(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体の供給によりガス配管を加圧してガス配管の気密検査を行う場合に加圧開始状態に到達してから予め定めた検査対象時間の間に、単位時間毎に圧力値を検出するセンサの前記圧力値を取得する取得部と、
前記取得部で取得した複数の圧力値により定まる圧力変化特性に基づいて、前記圧力変化特性の少なくとも一部の圧力変化であって、予め定められた前記圧力変化を示す検査結果の適否を定めた検査条件に従って検査結果の適否を判定する判定部と、
を備えたガス配管気密検査装置であって、
前記判定部は、
前記圧力変化特性に基づいて、前記加圧開始状態に到達してから予め定めた所定時間より以降の圧力変化が第1閾値未満のとき、前記検査結果を不適とする条件を含む検査条件にしたがって検査結果の適否を判定する
ガス配管気密検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガス配管の気密検査には、検査環境等の検査条件が予め定められている。例えば、気密検査装置を接続する配管までの容量に関する容量条件、及び検査時間に関する時間条件が定められている。このような検査条件に従って気密検査装置を配管等の検査対象に接続して気密検査を実行する。しかし、例えば、気密検査時の空気などの流体の加圧の開始及び終了の両者の圧力変化から検査結果を得る場合、容量条件を満たさずに、例えば、気密検査装置から配管までにガスを収容する管などの容積が小さい等の環境で、検査を実行すると、所定容量の容量条件が定められた検査条件に適合しない場合であっても適正な検査結果が得られることがあり、正確性に欠ける検査結果となる場合がある。従って、ガス配管の気密検査を適正に実行するのには、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、本開示は、配管による容積を考慮せずにガス配管の気密試験を行う場合と比べて、気密検査の精度を向上することができるガス配管気密検査装置、ガス配管気密検査システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様は、
流体の供給によりガス配管を加圧してガス配管の気密検査を行う場合に加圧開始状態に到達してから予め定めた検査対象時間の間に、単位時間毎に圧力値を検出するセンサの前記圧力値を取得する取得部と、
前記取得部で取得した複数の圧力値により定まる圧力変化特性に基づいて、前記圧力変化特性の少なくとも一部の圧力変化であって、予め定められた前記圧力変化を示す検査結果の適否を定めた検査条件に従って検査結果の適否を判定する判定部と、
を備えたガス配管気密検査装置である。
【0008】
上記構成によれば、ガス配管の気密検査を行った圧力変化特性を用いて検査条件に従って気密検査の検査結果の適否を判定するので、容積を考慮せずにガス配管の気密試験を行う場合と比べて、気密検査の精度を向上することができる。
【0009】
第2態様は、第1態様に記載のガス配管気密検査装置において、
前記判定部は、
前記圧力変化特性に基づいて、前記加圧開始状態に到達してから予め定めた所定時間より以降の圧力変化が第1閾値未満のとき、前記検査結果を不適とする条件を含む検査条件にしたがって検査結果の適否を判定する。
【0010】
上記構成によれば、加圧開始状態に到達してから所定時間より以降の圧力変化から検査結果を判定するので、気密検査で対象とするガス配管より容量が小さいガス配管を判定することができる。よって、気密検査で対象とするガス配管より容量が小さいガス配管を不適とすることが容易となり、気密検査の精度を向上することができる。
【0011】
第3態様は、第2態様に記載のガス配管気密検査装置において、
前記判定部は、
前記圧力変化特性について、前記加圧開始状態に到達してから予め定めた所定時間の間の圧力変化が第2閾値以上のとき、前記検査結果を不適とする条件を含む検査条件にしたがって検査結果の適否を判定する。
【0012】
上記構成によれば、気密検査で対象とするガス配管より容量が小さいガス配管による気密検査で加圧開始状態に到達後の加圧の当初に現れる圧力変化から、容量が小さいガス配管による気密検査を判別することができる。よって、気密検査で対象とするガス配管より容量が小さいガス配管を不適とすることがさらに容易となり、気密検査の精度を向上することができる。
【0013】
第4態様は、第1態様から第3態様の何れか1態様に記載のガス配管気密検査装置において、
前記判定部の判定結果として前記検査結果の適否を示す情報を含む検査結果情報を出力する出力部をさらに備える。
【0014】
上記構成によれば、検査結果情報を出力することで、ユーザは検査結果の適否を確認することが可能となる。
【0015】
第5態様は、第4態様に記載のガス配管気密検査装置において、
現在位置を特定する特定部をさらに備え、
前記出力部は、
前記特定した前記現在位置を示す位置情報、及び前記検査結果情報を出力する。
【0016】
上記構成によれば、現在位置を示す位置情報を出力することが可能なため、ユーザは、気密検査を行った検査場所を確認することが可能となる。
【0017】
第6態様は、
検査位置において流体の供給によりガス配管を加圧してガス配管の気密検査を行うガス配管気密検査システムにおいて、
加圧開始状態に到達してから予め定めた検査対象時間の間に、単位時間毎に圧力値を検出するセンサの前記圧力値を取得する取得部と、
現在位置を特定する特定部と、
検査位置を入力する入力部と、
前記取得部で取得した複数の圧力値により定まる圧力変化特性に基づいて、前記圧力変化特性の少なくとも一部の圧力変化であって、予め定められた前記圧力変化を示す検査結果の適否を定めた検査条件に従って検査結果の適否を判定する圧力判定部と、検出された前記現在位置と、入力された検査位置とを比較し、比較結果に基づいて、前記検査結果の適否を判定する位置判定部と、を含み、前記圧力判定部の判定結果及び前記位置判定部の判定結果の各々が前記検査結果が適正と判定した場合にのみ前記検査結果が適正と判定する判定部と、
