(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チューブ外壁又は前記混合室に設けられた点火プラグに高電圧を印加することによって、前記発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスに点火する請求項2に記載の資源収集システム。
前記保護管の側壁の軸方向の貫通孔又はらせん状の貫通孔、及び前記ゲート管の側壁の軸方向の貫通孔又はらせん状の貫通孔の少なくとも一方の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、前記保護管と前記ゲート管との間及び前記複数の側壁孔の中での海水の凍結を防止する請求項11又は12に記載の資源収集システム。
高圧水にコーティング剤を混入し、前記複数の側壁孔を閉じた状態で、前記コーティング剤を混入した高圧水を、前記資源を収集する時に前記資源が前記フィルタの中を流れる方向と同じ方向に流すことによって、前記フィルタをコーティングする請求項11〜13のいずれか1項に記載の資源収集システム。
前記複数の側壁孔を閉じた状態で、高圧水を、前記資源を収集する時に前記資源が前記フィルタの中を流れる方向と逆方向に流すことによって、前記フィルタの内部を洗浄する請求項11〜14のいずれか1項に記載の資源収集システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、高速噴流体が直接当たる部分しか破壊できないという問題、及び海水中に高速噴射しても噴流が急激に弱まるので破壊できないという問題があった。また、特許文献2には、温水を注入すると、メタンハイドレートを分解させることができるものの、削孔後の孔内に温水を循環させても孔表面のメタンハイドレートの分解が凍結したメタンハイドレート層の奥の方まで進行するのに時間が掛かるという問題、及びメタノール等の分解促進剤を注入すると、メタンハイドレート層の圧力・温度を変えることなく、メタンハイドレートを分解させることができるものの、削孔後の孔内に分解促進剤を加圧注入しても孔表面のメタンハイドレートの分解が凍結したメタンハイドレート層の奥の方まで進行するのに時間が掛かるという問題があった。さらに、特許文献3にも同様に、凍結したメタンハイドレート層の奥の方までメタンハイドレートを分解させるのに時間が掛かるという問題があった。
【0006】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、より効率的に海底地層から資源を収集することが可能な資源収集システムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、従来と同等以上に長時間連続して安定的に稼働することができ、必要なエネルギをより効率的に供給することができ、小型にすることが可能な資源収集システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、まず、海底地層の中に伸びるコイルドチュービング装置を通って、海底地層の中に発泡材の原液、燃料ガス、及び酸素を含む空気を供給し、発泡材の原液を互いに混合して燃料ガス及び空気を含む雰囲気中で発泡させ、発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスを爆発的に燃焼させ、海底地層を破砕することによって、より効率的に海底地層から資源を収集することができることを見出した。
【0008】
また、本発明者は、コイルドチュービング装置のチューブ外壁に開口を設け、開口の内側に混合室を設け、混合室で発泡材の原液を互いに混合した後に、燃料ガス及び空気と共に開口を通って海底地層とチューブ外壁との間に供給することによって、より効率的に海底地層から資源を収集することができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明の第1の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、海面上又は保護管の内部に配置された巻取り用のリールから繰り出され、保護管の側壁を貫通して内側から外側に伸びるコイルドチュービング装置と、を有し、コイルドチュービング装置を通って、海底地層の中に発泡材の原液、燃料ガス、及び酸素を含む空気を供給し、発泡材の原液を互いに混合して燃料ガス及び空気を含む雰囲気中で発泡させ、発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスを爆発的に燃焼させることによって、海底地層を破砕する資源収集システムを提供するものである。
【0010】
ここで、上記第1の実施態様においては、コイルドチュービング装置は、管状のチューブ外壁と、チューブ外壁に設けられた開口と、開口の内側に設けられた混合室と、を備え、発泡材の原液を混合室で互いに混合した後に、その混合物を、燃料ガス及び空気と共に開口を通って海底地層とチューブ外壁との間に供給するのが好ましい。
発泡材の原液を互いに混合して形成された発泡材は、導電体金属又はカーボンナノチューブを含み、導電性を有する発泡材とチューブ外壁又は混合室に露出しかつ電気的に絶縁された点火配線との間に高電圧を印加することによって、発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスに点火するのが好ましい。
チューブ外壁又は混合室に設けられた点火プラグに高電圧を印加することによって、発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスに点火するのが好ましい。
高圧水及び高圧空気の少なくとも一方を使用して混合室を洗浄するのが好ましい。
【0011】
また、本発明の第2の実施態様は、海底地層から資源を収集するために海底地層の中に高圧水を供給する高圧水供給管と、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、を有し、高圧水供給管の中の高圧水に破砕粒子を混入し、破砕粒子を混入した高圧水によって、海底地層を破砕する資源収集システムであって、破砕粒子は、セメント粒子の外側に、遅効性発熱体、膨張体、速効性発熱体が順にコーティングされたものであり、遅効性発熱体は、高圧水の水分を吸収して発熱する材料をマイクロ波で焼成したものであり、膨張体は、高圧水の水分を吸収して膨張する材料で形成されたものであり、速効性発熱体は、遅効性発熱体と同一の材料を遅効性発熱体よりも短時間マイクロ波で焼成したもの、又はマイクロ波で焼成していないものである資源収集システムを提供するものである。
【0012】
また、本発明の第3の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設された側壁及び側壁を貫通する複数の側壁孔を備え、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、複数の側壁孔を開閉するために保護管の外側及び保護管とフィルタとの間の少なくとも一方に配置されたゲート管と、を有し、海底地層から資源を収集する時に複数の側壁孔を開き、それ以外の時に複数の側壁孔を閉じる資源収集システムを提供するものである。
【0013】
ここで、上記第3の実施態様においては、保護管の内側の圧力を保護管の外側の海底地層と同じ圧力まで上昇させた後に、複数の側壁孔を開くのが好ましい。
保護管の側壁の軸方向の貫通孔又はらせん状の貫通孔、及びゲート管の側壁の軸方向の貫通孔又はらせん状の貫通孔の少なくとも一方の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、保護管とゲート管との間及び複数の側壁孔の中での海水の凍結を防止するのが好ましい。
高圧水にコーティング剤を混入し、複数の側壁孔を閉じた状態で、コーティング剤を混入した高圧水を、資源を収集する時に資源がフィルタの中を流れる方向と同じ方向に流すことによって、フィルタをコーティングするのが好ましい。
複数の側壁孔を閉じた状態で、高圧水を、資源を収集する時に資源がフィルタの中を流れる方向と逆方向に流すことによって、フィルタの内部を洗浄するのが好ましい。
さらに、複数の側壁孔を閉じた状態で、高圧熱水又は高圧蒸気をフィルタの表面に流すことによって、フィルタの表面を洗浄するのが好ましい。
さらに、フィルタの内側に配置された二次側壁及び二次側壁を貫通する複数の二次側壁孔を備える二次保護管と、二次保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去する二次フィルタと、複数の二次側壁孔を開閉するためにフィルタと二次保護管との間及び二次保護管と二次フィルタとの間の少なくとも一方に配置された二次ゲート管と、を有するのが好ましい。
保護管は、側壁の一端から伸びる半球状の底壁及び底壁を貫通する複数の底壁孔を備えるのが好ましい。
【0014】
また、本発明の第4の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、海面上又は保護管の内部に配置された巻取り用のリールから繰り出され、保護管の側壁を貫通して内側から外側に伸びるコイルドチュービング装置と、を有し、コイルドチュービング装置は、海底地層から収集した資源を収集資源管まで送るサブ資源収集管と、サブ資源収集管に周設されたサブ側壁及びサブ側壁を貫通する複数のサブ側壁孔を備え、サブ資源収集管を保護するサブ保護管と、サブ保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するサブフィルタと、複数のサブ側壁孔を開閉するためにサブ保護管の外側及びサブ保護管とサブフィルタとの間の少なくとも一方に配置されたサブゲート管と、を有する資源収集システムを提供するものである。
【0015】
ここで、上記第4の実施態様においては、コイルドチュービング装置は、保護管の軸方向に対して少なくとも1つの位置に、各位置の周方向に所定の間隔で複数配置されるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の第5の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、高圧ポンプを使用して、フィルタが除去した土砂を保護管の側壁の開口から海底地層に向かって押し出す資源収集システムを提供するものである。
【0017】
