(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956818
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】データ収集機能を備える自動紙製品ディスペンサおよび方法
(51)【国際特許分類】
A47K 10/34 20060101AFI20211021BHJP
A47K 10/36 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
A47K10/34 B
A47K10/36 C
A47K10/36 N
【請求項の数】30
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-30513(P2020-30513)
(22)【出願日】2020年2月26日
(62)【分割の表示】特願2016-519866(P2016-519866)の分割
【原出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2020-103916(P2020-103916A)
(43)【公開日】2020年7月9日
【審査請求日】2020年2月26日
(31)【優先権主張番号】14/043,501
(32)【優先日】2013年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517310924
【氏名又は名称】ジーピーシーピー アイピー ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケース アビィ キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンリック ディビッド ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ スコット エー
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイツァー チャド アンソニー
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−144344(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0138625(US,A1)
【文献】
特開2002−255405(JP,A)
【文献】
特開2002−017601(JP,A)
【文献】
特開平03−099619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/34
A47K 10/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(旧請求項1+9+15)
シート製品ディスペンサであって、
シート材料のロールを補充するための補充ステーションと、
前記ロールからシート材料を送給するように構成されたシート送給機構と、
前記シート材料のロールから1つ以上の個別のシート製品を分離するための分離機構と、
前記1つ以上の個別のシート製品をエンドユーザに提供するための提供ステーションと、
前記1つ以上の個別のシート製品を前記提供ステーションに搬送するように構成されたシート製品搬送機構と、
前記シート送給機構の下流側のセンサであって、前記シート材料の存在を検出するように構成されている、センサと、
信号に応答して前記1つ以上の個別のシート製品の前記提供ステーションへの排出を開始するように構成されたコントローラと、を備え、
前記シート製品搬送機構は、前記センサが前記シート材料の前記存在を検出したことに応答して駆動されるように構成され、
前記コントローラが、前記センサに関連付けられたデータを受信及び記憶するように更に構成されている、シート製品ディスペンサ。
【請求項2】
前記シート材料のロールから前記1つ以上の個別のシート製品を分離するための前記分離機構が、前記シート送給機構を第1の速度で駆動することと、前記シート製品搬送機構を前記第1の速度よりも速い第2の速度で駆動することと、を含む、速度差分離機構を含む、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項3】
前記シート材料にミシン目が入っている、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項4】
前記シート送給機構が、一対のピンチローラを含み、
前記シート製品搬送機構が、一対のピンチローラを含む、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項5】
前記シート送給機構の下流側で、かつ前記提供ステーションでの提供前に、前記シート材料に折り目を提供するための折り畳みステーションを更に備える、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項6】
前記センサは、前記シート送給機構の下流側かつ前記シート製品搬送機構の上流に設けられ、前記折り畳みステーションにおける前記個別のシート製品の存在を検出するように構成される、請求項5に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項7】
前記センサが、前記折り畳みステーションにおいて、又は前記折り畳みステーションの下流側で前記シート材料の存在を検出するように構成されている、請求項5に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項8】
前記センサが赤外線センサである、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項9】
前記信号を前記コントローラに送信するように構成されたユーザインターフェースを更に備える、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースが、1つ以上のボタン、ハンドウェーブセンサ、ディスプレイ、キーパッド、キーボード、ポインティングデバイス、コントロールパネル、タッチスクリーンディスプレイ、リモートコントロールデバイス、スピーカ、マイクロフォン、又は印刷機を含む、請求項9に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項11】
前記ユーザインターフェースが、1つ以上のボタンを含み、各ボタンが、前記信号に応答して分配される所定の数の個別のシート製品に関連付けられており、
前記コントローラが、選択されたボタンに関連付けられた前記所定の数の個別のシート製品の排出を、前記選択されたボタンから送信されている前記信号に応答して促進するように構成されている、請求項9に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項12】
前記提供ステーションにおける個別のシート製品の不在を検出し、かつ前記提供ステーションにおける前記個別のシート製品の不在を検出すると、前記信号を前記コントローラに送信するように構成された第2のセンサを更に備え、前記コントローラが、所定の数の個別のシート製品の排出を前記信号に応答して促進するように構成されている、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項13】
前記所定の数の個別のシート製品が、1〜6個である、請求項12に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項14】
前記データが、前記信号に関連付けられた要求された個別のシート製品の数、及び前記センサによって検出された前記シート材料に関連付けられた個別のシート製品の数を含み、
