(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956872
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】プラグインコネクタのためのテスト装置、制御装置、制御システム
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20211021BHJP
H01R 13/40 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
H01R43/00 Z
H01R13/40 Z
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-526323(P2020-526323)
(86)(22)【出願日】2018年11月8日
(65)【公表番号】特表2021-502683(P2021-502683A)
(43)【公表日】2021年1月28日
(86)【国際出願番号】EP2018080618
(87)【国際公開番号】WO2019092106
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2020年5月12日
(31)【優先権主張番号】102017220142.8
(32)【優先日】2017年11月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴァルツ
(72)【発明者】
【氏名】ネストル ンボグニ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ファン デル スミッセン
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−006822(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3211232(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/00
H01R 13/40
H01R 13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車用のステアリングシステム(1)の制御装置(5)の、プラグインコネクタのためのテスト装置であって、
前記プラグインコネクタは、第1のプラグ部分(8)及び第2のプラグ部分(9)を有し、
前記第1のプラグ部分(8)及び前記第2のプラグ部分(9)は、それぞれ複数の導電性のコンタクト要素(10,11,12,13)を有し、
前記第1のプラグ部分(8)と前記第2のプラグ部分(9)とは、当該第1のプラグ部分(8)の前記コンタクト要素(10,11,12,13)のうちの少なくともいくつかが、当該第2のプラグ部分(9)の少なくともいくつかのコンタクト要素(10,11,12,13)と電気的に接触コンタクトするように、差込結合可能であり又は差込結合されており、
前記第1のプラグ部分(8)と前記第2のプラグ部分(9)とは、差込結合された状態で、前記コンタクト要素(10,11,12,13)のための少なくとも1つの保護チャンバ(14)を形成し、
前記プラグ部分(8,9)のうちの少なくとも一方のプラグ部分(8,9)は、前記少なくとも1つの保護チャンバ(14)内の湿気及び/又は液体を検出するための装置を有し、
前記装置は、導電性のテストコンタクト要素(15)、特にテストコンタクトピンを有し、
前記テストコンタクト要素(15)は、前記保護チャンバ(14)内に突出しており、電気的にコンタクト可能である、
テスト装置において、
前記テストコンタクト要素(15)には、評価回路(16)が接続されており、
前記評価回路(16)は、制御可能な信号生成装置(17)及び信号検出装置(18)を有し、前記信号生成装置(17)によって生成された信号を、前記信号検出装置(18)によって検出するように構成されており、
前記テストコンタクト要素(15)は、前記保護チャンバ(14)内に湿気及び/又は液体が存在している場合に、前記生成された信号が、前記信号検出装置(18)によって識別可能に影響を受けるように、前記評価回路(16)に接続されており、
前記信号生成装置(17)は、パルス幅変調信号を生成し、前記パルス幅変調信号は、分圧器(23)を介して前記テストコンタクト要素(15)に供給される、
ことを特徴とするテスト装置。
【請求項2】
前記テストコンタクト要素(15)は、前記保護チャンバ(14)内において、前記一方のプラグ部分(8,9)の電圧供給コンタクト要素とアースコンタクト要素との間に配置されている、
請求項1に記載のテスト装置。
【請求項3】
前記分圧器(23)は、前記信号生成装置(17)と半導体スイッチ(20)との間に2つの直列接続された抵抗器を有し、前記2つの直列接続された抵抗器の間に前記テストコンタクト要素(15)が接続されており、
前記半導体スイッチ(20)は、一方では、電圧供給部(21)及び前記信号検出装置(18)に接続されており、他方では、アース端子(22)に接続されている、
