(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マグネシウム塩が、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及び重炭酸マグネシウムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
前記マグネシウム塩が、前記組成物の総質量に対して0.3質量%から5質量%の範囲の含有量で存在することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
前記マグネシウム塩が、前記組成物の総質量に対して少なくとも5質量%の活性材料の含有量で存在することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物は、エアロゾル又はスティック形態である。
【0030】
第1の好ましい態様によれば、本発明による組成物はエアロゾル形態である。
【0031】
第2の好ましい態様によれば、本発明による組成物はスティック形態である。
【0032】
好ましい実施形態によれば、本発明は、
- 組成物の総質量に対して少なくとも0.3質量%の活性材料のマグネシウム塩;
- 少なくともココナッツ油;及び
- 少なくとも1種の脂肪酸エステル
を含む無水組成物、特に化粧用組成物に関する。
【0033】
別の好ましい実施形態によれば、本発明は、
- 組成物の総質量に対して少なくとも0.3質量%の活性材料のマグネシウム塩;
- 少なくとも1種の炭化水素系植物油;及び
- 少なくともパルミチン酸イソプロピル
を含む無水組成物、特に化粧用組成物に関する。
【0034】
更に別の好ましい実施形態によれば、本発明は、
- 組成物の総質量に対して少なくとも0.3質量%の活性材料のマグネシウム塩;
- 少なくともココナッツ油;及び
- 少なくともパルミチン酸イソプロピル
を含む無水組成物、特に化粧用組成物に関する。
【0035】
更に別の好ましい実施形態によれば、本発明は、
- 組成物の総質量に対して少なくとも0.3質量%の活性材料のマグネシウム塩;
- 少なくとも1種の炭化水素系植物油;及び
- パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、及び安息香酸C
12〜C
15アルキル、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の脂肪酸エステル
を含む無水組成物、特に化粧用組成物に関する。
【0036】
更に別の好ましい実施形態によれば、本発明は、
- 組成物の総質量に対して少なくとも0.3質量%の活性材料のマグネシウム塩;
- 少なくとも1種の炭化水素系植物油;及び
- 少なくとも1種の脂肪酸エステル
を含む無水エアロゾル形態の組成物に関する。
【0037】
更に、本発明の別の態様によれば、本発明の主題はまた、ヒト発汗と関連する体臭、特に脇臭、及び任意選択でヒト発汗の美容処置のための方法であって、上記で定義する組成物を皮膚表面へ適用する工程を含む方法である。
【0038】
本発明の方法は、使用する組成物が不快な脂っぽい感触を与えず、且つ衣類へ移ることが少ないため、腋窩の発汗と関連する体臭を処置するために特に有利である。
【0039】
本発明による組成物、特に化粧用組成物は、生理学的に許容される媒体を含む。
【0040】
本発明では、「生理学的に許容される媒体」という用語は、組成物を皮膚へ投与するのに好適である媒体を示すことを意図する。
【0041】
生理学的に許容される媒体は、不快な臭いも外観も一般的に有さず、且つ皮膚への局所投与に完全に適合する。組成物を皮膚の表面へ適用することが意図される本出願の場合、使用者が許容することができない刺痛感、つっぱり(tautness)感及び発赤のいずれも引き起こさないときに、そのような媒体は特に生理学的に許容されると考えられる。
【0042】
特に、組成物は、皮膚表面への適用に好適である。したがって、生理学的に許容される媒体は、優先的には、化粧的に又は皮膚科学的に許容される媒体、すなわち、不快な臭いも、色も外観も有さず、使用者に許容することができない刺痛感、つっぱり感及び発赤のいずれも引き起こさない媒体である。
【0043】
したがって、組成物は、想定される用途に通常使用される任意の構成成分を含み得る。
【0044】
言うまでもなく、当業者であれば、この又はこれらの任意選択の追加の化合物及び/又はその量を慎重に選択して、本発明による化合物の有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けないか、又は実質的に悪影響を受けないようにするであろう。
【0045】
本発明では、「無水」という用語は、組成物の総質量に対して5質量%未満、特に2質量%未満、好ましくは1質量%未満、又は更に0.5質量%未満の水含有量を有する組成物を指す。更により優先的には、本発明による組成物は、水を完全に含まない。
【0046】
存在し得る水は、特に塩における結晶化水等の結合水、又は本発明の組成物の調製に使用した出発材料に吸収される微量の水である点に留意されたい。
【0047】
本発明の他の特徴、態様及び利点は、以下に記載する詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【0048】
マグネシウム塩
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して少なくとも0.3質量%の活性材料の少なくとも1種のマグネシウム塩を含む。全組成物に対する0.3%、すなわち油としての組成物に対する少なくとも2%には、エアロゾルの場合に存在する気体が含まれる。
【0049】
マグネシウム塩は、特に酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、重炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ピドロ酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、グルタミン酸マグネシウム、ヘプタグルコン酸マグネシウム、ケトグルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、パントテン酸マグネシウム、ソルビン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、乳酸グルコン酸マグネシウム、フルボ酸マグネシウム、及びこれらの混合物から選択される。
【0050】
特に、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム又は重炭酸マグネシウム、更により優先的には酸化マグネシウムを使用することになる。
【0051】
第1の実施形態によれば、本発明による組成物が無水エアロゾル形態である場合、マグネシウム塩は、組成物の総質量に対して0.3質量%から5質量%の範囲の含有量、好ましくは0.5質量%から2質量%の範囲の活性材料の含有量で存在する。
【0052】
特に、本発明による組成物がエアロゾル形態である場合、組成物の総質量(気体を除く)に対するマグネシウム塩の割合は、好ましくは2質量%から30質量%、好ましくは3質量%から15質量%の範囲である。
【0053】
別の実施形態によれば、本発明による組成物がスティック形態である場合、マグネシウム塩は、組成物の総質量に対して少なくとも5質量%、好ましくは5質量%から25質量%の範囲の含有量で、好ましくは10質量%から20質量%の範囲の活性材料の含有量で存在する。
【0054】
特に、スティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物における油の総量に対するマグネシウム塩の割合は、特に5質量%から30質量%、好ましくは10質量%から25質量%の範囲である。
【0055】
炭化水素系植物油
特にスティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物は、少なくとも1種の炭化水素系植物油を含む。
【0056】
加えて、消臭及び/又は制汗組成物を適用した後に残る場合がある白色のしみが油によって減少することを可能にするような特性が、本発明による組成物へ与えられる。
【0057】
炭化水素系植物油は、例えば、4から24個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド、又は小麦胚芽油、オリーブ油、スイートアーモンド油、パーム油、ナタネ油、ココナッツ油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、クロフサスグリ油、マツヨイグサ油、キビ油(millet oil)、大麦油、キノア油(quinoa oil)、ライ麦油、ベニバナ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、ジャコウバラ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社によって販売されているもの若しくはDynamit Nobel社によってMiglyol 810、812及び818の名称で販売されているもの、ホホバ油及びシアバター油から特に選択される。
【0058】
特に挙げることができる炭化水素系植物油としては、以下がある:
- 特にココヤシ(Cocos nucifera)に由来する、0.907から0.909g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、255から267の間の鹸化価、及び5から9の間のヨウ素価を有するココナッツ油;
- 特にヤシの木に由来する、0.914から0.917g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、245から256の間の鹸化価、及び10から18の間のヨウ素価を有するババス油(核由来);
- 特にアブラヤシ(Elaeis guineensis)に由来する、0.903から0.908g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、246から254の間の鹸化価、及び12から19の間のヨウ素価を有するパーム核油;
- 特にテオブロマカカオ(Theobroma cacao)に由来する、0.906から0.909g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、192から200の間の鹸化価、及び33から40の間のヨウ素価を有するココアバター;