前記コントローラが、前記信号に関連付けられた前記要求された個別のシート製品の数と、前記センサによって検出された前記シート材料に関連付けられた前記個別のシート製品の数とを比較し、前記センサによって検出された前記シート材料に関連付けられた前記個別のシート製品の数が、前記信号に関連付けられた前記要求された個別のシート製品の数と一致したときに、前記シート送給機構に関連付けられたモータをオフにするように構成されている、請求項1に記載のシート製品ディスペンサ。
【請求項15】
シート製品を排出する方法であって、
シート送給機構を介してロールからシート材料を送給することと、
分離機構を介して前記ロールから1つ以上の個別のシート製品を分離することと、
シート製品搬送機構を介して前記1つ以上の個別のシート製品を提供ステーションでエンドユーザに提供することと、
前記シート送給機構の下流側のセンサを介して前記シート材料の存在を検出することと、
コントローラが、前記1つ以上の個別のシート製品の前記提供ステーションへの排出を信号に応答して開始することと、を含み、前記シート製品搬送機構は、前記センサが前記シート材料の前記存在を検出することに応答して駆動され、
前記コントローラが、前記センサに関連付けられたデータを受信及び記憶するように更に構成されている、方法。
【請求項16】
前記分離機構が、前記シート送給機構を第1の速度で駆動することと、前記シート製品搬送機構を、前記第1の速度よりも速い第2の速度で駆動することと、を含む、速度差分離機構を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記シート材料にミシン目が入っている、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記シート送給機構が、一対のピンチローラを含み、
前記シート製品搬送機構が、一対のピンチローラを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記シート送給機構の下流側にある折り畳みステーションで、前記シート材料を折り畳む又は折り目を付けることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記センサは、前記シート送給機構の下流側かつ前記シート製品搬送機構の上流に設けられ、前記折り畳みステーションにおける前記個別のシート製品の存在を検出する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記センサが、前記折り畳みステーションにおいて、又は前記折り畳みステーションの下流側で前記シート材料のテール部分の存在を検出するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記センサが赤外線センサである、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
ユーザインターフェースから前記コントローラに信号を送信することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記ユーザインターフェースが、1つ以上のボタン、ハンドウェーブセンサ、ディスプレイ、キーパッド、キーボード、ポインティングデバイス、コントロールパネル、タッチスクリーンディスプレイ、リモートコントロールデバイス、スピーカ、マイクロフォン、又は印刷機を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ユーザインターフェースが、1つ以上のボタンを含み、各ボタンが、前記信号に応答して分配される所定の数の個別のシート製品に関連付けられており、
前記コントローラが、選択されたボタンに関連付けられた前記所定の数の個別のシート製品の排出を、前記選択されたボタンから送信されている前記信号に応答して促進するように構成されている、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記提供ステーションにおける個別のシート製品の不在を検出することと、
前記提供ステーションにおける前記個別のシート製品の不在を検出すると、前記信号を前記コントローラに送信することと、を含み、
前記排出することが、所定の数の個別のシート製品を前記信号に応答して排出することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記所定の数の個別のシート製品が、1〜6個である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記データが、前記信号に関連付けられた要求された個別のシート製品の数、及び前記センサによって検出された前記シート材料に関連付けられた個別のシート製品の数を含み、
前記コントローラが、前記信号に関連付けられた前記要求された個別のシート製品の数と、前記センサによって検出された前記シート材料に関連付けられた前記個別のシート製品の数とを比較し、前記センサによって検出された前記シート材料に関連付けられた前記個別のシート製品の数が、前記信号に関連付けられた前記要求された個別のシート製品の数と一致したときに、前記シート送給機構に関連付けられたモータをオフにするように構成されている、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
シート製品ディスペンサであって、
シート材料のロールを補充するための補充ステーションと、
前記ロールからシート材料を送給するように構成されたシート送給機構と、
前記シート材料のロールから1つ以上の個別のシート製品を分離するための分離機構と、
前記1つ以上の個別のシート製品をエンドユーザに提供するための提供ステーションと、
前記1つ以上の個別のシート製品を前記提供ステーションに搬送するように構成されたシート製品搬送機構と、
前記シート送給機構の下流側のセンサであって、前記シート材料の存在を検出するように構成されている、センサと、を備え、
前記シート製品搬送機構は、前記センサが前記シート材料の前記存在を検出したことに応答して駆動されるように構成され、
前記センサは、前記シート送給機構の下流側かつ前記シート製品搬送機構の上流に設けられ、前記シート材料に折り目を提供するための折り畳みステーションにおける前記個別のシート製品の存在を検出するように構成される、シート製品ディスペンサ。
【請求項30】
シート製品を排出する方法であって、
シート送給機構を介してロールからシート材料を送給することと、
分離機構を介して前記ロールから1つ以上の個別のシート製品を分離することと、
シート製品搬送機構を介して前記1つ以上の個別のシート製品を提供ステーションでエンドユーザに提供することと、
前記シート送給機構の下流側のセンサを介して前記シート材料の存在を検出することと、を含み、前記シート製品搬送機構は、前記センサが前記シート材料の前記存在を検出することに応答して駆動され、
前記センサは、前記シート送給機構の下流側かつ前記シート製品搬送機構の上流に設けられ、前記シート材料に折り目を提供するための折り畳みステーションにおける前記個別のシート製品の存在を検出する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、ペーパーディスペンサの分野に関し、より詳しくは、個別の(discrete)紙製品をそこから排出する自動ペーパーディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ペーパータオルまたはナプキンディスペンサ等のペーパーディスペンサは一般に、最終使用者がそこから紙製品を取り出せるように構成されている。従来の個別紙製品ディスペンサでは、制御機構がなく、使用者は紙製品をいくらでも手に取ることができる。例えば、クイックサービスレストランはマニュアル式(手動式)のナプキンディスペンサを採用しており、最終使用者はそこからナプキンを無制限に取り出すことができる。そのため、紙製品が余分に排出されたり、無駄使いされたりする可能性があり、それが営業経費の増大につながる。