また、本発明の第6の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、保護管は、軸方向を海面に対して上下に向けて配置され、資源収集管は、フィルタの上方に設けられたガス貯留室に接続されたガス収集管と、フィルタの下方に設けられたオイル貯留室に接続されたオイル収集管と、を含み、フィルタは、長手方向に貫通する資源収集孔を備え、フィルタを外側から内側に向かって通過して資源収集孔に到達した資源の内、ガスをガス貯留室まで上昇させ、オイルをオイル貯留室まで下降させる資源収集システムを提供するものである。
【0018】
また、本発明の第7の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタは、円柱状の複数のエレメントを含み、各エレメントは、長手方向に対して少なくとも1つの位置に、各位置の周方向に所定の間隔で配置される資源収集システムを提供するものである。
【0019】
また、本発明の第8の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタの長手方向の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、フィルタの表面及び内部での海水の凍結を防止する資源収集システムを提供するものである。
【0020】
また、本発明の第9の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタは、エレメントの内部に磁性体粉末付き珪藻土を保持するように配置された永久磁石と、永久磁石による磁性体粉末付き珪藻土の保持力を弱める減磁手段と、を備え、減磁手段を作動させることによって、永久磁石が保持する磁性体粉末付き珪藻土の量を減らす資源収集システムを提供するものである。
【0021】
ここで、上記第9の実施態様においては、減磁手段は、永久磁石と反対の極がそれぞれ隣接するように永久磁石の内側又は外側に配置された電磁石コイルであり、電磁石コイルに通電することによって、永久磁石が保持する磁性体粉末付き珪藻土の量を減らすのが好ましい。
【0022】
また、本発明の第10の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタは、エレメントの内部に磁性体粉末付き珪藻土を保持するように配置された電磁石コイルを備え、電磁石コイルに通電することによって、電磁石コイルによる磁性体粉末付き珪藻土の保持力を発生させる資源収集システムを提供するものである。
【0023】
また、本発明の第11の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタは、らせん状金属ワイヤと、らせん状金属ワイヤの直線軸方向に伸びかつらせん状金属ワイヤに固定された支柱と、を備え、支柱の長手方向の貫通孔又はらせん状金属ワイヤのらせん状の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、らせん状金属ワイヤの表面での海水の凍結を防止する資源収集システムを提供するものである。
【0024】
また、本発明の第12の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部にU字状に設けられ、海底地層と保護管との間に循環流を発生させる循環流発生管と、循環流発生管の途中に配置された高周波ヒータに電力を供給する電力供給装置と、を有し、電力供給装置は、ジェットタービンを備え、ジェットタービンは、海底地層から収集した資源を燃焼室で燃焼させて発生した燃焼ガスで駆動され、循環流発生管に高圧熱水又は高圧蒸気を供給する資源収集システムを提供するものである。
【0025】
また、本発明の第13の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部にU字状に設けられ、海底地層と保護管との間に循環流を発生させる循環流発生管と、循環流発生管の途中に配置された高周波ヒータに電力を供給する電力供給装置と、を有し、電力供給装置は、タービンを備え、タービンは、海底地層から収集した資源を水中バーナで燃焼させて発生した燃焼ガス及び蒸気で駆動され、循環流発生管に高圧熱水又は高圧蒸気を供給する資源収集システムを提供するものである。
【0026】
また、本発明の第14の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部にU字状に設けられ、海底地層と保護管との間に循環流を発生させる循環流発生管と、循環流発生管の途中に配置された高周波ヒータに電力を供給する電力供給装置と、を有し、電力供給装置は、海底地層から収集した資源と高温の蒸気とを反応させて得られた水素を使用して電力を供給する燃料電池である資源収集システムを提供するものである。
【0027】
また、本発明の第15の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部にU字状に設けられ、海底地層と保護管との間に循環流を発生させる循環流発生管と、循環流発生管の途中に配置された高周波ヒータに電力を供給する電力供給装置と、を有し、海底地層から収集される資源の量が減少した時に、循環流発生管の両端に設けられた可動管の角度を変えることによって、循環流の流路を短縮させると共に、可動管から海底地層に向かって高圧熱水又は高圧蒸気を噴射させる資源収集システムを提供するものである。
【0028】
また、本発明の第16の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部にU字状に設けられ、海底地層と保護管との間に循環流を発生させる循環流発生管と、循環流発生管の途中に配置された高周波ヒータに電力を供給する電力供給装置と、を有し、循環流の流量が減少した時に、らせん状回転翼を回転させることによって、循環流発生管の中の土砂を循環流の方向に移動させる資源収集システムを提供するものである。
【0029】
ここで、上記第16の実施態様においては、海底地層に対して保護管を軸方向に移動させる前に、循環流発生管の2つの開口位置の海底地層に中にセメント粒子を供給するのが好ましい。
【0030】
また、本発明の第17の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、海面上又は保護管の内部に配置された巻取り用のリールから繰り出され、保護管の側壁を貫通して内側から外側に伸びるコイルドチュービング装置と、を有し、コイルドチュービング装置を通って、海底地層の中に発泡材の原液、燃料ガス発生材、高圧水、及び酸素を含む空気を供給し、燃料ガス発生材と高圧水との化学反応によって燃料ガスを発生させ、発泡材の原液を互いに混合して燃料ガス及び空気を含む雰囲気中で発泡させ、発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスを爆発的に燃焼させることによって、海底地層を破砕する資源収集システムを提供するものである。
【0031】
ここで、上記第17の実施態様においては、燃料ガス発生材は、カーバイド粒子であり、燃料ガスは、アセチレンガスであるのが好ましい。
【0032】
また、本発明の第18の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、海面上又は保護管の内部に配置された巻取り用のリールから繰り出され、保護管の側壁を貫通して内側から外側に伸びるコイルドチュービング装置と、を有し、コイルドチュービング装置を通って、海底地層の中に発泡材の原液、燃料ガス発生材、高圧水、及び酸素を含む空気を供給し、燃料ガス発生材による海底地層の分解促進によって燃料ガスを発生させ、発泡材の原液を互いに混合して燃料ガス及び空気を含む雰囲気中で発泡させ、発泡材の空洞内に溜まった燃料ガスを爆発的に燃焼させることによって、海底地層を破砕する資源収集システムを提供するものである。
【0033】
ここで、上記第18の実施態様においては、燃料ガス発生材は、メタノールであり、海底地層は、メタンハイドレート層であり、燃料ガスは、メタンガスであるのが好ましい。
【0034】
また、本発明の第19の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタの表面に高圧熱水又は高圧蒸気を当てることによって、フィルタの表面及び内部での海水の凍結を防止する資源収集システムを提供するものである。
【0035】
また、本発明の第20の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタの長手方向の両端の伝熱手段を通ってフィルタに高圧熱水又は高圧蒸気の熱を伝えることによって、フィルタの表面及び内部での海水の凍結を防止する資源収集システムを提供するものである。
【0036】
また、本発明の第21の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部にU字状に設けられ、海底地層と保護管との間に循環流を発生させる循環流発生管と、循環流発生管の途中に配置された高周波ヒータに電力を供給する電力供給装置と、を有し、電力供給装置は、海底地層の中の熱水鉱床の熱を電力に変換して供給する熱電変換装置である資源収集システムを提供するものである。
【0037】
また、本発明の第22の実施態様は、海底地層から収集した資源を収集資源貯蔵タンクまで送る資源収集管と、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する保護管と、保護管の内部に配置され、海底地層からの土砂を除去するフィルタと、を有し、フィルタは、綿状に絡み合った繊維状金属を積層して圧縮したものを備え、フィルタの長手方向の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、フィルタの表面及び内部での海水の凍結を防止する資源収集システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
