特許第6956779号(P6956779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6956779ガスタービン用のインピンジメント冷却特徴
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956779
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】ガスタービン用のインピンジメント冷却特徴
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/18 20060101AFI20211021BHJP
   F01D 25/12 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   F02C7/18 Z
   F01D25/12 E
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-511700(P2019-511700)
(86)(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公表番号】特表2019-529767(P2019-529767A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】US2016049349
(87)【国際公開番号】WO2018044266
(87)【国際公開日】20180308
【審査請求日】2019年2月27日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517291346
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アリ アクテュルク
(72)【発明者】
【氏名】ホセ エル. ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】マルコ クラウディオ ピオ ブルネッリ
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/007145(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/099662(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/18
F01D 25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン用のインピンジメント冷却システムであって、
中央に配置された開口(12)を備える初期インピンジメント面(10)と、
前記開口(12)から半径方向外方へ延び、かつ隣接する各チャネル(14)をそれぞれが分離する複数のフィクスチャ(16)によって形成された複数のチャネル(14)と、
を備え、
前記複数のフィクスチャ(16)はそれぞれ、前記中央に配置された開口(12)のエッジ(32)に沿って配置された前記初期インピンジメント面(10)に対して平行な平面における丸みを帯びた上流端部(18)と、前記初期インピンジメント面(10)のエッジ(30)に沿って配置された前記初期インピンジメント面(10)に対して平行な平面における丸みを帯びた下流端部(20)とを有し、
前記複数のフィクスチャ(16)はそれぞれ、前記初期インピンジメント面(10)に接続されたベース部分(44)と、反対側におけるトップ部分(46)との間の中間部分(54)を有し、
前記複数のフィクスチャ(16)はそれぞれ、前記初期インピンジメント面に対して垂直な軸線に沿って前記フィクスチャ(16)の前記中間部分(54)に沿った凹面形状を有し、前記フィクスチャ(16)の各々は、前記ベース部分(44)および前記トップ部分(46)よりも狭い前記中間部分(54)を有し、
前記複数のチャネル(14)は、サブフィクスチャ(24)の上流端部(26)において前記チャネル(14)に形成されたよどみ点(34)から各チャネル(14)の入口の半径方向外方へ延びる複数のサブチャネル(22)に分割されており、
複数の前記サブフィクスチャ(24)はそれぞれ、丸みを帯びた上流端部(26)と、前記初期インピンジメント面(10)の前記エッジ(30)に沿って配置された略平坦な下流端部(28)とを有し、
前記複数のサブフィクスチャ(24)はそれぞれ、前記初期インピンジメント面(10)に接続されたベース部分(58)と、反対側におけるトップ部分(60)との間の中間部分(56)を有し、
前記複数のサブフィクスチャ(24)はそれぞれ、前記初期インピンジメント面(10)に対して垂直な前記軸線に沿って前記サブフィクスチャ(24)の前記中間部分(56)に沿った凹面形状を有し、前記サブフィクスチャ(24)の各々は、前記ベース部分(58)および前記トップ部分(60)よりも狭い前記中間部分(56)を有する、
