特許第6956945号(P6956945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956945
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20211021BHJP
   B60C 15/06 20060101ALI20211021BHJP
   B60C 15/00 20060101ALI20211021BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20211021BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20211021BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   C08L21/00
   B60C15/06 Q
   B60C15/00 M
   C08K5/17
   C08K3/04
   C08K3/26
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-154021(P2017-154021)
(22)【出願日】2017年8月9日
(65)【公開番号】特開2019-31630(P2019-31630A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2020年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(72)【発明者】
【氏名】中島 郭葵
【審査官】 牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−144516(JP,A)
【文献】 特開2007−269259(JP,A)
【文献】 特開2014−95016(JP,A)
【文献】 特開2013−253222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L、B60C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッドと、サイドウォールと、ビードコアを有するビード部と、前記ビード部を補強するビード補強層と、前記ビード部のビードコアに係留されたカーカスプライとを備える空気入りタイヤであって、
前記ビード補強層は、前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に配置されており、
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるtanδが0.14以下であり、70℃におけるEが10MP以上であり、
前記ビード補強層および前記ビード補強層に隣接する隣接部材は、それぞれ、アミン系老化防止剤を含有するゴム組成物から構成されており、
前記ビード補強層中には、ゴム成分100質量部に対して0.3〜8質量部の前記アミン系老化防止剤が含有されており、
前記ビード補強層に隣接する隣接部材と前記ビード補強層とは、下記式を満足していることを特徴とする空気入りタイヤ。
3.1≦B/A≦8
A:ビード補強層中におけるアミン系老化防止剤の含有率(wt%)
B:隣接部材中におけるアミン系老化防止剤の含有率(wt%)
【請求項2】
前記ビード補強層に隣接する隣接部材は、サイドウォールまたはクリンチであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるtanδが0.09以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるEが50MPa以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が30〜50m/gのカーボンブラックを30〜60質量部、または炭酸カルシウムを10〜25質量部含有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記ビード補強層は、ゴム成分100質量部中にSBRを15〜60質量部、NRを20〜80質量部含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関し、より詳しくは、ビード補強層を有する空気入りタイヤであって、アミン系老化防止剤のビード補強層への移行を抑制することにより、ビード補強層とタイヤの性能変化が抑制された空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう。)はトレッド、サイドウォール、ビード部などを備えており、ビード部はビードコアから半径方向に延びるビードエイペックスを備えている。このビードエイペックスはタイヤの剛性や耐久性に寄与する部材であり、近年、タイヤの剛性や耐久性のさらなる向上に向けての要求が益々強くなっている。
【0003】
このような要求に応えるために、タイヤのビードエイペックスのタイヤ軸方向外側にビード補強層を配置することにより、ビードエイペックスの変形を抑制して、タイヤの剛性や耐久性の向上を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
この技術の場合、ビード補強層のさらにタイヤ軸方向外側にはサイドウォールやクリンチが隣接して配置されている。これらの隣接部材は、常時、外界と接して曝露されているため、オゾンクラック等に対する耐クラック性能を長期間維持する必要がある。そこで、これらの隣接部材には、優れた耐オゾン効果を有するアミン系老化防止剤が比較的大量に含有されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−78564号公報
