周表面上に前記シートを配置する前に、前記ハニカムコアを焼成しかつ輪郭形成するステップをさらに含むことを特徴とする実施形態5から8いずれか1項記載の方法。
【0081】
実施形態10
前記シートが、前記部分セルチャネルを部分的に埋めるものにすぎないことを特徴とする実施形態5から9いずれか1項記載の方法。
【0082】
実施形態11
前記シートに前記硬化した外皮の構成成分が含浸されていることを特徴とする実施形態5から10いずれか1項記載の方法。
【0083】
実施形態12
前記シートにコロイド状アルミナが含浸されていることを特徴とする実施形態5から11いずれか1項記載の方法。
【0084】
実施形態13
前記シートが、多孔質織布シート、多孔質不織布シート、非多孔質織布シート、および非多孔質不織布シート、のうちの少なくとも1つであることを特徴とする実施形態5から12いずれか1項記載の方法。
【0085】
実施形態14
前記ハニカムコアの前記外周表面上に前記シートを配置するステップが、前記シートを前記外周の周りに巻き付けるステップを含むことを特徴とする実施形態5から13いずれか1項記載の方法。
【0086】
実施形態15
前記シートが、第1の縁部と、該第1の縁部の反対側の第2の縁部とを備え、前記シートを前記外周の周りに巻き付けるステップが、前記第1の縁部を、前記第1の端面から前記第2の端面に亘る方向に配置するステップと、前記シートの表面を前記外周上にだんだん進んで前記ハニカムコアの周りに配置するステップと、前記第2の縁部が前記シート上に配置されるように、前記表面を前記第1の縁部の位置で前記シートの一部分に重複させて配置するステップとを含むことを特徴とする実施形態14記載の方法。
【0087】
実施形態16
前記ハニカムコアの前記外周表面上に前記シートを配置するステップが、
前記シートが、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方を越えて延在する、
前記シートが、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方まで延在しない、および、
前記シートが、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方と同一平面の位置まで延在する、
のうちのいずれか1つを含むことを特徴とする実施形態5から15いずれか1項記載の方法。
【0088】
実施形態17
前記シートがスリーブを含み、前記ハニカムコアの前記外周表面上に前記シートを配置するステップが、前記シートを前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方を越えて滑らせるステップを含むことを特徴とする実施形態5から16いずれか1項記載の方法。
【0089】
実施形態18
前記ハニカムコアの前記外周表面上に前記シートを配置するステップが、
前記シートが、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方を越えて延在する、
前記シートが、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方まで延在しない、および、
前記シートが、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方と同一平面の位置まで延在する、
のうちのいずれか1つを含むことを特徴とする実施形態5から17いずれか1項記載の方法。
【0090】
実施形態19
前記シートを前記ハニカムコアの前記外周表面上で収縮させるステップをさらに含むことを特徴とする実施形態5から18いずれか1項記載の方法。
【0091】
実施形態20
前記シート上に前記外皮バッチを配置するステップが、ドクターブレードによる外皮形成および軸方向外皮形成のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする実施形態5から19いずれか1項記載の方法。
【0092】
実施形態21
ハニカム本体を形成する方法において、
ハニカムコアの第1の端面から第2の端面まで延在する該ハニカムコアの外周表面上に、充填材を配置して周縁の部分セルを充填し、さらに、該周縁の部分セルの壁を露出させるステップ、
前記充填材上に外皮バッチを配置するステップ、および、
前記外皮バッチを硬化させるステップであって、硬化した外皮を前記ハニカムコアに接合させて、前記ハニカム本体を形成する、ステップ、
を含み、前記硬化させるステップが、前記充填材の少なくとも一部分を犠牲にするステップを含み、前記硬化した外皮が、前記第1の端面から前記第2の端面まで開口した、周縁の部分セルチャネルの部分の外壁を形成することを特徴とする方法。