ガスタービンエンジン用のインピンジメント冷却システム。
【請求項2】
各サブチャネル(22)は、前記初期インピンジメント面(10)に沿って位置付けられかつ前記サブチャネル(22)内へ延びる複数の球状のフィクスチャ(36)をさらに有する、請求項1記載のインピンジメント冷却システム。
【請求項3】
少なくとも1つの突出した球状のフィクスチャ(36)が、前記初期インピンジメント面(10)に沿って位置付けられており、かつ各サブチャネル(22)内で前記初期インピンジメント面(10)の前記エッジ(30)に沿って半径方向外側出口セクション(38)内へ上方に延びている、請求項1または2記載のインピンジメント冷却システム。
【請求項4】
前記複数のフィクスチャ(16)はそれぞれ、前記初期インピンジメント面(10)に対して平行な平面に沿って、前記中央に配置された開口(12)の前記エッジ(32)からまずそれぞれの側で内方へ湾曲し、前記下流端部(20)のさらに近くで再び拡大する形状を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のインピンジメント冷却システム。
【請求項5】
前記複数のフィクスチャ(16)と前記初期インピンジメント面(10)との間の接続は、各フィクスチャ(16)の前記ベース部分(44)に沿ってフィレット(64)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のインピンジメント冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンエンジンに関し、より具体的には、ガスタービン用のインピンジメント冷却特徴に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用ガスタービンエンジンでは、高温圧縮ガスが発生する。高温ガス流は、タービンを通過し、膨張して、発電のための発電機を駆動するために使用される機械仕事を発生する。タービンは、一般的に、高温ガス流からのエネルギを、エンジンのロータ軸を駆動する機械的エネルギに変換するために、ステータベーンおよびロータブレードの複数の段を有している。タービン入口温度は、材料特性と、タービン部品の冷却能力とによって制限される。
【0003】
燃焼システムは、圧縮機から空気を受け取り、空気を燃料に混合しかつ混合物を燃焼させることによって高エネルギレベルへ上昇させ、その後、燃焼器の生成物がタービンを通じて膨張する。
【0004】
ガスタービンは、より大型に、より効率的に、そしてより頑丈になっている。大型のブレードおよびベーンは、特にエンジンシステムの高温セクションに製造されている。これらの高温セクションまたは高温通路セクションは、高温タービン流に曝されかつ高温になる構成部材を有している。ガスタービンの高温セクション内の部品を冷却するための1つの一般的なアプローチは、高温部品に対するより低温の空気のインピンジメントジェットを使用することである。ジェットが衝突する目標面は、平坦であり、図1および図2に示すように部品の低温側にある。現在、冷却ジェット質量流量が増大されているが、これは効率の増大につながらない。
【0005】
ガスタービン効率が増大すると、燃焼温度を高めることができ、ひいては高温セクション部品の金属温度を上昇させまたは冷却流を減少させる。これは、高温セクション金属温度の上昇にもつながる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様では、ガスタービンエンジン用のインピンジメント冷却システムは、中央に配置された開口を備える初期インピンジメント面と、開口から半径方向外方へ延び、かつ隣接する各チャネルをそれぞれが分離する複数のフィクスチャによって形成された複数のチャネルと、を備え、複数のフィクスチャはそれぞれ、中央に配置された開口のエッジに沿って配置された初期インピンジメント面に対して平行な平面における丸みを帯びた上流端部と、初期インピンジメント面のエッジに沿って配置された初期インピンジメント面に対して平行な平面における丸みを帯びた下流端部とを有し、複数のフィクスチャはそれぞれ、初期インピンジメント面に接続されたベース部分と、反対側におけるトップ部分との間の中間部分を有し、複数のフィクスチャはそれぞれ、初期インピンジメント面に対して垂直な平面に沿ってフィクスチャの中間部分に沿って凹面形状を有し、複数のチャネルは、サブフィクスチャの上流端部においてチャネルに形成されたよどみ点から各チャネルの入口の半径方向外方へ延びる複数のサブチャネルに分割されており、複数のサブフィクスチャはそれぞれ、丸みを帯びた上流端部と、初期インピンジメント面のエッジに沿って配置された略平坦な下流端部とを有し、複数のサブフィクスチャはそれぞれ、初期インピンジメント面に接続されたベース部分と、反対側におけるトップ部分との間の中間部分を有し、複数のサブフィクスチャはそれぞれ、初期インピンジメント面に対して垂直な平面に沿ってサブフィクスチャの中間部分に沿って凹面形状を有している。