【特許文献2】特開2016−130053号公報
【特許文献3】特開2016−147567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のビード補強層は、老化防止剤の含有量は少量であった。このため、隣接部材と従来の配合のビード補強層とを隣接させて配置した場合、両者の界面において、老化防止剤が含有量の多い隣接部材から含有量の少ないビード補強層へと移行して、ビード補強層およびタイヤにおいて、発熱の上昇、発熱に伴う剛性の低下、操縦安定性の低下など、様々な性能の低下を招いていた。
【0007】
そこで、本発明は、ビード補強層に隣接してアミン系老化防止剤が多く含有された隣接部材が配置された空気入りタイヤにおいて、隣接部材からビード補強層へのアミン系老化防止剤の移行が抑制された空気入りタイヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
請求項1に記載の発明は、
トレッドと、サイドウォールと、ビードコアを有するビード部と、前記ビード部を補強するビード補強層と、前記ビード部のビードコアに係留されたカーカスプライとを備える空気入りタイヤであって、
前記ビード補強層は、前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に配置されており、
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるtanδが0.14以下であり、70℃におけるEが10MP以上であり、
前記ビード補強層および前記ビード補強層に隣接する隣接部材は、それぞれ、アミン系老化防止剤を含有するゴム組成物から構成されており、
前記ビード補強層中には、ゴム成分100質量部に対して0.3〜8質量部の前記アミン系老化防止剤が含有されており、
前記ビード補強層に隣接する隣接部材と前記ビード補強層とは、下記式を満足していることを特徴とする空気入りタイヤである。
3.1≦B/A≦8
A:ビード補強層中におけるアミン系老化防止剤の含有率(wt%)
B:隣接部材中におけるアミン系老化防止剤の含有率(wt%)
【0010】
請求項2に記載の発明は、
前記ビード補強層に隣接する隣接部材は、サイドウォールまたはクリンチであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤである。
【0012】
請求項に記載の発明は、
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるtanδが0.09以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤである。
【0014】
請求項に記載の発明は、
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるEが50MPa以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の空気入りタイヤである。
【0015】
請求項に記載の発明は、
前記ビード補強層を構成するゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が30〜50m/gのカーボンブラックを30〜60質量部、または炭酸カルシウムを10〜25質量部含有していることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の空気入りタイヤである。
請求項6に記載の発明は、
前記ビード補強層は、ゴム成分100質量部中にSBRを15〜60質量部、NRを20〜80質量部含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ビード補強層に隣接してアミン系老化防止剤が多く含有された隣接部材が配置された空気入りタイヤにおいて、隣接部材からビード補強層へのアミン系老化防止剤の移行が抑制された空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの構成を示す断面図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤのビード部の構成を示す断面図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤのリム組みされた状態におけるビード部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
1.本発明の概要
本発明に係る空気入りタイヤは、
トレッドと、サイドウォールと、ビードコアを有するビード部と、前記ビード部を補強するビード補強層と、前記ビード部のビードコアに係留されたカーカスプライとを備える空気入りタイヤであって、
前記ビード補強層および前記ビード補強層に隣接する隣接部材は、それぞれ、アミン系老化防止剤を含有するゴム組成物から構成されており、
前記ビード補強層中には、ゴム成分100質量部に対して0.3〜8質量部の前記アミン系老化防止剤が含有されており、
前記ビード補強層に隣接する隣接部材と前記ビード補強層とは、下記式を満足していることを特徴としている。
3≦B/A≦8
A:ビード補強層中におけるアミン系老化防止剤の含有率(wt%)
B:隣接部材中におけるアミン系老化防止剤の含有率(wt%)
【0020】