- 特にアブラヤシに由来する、0.897から0.900g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、195から205の間の鹸化価、及び45から48の間のヨウ素価を有するパーム油(果肉由来);
- 特にアダンソニア・アダンソニア・グランディデリス(Adansonia grandideris)に由来する、0.895から0.905g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、190から195の間の鹸化価、及び57から63の間のヨウ素価を有するバオバブ核油;
- 特にサポタセア・マルチフローラ(Sapotacea multiflora)に由来する、0.900から0.902g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、178から193の間の鹸化価、及び52から66の間のヨウ素価を有するシアバター;
- 特にショレア・ステノプテラ(Skorea stenoptera)に由来する、0.902から0.905g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、190から194の間の鹸化価、及び58から65の間のヨウ素価を有するイリッペ脂;
- 特にオレア・ユーロピア(Olea europea)に由来する、0.910から0.916g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、182から196の間の鹸化価、及び75から94の間のヨウ素価を有するオリーブ油(果肉及び核由来);
- 特にアラキス・ハイポゲア(Arachis hypogea)に由来する、0.914から0.917g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、187から196の間の鹸化価、及び80から106の間のヨウ素価を有するピーナッツ油;
- 特にプルヌス・アミグダリス(Prunus amygdalis)に由来する、0.911から0.917g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、189から196の間の鹸化価、及び95から103の間のヨウ素価を有するアーモンド油;
- 特にセイヨウハシバミ(Corylu avelana)に由来する、0.914から0.920g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、190から195の間の鹸化価、及び83から110の間のヨウ素価を有するヘーゼルナッツ油;
- 特にセイヨウアブラナ(Brassica napus)に由来する、0.910から0.920g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、168から181の間の鹸化価、及び94から120の間のヨウ素価を有するナタネ油;及び
- 特にオリザ・サティバ(Oriza sativa)に由来する、0.920から0.924g.cm
-3の間の単位体積当たりの質量、180から194の間の鹸化価、及び85から109の間のヨウ素価を有する米ぬか油。
【0059】
特に、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して0.5%から30質量%の炭化水素系植物油、好ましくは1質量%から20質量%、更により優先的には1質量%から15質量%の炭化水素系植物油を含む。
【0060】
好ましい実施形態によれば、炭化水素系植物油は、ヒマシ油、スイートアーモンド油、及びココナッツ油、及びこれらの混合物から選択される。
【0061】
好ましくは、炭化水素系植物油はココナッツ油である。
【0062】
ココナッツ油は、様々な酸、特にカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びトランス脂肪酸の混合物である。
【0063】
特に、油の総量に対する炭化水素系植物油の割合は、10質量%から90質量%、好ましくは10質量%から50質量%、更により優先的には10質量%から35質量%の範囲である。
【0064】
組成物がスティック形態である場合、油の総量に対する炭化水素系植物油の割合は、特に10質量%から40質量%、好ましくは15質量%から35質量%の範囲である。
【0065】
組成物がエアロゾル形態である場合、油の総量に対する炭化水素系植物油の割合は、特に5質量%から50質量%、好ましくは10質量%から35質量%の範囲である。
【0066】
脂肪酸エステル
特にスティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む。
【0067】
特に挙げることができる脂肪酸エステルとしては、合成脂肪酸エステル、例えば式R
1COOR
2 (式中、R
1は1から40個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状高級脂肪酸残基を表し、R
2は特に1から40個の炭素原子を含む分岐状炭化水素系鎖を表し、R
1+R
2≧10である)の油、例えばピュアセリン油(オクタン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸C
12〜C
15アルキル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル又はトリメリット酸トリデシル;オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸のアルコール又は多価アルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、及びヘプタン酸、オクタン酸又はデカン酸の脂肪アルコール;ポリオールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール又はジイソノナン酸ジエチレングリコール;及びペンタエリスリトールエステル、例えばテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルがある。
【0068】
好ましくは、脂肪酸エステルは、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、及び安息香酸C
12〜C
15アルキル、及びこれらの混合物から選択される。
【0069】
パルミチン酸イソプロピル及びミリスチン酸イソプロピル、及びこれらの混合物等の脂肪酸エステル、更に特にパルミチン酸イソプロピルがより優先的には選択されることになる。
【0070】
特に、スティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物は、組成物の総質量に対して1質量%から30質量%の脂肪酸エステル、好ましくは2質量%から20質量%の脂肪酸エステル、更により良好には3質量%から15質量%の脂肪酸エステルを含む。
【0071】
特に、油の総量に対する脂肪酸エステルの割合は、好ましくは10質量%から90質量%、より優先的には20質量%から80質量%、好ましくは30質量%から60質量%の範囲である。
【0072】
油性相
特にスティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物は、少なくとも1種の炭化水素系植物油、脂肪酸エステル、並びに炭化水素系植物油及び脂肪酸エステル以外の任意選択で1種又は複数種の油を含む油性相を含む。
【0073】
「油」という用語は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg、すなわち10
5Pa)において液体である脂肪物質を意味する。
【0074】
揮発性油
有利には、本発明による組成物がエアロゾル形態である場合、それは少なくとも1種の揮発性油を含んでいてもよい。
【0075】
本発明では、「揮発性油」という用語は、室温及び大気圧において皮膚又はケラチン線維との接触から1時間未満で蒸発可能な油を意味する。
【0076】
本発明の揮発性油は、室温及び大気圧において、0でない、特に0.13Paから40000Pa(10
-3から300mmHg)の範囲の、特に1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)の範囲の、特に1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する室温で液体である揮発性の化粧用油である。
【0077】
好ましくは、揮発性油は、揮発性炭化水素系油及び揮発性シリコーン油、及びこれらの混合物から選択される。
【0078】
本発明において使用することができる揮発性炭化水素系油の例として、8から16個の炭素原子を含む炭化水素系油、特に石油起源のC
8〜C
16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカン又はイソヘキサデカン、例えば、Isopar又はPermethylの商標名で販売されている油、分岐状C
8〜C
16エステル、ネオペンタン酸イソヘキシル、及びこれらの混合物から選択される揮発性炭化水素系油を挙げることができる。
【0079】
他の揮発性炭化水素系油、例えば石油蒸留物、特にShell社によってShell Soltの名称で販売されているもの、また揮発性の直鎖状アルカン、例えばCognis社からの特許出願DE10 2008 012 457に記載されているものも使用してもよい。
【0080】
本発明において使用することができる揮発性シリコーン油の例として、以下を挙げることができる:
- 揮発性直鎖状又は環式シリコーン油、特に8センチストーク(8×10
-6m
2/s)以下の粘度を有し、特に2から7個のケイ素原子を含有するもの。これらのシリコーンは、1から10個の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を任意選択で含む。本発明において使用することができる揮発性シリコーン油として、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサンを特に挙げることができる;
- 一般式(I)の揮発性直鎖状アルキルトリシロキサン油:
【0082】
(式中、Rは、2から4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、その1個又は複数の水素原子は、フッ素原子又は塩素原子で置き換えられ得る)。
【0083】
一般式(I)の油中でも、以下を挙げることができ、