【0007】
インピンジメント冷却特徴の利点は、チャネルおよびサブチャネル内に流れを維持しながら、複数のよどみ点に向かって流れを案内して熱伝達を高めるためのチャネルおよびサブチャネルの形状を含む。
【0008】
別の利点は、サブチャネルに沿ってインピンジメント面に沿った複数の球状のフィクスチャを有し、さらに、乱流およびシステムの冷却効率を高めることを含む。
【0009】
本発明のこれらのおよびその他の特徴、態様および利点は、以下の図面、説明および請求項を参照することでさらによく理解されるであろう。
【0010】
本発明は、図面の助けによりさらに詳細に示されている。図面は、好適な構成を示しており、本発明の範囲を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来技術の冷却ジェットおよびインピンジメント面の側面図である。
図2図1のインピンジメント面の平面図である。
図3】本発明の典型的な実施の形態の側面図である。
図4図3のインピンジメント面の平面図である。
図5】1つの典型的な実施の形態の冷却チャネルの詳細な斜視図である。
図6】1つの典型的な実施の形態の冷却チャネルの別の詳細な斜視図である。
図7】本発明の1つの典型的な実施の形態の冷却チャネルを通る流速流線を示している。
図8】本発明の1つの典型的な実施の形態の冷却チャネルを通る熱伝達分布を示している。
図9】本発明の1つの典型的な実施の形態の冷却チャネルを通る流速流線を示している。
図10】本発明の1つの典型的な実施の形態の冷却チャネルを通る熱伝達分布を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好適な実施の形態の以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面が参照され、図面には、例として、限定としてではなく、本発明を実施可能な特定の実施の形態が示されている。本発明の思想および範囲から逸脱することなく、その他の実施の形態が使用されてもよく、変更がなされてもよいことが理解されるべきである。
【0013】
広くは、本発明の1つの実施の形態は、ガスタービンエンジン用のインピンジメント冷却システムが、中央に配置された開口を備える初期インピンジメント面を有することを提供する。複数のチャネルおよび複数のサブチャネルが、開口から半径方向外方へ延びており、かつ隣接する各チャネルおよびサブチャネルをそれぞれが分離している複数のフィクスチャおよび複数のサブフィクスチャによって形成されている。複数のフィクスチャおよび複数のサブフィクスチャはそれぞれ、初期インピンジメント面に対して平行な平面に、丸みを帯びた上流端部を有している。複数のフィクスチャおよび複数のサブフィクスチャはそれぞれ、初期インピンジメント面に対して垂直な軸線に沿って、フィクスチャおよびサブフィクスチャの中間部分に沿って凹面形状を有している。複数のチャネルは、サブフィクスチャの上流端部においてチャネルに形成されたよどみ点から、各チャネルの入口の半径方向外方へ延びる、複数のサブチャネルに分割されている。
【0014】
ガスタービンエンジンは、圧縮機セクションと、燃焼器と、タービンセクションとを備えていてもよい。圧縮機セクションは、周囲空気を圧縮する。燃焼器は、圧縮された空気を燃料と組み合わせ、混合物に点火し、作動流体を形成する高温ガスを含む燃焼生成物を生じる。作動流体はタービンセクションへ移動する。タービンセクションには、ベーンおよびブレードの周方向の交互の列が設けられており、ブレードはロータに結合されている。ベーンおよびブレードの列の各対は、タービンセクション内で段を形成している。タービンセクションは、ベーン、ブレードおよびロータを収容した、固定されたタービンケーシングを有する。
【0015】
質量流量を増大させることなく部品を冷却するための流れの能力を高めることが望ましい。本発明の実施の形態は、損失の減少を可能にする、ガスタービン構成部材用のインピンジメント冷却特徴を提供する。タービンエンジンのリングセグメント、ブレード、ベーン、プラットフォームおよびその他の構成部材は、以下のインピンジメント冷却システムを介して冷却可能な面を有していてもよい。
【0016】