【0003】
さらに、従来の個別製品用ディスペンサは、製品の使用量をモニタし、製品排出に関連するデータを収集および保存することができない。製品ディスペンサが使用傾向をモニタして、使用率をよりよく把握し、ディスペンサが使用者のニーズの観察結果に応じて効率的に製品を供給するように調節できることが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0138625号明細書
【特許文献2】米国特許第6,704,616号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、個別紙製品を経済的かつ効率的に排出できる、改良された紙製品ディスペンサが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、シート製品ディスペンサが提供され、これは、(i)シート材を補充する補充ステーションと、(ii)シート材を送給するように構成されたシート送給機構と、(iii)1枚または複数の個別シート製品を最終使用者に提供する提供ステーションと、(iv)シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサであって、個別シート製品の存在を検出するように構成されたセンサと、(v)信号に応答して、1枚または複数の個別シート製品の、提供ステーションへの排出を促進するように構成されたコントローラであって、データを受け取りかつ保存するようにも構成されたコントローラとを含み、データは、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号がコントローラによって受け取られる時間、信号がコントローラによって受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含む。
【0007】
他の態様において、シート製品を排出する方法が提供され、これは、(i)シート送給機構を介してシート材を送給するステップと、(ii)コントローラが受け取った信号に応答して、提供ステーションにおいて最終使用者に1枚または複数の個別シート製品を排出するステップと、(iii)シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサを介して個別シート製品の存在を検出するステップと、(iv)信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号がコントローラによって受け取られる時間、信号がコントローラによって受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含むデータを収集および保存するステップとを含む。
【0008】
また別の態様において、シート製品を排出するシステムが提供され、これは、コンピュータ実行可能命令を記憶した少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのメモリにアクセスするように構成された少なくとも1つのコントローラとを含み、少なくとも1つのコントローラは、コンピュータ実行可能命令を実行して、(i)インタフェースから、提供ステーションにおいて最終使用者へ排出されるべき個別シート製品の枚数に関する要求を示す信号を受け取り、(ii)信号の受取に応答して、シート送給機構を介したシート材の送給を指示し、(iii)シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサから、センサによる個別シート製品の存在の検出を示す検出インディケータを受け取り、(iv)信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号が少なくとも1つのコントローラによって受け取られる時間、信号が少なくとも1つのコントローラによって受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含むデータを測定し、および(v)1つまたは複数のデータストアにデータの少なくとも一部を保存することを指示するように構成される。
【0009】
他の態様において、シート製品を排出する方法が提供され、これは、(i)インタフェースから、少なくとも1つのメモリにアクセスするように構成された少なくとも1つのコントローラによって、提供ステーションにおいて最終使用者へ排出されるべき個別シート製品の枚数に関する要求を示す信号を受け取るステップと、(ii)少なくとも1つのコントローラによって、信号の受取に応答して、シート送給機構を介したシート材の送給を指示するステップと、(iii)少なくとも1つのコントローラによって、シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサから、センサによる個別シート製品の存在の検出を示す検出インディケータを受け取るステップと、(iv)少なくとも1つのコントローラによって、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号が少なくとも1つのコントローラによって受け取られる時間、信号が少なくとも1つのコントローラによって受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含むデータを測定するステップと、(v)少なくとも1つのコントローラによって、1つまたは複数のデータストアにデータの少なくとも一部を保存することを指示するステップとを含む。
【0010】
例示的であって限定的ではないものとされる図面を参照し、図中、同様の要素には同様の番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】自動紙製品ディスペンサの部分側面図である。
【
図2】自動紙製品ディスペンサの部分斜視図である。
【
図3】ボタン式ユーザインタフェースを有する自動紙製品ディスペンサの斜視図である。
【
図4】自動紙製品ディスペンサの部分側面図である。
【
図5】センサ式ユーザインタフェースを有する自動紙製品ディスペンサの斜視図である。
【
図6】シート製品排出システムアーキテクチャの各種のコンポーネントの様々なハードウェアおよびソフトウェアサブコンポーネントを示す概略ブロック図である。
【
図7】シート製品を排出する方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書においては、紙製品を自動的に排出し、それに関連するデータを測定および保存するディスペンサおよび方法が開示される。これらのディスペンサは、個別紙製品を経済的かつ効率的に排出し、ならびに使用者およびディスペンサの使用に関するデータを収集し、モニタすることによって前述のニーズの1つまたは複数を満たす。本明細書中で使用されるかぎり、「個別紙製品」という用語は、分離された材料の製品、例えば個別のナプキン、ペーパータオル、およびその他を指す。個別紙製品は、シート材連続ロールまたはウェブとは区別される。本明細書中で使用されるかぎり、「シート材の連続ロール」または「シート材のロール」という用語は、排出するためにロール状にされた形態等、連続形態で提供されるシート材のウェブを指す。シート材の連続ロールは、シート材にある間隔で設けられたミシン目を含んでいてもよい。
【0013】
本明細書中で使用されるかぎり、「シート材」とは、あらゆる種類の天然および/または合成布地または紙材を指していてもよく、織物および不織布素材が含まれる。すなわち、本明細書で使用されるかぎり、「紙製品」という用語は、紙、布、布状、またはその他、ナプキン、タオル、または食品用包装材等、個別の製品を形成するために使用可能な材料を含むことが意図される。本明細書において開示されているディスペンサおよび方法により生成される個別紙製品は、シート材に折り畳み部を含んでいてもよい。例えば、個別紙製品は、折り畳まれたナプキンまたは折り畳まれたタオル製品であってもよい。折り畳み部は、折り目を有するしっかりとした折り畳み部、または「U」もしくは「C」字形のゆるい折り畳み部であってもよい。1枚の個別シート製品に複数の折り畳み部、例えば「Z」字形折り畳み部またはディナーナプキン式の折り畳み部が作られてもよい。