- 3-ブチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
- 3-プロピル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、及び
- 3-エチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
これらは、Rが、それぞれブチル基、プロピル基又はエチル基である式(I)の油に相当する。
【0084】
組成物がエアロゾル形態である場合、油の総量に対する揮発性油の割合は、好ましくは10質量%から90質量%、好ましくは15質量%から85質量%の範囲である。
【0085】
好ましくは、揮発性油は、炭化水素系油、特にC
8〜C
16イソアルカン、例えばイソドデカン若しくはイソヘキサデカン、又は直鎖状C
8〜C
16アルカン、例えばウンデカン/トリデカン混合物から選択される。
【0086】
更に特に、イソドデカンが選択されることになる。
【0087】
本発明による組成物が無水エアロゾル形態である場合、油の総量に対する揮発性油の割合は、好ましくは20質量%から80質量%の範囲である。
【0088】
不揮発性油
特にスティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物はまた、組成物中に既に存在する脂肪酸エステル及び炭化水素系植物油以外の少なくとも1種の不揮発性油を含んでいてもよい。
【0089】
「不揮発性油」という用語は、室温及び大気圧において皮膚又はケラチン線維に少なくとも数時間とどまり、特に10
-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を厳密には有する油を意味する。
【0090】
不揮発性油は、不揮発性炭化水素系油、不揮発性シリコーン油及び不揮発性フルオロ油、及びこれらの混合物から選択してもよい。
【0091】
「炭化水素系油」という用語は、主に炭素及び水素原子を含み、場合によってヒドロキシル、エステル、エーテル及びカルボン酸官能基から選択される1つ又は複数の官能基を含む油を意味する。一般に、油は、0.5から100000mPa.s、好ましくは50から50000mPa.s、より好ましくは100から300000mPa.sの粘度を有する。
【0092】
本発明において使用することができる不揮発性炭化水素系油の例として、以下を挙げることができる:
- 鉱物又は合成起源の直鎖状又は分岐状炭化水素、例えば流動パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、又はスクアレン;
- 10から40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えばジカプリリルエーテル又はPPG-14ブチルエーテル;
- 室温で液体であり、12から26個の炭素原子を含む分岐状及び/又は不飽和炭素鎖を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール又はオレイルアルコール;
- 高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸;
- 脂肪鎖カルボネート;
- 脂肪鎖アセテート;
- 脂肪鎖シトレート。
【0093】
本発明において使用することができる不揮発性シリコーン油の例として、シリコーン油、例えば直鎖状又は環式不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン鎖の側面に又は末端にアルキル、アルコキシ又はフェニル基を含み、これらの基が2から24個の炭素原子を特に含むポリジメチルシロキサン;及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0094】
本発明において使用することができる不揮発性フルオロ油の例として、任意選択で部分的に炭化水素系の及び/又はシリコーン系のフルオロ油、例えばフルオロシリコーン油、フッ化ポリエーテル及びEP 847 752に記載されているようなフルオロシリコーンを挙げることができる。
【0095】
好ましくは、不揮発性油は、不揮発性炭化水素系油、特に水素化ポリイソブテン油、例えばParleam(登録商標)、エーテル、例えばジカプリリルエーテル又はPPG-14ブチルエーテル、脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、及びこれらの混合物から選択される。
【0096】
特に、本発明による組成物が無水エアロゾル形態である場合、油の総量に対する揮発性油の割合は、好ましくは10質量%から90質量%、より優先的には15質量%から80質量%の範囲である。
【0097】
特に、本発明による組成物がスティック形態である場合、それは、油の総量に対して100%の不揮発性油を含む。
【0098】
固体状脂肪物質
本発明の特定の実施形態によれば、組成物がスティック形態である場合、それはワックス及びペースト状脂肪物質、並びにこれらの混合物、特にワックスから好ましくは選択される少なくとも1種の固体状脂肪物質を含んでいてもよい。
【0099】
ペースト状脂肪物質
本発明では、「ペースト状脂肪物質」(「ペースト状化合物」又は「ペースト」としても知られる)という用語は、状態の可逆的固体/液体変化を伴い、固体状態で異方性の結晶組織を示し、23℃の温度で液体画分及び固体画分を含む親油性脂肪化合物を意味する。
【0100】
言い換えれば、ペースト状化合物の出発融点は、23℃未満となり得る。23℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、化合物の9質量%から97質量%に相当し得る。23℃において液体であるこの画分は、好ましくは、15質量%から85質量%の間、より好ましくは40質量%から85質量%の間に相当する。本発明では、融解温度は、ISO規格11357-3;1999年に記載される通り、熱分析(DSC)において観察される最も高い吸熱ピークの温度に対応する。ペースト状物質又はワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばMDSC 2920の名称で45 TA Instruments社によって販売されている熱量計を使用して測定することができる。
【0101】
測定プロトコールは以下のとおりである:るつぼに入れたペースト状物質又はワックス(場合に応じて)の試料5mgを、10℃/分の加熱速度で-20℃から100℃の範囲の第1の昇温にかけ、次いで10℃/分の冷却速度で100℃から-20℃に冷却し、最後に5℃/分の加熱速度で20℃から100℃の範囲の第2の昇温にかける。第2の昇温の間に、温度の関数としての、空のるつぼに吸収される力とペースト状物質又はワックスの試料が入っているるつぼに吸収される力との差の変動を測定する。
【0102】
化合物の融点は、吸収される力の差の変動を温度の関数として示す曲線のピークの頂点に対応する温度値である。
【0103】
23℃でのペースト状化合物の液体の質量分率は、23℃で消費される融解熱の、ペースト状化合物の融解熱に対する比に等しい。
【0104】
ペースト状化合物の融解熱は、固体状態から液体状態に変化するために化合物によって消費される熱である。ペースト状化合物は、その塊全体が結晶性固体形態であるとき、固体状態であると言われる。ペースト状化合物は、その塊全体が液体形態であるとき、液体状態であると言われる。
【0105】
ペースト状化合物の融解熱は、TA Instruments社によってMDSC 2920の名称で販売されている熱量計等の示差走査熱量計(DSC)を使用して、ISO規格11357-3:1999年に従って、1分当たり5℃又は10℃の昇温で得られたサーモグラムの曲線下面積と等しい。ペースト状化合物の融解熱は、化合物を固体状態から液体状態へと変化させるのに必要とされるエネルギーの量である。これは、J/gで表される。23℃で消費される融解熱は、固体状態から、23℃で液体画分及び固体画分より形成される状態へ変化するために試料に吸収されるエネルギーの量である。
【0106】
好ましくは、32℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、化合物の30質量%から100質量%、好ましくは化合物の50質量%から100質量%、より好ましくは60質量%から100質量%に相当する。32℃で測定されるペースト状化合物の液体画分が100%に等しいとき、ペースト状化合物の溶融範囲の終点温度は32℃以下である。
【0107】
32℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、32℃で消費される融解熱の、ペースト状化合物の融解熱に対する比に等しい。32℃で消費される融解熱は、23℃で消費される融解熱と同様に計算される。
【0108】
ペースト状化合物は、好ましくは、合成化合物及び植物起源の化合物から選択される。ペースト状化合物は、植物起源の出発材料からの合成によって得られ得る。ペースト状化合物は、有利には以下から選択される:
- ラノリン及びその誘導体;
- ペンタエリスリトール及びポリアルキレングリコールのエーテル、脂肪アルコール及び糖のエーテル、及びこれらの混合物、ペンタエリスリトール及び5個のオキシエチレン単位(5OE)を含むポリエチレングリコールのエーテル(CTFA名:PEG-5ペンタエリスリチルエーテル)、5個のオキシプロピレン(5OP)単位を含むポリプロピレングリコールペンタエリスリチルエーテル(CTFA名:PPG-5ペンタエリスリチルエーテル)、及びこれらの混合物、特にVevy社によりLanolideの名称で販売されているPEG-5ペンタエリスリチルエーテル、PPG-5ペンタエリスリチルエーテル及びダイズ油混合物であって、その構成成分が46/46/8の質量比:46%PEG-5ペンタエリスリチルエーテル、46%PPG-5ペンタエリスリチルエーテル及び8%ダイズ油である混合物から選択されるポリオールエーテル;
- ポリマー又は非ポリマーシリコーン化合物;
- ポリマー又は非ポリマーフルオロ化合物;
- ビニルポリマー、特にオレフィンホモポリマー及びコポリマー、水素化ジエンホモポリマー及びコポリマー、直鎖状又は分岐状オリゴマー、C
8〜C
30アルキル基を好ましくは含むアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマー又はコポリマー、C
8〜C
30アルキル基を含むビニルエステルのホモポリマー及びコポリマーオリゴマー、C
8〜C
30アルキル基を含むビニルエーテルのホモポリマー及びコポリマーオリゴマー;
- 1つ又は複数のC