請求項1又は2に記載のテスト装置。
【請求項4】
前記半導体スイッチ(20)は、トランジスタである、
請求項3に記載のテスト装置。
【請求項5】
前記信号検出装置(18)は、前記半導体スイッチ(20)によってスイッチングされる供給電圧を、スイッチングエッジに関して監視するように構成されており、
前記信号検出装置(18)は、
前記スイッチングエッジが存在する場合には、前記保護チャンバ(14)内に危機的な量の液体が存在しないと識別し、
前記スイッチングエッジが存在しない場合には、前記保護チャンバ(14)内に危機的な量の液体が存在していると識別する、
請求項3又は4に記載のテスト装置。
【請求項6】
特に自動車のステアリングシステム(1)のための、制御装置(5)であって、
前記制御装置(5)は、プラグインコネクタのための少なくとも1つの第1のプラグ部分(8)を有し、
前記プラグインコネクタは、前記第1のプラグ部分(8)及び第2のプラグ部分(9)を有し、
前記第1のプラグ部分(8)及び前記第2のプラグ部分(9)は、それぞれ複数の導電性のコンタクト要素(10,11,12,13)を有し、
前記第1のプラグ部分(8)と前記第2のプラグ部分(9)とは、当該第1のプラグ部分(8)の前記コンタクト要素(10,11,12,13)のうちの少なくともいくつかが、当該第2のプラグ部分(9)の少なくともいくつかのコンタクト要素(10,11,12,13)と電気的に接触コンタクトするように、差込結合可能であり又は差込結合されており、
前記第1のプラグ部分(8)と前記第2のプラグ部分(9)とは、差込結合された状態で、前記コンタクト要素(10,11,12,13)のための少なくとも1つの保護チャンバ(14)を形成する、
制御装置(5)において、
前記第1のプラグ部分(8)に対応付けられた、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテスト装置を備えることを特徴とする制御装置(5)。
【請求項7】
前記評価回路(16)は、前記制御装置(5)内に構成されている、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
制御システム、特に自動車のステアリングシステム(1)であって、
前記制御システムは、
少なくとも1つの制御装置(5)と、
プラグインコネクタを介して前記制御装置(5)に接続されている、少なくとも1つの電気的に動作可能な装置と、
を有し、
前記プラグインコネクタは、第1のプラグ部分(8)及び第2のプラグ部分(9)を有し、
前記第1のプラグ部分(8)及び前記第2のプラグ部分(9)は、それぞれ複数の導電性のコンタクト要素(10,11,12,13)を有し、
前記第1のプラグ部分(8)と前記第2のプラグ部分(9)とは、当該第1のプラグ部分(8)の前記コンタクト要素(10,11,12,13)のうちの少なくともいくつかが、当該第2のプラグ部分(9)の少なくともいくつかのコンタクト要素(10,11,12,13)と電気的に接触コンタクトするように、差込結合可能であり又は差込結合されており、
前記第1のプラグ部分(8)と前記第2のプラグ部分(9)とは、差込結合された状態で、前記コンタクト要素(10,11,12,13)のための少なくとも1つの保護チャンバ(14)を形成する、
制御システムにおいて、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテスト装置、又は、請求項6若しくは7に記載の制御装置を備えることを特徴とする制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用のステアリングシステムの制御装置の、プラグインコネクタのためのテスト装置であって、プラグインコネクタは、第1のプラグ部分及び第2のプラグ部分を有し、第1のプラグ部分及び第2のプラグ部分は、それぞれ複数の導電性のコンタクト要素を有し、第1のプラグ部分と第2のプラグ部分とは、当該第1のプラグ部分のコンタクト要素のうちの少なくともいくつかが、当該第2のプラグ部分の少なくともいくつかのコンタクト要素と電気的に接触コンタクトするように、差込結合可能であり又は差込結合されており、第1のプラグ部分と第2のプラグ部分とは、差込結合された状態で、コンタクト要素のための少なくとも1つの保護チャンバを形成する、テスト装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、そのようなプラグインコネクタのための少なくとも1つのプラグ部分を有する制御装置と、対応するプラグインコネクタが設けられている制御システムとに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術