また、本発明によれば、上記効果に加え、従来と同等以上に長時間連続して安定的に稼働することができ、必要なエネルギをより効率的に供給することができ、小型にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、本発明を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。本発明の資源収集システムは、海水のプレッシャが掛かった場所で、誘爆によって広範囲に発生した爆発的な燃焼の熱及び衝撃波を伝える伝導体を用いたものを含む。本明細書において、土砂は、土及び砂だけでなく、泥及び海水を含み、凍結防止及び海底地層加熱に使用される高圧熱水又は高圧蒸気は、いずれか一方だけでなく、高圧蒸気が混じった高圧熱水を含む。本明細書において、同一の構成要素には同一の符号を付け、重複する場合にはその説明を省略する。また、本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置の各機能は、互いに組み合わせて使用することができ、1つの資源収集システムの中で複数のコイルドチュービング装置、複数のフィルタ、複数の電力供給装置を使用する場合には、それぞれの一例及びその変形例の内の互いに異なるものを異なる位置に配置し、組み合わせて使用することができる。さらに、本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置の全ての駆動部分(回転、垂直方向の動き、水平方向の動き、曲線方向の動き)は、油圧モータを含む液圧モータ又はエアモータで駆動される。
【0041】
まず、本発明の第1の実施形態の資源収集システムを含む全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の資源収集システムを含む全体構成を模式的に示すブロック図である。
【0042】
全体構成10は、海面上に配置された構造物12と、構造物12から下方に伸びる接続管14と、接続管14の下端に備えられた掘削装置16と、接続管14と掘削装置16との間に備えられた資源収集装置20と、を有する。資源収集装置20は、ガスハイドレート層などを含む海底地層18を破砕して多数の割れ目18aを入れることによって資源を収集する。構造物12は、収集資源貯蔵タンク12a、水供給装置12b、燃料ガス供給装置12c、空気供給装置12d、発泡材原液供給装置12e、導電粒子供給装置12f、破砕粒子供給装置12g、及びセメント粒子供給装置12hを備える。
【0043】
次に、本発明の第1の実施形態の資源収集システムについて、それを構成する資源収集装置を参照して説明する。
図2は、
図1の資源収集システムを構成する資源収集装置の機能を模式的に示す縦断面図であり、
図3は、
図2の資源収集装置を構成するフィルタ及びその周辺の機能を模式的に示す部分縦断面図であり、
図4〜8は、
図2の資源収集装置の線AA〜EEにおける横断面図である。
【0044】
<資源
収集>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ24とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ24は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。保護管22は、軸方向を海面に対して上下に向けて配置される。資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含み、ガス収集管26は、フィルタ24の上方に設けられたガス貯留室30に接続され、オイル収集管28は、フィルタ24の下方に設けられたオイル貯留室32に接続される。フィルタ24は、長手方向に貫通する資源収集孔24bを備える。本発明の資源収集システムは、フィルタ24を外側から内側に向かって通過して資源収集孔24bに到達した資源の内、ガスをガス貯留室30まで上昇させ、オイルをオイル貯留室32まで下降させる。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、ガスとオイルとを同時に収集できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0045】
破砕された海底地層18は、例えば、資源収集管に周設された保護管22の側壁22aを貫通する少なくとも1つの側壁孔22bを通ってフィルタ24まで移動する。ガス収集管26は、
ブタンのような相対的に比重の大きいガスを収集するガス収集管26aと、
メタンのような相対的に比重の小さいガスを収集するガス収集管26bと、を含む。オイル収集管28は、相対的に比重の大きいオイルを収集するオイル収集管28aと、相対的に比重の小さいオイルを収集するオイル収集管28bと、を含む。フィルタ24、資源収集孔24bの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。
【0046】
<フィルタ
配置>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ24とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ24は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。フィルタ24は、円柱状の複数のエレメント24aを含み、各エレメント24aは、長手方向に対して少なくとも1つの位置に、各位置の周方向に所定の間隔で配置される。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、同時には故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0047】
フィルタ24の大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。フィルタ24の長手方向の段数は、特に制限的ではない。エレメント24aの材料は、特に制限的ではないが、セラミックであるのが好ましい。
【0048】
<フィルタ凍結
防止>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ24とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ24は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。本発明の資源収集システムは、フィルタ24の長手方向の貫通孔24cの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、フィルタ24の表面及び内部での海水の凍結を防止する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0049】
資源収集時には、上側配管38dから貫通孔24cを通って下側配管40dに、又はその逆方向に凍結防止用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。フィルタ24の形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。貫通孔24cの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。フィルタ24の長手方向の貫通孔24cの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流す代わりに、フィルタ24の表面に高圧熱水又は高圧蒸気を当てることによって、フィルタ24の表面及び内部での海水の凍結を防止しても良い。また、フィルタ24の長手方向の貫通孔24cの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流す代わりに、フィルタ24の長手方向の両端の伝熱手段を通ってフィルタ24に高圧熱水又は高圧蒸気の熱を伝えることによって、フィルタ24の表面及び内部での海水の凍結を防止しても良い。
【0050】
本発明の伝熱手段は、フィルタ固定板58aと中央案内板58bと外側案内板58cと内側案内板58dとを含む。フィルタ固定板58aは、フィルタ24の長手方向の両端を両側から固定する板である。中央案内板58bは、側壁孔22bを通過した海底地層18の小片をフィルタ24に案内する板であり、フィルタ固定板58aと熱的に接触する。外側案内板58cは、小片を同様に案内する中央案内板58bの外側の板であり、保護管22及び中央案内板58bと熱的に接触する。内側案内板58dは、小片を同様に案内する中央案内板58bの内側の板であり、中央案内板58bと熱的に接触する。フィルタ24の長手方向の一端の伝熱手段と他端の伝熱手段は、高圧熱水又は高圧蒸気を当てることによって直接加熱されても良く、また、高圧熱水又は高圧蒸気で加熱された保護管22からの熱伝導によって間接的に加熱されても良い。
【0051】
<側壁孔付き保護
管>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ24とゲート管34とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設された側壁22a及び側壁22aを貫通する複数の側壁孔22bを備え、資源収集管を保護する。フィルタ24は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。ゲート管34は、複数の側壁孔22bを開閉するために保護管22の外側及び保護管22とフィルタ24との間の少なくとも一方に配置される。本発明の資源収集システムは、海底地層18から資源を収集する時に複数の側壁孔22bを開き、それ以外の時に複数の側壁孔22bを閉じる。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0052】
ゲート管34の内、保護管22の外側に配置されたものは、外側ゲート管34aであり、保護管22とフィルタ24との間に配置されたものは、内側ゲート管34bであり、それぞれが側壁34c、側壁34cを貫通する複数の側壁孔34d、及び側壁34cの軸方向の貫通孔34eを備える。側壁孔34dの大きさが、保護管22の側壁孔22bとほぼ同一であり、ゲート管34の円周方向の側壁孔34dの長さが、円周方向のピッチの半分未満である場合には、油圧モータ又はエアモータを使用してゲート管34を側壁孔34dの長さ分回転させることによって、保護管22の側壁孔22bを塞ぐことができる。同様に、ゲート管34の軸方向の側壁孔34dの長さが、軸方向のピッチの半分未満である場合には、油圧モータ又はエアモータを使用してゲート管34を側壁孔34dの長さ分軸方向に移動させることによって、保護管22の側壁孔22bを塞ぐことができる。側壁孔22b、側壁孔34dの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。保護管22、ゲート管34の材料は、特に制限的ではないが、鉄又はステンレス鋼であるのが好ましい。
【0053】
<開口
条件>