【0014】
図を参照しながらディスペンサおよび方法の実施形態を以下に詳しく説明し、図中、同様の要素には同様の番号が付されている。
【0015】
ディスペンサ
図1および2に示されているように、シート製品ディスペンサ120は、個別シート製品を生成し、排出する多数のステーションおよび機構を含んでいる。特定の実施形態において、個別シート製品は、シート材のロール130から排出される。他の実施形態において、個別シート製品は、個別シート製品のスタック、例えば事前に折り畳まれたナプキンのスタックから排出される。例えば、シート製品ディスペンサは、補充ステーション、シート送給機構、分離機構、折り畳みステーション、シート製品搬送機構、および提供ステーションのうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。特定のディスペンサの実施形態と特徴は、2012年6月7日に公開された米国特許出願公開第2012/0138625号明細書において開示されており、同出願の全体を参照によって本願に援用する。
【0016】
特定の実施形態において、ステーションと機構は全部または一部が外側ディスペンサ筐体または外側ケースの中に収容されていてもよい。外側筐体は、実質的に硬質の材料で作製されてもよい。
【0017】
実施形態において、
図1および2に示されているように、シート製品ディスペンサ120は、シート材130を補充する補充ステーションを含む。補充ステーションは、その中にシート材のロール130を受け入れ、また補充機構のドア140を含む。他の実施形態において、補充ステーションは、1つもしくは複数のスピンドルプラグを有するスロット機構または1つもしくは複数のスピンドルを有する側面ドアを含んでいてもよい。例えば、ディスペンサの外側筐体は、1つまたは複数の補充用ドアをそこに有していてもよい。特定の実施形態において、1つのディスペンサは、複数の材料シートロールを、例えば縦または横スタックとして格納するように構成されてもよい。
【0018】
実施形態において、ディスペンサはまた、ロールからシート材を送給するように構成されたシート送給機構、または搬送機構も含んでいてよい。シート送給機構はフィードローラ150を含む。他の実施形態において、搬送機構は、2つ以上のローラを有するマルチローラ機構を含む。ローラは、ばね式および/またはモータ駆動式であってもよい。シート送給機構は、シート材のロールのテール部を受けて、材料をディスペンサ内のさらに奥へ送給するように構成されてもよい。
図1および2に示されているように、フィードローラ150は、シート材をロール130から、垂直壁160間に形成されたシュートへ送給するように構成される。本明細書中で使用されるかぎり、「テール部」という用語は、シート材または個別シート製品の前端を指す。
【0019】
図3および4に示されているように、ディスペンサ230は、1つの材料シートロール110を含んでいてもよい。1つの材料シートロール110は、実質的に等間隔で多数のミシン目235を有していてもよい。補充ステーションの補充機構は、ロール110内のスピンドルプラグ240の対と、ディスペンサの外側ケース210に形成されたスロット250の対を有するスロット機構245を含んでいてもよい。スロット250は、その中にスピンドルプラグ240を受け入れるように構成される。補充用ドア220はまた、シート材の送給を補助するような大きさのタッカフィンガ260を有していてもよい。
【0020】
実施形態において、
図1および2に示されているように、ディスペンサ120はまた、1枚または複数の個別シート製品を最終使用者に提供する提供ステーション170を含む。提供ステーションは、単一スロットの提供トレイ、複数スロットの提供トレイ、一部覆われたトレイ、隠れたトレイ、および/または縦に吊り下げられたアセンブリであってもよい。
図4に示されているように、提供ステーションは提供トレイ330を含んでいてもよい。提供トレイ330は、一部が覆われていてもよい。提供トレイ330は、その中に紙製品が積み重ねられるようにするオフセット角度340を含んでいてもよい。提供トレイの角度340は約140度程度であってもよい。その他の角度も使用できる。提供トレイはまた、複数の収納シェルフをその中に有していてもよい。
【0021】
ディスペンサは、個別シート製品を提供ステーションまで搬送するように構成されたシート製品搬送機構を含んでいてもよい。1つの実施形態において、
図1および2に示されているように、シート製品搬送機構はピンチローラ180の対を含む。他の実施形態において、搬送機構は、2つ以上のローラを有するマルチローラ機構を含んでいてもよい。ローラは、ばね式および/またはモータ駆動式であってもよい。
【0022】
特定の実施形態において、ディスペンサはまた、シート材の連続ロールまたはウェブから個別シート製品を分離する分離機構も含む。例えば、分離機構は、カッタまたはナイフアセンブリ等の裁断機構または、逆転駆動搬送機構を有するマルチローラ送給機構等の速度差分離機構を含んでいてもよい。1つの実施形態において、
図1および2に示されているように、分離機構は、第一の速度で駆動されるシート送給機構150と、第一の速度より速い第二の速度で駆動されるシート製品搬送機構180を含む。シート材は、個別シート製品を分離しやすくするためのミシン目を有していてもよい。分離機構により、有利には、ディスペンサは、個別シート製品そのものより経済的であり、それより占有空間が小さくて済むシート製品のロールを補充でき、かつ、個別シート製品を最終使用者に対して排出できる。あるいは、ディスペンサは、事前に分離された複数の個別シート製品、例えば予めカットされているが、事前に折り畳まれていても、折り畳まれていなくてもよいナプキンを受け、排出するように構成されてもよい。
【0023】
実施形態において、
図1および2に示されているように、ディスペンサ120はまた、シート送給機構150の下流かつ提供ステーション170の上流にあるセンサ190も含む。センサ190は、個別シート製品の存在を検出するように構成される。例えば、センサは、ドライブロールの先まで延びる下側シート経路の中に配置されてもよい。1つの実施形態において、センサは赤外線センサである。他の実施形態において、センサは他の種類の近接センサ、光センサ、機械センサ、または他のあらゆる適当なセンサの種類であってもよい。特定の実施形態において、シート製品搬送機構の上流にある。
【0024】
実施形態において、ディスペンサはまた、信号に応答して、1枚または複数の個別シート製品の、提供ステーションへの排出を促進するように構成された1つまたは複数のコントローラも含む。コントローラは一般に、ディスペンサの動作のためのロジックおよび制御機能を提供してもよい。例えば、コントローラは、ディスペンサの送給および排出機構を駆動するように構成された1つまたは複数のモータに動作可能に接続されてもよい。コントローラは、データと命令を受け取り、保存できる適当な電子機器であってもよい。例えば、コントローラは、カンマ区切り(CSV)またはテキストラインアイテムフォーマットのASCII「.txt」ファイル等、あらゆる適当なフォーマットでデータを保存してもよい。1つの実施形態において、コントローラは、データファイルがまだ存在していない場合にこれを生成する。1つの実施形態において、コントローラは、既存のデータを保存して、収集された新しいデータがあれば、それを既存のデータに付加する。
【0025】