ここで図3を参照すると、ガスタービンエンジンのタービンセクションの一部が示されている。構成部材48が、高温タービン流Fの通路に沿って示されている。構成部材48は、高温タービン流Fに曝され、構成部材48の温度が上昇する。冷却ジェット42が、高温タービン流の反対側の面40に向けられている。この面は冷却を必要とする。冷却ジェット42は、図示したように直径dを有している。よどみゾーン50が、構成部材の輪郭づけられたインピンジメント面の中央に配置されている。次いで、排出された冷却ジェットは、壁部ジェットゾーン52に沿って約90度方向転換する。
【0017】
インピンジメント冷却システムおよび輪郭づけられたインピンジメント面の1つの典型的な実施の形態の詳細が、平面図、すなわち冷却ジェット42の方向で図4に示されている。詳細は、図5および図6に側面図で示されている。インピンジメント冷却システムは、初期インピンジメント面10を有していてもよい。初期インピンジメント面10は、中央に配置された開口12を有している。中央に配置された開口12は、中央に配置された開口12の中心の周囲の円形経路に沿って延びていてもよい仮想エッジ32を有している。中央に配置された開口12のエッジ32に沿って、複数のチャネル14が設けられていてもよい。複数のチャネル14は、開口12から半径方向外方へ延びていてもよく、隣接する各チャネル14をそれぞれが分離する複数のフィクスチャ16によって形成されていてもよい。複数のフィクスチャ16はそれぞれ、開口12のエッジ32に沿った上流端部18と、初期インピンジメント面10のエッジ30に沿って配置された下流端部20とを有している。各フィクスチャ16の下流端部20および上流端部18は、図4に示したように、初期インピンジメント面10に対して平行な平面において丸みを帯びていてもよい。複数のフィクスチャ16はそれぞれ、初期インピンジメント面10に対して垂直な軸線である鉛直方向軸線62に沿って、フィクスチャ16の中間部分54に沿った凹面形状を有していてもよい。各フィクスチャ16の中間部分54は、ベース部分44とトップ部分46との間にある。ベース部分44は初期インピンジメント面10に接続されており、トップ部分46は反対側にある。幾つかの実施の形態では、各フィクスチャ16のベース部分44およびトップ部分46が、フィレット64などの上側レッジおよび下側レッジまたは延長部分をフィクスチャ16に提供するように広がっていてもよい。初期インピンジメント面10のエッジ30は、複数のフィクスチャ16および複数のサブフィクスチャ24のベース部分に沿った複数のフィレット64のエッジに沿って延びていてもよい。初期インピンジメント面10のエッジ30は、インピンジメント冷却システムに端部を提供する。複数のフィクスチャのベース部分44に沿ったフィレット64付きの各端部のエッジに沿った箇所から形成された適切な円が、中央に配置された開口12のエッジ32を提供する。
【0018】
幾つかの実施の形態では、各フィクスチャ16の形状は、図4に示したように、初期インピンジメント面10に対して平行な平面に沿って、まずそれぞれの側において内方へ湾曲し、拡大し、次いで、再び下流端部20のさらに近くで狭まっていてもよい。各フィクスチャ16および各サブフィクスチャ24の形状により、流れは、複数のチャネル14および複数のサブチャネル22にできるだけ長くとどまり、構成部材48の面40を冷却する。
【0019】
次いで、複数のチャネル14は、複数のサブチャネル22に分割されていてもよい。複数のサブチャネル22は、サブフィクスチャ24の上流端部26においてチャネル14に形成されたよどみ点34から各チャネル14の入口の半径方向外方へ延びていてもよい。複数のサブフィクスチャ24が設けられていてもよい。各サブフィクスチャ24は、上流端部26および下流端部28を有している。各サブフィクスチャの上流端部26は、丸みを帯びていてもよい。各サブフィクスチャ24の下流端部28は、初期インピンジメント面10のエッジ30に沿って配置されていてもよい。複数のサブフィクスチャ24はそれぞれ、各サブフィクスチャ24の中間部分56に沿って凹面形状を有していてもよい。凹面形状は、初期インピンジメント面10に対して垂直な軸線に沿っていてもよい。各サブフィクスチャ24の中間部分56は、ベース部分58とトップ部分60との間にある。ベース部分58は初期インピンジメント面10に接続されており、トップ部分60は反対側にある。幾つかの実施の形態では、各サブフィクスチャ24のベース部分58およびトップ部分60は、サブフィクスチャ24に上側レッジおよび下側レッジを提供するように広がっていてもよい。幾つかの実施の形態では、各サブフィクスチャ24は、ほぼ三角形であってもよい。
【0020】
幾つかの実施の形態では、複数の球状のフィクスチャ36が、初期インピンジメント面10に沿って各サブチャネル22内に位置付けられ、各サブチャネル22内へ延びていてもよい。少なくとも1つの突出した球状のフィクスチャ36が、初期インピンジメント面10に沿って位置付けられ、各サブチャネル22内で初期インピンジメント面10のエッジ30に沿って半径方向外側出口セクション38内へ上方に延びていてもよい。