冒頭に述べた形式のテスト装置は、先行技術からは知られていない。これに対して、制御装置内のプラグインコネクタは、特に制御装置を外部の電気装置に接続させるために広く普及している。例えば、自動車のステアリングシステムの制御装置は、ステアリングシステムを動作させるために及び/又は監視するために、プラグインコネクタを介してステアリングシステムの電気的なアクチュエータ及び/又はセンサ装置に電気的に接続されている。プラグインコネクタによって、電気的なコンタクト部が外部の影響から、特に湿気又は液体から保護され、隣り合うコンタクト要素同士の間で短絡が発生し得なくなることが保証される。このために、プラグインコネクタの2つのプラグ部分が1つの保護チャンバを形成し、この保護チャンバの内部にコンタクト要素が位置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となる課題は、プラグインコネクタの機能、ひいては制御装置又は制御システムの機能を評価することが可能な、そのようなプラグインコネクタのためのテスト装置を提供することであり、これによって、例えば、プラグインコネクタが故障している場合に、一方では自動車の安全な継続動作を可能とし、又は、他方では安全停止をもたらすような緊急措置又は安全措置を講じることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
本発明の基礎となる課題は、請求項1に記載の特徴を有するテスト装置によって解決される。本テスト装置は、プラグインコネクタの内部で短絡の危険性が存在するかどうかを簡単に識別することが可能であるという利点を有する。このために、本発明によれば、プラグ部分のうちの少なくとも一方のプラグ部分は、少なくとも1つの保護チャンバ内の湿気及び/又は液体を検出するための装置を有する。最も簡単なケースにおいては、この装置は、例えば流体センサ、特に湿気センサであり、この流体センサは、保護チャンバ内に配置されていて、信号技術的に及び/又はエネルギ技術的に制御装置に接続されている又は接続可能である。保護チャンバ内で湿気及び/又は液体が検出された場合には、プラグインコネクタにおけるエラー情報又は短絡の危険性が存在することが推定される。このようにして、安全措置又は緊急措置を簡単に講じることが可能となる。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置は、導電性のテストコンタクト要素、特にテストコンタクトピンを有し、テストコンタクト要素は、保護チャンバ内に突出しており、電気的にコンタクト可能である。従って、この追加的なテストコンタクト要素は、保護チャンバ内の湿度の値又は湿気の状態を監視するセンサ要素である。
【0007】
好ましくは、テストコンタクト要素は、保護チャンバ内において、上記一方のプラグ部分の、電圧供給のために使用されるコンタクト要素と、アースコンタクト要素との間に配置されている。保護チャンバ内に湿気及び/又は液体が存在している場合には、この湿気及び/又は液体が、テストコンタクト要素とアースコンタクト要素との間の導電体を形成し、これによって信号の変化を検出することが可能であり、この信号の変化によって、湿気及び/又は液体の存在を簡単に推定することが可能となる。
【0008】
特に有利には、テストコンタクト要素には、評価回路が接続されており、評価回路は、制御可能な信号生成装置及び信号検出装置を有し、信号生成装置によって生成された信号を、信号検出装置によって検出するように構成されており、テストコンタクト要素は、保護チャンバ内に湿気及び/又は液体が存在している場合に、生成された信号が影響を受けるように、評価回路に接続されている。即ち、信号が生成及び検出され、その際、生成された信号は、湿気及び/又は液体が存在している場合には影響を受けるので、予期される信号ではなく他の信号が検出されることとなる。これによって、保護チャンバ内の湿気及び/又は液体の存在を簡単に推定することが可能となる。従って、評価回路によって、保護チャンバ内に一種の流体センサ、特に湿気センサが、特に低コストに実現され、この際には、具体的な湿度の値は、必ずしも特定可能である必要はなく、むしろ、保護チャンバ内に存在している湿気及び/又は液体が危機的な値を上回っているかどうかを識別することが可能であり、この際には、生成された信号が、予期される信号とは識別可能に異なるように、影響を受ける。
【0009】
さらに好ましくは、信号生成装置は、パルス幅変調信号を生成し、パルス幅変調信号は、分圧器を介してテストコンタクト要素に供給される。これによって、生成された信号を、信号検出装置によって簡単に検出又は監視することが可能になる。特に、信号パルスが欠如している場合には、保護チャンバ内に湿気又は液体が存在しており、この湿気又は液体がテストコンタクト要素とアースコンタクト要素との間に分路を形成しているということを簡単に識別することが可能である。
【0010】