実施形態において、ディスペンサは、使用、故障、およびシステム性能に関する情報を含む様々なデータを収集し、処理するように構成される。例えば、データはコントローラによって受け取られ、保存されてもよい。特定の実施形態において、データは、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号がコントローラによって受け取られる時間、信号がコントローラによって受け取られた時から個別シート製品がセンサによって検出されるまでの時間の長さ、またはそれらのあらゆる組合せを含む。有利には、このデータの収集によって、ディスペンサは排出された紙製品枚数が信号に関連付けられた紙製品要求枚数と一致することを自己確認できる。
【0026】
例えば、データは紙製品が要求され、および/または排出された実際の時刻を含んでいてもよく、これによってレストランは食事時の利用率を追跡できる。データはまた、1日または1時間に排出された製品枚数、ディスペンサのバッテリを充電してから次に充電するまでの間に排出された製品枚数、1日または1時間に受け取った製品要求の件数、製品排出1回の平均時間、1日に補充用ドアが開けられた回数、1日または1時間にディスペンサが詰まった回数も含んでいてよい。特定のデータは、ディスペンサ内に配置された追加のセンサによって収集されてもよい。例えば、静電センサが第一のフィードローラのシャフトにおける電圧をモニタしてもよい。
【0027】
実施形態において、
図3および5に示されているように、ディスペンサ100はまた、最終使用者が排出されるべき製品枚数を選択し、および/または排出を開始することができるように構成されたユーザインタフェースも含む。ユーザインタフェースは、信号をコントローラに伝送するように構成されてもよく、それによってコントローラは、それに応答して、その信号要求に関連付けられた所定枚数のシート製品の排出を促進する。ユーザインタフェースは、提供ステーションに、またはその付近に配置されてもよい。
【0028】
1つの実施形態において、
図3に示されているように、ユーザインタフェース220は1つまたは複数のボタン350を含む。ボタン350は、あらゆる適当な種類の機械的または電気的セレクタボタン、またはその他の種類のボタンであってもよい。ボタン350は、排出される紙製品の枚数を示してもよい。すなわち、各ボタンは、そのボタンが最終使用者によって押されたことを受けて伝送される信号に応答して排出されるべき個別シート製品の所定枚数に関連付けられてもよい。信号が選択されたボタンから送信されたことに応答して、コントローラは、所定の数のシート製品の排出を促進するように構成されていてもよい。それゆえ、排出は最終使用者がボタンを押して、排出されるべき紙製品の枚数を選択した時に開始される。
【0029】
2枚、4枚、および6枚の紙製品の3つのボタン350が示されているが、紙製品の任意の枚数を任意の数または向きのボタン350に関連付けてもよい。各ボタンは、排出されるシート製品の所定枚数でプログラムされてもよい。1つの実施形態において、選択スイッチをディスペンサの内部に設置して、オペレータが各ボタンに関連付けられた紙製品の所定枚数を設定できるようにする。コントローラは、どのボタンが押されたか、およびボタンが押された時間に関連するデータを記録してもよい。例えば、クイックサービスレストランの場合、ボタン式ユーザインタフェースを有するディスペンサは、オペレータがドライブスルーで使用するようにカウンタの裏に設置されてもよく、それによってオペレータはその注文に対する紙製品の所望の枚数を選択できる。
【0030】
1つの実施形態において、
図5に示されているように、ディスペンサ360は2つ以上のセンサ370を含むユーザインタフェースを有する。各センサ370は、物理的接触を必要としない、光電子、赤外線、およびその他のあらゆる適当な種類のモーションセンサであってもよい。センサ370は、ディスペンサの外側筐体の上のどこに位置付けられてもよい。それゆえ、排出は、最終使用者が自分の手をその付近で振ることによって作動されてもよい。
【0031】
ディスペンサ360は、最終使用者がセンサ370の付近で手を振るたびに所定枚数の紙製品を排出するように設定されてもよい。ディスペンサ360は、紙製品を提供トレイの中に排出しても、最終使用者の手に直接排出してもよい。例えば、内部ロータリスイッチまたはダイヤルは、信号に応答して所定枚数の個別シート製品が排出されるべく設定されるように構成されてもよい。コントローラは、どのダイヤル/スイッチ位置が選択されるか、およびセンサが作動される時間に関するデータを記録してもよい。例えば、クイックサービスレストランの場合、センサ式ユーザインタフェースを有するディスペンサは、常連客用のセルフサービスエリアに配置されてもよい。
【0032】
1つの実施形態において、
図1および2に示されているように、ディスペンサ120は、提供ステーション170に個別シート製品がないことを検出し、提供ステーション170に個別シート製品がないことを検出した時にコントローラに信号を送信するように構成された内部センサ200を含む。例えば、センサは赤外線センサ、他の種類の近接センサ、光センサ、機械センサ、または他のあらゆる適当なセンサの種類であってもよい。この実施形態において、「ユーザインタフェース」は内部センサ200を含み、これは提供ステーション170が空であること、すなわち使用者が提供ステーションからすべての紙製品を取り出したことに応答してコントローラに信号を送信することにより、排出を開始する。この実施形態において、コントローラは、信号に応答して、所定枚数の個別シート製品の排出を促進するように構成される。コントローラは、個別シート製品が提供ステーションに入った時から提供ステーションに個別シート製品がなくなるまでの時間等のデータを記録してもよい。
【0033】
他の実施形態において、信号はキャッシュレジスタによってトリガされてもよい。例えば、排出は、キャッシュレジスタで注文が完了したことに応答して、信号によって開始されてもよい。特定の実施形態において、データはキャッシュレジスタに関連付けられた売上、使用量、またはその他のデータを含む。特定の一体型のディスペンサと事務機器の実施形態と特徴が、2004年3月9日に発行された米国特許第6,704,616号明細書において開示されており、同特許の全体を参照によって本願に援用する。
【0034】
特定の実施形態において、
図1および2に示されているように、モータがコントローラに動作可能に接続されて、信号に応答してシート送給機構150とシート製品搬送機構180を駆動するように構成されている。これらの実施形態において、コントローラにより収集されるデータとしては、モータがオンにされる時間、モータがオフにされる時間、および/またはモータがオンにされてからモータからオフにされるまでの時間を含んでいてもよい。
【0035】
1つの実施形態において、コントローラは、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数とセンサにより検出された個別シート製品枚数を比較して、センサにより検出された個別シート製品枚数が信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数と一致した時にモータをオフにするように構成される。
【0036】
一般に、本明細書に記載されているディスペンサは、シート製品要求枚数を記録し、これら(シート製品)が搬送機構を通って逐次的に前進する間にディスペンサの内部に取り付けられたセンサでこれらを計数することによって、正しい枚数のシート製品が排出されたことがわかるように構成される。特定の実施形態において、正しい枚数の製品が排出され、ローラを駆動するモータが停止したら、デバイスは現在の時刻を読み取り、記録する。データの中でも現在時刻、排出された製品枚数、排出を行うのに要した時間の長さが、上述のデータストアに、または「.txt」ファイルに記録されてもよい。
【0037】