2〜C
100、好ましくはC
2〜C
50ジオール間のポリエーテル化から得られる脂溶性ポリエーテル;
- エステル;
- 並びに/又はこれらの混合物。
【0109】
ペースト状化合物は、好ましくはポリマー、とりわけ炭化水素系ポリマーである。
【0110】
脂溶性ポリエーテルの中で特に好ましいのは、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとC
6〜C
30長鎖アルキレンオキシドのコポリマーであり、より好ましくは、コポリマーにおける、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのアルキレンオキシドに対する質量比が5:95から70:30であるものである。
【0111】
このファミリーにおいて、長鎖アルキレンオキシドが平均分子量1000から10000を有するブロック状に配列されるようなコポリマー、例えば、商品名Elfacos ST9でAkzo Nobel社によって販売されているドデカンジオール(22mol)及びポリエチレングリコール(45OE)のエーテル等のポリオキシエチレン/ポリドデシルグリコールブロックコポリマーが特に挙げられるであろう。
【0112】
エステルの中では、以下が特に好ましい:
- グリセロールオリゴマーのエステル、特にジグリセロールエステル、特にアジピン酸及びグリセロールの縮合物であって、グリセロールのヒドロキシル基の一部がステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸、並びに12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸の混合物と反応している縮合物、例えば商品名Softisan 649でSasol社によって販売されているもの;
- 商品名Waxenol 801でAlzo社によって販売されているプロピオン酸アラキジル;
- フィトステロールエステル;
- 脂肪酸トリグリセリド及びそれらの誘導体;
- ペンタエリスリトールエステル;
- 直鎖状又は分岐状のC
4〜C
50ジカルボン酸又はポリカルボン酸とC
2〜C
50ジオール又はポリオールとの間の重縮合から得られる非架橋ポリエステル;
- 脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルの、脂肪族カルボン酸とのエステル化から得られるエステル脂肪族エステル。好ましくは、脂肪族カルボン酸は、4から30個、好ましくは8から30個の炭素原子を含む。脂肪族カルボン酸は、好ましくは、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、イソアラキジン酸、オクチルドデカン酸、ヘンエイコサン酸及びドコサン酸、並びにそれらの混合物から選択される。脂肪族カルボン酸は、好ましくは分岐状である。脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、有利には、2から40個の炭素原子、好ましくは10から34個の炭素原子、更に良好には12から28個の炭素原子、及び1から20個のヒドロキシル基、好ましくは1から10個のヒドロキシル基、更に良好には1から6個のヒドロキシル基を含む、ヒドロキシル化脂肪族カルボン酸に由来する。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは以下から選択される:
a)飽和直鎖状モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分又は完全エステル;
b)不飽和モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分又は完全エステル;
c)飽和モノヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分又は完全エステル;
d)飽和ポリヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分又は完全エステル;
e)モノヒドロキシル化若しくはポリヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸又はポリカルボン酸、又はこれらの混合物と反応しているC
2〜C
16脂肪族ポリオールの部分エステル又は全エステル;
- 必要に応じてその遊離アルコール又は酸官能基が酸又はアルコール基でエステル化された、ジオールダイマーと二酸ダイマーとのエステル、とりわけダイマージリノール酸エステル、そのようなエステルは、とりわけ以下のINCI名称を有するエステルから選択することができる:ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス-ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル(Plandool G)、ダイマージリノール酸フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル(Plandool H又はPlandool 40S)、及びそれらの混合物;
- 水素化ロジン酸エステル、例えば水素化ロジン酸のジリノレイルダイマー(日本ファインケミカル株式会社製のLusplan DD-DHR又はDD-DHR);並びに
- これらの混合物。
【0113】
ワックス
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物がスティック形態である場合、それは少なくとも1種のワックスを含む。
【0114】
本発明の文脈において検討中のワックスは、一般的に、室温(25℃)で固体であり、可逆的固体/液体状態変化を伴い、30℃以上の融点であって、最大200℃、特に最大120℃であってもよい融点を有する親油性化合物である。特に、本発明において使用するのに好適なワックスは、45℃以上の、特に55℃以上の融点を有していてもよい。本発明による組成物において使用することができるワックスは、動物、植物、鉱物又は合成起源の、及びこれらの混合物の、室温で固体であるワックスから選択される。
【0115】
挙げることができる例としては、10から60個の炭素原子、好ましくは20から40個の炭素原子を概して含む脂肪アルキル鎖であって、前記鎖が場合により飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖状、分岐状又は環式、好ましくは飽和及び直鎖状である脂肪アルキル鎖を含む以下の炭化水素系ワックスがある:
- 脂肪アルコール;
- 脂肪アルコールエステル;
- 脂肪酸;
- 脂肪酸アミド;
- トリグリセリドを含む脂肪酸エステル;
- 脂肪酸エーテル;
- エトキシル化脂肪アルコール;
- エトキシル化脂肪酸及びその対応する塩。
【0116】
脂肪アルコールの中でも、ステアリルアルコール及びセテアリルアルコール、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0117】
脂肪アルコールエステルの中でも、クエン酸トリイソステアリル、エチレングリコールビス(12-ヒドロキシステアレート)、クエン酸トリステアリル、オクタン酸ステアリル、ヘプタン酸ステアリル、クエン酸トリラウリル、及びこれらの混合物を挙げることができる。脂肪酸エステルの中でも、エステルワックス、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを挙げることができる。
【0118】
挙げることができるエステルワックスとしては、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、ステアリルオクチルドデカノール、ベヘン酸セテアリル、ベヘン酸ベヘニル、ジステアリン酸エチレングリコール及びジパルミチン酸エチレングリコールがある。特に、C
20〜C
40アルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート(アルキル基が20から40個の炭素原子を含む)を単独で又は混合物として使用してもよい。
【0119】
このようなワックスは、特に、KesterワックスK82P(登録商標)、ヒドロキシポリエステルK82P(登録商標)及びKesterワックスK80P(登録商標)の名称でKoster Keunen社よって販売されている。
【0120】
トリグリセリドワックスのうち、トリベヘニン、C
18〜C
36トリグリセリド、及びこれらの混合物が特に挙げられ得る。
【0121】
本発明に好適なワックスの例として、とりわけ、炭化水素系ワックス、例えば、みつ蝋、ラノリンワックス、支那蝋、糠蝋、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス、エスパルトグラスワックス、ベリーワックス、シェラックワックス、はぜ蝋、及び木蝋;モンタンワックス、オレンジワックス、及びレモンワックス、微結晶ワックス、パラフィン、及びオゾケライト;ポリエチレンワックス、Fischer-Tropsch合成により得られるワックス、及びワキシーコポリマー及びそのエステルが挙げられ得る。
【0122】
直鎖状又は分岐状のC
8〜C
32脂肪鎖を含む動物油又は植物油の接触水素化によって得られるワックスも挙げることができる。これらの中でも、Desert Whale社によってIso-Jojoba-50(登録商標)の商品参照名で製造される又は販売されているトランス異性化された部分水素化ホホバ油等の異性化されたホホバ油、水素化ヒマワリ油、水素化ヒマシ油、水素化ココナッツ油、水素化ラノリン油、及びHeterene社によってHest 2T-4S(登録商標)の名称で販売されているビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアレートを特に挙げることができる。
【0123】
また、シリコーンワックス(C
30〜45アルキルジメチコーン)及びフッ化ワックスも挙げることができる。セチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化によって得られ、Phytowax ricin 16L64(登録商標)及び22L73(登録商標)の名称でSophim社によって販売されているワックスも使用し得る。このようなワックスは、特許出願FR2 792 190に特に記載されている。
【0124】