本発明の資源収集システムは、保護管22の内側の圧力を保護管22の外側の海底地層18と同じ圧力まで上昇させた後に、複数の側壁孔22bを開いても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0054】
<保護管凍結
防止>
本発明の資源収集システムは、保護管22の側壁22aの軸方向の貫通孔22c又はらせん状の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、保護管22とゲート管34との間及び複数の側壁孔22bの中での海水の凍結を防止しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0055】
資源収集時には、上側配管38aから貫通孔22cを通って下側配管40aに、又はその逆方向に凍結防止用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。らせん状の貫通孔は、複数の細管にロウを満たし、両端を閉じて周囲に爆薬を詰めて点火し、爆発の衝撃で互いに溶着させる方法で構成することができる。貫通孔22cの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0056】
<ゲート管凍結
防止>
本発明の資源収集システムは、ゲート管34の側壁34cの軸方向の貫通孔34e又はらせん状の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、保護管22とゲート管34との間及び複数の側壁孔34dの中での海水の凍結を防止しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0057】
資源収集時には、上側配管38aから貫通孔34eを通って下側配管40aに、又はその逆方向に凍結防止用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。貫通孔34eの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0058】
<プレコー
ティング>
本発明の資源収集システムは、高圧水にコーティング剤を混入し、複数の側壁孔22bを閉じた状態で、コーティング剤を混入した高圧水を、資源を収集する時に資源がフィルタ24の中を流れる方向と同じ方向に流すことによって、フィルタ24をコーティングしても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0059】
資源収集前のプレコーティング時には、上側配管38bから下側配管40dに、又は下側配管40bから上側配管38dにコーティング剤を混入した高圧水を流す。高圧水は、高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給される。コーティング剤は、貯蔵タンク36から供給される。コーティング剤の材料は、珪藻土又は磁性体粉末付き珪藻土である。
【0060】
<逆
洗浄>
本発明の資源収集システムは、複数の側壁孔22bを閉じた状態で、高圧水を、資源を収集する時に資源がフィルタ24の中を流れる方向と逆方向に流すことによって、フィルタ24の内部を洗浄しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0061】
資源収集後の逆洗浄時には、上側配管38dから下側配管40bに、又は下側配管40dから上側配管38bに高圧水を流す。高圧水は、高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給される。
【0062】
<シャワー
リング>
本発明の資源収集システムは、さらに、複数の側壁孔22bを閉じた状態で、高圧熱水又は高圧蒸気をフィルタ24の表面に流すことによって、フィルタ24の表面を洗浄しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0063】
資源収集後の逆洗浄時には、さらに、上側配管38cから下側配管40bに、又は下側配管40cから上側配管38bにシャワーリング用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。ここで、超臨界水とは、温度と圧力がそれぞれ臨界温度374℃、臨界圧力22.1MPaを上回る状態にある水を意味する。
【0064】
資源収集装置
20は、さらに、中央に配置された中央配管42を備え、中央配管42は、掘削装置16の冷却用の冷却水供給管42a、冷却水回収管42b、資源収集装置
20の内部への空気供給管42c、資源収集装置
20の内部からの排気ガス回収管42d、資源収集装置
20に必要な気体、液体、固体用の配管を収納する配管類収納管42e、及び資源収集装置
20に必要な電気配線を収納する配線類収納管42fを含む。中央配管42は、6重管の構成に限定されず、1つの管の内部に5つの独立管を収納した構成でも良い。資源収集装置
20の貯蔵タンク36は、さらに、水、燃料ガス、発泡材の原液、導電粒子、破砕粒子、及びセメント粒子をそれぞれ一時的に貯蔵する領域を備えても良い。
【0065】
<二次保護
管>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、さらに、二次保護管44と二次フィルタ46と二次ゲート管48とを有しても良い。二次保護管44は、フィルタ24の内側に配置された二次側壁44a及び二次側壁44aを貫通する複数の二次側壁孔44bを備える。二次フィルタ46は、二次保護管44の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。二次ゲート管48は、複数の二次側壁孔44bを開閉するためにフィルタ24と二次保護管44との間及び二次保護管44と二次フィルタ46との間の少なくとも一方に配置される。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、同時には故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0066】
本発明の資源収集システムは、海底地層18から資源を収集する時に複数の二次側壁孔44bを開き、それ以外の時に複数の二次側壁孔44bを閉じる。二次ゲート管48の内、フィルタ24と二次保護管44との間に配置されたものは、二次外側ゲート管48aであり、二次保護管44と二次フィルタ46との間に配置されたものは、二次内側ゲート管48bであり、それぞれが二次側壁48c、二次側壁48cを貫通する複数の二次側壁孔48d、及び二次側壁48cの軸方向の二次貫通孔48eとを備える。二次側壁孔48dの大きさが、二次保護管44の二次側壁孔44bとほぼ同一であり、二次ゲート管48の円周方向の二次側壁孔48dの長さが、円周方向のピッチの半分未満である場合には、油圧モータ又はエアモータを使用して二次ゲート管48を二次側壁孔48dの長さ分回転させることによって、二次保護管44の二次側壁孔44bを塞ぐことができる。同様に、二次ゲート管48の軸方向の二次側壁孔48dの長さが、軸方向のピッチの半分未満である場合には、油圧モータ又はエアモータを使用して二次ゲート管48を二次側壁孔48dの長さ分軸方向に移動させることによって、二次保護管44の二次側壁孔44bを塞ぐことができる。二次側壁孔44b、二次側壁孔48dの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。二次保護管44、二次ゲート管48の材料は、特に制限的ではないが、鉄又はステンレス鋼であるのが好ましい。
【0067】
本発明の資源収集システムは、二次保護管44の二次側壁44aの軸方向の二次貫通孔44c又はらせん状の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、二次保護管44と二次ゲート管48との間及び複数の二次側壁孔44bの中での海水の凍結を防止しても良い。資源収集時には、上側配管38aから二次貫通孔44cを通って下側配管40aに、又はその逆方向に凍結防止用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。二次貫通孔44cの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0068】
本発明の資源収集システムは、二次ゲート管48の二次側壁48cの軸方向の二次貫通孔48e又はらせん状の貫通孔の中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、二次保護管44と二次ゲート管48との間及び複数の二次側壁孔48dの中での海水の凍結を防止しても良い。資源収集時には、上側配管38aから二次貫通孔48eを通って下側配管40aに、又はその逆方向に凍結防止用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。二次貫通孔48eの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0069】
二次保護管44は、軸方向を海面に対して上下に向けて配置される。資源収集管は、二次ガス収集管50と二次オイル収集管52とを含み、二次ガス収集管50は、二次フィルタ46の上方に設けられた二次ガス貯留室54に接続され、二次オイル収集管52は、二次フィルタ46の下方に設けられた二次オイル貯留室56に接続される。二次フィルタ46は、長手方向に貫通する二次資源収集孔46bを備える。本発明の資源収集システムは、二次フィルタ46を外側から内側に向かって通過して二次資源収集孔46bに到達した資源の内、ガスを二次ガス貯留室54まで上昇させ、オイルを二次オイル貯留室56まで下降させる。
【0070】
二次ガス収集管50は、メタンのような相対的に比重の大きいガスを収集する二次ガス収集管50aと、ブタンのような相対的に比重の小さいガスを収集する二次ガス収集管50bと、を含む。二次オイル収集管52は、相対的に比重の大きいオイルを収集する二次オイル収集管52aと、相対的に比重の小さいオイルを収集する二次オイル収集管52bと、を含む。二次フィルタ46、二次資源収集孔46bの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。
【0071】
二次フィルタ46は、円柱状の複数の二次エレメント46aを含み、各二次エレメント46aは、長手方向に対して少なくとも1つの位置に、各位置の周方向に所定の間隔で配置される。二次フィルタ46の大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。二次フィルタ46の長手方向の段数は、特に制限的ではない。二次エレメント46aの材料は、特に制限的ではないが、セラミックであるのが好ましい。