特定の実施形態において、ディスペンサは、個別紙製品を折り畳み、または折り目を付ける折り畳みステーションを含む。折り畳みステーションにより、有利には、ディスペンサは、折り畳まれた個別製品そのものより経済的であり、それより占有空間が小さくて済むシート製品のロールを補充でき、かつ、折り畳まれた個別シート製品を最終使用者に対して排出できる。折り畳みステーションは、バックル折り機構、スロット折り機構、かぶせ折り機構、タッカ折り機構、または他のあらゆる適当な折り機構を含んでいてもよい。
【0038】
折り畳みステーションは、個別シート製品を折り畳んでから提供するように構成されてもよい。1つの実施形態において、
図1および2に示されているように、折り畳みステーションは、搬送ステーション(すなわち、ピンチローラの対)180に隣接するバックルチャンバ205を含み、それによってシート材の一部(すなわち、テール部)がバックルチャンバ205に入り、ピンチローラ180の対を通ってシート材が強制的に作られる。すなわち、シート材はフィードローラ150によってロール130から、垂直壁160間に形成されるシュートの中に送給され、その後、バックルチャンバ205の中に送給されて、ピンチローラ180によって折り畳み部が作られる。
【0039】
図3および4は、バックル型折り畳みステーションを有する紙製品ディスペンサ100の他の実施形態を示す。折り畳みステーションは、バックル折り機構270を含み、これは第一の対のピンチローラ280(すなわち、フィードローラ)と第二の対のピンチローラ290とを含む。バックル折り機構270はまた、バックルトレイ300と排出シェルフ310も含む。第一の対のピンチローラ280は、ロール110と補充用ドア220の付近に位置付けられてもよい。第二の対のピンチローラ290は下流の、バックルトレイ300と排出シェルフ310の付近に位置付けられてもよい。テール部125が下がった時に、第二の対のピンチローラ290は第一の対のピンチローラ280と一直線にあってよい。バックルトレイ300は、所望の長さの個別紙製品を収容する大きさであってもよい。ピンチローラ280、290は、ばね式であってもよく、モータ駆動式であってもよい。各対のピンチローラ280、290は、異なる速度で駆動されてもよい。ピンチローラ間のストリッパフィンガも使用されてよい。
【0040】
使用時に、ロール110は、補充用ドア220からスロット機構245のスロット250に沿って落として外側ケース210の中に入れてもよい。ロール110のテール部を第一の対のピンチローラ280の上に載せてもよい。補充用ドア220のタッカフィンガ260は、補充用ドア220を閉じた時にテール部を第一の対のピンチローラ280間に挟み込み、テール部125をその中に入れる。バックル折り機構270は、テール部をバックルトレイ300の中へ駆動することによって折り畳み部を作る。テール部がバックルトレイ300の端に当たると、第二の対のピンチローラ290が折り畳み部135をその中へ駆動する。シート材のミシン目235が、第一と第二の対のピンチローラ280、290の速度の差に基づいて分離されてもよい。速度の差は、ピンチローラ280、290間でミシン目235を分離するために、約2対1であってもよい。ミシン目235が分離されると、個別シート製品は排出シェルフ310に沿って提供トレイ330の中に落下してもよい。具体的には、押しボタン350により示される枚数の個別シート製品が提供トレイ330の中に落下してもよい。個別シート製品は、最終使用者によってまとめて取り出されてもよい。
【0041】
1つの実施形態において、折り畳まれたナプキンディスペンサは、シート材のロールを補充する補充ステーションと、シート材をロールから送給するように構成されたフィードローラの対と、シート材から個別シート製品を分離する分離機構と、個別シート製品を折り畳みナプキンへと折り畳むように構成された折り畳みステーションであって、フィードローラの対の下流にあり、折り畳みナプキンを提供ステーションへ搬送するように構成されたピンチローラの対と、ピンチローラの対に隣接するバックルチャンバとを含む。また、シート材の一部がバックルチャンバに入り、ピンチローラの対を通ってシート材の折り畳み部が強制的に作られる折り畳みステーションと、バックルチャンバ内の個別シート製品の存在を検出するように構成された赤外線センサと、信号に応答して、1枚または複数の折り畳みナプキンの、提供ステーションへの排出を促進するように構成されたコントローラとを含む。コントローラはまた、データを受け取り、保存するようにも構成され、データは、信号に関連付けられた折り畳みナプキン要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1つまたは複数の個別シート製品がセンサによって検出される時間、信号がコントローラによって受け取られる時間、および/または信号がコントローラによって受け取られてから1つまたは複数の個別シート製品がセンサによって検出されるまでの時間の長さを含む。
【0042】
本明細書において説明されている紙製品ディスペンサは、多くの異なる大きさ、形状、および構成をとってもよく、コンポーネントの様々な組合せおよび構成を利用してもよい。1つまたは複数の実施形態に関連して説明されているコンポーネントは互換的であってもよく、ディスペンサは何れか1つの実施形態のあるコンポーネントまたは構成に限定されない。
【0043】
方法
特定の実施形態において、シート製品を排出する方法は、(i)シート送給機構を介してシート材を送給するステップと、(ii)コントローラにより受け取られた信号に応答して、提供ステーションにおいて1枚または複数の個別シート製品を最終使用者へ排出するステップと、(iii)シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサを介して個別シート製品の存在を検出するステップと、(iv)信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号がコントローラによって受け取られる時間、信号がコントローラによって受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含むデータを収集および保存するステップとを含む。これらの方法には、機構、ステーション、および本明細書中で説明されている、その他のディスペンサ機能の何れの適当な組合せが取り入れられてもよい。
【0044】
1つの実施形態において、シート材はロールから送給され、方法は、個別シート製品をローラから分離するステップをさらに含む。特定の実施形態において、1つまたは複数の個別シート製品は、シート製品搬送機構を介して排出され、センサはシート製品搬送機構の上流にある。
【0045】
特定の実施形態において、方法は、信号をユーザインタフェースからコントローラに送信するステップを含む。例えば、ユーザインタフェースはセンサまたはボタン式であってもよい。1つの実施形態において、方法は、個別シート製品が提供ステーションにないことを検出するステップと、個別シート製品が提供ステーションにないことが検出されると信号をコントローラに送信するステップとを含み、排出するステップは、信号に応答して所定枚数の個別シート製品を排出するステップを含む。
【0046】
特定の実施形態において、方法はまた、1枚または複数の個別シート製品を、シート材の一部をシート製品搬送機構に隣接するバックルチャンバに送給し、およびシート製品搬送機構を通じてシート材に折り畳み部を強制的に作ることによって折り畳むステップも含み、シート製品搬送機構はピンチローラの対を含む。
【0047】
1つの実施形態において、