【0021】
少なくとも1つの実施の形態では、インピンジメント冷却システムは、8個のフィクスチャ16および8個のサブフィクスチャ24によって、図4に示したように8個のチャネル14および16個のサブチャネル22を有していてもよいし、または任意の他の数のチャネル14およびサブチャネル22を有していてもよい。
【0022】
開口12は、冷却ジェット42からの、空気などの、ただし空気に限定されない冷却流体のための第1の接触箇所である。冷却流体が、初期インピンジメント面10に沿って開口12と接触すると、次いで、流体は、約90度方向転換する。冷却流は、次いで、平坦な中央に配置された開口12の部分においてよどんだ後、輪郭づけられた面の複数のチャネル14を通って駆動される。各フィクスチャ16のトップ部分46および各サブフィクスチャ24のトップ部分60は、複数のチャネル14および複数のサブチャネル22を通る冷却流を補助し、複数のチャネル14および複数のサブチャネル22を通る流れを維持する助けになる。複数のチャネル14は、流れを案内し、構成部材48の全面を冷却する複数のインピンジメント面を提供してもよい。冷却流体は、複数のチャネル14を通って流れ、次いで、各サブフィクスチャ24に沿って別のよどみ点34に衝突する。冷却流は、少なくとも、各フィクスチャ16の上流端部18および各サブフィクスチャ24のよどみ点34に衝突する。さらに、幾つかの実施の形態では、複数の球状のフィクスチャ36が、複数のサブチャネル22内に別の衝突点をさらに提供して、流量をさらに減じかつ熱伝達を高めてもよい。複数の球状のフィクスチャ36は、サブチャネル22に沿って初期インピンジメント面10に沿っていてもよく、さらに、各サブチャネル22の出口セクション38に沿っていてもよい。冷却流は、最後に、初期インピンジメント面10のエッジ30に沿って、半径方向外側出口セクション38から出る。各チャネル14の幾何形状が、冷却を生じさせるための全表面積を増大させる。熱伝達および熱伝達率が、複数のフィクスチャ16、複数のサブフィクスチャ24および複数の球状のフィクスチャ36の付加によって増大してもよい。
【0023】
この効果は、本発明の実施の形態による輪郭づけられたインピンジメント面を横切る全ての流れの流量および表面熱伝達係数を例示する図7図10を参照して説明することができる。図面に見られるように、最も高い熱伝達は、中央に配置された開口12における初期インピンジメントおよびよどみ点に生じている。図面は、冷却流が複数のチャネル14および複数のサブチャネル22を横切るときの速度および熱伝達変化を示している。半径方向外側出口セクション38は、初期よどみ点に対する半径方向外側出口における流速および熱伝達の著しい低下を示している。図面は、各フィクスチャ16の上流端部18および各サブフィクスチャ24の上流端部26において、ならびに複数の球状のフィクスチャ36との接触部において、熱伝達のスパイクが生じることを示している。複数のフィクスチャ16および複数のサブフィクスチャ24の形状は、幾つかの実施の形態における複数の球状のフィクスチャ36と共に、複数のチャネル14および複数のサブチャネル22に沿って冷却流体が通過するための径路を提供する。提供された形状により、複数のチャネル14および複数のサブチャネル22を通じて、流れがより長く維持される。複数のフィクスチャ16に沿ったトップ部分46および表面に対して垂直な凹面形状が、流れを再び複数のチャネル14内へ押し付け、これにより、複数のインピンジメント面に衝突し続ける。チャネルの形状が、できるだけ多くのインピンジメント面を提供する。チャネルの形状は、冷却目的のための合計表面積をさらに増大させる。
【0024】
改良されたインピンジメント面の物理的輪郭およびラインは、従来の鋳造方法で製造することができない。本発明の実施の形態のために必要とされる詳細を許容する鋳造プロセスとして、スタックラミネーションを特定のモールディングプロセスと組み合わせる技術を使用することができる。選択的レーザ溶融(SLM)は、製造法の別の例である。流れは、本発明の実施の形態において輪郭づけられた面によって形成されたチャネル14内により長くとどまる。
【0025】
特定の実施の形態について詳細に説明してきたが、全体的な開示内容を考慮して、これらの詳細に対する様々な変更および代用を開発することができることを当業者は認識するであろう。したがって、開示された特定の配列は、例示的でしかなく、添付の請求項およびそのあらゆる全ての均等物の全範囲が与えられるべき本発明の範囲に関して制限するものではないことが意味されている。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9
図10