【0072】
本発明の資源収集システムは、二次フィルタ46の長手方向の二次貫通孔46cの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、二次フィルタ46の表面及び内部での海水の凍結を防止する。資源収集時には、上側配管38dから二次貫通孔46cを通って下側配管40dに、又はその逆方向に凍結防止用の高圧熱水又は高圧蒸気を流す。高圧熱水又は高圧蒸気は、ヒータ及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。二次貫通孔46cの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0073】
次に、資源収集装置を構成するコイルドチュービング装置の一例及び発泡材について説明する。
図9は、海底地層の中に供給された発泡材、燃料ガス、及び空気のイメージ図であり、
図10は、
図2の資源収集装置を構成するコイルドチュービング装置の一例の機能を模式的に示す部分縦断面図である。
【0074】
<コイルドチュービング装置、発泡材及び燃料
ガス>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とコイルドチュービング装置60とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。コイルドチュービング装置60は、海面上又は保護管22の内部に配置された巻取り用のリール62から繰り出し装置64によって繰り出され、保護管22の側壁22aを貫通して内側から外側に伸びる。本発明の資源収集システムは、コイルドチュービング装置60を通って、海底地層18の中に発泡材の原液、燃料ガス、及び酸素を含む空気を供給し、発泡材の原液を互いに混合して燃料ガス66a及び空気66bを含む雰囲気中で発泡させ、発泡材66cの空洞内に溜まった燃料ガス66aを爆発的に燃焼させることによって、海底地層18を破砕する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0075】
発泡材66cの空洞内に溜まった燃料ガス66aを爆発的に燃焼させることによって、海底地層18の中に、より効率的に海底地層18から資源を収集するための割れ目18aを入れることができる。コイルドチュービング装置60は、コイルドチュービング装置の一例であり、小型の掘削装置を先端に備える。コイルドチュービング装置60は、割れ目18aから噴出した資源を収集する資源収集管を内部に備えても良い。コイルドチュービング装置60の数は、資源収集装置
20の内部に収納できれば、特に制限的ではない。発泡材の原液は、貯蔵タンク36の内部に一時的に貯蔵する領域を設置して貯蔵しても良い。発泡材は、特に制限的ではないが、発泡ウレタンを使用する場合には、ポリイソシアネート及びポリオールの2液を原液とするものが好ましい。また、発泡シリコーンを使用する場合には、2成分型液状シリコーンの2液を原液とし、その2液を混合後攪拌して発泡させるものが好ましい。さらに、他の発泡ポリマを使用しても良い。燃料ガス66aの材料は、特に制限的ではないが、メタン、エタン、プロパン、ブタンのようなガスであるのが好ましい。燃料ガス66aは、海底地層18から収集したガスを使用しても良い。なお、
図9の燃料ガス66a及び空気66bは、別の球体として模式的に示されているが、発泡材66cの空洞内には混合ガスとして供給されるので、燃料ガス66a及び空気66bが分離しているわけではない。水蒸気や温水などの温度の高い流体をメタンハイドレート層に注入してメタンハイドレートを分解させる方法を「加熱法」又は「熱刺激法」という。
【0076】
燃料ガス66aを供給する代わりに、燃料ガスを発生させるものとして、例えば、カーバイド(炭化カルシウム)粒子及び高圧水を供給し、互いの化学反応によって燃料ガスのアセチレンガスを発生させ、発泡材66cの空洞内に溜まったアセチレンガスを爆発的に燃焼させることによって、海底地層18を破砕しても良い。カリウム、カルシウム、ナトリウムと冷水との反応、マグネシウムと熱水との反応、アルミニウム、亜鉛、鉄と高温の水蒸気との反応などによって燃料ガスの水素を発生させても良い。また、燃料ガス66aを供給する代わりに、燃料ガスを発生させるものとして、例えば、メタノール及び高圧水を供給し、メタノールによる海底地層、即ち、メタンハイドレート層の分解促進によって燃料ガスのメタンガスを発生させ、発泡材66cの空洞内に溜まったメタンガスを爆発的に燃焼させることによって、海底地層18を破砕しても良い。メタンハイドレートの分解を促進する、メタノールや塩分などのインヒビターを水と混ぜてメタンハイドレート層に注入する方法を「インヒビター法」又は「インヒビター注入法」という。
【0077】
<混合室2s>
コイルドチュービング装置60は、管状のチューブ外壁70と開口72と混合室74とを備えても良い。開口72は、チューブ外壁70に設けられ、混合室74は、開口72の内側に設けられる。本発明の資源収集システムは、発泡材の原液を混合室74で互いに混合した後に、その混合物を、燃料ガス66a及び空気66bと共に開口72を通って海底地層18とチューブ外壁70との間に供給する。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0078】
コイルドチュービング装置60のチューブ外壁70は、溶接鋼管であり、帯状の鋼板を連続圧延によって筒状に丸めながら管の長手方向にできる継ぎ目を溶接して製造する。長さが足りない場合には、鋼板の端辺を斜めに裁断して溶接するバイアス溶接によって継ぎ足す。燃料ガス66aは、燃料ガス供給装置12cから燃料ガス供給管68aを通って、空気66bは、空気供給装置12dから空気供給管42c、空気供給管68bを通って、発泡材の原液は、発泡材原液供給装置12eから発泡材原液供給管68cを通って、混合室74に供給される。燃料ガス66aを供給する代わりに、カーバイド(炭化カルシウム)粒子及び高圧水を供給する場合には、カーバイド粒子は、燃料ガス供給装置12cから燃料ガス供給管68aを通って、高圧水は、水供給装置12bから高圧水供給管68e及び高圧ポンプを通って、混合室74に供給される。また、燃料ガス66aを供給する代わりに、メタノール及び高圧水を供給する場合には、メタノールは、燃料ガス供給装置12cから燃料ガス供給管68aを通って、高圧水は、水供給装置12bから高圧水供給管68e及び高圧ポンプを通って、混合室74に供給される。開口72の形状は、混合後の発泡材の原液が通過できれば、特に制限的ではなく、大きさ及び数は、チューブ外壁70の強度が不足しなければ、特に制限的ではない。混合室74の形状は、発泡材の原液を互いに混合できれば、特に制限的ではなく、大きさ及び数は、コイルドチュービング装置60の強度が不足しなければ、特に制限的ではない。
【0079】
<点火
配線>
発泡材の原液を互いに混合して形成された発泡材66cは、導電体金属又はカーボンナノチューブのような導電粒子66dを含んでも良い。本発明の資源収集システムは、導電性を有する発泡材66cとチューブ外壁70又は混合室74に露出しかつ電気的に絶縁された点火配線68gとの間に高電圧を印加することによって、発泡材66cの空洞内に溜まった燃料ガス66a又はその代わりに発生させた燃料ガスに点火しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0080】
導電粒子66dは、導電粒子供給装置12fから導電粒子供給管68dを通って混合室74に供給される。導電粒子66dは、貯蔵タンク36の内部に一時的に貯蔵する領域を設置して貯蔵しても良い。
【0081】
<点火
プラグ>
本発明の資源収集システムは、チューブ外壁70又は混合室74に設けられた点火プラグ(図示せず)に高電圧を印加することによって、発泡材66cの空洞内に溜まった燃料ガス66a又はその代わりに発生させた燃料ガスに点火しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0082】
<混合室
洗浄>
本発明の資源収集システムは、高圧水及び高圧空気の少なくとも一方を使用して混合室74を洗浄しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0083】
高圧水は、水供給装置12bから高圧水供給管68e及び高圧ポンプを通って、高圧空気は、空気供給装置12dから高圧空気供給管68f及び高圧ポンプを通って、混合室74に供給される。
【0084】
次に、資源収集装置を構成するコイルドチュービング装置の変形例について説明する。
<コイルドチュービング装置の側壁孔付き保護
管>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とコイルドチュービング装置とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。コイルドチュービング装置は、海面上又は保護管22の内部に配置された巻取り用のリール62から繰り出し装置64によって繰り出され、保護管22の側壁22aを貫通して内側から外側に伸び、サブ資源収集管とサブ保護管とサブフィルタとサブゲート管とを有する。サブ資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源管まで送る。サブ保護管は、サブ資源収集管に周設されたサブ側壁及びサブ側壁を貫通する複数のサブ側壁孔を備え、サブ資源収集管を保護する。サブフィルタは、サブ保護管の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。サブゲート管は、複数のサブ側壁孔を開閉するためにサブ保護管の外側及びサブ保護管とサブフィルタとの間の少なくとも一方に配置される。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層から資源を収集できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0085】
本発明の資源収集システムは、海底地層18から資源を収集する時に複数のサブ側壁孔を開き、それ以外の時に複数のサブ側壁孔を閉じる。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。サブ資源収集管とサブ保護管とサブゲート管は、チューブ外壁70と同様に溶接鋼管である。