を備えたガス配管気密検査システムである。
【0018】
上記構成によれば、ガス配管の気密検査を行った圧力変化特性を用いて検査条件に従って気密検査の検査結果の適否を判定するので、容積を考慮せずにガス配管の気密試験を行う場合と比べて、気密検査の精度を向上することができる。
【0019】
第7態様は、
流体の供給によりガス配管を加圧してガス配管の気密検査を実行するガス配管気密検査装置の制御を行うプログラムであって、
プロセッサに、
流体の供給によりガス配管を加圧してガス配管の気密検査を行う場合に加圧開始状態に到達してから予め定めた検査対象時間の間に、単位時間毎に圧力値を検出するセンサの前記圧力値を取得し、
取得した複数の圧力値により定まる圧力変化特性に基づいて、前記圧力変化特性の少なくとも一部の圧力変化であって、予め定められた前記圧力変化を示す検査結果の適否を定めた検査条件に従って検査結果の適否を判定する、
ことを処理させる特徴とする、プログラムである。
【0020】
上記構成によれば、気密検査で対象とするガス配管より容量が小さいガス配管を判定することが可能な処理をプロセッサに実行させることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本開示によれば、配管による容積を考慮せずにガス配管の気密試験を行う場合と比べて、気密検査の精度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を説明する。
なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0024】
図1は、本開示の実施形態に係るガス配管気密検査システム1の構成の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、ガス配管気密検査システム1は、ガスメータ2、屋内ガス配管等の屋内配管3、ガス配管気密検査装置4、供給配管5、被配管6、及び接続管7を備えている。ガスメータ2には供給配管5が接続され、供給配管5を介して都市ガスやプロパンガスなどの流体が供給される。ガスメータ2は、被配管6を介してガス機器などに接続された屋内配管3に接続されており、ガス機器などに接続された屋内配管3にはガスメータ2を介して流体が供給される。また、被配管6には、接続管7が接続されたガス配管気密検査装置4が接続され、ガス配管気密検査装置4によって空気等の検査用流体が接続管7を介して被配管6へ供給される。
【0026】
ガス配管気密検査装置4は、装置出力側、例えば、ガスメータ2、屋内ガス配管等の屋内配管3、供給配管5、被配管6、及び接続管7が連通された検査対象配管における圧力を検出する圧力センサ46を備えている。
【0027】
また、ガス配管気密検査装置4は、その検査対象配管に空気等の検査用流体を手動又は自動で供給する供給部45を備えている。ガス配管気密検査装置4は、供給部45によって、検査対象配管に空気等の流体を供給し、圧力センサ46によって検査対象配管における圧力を検出する。ガス配管気密検査装置4は、流体の供給により気密検査を行う。
【0028】
また、ガス配管気密検査装置4は、加圧を開始してから検査対象時間において、圧力センサ46により逐次検出された圧力値を取得し、取得した複数の圧力値により定まる圧力変化特性から、検査結果の適否を判定する。本実施形態では、加圧開始状態に到達してから予め定めた検査対象期間における圧力変化特性に基づいて、検査結果の適否を判定する。なお、加圧開始状態は、加圧を開始した直後の状態、加圧を開始してから一定時間経過後の状態、及び加圧中に検出された圧力値が所定圧力(例えば実験的に求められた初期の変動圧力を考慮して定められた圧力値)に到達した状態を含む。
【0029】
なお、ガス配管気密検査システム1は、本開示のガス配管気密検査システムの一例である。
【0030】
ガス配管気密検査装置4は、供給部45によって、検査対象配管に空気等の流体を供給し、圧力センサ46によって検出された検査対象配管における圧力値を用いて検査結果を導出する。
【0031】
検査結果の一例には、流体を供給する加圧時の検査対象配管における圧力値、圧力値の変化を示す圧力変化特性、検査位置としての検査場所、検査日時、及び検査者等が挙げられる。
【0032】
本実施形態では、ガス配管気密検査装置4は、検査対象配管に空気などの流体を供給する場合、予め定められた検査条件を考慮しながら、気密検査を行う。
【0033】
検査条件は、ガス配管気密検査装置4を接続する配管までの容量に関する容量条件、及び検査時間に関する時間条件を含む。容量条件は、検査対象に定めた配管の容量に関する条件であり、検査対象に定めた容量の配管に現れる特性(例えば圧力)に対して気密検査の適否を定めた条件である。時間条件は、気密検査の実行時の時間に関する条件であり、実行前後、及び実行時間を定めた条件である。この容量条件及び時間条件は、組み合わせた条件でもよい。なお、気密検査の適否は、検査結果の適否でもある。
【0034】
ガス配管気密検査装置4は、検査条件に従って、検出された圧力、及び圧力の変化(圧力変化特性)が、検査条件を満たすか否かを判定することで、気密検査の検査結果に対する適否を判定する。例えば、気密検査で不適として定められた特性を含む圧力変化特性のときに気密検査不適とすることを検査条件とした場合、検査条件を満たす場合は、検査結果が不適であると判定する。従って、ガス配管気密検査装置4は、検査条件に従って検査結果の適否を判定する。
【0035】
容量条件及び時間条件を含む検査条件の一例として、接続管7のみにより検査対象配管が構築された場合の圧力変化特性を、気密検査が不適な特性として定め、これを含む圧力変化特性のときに気密検査不適とする検査条件を用いることが可能である。例えば、検査対象配管として標準的な配管の容量より小さい容量の配管に関する圧力変化特性を、気密検査が不適な圧力変化特性に定める。すなわち、標準的な配管の容量より小さい容量を容量条件として定め、圧力変化特性に対して気密検査で対象とする少なくとも一部の時間範囲を時間条件として定める。これにより、圧力変化特性に対して、容量条件及び時間条件を含む検査条件を適用することが可能である。