本発明者は、前記した課題の解決について検討する中で、ビード補強層のゴム成分100質量部に対するアミン系老化防止剤の含有量を0.3〜8質量部に設定すると共に、ビード補強層中におけるアミン系老化防止剤の含有率A(wt%)と隣接部材中におけるアミン系老化防止剤の含有率B(wt%)との比(B/A)が3〜8となるように設定することにより、隣接部材からビード補強層へのアミン系老化防止剤の移行(以下、単に「老化防止剤の移行」ともいう)を抑制できることを見出した。
【0021】
そして、このように老化防止剤の移行が抑制されることにより、老化防止剤の移行によりビード補強層およびタイヤにおいて発生する様々な性能の低下を抑制できることが分かった。また、このような効果は、タイヤの低燃費化のためにビード補強層を低発熱、且つ高剛性にしているような場合には、特に顕著に発揮されて好ましいことが分かった。
【0022】
2.実施の形態
次に、実施の形態に基づいて、本発明について具体的に説明する。
【0023】
(1)ビードの構成
本実施の形態のタイヤを図1〜3を参照し説明する。図1はリム組みされたタイヤのビード部の構成を示す断面図であり、図2はその拡大図である。また、図3はリム組みされた状態を示す断面図である。
【0024】
図1〜3において、1はタイヤであり、2はビード部であり、3および31はサイドウォール部であり、4はトレッドであり、5はリムであり、22はビードエイペックスである。そして、タイヤ1において、23はビード補強層であり、ビード補強層23に隣接して隣接部材であるクリンチ24が配置されている。また、21はビードコアであり、25はチェーファであり、26はストリップエイペックスである。さらに、32は第一カーカスプライであり、33は第二カーカスプライであり、34はインナーライナである。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態のビード補強層23は、これらのカーカスプライ32、33のタイヤ軸方向外側(図1においては右側)に配置されている。タイヤ軸方向とはタイヤの回転軸線と平行な方向であり、タイヤ軸方向外側とは、タイヤ赤道を通る平面(図1では線CLで示す)を中心とした場合に軸方向において外側であることを意味する。
【0026】
また、図1において、ビード補強層23の隣接部材としてクリンチ24が配置されているが、クリンチがビード補強層の外側を完全に覆わないタイヤの場合、ビード補強層の隣接部材がサイドウォールもしくはサイドウォールとクリンチとなる場合もある。
【0027】
(2)アミン系老化防止剤
本実施の形態のタイヤのビード補強層とビード補強層の隣接部材には、前記したように、優れた耐オゾン効果を有するアミン系老化防止剤が含有されている。このとき、ビード補強層におけるアミン系老化防止剤の含有量が多すぎると加硫成形時に所謂ヤケを生じやすく、少なすぎると老化防止剤の移行を抑制することができないため、ビード補強層におけるアミン系老化防止剤の含有量は、隣接部材におけるアミン系老化防止剤の含有量とのバランスも考慮して設定する必要がある。
【0028】
この点を考慮した上で、隣接部材からビード補強層へのアミン系老化防止剤の移行を抑制するために、本実施の形態においては、ビード補強層のゴム成分100質量部に対するアミン系老化防止剤の含有量が0.3〜8質量部となるように設定されていると共に、ビード補強層中におけるアミン系老化防止剤の含有率A(wt%)と隣接部材中におけるアミン系老化防止剤の含有率B(wt%)との比(B/A)が3〜8となるように設定されている。なお、ビード補強層のゴム成分100質量部に対するアミン系老化防止剤の含有量は、0.5〜2.5質量部であるとより好ましく、1〜1.5質量部であるとさらに好ましい。また、B/Aは3〜8であるとより好ましく、4〜6であるとさらに好ましい。
【0029】
アミン系老化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、ナフチルアミン系、ケトンアミン縮合物系などのアミン誘導体が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ジフェニルアミン系誘導体としては、例えば、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどが挙げられる。p−フェニレンジアミン系誘導体としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。ナフチルアミン系誘導体としては、フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。中でも、フェニレンジアミン系、ケトンアミン縮合物系が好ましい。
【0030】
また、ビード補強層と隣接部材に含まれるアミン系老化防止剤は、同種、または同系のアミン系防止剤の組み合わせでもよく、異種、異系のアミン系老化防止剤の組み合わせでもよい。
【0031】
(3)ビード補強層のゴム物性
ビード補強層のゴム物性の内、70℃におけるtanδ(損失正接)やE(複素弾性率)について適切に設定することにより、隣接部材からビード補強層への老化防止剤の移行を抑制することに加えて、以下のような効果を発揮することができる。
【0032】
(a)70℃におけるtanδ(損失正接)
本実施の形態のタイヤのビード補強層は、70℃におけるtanδ(以下、単に「tanδ」ともいう)が0.14以下であることが好ましい。0.09以下であるとより好ましい。
【0033】
そして、例えば、多目的スポーツ車(SUV)用タイヤでの走行時や寒冷期の走行時に、一定時間静止後に発車させた場合のタイヤ温度が上昇するまでの間に、変形歪、つまりフラットスポットがタイヤのビードエイペックスに蓄えられ、燃費性の悪化を引き起こすが、tanδを上記の値に設定することによりフラットスポットの発生を抑制することができる。
【0034】
(b)E(複素弾性率)