【0086】
<コイルドチュービング装置
配置>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20のコイルドチュービング装置は、保護管22の軸方向に対して少なくとも1つの位置に、各位置の周方向に所定の間隔で複数配置されても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層から資源を収集できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0087】
コイルドチュービング装置60の数は、資源収集装置
20の内部に収納できれば、特に制限的ではない。
【0088】
次に、本発明の第1の実施形態の資源収集システムを構成する破砕粒子について説明する。
図11は、破砕粒子のイメージ図である。
<破砕
粒子>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、高圧水供給管と資源収集管とを有する。高圧水供給管は、海底地層18から資源を収集するために海底地層18の中に高圧水を供給する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。本発明の資源収集システムは、高圧水供給管の中の高圧水に破砕粒子80を混入し、破砕粒子80を混入した高圧水によって、海底地層18を破砕する。破砕粒子80は、セメント粒子82の外側に、遅効性発熱体84、膨張体86、速効性発熱体88が順にコーティングされたものであり、遅効性発熱体84は、高圧水の水分を吸収して発熱する材料をマイクロ波で焼成したものであり、膨張体86は、高圧水の水分を吸収して膨張する材料で形成されたものであり、速効性発熱体88は、遅効性発熱体84と同一の材料を遅効性発熱体84よりも短時間マイクロ波で焼成したもの、又はマイクロ波で焼成していないものである。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、広範囲の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0089】
本発明の高圧水供給管は、高圧ポンプを介して水供給装置12bに接続される。破砕粒子80は、破砕粒子供給装置12gから供給される。速効性発熱体88及び遅効性発熱体84を使用して生じた海底地層18の小さい窪みを膨張体86を使用して押し広げることによって、海底地層18の中に、より効率的に海底地層18から資源を収集するための割れ目18aを入れることができる。速効性発熱体88は、数分〜数時間程度で発熱して海水の氷を溶かすためのものであり、遅効性発熱体84は、数日〜数週間程度で発熱してガスハイドレート層のような固体資源を溶かすためのものである。破砕粒子80は、貯蔵タンク36の内部に一時的に貯蔵する領域を設置して貯蔵しても良い。破砕粒子80は、コイルドチュービング装置60を使用して海底地層の中に供給しても良い。その場合、高圧水供給管68eの中の高圧水に破砕粒子80を混入しても良い。遅効性発熱体84、速効性発熱体88は、特に制限的ではないが、鉄粉が空気に触れて酸化する際に化学反応を起こして発熱するもの、又は酸化カルシウムと水を反応させて水酸化カルシウムを生成し、その時に発生する熱エネルギとアルカリ水溶液を開始剤としてアルミニウムと水酸化カルシウムを反応させるものであるのが好ましい。膨張体86は、特に制限的ではないが、石灰・石膏・ボーキサイトを主成分とする焼成化合物を適当な粒度分布となるように粉砕したもの、又は酸化カルシウムと水が反応して水酸化カルシウムになる時に水酸化カルシウムの粒子が膨張するものであるのが好ましい。
【0090】
次に、資源収集装置を構成する土砂排出装置について説明する。
<土砂
排出>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ24とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ24は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。本発明の資源収集システムは、高圧ポンプを使用して、フィルタ24が除去した土砂を保護管22の側壁22aの開口から海底地層18に向かって押し出す。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、土砂を溜めこまないので、小型にすることができる。
【0091】
資源収集装置
20は、土砂排出装置90を有し、土砂排出装置90は、らせん状回転翼を回転させることによって、フィルタ24が除去した土砂を保護管22の側壁22aの方向に移動させる軸流ポンプと、その土砂を保護管22の側壁22aの開口から海底地層18に向かって押し出す高圧ポンプと、を備える。らせん状回転翼は、油圧モータ又はエアモータで駆動される。土砂排出装置90は、土砂と共に余剰のコーティング剤を排出しても良い。本発明の資源収集システムは、土砂を排出する前に、土砂の中にセメント粒子を混入するのが好ましい。高圧ポンプの種類は、特に限定的ではないが、土砂を押し出す圧力の点でプランジャポンプが好ましい。土砂排出装置90の数は、資源収集装置20hの内部に収納できれば、特に制限的ではない。
【0092】
次に、資源収集装置を構成するフィルタについて説明する。
図12(a)は、
図2の資源収集装置を構成するフィルタの一例を模式的に示す縦断面図であり、
図12(b)は、その横断面図であり、
図12(c)は、フィルタの変形例1を模式的に示す縦断面図であり、
図12(d)は、フィルタの変形例2を模式的に示す縦断面図であり、
図13(a)及び
図13(b)は、永久磁石の動きを模式的に示す縦断面図であり、
図14(a)は、フィルタの変形例3を模式的に示す縦断面図であり、
図14(b)は、その横断面図であり、
図14(c)は、フィルタの変形例4を模式的に示す縦断面図であり、
図14(d)は、その横断面図である。フィルタの一例のフィルタ100は、フィルタ24、二次フィルタ46と同一であり、エレメント24aと資源収集孔24bと貫通孔24cとを有する。
【0093】
<電
磁石>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ110とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ110は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。フィルタ110は、エレメント24aの内部に磁性体粉末付き珪藻土を保持するように配置された電磁石コイル112を備える。本発明の資源収集システムは、電磁石コイル112に通電することによって、電磁石コイル112による磁性体粉末付き珪藻土の保持力を発生させる。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0094】
フィルタ110は、フィルタの変形例1であり、さらに、資源収集孔24bと貫通孔24cとを有する。電磁石コイル112の長さ及び数は、間のエレメント24aの表面から資源を収集できれば、特に制限的ではない。
【0095】
<永久
磁石>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ120とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ120は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。フィルタ120は、永久磁石122と減磁手段とを備え、永久磁石122は、エレメント24aの内部に磁性体粉末付き珪藻土を保持するように配置され、減磁手段は、永久磁石122による磁性体粉末付き珪藻土の保持力を弱める。本発明の資源収集システムは、減磁手段を作動させることによって、永久磁石122が保持する磁性体粉末付き珪藻土の量を減らす。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0096】
フィルタ120は、フィルタの変形例2であり、さらに、資源収集孔24bと貫通孔24cとを有する。永久磁石122の長さ及び数は、間のエレメント24aの表面から資源を収集できれば、特に制限的ではない。永久磁石122の種類は、特に制限的ではないが、ネオジム磁石であるのが好ましい。
【0097】
<永久磁石及び電
磁石>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20の減磁手段は、永久磁石122と反対の極がそれぞれ隣接するように永久磁石122の内側又は外側に配置された電磁石コイル124であっても良い。本発明の資源収集システムは、電磁石コイル124に通電することによって、永久磁石122が保持する磁性体粉末付き珪藻土の量を減らしても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0098】
電磁石コイル124の長さ及び数は、間のエレメント24aの表面から資源を収集できれば、特に制限的ではない。
【0099】
減磁手段130は、操作部132と本体134と永久磁石136とを有する。操作部132を本体134に押し込んでから本体134を対象物138の上に置くと、本体134の内部の永久磁石136と対象物138との間に吸引力が作用し、本体134を持ち上げることによって対象物138を持ち上げることができる。しかしながら、この状態で操作部132を持ち上げると、操作部132が本体134から引き離されると共に永久磁石136が対象物138から引き離されるので、対象物138を本体134から外すことができる。この方法を減磁手段として使用し、永久磁石122の位置を移動させることによって、永久磁石122が保持する磁性体粉末付き珪藻土の量を減らしても良い。
【0100】
<金属ワイヤ
フィルタ、繊維状金属
フィルタ>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ140とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ140は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。フィルタ140は、らせん状金属ワイヤ142と支柱144とを備え、支柱144は、らせん状金属ワイヤ142の直線軸方向に伸びかつらせん状金属ワイヤ142に固定される。本発明の資源収集システムは、支柱144の長手方向の貫通孔144aの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、らせん状金属ワイヤ142の表面での海水の凍結を防止する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0101】