【0036】
図2Aは、実施形態に係るガス配管気密検査装置で検出される圧力変化特性の一例を示す図である。
図2Aは、流体の供給時間と圧力センサ46により検出された圧力値との対応に関する時間特性(圧力変化特性)の一例である。また、
図2Aでは、小容量の配管に対して実行された気密検査の例として、2種類の圧力変化特性が示されている。
【0037】
図2Aでは、2種類の圧力変化特性の一例としてパターンPt1、Pt2を示している。パターンPt1は1回の加圧、例えば連続的に流体を供給したときの圧力変化特性を示し、パターンPt2は複数回の加圧、例えば二連球ポンプの複数回押下により流体を供給したときの圧力変化特性を示す。
図2Aに示す例では、圧力変化特性は、早期に安定したり、一時的に安定したり、一時的に上昇(オーバシュート)したりする圧力変化特性を含む。本実施形態に係るガス配管気密検査装置4は、圧力変化特性の一部に現れる圧力変化状態を検査結果の判定に利用する。
【0038】
具体的には、不適な気密検査では、圧力変化特性に所定の特徴が現れる。例えば、検査条件の内、容量条件として、ガス配管気密検査装置4を接続先である検査対象配管で想定される容量が設定される。また、時間条件として、容量条件に設定された容量の検査対象配管における検査対象の検査時間が設定される。設定された条件下では、例えば、一方が閉塞された接続管7の他方にガス配管気密検査装置4が接続されると、検査対象配管で想定される容量より小さい容量の配管が検査対象配管として扱われるので、その検査状況は好ましくない。このような接続管7のみにより検査対象配管が構築された場合、流体の供給を開始してから早期に所定圧力に安定してしまう。すなわち、容量条件として設定された標準的な配管の容量より小さい容量の配管に対する圧力変化特性において、時間条件として設定された検査対象の検査時間、例えば、標準的な配管で現れる圧力が安定するまでの時間より短期間で圧力が安定するという特徴が現れる。よって、検査対象配管で想定される容量を容量条件とし、圧力が安定するまでの時間を時間条件とすることで、検査対象配管で想定される容量より小さい容量の配管を判別可能である。
【0039】
本実施形態では、小容量の配管では早期に所定圧力に到達して安定することを第1の特徴を示す容量条件及び時間条件を含む検査条件として判定に利用する。予め定めた検査対象時間(
図2Aに時間Txとして示す。)に対して、検査対象配管で想定される容量より小容量の配管を判別可能とするために、予め定めた標準的な配管について、流体の供給開始後、所定圧力(
図2Aに圧力Poとして示す。)に到達してから安定するまでの初期時間(
図2Aに時間T2として示す。)を予め実験等で計測しておき、その初期時間を超えた以降の時間を経過時間(
図2Aに時間T1として示す。)と定める。経過時間(T1)における圧力変化、すなわち、圧力変化特性が平坦になる、圧力変化量が閾値以内、又は圧力変化率が閾値以内である場合は、好ましくない検査状況である。
【0040】
本実施形態では、初期時間(
図2Aに示す時間T2)を超えた以降の時間を経過時間(
図2Aに示す時間T1)として定めた場合を説明するが、初期時間と経過時間との定めはこれに限定されない。例えば、初期時間と経過時間との一部を重複させてもよく、初期時間と経過時間との間に一定の時間間隔を定めてもよい。また、初期時間と経過時間とは、検査対象時間(
図2Aに示す時間Tx)に定めた場合を説明するが、初期時間と経過時間とは、検査対象時間内に含まれていればよい。例えば、初期時間は、流体の供給開始の初期の圧力変化を検出可能な時間を含むように設定されればよく、経過時間は、流体の供給による圧力変化が安定した状態で圧力変化を検出可能な時間を含むように設定されればよい。
【0041】
本実施形態では、時間条件の一例として、標準的な配管の気密検査の時間として、検査対象配管で想定される容量より小容量の配管を判別可能とする検査時間より充分に長い検査対象時間(
図2Aに時間Txとして示す。例えば、30秒。)が設定される。この検査対象時間(Tx)に対して、検査対象配管で想定される容量より小容量の配管を判別可能とするために、小容量の配管に対して、流体の供給開始後、所定圧力(
図2Aに圧力Poとして示す。)となる加圧開始状態に到達してから圧力が安定するまでの時間を予め実験等で計測しておき、初期時間として定める。この初期時間は時間条件として設定される時間の一例である。
図2Aに示す例では、パターンPt2により定めた時間T2が示されている。そして、検査対象時間(時間Tx)のうちの初期時間を超えた以降の時間を経過時間(
図2Aに時間T1として示す。)と定める。この経過時間も時間条件として設定される時間の一例である。このように定めた経過時間(T1)における圧力変化が小さい場合は、好ましくない検査状況である。この場合における圧力変化が小さいとは、圧力変化特性が平坦になる、圧力変化量が予め定めた閾値以内、又は圧力変化率が予め定めた閾値以内である状態が適用される。
【0042】
このような経過時間(T1)に圧力変化が小さいことを第1の特徴を示す容量条件及び時間条件を含む検査条件として、圧力変化特性が検査条件に該当する場合に検査結果が不適と判定する。ガス配管気密検査装置4は、圧力変化特性に関する第1の特徴を示す特徴データを検査条件として記憶することが可能になっている。ガス配管気密検査装置4は、流体の供給を開始してから逐次圧力を取得し、圧力変化特性を導出する。そして、記憶された特徴データを参照し、検査結果の適否を判定する第1判定を行う。
【0043】
この第1判定について具体的に説明する。本実施形態では、第1判定において経過時間(T1)に圧力変化が小さいことを検出するために、経過時間内に圧力変化が小さいか否かを特定する単位時間当たりの圧力変化特性の傾きを用いる。
【0044】