また、ビード補強層を構成するゴム組成物は、70℃におけるEが10MPa以上であることが好ましい。50MPa以上であるとより好ましく、80MPa以上であると特に好ましい。
【0035】
そして、Eを上記の値に設定することにより、十分なハンドル応答性や操縦安定性を確保することができる。
【0036】
なお、上記の70℃におけるtanδおよびEは、加硫ゴム組成物を測定対象として粘弾性測定装置、例えば(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、周波数10Hz、初期歪10%、動的歪5%の条件で、70℃で測定することができる。
【0037】
(4)ビード補強層のゴム組成物
本実施の形態のビード補強層の製造に用いられるゴム組成物は、上記アミン系老化防止剤と共に、主成分であるゴム成分、および、補強材、添加剤などの各種配合材料を、混練することにより得ることができる。
【0038】
(a)ゴム成分
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などのジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、操縦安定性、低燃費性及び押出し加工性を良好に改善できるという点から、NR、IR、BR、SBRが好ましく、NR、BR及びSBRの併用、NR、IR及びSBRの併用がより好ましい。
【0039】
BRとしては、特に限定されず、例えば、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)などを使用できる。なかでも、内在した配向性の結晶成分により、押出し加工性を大きく改善できるという点から、SPB含有BRが好ましい。
【0040】
SPB含有BRを使用する場合、SPB含有BR中におけるSPBの含有率は、ゴム成分100質量部中に、好ましくは15〜40質量部、より好ましくは20〜30質量部である。SPB含有BR中におけるSPBの含有率を上記範囲内とすることにより、押出し加工性を確保することができる。また、それに加えて、ゴム組成物のEを上昇させることができる。なお、SPB含有BR中のSPB含有率は、沸騰n−ヘキサン不溶物量により示される。
【0041】
BRの含有量は、ゴム成分100質量部中に、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。BRの含有量を上記範囲内とすることにより十分な耐久性を確保することができ、さらに十分な押出加工性と破断伸びを確保することができる。
【0042】
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)などを使用することができる。なかでも、カーボンブラックを良好に分散することができ、加工性が良いという点から、E−SBRが好ましい。
【0043】
SBR中のスチレン含有量は、好ましくは10〜40wt%、より好ましくは20〜30wt%である。スチレン含有量を上記範囲内とすることにより、十分な硬度と低燃費性を確保することができる。
【0044】
SBRの含有量は、ゴム成分100質量部中に、好ましくは15〜60質量部、より好ましくは25〜40質量部である。SBRの含有量を上記の範囲内とすることにより、十分な押出加工性を確保することができ、また十分な硬度と低燃費性を確保することができる。
【0045】
NRの含有量は、ゴム成分100質量部中に、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは40〜60質量部である。NRの含有量を上記範囲内とすることにより、十分な破断強度と十分な硬度を確保することができる。
【0046】
IRの含有量は、ゴム成分100質量部中に、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは15〜30質量部である。IRの含有量を上記範囲内とすることにより、加工性を改善することができ、十分な破断伸びを確保することができる。
【0047】
(b)カーボンブラック
本実施の形態のゴム組成物には、補強材としてカーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAF、FF、FEFなどが挙げられる。これらを、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、押出加工性と必要な硬度を両立するという観点からは、ソフトカーボン系のFEFとハードカーボン系のISAF、SAF、HAFの併用が好ましく、ISAFとFEFの併用がより好ましい。
【0048】
上記ゴム組成物中におけるカーボンブラックの含有量としては、ゴム成分100質量部に対して、30〜70質量部であることが好ましく、45〜65質量部であるとより好ましい。ゴム組成物中のカーボンブラックの量を上記の範囲内とすることにより、Eの過度の上昇を抑制することができ、また、さらにゴム組成物のtanδの値を低くすることができる。
【0049】
また、押出し加工性の面から、上記カーボンブラックは、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が30〜50m/gのカーボンブラックを含むことが好ましい。CTABが上記範囲内のカーボンブラックとしては、例えば、FEFが挙げられる。本実施の形態のゴム組成物としては、CTAB吸着比表面積が30〜50m/gのカーボンブラックをゴム成分100質量部に対して、30〜60質量部含有していることが特に好ましい。なお、上記CATB吸着比表面積は、JISK6217−3:2001に準拠して測定することができる。
【0050】
(c)無機フィラー