貫通孔144aは、機能上貫通孔24cに対応する。フィルタ140は、フィルタの変形例3であり、さらに、機能上資源収集孔24bに対応する資源収集孔146を有する。らせん状の貫通孔は、複数の細管にロウを満たし、両端を閉じて周囲に爆薬を詰めて点火し、爆発の衝撃で互いに溶着させる方法で構成することができる。支柱144の形状は、らせん状金属ワイヤ142を固定できれば、特に制限的ではなく、大きさ及び数は、フィルタ140の性能に影響しなければ、特に制限的ではない。資源収集孔146の形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。貫通孔144aの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。らせん状金属ワイヤ142、支柱144の材料は、特に制限的ではないが、鉄又はステンレス鋼であるのが好ましい。
【0102】
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22とフィルタ150とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。フィルタ150は、保護管22の内部に配置され、海底地層18からの土砂を除去する。フィルタ150は、らせん状金属ワイヤ152と支柱154とを備え、支柱154は、らせん状金属ワイヤ152の直線軸方向に伸びかつらせん状金属ワイヤ152に固定される。本発明の資源収集システムは、らせん状金属ワイヤ152のらせん状の貫通孔152aの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、らせん状金属ワイヤ152の表面での海水の凍結を防止する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0103】
貫通孔152aは、機能上貫通孔24cに対応する。フィルタ150は、フィルタの変形例4であり、さらに、機能上資源収集孔24bに対応する資源収集孔156を有する。らせん状の貫通孔は、複数の細管にロウを満たし、両端を閉じて周囲に爆薬を詰めて点火し、爆発の衝撃で互いに溶着させる方法で構成することができる。支柱154の形状は、らせん状金属ワイヤ152を固定できれば、特に制限的ではなく、大きさ及び数は、フィルタ150の性能に影響しなければ、特に制限的ではない。資源収集孔156の形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。貫通孔152aの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。らせん状金属ワイヤ152、支柱154の材料は、特に制限的ではないが、鉄又はステンレス鋼であるのが好ましい。
【0104】
フィルタ150は、らせん状金属ワイヤ152と支柱154の代わりに、綿状に絡み合った繊維状金属を積層して圧縮したものを備えても良い。本発明の資源収集システムは、フィルタの長手方向の貫通孔24cの中に高圧熱水又は高圧蒸気を流すことによって、フィルタの表面及び内部での海水の凍結を防止する。繊維状金属フィルタは、さらに、資源収集孔24bを有する。繊維状金属は、スチールウール又はステンレスウールであるのが好ましい。資源収集孔24b及び貫通孔24cは、繊維状金属を積層する時にフィルタの長手方向に棒材を挿入し、全体を圧縮後に棒材を引き抜く方法で構成することができる。
【0105】
次に、資源収集装置を構成する循環流発生装置について説明する。
図15(a)は、
図2の資源収集装置を構成する循環流発生管の機能を模式的に示す部分縦断面図であり、
図15(b)及び
図15(c)は、循環流発生管の動きを模式的に示す部分縦断面図である。
【0106】
<循環流可動
管>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22と循環流発生管162と電力供給装置とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。循環流発生管162は、保護管22の内部にU字状に設けられ、海底地層18と保護管22との間に循環流を発生させる。電力供給装置は、循環流発生管162の途中に配置された高周波ヒータ164に電力を供給する。本発明の資源収集システムは、海底地層18から収集される資源の量が減少した時に、循環流発生管162の両端に設けられた可動管166、168の角度を変えることによって、循環流の流路を短縮させると共に、可動管166、168から海底地層18に向かって高圧熱水又は高圧蒸気を噴射させる。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、周辺の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0107】
循環流発生管162及び電力供給装置は、循環流発生装置160を構成する。高圧熱水又は高圧蒸気は、電力供給装置及び高圧ポンプを介して水供給装置12bから供給されるものであり、超臨界水でも良い。海底地層18から収集される資源の量が通常時の可動管166の位置は、上向きの位置aであり、可動管168の位置は、下向きの位置bであり、海底地層18から収集される資源の量が減少した時の可動管166の位置は、下向きの位置cであり、可動管168の位置は、上向きの位置dである。循環流発生装置160の数は、資源収集装置
20の内部に収納できれば、特に制限的ではない。可動管166、168の形状は、循環流の方向を変更できれば、特に制限的ではない。
【0108】
海底地層18と保護管22との間に循環流を発生させるために、循環流発生管162の途中に配置された蒸気噴射部170の下向きの蒸気噴射孔170a又は上向きの蒸気噴射孔170bを通って循環流発生管162の中に蒸気を噴射し、その蒸気を高周波ヒータ164が更に加熱し、過熱蒸気を生成する。なお、ここで用いる高周波電磁波は、周波数が数百メガヘルツから数十テラヘルツまでのものが好適である。特に、ガスハイドレートの分解に用いる数百〜数千メガヘルツの周波数の電磁波と、ガスハイドレートの内部に奥深くまで浸透し、ガスハイドレートの分解促進作用がある数十テラヘルツの周波数の電磁波と、を適宜組み合わせて用いても良い。
【0109】
<強制
循環>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22と循環流発生管162と電力供給装置とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。循環流発生管162は、保護管22の内部にU字状に設けられ、海底地層18と保護管22との間に循環流を発生させる。電力供給装置は、循環流発生管162の途中に配置された高周波ヒータ164に電力を供給する。本発明の資源収集システムは、循環流の流量が減少した時に、らせん状回転翼172、174を回転させることによって、循環流発生管162の中の土砂を循環流の方向に移動させる。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、周辺の海底地層を短時間で加熱できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0110】
循環流の流量が通常時の軸流ポンプのらせん状回転翼172の位置は、循環流発生管162の外部の位置gであり、らせん状回転翼174の位置は、循環流発生管162の外部の位置hであり、循環流の流量が減少した時の可動管166の位置は、水平の位置eであり、可動管168の位置は、水平の位置fであり、循環流の流量が減少した時の軸流ポンプのらせん状回転翼172の位置は、循環流発生管162の内部の位置iであり、らせん状回転翼174の位置は、循環流発生管162の内部の位置jである。らせん状回転翼172、174は、油圧モータ又はエアモータで駆動される。
【0111】
<セメント粒子30s>
本発明の資源収集システムは、海底地層18に対して保護管22を軸方向に移動させる前に、循環流発生管162の2つの開口位置の海底地層18に中にセメント粒子を供給しても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、故障しにくいので、長時間連続して安定的に稼働することができる。
【0112】
セメント粒子は、セメント粒子供給装置12hから供給される。
【0113】
次に、資源収集装置を構成する電力供給装置について説明する。
図16(a)は、
図2の資源収集装置を構成する電力供給装置の一例を模式的に示す縦断面図であり、
図16(b)は、電力供給装置の一部の変形例1を模式的に示す縦断面図であり、
図16(c)は、電力供給装置の変形例2を模式的に示す縦断面図である。
【0114】
<ジェット
タービン>
ジェットタービン180は、電力供給装置の一例であり、圧縮部182と燃焼室184とタービン186と発電手段188とを有する。圧縮部182は、取り込んだ空気を圧縮し、燃焼室184は、燃焼中の燃料ガスと圧縮空気との混合ガスを収容し、タービン186は、燃焼によって膨張したガスが流れる力をブレードが受けて回転し、発電手段188は、タービン186の回転によって発電する。
【0115】
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22と循環流発生管162と電力供給装置とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。循環流発生管162は、保護管22の内部にU字状に設けられ、海底地層18と保護管22との間に循環流を発生させる。電力供給装置は、循環流発生管162の途中に配置された高周波ヒータ164に電力を供給する。電力供給装置は、ジェットタービン180を備え、ジェットタービン180は、海底地層18から収集した資源を燃焼室184で燃焼させて発生した燃焼ガスで駆動され、循環流発生管162に高圧熱水又は高圧蒸気を供給する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、設置場所が海面上よりも圧倒的に近いので、必要なエネルギをより効率的に供給することができる。
【0116】