単位時間当たりの圧力変化特性の傾きは、経過時間における3秒を1単位とした小期間の圧力特性の傾きを最小二乗法によって算出する。算出された傾きの数が、予め定めた個数未満の場合に、検査不適と判定する。すなわち、経過時間(T1)内における、所定値以上の圧力変化量又は圧力変化率の数が第1閾値未満の場合、検査不適と判定する。第1閾値は、例えば、予め実験等によって定められた所定値(例えば傾きの絶対値が6Pa/秒以上となる傾きの個数が5個)を適用する。通常の気密検査の経過時間における圧力変化特性では、圧力変化特性の傾きが安定しない。そこで、第1閾値は、通常の気密検査で現れる圧力変化特性の傾きを実験的に導出して定めることが可能である。そして、算出された傾きのうち実験等により導出された、例えば傾きの絶対値が6Pa/秒以上となる傾きの個数が5個未満に該当する場合に、検査結果が不適と判定する。一方、例えば6Pa/秒以上となる傾きの個数が5個以上に該当する場合に、検査結果が適正と判定する。
【0045】
図2Bは、実施形態に係るガス配管気密検査装置で検出される圧力変化特性の具体例を示す図である。
図2Bは、2種類の圧力変化特性のうち、パターンPt1について異なる検査環境における気密検査による圧力変化特性を示すパターンPt1Aと、パターンPt1Bとが示されている。パターンPt1Aは、小容量の配管による検査対象配管に対する気密検査の圧力変化特性を示し、パターンPt1Bは、適正な配管による検査対象配管に対する気密検査の圧力変化特性を示す。パターンPt2は、適正な配管による検査対象配管に対する気密検査の圧力変化特性を示す。
【0046】
図2Cは、圧力変化特性の傾きの変化に関する一例を示す図である。
図2Cは、経過時間と圧力変化特性の傾きとの対応に関する時間特性の一例である。
図2Cに示す例では、6Pa/秒以上となる傾きの圧力変化が、パターンPt1Aでは「0」個、パターンPt1Bでは「0」個、パターンPt2では「5」個であることを示している。
【0047】
従って、パターンPt1Aによる圧力変化特性の検査結果は不適と判定される。一方、パターンPt2による圧力変化特性の検査結果は適正と判定される。これにより検査対象配管で想定される容量より小容量の配管を判別可能となる。
【0048】
ところで、パターンPt1Bによる圧力変化特性の検査結果は不適と判定される。これは、パターンPt1Bとなる検査対象配管の検査状況が、小容量の配管による検査対象配管による検査状況に近いためであると考えられる。従って、適切な検査対象配管に対する検査状況の検査結果を適切に判別することが好ましい。
【0049】
すなわち、適切な検査対象配管により気密検査が行われたにも拘らず第1の特徴を示す容量条件及び時間条件を含む検査条件に該当すると、検査結果が不適と判定される虞がある。ところが、好ましくない検査状況、例えば、小容量の配管による検査対象配管に対する気密検査では、初期時間(T2)における圧力変化特性に減少傾向の圧力変化が現れる。これは、小容量の配管による検査対象配管では、流体の供給を開始してから早期に所定圧力に安定し、流体の供給が停止されることで、圧力が徐々に低下すると考えられるためである。
【0050】
そこで、初期時間に減少傾向の圧力変化が現れる特徴を、第2の特徴を示す容量条件及び時間条件を含む検査条件として判定に利用する。すなわち、時間条件としての初期時間において、容量条件による圧力変化特性が減少傾向の圧力変化を示すことを第2の特徴を示す検査条件として判定に利用する。
【0051】
具体的には、小容量の配管による検査対象配管に対する気密検査時の初期時間における圧力変化量の閾値や圧力変化率を予め実験等で計測しておき、気密検査時の圧力変化特性が圧力変化量の閾値や圧力変化率より小さい場合は好ましくない検査状況である。すなわち、初期時間内において減少傾向の圧力変化が支配的な場合は、好ましくない検査状況である。そこで、初期時間に現れる圧力変化に関する第2の特徴を示す容量条件及び時間条件を含む検査条件として、圧力変化特性が検査条件に該当する場合に検査結果が不適と判定する第2判定を行う。ガス配管気密検査装置4は、圧力変化に関する第2の特徴を示す、圧力変化量の閾値、及び圧力変化率の閾値等の特徴データを検査条件として記憶することが可能になっている。従って、第1判定で、第1の特徴による検査条件に従って不適と判定された場合に、さらに第2判定で、第2の特徴を示す検査条件に従って、すなわち初期時間内の圧力変化特性が第2の特徴による検査条件に従って適否を判定することで、検査結果の適否の判定精度は向上する。
【0052】
この第2判定について具体的に説明する。本実施形態では、第2判定において初期時間(T2)に減少傾向の圧力変化が支配的であることを判定するために、第1判定と同様に単位時間当たりの圧力変化特性の傾きを用いる。
【0053】
すなわち、単位時間当たりの圧力変化特性の傾きは、初期時間における3秒を1単位とした小期間の圧力特性の傾きを最小二乗法によって算出する。初期時間(例えば、7秒)における算出では、6つの傾きが算出される。算出された傾きの数が、予め定めた所定数以上の場合に、検査不適と判定する。すなわち、初期時間(T2)内で、圧力変化量又は圧力変化率が小さく、減少傾向の圧力変化が支配的であることを示す所定値未満の傾きの数が第2閾値以上の場合、検査不適と判定する。第2閾値は、例えば、予め実験等によって定められた所定値(例えば−4Pa/秒)未満となる圧力変化の数(例えば4つ)を適用する。通常の気密検査の初期時間における圧力変化特性では、減少傾向の圧力変化が支配的にならない。そこで、第2閾値は、通常の気密検査で現れる圧力変化特性における単位時間当たりの傾きの数を実験的に導出して定めることが可能である。そして、所定値(例えば−4Pa/秒)未満に該当する傾きが所定数(例えば4つ)以上の場合に、検査結果が不適と判定する。一方、所定値(例えば−4Pa/秒)未満に該当する傾きが所定数(例えば4つ)未満の場合に、検査結果が適正と判定する。
【0054】