本実施の形態のゴム組成物において、ソフトカーボン/ハードカーボンの併用を実施しない場合は無機フィラーを含有することが好ましい。上記無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ハードクレー、オースチンブラック、フライアッシュ、マイカなどが挙げられる。なかでも、自己凝集性が低く、走行時に破壊核となりにくく、良好な耐久性が得られる点、更に、押出し加工性(特に、押出しエッジ性)の改善効果も高いという点から、炭酸カルシウムやタルクが好ましく、炭酸カルシウムがより好ましい。
【0051】
上記無機フィラーの平均粒子径(平均一次粒子径)は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜50μm以下である。無機フィラーの平均粒子径を上記範囲内とすることにより、無機フィラーが破壊核となって耐久性の悪化を招くことが抑制される。また、十分な押し出し時の加工性を確保することができる。なお、無機フィラーの平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)で測定することができる。
【0052】
上記無機フィラーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10〜25質量部が好ましい。無機フィラーの量を上記範囲内とすることにより、Eとtanδのバランスを損なうことなく加工性を改善することが可能となる。
【0053】
(d)フェノール系樹脂
本発明のゴム組成物は、フェノール系樹脂を含んでもよい。具体的なフェノール系樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、変性クレゾール樹脂などが挙げられる。上記フェノール樹脂は、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるものであり、上記変性フェノール樹脂は、カシューオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどの化合物を用いて変性したフェノール樹脂である。
【0054】
フェノール系樹脂としては、硬化反応により十分な硬度が得られることで硬い複合球体が形成される点、又は大きな複合球体が形成される点から、変性フェノール樹脂が好ましく、カシューオイル変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂がより好ましい。
【0055】
フェノール系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜20質量部、より好ましくは10〜20質量部である。フェノール系樹脂の合計含有量を上記範囲内とすることにより、十分な硬度を確保することができ、また、低燃費性も確保することができる。
【0056】
(e)その他
本実施の形態の本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合材料、例えば、オイル、ステアリン酸、亜鉛華、硫黄、加硫促進剤などを必要に応じて配合してもよい。各該配合材料の配合量については適宜選択することができる。
【0057】
本実施の形態の本発明のゴム組成物には、通常、硫黄を含む。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1〜8質量部、より好ましくは2〜6質量部である。硫黄の含有量を上記範囲内とすることにより、十分な操縦安定性を確保することができ、硫黄のブルームや粘着性を抑制し、また、耐久性を確保することができる。なお、硫黄の含有量は、純硫黄分量であり、不溶性硫黄を用いる場合はオイル分を除いた含有量である。
【0058】
本発明のゴム組成物は、通常、加硫促進剤を含む。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.5〜5.0質量部、より好ましくは2〜4質量部である。
【0059】
(5)ゴム組成物の製造方法
ゴム組成物は、公知の方法、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練することにより製造することができる。
【0060】
(6)タイヤの製造
本実施の形態のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造することができる。即ち、ゴム組成物を未加硫の段階でビードエイペックスの形状に合わせて押出加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
【0061】
これにより、隣接部材からビード補強層へのアミン系老化防止剤の移行が抑制された優れた耐久性を有する空気入りタイヤを提供することができる。
【0062】
そして、本実施の形態のタイヤの用途は、特に限定されず、乗用車、重荷重車、モトクロス用、その他種々の車両に使用することができる。
【実施例】
【0063】
次に、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例においては、隣接部材としてサイドウォールを配置している。そして、ゴム組成物中における各種材料(ゴムおよび老化防止剤などの配合材料)の含有量は、ゴム成分100質量部に対する質量部で示している。また、アミン系老化防止剤の含有率A、Bはwt%で示している。
【0064】
[1]実験1
1.ゴム組成物の作製
(1)サイドウォール(ビード補強層の隣接部材)のゴム組成物
下記の材料を用いて、表1に示すSW1、SW2、SW3の3種類の配合で、サイドウォールのゴム組成物を作製した。なお、表1においては、隣接部材中におけるアミン系老化防止剤の含有率B(wt%)以外は、質量部で示している。