図7に示されているように、シート製品を排出する方法は、(i)インタフェースから、少なくとも1つのメモリにアクセスするように構成された少なくとも1つのコントローラによって、提供ステーションにおいて最終使用者へ排出されるべき個別シート製品の枚数に関する要求を示す信号を受け取るステップ702と、(ii)少なくとも1つのコントローラによって、信号の受取に応答して、シート送給機構を介したシート材の送給を指示するステップ704と、(iii)少なくとも1つのコントローラによって、シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサから、センサによる個別シート製品の存在の検出を示す検出インディケータを受け取るステップ706と、(iv)少なくとも1つのコントローラによって、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号が少なくとも1つのコントローラによって受け取られる時間、少なくとも1つのコントローラによって信号が受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含むデータを測定するステップ708と、(v)少なくとも1つのコントローラによって、1つまたは複数のデータストアにデータの少なくとも一部を保存することを指示するステップ710とを含む。
【0048】
特定の実施形態において、シート送給機構を介したシート材の送給を指示するステップは、少なくとも1つのコントローラに動作可能に接続されたモータに、信号に応答してシート送給機構を駆動することを指示するステップを含み、およびデータは、モータがオンにされる時間、モータがオフにされる時間、モータがオンにされてからモータがオフにされるまでの時間、またはそれらの組合せを含む。1つの実施形態において、データは、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数とセンサによって検出された個別シート製品枚数とを含み、方法は、少なくとも1つのコントローラにより、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数とセンサによって検出された個別シート製品枚数とを比較するステップと、少なくとも1つのコントローラにより、センサにより検出された個別シート製品枚数が信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数と一致する時にモータを停止するように指示するステップとをさらに含む。
【0049】
システム
特定の実施形態において、
図6に示されるように、シート製品を排出するシステム600は、コンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのメモリ604と、少なくとも1つのメモリにアクセスするように構成された少なくとも1つのコントローラ602とを含み、少なくとも1つのコントローラは、コンピュータ実行可能命令を実行して、(i)インタフェースから、提供ステーションにおいて最終使用者へ排出されるべき個別シート製品の枚数に関する要求を示す信号を受け取り、(ii)信号を受け取ったことに応答して、シート送給機構を介したシート材の送給を指示し、(iii)シート送給機構の下流かつ提供ステーションの上流にあるセンサから、センサによる個別シート製品の存在の検出を示す検出インディケータを受け取り、(iv)信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数、センサにより検出された個別シート製品枚数、1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出される時間、信号が少なくとも1つのコントローラによって受け取られる時間、少なくとも1つのコントローラによって信号が受け取られてから1枚または複数の個別シート製品がセンサにより検出されるまでの時間の長さ、またはそれらの組合せを含むデータを測定し、および(v)1つまたは複数のデータストア606にデータの少なくとも一部を保存することを指示するように構成される。1つの実施形態において、1つまたは複数のデータストアは、少なくとも1つのメモリの少なくとも一部を含む。
【0050】
特定の実施形態において、少なくも1つのコントローラは、コンピュータ実行可能命令を実行して、データの少なくとも一部の1つまたは複数のデータストアへの保存をテキストラインアイテムフォーマットで行うことを指示するように構成される。
【0051】
1つの実施形態において、インタフェースは信号を送信するように構成されたユーザインタフェースを含み、および信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数は、信号に応答して排出されるべき個別シート製品の所定枚数である。他の実施形態において、インタフェースは、提供ステーションに個別シート製品がないことを検出し、および提供ステーションに個別シート製品がないことが検出されると少なくとも1つのコントローラに信号を送信するように構成された第二のセンサを含む。例えば、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数は、信号に応答して排出されるべき個別シート製品の所定枚数であってもよい。1つの実施形態において、データは、個別シート製品が提供ステーションに入ってから提供ステーションに個別シート製品がなくなるまでの時間をさらに含む。
【0052】
特定の実施形態において、少なくとも1つのコントローラは、コンピュータ実行可能命令を実行して、少なくとも1つのコントローラに動作可能に接続されたモータに、信号に応答してシート送給機構を駆動することを指示するように構成される。例えば、データは、モータがオンにされる時間、モータがオフにされる時間、モータがオンにされてからモータがオフにされるまでの時間、またはそれらの組合せをさらに含む。
【0053】
1つの実施形態において、データは、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数とセンサにより検出された個別シート製品枚数とを含み、および少なくとも1つのコントローラは、コンピュータ実行可能命令を実行して、信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数とセンサにより検出された個別シート製品枚数とを比較し、かつセンサにより検出された個別シート製品枚数が信号に関連付けられた個別シート製品要求枚数と一致する時にモータの停止を指示するように構成される。
【0054】
図6に示されているように、コントローラ602は、入力としてデジタルデータを受け取り、保存されたコンピュータ実行可能命令に従って入力データを処理し、出力データを生成することのできる、何れの適当な処理ユニットを含んでいてもよい。コントローラ602は、コンピュータ実行可能命令を実行して、各種の動作を実行させる、または実行しやすくするように構成されてもよい。コントローラ602は、シート製品排出システム600の中で利用可能な各種のハードウェアリソースを用いて、各種の周辺機能を駆動する、データを保存しやすくする、およびその他を実行するようにさらに構成されてもよい。コントローラ602は何れの適当な種類の処理ユニットを含んでいてもよく、これには中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、リデュースドインストラクションセットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、コンプレックスインストラクションセットコンピュータ(CISC)マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、およびその他が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