図2Dは、第1判定で、検査結果が不適と判定されたパターンPt1Aと、パターンPt1Bとの圧力変化特性の傾きの変化に関する一例を示す図である。
図2Dは、初期時間と圧力変化特性の傾きとの対応に関する時間特性の一例である。
図2Dに示す例では、−4Pa/秒未満となる傾きの圧力変化が、パターンPt1Aでは「4」個、パターンPt1Bでは「2」個となることを示している。従って、パターンPt1Aによる圧力変化特性の検査結果は不適と判定される。一方、パターンPt1Bによる圧力変化特性の検査結果は適正と判定される。これにより検査対象配管で想定される容量より小容量の配管を判別可能となる。
【0055】
従って、第1判定で、第1の特徴による検査条件に従って不適と判定された場合、不適と判定された検査結果を、不適な検査結果の候補に定める。そして、候補に定めた検査結果に対して、さらに第2判定で、第2の特徴を示す検査条件に従って、適否を判定することで、気密検査の検査結果の適否の判定精度は向上する。
【0056】
また、ガス配管気密検査装置4の検査結果には、検査場所(検査位置)を識別するために気密検査を実行した検査場所を含むことが好ましい。しかし、検査場所を自由に変更可能である場合、実際に気密検査を実行した検査場所と異なる場所が検査結果に含まれてしまうため、好ましくない。
【0057】
気密検査を実行した実際の検査場所は、検査結果を特徴づける情報であるため、本実施形態では、気密検査を実行した検査場所を第3の特徴として検査条件に含めることが可能である。
【0058】
具体的には、検査場所を含む検査条件の一例には、ガス配管気密検査装置4の位置がGPS等により自動的に検出された場合、気密検査を実行した検査場所として検査場所を検査結果に含ませることが挙げられる。例えば、気密検査の実行時に、ガス配管気密検査装置4の位置を検出することで、気密検査を実行した検査場所を自動的に特定する。気密検査を実行した検査場所を示す位置情報を検査結果に含ませる第3の特徴を示す検査条件とすることによって、検査結果の適否をユーザが確認可能である。
【0059】
また、検査場所を含む検査条件の他例には、自動的に検出した検査場所と、入力された検査場所との比較結果により検査結果の適否を判定することが挙げられる。例えば、気密検査を実行したオペレータが検査場所を入力可能とする場合、自動的に検出した検査場所と、入力された検査場所とを比較することで、検査場所の適否を判別可能である。自動的に特定した検査場所と、入力された検査場所とが合致することを第3の特徴を示す検査条件とすることによって、自動的に特定した検査場所と、入力された検査場所とが相違する場合、検査結果を不適と判定することが可能となる。
【0060】
図3は、本実施形態に係るガス配管気密検査装置4の電気的な構成の一例を示す図である。
【0061】
図3に示すように、本実施形態に係るガス配管気密検査装置4は、制御部40と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、供給部45と、圧力センサ46と、位置検出部(
図3では、GPSと表記)47と、通信部48と、を備えている。なお、位置検出部(GPS)47、及び通信部48は、省略してもよい。なお、操作部44は、本開示の入力部の一例であり、表示部43は、本開示の出力部の一例である。
【0062】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)40A、RAM(Random Access Memory)40B、ROM(Read Only Memory)40C、及び入出力インターフェース(I/O)40Dを備えており、これら各部がバス40Eを介して各々接続されている。また、バス40Eには、記憶部42が接続されている。
【0063】
I/O40Dには、表示部43と、操作部44と、供給部45と、圧力センサ46と、位置検出部(GPS)47と、通信部48と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O40Dを介して、CPU40Aと相互に通信可能とされる。
【0064】
制御部40は、ガス配管気密検査装置4の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、ガス配管気密検査装置4の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部40の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部40の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0065】
記憶部42としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部42には、本実施形態に係るガス配管気密検査処理を実行するための制御プログラム42Pが記憶されている。また、記憶部42には、上述した検査条件を示す情報を含むデータ42Dが記憶される。なお、記憶部42は、I/O40Dを介してバス40Eに接続してもよい。
【0066】
制御プログラム42Pは、ROM40Cに記憶されていてもよいし、外部装置から取得して実行してもよい。例えば、ガス配管気密検査装置4に予めインストールされていてもよいし、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、ガス配管気密検査装置4に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0067】
表示部43には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。操作部44には、操作入力用のマウスやキーボード等が用いられる。なお、表示部43及び操作部44は、タッチパネルを用いて一体的に構成していてもよい。
【0068】