本発明による組成物に使用することができるマイクロワックスとして、Micro Powders社によってMicroCare 350(登録商標)の名称で販売されている製品等のカルナウバマイクロワックス、Micro Powders社によってMicroEase 114S(登録商標)の名称で販売されている製品等の合成マイクロワックス、Micro Powders社によってMicroCare 300(登録商標)及び310(登録商標)の名称で販売されているもの等の、カルナウバワックス及びポリエチレンワックスの混合物から形成されるマイクロワックス、Micro Powders社によってMicroCare 325(登録商標)の名称で販売されている製品等の、カルナウバワックス及び合成ワックスの混合物から形成されるマイクロワックス、Micro Powders社によってMicropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)及び250S(登録商標)の名称で販売されているもの等のポリエチレンマイクロワックス、及びMicro Powders社によってMicroslip 519(登録商標)及び519L(登録商標)の名称で販売されているもの等のポリテトラフルオロエチレンマイクロワックスを特に挙げることができる。
【0125】
本発明による特定の実施形態によれば、組成物がスティック形態である場合、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して好ましくは1質量%から30質量%、特に2質量%から25質量%、特に5質量%から20質量%の範囲の含有量の固体状脂肪物質を含んでいてもよい。
【0126】
添加剤
特にスティック又はエアロゾル形態の本発明による化粧用組成物はまた、消臭活性剤、吸湿剤、親油性懸濁化剤又はゲル化剤、軟化剤、酸化防止剤、乳白剤、安定化剤、保湿剤、ビタミン、殺菌剤、保存剤、ポリマー、香料、増粘剤、又は懸濁化剤、又はこの適用タイプの化粧品において通常使用される任意のその他の成分から選択される化粧用補助剤を含んでいてもよい。
【0127】
本発明による組成物はまた、製品のテクスチャ又は均質性を改善するために、親油性増粘剤、ゲル化剤及び/又は懸濁化剤を含んでいてもよい。
【0128】
言うまでもなく、当業者であれば、この又はこれらの任意選択の追加の化合物の選択に注意を払い、本発明による組成物に本質的に伴う有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けないか、又は実質的に悪影響を受けないようにするであろう。
【0129】
消臭活性剤
本発明の特定の形態によれば、特にスティック又はエアロゾル形態の組成物は、先に考慮されたマグネシウム塩以外の少なくとも1種の消臭活性剤を液体相中に含んでいてもよい。
【0130】
「消臭活性剤」という用語は、ヒト体臭、特に脇臭を減少させる、マスキングする又は吸収することができる任意の物質を意味する。
【0131】
消臭活性剤は、脇臭の微生物に作用する静菌剤又は殺菌剤、例えば2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(Triclosan(登録商標))、2,4-ジクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、3',4',5'-トリクロロサリチルアニリド、1-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-(4'-クロロフェニル)尿素(Triclocarban(登録商標))又は3,7,11-トリメチルドデカ-2,5,10-トリエノール(Farnesol(登録商標));第四級アンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩、DPTA(1,3-ジアミノプロパンテトラ酢酸)、1,2-デカンジオール(Symclariol、Symrise社製);グリセロール誘導体、例えばカプリル酸/カプリン酸グリセリド(Capmul MCM(登録商標)、Abitec社製)、カプリル酸又はカプリン酸グリセリル(Dermosoft GMCY(登録商標)及びDermosoft GMC(登録商標)、Straetmans社製)、カプリン酸ポリグリセリル-2(Dermosoft DGMC(登録商標)、Straetmans社製)、及びビグアナイド誘導体、例えばポリヘキサメチレンビグアナイド塩;クロルヘキシジン及びその塩;4-フェニル-4,4-ジメチル-2-ブタノール(Symdeo MPP(登録商標)、Symrise社製);亜鉛塩、例えばサリチル酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ピドロ酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛又はフェノールスルホン酸亜鉛;サリチル酸及びその誘導体、例えば5-n-オクタノイルサリチル酸であってもよい。
【0132】
消臭活性剤は、臭気吸収剤、例えばリシノール酸亜鉛、重炭酸ナトリウム;金属若しくは銀若しくは銀不含ゼオライト、又はシクロデキストリン及びこれらの誘導体であってもよい。
【0133】
これらはまたキレート化剤、例えばAkzo Nobel社製のDissolvine GL-47-S(登録商標)、EDTA及びDPTAであってもよい。それはまた、ポリオール、例えばグリセロール、又は1,3-プロパンジオール(Zemea Propanediol、Dupont Tate and Lyle BioProducts社によって販売されている);又は酵素阻害剤、例えばクエン酸トリエチル;又はミョウバンであってもよい。
【0134】
消臭活性剤はまた、静菌剤又は殺菌剤、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(Triclosan(登録商標))、2,4-ジクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、3',4',5'-トリクロロサリチルアニリド、1-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-(4'-クロロフェニル)尿素(Triclocarban(登録商標))又は3,7,11-トリメチルドデカ-2,5,10-トリエノール(Farnesol(登録商標));第四級アンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウム塩又はセチルピリジニウム塩であってもよい。
【0135】
消臭活性剤は、全組成物に対して約0.01質量%から20質量%の割合で、好ましくは組成物の総質量に対して約0.1質量%から5質量%の割合で本発明による組成物に存在していてもよい。
【0136】
吸湿剤
例えばパーライト、好ましくは膨張パーライトを吸湿剤へ添加することも可能である。
【0137】
特にスティック又はエアロゾル形態の化粧用組成物は、パーライトから選択される1種又は複数種の吸湿剤を含んでいてもよい。
【0138】
好ましくは、化粧用組成物は、膨張パーライトから選択される1種又は複数種の吸収剤を含む。
【0139】
本発明に従って使用してもよいパーライトは、一般的に火山起源のアルミノシリケートであり、以下のような組成物を有する:
- 70.0から75.0質量%のシリカSiO
2;
- 12.0から15.0質量%の酸化アルミニウムAl
2O
3;
- 3.0から5.0%の酸化ナトリウムNa
2O;
- 3.0から5.0%の酸化カリウムK
2O;
- 0.5から2%の酸化鉄Fe
2O
3;
- 0.2から0.7%の酸化マグネシウムMgO;
- 0.5から1.5%の酸化カルシウムCaO;及び
- 0.05から0.15%の酸化チタンTiO
2。
【0140】
第1の工程において、パーライトを粉砕し、乾燥し、次いでサイズを測る。得られた生成物はパーライト鉱石として知られ、灰色であり、サイズは約100μmである。
【0141】
次いで、パーライト鉱石を膨張させ(1000℃/2秒)、程度の差はあるが白色の粒子を得る。温度が850から900℃に達したとき、材料の構造体中に捕捉された水が蒸発し、材料の元の体積に対して膨張が生じる。本発明による膨張パーライト粒子は、米国特許第5 002 698号に記載の膨張方法を介して得ることができる。
【0142】
好ましくは、使用されるパーライト粒子は粉砕されることになり、この場合、それらは膨張粉砕パーライト(EMP)として知られる。これらは、好ましくは、メジアン径D50によって定義される粒径が、0.5から50μm、好ましくは0.5から40μmの範囲である。好ましくは、使用されるパーライト粒子は、25℃で、10から400kg/m
3(規格DIN 53468)、好ましくは10から300kg/m
3の範囲の軽装嵩(untamped)見かけ密度を有する。
【0143】
好ましくは、本発明による膨張パーライト粒子は、200%から1500%、好ましくは250%から800%の範囲の、湿潤点で測定された給水能を有する。
【0144】
湿潤点は、均質なペーストを得るために粒子1gに加えなければならない水の量に相当する。この方法は、溶媒へ適用される油取込み方法から直接導き出される。測定は湿潤点及び流動点によって同様に行われ、湿潤点及び流動点はそれぞれ以下の定義を有する:
湿潤点:溶媒を粉末へ加える間における均質なペーストの生成に相当する、生成物100g当たりのグラムで表される質量。
流動点:生成物100g当たりのグラムで表される質量であって、その点以上では、溶媒の量が、粉末が溶媒を保持できる容量より多い質量。これは、ガラス板上を流動するある程度均質な混合物の生成によって示される。
【0145】
湿潤点及び流動点は、以下のプロトコールに従って測定される:
水吸収を測定するプロトコール
1)使用する道具
ガラス板(25×25mm)
へら(木製の柄及び金属部、15×2.7mm)
絹の剛毛ブラシ
秤
2)手順
ガラス板を秤の上に乗せ、パーライト粒子1gを検量する。溶媒及び液体試料採取ピペットを容れたビーカーを秤に乗せる。溶媒を粉末に徐々に添加し、全体を定期的(3から4滴毎)にへらでブレンドする。
【0146】
湿潤点を得るために必要とされる溶媒の質量を書き留める。更なる溶媒を添加し、流動点に達することを可能にする質量を書き留める。3回の試験の平均を判定することになる。
【0147】
商標名Optimat 1430 OR又はOptimat 2550でWorld Minerals社によって販売されている膨張パーライト粒子が特に使用されることになる。
【0148】
無機増粘剤、ゲル化剤及び懸濁化剤