このために特に、分圧器は、信号生成装置と半導体スイッチとの間に2つの直列接続された抵抗器を有し、2つの抵抗器の間にテストコンタクト要素が接続されており、半導体スイッチは、一方では、電圧供給部及び信号検出装置に接続されており、他方では、アース端子に接続されている。信号生成装置によって生成された信号、特にパルス幅変調信号は、テストコンタクト要素とアースコンタクト要素との間の電気抵抗が分路によって十分に低下している場合に、半導体スイッチのスイッチオンが実施されなくなるように、テストコンタクト要素とアースコンタクト要素に対して形成された分路によって影響を受ける。従って、信号検出装置によって監視される、信号生成装置のスイッチングパターンによって規定されているはずの電圧供給部の電圧曲線は、検出され得なくなる。供給電圧のスイッチングが実施されていない場合には、保護チャンバ内に過多の湿気及び/又は液体が存在していることを簡単に推定することが可能である。生成される信号は、保護チャンバ内に湿気及び/又は液体が存在しない場合に半導体スイッチがパルス幅変調に従ってスイッチングされるように選択されており、これによって、検出可能な供給電圧又は検出可能な供給電圧曲線が得られるようになっている。
【0011】
特に好ましくは、半導体スイッチは、トランジスタとして構成されている。トランジスタは、低コストに使用可能であり、テスト装置の長寿命を保証する。
【0012】
さらに好ましくは、信号検出装置は、半導体スイッチによってスイッチングされる供給電圧を、スイッチングエッジに関して監視するように構成されており、信号検出装置は、スイッチングエッジが存在する場合には、保護チャンバ内に危機的な量の湿気及び/又は液体が存在しないと識別し、スイッチングエッジが存在しない場合には、保護チャンバ内に危機的な量の湿気及び/又は液体が存在していると識別する。既に上述したように、これによって保護チャンバ内の湿気の状態が簡単に評価される。
【0013】
請求項9に記載の特徴を有する本発明に係る制御装置は、第1のプラグ部分、即ち、制御装置のプラグ部分に対応付けられた、本発明に係るテスト装置を特徴とする。これによって、評価回路を、制御装置自体内に特に簡単に実現することが可能となり、好ましくは、評価回路は、制御装置内に構成されている。特に好ましくは、制御装置は、複数の第1のプラグ部分を有し、これら複数の第1のプラグ部分は、それぞれ1つのテストコンタクト要素を有する。好ましくは、それぞれのテストコンタクト要素には、上述したような1つの独自の評価回路が対応付けられている。これに代わる形態においては、複数のテストコンタクト要素が、電気的に一緒にまとめられており、1つの共通の評価回路に対応付けられている。その場合には、少なくとも、制御装置のプラグインコネクタのうちの1つに危機的な液体値が存在しているかどうかは、依然として判断可能であるが、どのプラグインコネクタに存在しているかを判断することは不可能である。
【0014】
請求項11に記載の特徴を有する本発明に係る制御システムは、テスト装置又は制御装置が本発明に従って構成されていることを特徴とする。これにより、既に上述した利点が得られる。
【0015】
さらなる利点、並びに、好ましい特徴及び特徴の組合せは、特に、上述の説明及び特許請求の範囲から明らかである。以下においては、本発明を、図面に基づいてより詳細に説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】ステアリングシステムのプラグインコネクタの概略断面図である。
【
図3】ステアリングシステムのテスト装置の概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、自動車のステアリングシステム1の概略図を示しており、ステアリングシステム1は、ステアリングハンドル2、特にステアリングホイールを有し、ステアリングハンドル2は、パワーステアリング装置4によって自動車の2つのステアリング可能な車輪3に接続されている。パワーステアリング装置4は、制御装置5に接続されており、制御装置5自体は、ステアリングハンドル2のステアリング動作を検出するために使用されるセンサ6に接続されている。
【0018】
図1には空間的な対応関係なしで図示されている制御装置5は、例えば、パワーステアリング装置4内に直接的に配置されているが、
図1においては見やすくするためにパワーステアリング装置4の隣に図示されている。
【0019】
制御装置5は、プラグインコネクタ7を介してセンサ6及びパワーステアリング装置4に接続されている。
【0020】
図2は、そのようなプラグインコネクタ7の概略断面図を示している。それぞれのプラグインコネクタ7は、制御装置5に対応付けられた第1のプラグ部分8と、センサ6又はパワーステアリング装置4に対応付けられている又は直接的に接続されている第2のプラグ部分9とを有する。プラグ部分8とプラグ部分9とは、差込結合されるように、かつ、これによって、制御装置5の導電体とセンサ6又はパワーステアリング装置4との間に電気的な接触コンタクト部を形成するように、構成されている。このために第1のプラグ部分8は、複数のコンタクト要素10及び11を有しており、本明細書においては、コンタクト要素10は、アースコンタクト要素であり、コンタクト要素11は、供給電圧コンタクト要素である。プラグ部分9も同様に、複数のコンタクト要素12,13を有しており、これらのコンタクト要素12,13は、差込結合された状態では、それぞれコンタクト要素10,11のうちの1つと接触コンタクトする。このために、本明細書においては、