供給部45は、検査対象配管に検査用流体(例えば空気)を手動又は自動で供給する機能部であり、本実施形態では、制御部40の制御によって、検査用流体(例えば空気)を検査対象配管に供給する場合を説明する。圧力センサ46は、検査対象配管における圧力を検出するセンサである。位置検出部(GPS)47は、ガス配管気密検査装置4の現在位置を検出する機能部である。
【0069】
通信部48は、有線通信又は無線通信によって、外部装置との間でデータを通信するための機能部である。また、通信部48は、インターネット等のネットワークに接続可能とされており、外部装置との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0070】
図4は、本実施形態に係るガス配管気密検査装置4の機能的な構成の一例を示すブロック図である。ガス配管気密検査装置4のCPU40Aは、記憶部42に記憶されている制御プログラム42PをRAM40Bに書き込んで実行することにより、
図4に示す各部として機能する。
【0071】
図4に示すように、本実施形態に係るガス配管気密検査装置4のCPU40Aは、取得部411、圧力変化特性導出部412、第1判定部413、第2判定部414、検査結果作成部415、位置特定部416、及び第3判定部417の各々の機能部を含む。
【0072】
CPU40Aに含まれる機能部は、本開示のガス配管気密検査装置として動作する機能部の一例である。取得部411は、本開示の取得部の一例であり、圧力変化特性導出部412は、本開示の導出部の一例であり、第1判定部413、第2判定部414、及び第3判定部417は、本開示の判定部の一例である。位置特定部416は、本開示の特定部の一例である。検査結果作成部415は、本開示の出力部の一例である。また、第1判定部413若しくは第1判定部413及び第2判定部414は、本開示の圧力判定部の一例であり、第3判定部417は、本開示の位置判定部の一例である。
【0073】
取得部411は、圧力センサ46の圧力値を時系列に取得する機能部である。なお、取得部411は、ユーザによって入力された検査場所、検査日時、及び検査者等の検査に関係する検査関連情報、及びガス配管気密検査装置4の位置情報(例えば位置検出部47で検出された現在位置を示す情報)を取得することが可能である。
【0074】
圧力変化特性導出部412は、取得部411で時系列に取得された圧力値から圧力変化特性を導出する機能部である。第1判定部413は、上述した第1の特徴を示す検査条件を用いて、導出された圧力変化特性による検査結果の適否を判定する機能部である。第2判定部414は、上述した第2の特徴を示す検査条件を用いて、導出された圧力変化特性による検査結果の適否を判定する機能部である。位置特定部416は、気密検査の検査場所を特定する機能部であり、取得部411で取得された情報を用いて、検出された検査場所と入力された検査場所とを特定することが可能である。第3判定部417は、上述した第3の特徴を示す検査条件を用いて、検査結果の適否を判定する機能部である。検査結果作成部は、ガス配管気密検査装置4による検査結果を示す情報、例えば、ユーザに確認させるための検査票を作成する機能部である。
【0075】
次に、本実施形態に係るガス配管気密検査装置4の作用について説明する。ここでは、予め定められた検査条件に従って検査結果を判定するガス配管気密検査装置4の処理について説明する。
【0076】
図5は、制御プログラム42Pの処理の流れの一例を示すフローチャートである。すなわち、CPU40Aが制御プログラム42Pを実行することによって、ガス配管気密検査装置4では、気密検査処理が実行される。すなわち、気密検査を実行した検査結果の適否を判定する処理を含む気密検査処理が実行される。
【0077】
なお、
図5に示す処理ルーチンは、上述した第1の特徴及び第2の特徴を考慮した容量条件及び時間条件を含む検査条件によって検査結果の適否を判定する処理を含む。また、検査場所、検査日時、及び検査者等の検査に関係する検査関連情報は予め入力され、記憶部に記憶されているものとする。
【0078】
CPU40Aは、ステップS100で、供給部45を制御して流体を供給することにより加圧を開始し、ステップS102で、取得部411として、圧力変化特性を導出するための圧力値を取得する。具体的には、単位時間(例えば1秒)毎に圧力センサ46のセンサ出力を取得し、時系列に記憶する。すなわち、検出時刻とセンサ出力である圧力値とを対応付けて記憶する。
【0079】
次に、CPU40Aは、ステップS104で、検査対象時間(例えば、30秒)を少なくとも経過するまで供給部45を制御して流体を供給して加圧を終了する。本開示では、検査対象時間(例えば、30秒)を少なくとも経過して、気密検査として予め定めた圧力値に到達した場合に、加圧を終了する。なお、本開示は、検査対象時間内に、流体を供給する加圧を継続することに限定されない。例えば、上述した初期時間を経過してから予め定めた一定時間を経過した場合に加圧を終了してもよい。
【0080】
加圧が終了すると、CPU40Aは、ステップS105で、ガス配管気密検査装置4の検査結果を導出する。このステップS105は、圧力変化特性導出部412として、時系列な圧力値を用いて圧力変化特性を導出する処理を少なくとも含む。
【0081】
次に、CPU40Aは、ステップS106で、第1判定部413として、第1判定処理を実行する。すなわち、圧力変化量又は圧力変化率に関する第1の特徴を示す検査条件を用いて、圧力変化特性が第1の特徴に該当するか否かを判別することで、検査結果の適否を判定する。この検査条件は上述した容量条件及び時間条件を含む。具体的には、導出された圧力変化特性について、記憶部42に記憶された特徴データを用いて、所定圧力Po(例えば、500Pa)となる加圧開始状態に到達してから初期時間(T2,例えば、7秒)を経過してからの経過時間(T1,例えば、23秒)内における、所定値以上の圧力変化量又は圧力変化率の数が第1閾値未満の場合、検査不適と判定する。
【0082】