親油性無機増粘剤、ゲル化剤又は懸濁化剤として、好ましくは疎水性改質モンモリロナイト粘土、例えば疎水性改質ベントナイト又はヘクトライトから選択される改質粘土を使用してもよい。挙げることができる例としては、製品ステアラルコニウムベントナイト(CTFA名)(ベントナイト及び第四級アンモニウムステアラルコニウムクロリドの反応生成物)、例えばSud Chemie Rheologicals、United Catalysts Inc社によってTixogel MP 250の名称で販売されている市販の製品、又はElementis Specialities社によってBentone 38若しくはBentone Gelの名称で販売されている製品ジステアルジモニウムヘクトライト(CTFA名)(ヘクトライト及びジステアリルジモニウムクロリドの反応生成物)がある。
【0149】
疎水性表面処理が任意選択で行われたヒュームドシリカも挙げることができ、その粒径は、1μm未満である。これは、シリカの表面に存在するシラノール基の数の減少をもたらす化学反応によって、シリカの表面を化学的に改質することが可能であるためである。シラノール基を疎水性基で置換することが特に可能であり、これによって疎水性シリカが得られる。疎水性基は、トリメチルシロキシル基とすることができ、これは、特にヘキサメチルジシラザンの存在下でヒュームドシリカを処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第8版、2000年)による「シリル化シリカ」として知られる。これらは、例えば、Degussa社によってAerosil R812(登録商標)、Cabot社によってCab-O-Sil TS-530(登録商標)の参照名で販売されており、ジメチルシリルオキシル又はポリジメチルシロキサン基は、特にヒュームドシリカを、ポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下で処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第8版、2000年)により、「ジメチルシリル化シリカ」として知られる。これらは、例えば、Degussa社によってAerosil R972(登録商標)及びAerosil R974(登録商標)、並びにCabot社によってCab-O-Sil TS-610(登録商標)及びCab-O-Sil TS-720(登録商標)の参照名で販売されている。
【0150】
疎水性ヒュームドシリカは、好ましくは、ナノメートルからマイクロメートル、例えば約5nmから200nmの範囲であってもよい粒径を有する。
【0151】
有機増粘剤、ゲル化剤及び懸濁化剤
有機親油性増粘剤又はゲル化剤は、例えば、部分的に又は全体が架橋された3次元構造の弾性オルガノポリシロキサン、例えば信越化学工業株式会社によってKSG6(登録商標)、KSG16(登録商標)及びKSG18(登録商標)、Dow Corning社によってTrefil E-505C(登録商標)又はTrefil E-506C(登録商標)、Grant Industries社によってGransil SR-CYC(登録商標)、SR DMF10(登録商標)、SR-DC556(登録商標)、SR 5CYC gel(登録商標)、SR DMF 10gel(登録商標)、及びSR DC 556gel(登録商標)並びにGeneral Electric社によってSF 1204(登録商標)及びJK 113(登録商標)の名称で販売されているもの;エチルセルロース、例えばDow Chemical社によってEthocel(登録商標)の名称で販売されているもの;1サッカライド当たり1から6個の、特に2から4個のヒドロキシル基を含み、飽和又は不飽和アルキル鎖で置換されているガラクトマンナン、例えばC
1〜C
6、特にC
1〜C
3アルキル鎖でアルキル化されているグアーガム、及びこれらの混合物;「ジブロック」、「トリブロック」又は「放射状」タイプの、ポリスチレン/ポリイソプレン又はポリスチレン/ポリブタジエンタイプの、例えばBASF社によってLuvitol HSB(登録商標)の名称で販売されている製品、ポリスチレン/コポリ(エチレン-プロピレン)タイプの、例えばShell Chemical Co.社によってKraton(登録商標)の名称で販売されている製品、又はポリスチレン/コポリ(エチレン-ブチレン)タイプのブロックコポリマー、並びにイソドデカン中のトリブロック及び放射状(星型)コポリマーの混合物、例えばPenreco社によってVersagel(登録商標)の名称で販売されているもの、例えばイソドデカン中のブチレン/エチレン/スチレントリブロックコポリマー及びエチレン/プロピレン/スチレン星型コポリマーの混合物(Versagel M 5960)である。
【0152】
また挙げることができる親油性増粘剤又はゲル化剤としては、100000未満の質量平均分子量を有し、a)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素系反復単位を有するポリマー骨格、並びに任意選択でb)少なくとも1つの任意選択で官能化されたペンダント脂肪鎖及び/又は末端脂肪鎖であって、6から120個の炭素原子を含み、且つこれらの炭化水素系単位へ連結しているペンダント脂肪鎖及び/又は末端脂肪鎖を含む、特許出願WO-A02/056 847及びWO-A02/47619に記載されているようなポリマー、特にポリアミド樹脂(特に12から22個の炭素原子を含むアルキル基を含む)、例えばUS-A-5 783 657に記載されているものがある。
【0153】
本発明による組成物において使用することができる親油性増粘剤又はゲル化剤の中でも、デキストリンの脂肪酸エステル、例えばパルミチン酸デキストリン、特に例えばChiba Flour社によってRheopearl TL(登録商標)又はRheopearl KL(登録商標)の名称で販売されている製品をまた挙げることができる。
【0154】
US-A-5 874 069、US-A-5 919 441、US-A-6 051 216及びUS-A-5 981 680の文献中に記載されているもの等のポリオルガノシロキサンタイプのシリコーンポリアミドを使用することも可能である。
【0155】
これらのシリコーンポリマーは、以下の2つのファミリーに属し得る:
- 水素相互作用を確立することのできる少なくとも2個の基を含むポリオルガノシロキサンであって、これら2個の基がポリマー鎖に存在するポリオルガノシロキサン、及び/又は
- 水素相互作用を確立することのできる少なくとも2個の基を含むポリオルガノシロキサンであって、これら2個の基がグラフト又は分岐上に位置するポリオルガノシロキサン。
【0156】
増粘剤、ゲル化剤及び/又は懸濁化剤は、好ましくは、組成物の総質量に対して0.1質量%から15質量%、より優先的には0.2質量%から10質量%の範囲の量で存在する。
【0157】
本発明による組成物に存在していてもよいこれらの様々な構成成分の量は、発汗を処置するための組成物において通常使用されるものである。
【0158】
乳化剤
油性相はまた、8未満、好ましくは6以下、特に4から6の範囲のHLB(親水性/親油性バランス)を有する1種又は複数種の乳化剤を含んでいてもよい。
【0159】
それらは、前記相中に溶解性又は分散性であってもよい。
【0160】
挙げることができる乳化剤の例としては、ポリオール、特にグリセロール又はソルビトールの脂肪エステル、特にポリオールのイソステアリン酸、オレイン酸及びリシノール酸エステル、例えば、Goldschmidt社によってProtegin W(登録商標)の名称で販売されているペトロラタム、オレイン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸グリセリル、水素化ヒマシ油及びオゾケライトの混合物、イソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2;サッカライドエステル及びエーテル、例えばジオレイン酸メチルグルコース;脂肪エステル、例えばラノリン脂肪酸マグネシウム(magnesium lanolate);ジメチコーンコポリオール及びアルキルジメチコーンコポリオールがある。挙げることができる例としては、以下の式(I)に相当するアルキルジメチコーンコポリオールがある
【0162】
(式中、
- R
1は、直鎖状又は分岐状C
12〜C
20、好ましくはC
12〜C
18アルキル基を示し;
- R
2は、-C
nH
2n-(-OC
2H
4-)
x-(-OC
3H
6-)
y-O-R
3基を示し;
- R
3は、水素原子、又は1から12個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分岐状アルキル基を示し;
- aは、約1から500の範囲の整数であり;
- bは、約1から500の範囲の整数であり;
- nは、2から12、好ましくは2から5の範囲の整数であり;
- xは、約1から50、好ましくは1から30の範囲の整数であり;
- yは、約0から49、好ましくは0から29の範囲の整数を示し、ただし、yが0以外である場合、比x/yは1超、好ましくは2から11の範囲である)。
【0163】
式(I)の好ましいアルキルジメチコーンコポリオール乳化剤の中でも、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコーン、特にセチルPEG/PPG-10/1ジメチコーン及びジメチコーン(INCI名)混合物、例えばGoldschmidt社によってAbil EM90の商標名で販売されている製品、或いは(ステアリン酸ポリグリセリル-4及びセチルPEG/PPG-10(及び)ジメチコーン(及び)ラウリン酸ヘキシル)混合物、例えば同社によってAbil WE09の商標名で販売されている製品が特に挙げられるであろう。
【0164】
油中水型乳化剤の中でも、以下の式(II)に相当するジメチコーンコポリオールも挙げることができる:
【0166】
(式中、
- R
4は、-C
mH
2m-(-OC
2H
4-)
s-(-OC
3H
6-)
t-O-R
5基を示し;
- R
5は、水素原子、又は1から12個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分岐状アルキル基を示し;
- cは、約1から500の範囲の整数であり;
- dは、約1から500の範囲の整数であり;
- mは、2から12、好ましくは2から5の範囲の整数であり;
- sは、約1から50、好ましくは1から30の範囲の整数であり;
- tは、約0から50、好ましくは0から30の範囲の整数であり;
- ただし、s+tの合計は1以上とする)。
【0167】
これらの優先的な式(II)のジメチコーンコポリオール乳化剤の中でも、PEG-18/PPG-18ジメチコーン、特にシクロペンタシロキサン(及び)PEG-18/PPG-18ジメチコーン(INCI名)混合物、例えばDow Corning社によりSilicone DC5225Cの又は信越化学工業株式会社によりKF-6040の商標名で販売されている製品が特に使用されるであろう。