図2に示すように、コンタクト要素10及び11が、コンタクトピンとして構成されており、コンタクト要素12,13が、コンタクトソケットとして構成されており、このコンタクトソケット内に、コンタクトピンを挿入することが可能である。
【0021】
プラグ部分8,9はさらに、自身の最終的な状態において保護チャンバ14を形成し、この保護チャンバ14内においては、コンタクト要素10乃至13が外部の影響、特に液体から保護されるように配置されている。
【0022】
プラグ部分8にはさらに、テストコンタクト要素15が対応付けられており、このテストコンタクト要素15は、保護チャンバ14内においてコンタクト要素11と10との間に位置している。テストコンタクト要素15も同様に、コンタクトピンとして構成されており、従って、保護チャンバ14内に突出している。テストコンタクト要素15は、評価回路に接続されており、この評価回路によって、プラグインコネクタ7の機能エラーをもたらすおそれのある液体又は湿気が保護チャンバ14内に存在しているかどうかを簡単に検出することが可能である。
【0023】
これに関して、
図3は、有利な評価回路16を示しており、この評価回路16は、有利には制御装置5において実現されている。評価回路16は、信号生成装置17及び信号検出装置18を有する。信号生成装置17は、パルス幅変調信号を生成するように構成されており、そのためにパルス幅信号発生器19を有する。
【0024】
信号生成装置17は、半導体スイッチ20に接続されており、この半導体スイッチ20は、パルス幅変調信号の結果として動作させられる。動作させられている状態では、半導体スイッチ20は、供給電圧源21をアース端子22に接続している。供給電圧源21と半導体スイッチ20との間には、抵抗器R1が接続されている。さらに、抵抗器R1と半導体スイッチ20との間には、信号検出装置18が接続されている。
【0025】
従って、通常の動作においては、半導体スイッチ20によってスイッチング曲線に従ってスイッチングされる供給電圧を、信号検出装置18によって検出することが可能である。従って、通常時には、検出される信号は、生成された信号に少なくとも実質的に相当することとなる。
【0026】
半導体スイッチ20は、トランジスタとして構成されており、このトランジスタにはさらに、フリーホイールダイオードD1と、フリーホイールダイオードD1に並列に接続されたコンデンサC1とが対応付けられている。
【0027】
半導体スイッチ20と信号生成装置17との間には、2つの直列接続された抵抗器R2及びR3が配置されており、この抵抗器R2とR3との間には、テストコンタクト要素15が接続されている。従って、テストコンタクト要素15は、分圧器23を介して信号生成装置17に接続されている。
【0028】
任意選択的に、抵抗器R2の上流には、さらにもう1つのコンデンサC2が接続されており、コンデンサC2と抵抗器R2との間には、任意選択的にアース端子24が抵抗器R4を介して接続されている。
【0029】
テストコンタクト要素15は、好ましくは、コンデンサC3を介してアース端子25に接続されている。
【0030】
通常の動作においては、生成された信号は、接続されているテストコンタクト要素15によって影響を受けないので、半導体スイッチ20のスイッチングは、上述したように実施され、これを信号検出装置18によって監視することができる。しかしながら、保護チャンバ14内に水又は他の液体が存在している場合には、この水又は他の液体によって、アース端子である、隣接するコンタクト要素10への分路が形成される。この接続は、
図3においては分路の可変抵抗R
Nによって示されている。抵抗が小さくなりすぎると、分路が短絡に近似し、このことによって、生成された信号は、スイッチング要素20がもはやスイッチングしなくなるように影響を受け、その結果、信号検出装置18も、供給電圧においてもはやスイッチング曲線を検出することができなくなる。その代わりに、定電圧が検出されることとなる。
【0031】
評価回路16は、好ましくは、テストコンタクト要素15に電流が流れることによる電気腐食を十分に排除するために、テストコンタクト要素15における交流電圧及び低電圧で動作する。信号検出装置18によって信号生成装置17の反転信号が読み戻された場合には、保護チャンバ14内に液体が存在しないことが識別される。これに対して、定電圧が検出された場合には、保護チャンバ14内に水又は他の導電性の液体が存在しているはずであると識別される。スイッチング要素20のスイッチングが実施されていないことにより、もはや信号検出装置18によってスイッチングエッジを検出することができなくなる。1つの具体的な実施例によれば、抵抗及び静電容量に関して、以下の値、R1=10kΩ、R2=22.1kΩ、R3=22.1kΩ、R4=22.1kΩ、C1=100pF、C2=1nF、C3=4.7nFを選択することができる。供給電圧としては、例えば、Uv=3.3Vの(DVDD)電圧を選択することができる。