本実施形態では、第1閾値は、圧力変化が無または微小な状態を示す特性であって、圧力変化特性が平坦な状態を示す情報である。この第1閾値の一例として、予め実験等によって定められた単位時間当たりの変化量が所定値(例えば6Pa)となる傾きの個数が5個であることを適用する。この単位時間当たりの変化量を示す所定値(例えば6Pa)は、圧力変化が現れる状態として予め実験等により定められた圧力変化発生判断圧力の一例である。なお、第1閾値は、予め定められた圧力変化量を用いてもよく、予め定められた圧力変化率を用いてもよい。
【0083】
具体的には、ステップS106では、経過時間における圧力変化特性について、上述した所定時間(例えば、3秒)を1単位とする小期間における圧力変動(傾き)を最小二乗法によって導出する。そして、傾きの絶対値が6Pa/秒以上となる圧力変化である傾きの個数が5個未満の場合に、検査結果が不適と判定し、5個以上の場合に、検査結果が適正と判定する。
図2Bに示す例では、パターンPt1Aと、パターンPt1Bとにより示される圧力変化特性による気密検査の検査結果が不適と判定され、パターンPt2により示される圧力変化特性による気密検査の検査結果が適正と判定される。
【0084】
次に、CPU40Aは、ステップS108で、ステップS106の判定結果が不適か否かを判断する。否定判断の場合はステップS114で、検査結果作成部415として、適正な検査結果を示す検査結果情報を作成して出力し(例えば、適正であることを示す合格情報を出力して)、本処理ルーチンを終了する。
【0085】
ステップS108で肯定判断の場合は、検査結果が不適として、CPU40Aは、ステップS110で、第2判定部414として、検査条件に従って第2判定処理を実行する。すなわち、初期時間内における圧力変化特性について圧力変化量又は圧力変化率が第2閾値以内であることを第2の特徴を示す検査条件として、圧力変化特性が第2の特徴に該当するか否かを判別することで、検査結果の適否を判定する。この検査条件は上述した容量条件及び検査条件を含む。
【0086】
ステップS110では、初期時間内で、圧力変化量又は圧力変化率が小さく、減少傾向の圧力変化が支配的である状態を特定するために、第2閾値を用いて判定する。このため、初期時間における圧力変化特性について、上述した所定時間(例えば、3秒)を1単位とする小期間における圧力変動を用いる。
【0087】
具体的には、ステップS110では、初期時間における圧力変化特性について、上述した所定時間(例えば、3秒)を1単位とする小期間における圧力変動(傾き)を最小二乗法によって導出する。そして、所定値(例えば−4Pa/秒)以上となる圧力変化である傾きの個数が4個以上の場合に、検査結果が不適と判定し、4個未満の場合に、検査結果が適正と判定する。
図2Bに示す例では、パターンPt1Aにより示される圧力変化特性による気密検査の検査結果が不適と判定され、パターンPt1Bにより示される圧力変化特性による気密検査の検査結果が適正と判定される。
【0088】
次に、CPU40Aは、ステップS112で、ステップS110の判定結果が不適か否かを判断し、否定判断の場合はステップS114へ処理を移行し、肯定判断の場合は、ステップS116で、検査結果作成部415として、不適な検査結果を示す検査結果情報を作成して出力し、本処理ルーチンを終了する。
【0089】
上述した処理において、第1判定処理により検査結果の適否の判定が可能である場合は、ステップS110及びステップS112の処理を省略して、第1判定処理のみによって検査結果を判定してもよい。なお、例えば、第1判定処理と、第2判定処理との両方の処理を実行することで、第1判定処理のみによって検査結果を判定するのに比べて判定精度は向上される。
【0090】
上述したように、本実施形態に係るガス配管気密検査装置4は、位置検出部(GPS)47を備えて、現在位置を検出する機能を含むことが可能である。よって、ガス配管気密検査装置4で実行した気密検査の検査結果に、検査場所として、現在位置を含めることが可能である。また、ユーザが検査場所を入力する場合は、入力された検査場所と検出された位置情報とを比較し、比較結果から検査結果の適否を判定することも可能である。
【0091】
次に、検査場所を考慮して検査結果を出力する処理について説明する。
【0092】
図6は、ガス配管気密検査装置4で実行した気密検査の検査場所を考慮して検査結果の適否を判定する処理の流れの一例を示す図である。
【0093】
CPU40Aは、ステップS200で、取得部411として、入力された検査場所、検査日時、及び検査者等の検査に関係する検査関連情報を取得する。次のステップS202では、上述した
図5に示す圧力検査処理(ステップS100からステップS116の処理)を実行する。
【0094】
次に、CPU40Aは、ステップS204で、位置特定部416として、ガス配管気密検査装置4の検査場所を特定する。このステップS204では、入力された検査関連情報から少なくとも検査場所を示す情報を抽出することで入力された検査場所を特定する。また、位置検出部47で検出された現在位置を示す位置情報が取得された場合には、検出された位置情報から検出された検査場所を特定する。検出された現在位置を示す位置情報が、緯度経度などの位置を示すGPSデータの場合は、GPSデータを住所表記等の地名を含む情報に変換して検出された検査場所とする。
【0095】
次に、CPU40Aは、ステップS205で、検査場所の表示のみを実行するか否かを判断する。すなわち、検査条件が、第3の特徴を示す検査条件を含むか否かを判別することによって、検査場所の表示のみを実行するか否かを判断する。この場合における第3の特徴を示す検査条件は、気密検査を実行した検査場所を示す位置情報を検査結果に含ませることを示す条件である。言い換えれば、検査条件は、検査結果に検査位置を表示することを示す検査位置に関する位置条件を含むことである。否定判断の場合はステップS206へ処理を移行し、肯定判断の場合はステップS214で、検査結果作成部415として、検査場所を含む検査結果を示す検査結果情報を作成して出力し、本処理ルーチンを終了する。検査場所を含む検査結果を示す検査結果情報を作成して出力することによって、検査結果の適否をユーザが確認可能である。