メモリ604は、コントローラ602によってロード可能であり、実行可能なコンピュータ実行可能命令、ならびにコンピュータ実行可能命令の実行中にコントローラ602によって操作および/または生成されるデータを保存してもよい。メモリ604としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ(電源供給されている時にその状態を保持するメモリ)、および/または読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、およびその他等の不揮発性メモリ(電源供給されていなくてもその状態を保持するメモリ)を含んでいてもよい。特定の実施形態において、メモリ604は、複数の異なる種類のメモリを含み、例えば各種のスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、各種のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、各種の改変不能ROM、および/または、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、およびその他等のROMの書込み可能型等である。特定の実施形態において、メモリ604は少なくとも1つのデータストアを含む。
【0056】
シート製品排出システム600は、取り外し可能記憶装置および/または取り外し不能記憶装置等の追加のデータストア606をさらに含んでいてもよく、これには磁気記憶装置、光ディスク記憶装置、および/またはテープ記憶装置が含まれるが、これらに限定されない。データストア606は、コンピュータ実行可能命令およびその他のデータを記憶してもよい。データストア606は、シート製品排出システム600の内部および/または外部の記憶装置を含んでいてもよい。メモリ604および/またはデータストア606は、取り外し可能および/または取り外し不能であり、コンピュータ読取可能記憶媒体(CRSM)の例である。
【0057】
メモリ604は、データ、コンピュータ実行可能命令、アプリケーションおよび/または各種のプログラムモジュールを記憶してもよく、これには例えば、1つまたは複数のオペレーティングシステム612(本明細書では概してオペレーティングシステム612という)、1つまたは複数のデータベース管理システム(本明細書では概してDBMS 614という)および、データ測定モジュール616、インタフェース信号モジュール618、およびセンサモジュール618等の1つまたは複数のプログラムモジュールが含まれる。
【0058】
オペレーティングシステム(O/S)612は、排出システム600によって実行可能なその他のアプリケーションおよび/またはプログラムモジュール(例えば、各種のプログラムモジュールの何れか)とシステム600のハードウェアリソースとの間のインタフェースを提供してもよい。より具体的には、O/S 612は、排出システム600のハードウェアリソースを管理し、他のアプリケーションおよび/またはプログラムモジュールに共通のサービス(例えば、各種のアプリケーションおよび/またはプログラムモジュールの間でのメモリ割当の管理)を提供するためのコンピュータ実行可能命令セットを含んでいてもよい。O/S 612は、現在知られている、または今後開発され得る何れのオペレーティングシステムを含んでいてもよく、これにはあらゆるディスクトップまたはラップトップ用オペレーティングシステム、あらゆるサーバ用オペレーティングシステム、あらゆるモバイル用オペレーティングシステム、あらゆるメインフレーム用オペレーティングシステム、またはあらゆるその他の所有権保護された、または所有権保護されていないオペレーティングシステムが含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
DBMS 614は、排出システム600の外部に設けられた1つまたは複数のデータストアおよび/または、例えばデータストア606の一部として提供された1つまたは複数の内部データストアの中に保存されたデータにアクセスし、これを読み出し、保存し、およびまたは操作する機能をサポートしてもよい。DBMS 614は、各種のデータベースモデル(例えば、リレーショナルモデル、オブジェクトモデル等)のうちの何れを利用してもよく、各種の問い合わせ言語の何れをサポートしてもよい。例えば、DBMSにより、外部からのデータのアクセスと読み出しが可能となる。
【0060】
シート製品排出システム600は1つまたは複数のI/Oインタフェース608をさらに含んでいてもよく、これは、排出システム600が排出システム600と通信するように構成された1つまたは複数のI/Oデバイスを介して入力される情報を受け取りやすくし、ならびに排出システム600から1つまたは複数のI/Oデバイスに情報を出力しやすくしてもよい。I/Oデバイスとしては、ボタンまたはハンドウェーブセンサ等のユーザインタフェース、ディスプレイ、キーパッド、キーボード、ポインティングデバイス、コントロールパネル、タッチスクリーンディスプレイ、リモートコントロールデバイス、スピーカ、マイクロフォン、印刷機、その他の周辺機器およびその他を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0061】
排出システム600は、1つまたは複数のネットワークインタフェース610をさらに含んでいてもよく、これは排出システム600とその他のコンポーネントとの間を通信しやすくしてもよい。例えば、ネットワークインタフェース610は、排出システム600と1つまたは複数のキャッシュレジスタ、外部データ収集デバイス、およびその他との間を相互作用しやすくしてもよい。
【0062】
当業者であれば、シート製品排出システム600のコンポーネントの何れも、本開示の範囲から逸脱することなく、説明または図示されたもの以外の代替的および/または追加的ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアコンポーネントを含んでいてもよいことがわかるであろう。より具体的には、排出システム600のコンポーネントの何れかの構成部品として描かれているソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアコンポーネントは、単に例示にすぎず、各種の実施形態において、いくつかのコンポーネントがなくてもよく、または追加のコンポーネントが提供されてもよいと理解するべきである。
【0063】
各種のプログラムモジュールを排出システム600の様々な例示的コンポーネントに関して図示し、説明したが、プログラムモジュールによってサポートされると説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの何れの組合せにより実現されてもよいと理解するべきである。さらに、上記のモジュールの各々は、各種の実施形態において、サポートされている機能の論理区画を表していてもよいと理解するべきである。この論理区画は、機能を説明しやすくするために示されており、その機能を実装するためのソフトウェア、ファームウェアおよび/またはハードウェアの構造を表していないことがあり得る。したがって、特定のモジュールにより提供されると説明されている機能は、各種の実施形態において、少なくとも部分的に1つまたは複数のその他のモジュールにより提供されてもよいと理解するべきである。さらに、1つまたは複数の図示されたモジュールは、特定の実施形態では存在しなくてもよく、他の実施形態では、図示されていない追加のモジュールが存在してもよく、説明された機能および/または追加の機能の少なくとも一部をサポートしてもよい。さらに、特定のモジュールは他のモジュールのサブモジュールとして図示され、説明されていることがあり得るが、特定の実施形態において、これらのモジュールは独立したモジュールとして提供されてもよい。
【0064】
多数の実施形態を参照しながら本発明を説明したが、当業者であれば、本開示がこのように開示された実施形態に限定されないことがわかるであろう。さらに、開示されている実施形態は、本明細書には記載されていないが、本開示の趣旨および範囲と同等の様々な変更形態、改変形態、置換形態、または均等な構成を組み込むように変更できる。