【0168】
特に好ましい形態によれば、式(I)の少なくとも1種の乳化剤と、式(II)の少なくとも1種の乳化剤との混合物を使用することになる。
【0169】
特に、PEG-18/PPG-18ジメチコーンとセチルPEG/PPG-10/1ジメチコーンとの混合物、更に特に、(シクロペンタシロキサン(及び)PEG-18/PPG-18ジメチコーン)の、及びセチルPEG/PPG-10/1ジメチコーン及びジメチコーンの、又は(ポリグリセリル-4ステアレート及びセチルPEG/PPG-10(及び)ジメチコーン(及び)ラウリン酸ヘキシル)の混合物を使用することになる。
【0170】
油中水型乳化剤の中でも、脂肪酸及びポリオールに由来する非イオン性乳化剤、アルキルポリグリコシド(APG)、糖エステル並びにこれらの混合物も挙げることができる。
【0171】
脂肪酸及びポリオールに由来する非イオン性乳化剤として、特に、ポリオールの脂肪酸エステルを使用してもよく、この脂肪酸はC
8〜C
24アルキル鎖を特に含有しており、ポリオールは、例えばグリセロール及びソルビタンである。特に挙げることができるポリオールの脂肪酸エステルとしては、ポリオールのイソステアリン酸エステル、ポリオールのステアリン酸エステル、及びこれらの混合物、特にグリセロール及び/又はソルビタンのイソステアリン酸エステルがある。
【0172】
特に挙げることができるポリオールのステアリン酸エステルとしては、ポリエチレングリコールエステル、例えばジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、例えばICI社によってArlacel P135の名称で販売されている製品がある。
【0173】
挙げることができるグリセロール及び/又はソルビタンエステルの例としては、イソステアリン酸ポリグリセリル、例えばEvonik Goldschmidt社によってIsolan GI 34(登録商標)の名称で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタン、例えばICI社によってArlacel 987の名称で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタングリセリル、例えばICI社によってArlacel 986の名称で販売されている製品、Uniqema社によってArlacel 1690の名称で販売されているイソステアリン酸ソルビタンとイソステアリン酸ポリグリセリル(3mol)との混合物、及びこれらの混合物がある。
【0174】
乳化剤は、HLB15が7未満のアルキルポリグリコシド、例えば以下の一般式(1)によって表されるものから選択してもよい
R-O-(G)
x (1)
(式中、
- Rは、14から24個の炭素原子を含む分岐状及び/又は不飽和アルキル基を表し;
- Gは、5から6個の炭素原子を含む還元糖を表し;且つ
- xは、1から10、好ましくは1から4の範囲の値を示す)。
【0175】
Gは、グルコース、フルクトース又はガラクトースを特に示す。
【0176】
不飽和アルキル基は、1つ又は複数のエチレン不飽和、特に1つ又は2つのエチレン不飽和を含んでいてもよい。
【0177】
このタイプのアルキルポリグリコシドとして、アルキルポリグルコシド(式(1)においてG=グルコース)、特に式(1)(式中、Rは、オレイル基(不飽和C
18基)又はイソステアリル(飽和C
18基)を特に表し、Gはグルコースを示し、xは1から2の範囲の値である)の化合物、特にイソステアリルグルコシド又はオレイルグルコシド、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0178】
このアルキルポリグルコシドは、共乳化剤との、特に脂肪アルコール、特にアルキルポリグルコシドのものと同じ脂肪鎖を含有する、すなわち14から24個の炭素原子を含みかつ分岐状及び/又は不飽和鎖を含有する脂肪アルコール、例えば、アルキルポリグルコシドがイソステアリルグルコシドの場合にはイソステアリルアルコール、アルキルポリグルコシドがオレイルグルコシドの場合にはオレイルアルコールとの混合物として、任意選択で自己乳化組成物の形態で、例えばWO-A-92/06778に記載されるように使用してもよい。
【0179】
例えば、SEPPIC社によってMontanov WO 18の名称で販売されているイソステアリルグルコシド及びイソステアリルアルコールの混合物、またSEPPIC社によってFludanov 20Xの名称で販売されているオクチルドデカノール及びオクチルドデシルキシロシド混合物を使用してもよい。
【0180】
コハク酸末端ポリオレフィン、例えばエステル化コハク酸末端ポリイソブチレン及びその塩、特にジエタノールアミン塩、例えばLubrizol社によってLubrizol 2724、Lubrizol 2722、及びLubrizol 5603の名称で販売されている製品、又は市販製品Chemcinnate 2000も挙げることもできる。
【0181】
油中水型乳化剤の中でも、オキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化及び/又はポリオキシプロピレン化、特にポリオキシエチレン化、シリコーンエラストマー、例えばUS-A-5 236 986、US-A-5 412 004、US-A-5 837 793、及びUS-A-5 811 487の文献に記載されているものも挙げることができる。
【0182】
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、好ましくは、少なくとも1種の炭化水素系油及び/又は1種のシリコーン油中のゲルの形態で運搬される。これらのゲルでは、ポリオキシアルキレン化エラストマーは、非球状粒子の形態であることが多い。
【0183】
ポリオキシエチレン化シリコーンエラストマーとして、信越化学工業株式会社によって以下の名称で販売されているもの:
- KSG-21(活性材料を27%含む、INCI名:ジメチコーン/PEG-10ジメチコーンビニルジメチコーンクロスポリマー);
- KSG-20(活性材料を95%含む、INCI名:PEG-10ジメチコーンクロスポリマー);
- KSG-30(活性材料を100%含む、INCI名:ラウリルPEG-15ジメチコーンビニルジメチコーンクロスポリマー);
- KSG-31(活性材料を25%含む、INCI名:ラウリルPEG-15ジメチコーンビニルジメチコーンクロスポリマー);
- KSG-32又はKSG-42又はKSG-320又はKSG-30(活性材料を25%含む、INCI名:ラウリルPEG-15ジメチコーンビニルジメチコーンクロスポリマー);
- KSG-33(活性材料を20%含む);
- KSG-210(活性材料を25%含む、INCI名:ジメチコーン/PEG-10/15クロスポリマー);
- KSG-310:無機油中のラウリル改質架橋ポリオキシエチレン化ポリジメチルシロキサン;
- KSG-330;
- KSG-340;
- KSG-226146(活性材料を32%含む、INCI名:ジメチコーン/PEG-10ジメチコーンビニルジメチコーンクロスポリマー);
又はDow Corning社によって以下の名称で販売されているもの:
- DC9010(活性材料を9%含む、INCI名:PEG-12ジメチコーンクロスポリマー);
- DC9011(活性材料を11%含む)
を使用してもよい。
【0184】
これらの製品は、シリコーンエラストマー粒子を含む油性ゲルの形態で一般的に提供される。
【0185】
シリコーン油中にシリコーンエラストマー活性材料を25%含むKSG-210(INCI名:ジメチコーン/PEG-10/15クロスポリマー)が好ましくは使用される。
【0186】
油中水型乳化剤の中でも、ポリグリセロール化シリコーンエラストマーも挙げることができる。このようなエラストマーは、特にWO 2004/024 798に記載されている。
【0187】
使用することができるポリグリセロール化シリコーンエラストマーとしては、以下の名称で販売されているものがある:
- KSG-710(活性材料を25%含む、INCI名:ジメチコーン/ポリグリセリン-3クロスポリマー);
- KSG-810;
- KSG-820;
- KSG-830;
- 信越化学工業株式会社によって販売されているKSG-840。
【0188】
制汗活性剤
特定の実施形態によれば、特にスティック又はエアロゾル形態の本発明による組成物はまた、少なくとも1種の制汗活性剤を含んでいてもよい。
【0189】
「制汗活性剤」という用語は、汗の流量を減少させる、ヒトの汗と関連する水分の皮膚における感覚を低下させる、又はヒトの汗をマスキングする効果をそれ自体に有する塩を意味する。
【0190】
化粧用組成物は、アルミニウム及び/又はジルコニウム塩又は錯体から選択される1種又は複数種の制汗活性剤を特に含んでいてもよい。
【0191】
アルミニウム塩又は錯体の中でも、アルミニウムハロ水和物を挙げることができる。
【0192】
アルミニウム塩の中でもアルミニウムクロロ水和物、アルミニウムクロロハイドレックス(hydrex)、アルミニウムクロロハイドレックス-ポリエチレングリコール錯体、アルミニウムクロロハイドレックス-プロピレングリコール錯体、アルミニウムジクロロ水和物、アルミニウムジクロロハイドレックス-ポリエチレングリコール錯体、アルミニウムジクロロハイドレックス-プロピレングリコール錯体、アルミニウムセスキクロロ水和物、アルミニウムセスキクロロハイドレックス-ポリエチレングリコール錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレックス-プロピレングリコール錯体、乳酸アルミニウムナトリウム(sodium aluminum lactate)で緩衝された硫酸アルミニウムを特に挙げることができる。
【0193】
アルミニウムセスキクロロ水和物は、SummitReheis社によってReach 301(登録商標)の商標名で特に販売されている。
【0194】
アルミニウムクロロ水和物は、Clariant社によってLocron S FLA(登録商標)、Locron P及びLocron L.ZAの商標名で;SummitReheis社によってMicrodry Aluminum Chlorohydrate(登録商標)、Micro-Dry 323(登録商標)、Chlorhydrol 50、Reach 103及びReach 501の商標名で;Westwood社によってWestchlor 200(登録商標)の商標名で;Guilini Chemie社によってAloxicoll PF 40(登録商標)の商標名で;Industria Quimica Del Centro社によってCluron 50%(登録商標)で;又はFinquimica社によってClorohidroxido Aluminio SO A 50%(登録商標)で特に販売されている。