ゴム成分
NR :TSR20
BR :UBEPOL BR150B(宇部興産社製)
補強材
カーボンブラック:FEF、N550(昭和キャボット社製)
軟化剤
オイル :ダイアナプロセスAH−24(出光興産社製)
アミン系老化防止剤
老化防止剤6C :ノクラック6C(フェニレンジアミン系老化防止剤)(大内新興化 学工業社製)
老化防止剤RD :ノクラックRD(ケトンアミン縮合物系老化防止剤)(大内新興化 学工業社製)
加硫助剤
ステアリン酸 :椿(日油社製)
酸化亜鉛 :亜鉛華(三井金属鉱業社製)
加硫剤
硫黄 :5%油展硫黄(鶴見化学工業社製)
促進剤 :ソクシノールCZ(CZ、住友化学社製)
その他
ワックス :サンノックN(大内新興化学工業社製)
【0065】
【表1】
【0066】
(2)ビード補強層のゴム組成物
下記の材料を用いて表2に示すAP1、AP2、AP3、AP4の4種類の配合で、ビード補強層のゴム組成物を作製した。なお、表2においては、ビード補強層中におけるアミン系老化防止剤の含有率A(wt%)以外は、質量部で示している。そして、表2の最下段に示す含有量はゴム組成物中のアミン系老化防止剤の含有量(質量部)である。
ゴム成分
NR :TSR20
SBR :JSR1502(乳化重合SBR(E−SBR))、スチレン含有 量23.5wt%
補強材
カーボンブラック:ISAF、N220(昭和キャボット社製)、CTAB吸着比表面 積110m/g
T−NS、N330T(昭和キャボット社製)、CTAB吸着比表 面積78m/g
FEF、N550(昭和キャボット社製)、CTAB吸着比表面積 42m/g
炭酸カルシウム :NS#200(日東粉化工業社製)
フェノール樹脂 :スミライトレジンPR12686(ノボラック型フェノール樹脂) (住友ベークライト社製)
加硫助剤
ステアリン酸 :椿(日油社製)
酸化亜鉛 :亜鉛華(三井金属鉱業社製)
老化防止剤
老化防止剤6C :ノクラック6C(フェニレンジアミン系老化防止剤)(大内新興化 学工業社製)
軟化剤
オイル :プロセスオイルA/O MIX(三共油化工業社製)
加硫剤
硫黄 :M95 M/S(日本乾溜社製油展不溶性硫黄)
促進剤 :HMT、サンセラH−T(三新化学工業社製)
:NS、サンセラNS−G(三新化学工業社製)
【0067】
【表2】
【0068】
2.ゴム物性の測定
作成したビード補強層のゴム組成物AP1〜AP4の70℃における「tanδ」および「E」を測定した。なお、測定は、加硫ゴム組成物を測定対象として粘弾性測定装置、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、周波数10Hz、初期歪10%、動的歪5%の条件で、70℃で測定した。
【0069】
【表3】
【0070】
測定の結果を表3に示す。表3に示すように、AP1、AP2においてはEが10MP以上であったがtanδが0.16であった。AP3においてはtanδは0.09以下でありEが10MP以上と良好な結果を示した。さらにAP4、AP5の組成物においては、tanδは0.09以下であり、Eは50MPa以上と特に良好な結果を示した。
【0071】
3.試験用タイヤの作製
(1)実施例1
表4に示すように、サイドウォールとビード補強層にそれぞれゴム組成物SW1、AP3を使用し、ビード補強層に対してサイドウォールが配置されている通常のタイヤ(195/65R15)を作製した。
【0072】
(2)実施例2、3
表4に示すように、実施例2は、ビード補強層に対してサイドウォールがタイヤ軸方向外側に隣接して配置されている外貼り構造としたこと以外は実施例1と同じ方法で試験用タイヤ(195/65R15)を作製した。また、実施例3は、ビード補強層のゴム組成物にAP4を用いたこと以外は実施例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。
【0073】
(3)実施例4〜6
実施例4〜6は、サイドウォールとビード補強層のそれぞれに、表4に示す各ゴム組成物を使用し、外貼り構造としたこと以外は実施例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。
【0074】
(4)比較例1
表5に示すように、ビード補強層にゴム組成物AP1を使用したこと以外は実施例1と同じ方法で試験用タイヤを作製した。
【0075】
(5)比較例2〜6
表5に示すように、比較例2はビード補強層にゴム組成物AP1を使用したこと以外は実施例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。比較例3、4は、サイドウォールにそれぞれゴム組成物SW2、SW3を使用したこと以外は比較例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。比較例5はサイドウォールにゴム組成物SW3を使用し、ビード補強層にゴム組成物AP2を使用したこと以外は比較例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。比較例6はサイドウォールにゴム組成物SW2を使用し、ビード補強層にゴム組成物AP3を使用したこと以外は比較例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。
【0076】
(6)比較例7〜9
比較例7〜9は、サイドウォールとビード補強層のそれぞれに、表4に示す各ゴム組成物を使用し、外貼り構造としたこと以外は比較例2と同じ方法で試験用タイヤを作製した。
【0077】
4.評価方法
(1)加工性