高圧熱水又は高圧蒸気は、超臨界水でも良い。燃料ガスは、ガス収集管26又はオイル収集管28を通って燃焼室184に供給され、空気は、空気供給装置12dから空気供給管42cを通って圧縮部182に供給され、燃焼後のガスは、排気ガス回収管42dを通って海面上の大気に排出される。電力供給装置の数は、資源収集装置
20の内部に収納できれば、特に制限的ではない。
【0117】
<水中
バーナ>
水中バーナ190は、電力供給装置の一部の変形例1であり、ノズル192と燃焼室194と燃焼安定器196と点火装置198とを有する。ノズル192は、燃料ガス及び加圧空気を燃焼室194に接線方向に吹き込み、燃焼室194は、燃焼中の燃料ガスと加圧空気との混合ガスを収容し、燃焼安定器196は、燃焼室194への液の逆流による燃焼の不安定化を防ぎ、点火装置198は、燃料ガスと加圧空気との混合ガスに点火する。混合ガスの燃焼によって膨張したガスが流れる力をブレードが受けてタービンが回転し、タービンの回転によって発電手段が発電する。
【0118】
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22と循環流発生管162と電力供給装置とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。循環流発生管162は、保護管22の内部にU字状に設けられ、海底地層18と保護管22との間に循環流を発生させる。電力供給装置は、循環流発生管162の途中に配置された高周波ヒータ164に電力を供給する。電力供給装置は、タービンを備え、タービンは、海底地層18から収集した資源を水中バーナ190で燃焼させて発生した燃焼ガス及び蒸気で駆動され、循環流発生管162に高圧熱水又は高圧蒸気を供給する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、設置場所が海面上よりも圧倒的に近いので、必要なエネルギをより効率的に供給することができる。
【0119】
高圧熱水又は高圧蒸気は、超臨界水でも良い。燃料ガスは、ガス収集管26又はオイル収集管28を通って燃焼室194に供給され、空気は、空気供給装置12dから空気供給管42cを通って燃焼室194に供給され、燃焼後のガスは、排気ガス回収管42dを通って海面上の大気に排出される。
【0120】
<燃料
電池、熱電変換
装置>
燃料電池200は、電力供給装置の変形例2であり、燃料極202と電解質層204と空気極206とを有する。燃料極202に供給された水素は、電解質層204と接する面まで入り込んで、電子を遊離して水素イオンとなり、電子は外部に出て行き、電解質層204の中を移動した水素イオンは、空気極206に供給された酸素と外部から戻ってきた電子と反応して水になる。
【0121】
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置
20は、資源収集管と保護管22と循環流発生管162と電力供給装置とを有する。資源収集管は、海底地層18から収集した資源を収集資源貯蔵タンク12aまで送る。保護管22は、資源収集管に周設され、資源収集管を保護する。循環流発生管162は、保護管22の内部にU字状に設けられ、海底地層18と保護管22との間に循環流を発生させる。電力供給装置は、循環流発生管162の途中に配置された高周波ヒータ164に電力を供給する。電力供給装置は、海底地層18から収集した資源と高温の蒸気とを反応させて得られた水素を使用して電力を供給する燃料電池200である。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、設置場所が海面上よりも圧倒的に近いので、必要なエネルギをより効率的に供給することができる。
【0122】
水素を得る反応に必要な資源は、ガス収集管26又はオイル収集管28を通って供給され、高温の蒸気は、ヒータを介して水供給装置12bから供給され、電力供給反応後に生じる空気及び水は、資源収集装置
20の中で再利用される。電力供給装置は、燃料電池200の代わりに、海底地層18の中の熱水鉱床の熱を電力に変換して供給する熱電変換装置であっても良い。熱電変換装置は、ゼーベック効果を利用し、接合点の一方を高熱源、他方を低熱源に接触させて電位差を生じさせて熱エネルギを電気エネルギに変換する装置である。熱電変換装置は、先端に備えられた小型の掘削装置を使用して熱水鉱床の近くまで海底地層18を掘削して伸びたコイルドチュービング装置60の先端付近に備えられても良い。その場合には、高熱源は、海底地層18の中の熱水鉱床にし、低熱源は、熱水鉱床から十分離れた海底地層18にするのが好ましい。
【0123】
本発明の第1の実施形態の資源収集システムは、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、より効率的に海底地層から資源を収集することができ、また、従来と同等以上に長時間連続して安定的に稼働することができ、必要なエネルギをより効率的に供給することができ、小型にすることができる。
【0124】
次に、本発明の第2の実施形態の資源収集システムを含む全体構成について説明する。
図17は、本発明の第2の実施形態の資源収集システムを含む全体構成を模式的に示すブロック図である。
【0125】
全体構成210は、海面上に配置された構造物12と、構造物12から下方に伸びる接続管14と、接続管14の下端に備えられた掘削装置16と、接続管14と掘削装置16との間に備えられた資源収集装置220と、を有する。資源収集装置220は、ガスハイドレート層などを含む海底地層212を破砕した時の割れ目212aを使用して資源を収集する。
【0126】
次に、本発明の第2の実施形態の資源収集システムについて、それを構成する資源収集装置を参照して説明する。
図18(a)は、
図17の資源収集システムを構成する資源収集装置の機能を模式的に示す縦断面図であり、
図18(b)は、
図18(a)の資源収集装置を構成する保護管の底壁及びその周辺の機能を模式的に示す部分縦断面図である。
【0127】
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置220は、資源収集管と保護管222とフィルタ24とゲート管224と二次保護管226と二次フィルタ46と二次ゲート管228と循環流発生管230と電力供給装置とを有する。本発明の資源収集管は、ガス収集管26とオイル収集管28とを含む。資源収集装置220は、資源収集装置
20などの保護管22、ゲート管34に対する保護管222、ゲート管224の形状が異なる点、フィルタ24及び二次フィルタ46の長手方向の段数が異なる点、及び資源収集装置
20などの二次保護管44、二次ゲート管48、循環流発生管162に対する二次保護管226、二次ゲート管228、循環流発生管230の軸方向の長さが異なる点以外は同一の構成を有するものであるので、同一の構成要素及び段数又は長さのみが異なる構成要素の説明を省略する。
【0128】
<半球状
底壁>
本発明の資源収集システムを構成する資源収集装置220の保護管222は、側壁の一端から伸びる半球状の底壁222a及び底壁222aを貫通する複数の底壁孔222bを備えても良い。
このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、より近くの海底地層から資源を収集できるので、より効率的に海底地層から資源を収集することができる。
【0129】
本発明の資源収集システムは、海底地層18から資源を収集する時に複数の底壁孔222bを開き、それ以外の時に複数の底壁孔222bを閉じる。保護管222の側壁は、軸方向の長さのみが側壁22aと異なる。保護管222は、さらに、複数の側壁孔22bと保護管222の側壁の軸方向の貫通孔とを備える。保護管222の複数の側壁孔22bは、軸方向の段数のみが保護管22と異なりかつ保護管222の側壁を貫通する。保護管222の貫通孔は、軸方向の長さのみが貫通孔22cと異なりかつ底壁222aの貫通孔222cに接続される。貫通孔222cの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0130】
資源収集装置220のゲート管224は、側壁の一端から伸びる半球状の底壁224c及び底壁224cを貫通する複数の底壁孔224dを備える。本発明の資源収集システムは、海底地層18から資源を収集する時に複数の底壁孔224dを開き、それ以外の時に複数の底壁孔224dを閉じる。ゲート管224の側壁は、軸方向の長さのみが側壁34cと異なる。ゲート管224は、さらに、複数の側壁孔34dとゲート管224の側壁の軸方向の貫通孔とを備える。ゲート管224の複数の側壁孔34dは、軸方向の段数のみがゲート管34と異なりかつゲート管224の側壁を貫通する。ゲート管224の貫通孔は、軸方向の長さのみが貫通孔34eと異なりかつ底壁224cの貫通孔224eに接続される。貫通孔224eの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に加熱することができるように最適化されるのが好ましい。
【0131】
ゲート管224の内、保護管222の外側に配置されたものは、外側ゲート管224aであり、保護管222とフィルタ24との間に配置されたものは、内側ゲート管224bであり、それぞれが底壁224c、底壁224cを貫通する複数の底壁孔224d、及び底壁224cの軸方向の貫通孔224eを備える。底壁孔224dの大きさが、保護管222の底壁孔222bとほぼ同一であり、ゲート管224の円周方向の底壁孔224dの長さが、円周方向のピッチの半分未満である場合には、油圧モータ又はエアモータを使用してゲート管224を底壁孔224dの長さ分回転させることによって、保護管222の底壁孔222bを塞ぐことができる。底壁孔222b、底壁孔224dの形状、大きさ及び数は、特に制限的ではないが、最も効率的に資源を収集することができるように最適化されるのが好ましい。
【0132】
本発明の第2の実施形態の資源収集システムは、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の資源収集システムは、より効率的に海底地層から資源を収集することができ、また、従来と同等以上に長時間連続して安定的に稼働することができ、必要なエネルギをより効率的に供給することができ、小型にすることができる。
【0133】
以上、本発明の資源収集システムについて詳細に説明したが、本発明は上記記載に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしても良いのはもちろんである。