【0195】
アルミニウムクロロ水和物、アルミニウムアルミニウムセスキクロロ水和物、及びこれらの混合物を特に使用することになる。
【0196】
アルミニウム塩又は錯体は、油としての組成物の総質量に対して0.2質量%から50質量%の範囲の含有量で、好ましくは1質量%〜20質量%、特に2質量%から15質量%の間の範囲の含有量で本発明による組成物に存在していてもよい。
【0197】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して2質量%未満のアルミニウム塩又は錯体、より優先的には1質量%未満のアルミニウム塩又は錯体、更により良好には0.5質量%未満のアルミニウム塩又は錯体を含む。
【0198】
好ましくは、本発明による組成物はアルミニウム塩又は錯体を含まない。
【0199】
噴射剤(PROPELLANT)
本発明による組成物がエアロゾル形態である場合、それは1種又は複数種の噴射剤を含んでいてもよい。
【0200】
本発明による組成物において使用される噴射剤は、ジメチルエーテル、揮発性炭化水素、例えばプロパン、イソプロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、及びイソペンタン、並びにこれらの混合物から選択され、少なくとも1種のクロロ及び/又はフルオロ炭化水素を任意選択で含む。後者の中でも、DuPont de Nemours社によってFreon(登録商標)及びDymel(登録商標)の名称で販売されている化合物、特にモノフルオロトリクロロメタン、ジフルオロジクロロメタン、テトラフルオロジクロロエタン及び特にDuPont社によってDymel 152 A(登録商標)の商標名で販売されている1,1-ジフルオロエタンを挙げることができる。
【0201】
二酸化炭素、亜酸化窒素、窒素又は圧縮空気もまた、噴射剤として使用できる。
【0202】
好ましくは、本発明による組成物は、揮発性炭化水素から選択される噴射剤を含む。
【0203】
より優先的には、噴射剤は、イソプロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、及びイソペンタン、及びこれらの混合物から選択され、好ましくはイソブタンである。
【0204】
特に、液体相と噴射ガスとの間の質量比は、5/95から50/50、好ましくは10/90から40/60、より優先的には15/85から30/70の比で変化する。
【0205】
提示形態
本発明による組成物は、従来既知の方法に従って当業者によって調製してもよい。
【0206】
組成物は、液体、ゲル、半固体、固体又はルースパウダー若しくはコンパクトパウダーの形態であってもよい。
【0207】
本発明の組成物は特に、エアロゾルデバイス又はポンプ動作ボトル中の加圧形態で包装されていても;有孔壁、特にグリルを備えたデバイス中に包装されていても;ボール塗布器(「ロールオン」)を備えたデバイス中に包装されていても;棒(スティック)形態で包装されていてもよい。この点において、これらはこのタイプの製品において一般的に使用され、当業者に周知の成分を含む。
【0208】
本発明の別の特定の形態によれば、本発明による組成物は、固体、特に棒又はスティック形態であってもよい。
【0209】
特に、本発明による無水組成物はエアロゾル組成物であり、又はスティック形態であり、好ましくはエアロゾル組成物である。
【0210】
「固体状組成物」という用語は、プローブが配合物試料中へ貫入する間にテクスチュロメータ法によって測定される最大力の測定値が、少なくとも0.25ニュートンに等しく、特に少なくとも0.30ニュートンに等しく、特に少なくとも0.35ニュートンに等しくなくてはならないことを意味し、以下のとおり正確な測定条件下で評価される。
【0211】
配合物を、直径4cm、深さ3cmのジャーの中へ熱いまま注ぎ入れる。冷却を室温で行う。24時間の間隔を置いた後に、生成した配合物の硬度を測定する。試料を含むジャーを、テクスチャアナライザー、例えばRheo社によって販売されているTA-XT2を使用するテクスチュロメータ法で、以下のプロトコールに従って特徴づける:直径5mmのステンレススチールボールタイプのプローブを、1mm/秒の速度で試料と接触させる。
【0212】
測定システムによって、検出閾値が0.005ニュートンに等しい試料について界面を検出する。プローブを、0.1mm/秒の速度で試料中に0.3mm貫入する。測定機によって、貫入段階の間の経時的な圧縮において測定された力の変化が記録される。試料の硬度は、少なくとも3回の測定にわたり貫入中に検出された最大力値の平均に相当する。
【0213】
本発明はまた、ヒト発汗と関連する体臭、特に脇臭、及び任意選択でヒト発汗を処置するための美容方法であって、前述のような有効量の化粧用組成物を皮膚の表面へ適用することからなる美容方法に関する。
【0214】
化粧用組成物の皮膚の表面への適用時間は、0.5から10秒、好ましくは1から5秒の範囲であってもよい。
【0215】
本発明による組成物は、皮膚の表面へ数回適用してもよい。
【0216】
特に、本発明による美容処置方法は、上述のような有効量の化粧用組成物を腋窩の表面へ適用することからなる。
【0217】
本発明はまた、ヒト発汗と関連する体臭、特に脇臭、及び任意選択でヒト発汗の美容処置のための前記組成物の使用に関する。
【0218】
本発明の別の主題は、上記で定義するエアロゾル組成物を含む容器及び前記組成物を分注するための手段から構成されるエアロゾルデバイスである。
【0219】
エアロゾルデバイスの一部を形成する分注手段は、分注ヘッドによって制御される分注バルブから一般的になり、その分注ヘッド自体がノズルを含み、そのノズルを介してエアロゾル組成物が気化される。加圧組成物を含む容器は、不透明であっても透明であってもよい。それをガラス、ポリマー又は金属から作製し、保護ラッカー層で任意選択で覆うことができる。
【0220】
特許請求の範囲を含めた説明全般にわたって、「を含む」という用語は、特に記載がない限り、「少なくとも1つを含む」と同義であると理解されたい。
【0221】
「…から…の間」及び「…から…の範囲の」という表現は、特段の指定がない限り、限界値を含んだ意味であると理解されるべきである。
【0222】
記載及び例において、百分率は、別途指示のない限り、質量百分率である。したがって、百分率は、組成物の総質量に対する質量によって得られる。温度は、特に記載がない限りセルシウス度で示され、圧力は、特に記載がない限り大気圧である。
【0223】
特に記載がない限り、含有量は、本発明による最終組成物の質量に対して示され、すなわち噴射ガスが存在する可能性が考慮されることをまた理解されたい。
【0224】
本発明は、以下に示す非限定的な例によって、より詳細に例示する。
【実施例】
【0225】
(実施例1及び2)
本発明による及び本発明以外のエアロゾル形態の2つの消臭組成物を、以下に記載する手順に従って調製した。
【0226】
2つの配合物の組成物を以下の表で詳述する。示される量は、組成物の総質量に対する質量百分率である。
【0227】
【表1】
【0228】
組成物を、油を撹拌しながら予備混合することによって調製する。
【0229】
次いで酸化マグネシウムを、混合物中に高せん断で分散させる。次いで他の成分を高せん断で添加する。
【0230】
最後に、組成物15gを液化イソブタンガス85gと共に加圧することによってエアロゾルを調製する。
【0231】
耐移行性効力に関する結果
白色しみを評価するための方法:
各被検組成物を、剛性支持体に接着された、出光テクノファイン株式会社によりSupplale(登録商標)の名称で販売されている人工皮革品上に堆積させる。この堆積は、支持体から15cmの距離でエアロゾルを2秒間噴霧することによって行う。
【0232】
その生地を、Epson V500スキャナー(設定:16ビットグレースケール、解像度300dpi)の名称で販売されているスキャナーを用いて読み取る。
【0233】
移行性評価を、合成皮革プレート上の残留堆積物を観察することによって行う。
【0234】
ココナッツ油を含む実施例1から得たエアロゾル(本発明による)、及びココナッツ油を含まない実施例2から得たもの(本発明以外の)を上述の条件下で噴霧し、得られた結果を以下の表に記載する。
【0235】
【表2】
【0236】
本発明による組成物1で得られたしみは、本発明以外の組成物2で得られたものよりもはるかに目立たない。
【0237】
(実施例3)
スティック形態の本発明による消臭組成物を以下に記載する方法に従って調製した。この配合物の組成物を、以下の表で詳述する。示される量は、組成物の総質量に対する質量百分率である。
【0238】
【表3】
【0239】
シクロメチコーンを65℃に加熱する。他の成分を65から70℃の温度で1つずつ添加する。全体を15分間ホモジナイズする。
【0240】
混合物を約55℃(混合物の増粘点よりも数度高い)に冷却し、スティックへ注ぎ入れる。全体を4℃で30分間維持する。
【0241】
得られたスティックは、乾燥した脂っぽさのない堆積物を生成し、同時に優れた制汗効力を維持する。
【0242】
(実施例4及び5)
エアロゾル形態の本発明による2つの消臭組成物を、以下に記載する方法に従って調製し、上記本発明以外の組成物2と比較した。
【0243】
組成物を以下の表で詳述する。示される量は、組成物の総質量に対する質量百分率である。
【0244】
【表4】
【0245】
組成物を、油を撹拌しながら予備混合することによって調製する。
【0246】
次いで酸化マグネシウムを、混合物中に高せん断で分散させる。次いで他の成分を高せん断で添加する。
【0247】
最後に、組成物15gを液化イソブタンガス85gと共に加圧することによってエアロゾルを調製する。
【0248】
耐移行性効力に関する結果
各組成物を、上記実施例1及び2で詳述した白色しみを評価するための方法に従って評価する。
【0249】
本発明による必要な油を含む実施例4及び5(本発明による)から得たエアロゾル及び本発明による必要な油を含まない実施例2(本発明以外の)から得たものを前述の条件下で噴霧し、得られた結果を以下の表に記載する。
【0250】
【表5】
【0251】
本発明による組成物4及び5で得られたしみは、本発明以外の組成物2で得られたものよりもはるかに目立たない。