中間加工時のスクラップ率を求め、比較例1を基準として、下式によりに指数化し評価した。数値が大きい程優れていることを示している。
加工性=[スクラップ率(比較例1)/スクラップ率(評価対象)]×100
【0078】
(2)操縦安定性
試験用タイヤを車輌(国産のFF車、排気量2000cc)の全輪に装着して、ドライアスファルトのタイヤテストコースを速度80km/hで2時間走行し、そのときの操縦安定性(操舵応答性、グリップ感など)を、ドライバーにより官能評価した。評価は、比較例1を基準として、下式によりに指数化し評価した。数値が大きい程優れていることを示している。
操縦安定性=[操縦安定性(評価対象)/操縦安定性(比較例1)]×100
【0079】
(3)耐クラック性能
試験タイヤをオゾン濃度50pphm、雰囲気温度40℃の条件で9日間の期間暴露してクラックの発生状況を検査し、クラック発生による不良率(C不良率)を求め、比較例1を基準として、下式によりに指数化し評価した。数値が大きい程優れていることを示している。
耐クラック性能=[C不良率(比較例1)/C不良率(評価対象)]×100
【0080】
(4)外観性能
試験タイヤ各10本を屋外で半年間暴露し、サイドウォール表面の老化防止剤の析出状況を目視検査し、析出による不良率(E不良率)を求め、比較例1を基準として、下式によりに指数化し評価した。数値が大きい程優れていることを示している。
外観性能=[E不良率(比較例1)/E不良率(評価対象)]×100
【0081】
5.評価結果
実施例1〜6の評価結果を表4に、比較例1〜9の評価結果を表5に示す。なお、表4、5には、各実施例、比較例におけるそれぞれのゴム組成物およびB/Aの値を併せて記載している。
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
試験の結果、加工性に関しては、表4、5より、通常構造の比較例1との比較において、全ての実施例で120以上であり、また、比較例2〜9においても比較例5を除く全ての比較例で100以上であり、外貼り構造とすることにより、良好な加工性が得られることが分かる。
【0085】
操縦安定性については、全ての実施例と比較例において良好であった。
【0086】
耐クラック性能については、全ての実施例において良好であり、特に実施例5が118と非常に良好であった。一方、比較例においては、サイドウォールにおけるアミン系老化防止剤の濃度が低い比較例4、比較例5、比較例7、比較例9とエイペックスに当該老化防止剤を含有しない比較例2でクラックの発生が観察された。
【0087】
外観性能については、全ての実施例において良好であり、特に実施例3と実施例4が110と非常に良好であった。一方、比較例においては、サイドウォールのアミン系老化防止剤の濃度が最も高い比較例6、比較例8において最も多く当該老化防止剤の析出が観察された。またエイペックスに当該老化防止剤を含有しない比較例2〜4においても析出が観察された。また、さらに、比較例5、比較例7、比較例8においても析出が観察された。
【0088】
そして、エイペックスのゴム組成物に所定量のアミン系老化防止剤が含有されていないまた、B/Aが所定の範囲内にないタイヤではいずれかの性能の低下が観察された。また、エイペックスのゴム組成物にアミン系老化防止剤を含有しているタイヤでも、B/Aが高い比較例である比較例6、比較例8においてはいずれかの性能、特に外観性能の低下が見られ、低い比較例である比較例5、比較例7、比較例9においては、いずれかの性能、特に耐クラック性能の低下が見られた。それに対して、B/Aが3〜8の範囲内である実施例1〜6の場合においては、試験した性能の低下は見られず、特に実施例2〜実施例6においては全ての性能の向上が見られた。
【0089】
また、ビード補強層に70℃におけるtanδが0.09以下でありEは50以上の値を有するAP4、AP5を用いたタイヤで良好な試験結果が得られており、タイヤのビード補強層の組成物に当該数値範囲のtanδとEの値を有するゴム組成物を使用することが好ましいことが示唆された。
【0090】
[2]実験2
1.老化防止剤の移行試験
同じゴム組成物(AP4)をビード補強層に使用し、サイドウォールのアミン系老化防止剤量のみが異なり、そのためB/Aが異なる実施例3(B/A=4.6)と比較例8(B/A=11.2)のタイヤを用いて、移行によるビード補強層におけるアミン系老化防止剤の含有率A(wt%)の変化と増加率(%)を試験した。試験期間は180日とし、開始時(0日)、そして14日、30日および180日後のビード補強層中のアミン系老化防止剤の含有率Aを液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【0091】
2.評価結果
実施例3、比較例8の評価結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】
試験の結果、B/Aが11.2である比較例8においては、180日後の含有率が1.9wt%で増加率が273%であるのに対してB/Aが4.6である実施例3においては、180日後の含有率が0.8wt%で増加率が60%と顕著な移行の抑制効果が観察された。
【0094】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 タイヤ
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド
5 リム
21 ビードコア
22 ビードエイペックス
23 ビード補強層
24 クリンチ
25 チェーファ
26 ストリップエイペックス
31 サイドウォール部
32 第一カーカスプライ
33 第二カーカスプライ
34 インナーライナ
CL タイヤ赤道
図1
図2
図3