【0096】
ステップS206では、CPU40Aは、第3判定部417として、第3判定処理を実行する。ここでは、自動的に検出した検査場所と、入力された検査場所とが合致することを第3の特徴を示す検査条件として、両者を比較して合致か非合致かを判別することで、検査結果の適否を判定する。入力された検査場所が検出された位置情報による検査場所と非合致の場合は検査結果が不適と判定する。自動的に検出された検査場所と、入力された検査場所との合致性を判別することによって、非合致の場合にエラー情報等により入力された検査場所が適正ではないことを提示でき、適正な検査場所を入力させることを支援可能である。
【0097】
次に、CPU40Aは、ステップS208で、ステップS206の判定結果が不適か否かを判別することにより検査場所が不適であることを示す位置不適か否かを判断する。すなわち、検査条件に従って検査場所に対する判定結果が不適か否かを判断する。この場合における検査条件は第3の特徴を示す検査条件の他例であり、気密検査を実行した検査場所と、入力された検査場所とが合致することを示す条件である。言い換えれば、検査条件は、自動的に検出した検査場所と、入力された検査場所とが合致することを示す検査位置に関する位置条件を含むことである。自動的に検出した検査場所と入力された検査場所とが合致して、否定判断の場合は、自動的に検出した検査場所と入力された検査場所とが合致する場合であり、ステップS210で、検査結果作成部415として、検査場所が適正であるとした検査結果を示す検査結果情報を作成して出力し(例えば、合格情報を出力して)、本処理ルーチンを終了する。
【0098】
ステップS208で肯定判断の場合は、自動的に検出した検査場所と入力された検査場所とが非合致の場合であり、CPU40Aは、ステップS212で、検査結果作成部415として、検査場所が不適であるとした検査結果を示す検査結果情報を作成して出力し(例えば、エラー出力して)、本処理ルーチンを終了する。
【0099】
図7は、ガス配管気密検査装置4の検査結果を表示装置に表示した一例を示す図である。
図7には、検査場所を含む検査結果を示す検査結果情報(ステップS214)が表示部43に表示された表示画面430の一例が示されている。
【0100】
表示画面430は、気密検査の検査結果に関する情報の一例として、検査日時等の検査に関係する検査関連情報432、気密検査時の圧力値及び差圧等の主要な検査時情報433、及び位置検出部47で検出された位置から定まる住所を示す検査場所436が表示される。なお、表示画面430は、気密検査の検査結果に関する情報を操作する操作ボタンを含む。
図7に示す例では、気密検査の検査結果に関する情報の印刷を指示するための操作ボタン434、及び気密検査の検査結果に関する情報をガス配管気密検査装置4から削除するための操作ボタン435を操作ボタンが一例として示されている。
【0101】
また、
図7に示す表示画面430では、圧力変化特性を示すグラフ431を含む一例が示されている。このグラフ431は、気密検査の実行開始からの圧力変動が描画されたものであり、グラフ431により気密検査の実行開始からの圧力変動を確認することが可能である。このグラフ431は、気密検査の検査結果に関する情報の一例として含ませることは可能であるが、表示させなくてもよい。
【0102】
以上説明したように、本実施形態では、配管の気密検査を行う場合、圧力変化特性に基づいて、検査条件を考慮して検査結果を判定する。従って、検査条件に適合する圧力変化特性になっているかを特定することで、検査結果を判定することができる。これによって、配管による容積等を考慮せずにガス配管の気密試験を行う場合と比べて、気密検査の精度を向上することが可能になる。
【0103】
[その他の実施形態]
以上、本開示の技術を実施形態を用いて説明したが、本開示の技術の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
【0104】
また、本実施形態は、上述のガス配管気密検査装置の例示に限定されるものではなく、ガス配管気密検査装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0105】
さらに、上記実施の形態では、補助記憶装置等の記憶部に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、少なくとも一部のプログラムの処理をハードウエアで実現してもよい。また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0106】
さらにまた、上記実施形態における処理は、プログラムとして光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。
【0107】
上記実施形態において、CPUとは広義的なプロセッサの概念であり、汎用的なプロセッサや、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0108】
また上記実施形態におけるCPUの動作は、1つのCPUによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のCPU又は複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。
【解決手段】ガス配管気密検査装置4の制御部40では、取得部411が、流体の供給によりガス配管を加圧してガス配管の気密検査を行う場合に加圧を開始してから予め定めた検査対象時間の間に、単位時間毎に圧力値を検出するセンサの圧力値を取得する。また、判定部(413、414、417)は、取得された複数の圧力値により定まる圧力変化特性に基づいて、圧力変化特性の少なくとも一部の圧力変化であって、予め定められた圧力変化を示す検査結果の適否を定めた検査条件に従って検査結果の適否を判定する。